JP3705366B1 - 回路基板の検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検査対象の回路基板が微細ピッチの電極を有するものであっても信頼性の高い電気検査を行うことができ、複数の回路基板を連続的に検査する際にも検査作業を円滑に行うことができる回路基板の検査装置を提供する。
【解決手段】 ピッチ変換用基板23a,bの回路基板1側に配置される第1異方導電性シート22a,bに、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートを用い、該シートの回路基板1に接する表面における表面粗さが0.5〜5μmとし、且つ、ピッチ変換用基板に接する表面における表面粗さが0.3μm以下とするとともに、ピッチ変換用基板23a,bの第1異方導電性シート22a,bに接する表面における絶縁部の表面粗さを0.2μm以下とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気検査を行う回路基板を、上側検査治具と下側検査治具で両面から挟圧することにより、回路基板の両面に形成された電極がテスターに電気的に接続された状態として該回路基板の電気的特性を検査する回路基板の検査装置に関する。
集積回路などを実装するためのプリント回路基板は、集積回路などを実装する前に、回路基板の配線パターンが所定の性能を有することを確認するために電気的特性が検査される。
この電気検査では、例えば、回路基板の搬送機構を備えた検査用テスターに検査ヘッドを組み込み、検査ヘッド部分を交換することにより異なる回路基板の検査を行っている。例えば特許文献1に開示されているように、回路基板の電極に接して電気的に導通する金属の検査ピンを基板に植設した構造の検査治具を用いる方法や、特許文献2に開示されているように、導電ピンを有する検査ヘッドと、オフグリットアダプターと呼ばれるピッチ変換用の回路基板と、異方導電性シートとを組み合わせた検査治具を用いる方法が知られている。
しかし、金属検査ピンを直接に回路基板の電極に接触させる検査治具を用いる方法では、金属からなる導電ピンとの接触により回路基板の電極が損傷する可能性がある。特に近年では回路基板における回路の微細化、高密度化が進み、こうしたプリント回路基板を検査する場合、多数の導電ピンを回路基板の電極に同時に導通接触させるためには、高い圧力で検査治具を加圧することが必要となり、被検査電極が損傷し易くなる。
そして、このような微細化、高密度化されたプリント回路基板を検査するための検査治具では、高密度で多数の金属ピンを基板に植設することが技術的に困難になりつつある。また、その製造コストも高価となり、更に一部の金属ピンが損傷した場合に、修理、交換することが困難である。
一方、異方導電性シートを使用する検査治具では、回路基板の電極が異方導電性シートを介してピッチ変換用基板における電極と接触することから、回路基板の電極が損傷しにくいという利点がある。また、ピッチ変換を行う基板を使用しているため、基板に植設する検査ピンを、回路基板の電極ピッチよりも広いピッチで植設することができるため、微細ピッチで検査ピンを植設する必要がなく、検査治具の製造コストを節約できるという利点もある。
しかし、この検査治具では、回路基板ごとにピッチ変換用基板と、検査ピンを植設する検査治具とを作成する必要があるため、検査されるプリント回路基板と同数の検査治具が必要となり、複数のプリント回路基板を生産している場合では、それに対応して複数の検査治具を保有しなければならないという問題がある。特に、近年では電子機器の製品サイクルが短縮し、製品に使用されるプリント回路基板の生産期間の短縮化が進んでいるが、これに伴って検査治具を長期間使用することができなくなり、プリント回路基板の生産が切り替わる度に検査治具を生産しなければならないという問題が生じている。
こうした問題への対策として、例えば特許文献3〜5のような、中継ピンユニットを用いる、いわゆるユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置が提案されている。
図13は、このようなユニバーサルタイプの検査治具を用いた検査装置の断面図である
。この検査装置は、上側検査治具111aと下側検査治具111bとを備え、これらの検査治具は、回路基板側コネクタ121a,bと、中継ピンユニット131a,bと、テスター側コネクタ141a,bとを備えている。
回路基板側コネクタ121a,bは、ピッチ変換用基板123a,bと、その両面側に配置される異方導電性シート122a,b、126a,bとを有している。中継ピンユニット131a,bは、一定ピッチ(例えば2.54mmピッチ)で格子点上に多数(例えば5000ピン)配置された導電ピン132a,bと、この導電ピン132a,bを上下へ移動可能に支持する絶縁板134a,bとを有している。テスター側コネクタ141a,bは、回路基板1を検査治具111a,bで挟圧した際にテスターと導電ピン132a,bとを電気的に接続するコネクタ基板143a,bと、その導電ピン132a,b側に配置される異方導電性シート142a,bと、ベース板146a,bとを有している。
この中継ピンユニットを使用した検査治具は、異なるプリント回路基板を検査する際に、回路基板側コネクタを回路基板に対応するものに交換するだけでよく、中継ピンユニットとテスター側コネクタは共通で使用できる。
しかしながら、従来のこうしたユニバーサルタイプの検査治具では、回路基板側コネクタを構成する異方導電性シート122a,bとして、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用していた。この異方導電性シートは検査での繰り返し使用により導電路形成部が劣化(抵抗値の上昇)し、異方導電性シートを交換する場合、交換の度に異方導電性シートとピッチ変換用基板との位置合わせ、および回路基板側コネクタと中継ピンユニットとの位置合わせが必要であり、この位置合わせ作業が煩雑で検査効率の低下の要因となっていた。
また、回路基板の電極が、例えば200μm以下のような微少ピッチになると、上記のような異方導電性シートを用いて複数の回路基板について検査を連続して行った場合、回路基板と繰り返し接触することにより異方導電性シートの位置ずれが生じ易くなる。すると異方導電性シートの導電路形成部と回路基板の電極位置とが一致しなくなり、良好な電気的接続が得られなくなるため過大な抵抗値が測定され、本来は良品と判断されるべきプリント回路基板が不良品と誤判断され易くなる。
一方、例えば特許文献6に記載されたような、異方導電性シートとピッチ変換用基板とが一体化したコネクタを使用すると、位置合わせは容易であるが、異方導電性シート部分が劣化した際にピッチ変換用基板ごと交換しなければならず、多数のピッチ変換用基板が必要となり検査コストが増大する。
特開平6−94768号公報 特開平5−159821号公報 特開平7−248350号公報 特開平8−271569号公報 特開平8−338858号公報 特開平6−82531号公報
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、検査対象の回路基板が微細ピッチの電極を有するものであっても信頼性の高い電気検査を行うことができ、複数の回路基板を連続的に検査する際にも検査作業を円滑に行うことがで
きる回路基板の検査装置を提供することを目的としている。
本発明の回路基板の検査装置は、上側検査治具と下側検査治具により回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
