JP3705085B2 - 圧電式インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電式のインクジェットプリンタヘッドにおいて、この印字駆動に使用されるプレート型の圧電アクチュエータに係り、より詳しくは、駆動電圧を印加するためのコモン電極及び個別電極の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいては、前記米国特許第5,402,159号明細書におけるFIG.15に記載されているように、複数個のノズル及びこの各ノズルごとの圧力室を備えたキャビティープレートと、前記各圧力室ごとに形成された平面状の個別電極及び隣接する複数の圧力室に共通するコモン電極により圧電シート(セラミック材料からなるグリーンシート)を挟んで積層したプレート型の圧電アクチュエータとからなり、この圧電アクチュエータを、前記キャビティープレートに、当該圧電アクチュエータにおける各個別電極が各圧力室に対応するように積層してなるオンディマンド型の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータにおける表裏両表面と直交する側面に、少なくとも前記各個別電極に電気的に導通する側面電極を、金属の真空蒸着又はスパッタリング、或いは導電性ペーストの塗布等にて形成して、前記各個別電極を、この各側面電極を介して外部に接続するように構成していた。しかし、個別電極の端部が圧電シートの側端面に露出していない場合には側面電極との電気接続が不良になるという問題があった。また、側面電極の形成のために圧電アクチュエータの姿勢を代えて前記側面が上向くようにしてから導電性ペーストを塗布するというように製造工程が複雑になるという問題があった。
【0003】
前記問題を解消するため、プレート型の圧電アクチュエータにおける積層状のコモン電極同士や個別電極同士をそれぞれ電気的に接続させる構成として、特公平7ー96301号公報では、前記各セラミック体には、前記各層の個別電極から延びる引出し電極の電極端子部と外表面の外部電極(表面電極)とに連通するように、セラミック体の厚さ方向に貫通した第1スルーホールと、前記各層のコモン電極から延びる引出し電極の電極端子部と外表面の外部電極(表面電極)とに連通するように各セラミック体の厚さ方向に貫通した第2スルーホールとを備え、前記第1及び第2スルーホールにそれぞれ導電性ペーストを充填して電気的に接続すること提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特公平7ー96301号公報では、前記圧力室やノズルが設けられたキャビティープレートも圧電シート(セラミック材料からなるグリーンシート)にて構成されている。そして、キャビティープレートを除く圧電シートの全てに、前記スルーホールを貫通形成したため、当該スルーホールの位置が前記圧力室やインク流通路と重なると、電気的に短絡することになるため、重ならないように、スルーホールの位置を設定しなければならず、圧電アクチュエータの設計的事項に多くの制約を受けるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解消したプレート型の圧電アクチュエータを提供することを技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明の圧電アクチュエータは、複数個のノズル及びこの各ノズルごとの圧力室を備えたキャビティープレートであって、前記複数個の圧力室をそのキャビティプレートの金属製の一面に開口して形成したキャビティプレートと、前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面の前記各圧力室に対応する位置に個別電極を形成した複数の圧電シート、及び前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面に複数の圧力室にわたって延びるコモン電極を形成した複数の圧電シートを、交互に積層したプレート型の圧電アクチュエータとからなり、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに隣接するシートを除く各圧電シートには、前記積層方向に隣接する個別電極同士又は前記コモン電極同士に連通するスルーホールを設け、該各スルーホールに充填された導電材料を介して、前記全ての層の個別電極同士又は前記全ての層のコモン電極同士を電気的に接続させてなり、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに、前記キャビティプレートに隣接するシートが前記各圧力室を覆って前記キャビティプレートの一面に当接し、且つ当該圧電アクチュエータにおける各個別電極が各圧力室に対応するように積層されているものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータにおける、前記キャビティープレートから最も離れた位置のシートの外側広幅面に、外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブルが接合される表面電極が形成され、当該表面電極とそれに対応する前記個別電極又は前記コモン電極とを、前記スルーホールを介して電気的に接続させたものである。
