JP3705015B2 - 足用エアーマッサージ器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアーの供給、排気により膨張、収縮する複数の空気室と、複数の空気室が内装されたカフ帯部と、各空気室にエアーを供給する加圧ポンプと、エアーを供給する空気室を選択的に切り替える切替弁と、各空気室から空気を排出する排気弁と、各空気室の膨張、収縮によるマッサージ動作を制御する制御回路と、マッサージ動作を操作するための操作部で構成され、前記カフ帯部を足の施療部位に装着してマッサージを行う足用エアーマッサージ器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の足用エアーマッサージ器においては、カフ帯部が布、塩ビ等の柔軟な材料で構成されており、カフ帯部のサイズが大きくなると、カフ帯部内部に送るエアー量が膨大になり、施療部を加圧するのに時間がかかるため、加圧ポンプの容量を大きくしなければならなかった。この結果、加圧ポンプ並びに吸排気弁等の制御弁が大型化し、これに伴ってこれらを収める足用エアーマッサージ器の本体自体も大型のものとなり、本体を床置きするものが一般的であった。このため、使用者の使用時の姿勢に合わせて都度、大型の本体を移動させる必要があり、施療時の取り扱いや操作性において円滑さや柔軟性を欠くものであった。また、この他にエアー圧力の制御方法として、タイマーを用いて行うものがあるが、この場合、カフ帯部の巻き方、足の太さの違い等により、都度エアー圧力が異なってしまうという問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであり、カフ帯部のサイズが大きくなっても、カフ帯部内部に送り込むエアー量が少量で済み、その結果、加圧ポンプの小容量化並びに加圧ポンプを収める本体の小型化を実現することができるとともに、施療時における本体の取り扱いや操作が容易且つ円滑に行え、さらには一定のもみ強さでマッサージすることができる足用エアーマッサージ器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る足用エアーマッサージ器は、エアーの供給、排気により膨張、収縮する複数の空気室4と、複数の空気室4が内装されたカフ帯部2と、各空気室4にエアーを供給する加圧ポンプ5と、エアーを供給する空気室4を選択的に切り替える切替弁6と、各空気室4から空気を排出する排気弁7a,7bと、各空気室4の膨張、収縮によるマッサージ動作を制御する制御回路8と、マッサージ動作を操作するための操作部9で構成され、前記カフ帯部2を足の施療部位に装着してマッサージを行う足用エアーマッサージ器において、略C字状の断面を有し、且つ弾性を有するクリップ板15をカフ帯部2における空気室4の外側に配置しているとともに、クリップ板15として足の長手方向において複数に分割したものを用いていることを特徴とするものである。
【0005】
上記クリップ板15施療する部位の形に模して成形されていることが望ましい
【0006】
また、クリップ板15の横方向に溝部15eを設けて分割しているものであってもよい。
また、クリップ板15にクリップ板15の形状を保持するための補強板24を取り付けていてもよい。
【0007】
また、加圧ポンプ5、切替弁6、排気弁7a,7b、制御回路8、操作部9を一体に組み込んで操作器16を構成することも好ましい。
【0008】
また、カフ帯部2を下腿部に装着してマッサージを行う足用エアーマッサージ器において、加圧ポンプ5、切替弁6、排気弁7a,7b、制御回路8、操作部9を一体に組み込んで本体1を構成し、該本体1をカフ帯部2と一体化し、且つ該本体1をカフ帯部2のすね側に配設したものであってもよい。
【0009】
また、空気室4へのエアー供給制御を圧力センサー19を用いて行うことも好ましい。
【0010】
また、空気室4内のエアー圧力が所定値以上になった時、排気弁7a(7b)を開放するものであってもよい。
【0011】
また、空気室4内のエアー圧力が所定時間内に所定値に達しない場合、排気弁7a(7b)を開放し、異常報知を行うものも好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。
【0013】