上側検査治具および下側検査治具は、
基板の一面側と他面側との電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、その回路基板側に配置される第1異方導電性シートと、回路基板とは逆側に配置される第2異方導電性シートとを有する回路基板側コネクタと、
一定ピッチで配置された複数の導電ピンと、この導電ピンを上下へ移動可能に支持する絶縁板とを有する中継ピンユニットと、
テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、その中継ピンユニット側に配置される第3異方導電性シートと、中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板とを有するテスター側コネクタとを備え、
前記第1異方導電性シートは、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートからなり、その回路基板に接する表面における表面粗さが0.5〜5μmであり、且つ、ピッチ変換用基板に接する表面における表面粗さが0.3μm以下であり、
前記ピッチ変換用基板は、その第1異方導電性シートに接する表面における絶縁部の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴としている。
本発明の回路基板の検査装置は、前記第2異方導電性シートおよび第3異方導電性シートは、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴としている。
本発明の検査装置によれば、第1異方導電性シートとして導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に分散されたエラストマーシートを使用しているので、シート横方向へ多少位置ずれしたとしても、回路基板と異方導電性シートとの良好な電気的接続が確保される。
そして、その回路基板側の接触面を特定の表面粗さを有する粗面としたことにより、回路基板に対する加圧が解除された際における回路基板と異方導電性シートとの接触面積が小さいため、シート基材であるエラストマーの粘着性が抑制され、シートが回路基板に接着することを防止または抑制することができる。
さらに、ピッチ変換用基板側の接触面を表面粗さが小さい平坦面とし、ピッチ変換用基板の表面の絶縁部における表面粗さを小さくしているため、回路基板に対する加圧が解除された後も、ピッチ変換用基板と異方導電性シートとの接触面積が大きく両者の密着性が高く、シート基材であるエラストマーの粘着性によって異方導電性シートがピッチ変換用基板に確実に保持される。したがって、ピッチ変換用基板からの異方導電性シートの離脱を防止することができる。このため、多数の被検査基板の電気検査を連続して行う場合であっても、検査作業を円滑に行うことができる。
また、ピッチ変換用基板と第1異方導電性シートとが着脱可能な別体であるので、第1異方導電性シートが劣化した場合にそれだけを新たなものに交換すればよく、検査コストを低減できる。
また、第2異方導電性シートおよび第3異方導電性シートとして、導電路形成部と絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有されて面方向に不均一に分散され、シート片面側に導電路形成部が突出した偏在型の異方導電性シートを使用することにより、検査治具の押圧による加圧力や衝撃がこれらのシートで吸収され、これにより第1異方導電性シートの劣化が抑制される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態における検査装置を説明する断面図、図2は、図1の検査装置の検査使用時における積層状態を示した断面図、図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図、図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。
この検査装置10は、回路基板1における電極間の電気抵抗を測定することにより回路基板の電気検査を行うものであり、回路基板1の上面側に配置される上側検査治具11aと、下面側に配置される下側検査治具11bとが、上下に互いに対向するように配置されている。
上側検査治具11aは、その両側に異方導電性シートを備えた回路基板側コネクタ21aと、中継ピンユニット31aと、その中継ピンユニット31a側に異方導電性シートが配置されるコネクタ基板43aおよびベース板46aからなるテスター側コネクタ41aとを備えている。
下側検査治具11bも上側検査治具11aと同様に構成され、その両側に異方導電性シートを備えた回路基板側コネクタ21bと、中継ピンユニット31bと、その中継ピンユニット31b側に異方導電性シートが配置されるコネクタ基板43bおよびベース板46bからなるテスター側コネクタ41bとを備えている。
回路基板1の上面には、被検査用の電極2が形成され、その下面にも被検査用の電極3が形成されており、これらは互いに電気的に接続されている。
回路基板側コネクタ21a,bは、ピッチ変換用基板23a,bと、その両側に配置される第1異方導電性シート22a,bおよび第2異方導電性シート26a,bを有している。
図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図であり、図4はその中継ピンユニット側の表面を示した図である。ピッチ変換用基板23の一方の表面には、図3に示したように回路基板の電極に電気的に接続される複数の接続電極25が形成されている。これらの接続電極25は、回路基板の被検査電極のパターンに対応するように配置されている。
一方、ピッチ変換用基板23の他方の表面には、図4に示したように、中継ピンユニットの導電ピンに電気的に接続される複数の端子電極24が形成されている。これらの端子電極24は、例えばピッチが2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、そのピッチは中継ピンユニットの導電ピンの配置ピッチと同一である。
図3のそれぞれの接続電極25は、配線52および絶縁基板51の厚み方向に貫通する内部配線53によって、対応する図4の端子電極24に電気的に接続されている。
第1異方導電性シートに接する図3で示した表面において、ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部の表面粗さは0.2μm以下、好ましくは0.001〜0.1μm、よ
り好ましくは0.01〜0.03μmである。
なお、本明細書において「表面粗さ」とは、JIS B0601による中心線粗さRaをいう。
絶縁部表面における表面粗さが過大である場合、後述する第1異方導電性シートに対する密着性が不充分となり、ピッチ変換用基板23からの異方導電性シートの離脱を防止することが困難となる。
ピッチ変換用基板23の表面における絶縁部は、例えば図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように形成された絶縁層54で構成され、この絶縁層54の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。この厚みが過小である場合、表面粗さが小さい絶縁層を形成することが困難となることがある。一方、この厚みが過大である場合、接続電極25と異方導電性シートとの電気的接続が困難となることがある。
