JP3705878B2 - 壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネル - Google Patents
壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネル Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレファブ工法や、枠組壁工法を行う際に好適な壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
プレファブ工法や枠組壁工法は、発泡断熱材に構造用面材を接着した壁パネル、屋根パネル等を使用して構造物を施工する工法であり、パネル自体が地震力、風圧力などの水平力や、鉛直荷重に対抗する構造用部材となる。
【0003】
図5は、2階を備えた構造物を示すものであり、基礎2上に壁パネル4を立設して下階を形成し、この壁パネル4の上端部に上階床版6の縁部を固定して2階の床面を形成し、その上階床版6の縁部に壁パネル8を立設して上階を形成し、さらに、壁パネル8の上端部に屋根パネル9を固定した構造としている。
【0004】
ここで、壁パネル4、8は、矩形板状の発泡断熱材を芯材12とし、その両面に2枚の構造用面材4a、8aを接着により一体化したパネルであり、予め工場で生産され、運搬可能な大きさに組み立てた後、車両により施工現場まで運搬されている。
【0005】
この壁パネル4、8を使用すると、構造物の鉛直荷重を受ける芯材12が発泡断熱材なので、断熱性能や防音性能にも優れた構造壁を形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、室内の天井高さを高くした住宅を施工する場合が多いが、プレファブ工法や枠組壁工法により住宅を施工すると、天井高さを高くすることが難しい。
【0007】
すなわち、プレファブ工法や枠組壁工法により天井高さを高くするには、壁パネル4、8の高さ寸法(図5で示す壁パネル4のH1 の寸法)を長くすればよいが、工場から施工現場まで壁パネル4、8を運搬する車両は、道路交通法により車両の積み荷寸法に制約があるので、壁パネル4、8の高さ寸法を長くすることが難しい。
【0008】
そのため、図5で示した構造物では、高さ寸法H1 が短い壁パネル4の上端部に上階床版6の縁部を固定しているので、下階の天井高さは低い寸法h1 にならざるを得ない。
【0009】
そこで、高さ寸法H1 を長い寸法として生産した壁パネル4、8を、特殊な運搬車を使用して建築現場まで搬送することが考えられるが、そうすると、材料運搬費の増大により施工コストが高くなるおそれがある。
【0010】
そこで、この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、施工コストを抑えて構造物内の天井高さを高くすることができ、しかも構造用部材として充分に機能するとともに、断熱及び防音効果も高めることが可能な壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネルを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の壁の組立て方法は、下階に構造用壁パネルを立設し、この構造用壁パネルの上部に所定の高さ寸法に設定した構造用梁パネルを立設し、当該構造用梁パネルの下端部を前記構造用壁パネルの上端部に接続するとともに、前記構造用梁パネルの上端部に上階用床部材の縁部を接続し、この上階用床部材の縁部上に、上階を形成する他の構造用壁パネルの下端部を接続する方法である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した壁の組立て方法に使用する構造用梁パネルであって、矩形板状の発泡断熱材と、この発泡断熱材の外周端面を囲む矩形枠体と、この矩形枠体及び前記発泡断熱材の両側面に一体化された2枚の構造用面材とで構成した。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の構造用梁パネルにおいて、外周端面に、前記構造用壁パネルや他の構造用部材に嵌まり込む凹状又は凸状の接続部を形成した。