本発明の実施の形態の一例を図1乃至図2に示す。本例の足用エアーマッサージ器は、大きくは左右一対のカフ帯部2(以下、左側カフ帯部2を2a,右側カフ帯部2を2bとする)と操作器16から構成される。本例の足用エアーマッサージ器は下腿部用の治療器であるため、カフ帯部2a(2b)は下腿部全面を覆えるように下腿部の形に模して成形されており、略C字状の断面を有する施療帯部20a(20b)と、施療帯部20a(20b)の端部に連続して延出された包囲帯部21a(21b)と、もう一方の施療帯部20a(20b)の端部から連続して延出された閉じ部22a(22b)とから構成される。このカフ帯部2a(2b)は布、又は塩化ビニル等の柔軟な材料で形成されており、施療帯部20a(20b)の内部にはゴム製の空気室4が上下に設けてある(以下、カフ帯部2aの上側の空気室4を4a、同下側の空気室4を4b、カフ帯部2bの上側の空気室4を4c、同下側の空気室4を4dとする)。カフ帯部2a(2b)の内部で空気室4a(4c),4b(4d)の外側には下腿部の形に模して成形された略C字状の断面を有するクリップ板15(以下、カフ帯部2a内のクリップ板15を15a、カフ帯部2b内のクリップ板15を15bとする)が摺動自在に内装されている。このクリップ板15a(15b)はカフ帯部2a(2b)の施療帯部20a(20b)を下腿部の形に形成保持するとともに、空気室4a(4c),4b(4d)にエアーを加圧供給した際に、空気室4a(4c),4b(4d)が外側に膨張するのを防止する役割をする。
【0014】
これにより、本例のようにカフ帯部2a(2b)のサイズが大きい場合でも、カフ帯部2a(2b)の内部に送られるエアーが各空気室4a(4c),4b(4d)の内側への膨張にのみ使用されるため、施療部をマッサージするのに必要なエアー量が少なくて済む。また、この結果、加圧ポンプ5も小容量化することが可能となる。特に、上記クリップ板15a(15b)は、下腿部の形に模して成形されているため、空気室4a(4c),4b(4d)の膨張を下腿部の形に沿って外側から拘束するので、空気室4a(4c),4b(4d)が無駄に膨らむことがなく、空気室4a(4c),4b(4d)に送風するエアー量をより少なくすることができる。尚、上記カフ帯部2a(2b)の下腿部への装着は、閉じ部22a(22b)と包囲帯部21a(21b)との間に形成される開口部23a(23b)から下腿部を施療帯部20a(20b)の中に入れ、包囲帯部21a(21b)を施療帯部20a(20b)に巻き付けることによって行う。ここで、施療帯部20a(20b)と包囲帯部21a(21b)のお互いに当接する面には例えば面状ファスナー等が配設されており、施療帯部20a(20b)に包囲帯部21a(21b)を巻き付け固定できるようになっている。
【0015】
次に操作器16を説明する。操作器16のハウジング16aの内部には左右一対のカフ帯部2a,2b内に上下に配設された4つの空気室4a,4bと空気室4c,4dにエアーを加圧供給する加圧ポンプ5と、空気室4a,4c又は空気室4b,4dへのエアーの加圧供給の切替を選択的に行う切替弁6と、空気室4a,4cの排気弁7aと空気室4b,4dの排気弁7bと、空気室4a,4b,4c,4dの膨張、収縮を制御する制御回路8と、加圧ポンプ5からのエアー圧力を検出するための圧力センサー19(図2に図示)が内装されるとともに、ハウジング16aの上面には操作部9が配設され、電源用スイッチ10と、マッサージ圧の強弱を切り替えるマッサージ圧切替スイッチ26と、マッサージ圧の強さ(弱)を表示するLED27と、マッサージ圧の強さ(中)を表示するLED28と、マッサージ圧の強さ(強)を表示するLED29と、カフ帯部2a,2bの上側の空気室4a,4cが加圧状態にあることを表示するLED30と、カフ帯部2a,2bの下側の空気室4b,4dが加圧状態にあることを表示するLED31が配設してある。尚、操作器16の後端部からは電源コード13及び4本のエアーチューブ18a,18b,18c,18dが導出され、電源コード13はコンセントに、4本のエアーチューブ18a,18b,18b,18dは左右のカフ帯部2a,2bの外側に突出させた空気室4a,4b,4c,4dの給排気口17a,17b,17c,17dに接続される。
【0016】