ピッチ変換用基板の絶縁基板51を形成する材料としては、一般にプリント回路基板の基材として使用されるものを用いることができる。具体的には、例えばポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型ポリイミド樹脂、ガラス繊維補強型エポキシ樹脂、ガラス繊維補強型ビスマレイミドトリアジン樹脂などを挙げることができる。
図7の絶縁層54、55の形成材料としては、薄膜状に成形可能な高分子材料を用いることができ、具体的には、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、これらの混合物、レジスト材料などを挙げることができる。
ピッチ変換用基板23は、例えば次のようにして製造することができる。まず、平板状の絶縁基板の両面に金属薄層を積層した積層材料を用意し、この積層材料に対して、形成すべき端子電極に対応するパターンに対応して積層材料の厚み方向に貫通する複数の貫通孔を、数値制御型ドリリング装置、フォトエッチング処理、レーザー加工処理などにより形成する。
次いで、積層材料に形成された貫通孔内に無電解メッキおよび電解メッキを施すことによって、基板両面の金属薄層に連結されたバイアホールを形成する。その後、金属薄層に対してフォトエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に配線パターンおよび接続電極を形成するとともに、反対側の表面に端子電極を形成する。
そして、図7に示したように、絶縁基板51の表面に、それぞれの接続電極25が露出するように絶縁層54を形成するとともに、反対側の表面に、それぞれの端子電極24が露出するように絶縁層55を形成することにより、ピッチ変換用基板23が得られる。なお、絶縁層55の厚みは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。
回路基板側コネクタを構成し、ピッチ変換用回路基板23と積層される第1異方導電性シート22は、図5にも示したように、絶縁性の弾性高分子からなる基材シート61中に多数の導電性粒子62が面方向に分散されるとともに厚み方向に配列した状態で含有されている。
この異方導電性シート22における回路基板と接触する側の表面63は、凹凸を有する粗面とされている。一方、そのピッチ変換用基板と接触する側の表面64は平坦面とされている。
回路基板と接触する側の粗面における表面粗さは0.5〜5μm、好ましくは1〜2μmである。この表面粗さが過小である場合、この面における粘着性を充分に抑制することが困難となり、検査時に回路基板に引きずられてシートが位置ずれしてしまったり、シートが回路基板に貼り付いてピッチ変換用基板から離脱してしまったりする。一方、表面粗さが過大である場合、回路基板に対して安定な電気的接続を行うことが困難となる。
ピッチ変換用基板と接触する側の表面における表面粗さは0.3μm以下、好ましくは0.005〜0.2μm、より好ましくは0.01〜0.1μmである。この表面粗さが過大である場合、ピッチ変換用基板に対する密着性が不充分であるため、ピッチ変換用基板からのシートの離脱を防止することが困難となる。
図5に示したように、第1異方導電性シート22に含有された導電性粒子62は、その厚み方向に並ぶように配向し、複数の導電性粒子62による連鎖が厚み方向に延びるように配置されている。導電性粒子62による連鎖は、シート22の粗面側における凸部および凹部の位置と無関係にシート22の面方向に分散された状態で形成されている。
異方導電性シート22の最小厚み(粗面63側の凹部から平坦面64までの厚み)は、好ましくは0.03〜0.3mm、より好ましくは0.05〜0.2mmである。この最小厚みが0.03mm未満である場合、シートの機械的強度が低くなり易く、必要な耐久性が得られないことがある。この最小厚みが0.3mmを超える場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く、また接続する電極のピッチが小さい場合には、加圧により形成される導電路間で充分な絶縁性が得られないことがある。
第1異方導電性シートに用いられる弾性高分子基材(エラストマー)を得るために好ましく使用される硬化性の高分子材料としては、例えばポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
異方導電性シートに耐候性が要求される場合には、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好ましく、特に、成形加工性および電気特性の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以
下であることが好ましく、縮合型のもの、付加型のもの、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのいずれであってもよい。具体的には、例えばジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
これらの中で、ビニル基を含有する液状シリコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)は、例えば、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下において加水分解および縮合反応させ、引続いて溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンを触媒の存在下でアニオン重合し、重合停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量お
よび重合停止剤の量)を適宜調節することにより得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
ヒドロキシル基を含有する液状シリコーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン)は、例えば、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下で加水分解および縮合反応させ、引続いて溶解−沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、環状シロキサンを触媒の存在下でアニオン重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)を適宜調節することによっても得られる。ここで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃である。
液状シリコーンゴムとしては、その硬化物の150℃における圧縮永久歪みが35%以下のものを用いることが、異方導電性シートの厚み方向に繰り返し圧縮させた際の耐久性が良好となる点から好ましく、この圧縮永久歪みは、より好ましくは20%以下である。
また、その硬化物の23℃における引き裂き強度が7kN/m以上の液状シリコーンゴムを用いることが、異方導電性シートの厚み方向に繰り返し圧縮させた際の耐久性が良好となる点から好ましく、この引き裂き強度は、より好ましくは10kN/m以上である。
ここで、液状シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みおよび引き裂き強度は、JIS K
6249に準拠した方法によって測定することができる。