【0008】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電シートにおける個別電極が形成された一方の広幅面にはダミーコモン電極を形成し、前記コモン電極が形成された一方の広幅面にはダミー個別電極を形成し、前記各スルーホールは、前記個別電極とダミー個別電極とが連通する位置及び前記コモン電極とダミーコモン電極とが連通する位置にそれぞれ形成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1、図7及び図8は、本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す。これらの図において、金属板製のキャビティープレート10に対して積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20の上面には、外部機器との接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されているものであり、最下層のキャビティープレート10の下面側に開口されたノズルから下向きにインクが吐出するものとする。
【0010】
前記キャビティープレート10は、図3及び図4に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート11、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の五枚の薄い金属板を積層した構造である。前記ノズルプレート11には、微小径のインク噴出用のノズル15が、当該ノズルプレート11の長手方向に延びる2つの平行状の基準線11a、11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列にて多数個穿設されている。前記二枚のマニホールドプレート12には、インク通路12a、12bが、前記ノズル15の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、ノズルプレート11に対面する下側マニホールドプレート12におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図4参照)。このインク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。また、前記ベースプレート14には、その長辺に沿う中心線に対して直交する方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
【0011】
この各圧力室16の先端16aは、前記ノズルプレート11における前記千鳥状配列のノズル15に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている微小径の貫通孔17を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート12におけるインク通路12a、12bに連通している。なお、前記他端16bは、図4に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されているものである。また、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のインクタンクから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0012】
これにより、前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記貫通孔17を通って、当該圧力室16に対応するノズル15に至るという構成になっている。
【0013】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図5に示すように、8枚の圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,22と、一枚のトップシート23とを積層した構造で、前記各圧電シートのうち最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)には、前記キャビティープレート10における各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極24が形成され、各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。
【0014】
下から偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極25が形成されている。
【0015】
実施形態においては、図4、図5から理解できるように、前記各個別電極24の幅寸法は対応する圧力室16における平面視での広幅部を覆う程度に設定されている。
【0016】
他方、圧力室16はベースプレート14の短辺の中央部側で長辺に沿って2列状に配列されているので、前記コモン電極25は、ベースプレート14の短辺の中央部側を挟んで左右両側の圧力室16、16を一体的に覆うように、偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの長辺に沿って延びる平面視略矩形状に形成されると共に、該偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の短辺の端縁部近傍では当該端縁部のほぼ全長にわたって延びる引き出し部25a,25aが一体的に形成されている。
【0017】
そして、前記偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の長辺の端縁部近傍の表面であって、前記コモン電極25が形成されていない箇所には、前記各個別電極24と同じ上下位置(対応する位置)に、当該個別電極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26を形成する。他方、最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)のうち、前記引き出し部25a,25aに対応する位置(同じ上下位置、圧電シートの対の短辺の端縁部近傍)には、ダミーコモン電極27を形成するのである。