次に本例の足用エアーマッサージ器の動作説明をする。先ず加圧ポンプ5によって送られたエアーは切替弁6を通過して空気室4a,4cに供給される。この時、排気弁7aは閉になっており、空気室4a,4cは膨張する。そして、排気弁7aが閉のまま一定時間後に切替弁6が切り替わり、エアーは空気室4b,4dに供給される。この時、排気弁7bは閉になっており、空気室4b,4dは膨張する。さらに一定時間後、排気弁7aと排気弁7bが同時に開になるとともに、加圧ポンプ5も停止し、空気室4の排気が行われる。その後、両排気弁7a,7bが閉になり、切替弁6が切り替わり、再び空気室4a,4cが加圧膨張される。以降、上記動作を繰り返すことによりマッサージを行う。尚、本例では、加圧ポンプ5と切替弁6との間に圧力センサー19を設け、加圧ポンプ5から切替弁6を経由してカフ帯部2a,2bの空気室4a,4c(4b,4d)に送り込まれるエアー圧力を検出し、圧力センサー19と接続した制御回路8に検出値を送ることによって、エアー圧力が常時一定になるように加圧ポンプ5を制御回路8にてフィードバック制御している。このようにすることで、カフ帯部2a,2bの巻き方、足の太さの違い等により空気室4のエアー圧力がばらつくことがなく、一定のもみ強さでマッサージすることが可能となる。
【0017】
尚、上記以外の制御としては、加圧ポンプ5から切替弁6を経由してカフ帯部2a,2bの空気室4a,4c(4b,4d)に送り込まれるエアー圧力が所定値以上になった時、排気弁7a(7b)を開放するとともに、LED27,LED28,LED29を点滅させるといった、制御回路8による排気弁7a(7b)の開閉制御並びに操作部9による異常報知を行うことも実施可能である。
【0018】
このようにすることで、空気室4a,4c(4b,4d)のエアー圧力が高くなり過ぎて起こる、施療部の鬱血や痛みを防止することが可能となる。或いはまた、制御回路8内にタイマーを設け、加圧ポンプ5の加圧開始時、或いは切替弁6の切替時から所定時間経過しても、加圧ポンプ5から切替弁6を経由してカフ帯部2a,2bの空気室4a,4c(4b,4d)に送り込まれるエアー圧力が所定値に達しない場合、排気弁7a(7b)を開放するとともに、異常ブザーを鳴らし、LED30,LED31を点滅させるといった、制御回路8による排気弁7a(7b)の開閉制御並びに操作部9等による異常報知を行うことも実施可能である。このようにすることで、エアー加圧時間を一定時間以内に制限でき、もみサイクルを違和感のない快適なものにすることができる。
【0019】
上記のように本発明の足用エアーマッサージ器は、加圧ポンプ5の小容量化に伴い、切替弁6、排気弁7a,7bも小型化できるため、加圧ポンプ5、切替弁6、排気弁7a,7b、制御回路8、操作部9を一体に組み込んだ本体の機能を有する小型軽量の操作器16を実現し、この操作器16を手で持って操作することも可能であるため、従来品と比べて施療時における本体の取り扱いや操作を容易且つ円滑に行うことができる。
【0020】
次に本発明の実施の形態の他の例を図3乃至図4に示す。この足用エアーマッサージ器は下腿部用のもので、大きくはカフ帯部2と本体1から構成される。カフ帯部2の構成は第1の例と略同じであり、略C字状の断面を有する施療帯部20と、施療帯部20に連続して延出された包囲帯部21とから構成される。施療帯部20の内部にはゴム製の空気室4a,4bが上下に配設され、空気室4a,4bの空気吸入口(図示せず)は本体1内の切替弁6と接続され、他方、空気室4a,4bの空気排出口(図示せず)は本体1内の排気弁7a,7bと夫々接続されている。また、カフ帯部2の内部で空気室4a,4bの外側には下腿部の形に模して成形された略C字状の断面を有するクリップ板15が摺動自在に内装されている。このクリップ板15は第1の例と同じくカフ帯部2の施療帯部20を下腿部の形に形成保持するとともに、空気室4a,4bにエアーを加圧供給した際に、空気室4a,4bが外側に膨張するのを防止する役割をする。
【0021】
これにより、本例のようにカフ帯部2のサイズが大きい場合でも、カフ帯部2の内部に送られるエアーが各空気室4a,4bの内側への膨張にのみ使用されるため、施療部20をマッサージするのに必要なエアー量が少なくて済む。また、この結果、加圧ポンプ5も小容量化することが可能となる。特に、上記クリップ板15は、下腿部の形に模して成形されているため、空気室4a,4bの膨張を下腿部の形に沿って外側から拘束するので、空気室4a,4bが無駄に膨らむことがなく、空気室4a,4bに送風するエアー量をより少なくすることができるため、効率の良いマッサージを行うことができる。