異方導電性シートの基材である弾性高分子は、その分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。)が10000〜40000であることが好ましい。また、耐熱性の点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。)が2以下であることが好ましい。
弾性高分子基材を得るための上記した高分子材料中には、これを硬化させるための硬化触媒を含有させることができる。このような硬化触媒としては、例えば有機過酸化物、脂肪酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを挙げることができる。
硬化触媒として用いられる有機過酸化物としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチルなどが挙げられる。
硬化触媒として用いられる脂肪酸アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ヒドロシリル化反応の触媒として使用可能な触媒としては、例えば塩化白金酸およびその塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、これを添加する高分子材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬
化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子材料100重量部に対して3〜15重量部である。
弾性高分子基材中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機充填材を含有させることにより、異方導電性シートを得るための成形材料のチキソトロピー性が確保され、その粘度が高くなる。さらに、導電性粒子の分散安定性が向上するとともに、得られる異方導電性シートの強度が高くなる。
このような無機充填材の使用量は、特に限定されるものではないが、多量に使用すると、磁場により導電性粒子を充分に配向させることができなくなるため好ましくない。
また、シート成形材料の粘度は、温度25℃において100000〜1000000cpの範囲内であることが好ましい。
シート基材中に含有される導電性粒子としては、磁場を作用させることによって容易にシートの厚み方向に並ぶよう配向させることができる点から、磁性を示す導電性粒子が用いられる。このような導電性粒子としては、例えばニッケル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属からなる粒子、これらの合金からなる粒子、これらの金属を含有する粒子、これらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性が良好な金属のメッキを施したもの、非磁性金属粒子またはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に、ニッケル、コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あるいは芯粒子に導電性磁性体および導電性が良好な金属の両方を被覆したものなどが挙げられる。
中でも、強磁性体からなる粒子、例えばニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に導電性が良好な金属、特に金のメッキを施したものを用いることが好ましい。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆する方法としては、例えば化学メッキ、電解メッキなどを挙げることができる。
導電性粒子として芯粒子の表面に導電性金属を被覆したものを用いる場合には、良好な導電性が得られる点から、粒子表面における導電性金属の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%である。
導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは3.5〜17重量%である。
導電性粒子の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは2〜500μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜200μmである。
導電性粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。
上記のような各条件を満足する導電性粒子を用いることにより、導電性粒子間に充分な電気的接触が得られる。
導電性粒子の形状は、特に限定されるものではないが、シート基材である弾性高分子を形成する高分子材料中に容易に分散させることができる点から、球状、星形状あるいはこれらが凝集した2次粒子による塊状であることが好ましい。
導電性粒子の含水率は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、弾性高分子基材を形成する高分子材料を硬化処理する際に気泡が生ずることが防止または抑制される。
導電性粒子として、その表面がシランカップリング剤などのカップリング剤で処理されたものを用いてもよい。導電性粒子の表面をカップリング剤で処理することにより、導電性粒子と弾性高分子基材との接着性が高くなり、その結果、得られる異方導電性シートの繰り返し使用における耐久性が高くなる。
カップリング剤の使用量は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好ましく、より好ましくはこの被覆率が7〜100%、さらに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜100%となる量である。
第1異方導電性シート中の導電性粒子の含有量は、シート厚み方向に充分に電気抵抗値の小さい導電路を形成するとともに、シートに必要な弾性を損なわないようにする点から、体積分率で好ましくは5〜30%、より好ましくは7〜27%、特に好ましくは10〜25%である。
シート厚み方向に並ぶ導電性粒子の数(厚み方向に導電路を形成するための導電性粒子の数)は3〜20個であることが好ましく、より好ましくは5〜15個である。この粒子数が3個以上である場合、異方導電性シートの抵抗値のばらつきが小さくなる。この粒子数が20個以下である場合、異方導電性シートの圧縮時に、導電性粒子の連鎖による導電路の変形が大きくならず、抵抗値の上昇を生じることが少ない。
第1異方導電性シートには、弾性高分子物質の絶縁性を損なわない範囲で帯電防止剤を含有させることができる。
このような帯電防止剤としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオシキエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン系帯電防止剤;
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤;
テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系帯電防止剤;
アルキルベタイン、イミダゾリン型両性化合物等の両性帯電防止剤などが挙げられる。
このような帯電防止剤を異方導電性シート中に含有させることにより、シート表面に電荷が蓄積されることが防止または抑制されるので、シートを回路基板の電気検査に使用する際に、検査時に異方導電性シートから電荷が放出されることによる不具合を防止することができるとともに、一層小さい加圧力で良好な導電性を得ることができる。これらの点から、異方導電性シートを形成する弾性高分子基材の体積固有抵抗が1×109〜1×1