【0018】
前記最上段の絶縁シート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極24の各々に対する表面電極30と、前記コモン電極25に対する表面電極31とが、設けられている。
【0019】
さらに、前記最下段の圧電シート22を除いて、他の全ての圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21gとトップシート23とには、前記各表面電極30と、それに対応する位置(同じ上下位置)の個別電極24並びにダミー個別電極26とが互いに連通するように、スルーホール32を穿設する。同様に、前記少なくとも1つの表面電極31(実施形態では、トップシート23の4隅の位置の表面電極31)と、それに対応する位置(同じ上下位置)のコモン電極25乃至はその引き出し部25aが互いに連通するように、スルーホール33を穿設し、スルーホール32、33内に充填された導電性材料を介して、各層の個別電極24同士及びそれと対応する位置の表面電極30とが電気的に接続されているように構成し、同じく、各層のコモン電極25同士及びそれと対応する位置の表面電極31とが電気的に接続されているように構成するものである。
【0020】
前記した構成の圧電アクチュエータ20は、以下に述べるような方法で製造される。即ち、前記一つの圧電アクチュエータ20における圧電シート21b,21d,21f、22の複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第1素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個の個別電極24と、捨てパターンの電極としてのダミーコモン電極27を設ける位置に対して予めスルーホール32を穿設する。同様に、圧電シート21a,21c,21e,21gの複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第2素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個のコモン電極の引き出し部25aと、捨てパターンの電極としてのダミー個別電極26を設ける位置に対して予めスルーホール33を穿設する。さらに、前記と同様に、トップシート23の複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第3素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうちトップシート23の箇所に、複数個の表面電極30、31を設ける位置に対してスルーホール32、33を穿設する。
【0021】
そして、各圧電シート21b,21d,21f、22の表面に個別電極24 及びダミーコモン電極27を、圧電シート21a,21c,21e,21gの表面にコモン電極25及びダミー個別電極26を、トップシート23の表面に表面電極30、31の箇所を、それぞれ、導電ペーストのスクリーン印刷にて形成すると、前記各スルーホール32、33は、第1、第2素材シートの上下広幅面に貫通しているので、各スルーホール32、33内にも前記導電ペーストが浸入し、該各スルーホール32、33を介して各電極部分でシートの上下面で導電通可能となる。次いで、各グリーンシートを乾燥した後、積層し、次いで積層方向にプレスすることで一体化して、一枚の積層体にする。その後焼成する。
【0022】
これにより、上下に積層された複数枚の圧電シート21とトップシートとは上下同じ位置の前記個別電極24及びダミー個別電極26が表面電極30の箇所と電気的に接続されるし、同じく上下複数枚のコモン電極25及びダミーコモン電極27が表面電極31の箇所と電気的に接続されることになる(図6参照)。
【0023】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極24が前記キャビティープレート10における各圧力室16の各々に対応するように積層される(図1、図7参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0024】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極24と、コモン電極25との間に電圧を印加することにより、圧電シート21,22のうち前記電圧を印加した個別電極24の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる(図8参照)。
【0025】
前記構成の圧電アクチュエータ20においては、積層されている圧電シートの広幅面を厚さ方向に貫通するスルーホール32、33を介して各圧電シートの表面に形成された個別電極24同士やコモン電極25同士を電気的に接続できると共にトップシート23の表面に形成された表面電極30、31にも電気的に接続できるのであって、従来のように、圧電アクチュエータ20の厚さ方向の外周側面にて個別電極24同士やコモン電極25同士を電気的に接続するように、側面電極を形成した場合に比べて、圧電アクチュエータ20の製造中とか、この圧電アクチュエータ20の組み立て中に、ハンドラー又は治具等が接触することに起因する個別電極24同士やコモン電極25同士の導電部の欠落がなくなるという効果を奏する。