【0022】
本体1は図4(a)(b)に示すように略C字状の断面を有するカバー3aと、その一端から横方向に延出されるカバー3bとからその外殻が形成され、内部には、空気室4a,4bにエアーを加圧供給する加圧ポンプ5と、空気室4a,4bへのエアーの加圧供給の切替を選択的に行う切替弁6と、空気室4aの排気弁7aと空気室4bの排気弁7b、及び各空気室4a,4bの膨張、収縮を制御する制御回路8が内装され、カバー3bの前面には操作部9(図3に図示)が設けてある。操作部9には電源用スイッチ10と、マッサージ圧の強弱を調節するための調節スイッチ11と、マッサージ圧の周期速度を調節するための調節スイッチ12が配設されている。また、本体1の下端からは電源コード13が導出され、電源用のACアダプター14と繋がっている。
【0023】
次にこの足用エアーマッサージ器の動作説明をする。先ず加圧ポンプ5によって送られたエアーは切替弁6を通過して空気室4aに供給される。この時、排気弁7aは閉になっており、空気室4aは膨張する。そして、排気弁7aが閉のまま一定時間後に切替弁6が切り替わり、エアーは空気室4bに供給される。この時、排気弁7bは閉になっており、空気室4bは膨張する。さらに一定時間後、排気弁7aと排気弁7bが同時に開になるとともに、加圧ポンプ5も停止し、両空気室4a,4bの排気が行われる。その後、両排気弁7a,7bが閉になり、空気室4aが再び加圧膨張される。以降、上記動作を繰り返すことによりマッサージを行う。
【0024】
このように本例の足用エアーマッサージ器は、加圧ポンプ5の小容量化に伴い、本体1が、加圧ポンプ5、切替弁6、空気室4aの排気弁7a、空気室4bの排気弁7b、制御回路8を一体に組み込んで構成されているので、連結ホース、リード線の数を少なくすることができ、連結ホース、リード線が本体外に露出して邪魔になることがなく、外観的にも優れたものにすることができる。また、本体1は使用者が下腿部にカフ帯部2を装着した際、すね側に位置するように配されているので、従来品のように操作部9を手に持つ必要がなく、カフ帯部2を装着した状態で、本体1の前面に配設された操作部9を容易に操作することができる。
【0025】
ところで、クリップ板15が図5に示すように上下膝部の形に模して成形したものであっても縦方向(足の長手方向)において、分割されていない形状の場合、マッサージ動作の際にクリップ板15の上下部の各変形が互いに影響を及ぼし合うことになる。
【0026】
しかし、叙述の例ではカフ帯部2に上下に空気室4a(4c),4b(4d)が配設され、これらが順に膨張することで、マッサージが行われる時、図6に示すように上下の空気室4a(4c),4b(4d)に対応させて、クリップ板15を上下2つに分離させると、マッサージ動作の際に空気室4a(4b)の膨張によりクリップ板15c(15d)に生じる変形を他方のクリップ板15d(15c)に伝達しないので、他方のクリップ板15d(15c)が余計に変形することがなくなり、各空気室4a,4bに送風するエアー量がより少なくて済み、より効率の良いマッサージを行うことができる。
【0027】
また、図7に示すようにクリップ板15の横方向に溝部15eを設けることで分割してもよく、この場合においても、マッサージ動作の際に空気室4の膨張により生じるクリップ板15の変形を上下方向に伝達しないので、クリップ板15の上下方向に余計な変形が生じなくなり、空気室4に送風するエアー量がより少なくて済み、効率の良いマッサージを行うことができる。
【0028】
また、図8に示すように施療部位の形状及びカフ帯部2の内部に配する空気室4に応じて適宜、複数の溝部15eを設け、クリップ板15に複数のクリップ板片15fを分割形成することにより、さらに少ないエアー量で効率の良いマッサージを行うことが可能となる。尚、この例では、肋骨状のクリップ板15の形状を保持するために肋骨状の補強板24をクリップ板15の外側に接合穴15g,24gを合わせた位置で重ね、接合穴15g,24gに管状金具25を挿入後、はと目にして補強板24をクリップ板15に接合している。このようにクリップ板15に経時変化の少ない補強板24を取り付けることにより、長期間使用してもクリップ板形状を維持し、クリップ板15による上記効果を持続させることができる。