13Ω・cmとなるように帯電防止剤を含有させることが好ましい。
異方導電性シートは、例えば次のようにして製造することができる。まず、硬化されて弾性高分子基材となる液状の高分子材料中に磁性を示す導電性粒子を分散した流動性の成形材料を調製するとともに、非磁性シートからなる一対の成型部材を用意する。そして、片方の成形部材の成形面上に、目的とする異方導電性シートの平面形状に適合する形状の開口を有するとともにその厚みに対応する厚みを有する枠状のスペーサを配置し、成形部材の成形面におけるスペーサの開口内に、調製した成形材料を塗布し、この成形材料上に他方の成形部材をその成形面が成形材料に接するよう配置する。
成形部材として使用する非磁性シートとしては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂シートを用いることができる。
図9に示したように、片方の成形部材93aは、その成形面をサンドブラスト法、エッチング法などにより粗面化処理して成形面に凹部99aおよび凸部99bを形成したものが用いられる。他方の成形部材93bには、その成形面が平坦面であるものが用いられる。
成形面を粗面化処理した成形部材93aの成形面における表面粗さは、目的とする異方導電性シートの表面における表面粗さに応じて、0.5〜5μm、より好ましくは1〜2μmに設定される。
他方の成形部材93bの成形面における表面粗さは、目的とする異方導電性シートの裏面における表面粗さに応じて、0.3μm以下、より好ましくは0.01〜0.1μmに設定される。
成形部材のシート厚みは、好ましくは50〜500μm、より好ましくは75〜300μmである。この厚みが50μm未満である場合、成形部材として必要な強度が得られないことがある。この厚みが500μmを超える場合、導電性粒子を配列させる際に成形材料に所望の強度の磁場を作用させることが困難となることがある。
次いで、図8に示したように、加圧ロール91および支持ロール92によって、成型材料95を挟んだ成形部材93a、93bを挟圧することにより、成形材料を所定の厚さとする。この状態では、図9に示したように、導電性粒子62が均一に分散した状態である。
次いで、図10に示したように、成形部材93a、93bの裏面側に、例えば一対の電磁石98a,98bを配置して、成形材料95の厚み方向に平行磁場を作用させる。これにより、成形材料中に分散されている導電性粒子62が、図11に示したように、面方向に分散された状態を維持しながら厚み方向に並ぶよう配向し、厚み方向に延びる複数の導電性粒子62による連鎖が面方向に分散した状態で形成される。
この状態で成形材料を硬化することにより、弾性高分子基材中に導電性粒子が厚み方向に並ぶよう配向し、且つ面方向に分散された状態で含有された異方導電性シートが製造される。
成形材料の硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行ってもよく、平行磁場の作用を停止させた後に行ってもよい。成形材料に作用する平行磁場の強度は、平均で0.02〜1.5テスラとなる大きさが好ましい。
成形材料に平行磁場を作用させる手段として、電磁石の代わりに永久磁石を用いてもよ
い。永久磁石としては、上記の範囲の平行磁場強度が得られる点で、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどからなるものが好ましい。
成形材料の硬化処理は、使用される材料にもよるが、通常は加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、高分子材料などの種類、導電性粒子の移動に要する時間などを考慮して適宜設定される。
このような方法によれば、硬化処理した異方導電性シート自体に粗面化処理を施す必要がなく、異方導電性シートを簡易な工程で製造でき、さらに、後処理を施すことによる異方導電性シートへの悪影響を回避することができる。
また、成形部材として成形面が粗面化処理された非磁性体シートを用いているので、成形材料に対して面方向において均一な強度の磁場を作用させることができる。すなわち、粗面化処理された成形面の凸部の位置に凹部の位置よりも大きい強度の磁場が形成されることがないため、凸部の位置に導電性粒子の連鎖が選択的に形成されることがなく、導電性粒子の連鎖は異方導電性シートの面方向に分散した状態で形成され、これにより、異方導電性シートの粗面における凸部の位置にも導電性粒子の連鎖が形成されることになる。このため、異方導電性シートの粗面における凸部のみが加圧された状態であっても、その厚み方向に導電性が得られる。したがって、小さい加圧力で高い導電性を示す異方導電性シートが得られる。また、成形部材として樹脂シートなどの非磁性シートを用いることにより、金型などの高価な成形部材を用いる場合に比べて製造コストを低減することができる。
ピッチ変換用基板の中継ピンユニット側に配置される第2異方導電性シートは、図6に示したように、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子62が厚み方向に配列して形成された導電路形成部72と、それぞれの導電路形成部72を離間する絶縁部71から構成されている。このように、導電性粒子62は導電路形成部72中にのみ、面方向に不均一に分散されている。
導電路形成部の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mmである。この厚みが0.1mm未満である場合、厚み方向の加圧に対する吸収能力が低く、検査時において検査治具による加圧力の吸収が小さくなり、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和する効果が減少する。このため、第1異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時における第1異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下する。一方、この厚みが2mmを超える場合、厚み方向の電気抵抗が大きくなり易く電気検査が困難となることがある。
絶縁部の厚みは、導電路形成部の厚みと実質的に同一か、それよりも小さいことが好ましい。図6に示したように、絶縁部71の厚みを導電路形成部72の厚みよりも小さくして導電路形成部72が絶縁部71より突出した突出部73を形成することにより、厚み方向の加圧に対して導電路形成部72の変形が容易になり、加圧力の吸収能力が増大するため、検査時において検査治具の加圧力を吸収し、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和することができる。
第2異方導電性シートを構成する導電性粒子に、磁性導電性粒子を使用する場合、その数平均粒子径は好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。ここで、「磁性導電性粒子の数平均粒子径」とは、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。磁性導電性粒子の数平均粒子径が5μm以上であると、異方導電性シートの導電路形成部の加圧変形が容易になる。また、その製造工程において磁場配向処理によって磁性導電性粒子を配向させる場合、磁性導電性粒子
の配向が容易である。磁性導電性粒子の数平均粒子径が200μm以下であると、異方導電性シートの導電路形成部の弾性が良好で加圧変形が容易になる。