【0014】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載の構造用梁パネルにおいて、前記矩形枠体を、長辺の寸法を短辺の寸法の略2倍の長さに設定し、前記長辺の寸法を前記発泡断熱材の厚さと同一寸法とした横断面矩形状の角材により形成し、前記角材を短辺方向に2部材重ねて前記2枚の構造用面材から外側に突出させることにより前記凸状の接続部を形成するとともに、長辺方向を前記2枚の構造用面材に直交させた前記角材を、前記2枚の構造用面材内に位置させることにより前記凹状の接続部を形成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1から図3は、本発明に係る構造用梁パネル10を示すものである。
【0016】
この構造用梁パネル10は、所定厚さTとした矩形板状の発泡断熱材12と、この発泡断熱材12の外周面を囲む矩形枠体14と、この矩形枠体14及び発泡断熱材12の両側面に接着により一体化された2枚の構造用面材16を構成部材としている。また、矩形枠体14及び2枚の構造用面材16どうしは、釘17によって固定されている。
【0017】
前記矩形枠体14は、発泡断熱材12の上端面に接着した上弦枠材14aと、発泡断熱材12の下端面に接着した下弦枠材14bと、発泡断熱材12の両側端面に接着して上弦及び下弦枠材14a、14bと連結する一対の側枠材14cとで構成されている。
【0018】
上弦枠材14aは、図2に示すように、長辺の寸法Lを短辺の寸法Sの略2倍に設定した横断面矩形状の角材Wであり、この角材Wの長辺の寸法Lは、発泡断熱材12の厚さTと同一に設定している。そして、この上弦材14aは、長辺を構造用面材16に直交させて発泡断熱材12の上面に接着している。
【0019】
また、下弦枠材14bは、前述した角材Wと同一寸法の角材Wを、調整部材18を間に挟んで短辺方向に2部材重ねて構成されており、それら2部材の角材Wの短辺を構造用面材16に直交させて発泡断熱材12の下面に接着している。
【0020】
さらに、一対の側枠材14cも、上述した上弦及び下弦枠材14a、14bで使用したものと同一寸法の角材Wを使用しており、上弦枠材14a、下弦枠材14b及び2枚の構造用面材16の内面に当接しながら発泡断熱材12の側端面に接着している。
【0021】
ここで、前記下弦枠材14aは、2枚の構造用面材16の下端面よりさらに下方に突出した状態で固定されており、この下方を向く下弦枠材14bの凸形状部分が、下側から接続する壁パネル4との凸状接続部20とされている。
【0022】
また、一対の側枠材14cは、2枚の構造用面材16の端部より内側に陥没した状態で固定されており、この凹形状部分が側部から接続する他の構造用梁パネル等との凹状接続部22とされている。
【0023】
次に、上記構成の構造用梁パネル10を使用した壁の組立て方法について、図4を参照して説明する。なお、以下に説明する壁パネル4、8及び構造用梁パネル10の構成部材である発泡断熱材12、2枚の構造用面材4a、8a、16の厚さは、全て同一寸法に設定されているものとする。
【0024】
図4によると、先ず、基礎2上に、高さ寸法をH1 とした壁パネル4を立設する。ここで、壁パネル4は、発泡断熱材12を芯材とし、その発泡断熱材12の両面に2枚の構造用面材4aを接着により一体化した構造用パネルである。そして、この壁パネル4の上端部は、2枚の構造用面材4aの上端面より発泡断熱材12の上端面が内部に位置して凹状接続部4dが形成されている。
【0025】
次に、この壁パネル4の上部に、構造用梁パネル10の下弦枠材14b側を接続する。その際、構造用梁パネル10の下端部に形成した凸状接続部20を、壁パネル4の凹状接続部4d内に差し込む。そして、図示しないが、凸状接続部20及び凹状接続部4dどうしを釘止めする。
【0026】
次に、構造用梁パネル10の上弦枠材14a上に上階床版(上階用床部材)6の縁部を載置し釘止めする。そして、上階床版6の縁部に壁パネルを立設して上階を形成する。なお、この壁パネル8も、前述した下階の壁パネル4と同一構造である。そして、壁パネル8の上端部に屋根パネル9を固定する。
【0027】
また、図4の符号24は、上階床版6の下面側に梁部材23を介して連結した天井板である。ここで、本実施形態では、長尺な梁部材23を使用して天井板24の縁部を構造用梁パネル10の下弦枠材14bに当接している。これにより、構造用梁パネル10の座屈を、梁部材23、上階床版6、天井板24が抑制する。
【0028】