【0026】
しかも、圧電アクチュエータ20とキャビティープレート10との接触面となる圧電シート22には、前記スルーホール32、33が形成されていないから、もしキャビティープレート10が導電性材料(例えば、42%ニッケル合金鋼等)で構成されていても、最下層の個別電極24やコモン電極25がキャビティープレート10の表面に対して電気的に接触するおそれが全くなくなる。また、前記キャビティープレート10と隣接する圧電シート22にスルーホール32,33が存在しないから、圧力室16と上下方向で重なる位置に個別電極24やコモン電極25があっても、圧力室16内の水性インクとの電気的短絡現象は発生しない。
【0027】
その結果、圧電アクチュエータ20におけるスルーホール32、33の設置位置に制約がなく設計の自由度が向上するという効果も奏する。
【0028】
個別電極24やコモン電極25は圧電シート21の1つおきの層に形成されるものであるところ、本実施形態のように、上下の個別電極24の間の圧電シートにダミー個別電極26を形成し、同じく上下のコモン電極25の間の圧電シートにダミーコモン電極27を形成し、これらのダミー個別電極26と個別電極24とを連通するようなスルーホール32及びコモン電極25とダミーコモン電極27とを連通するようなスルーホール33をそれぞれ形成することで、上下方向の個別電極24同士もしくはコモン電極25同士の電気的接続がダミー個別電極26またはダミーコモン電極27の各スルーホール32、33を介して確実にできるという顕著な効果を奏する。
【0029】
なお、実施形態では、圧電シート1枚の厚さが30μmであり、個別電極24、コモン電極25及び表面電極30、31の形成時における導電材料の塗布にて当該導電材料は各スルーホール32,33内に浸入(充填)し得る。圧電シートの1枚の厚さが厚い場合には、前記電極(導電)材料の塗布後に塗布面の裏側からの空気の吸引にてスルーホール内への導電材料の浸入(充填)を確実にすることができる。
【0030】
また、前記圧電アクチュエータの積層体を、メッキ液中に浸漬し、この状態で各表面電極30,31に、細幅の電極パターンを介して通電して電気メッキを行うことにより、前記各表面電極30,31の表面に、金属メッキ層を形成するようにしても良い。金属メッキ層は、例えば、ニッケルメッキ層を下地としてその上に金メッキ層を形成するもので、この金属メッキ層の形成により、前記フレキシブルフラットケーブル40における各配線パターンの、前記各表面電極30,31に対する電気的接合性を大幅に向上できる。
【0031】
また、実施形態では、圧電アクチュエータ20の最下層のシートに圧電シート22を用いたが、他の層の圧電シートの歪みを圧力室に伝えるものならば、他の絶縁材料を用いても差し支えない。最上層のトップシート23に圧電材料を用いたが、他の絶縁材料を用いても差し支えない。その場合、圧電シートの歪みのうち、上方(キャビティプレート10と反対側)へ突出する歪みを抑えるものであることが望ましい。
【0032】
また、コモン電極25がアース電位に接続されるならば、コモン電極25のスルーホール33は、キャビティプレート10と電気的に接続していても差し支えない。
【0033】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明の圧電アクチュエータは、複数個のノズル及びこの各ノズルごとの圧力室を備えたキャビティープレートであって、前記複数個の圧力室をそのキャビティプレートの金属製の一面に開口して形成したキャビティプレートと、前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面の前記各圧力室に対応する位置に個別電極を形成した複数の圧電シート、及び前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面に複数の圧力室にわたって延びるコモン電極を形成した複数の圧電シートを、交互に積層したプレート型の圧電アクチュエータとからなり、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに隣接するシートを除く各圧電シートには、前記積層方向に隣接する個別電極同士又は前記コモン電極同士に連通するスルーホールを設け、該各スルーホールに充填された導電材料を介して、前記全ての層の個別電極同士又は前記全ての層のコモン電極同士を電気的に接続させてなり、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに、前記キャビティプレートに隣接するシートが前記各圧力室を覆って前記キャビティプレートの一面に当接し、且つ当該圧電アクチュエータにおける各個別電極が各圧力室に対応するように積層されているものである。
【0034】
従って、本発明では、スルーホールが各圧電シートの広幅面内で厚さ方向に貫通しているから、従来の圧電アクチュエータの厚さ方向の側面に、積層した個別電極同士やコモン電極同士を導通させる側面電極を形成した場合に比べて、圧電アクチュエータの組み立て作業中等における導電部の欠け等がなく、導電性を確実にできるという効果を奏する。
【0035】
また、圧電アクチュエータとキャビティープレートとの接触面となるシートには、前記スルーホールが形成されていないから、たとえキャビティープレートが導電性材料で構成されていても、最下層の個別電極やコモン電極がキャビティープレートの表面に対して電気的接触するおそれが全くなくなる。さらに、前記キャビティープレートと隣接するシートにスルーホールが存在しないから、キャビティープレート側における圧力室と上下方向で重なる位置に個別電極またはコモン電極があっても、圧力室内の水性インクとの電気的短絡現象は発生しない。