導電路形成部の厚みW(μm)と、磁性導電性粒子の数平均粒子径D(μm)との比率W/Dは1.1〜10であることが好ましい。
比率W/Dが1.1未満である場合、導電路形成部の厚みに対して磁性導電性粒子の直径が同等あるいはそれよりも大きくなるため、導電路形成部の弾性が低くなり、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。検査時における検査治具の加圧圧力を吸収が小さくなり、回路基板側コネクタへの衝撃を緩和する効果が減少するため、第1異方導電性シートの劣化を抑制しにくくなり、結果として回路基板の繰り返し検査時において、第1異方導電性シートの交換回数が増加して、検査の効率が低下し易くなる。
一方、比率W/Dが10を超える場合、導電路形成部に多数の導電性粒子が配列して連鎖を形成することとなり、導電性粒子同士の接点が多数存在することになるため、電気的抵抗値が高くなり易い。
導電路形成部の基材である弾性高分子(エラストマー)は、そのタイプAデュロメータによって測定されたデュロメータ硬さが好ましくは15〜60、より好ましくは20〜50、さらに好ましくは25〜45である。
弾性高分子のデュロメータ硬さが過小である場合、厚み方向に押圧された際のシートの圧縮、変形が大きく、大きな永久歪が生じるためシート形状が早期に変形して検査時の電気的接続が困難となり易い。弾性高分子のデュロメータ硬さが過大である場合、厚み方向に押圧された際の変形が小さくなるため、その厚み方向の加圧力の吸収能力が小さくなる。
導電路形成部の基材となる弾性高分子としては、上記のデュロメータ硬さを示すものであれば特に限定されないが、加工性および電気特性の点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。
第2異方導電性シートの絶縁部は、実質的に導電性粒子を含有しない絶縁材料により形成される。絶縁材料としては、例えば絶縁性の高分子材料、無機材料、表面を絶縁化処理した金属材料などを用いることができるが、導電路形成部に使用した弾性高分子と同一の材料を用いると生産が容易である。絶縁部の材料として弾性高分子を使用する場合、デュロメータ硬さが上記の範囲であるものを使用することが好ましい。
磁性導電性粒子としては、前述の第1異方導電性シートに用いられる導電性粒子を用いることができる。また、第2異方導電性シートは、図8および図10に示したような装置を用いて成形および導電性粒子の配向を行って製造することができる。
中継ピンユニットは、図1、2に示したように、上下方向を向くように並列に設けられた多数の導電ピン32a,bと、この導電ピンの両端側に設けられ、導電ピンを挿通支持する絶縁板34a,bと、2枚の絶縁板を固定するガイドピン33a,bとを備えている。
導電ピン32は、例えば図12示したように、直径の大きい中央部82と、これよりも直径の小さい端部81a,bとからなる。
絶縁板34には導電ピン32の端部81が挿入される貫通孔83が形成されている。そして、貫通孔83の直径が、導電ピン32の端部81の直径よりも大きく、且つ中央部82の直径よりも小さく形成され、これにより導電ピン32が脱落しないように保持されて
いる。
2枚の絶縁板34は、ガイドピン33によりこれらの間隔が導電ピン32の中央部82の長さよりも長くなるように固定され、これにより導電ピン32が上下に可動するように保持されている。
導電ピン32の端部81の長さは、絶縁板34の厚みよりも長くなるように形成され、これにより、少なくとも一方の絶縁板34から導電ピン32が突出するようになっている。
中継ピンユニットは、多数の導電ピンが、一定ピッチ、例えば2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmのピッチの格子点上に配置されている。
中継ピンユニットの導電ピンの配置ピッチと、ピッチ変換用基板に設けられた端子電極の配置ピッチとを同一とすることにより、導電ピンを介してピッチ変換用基板がテスター側に電気的に接続される。
テスター側コネクタは、図1に示したように、第3異方導電性シート42a,bとコネクタ基板43a,bと、ベース板46a,bとを備えている。第3の異方導電性シートは、前述した第2異方導電性シートと同様のものが使用され、図6に示したような、絶縁性の弾性高分子材料中に多数の導電性粒子が厚み方向に配列して形成された導電路形成部と、それぞれの導電路形成部を離間する絶縁部とから構成されている。
コネクタ基板43a,bには、絶縁基板の中継ピンユニット側に、図1、2に示したようにピン側電極45a,bが形成されている。
これらのピン側電極は、一定ピッチ、例えば2.45mm、1.8mm、1.27mm、1.06mm、0.8mm、0.75mm、0.5mm、0.45mm、0.3mmまたは0.2mmの一定ピッチの格子点上に配置されており、その配置ピッチは中継ピンユニットの導電ピンの配置ピッチと同一である。
それぞれのピン側電極は、絶縁基板の表面に形成された配線パターンおよびその内部に形成された内部配線によって、テスター側電極44a,bに電気的に接続されている。
図2に示したように、回路基板1の電極2および電極3は、第1異方導電性シート22a,b、ピッチ変換用基板23a,b、第2異方導電性シート26a,b、導電ピン32a,b、第3異方導電性シート42a,b、コネクタ基板43a,bを介して、最外側に配置されたベース板46a,bをテスターの加圧機構により規定の圧力で押圧することによってテスター(図示せず)に電気的に接続され、回路基板の電極間における電気抵抗測定などの電気検査が行われる。
測定時に被検査基板に対して上側および下側検査治具から押圧する圧力は、例えば100〜250kgfである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更および修正が可能である。
例えば、被検査回路基板はプリント回路基板以外に、パッケージIC、MCM、CSPなどの半導体集積回路装置、ウェハに形成された回路装置であってもよい。またプリント回路基板は両面プリント回路基板だけではなく片面プリント回路基板であってもよい。
上側検査治具と下側検査治具は、使用材料、部材構造などにおいて必ずしも同一である必要はなく、これらが異なるものであってもよい。
テスター側コネクタは、コネクタ基板のような回路基板と異方導電性シートを複数積層して構成してもよい。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。なお、表面粗さは、ザイゴ社製の3次元表面構造解析顕微鏡「New View 200」を用い、JIS B0601による中心平均粗さRaを、カットオフ値0.8mm、測定長さ0.25mmの条件で測定した値である。
(評価用回路基板)
下記の仕様の評価用回路基板を用意した。
寸法:100mm(縦)×100mm(横)×0.8mm(厚み)
上面側の被検査電極の数:7312個
上面側の被検査電極の径:0.3mm
上面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
下面側の被検査電極の数:3784
下面側の被検査電極の径:0.3mm
下面側の被検査電極の最小配置ピッチ:0.4mm
[実施例1]
レール搬送型回路基板自動検査機(日本電産リード社製,品名:STARREC V5)の検査部に適合する、上記の評価用回路基板を検査するための回路基板検査装置を作製した。
(第1異方導電性シート)