上述した壁の組立て方法によると、下階を形成する壁パネル4の上端部に構造用梁パネル10を接続しているので、下階の壁高さは、壁パネル4の高さ寸法H1 に構造用梁パネル10の高さ寸法H2 を加えた寸法となる。そして、その構造用梁パネル10の上端部に上階床版6の縁部を配置しているので、下階の床から天井板24までの下階の天井高さh2 は、充分に高い寸法となる。すなわち、図5に示した従来構造の天井高さh1 より高い天井高さh2 となる。
【0029】
これにより、壁パネル4の高さ寸法H1 を長く設定しなくても、構造用梁パネル10を壁パネル4の上部に接続するだけで室内の天井高さを高くすることができるので、近年の住宅施工の要望に答えることができる。また、壁パネル4、8の間に配置した構造用梁パネル10を化粧梁とすると、美的外観を向上させて意匠的に優れた壁とすることができる。
【0030】
また、使用する壁パネル4、8は、通常の車両が運搬できる高さ寸法H1 に設定されており、また、構造用梁パネル10も高さ寸法H2 が短い部材なので、特殊な運搬車を使用せずに建築現場まで搬送することができる。そのため、材料運搬費が増大しないので、施工コストの低減化を図ることができる。
【0031】
また、構造用梁パネル10は、発泡断熱材12の外周を囲むように矩形枠体14を配設し、この矩形枠体14及び発泡断熱材12の両側面に2枚の構造面材16を一体化した構造となので、地震力、風圧力などの水平力や鉛直荷重に充分対抗することが可能な構造用部材とすることができる。
【0032】
そして、発泡断熱材12は断熱性や防音性に優れているので、梁部周囲への断熱材や防音材の張りつけ等の特別な作業が不要となり、施工コストを削減しながら断熱性能や防音性能に優れた壁構造を得ることができる。
【0033】
また、構造用梁パネル10の下端部には凸状接続部20が形成され、側部には凹状接続部22が形成されているので、壁パネル4や他の構造用梁パネル19との接続作業を容易に行うことができる。
【0034】
さらに、構造用梁パネル10の矩形枠体14は、長辺の寸法Lを短辺の寸法Sの略2倍に設定した横断面矩形状の角材Wを使用し、この角材Wの長辺及び短辺の向きを変えたり、或いは角材Wを二重に重ね合わせた状態で枠組みして形成している。また、構造用梁パネル10の下端部に形成した凸状接続部20も、二重に重ねた角材Wを2枚の構造用面材16よりさらに外側に突出させて形成している。このように、構造用梁パネル10を形成する際に、同一規格品(角材)を使用することによって部品点数を減少することができるので、構造用梁パネル10の単価を低減することができる。
【0035】
なお、本発明に係る構造用梁パネルは、図1から図3に示した構造用梁パネル10の構造に限るものではなく、幅寸法や高さ寸法が前述した図と異なっても同様の作用効果を得ることができる。また、図1から図3の構造用梁パネル10のでは、下端部に凸状接続部20を形成し、側端面に凹状接続部22を形成しているが、この形成位置に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の壁の組立て方法によると、下階を形成する構造用壁パネルの上端部に構造用梁パネルを接続しているので、下階の壁高さは、構造用壁パネルの高さ寸法に構造用梁パネルの高さ寸法を加えた寸法となる。そして、その構造用梁パネルの上端部に上階用床部材の縁部を配置しているので、下階の床から天井までの高さは充分に高い寸法となる。これにより、構造用壁パネルの高さ寸法を長く設定しなくても、構造用梁パネルを構造用壁パネルの上部に接続するだけで室内の天井高さを高くすることができるので、近年の住宅施工の要望に答えることができる。
【0037】
また、使用する構造用壁パネルは、通常の車両が運搬できる高さ寸法であり、また、構造用梁パネルも高さ寸法が短い部材なので、特殊な運搬車を使用せずに建築現場まで搬送することができる。そのため、材料運搬費が増大しないので、施工コストの低減化を図ることができる。
【0038】
さらに、下階の構造用壁パネルと上階の構造用壁パネルの間に配置した構造用梁パネルを化粧梁とすると、美的外観を向上させて意匠的に優れた壁とすることができる。
【0039】
また、請求項2記載の構造用梁パネルによると、この構造用梁パネルは、発泡断熱材の外周を囲むように矩形枠体を配設し、この矩形枠体及び発泡断熱材の両側面に2枚の構造面材を一体化した構造となので、地震力、風圧力などの水平力や鉛直荷重に充分対抗することが可能な構造用部材となる。
【0040】
そして、発泡断熱材は断熱性や防音性に優れているので、梁部周囲への断熱材や防音材の張りつけ等の特別な作業が不要となる。そして、構造用壁パネルにも発泡断熱材を使用すると、施工コストを削減しながら断熱性能や防音性能に優れた壁構造を得ることができる。