【0029】
次に本発明の実施の形態の他の例を図9に示す。この足用エアーマッサージ器は、操作部9をその表面32aに配した操作ユニット32を本体1の上部に形成した嵌合部37と着脱自在にしたものであり、他の構成は第2の例と略同じである。嵌合部37の底面37aにはプレート状のマグネット33が配設され、他方、操作ユニット32の裏面32bにもプレート状のマグネット34が配設され、操作ユニット32を本体1の嵌合部37に嵌合すると、両者のマグネット34,33が固着し、操作ユニット32が本体1の上部に固定される。操作ユニット32を本体1の上部に固定して使用する場合は、操作ユニット32の表面32aに電源用スイッチ10やマッサージ圧の強弱を調節するための調節ダイヤル35が配設されているので、使用者は電源用スイッチ10や調節ダイヤル35を見ながら操作することができ、操作性が良い。また、嵌合部37の底面37aからはリモコン用コード36が導出され、操作ユニット32の裏面32bと繋がっており、操作ユニット32を嵌合部37に嵌合すると、本体1内に設けたコード巻き取り機構によって、引き出されたリモコン用コード36が本体1内に収納されるようになっている。そして、操作ユニット32を本体1の嵌合部37から外して使用する場合は、使用者が例えば寝転んだ状態でも操作することができる等、施療時の使用者の姿勢を自由にすることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の発明にあっては、カフ帯部における空気室の外側に弾性を有するクリップ板を配置することにより、カフ帯部の外側へのふくらみを防止し、カフ帯部のサイズが大きくなっても、カフ帯部内部に送られるエアー量が内側へのふくらみにのみ使用されるため、施療部をマッサージするのにカフ帯部内部に送り込むエアー量が少量で済み、その結果、加圧ポンプも小容量化することができる。また、クリップ板をカフ帯部内部に配設することで、カフ帯部が型くずれしないため、カフ帯部を施療部位に装着する際、カフ帯部を施療部位に仮固定してカフ帯部を巻き付けやすくすることができる。しかも、ここにおけるクリップ板は足の長手方向において複数に分割したものであるために、マッサージ動作の際に空気室の膨張により生じる変形を上下方向に伝達しないので、クリップ板の上下方向に余計な変形がなくなり、空気室に送風するエアー量がより少なくて済み、効率の良いマッサージを行うことができる。
【0031】
また、クリップ板が施療する部位の形に模して成形されているものでは、空気室が無駄に膨らむことがなく、空気室に送風するエアー量を少なくして効率の良いマッサージを行うことができる。
【0032】
また、溝部を設けて分割したものでは、個々のクリップ板片の上下方向に余計な変形がなくなり、空気室に送風するエアー量がより少なくて済み、効率の良いマッサージを行うことができる。
【0033】
また、クリップ板に経時変化の少ない補強板を取り付けることにより、長期間使用してもクリップ板形状を維持し、クリップ板による上記効果を持続させることができる。
【0034】
また、加圧ポンプの小容量化に伴い、切替弁、排気弁も小型化できるため、加圧ポンプ、切替弁、排気弁、制御回路、操作部を一体に組み込んだ本体の機能を有する小型軽量の操作器を実現することができ、この操作器を手で持って操作することも可能となるため、従来品と比べて施療時における本体の取り扱いや操作を容易且つ円滑に行うことができる。
【0035】
また、加圧ポンプと切替弁と排気弁と操作部と制御回路が一体に本体に組み込まれ、該本体がカフ帯部と一体に取り付けられている、施療時は操作部を保持する必要がなく、手が自由に使え、さらにすね側に配置されているので操作部が近く、操作が容易となる。また、連結ホース、リード線の数を少なくすることができ、本体外に露出して邪魔になることがなく、外観的にも優れたものにすることができる。
【0036】
また、空気室へのエアー供給制御を圧力センサーを用いて行うと、カフ帯部の巻き方、足の太さの違い等により空気室のエアー圧力がばらつくことがなく、一定のもみ強さでマッサージすることが可能となる。
【0037】