二液型の付加型液状シリコーンゴムのA液とB液とを等量となる割合で混合した。この混合物100重量部に平均粒子径が20μmの導電性粒子100重量部を添加して混合した後、減圧による脱泡処理を行うことにより、成形材料を調製した。
付加型液状シリコーンゴムとして、A液およびB液の粘度がそれぞれ500Pで、その硬化物の150℃における圧縮永久歪(JIS K 6249に準拠した測定方法による)が6%、23℃における引き裂き強度(JIS K 6249に準拠した測定方法による)が25kN/mのものを用いた。
導電性粒子として、ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に無電解金メッキを施したもの(平均被覆量:芯粒子の重量の5重量%となる量)を用いた。
一方の成形部材の成形面に、120mm×200mmの矩形の開口を有する、厚みが0.08mmの枠状のスペーサを配置した後、スペーサの開口内に、調製した成形材料を塗布し、この成形材料上に他方の成形部材をその成形面が成形材料に接するよう配置した。
一方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その非光沢面(表面粗さが1μm)を成形面として使用し、他方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その光沢面(表面粗さが0.04μm)を成形面として使用した。
次いで、加圧ロールおよび支持ロールからなる加圧ロール装置を用い、これらの成形部材によって成形材料を挟圧し、成形材料の厚みを0.08mmとした。
各成形部材の裏面に電磁石を配置し、成形材料に対してその厚み方向に0.3Tの平行磁場を作用させながら、120℃、30分間の条件で成形材料の硬化処理を行うことにより、厚みが0.1mmの矩形の異方導電性シートを製造した。
得られた異方導電性シートは、その一面における表面粗さが1.4μmで、他面における表面粗さが0.12μmであり、導電性粒子の割合が体積分率で12%であった。この異方導電性エラストマーシートを「異方導電性シート(a)」とする。
(2)ピッチ変換用基板
ガラス繊維補強型エポキシ樹脂からなる絶縁基板の両面全面に、厚みが18μmの銅からなる金属薄層を形成した積層材料(松下電工社製,品名:R−1766)に、数値制御型ドリリング装置によって、それぞれ積層材料の厚み方向に貫通する直径0.2mmの円形の貫通孔を合計で7312個形成した。次いで、貫通孔が形成された積層材料に対して、EDTAタイプ銅メッキ液を用いて無電解メッキ処理を施すことにより、各貫通孔の内壁に銅メッキ層を形成し、さらに、硫酸銅メッキ液を用いて電解銅メッキ処理を施すことにより、各貫通孔内に、積層材料表面の各金属薄層を互いに電気的に接続する、厚さ約10μmの円筒状のバイアホールを形成した。
次いで、積層材料表面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成するとともに、この積層材料の他面側の金属薄層上に保護シールを配置した。このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、エッチング用のレジストパターンを形成した。そして、レジストパターンを形成した面の金属薄層に対してエッチング処理を施すことにより、絶縁基板の表面に、直径200μmの7312個の接続電極と、各接続電極とバイアホールとを電気的に接続する線幅が100μmのパターン配線部を形成し、次いで、レジストパターンを除去した。
接続電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の表面に、厚みが25μmのドライフィルムソルダーレジスト(日立化成製、品名:SR−2300G)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置して、絶縁層に対して平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行うことにより、それぞれの接続電極を露出する、直径200μmの7312個の開口を形成した。硫酸銅メッキ液を用い、積層材料の他面側の金属薄層を共通電極として用い、それぞれの接続電極に対して電解銅メッキ処理を施すことにより、絶縁層の表面から突出する7312個の接続電極を形成した。
次いで、積層材料の他面側の金属薄層上の保護シールを除去し、この面の金属薄層上に、厚みが25μmのドライフィルムレジスト(東京応化製,品名:FP−225)をラミネートしてレジスト層を形成した。その後、このレジスト層上にフォトマスクフィルムを配置し、レジスト層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理を行う施すことにより、積層材料における金属薄層上にエッチング用のレジストパターンを形成した。次いでエッチング処理を施すことにより、絶縁性基板の裏面に7312個の端子電極と、各端子電極とバイアホールとを電気的に接続するパターン配線部を形成し、レジストパターンを除去した。
次いで、端子電極およびパターン配線部が形成された絶縁基板の裏面に、厚みが38μmのドライフィルムソルダーレジスト(ニチゴーモートン製、品名:コンフォマスク2015)をラミネートして絶縁層を形成し、この絶縁層上にフォトマスクフィルムを配置し、次いで、絶縁層に対して、平行光露光機(オーク製作所製)を用いて露光処理を施した後、現像処理することにより、電極を露出する直径0.4mmの開口を7312個形成した。
以上のようにして、ピッチ変換用基板を作製した。このピッチ変換用基板は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極の絶縁層表面から露出した部
分の直径が約300μm、接続電極の絶縁層表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.45mmであり、接続電極が形成された面側の絶縁層の表面粗さが0.02μmであった。
このピッチ変換用基板の表面側に、上記の異方導電性エラストマーシート(a)を配置し、裏面側に、厚み方向に延びる多数の導電路形成部と、これらを互いに絶縁する絶縁部とからなり、片面に導電路形成部が突出した偏在型異方導電性シートを配置することにより、上部側の回路基板側コネクタとした。
上記と同様にして、表面に3784個の接続電極を有するともに、裏面に3784個の端子電極を有する下部側検査用治具用のピッチ変換用基板を作製した。このピッチ変換用基板は、縦横の寸法が120mm×160mm、厚みが0.5mm、接続電極の絶縁層表面に露出した部分の直径が約300μm、接続電極の絶縁層表面からの突出高さが約25μm、接続電極の最小配置ピッチが0.4mm、端子電極の直径が0.4mm、端子電極の配置ピッチが0.45mmであり、接続電極が形成された面側の絶縁層の表面粗さが0.02μmであった。
このピッチ変換用基板の表面側に、上記の異方導電性エラストマーシート(a)を配置し、裏面側に、厚み方向に延びる多数の導電路形成部と、これらを互いに絶縁する絶縁部とからなり、片面に導電路形成部が突出した偏在型異方導電性シートを配置することにより、下部側の回路基板側コネクタとした。
これらの上部側および下部側の回路基板側コネクタを用いて、図1に示したように中継ピンユニットおよびテスター側コネクタを配置することにより検査装置を構成した。
(性能評価)
レール搬送型回路基板自動検査機「STARREC V5」(日本電産リード社製)に検査装置を装着し、下記の方法により、接続安定性試験および異方導電性シートの剥離試験を行った。
(i)接続安定性試験