【0041】
また、請求項3記載の構造用梁パネルによると、請求項2記載の効果を得ることができるとともに、外周端面に凹状又は凸状接続部を形成し、この接続部が構造用壁パネルや他の構造用部材に嵌まり込むので、接続作業を容易に行うことができる。
【0042】
さらに、請求項4記載の構造用梁パネルによると、請求項3記載の効果を得ることができるとともに、構造用梁パネルを形成するときには、矩形枠体の材料として長辺及び短辺の長さを予め規格化した角材を使用しており、同一規格の角材を使用することによって部品点数を減少することができる。したがって、構造用梁パネルの単価を低減することができる。また、構造用梁パネルの外周端面に形成する凹状又は凸状接続部も、角材の長辺及び短辺の向きを変えたり、或いは角材を二重に重ね合わせた状態で枠組みし、2枚の構造用面材から突出させるか内側に位置させるだけで簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造用梁パネルを示す正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1のIII −III 線矢視図である。
【図4】本発明に係る壁の組立て方法を示す断面図である。
【図5】従来の壁の組立て方法を示す断面図である。
【符号の説明】
4、8 構造用壁パネル
6 上階床版(上階用床部材)
10 構造用梁パネル
12 発泡断熱材
14 矩形枠体
14a 上弦枠材
14b 下弦枠材
14c 側枠材
16 構造用面材
20 凸状接続部
22 凹状接続部
24 天井板
L 角材の長辺の寸法
S 角材の短辺の寸法
W 角材
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレファブ工法や、枠組壁工法を行う際に好適な壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
プレファブ工法や枠組壁工法は、発泡断熱材に構造用面材を接着した壁パネル、屋根パネル等を使用して構造物を施工する工法であり、パネル自体が地震力、風圧力などの水平力や、鉛直荷重に対抗する構造用部材となる。
【0003】
図5は、2階を備えた構造物を示すものであり、基礎2上に壁パネル4を立設して下階を形成し、この壁パネル4の上端部に上階床版6の縁部を固定して2階の床面を形成し、その上階床版6の縁部に壁パネル8を立設して上階を形成し、さらに、壁パネル8の上端部に屋根パネル9を固定した構造としている。
【0004】
ここで、壁パネル4、8は、矩形板状の発泡断熱材を芯材12とし、その両面に2枚の構造用面材4a、8aを接着により一体化したパネルであり、予め工場で生産され、運搬可能な大きさに組み立てた後、車両により施工現場まで運搬されている。
【0005】
この壁パネル4、8を使用すると、構造物の鉛直荷重を受ける芯材12が発泡断熱材なので、断熱性能や防音性能にも優れた構造壁を形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、室内の天井高さを高くした住宅を施工する場合が多いが、プレファブ工法や枠組壁工法により住宅を施工すると、天井高さを高くすることが難しい。
【0007】
すなわち、プレファブ工法や枠組壁工法により天井高さを高くするには、壁パネル4、8の高さ寸法(図5で示す壁パネル4のH1 の寸法)を長くすればよいが、工場から施工現場まで壁パネル4、8を運搬する車両は、道路交通法により車両の積み荷寸法に制約があるので、壁パネル4、8の高さ寸法を長くすることが難しい。
【0008】
そのため、図5で示した構造物では、高さ寸法H1 が短い壁パネル4の上端部に上階床版6の縁部を固定しているので、下階の天井高さは低い寸法h1 にならざるを得ない。
【0009】
そこで、高さ寸法H1 を長い寸法として生産した壁パネル4、8を、特殊な運搬車を使用して建築現場まで搬送することが考えられるが、そうすると、材料運搬費の増大により施工コストが高くなるおそれがある。
【0010】