また、空気室内のエアー圧力が所定値以上になった時、排気弁を開放するものでは、空気室のエアー圧力が高くなり過ぎて起こる、施療部の鬱血や痛みを防止することが可能となる。
【0038】
また、空気室内のエアー圧力が所定時間内に所定値に達しない場合、排気弁を開放し、異常報知を行うものでは、エアー加圧時間を一定時間以内に制限でき、もみサイクルを違和感のない快適なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の足用エアーマッサージ器の概略斜視図である。
【図2】 同上のエアー流路図である。
【図3】 本発明の実施の形態の他の例の足用エアーマッサージ器の概略斜視図である。
【図4】 同上の(a)は足用エアーマッサージ器の正面図、(b)はA−A線断面図である。
【図5】 本発明の参考例のクリップ板の斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態の他の例のクリップ板の斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態の他の例のクリップ板の斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態の他の例を示し、(a)は補強板を取り付けたクリップ板の概略斜視図、(b)はB−B線断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態の他の例を示し、(a)は足用エアーマッサージ器の概略斜視図、(b)は操作ユニットと本体の嵌合部の斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 カフ帯部
4 空気室
5 加圧ポンプ
6 切替弁
7a 排気弁
7b 排気弁
8 制御回路
9 操作部
15 クリップ板
16 操作器
19 圧力センサー
24 補強板

Claims (9)

  1. エアーの供給、排気により膨張、収縮する複数の空気室と、複数の空気室が内装されたカフ帯部と、各空気室にエアーを供給する加圧ポンプと、エアーを供給する空気室を選択的に切り替える切替弁と、各空気室から空気を排出する排気弁と、各空気室の膨張、収縮によるマッサージ動作を制御する制御回路と、マッサージ動作を操作するための操作部で構成され、前記カフ帯部を足の施療部位に装着してマッサージを行う足用エアーマッサージ器において、略C字状の断面を有し、且つ弾性を有するクリップ板をカフ帯部における空気室の外側に配置しているとともに、クリップ板として足の長手方向において複数に分割したものを用いていることを特徴とする足用エアーマッサージ器。
  2. クリップ板が施療する部位の形に模して成形されていることを特徴とする請求項1記載の足用エアーマッサージ器。
  3. クリップ板の横方向に溝部を設けて分割していることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の足用エアーマッサージ器。
  4. クリップ板にクリップ板の形状を保持するための補強板を取り付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の足用エアーマッサージ器。
  5. 加圧ポンプ、切替弁、排気弁、制御回路、操作部を一体に組み込んで操作器を構成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の足用エアーマッサージ器。
  6. 加圧ポンプ、切替弁、排気弁、制御回路、操作部を一体に組み込んで本体を構成し、該本体をカフ帯部と一体化し、且つ該本体をカフ帯部のすね側に配設したことを特徴とする請求項5記載の足用エアーマッサージ器。
  7. 空気室へのエアー供給制御を圧力センサーを用いて行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の足用エアーマッサージ器。
  8. 空気室内のエアー圧力が所定値以上になった時、排気弁を開放することを特徴とする請求項7記載の足用エアーマッサージ器。
  9. 空気室内のエアー圧力が所定時間内に所定値に達しない場合、排気弁を開放し、異常報知を行うことを特徴とする請求項8記載の足用エアーマッサージ。
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