検査装置に上記の評価用回路基板を搬送させてセットし、所定のプレス荷重で評価用回路基板に対して加圧した。この状態で、2つのコネクタの接続電極と電気的に接続された評価用回路基板に1ミリアンペアの電流を印加した際の電気抵抗値を測定し、次いで評価用回路基板に対する加圧を解除した。
この操作を10回行い、測定された電気抵抗値が100Ω以上となった検査点(NG検査点)を導通不良と判定し、総検査点数(評価用回路基板の上面側の被検査電極の総数)に対するNG検査点数の割合(NG検査点割合)を算出した。このNG検査点割合を求める工程を、プレス荷重を100〜250kgfの範囲内において段階的に変更して行うことにより、NG検査点割合が0.01%未満となる最小のプレス荷重(接続可能荷重)を測定した。
回路基板の検査装置では、実用上、NG検査点割合が0.01%未満であることが必要とされている。NG検査点割合が0.01%以上である場合、良品である被検査回路基板を不良品であると判定するおそれがあるため、信頼性の高い回路基板の電気検査を行うことができない。
接続可能荷重は、その値が小さい程接続安定性が高いことを示す。接続可能荷重が小さい程、小さい加圧力で被検査回路基板の電気検査を行うことができるため、検査時の加圧力による被検査回路基板、異方導電性シートおよびピッチ変換用基板などの構成部材の劣
化を抑制することができる。測定結果を表1に示した。
(ii)剥離性試験
検査装置に上記の評価用回路基板を搬送させてセットし、150kgfのプレス荷重で評価用回路基板に対して加圧した。この状態で、2つのコネクタの接続電極と電気的に接続された評価用回路基板に1ミリアンペアの電流を印加した際の電気抵抗値を測定し、次いで評価用回路基板に対する加圧を解除した。この操作を10回行った後、評価用回路基板を検査装置の検査領域から搬送した。
上記の工程を100枚の評価用回路基板について行い、評価用回路基板を検査装置の検査領域から搬送した際に、異方導電性シート(a)がピッチ変換用基板から離脱して評価用回路基板に接着していた回数(搬送エラー回数)を測定した。測定結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で作製した検査装置において、異方導電性エラストマーシート(a)の代わりに下記の異方導電性エラストマーシート(b)を用いて検査装置を構成し、実施例1と同様にして接続安定性試験および剥離性試験を行った。測定結果を表1に示した。
一方の成形部材の成形面に、120mm×200mmの矩形の開口を有し、厚みが0.08mmである枠状のスペーサを配置した後、スペーサの開口内に、実施例1と同様にして調製した成形材料を塗布し、この成形材料上に他方の成形部材を、その成形面が成形材料に接するよう配置した。
両方の成形部材には、厚みが0.1mmのポリエステル樹脂シート(東レ社製,品名「マットルミラーS10」)を、その光沢面(表面粗さが0.04μm)を成形面として使用した。
次いで、加圧ロールおよび支持ロールよりなる加圧ロール装置を用い、各成形部材によって成形材料を挟圧することにより、厚み0.08mmの成形材料層を形成した。各成形部材の裏面に電磁石を配置し、成形材料層に対してその厚み方向に0.3Tの平行磁場を作用させながら、120℃で30分間成形材料層の硬化処理を行うことにより、厚み0.1mmの矩形の異方導電性シートを作製した。
得られた異方導電性シート(b)は、一方の表面における表面粗さが0.13μm、他方の表面における表面粗さが0.12μmであり、導電性粒子の割合が体積分率で12%であった。
Figure 0003705366
図1は、本発明の一実施形態における検査装置の断面図である。 図2は、図1の検査装置の検査使用時の積層状態を示した断面図である。 図3は、ピッチ変換用基板の回路基板側の表面を示した図である。 図4は、ピッチ変換用基板のピン側表面を示した図である。 図5は、第1異方導電性シートの部分断面図である。 図6は、第2異方導電性シートの部分断面図である。 図7は、第1異方導電性シートをピッチ変換用基板に積層した状態を示した断面図である。 図8は、第1異方導電性シートの製造工程を説明する図である。 図9は、成形部材内部の導電性粒子の分布状態を示した図である。 図10は、第1異方導電性シートの製造工程を説明する図である。 図11は、磁場を作用した後の導電性粒子の分布状態を示した図である。 図12は、中継ピンユニットの導電ピンおよび絶縁板の一部を示した断面図である。 図13は、従来における回路基板の検査装置の断面図である。
符号の説明
1 回路基板
2 電極
3 電極
10 検査装置
11a 上側治具
11b 下側治具
21a 回路基板側コネクタ
21b 回路基板側コネクタ
22a,b 第1異方導電性シート
23a,b ピッチ変換用基板
24a,b 端子電極
25a,b 接続電極
26a,b 第2異方導電性シート
31a 中継ピンユニット
31b 中継ピンユニット
32a,b 導電ピン
33a,b ガイドピン
34a,b 絶縁板
41a テスター側コネクタ
41b テスター側コネクタ
42a,b 第3異方導電性シート
43a,b コネクタ基板
44a,b テスター側電極
45a,b ピン側電極
46a,b ベース板
51 絶縁基板
52 配線
53 内部配線
54 絶縁層(絶縁部)
55 絶縁層(絶縁部)
61 基材シート
62 導電性粒子
63 表面
64 裏面
71 絶縁部
72 導電路形成部
73 突出部
81a,b 端部
82 中央部
83 貫通孔
91 加圧ロール
92 支持ロール
93a,b 成型部材
94 スペーサ
95 成型材料
96 上部表面
97 下部表面
98a,b 電磁石
99a 凹部
99b 凸部

Claims (2)

  1. 上側検査治具と下側検査治具により回路基板の両面を挟圧して電気検査を行う回路基板の検査装置であって、
    上側検査治具および下側検査治具は、
    基板の一面側と他面側との電極ピッチを変換するピッチ変換用基板と、その回路基板側に配置される第1異方導電性シートと、回路基板とは逆側に配置される第2異方導電性シートとを有する回路基板側コネクタと、
    一定ピッチで配置された複数の導電ピンと、この導電ピンを上下へ移動可能に支持する絶縁板とを有する中継ピンユニットと、
    テスターと前記中継ピンユニットとを電気的に接続するコネクタ基板と、その中継ピンユニット側に配置される第3異方導電性シートと、中継ピンユニットとは逆側に配置されるベース板とを有するテスター側コネクタとを備え、
    前記第1異方導電性シートは、導電性粒子が厚み方向に配列するとともに面方向に均一に分散されたエラストマーシートからなり、その回路基板に接する表面における表面粗さが0.5〜5μmであり、且つ、ピッチ変換用基板に接する表面における表面粗さが0.3μm以下であり、
    前記ピッチ変換用基板は、その第1異方導電性シートに接する表面における絶縁部の表面粗さが0.2μm以下であることを特徴とする回路基板の検査装置。
  2. 前記第2異方導電性シートおよび第3異方導電性シートは、厚み方向に延びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形成部を互いに絶縁する絶縁部とからなり、導電性粒子が導電路形成部中にのみ含有され、これにより該導電性粒子は面方向に不均一に分散されるとともに、シート片面側に導電路形成部が突出していることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査装置。
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