そこで、この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、施工コストを抑えて構造物内の天井高さを高くすることができ、しかも構造用部材として充分に機能するとともに、断熱及び防音効果も高めることが可能な壁の組立て方法及びこれに使用する構造用梁パネルを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の壁の組立て方法は、下階に構造用壁パネルを立設し、この構造用壁パネルの上部に所定の高さ寸法に設定した構造用梁パネルを立設し、当該構造用梁パネルの下端部を前記構造用壁パネルの上端部に接続するとともに、前記構造用梁パネルの上端部に上階用床部材の縁部を接続し、この上階用床部材の縁部上に、上階を形成する他の構造用壁パネルの下端部を接続する方法である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した壁の組立て方法に使用する構造用梁パネルであって、矩形板状の発泡断熱材と、この発泡断熱材の外周端面を囲む矩形枠体と、この矩形枠体及び前記発泡断熱材の両側面に一体化された2枚の構造用面材とで構成した。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の構造用梁パネルにおいて、外周端面に、前記構造用壁パネルや他の構造用部材に嵌まり込む凹状又は凸状の接続部を形成した。
【0014】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載の構造用梁パネルにおいて、前記矩形枠体を、長辺の寸法を短辺の寸法の略2倍の長さに設定し、前記長辺の寸法を前記発泡断熱材の厚さと同一寸法とした横断面矩形状の角材により形成し、前記角材を短辺方向に2部材重ねて前記2枚の構造用面材から外側に突出させることにより前記凸状の接続部を形成するとともに、長辺方向を前記2枚の構造用面材に直交させた前記角材を、前記2枚の構造用面材内に位置させることにより前記凹状の接続部を形成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1から図3は、本発明に係る構造用梁パネル10を示すものである。
【0016】
この構造用梁パネル10は、所定厚さTとした矩形板状の発泡断熱材12と、この発泡断熱材12の外周面を囲む矩形枠体14と、この矩形枠体14及び発泡断熱材12の両側面に接着により一体化された2枚の構造用面材16を構成部材としている。また、矩形枠体14及び2枚の構造用面材16どうしは、釘17によって固定されている。
【0017】
前記矩形枠体14は、発泡断熱材12の上端面に接着した上弦枠材14aと、発泡断熱材12の下端面に接着した下弦枠材14bと、発泡断熱材12の両側端面に接着して上弦及び下弦枠材14a、14bと連結する一対の側枠材14cとで構成されている。
【0018】
上弦枠材14aは、図2に示すように、長辺の寸法Lを短辺の寸法Sの略2倍に設定した横断面矩形状の角材Wであり、この角材Wの長辺の寸法Lは、発泡断熱材12の厚さTと同一に設定している。そして、この上弦材14aは、長辺を構造用面材16に直交させて発泡断熱材12の上面に接着している。
【0019】
また、下弦枠材14bは、前述した角材Wと同一寸法の角材Wを、調整部材18を間に挟んで短辺方向に2部材重ねて構成されており、それら2部材の角材Wの短辺を構造用面材16に直交させて発泡断熱材12の下面に接着している。
【0020】
さらに、一対の側枠材14cも、上述した上弦及び下弦枠材14a、14bで使用したものと同一寸法の角材Wを使用しており、上弦枠材14a、下弦枠材14b及び2枚の構造用面材16の内面に当接しながら発泡断熱材12の側端面に接着している。
【0021】
ここで、前記下弦枠材14aは、2枚の構造用面材16の下端面よりさらに下方に突出した状態で固定されており、この下方を向く下弦枠材14bの凸形状部分が、下側から接続する壁パネル4との凸状接続部20とされている。
【0022】
また、一対の側枠材14cは、2枚の構造用面材16の端部より内側に陥没した状態で固定されており、この凹形状部分が側部から接続する他の構造用梁パネル等との凹状接続部22とされている。
【0023】
次に、上記構成の構造用梁パネル10を使用した壁の組立て方法について、図4を参照して説明する。なお、以下に説明する壁パネル4、8及び構造用梁パネル10の構成部材である発泡断熱材12、2枚の構造用面材4a、8a、16の厚さは、全て同一寸法に設定されているものとする。
【0024】
図4によると、先ず、基礎2上に、高さ寸法をH1 とした壁パネル4を立設する。ここで、壁パネル4は、発泡断熱材12を芯材とし、その発泡断熱材12の両面に2枚の構造用面材4aを接着により一体化した構造用パネルである。そして、この壁パネル4の上端部は、2枚の構造用面材4aの上端面より発泡断熱材12の上端面が内部に位置して凹状接続部4dが形成されている。