【0036】
その結果、圧電アクチュエータにおけるスルーホールの設置位置に制約がなく設計の自由度が向上するという効果も奏する。
【0037】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータにおける、前記キャビティープレートから最も離れた位置のシートの外側広幅面に、外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブルが接合される表面電極が形成され、当該表面電極とそれに対応する前記個別電極又は前記コモン電極とを、前記スルーホールを介して電気的に接続させたものであるから、キャビティープレートから最も離れた位置のシートに形成された表面電極に対して外部電極のフラットケーブルを接続するだけで、電気的接合性を確保し、簡単に外部からの電圧印加にて駆動させることができるという効果を奏する。
【0038】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電シートにおける個別電極が形成された一方の広幅面にはダミーコモン電極を形成し、前記コモン電極が形成された一方の広幅面にはダミー個別電極を形成し、前記各スルーホールは、前記個別電極とダミー個別電極とが連通する位置及び前記コモン電極とダミーコモン電極とが連通する位置にそれぞれ形成したものであるから、個別電極同士及びコモン電極同士が一層おきごとに形成されている場合であっても、その間にダミー電極が介挿され、その介挿されたダミー電極に導通するスルーホールを介して個別電極同士及びコモン電極同士を確実に導通させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】 キャビティープレートと圧電アクチュエータとの一端部を示す拡大斜視図である。
【図3】 キャビティープレートの分解斜視図である。
【図4】 キャビティープレートの部分的拡大斜視図である。
【図5】 圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図6】 スルーホール部で切断した圧電アクチュエータの部分拡大側断面図である。
【図7】 図1のVII −VII 線矢視拡大断面図である。
【図8】 フレキシブルフラットケーブルとキャビティープレートと圧電アクチュエータとを積層した状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 キャビティープレート
11 ノズルプレート
12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
15 ノズル
16 圧力室
20 圧電アクチュエータ
21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,22 圧電シート
23 トップシート
24 個別電極
25 コモン電極
30,31 表面電極
32,33 スルーホール
40 フレキシブルフラットケーブル

Claims (3)

  1. 複数個のノズル及びこの各ノズルごとの圧力室を備えたキャビティープレートであって、前記複数個の圧力室をそのキャビティプレートの金属製の一面に開口して形成したキャビティプレートと、
    前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面の前記各圧力室に対応する位置に個別電極を形成した複数の圧電シート、及び前記各圧力室にわたって延びる広幅面を有しその広幅面に複数の圧力室にわたって延びるコモン電極を形成した複数の圧電シートを、交互に積層したプレート型の圧電アクチュエータとからなり、
    前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに隣接するシートを除く各圧電シートには、前記積層方向に隣接する個別電極同士又は前記コモン電極同士に連通するスルーホールを設け、該各スルーホールに充填された導電材料を介して、前記全ての層の個別電極同士又は前記全ての層のコモン電極同士を電気的に接続させてなり、
    前記圧電アクチュエータは、前記キャビティープレートに、前記キャビティプレートに隣接するシートが前記各圧力室を覆って前記キャビティプレートの一面に当接し、且つ当該圧電アクチュエータにおける各個別電極が各圧力室に対応するように積層されていることを特徴とする圧電式インクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記圧電アクチュエータにおける、前記キャビティープレートから最も離れた位置のシートの外側広幅面に、外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブルが接合される表面電極が形成され、当該表面電極とそれに対応する前記個別電極又は前記コモン電極とを、前記スルーホールを介して電気的に接続させたことを特徴とする請求項1に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッド。
  3. 前記圧電シートにおける個別電極が形成された一方の広幅面にはダミーコモン電極を形成し、
    前記コモン電極が形成された一方の広幅面にはダミー個別電極を形成し、前記各スルーホールは、前記個別電極とダミー個別電極とが連通する位置及び前記コモン電極とダミーコモン電極とが連通する位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電式インクジェットプリンタヘッド。
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