【0025】
次に、この壁パネル4の上部に、構造用梁パネル10の下弦枠材14b側を接続する。その際、構造用梁パネル10の下端部に形成した凸状接続部20を、壁パネル4の凹状接続部4d内に差し込む。そして、図示しないが、凸状接続部20及び凹状接続部4dどうしを釘止めする。
【0026】
次に、構造用梁パネル10の上弦枠材14a上に上階床版(上階用床部材)6の縁部を載置し釘止めする。そして、上階床版6の縁部に壁パネルを立設して上階を形成する。なお、この壁パネル8も、前述した下階の壁パネル4と同一構造である。そして、壁パネル8の上端部に屋根パネル9を固定する。
【0027】
また、図4の符号24は、上階床版6の下面側に梁部材23を介して連結した天井板である。ここで、本実施形態では、長尺な梁部材23を使用して天井板24の縁部を構造用梁パネル10の下弦枠材14bに当接している。これにより、構造用梁パネル10の座屈を、梁部材23、上階床版6、天井板24が抑制する。
【0028】
上述した壁の組立て方法によると、下階を形成する壁パネル4の上端部に構造用梁パネル10を接続しているので、下階の壁高さは、壁パネル4の高さ寸法H1 に構造用梁パネル10の高さ寸法H2 を加えた寸法となる。そして、その構造用梁パネル10の上端部に上階床版6の縁部を配置しているので、下階の床から天井板24までの下階の天井高さh2 は、充分に高い寸法となる。すなわち、図5に示した従来構造の天井高さh1 より高い天井高さh2 となる。
【0029】
これにより、壁パネル4の高さ寸法H1 を長く設定しなくても、構造用梁パネル10を壁パネル4の上部に接続するだけで室内の天井高さを高くすることができるので、近年の住宅施工の要望に答えることができる。また、壁パネル4、8の間に配置した構造用梁パネル10を化粧梁とすると、美的外観を向上させて意匠的に優れた壁とすることができる。
【0030】
また、使用する壁パネル4、8は、通常の車両が運搬できる高さ寸法H1 に設定されており、また、構造用梁パネル10も高さ寸法H2 が短い部材なので、特殊な運搬車を使用せずに建築現場まで搬送することができる。そのため、材料運搬費が増大しないので、施工コストの低減化を図ることができる。
【0031】
また、構造用梁パネル10は、発泡断熱材12の外周を囲むように矩形枠体14を配設し、この矩形枠体14及び発泡断熱材12の両側面に2枚の構造面材16を一体化した構造となので、地震力、風圧力などの水平力や鉛直荷重に充分対抗することが可能な構造用部材とすることができる。
【0032】
そして、発泡断熱材12は断熱性や防音性に優れているので、梁部周囲への断熱材や防音材の張りつけ等の特別な作業が不要となり、施工コストを削減しながら断熱性能や防音性能に優れた壁構造を得ることができる。
【0033】
また、構造用梁パネル10の下端部には凸状接続部20が形成され、側部には凹状接続部22が形成されているので、壁パネル4や他の構造用梁パネル19との接続作業を容易に行うことができる。
【0034】
さらに、構造用梁パネル10の矩形枠体14は、長辺の寸法Lを短辺の寸法Sの略2倍に設定した横断面矩形状の角材Wを使用し、この角材Wの長辺及び短辺の向きを変えたり、或いは角材Wを二重に重ね合わせた状態で枠組みして形成している。また、構造用梁パネル10の下端部に形成した凸状接続部20も、二重に重ねた角材Wを2枚の構造用面材16よりさらに外側に突出させて形成している。このように、構造用梁パネル10を形成する際に、同一規格品(角材)を使用することによって部品点数を減少することができるので、構造用梁パネル10の単価を低減することができる。
【0035】
なお、本発明に係る構造用梁パネルは、図1から図3に示した構造用梁パネル10の構造に限るものではなく、幅寸法や高さ寸法が前述した図と異なっても同様の作用効果を得ることができる。また、図1から図3の構造用梁パネル10のでは、下端部に凸状接続部20を形成し、側端面に凹状接続部22を形成しているが、この形成位置に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載の壁の組立て方法によると、下階を形成する構造用壁パネルの上端部に構造用梁パネルを接続しているので、下階の壁高さは、構造用壁パネルの高さ寸法に構造用梁パネルの高さ寸法を加えた寸法となる。そして、その構造用梁パネルの上端部に上階用床部材の縁部を配置しているので、下階の床から天井までの高さは充分に高い寸法となる。これにより、構造用壁パネルの高さ寸法を長く設定しなくても、構造用梁パネルを構造用壁パネルの上部に接続するだけで室内の天井高さを高くすることができるので、近年の住宅施工の要望に答えることができる。
【0037】
また、使用する構造用壁パネルは、通常の車両が運搬できる高さ寸法であり、また、構造用梁パネルも高さ寸法が短い部材なので、特殊な運搬車を使用せずに建築現場まで搬送することができる。そのため、材料運搬費が増大しないので、施工コストの低減化を図ることができる。
【0038】
さらに、下階の構造用壁パネルと上階の構造用壁パネルの間に配置した構造用梁パネルを化粧梁とすると、美的外観を向上させて意匠的に優れた壁とすることができる。
【0039】
また、請求項2記載の構造用梁パネルによると、この構造用梁パネルは、発泡断熱材の外周を囲むように矩形枠体を配設し、この矩形枠体及び発泡断熱材の両側面に2枚の構造面材を一体化した構造となので、地震力、風圧力などの水平力や鉛直荷重に充分対抗することが可能な構造用部材となる。
【0040】
そして、発泡断熱材は断熱性や防音性に優れているので、梁部周囲への断熱材や防音材の張りつけ等の特別な作業が不要となる。そして、構造用壁パネルにも発泡断熱材を使用すると、施工コストを削減しながら断熱性能や防音性能に優れた壁構造を得ることができる。
【0041】
また、請求項3記載の構造用梁パネルによると、請求項2記載の効果を得ることができるとともに、外周端面に凹状又は凸状接続部を形成し、この接続部が構造用壁パネルや他の構造用部材に嵌まり込むので、接続作業を容易に行うことができる。
【0042】
さらに、請求項4記載の構造用梁パネルによると、請求項3記載の効果を得ることができるとともに、構造用梁パネルを形成するときには、矩形枠体の材料として長辺及び短辺の長さを予め規格化した角材を使用しており、同一規格の角材を使用することによって部品点数を減少することができる。したがって、構造用梁パネルの単価を低減することができる。また、構造用梁パネルの外周端面に形成する凹状又は凸状接続部も、角材の長辺及び短辺の向きを変えたり、或いは角材を二重に重ね合わせた状態で枠組みし、2枚の構造用面材から突出させるか内側に位置させるだけで簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造用梁パネルを示す正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1のIII −III 線矢視図である。
【図4】本発明に係る壁の組立て方法を示す断面図である。
【図5】従来の壁の組立て方法を示す断面図である。
【符号の説明】
4、8 構造用壁パネル
6 上階床版(上階用床部材)
10 構造用梁パネル
12 発泡断熱材
14 矩形枠体
14a 上弦枠材
14b 下弦枠材
14c 側枠材
16 構造用面材
20 凸状接続部
22 凹状接続部
24 天井板
L 角材の長辺の寸法
S 角材の短辺の寸法
W 角材
Claims (4)
- 下階に構造用壁パネルを立設し、この構造用壁パネルの上部に所定の高さ寸法に設定した構造用梁パネルを立設し、当該構造用梁パネルの下端部を前記構造用壁パネルの上端部に接続するとともに、前記構造用梁パネルの上端部に上階用床部材の縁部を接続し、この上階用床部材の縁部上に、上階を形成する他の構造用壁パネルの下端部を接続したことを特徴とする壁の組立て方法。
- 請求項1に記載した壁の組立て方法に使用する構造用梁パネルであって、
矩形板状の発泡断熱材と、この発泡断熱材の外周端面を囲む矩形枠体と、この矩形枠体及び前記発泡断熱材の両側面に一体化された2枚の構造用面材とで構成したことを特徴とする構造用梁パネル。 - 外周端面に、前記構造用壁パネルや他の構造用部材に嵌まり込む凹状又は凸状接続部を形成したことを特徴とする請求項2記載の構造用梁パネル。
- 前記矩形枠体を、長辺の寸法を短辺の寸法の略2倍の長さに設定し、前記長辺の寸法を前記発泡断熱材の厚さと同一寸法とした横断面矩形状の角材により形成し、前記角材を短辺方向に2部材重ねて前記2枚の構造用面材から外側に突出させることにより前記凸状接続部を形成するとともに、長辺方向を前記2枚の構造用面材に直交させた前記角材を、前記2枚の構造用面材内に位置させることにより前記凹状接続部を形成したことを特徴とする請求項3記載の構造用梁パネル。
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