JP3704846B2 - 圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法および装置 - Google Patents

圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、広くは圧延鋼板、特に、冷間圧延鋼板、表面処理鋼板および鋼帯(コイル)等の製造プロセスラインにおいて、コイル状に形成されたこれら圧延鋼板の表面欠陥の有無を検出するための砥石掛け方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、圧延ロールの状態変化に起因するような欠陥、例えば、凸および凹ローキ、線状きず、および、チャタマーク等は、一般的に極めて微小な凹凸であるため、通常の目視検査では発見が困難である。
【0003】
しかし、この様な欠陥は、プレスまたは塗装を行うと浮き上がり、しかもロール性起因のため周期性を持ってコイル全長にわたって分布する為、鋼板表面の砥石掛けをすることにより微小なキズを磨き出す検査が必要である。
【0004】
プロセスオンライン上での砥石掛け方法は、特願平8−159957号によって本願発明者らによって出願されているが、能率向上のためには通板中の砥石掛け方法の他に、コイル状に巻かれた状態での砥石掛け方法が重要である。
【0005】
鋼板表面の目に見えない微小な欠陥(キズ)、例えば、ロール表面の付着物やロール表面性状の異常による押しキズおよびスリキズ等の微小欠陥は、通常、鋼板表面を砥石により磨きだすことにより、欠陥が可視化できる。大半の場合、プロセスライン出側にて本検査を実施している。最近の冷間圧延機(TCM)、および、リコイルライン(R/C)等では本検査の為、ライン能率を下げているのが実態である。そのための対策として、本来品質保証面である鋼板表面(以下、「おもて面」という)の砥石掛け法として、例えば、以下の従来技術が提案されている。
【0006】
従来技術1:実開昭61ー148558号公報(住友金属)に開示されたC方向砥石掛け法(図11、図12、図13参照)。
従来技術1は、図11、図12、図13に示すように、通常使用している市販の砥石30をバネ31を介して鋼板1に押し付ける機構と、この機構を鋼板幅方向(C方向)に往復動させる装置の提案である。本考案の問題点として、圧延方向(L方向)の砥石掛けが出来ないといった致命的な問題がある。
【0007】
従来技術2:実開平7ー11254号公報(川崎製鉄)に開示されたロール方式。
従来技術2の問題点として、▲1▼ロールにサンドペーパー等の砥粒を施した研削体で鋼板に押し付ける方法を採用しているが、ペーパー式であるので砥石掛けの性能および砥石掛け面に問題がある。即ち、検出すべき欠陥を本法では、砥石掛けにより磨き出すことができない。
【0008】
従来技術3:特開平7ー186019号公報(川崎製鉄)に開示された、鋼板にベルト状の研削体(サンドペーパー)を押し付ける方法、および、実開平2ー63957号公報(住金)に開示された砥石掛け法(図14参照)。
【0009】
本方式は、図14に示すように、通板中の鋼板1に所定の圧力で砥石32を押し付けてコイル長手方向に連続的に鋼板表面を砥石掛けする方法である。しかしながら、▲1▼板幅方向において砥石掛け面の均一化ができない。▲2▼板エッジにより砥石が損傷し、研磨されない部分が発生する。といった問題がある。
【0010】
従来技術4:実開昭59ー183745号公報(川崎製鉄)、ロールによる砥石掛け法(図15、図16参照)。
従来技術4は、図15、図16に示すように、ロール胴にサンドペーパー等を巻き付けた単一ロール(サンドペーパーロール)33によるものであるが、前述の方法と同様の課題として▲1▼板幅方向において砥石掛け面の均一化ができない。
▲2▼板エッジにより砥石が損傷し、研磨されない部分が発生する。問題点がある。
【0011】
従来技術5:実開昭63−7450号方向に提案されている砥石掛け装置(図17)。
従来技術5は、図17に示すように、通板中の鋼板1にベルト状の研削体(サンドペーパー)34を押しつける技術であるが、▲1▼単一ロール方式であるため、板幅方向において砥石掛け面の均一化ができない。▲2▼板エッジにより砥石が損傷し、磨出しされない部分が発生する。といった問題がある。
【0012】
以上のように、通板状態での砥石掛け技術に関し、実用化および活用されているものはない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術までのコイル状鋼板の砥石掛け法については、満足すべき成果はない。従来技術では以下の様な問題点があった。
【0014】
まず、第1に、重要な開発課題点は、冷間圧延後であるため大量のコイルを砥石掛け検査する必要があり、従って、効率化が必須である。
第2に、通常砥石掛けする面は、ライン構成上、裏面を砥石掛けする場合が多く、本来品質保証面であるおもて面を砥石掛けする、すなわちコイル状での円筒面を砥石掛けする方法および先行技術はない。
【0015】
従来技術の課題をまとめると以下の項目となる。
▲1▼ 従来からの主流方法である、板を停止してオフラインで砥石掛けする方法は、通常鋼板の裏面を砥石掛けし、表面検査を行っている。
【0016】
▲2▼ 通板中の板に、従来法にあるような、単純に砥石またはサンドペーパー等の研削砥石体を押し付ける方法では、板幅方向で砥石が掛からない部分が発生し、重大欠陥を見逃す可能性が充分にある。
【0017】
▲3▼ 単一砥石を、所定の軌跡にて移動させるワイパ方式等の方法が、過去に数件の連続砥石掛け手段として提案されているが、CAL等の連続ラインにおいては、通板速度(鋼板速度)が30〜60mpmにもなり、鋼板速度の方が砥石速度よりも速くなり、鋼板表面すべてに砥石が掛からず、更に、板幅方向においても砥石掛け精度、特に砥石掛け面の均一性に問題点が発生していた。
【0018】
▲4▼ すなわち、前述した従来技術は、すべて単一の研削体(砥石)によって鋼板裏面に砥石掛けしようとするものであり、ライン出側でのインライン砥石掛けを目的した場合、鋼板全面への砥石掛け性能の均一化および鋼板形状への追随性に限界があった。
【0019】
従って、この発明の目的は、上述の課題を解決し、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面、即ち、本来品質保証面であるおもて面を効率良く砥石掛けすることができる、圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法および装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする方法において、前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板の外周面に砥石体を接触させ、接触させた前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の圧延方向および幅方向に、前記コイル状圧延鋼板の外周面に沿って移動させて研磨することに特徴を有する圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法である。
【0021】
請求項2記載の発明は、前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に所定距離移動させ、次いで、前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の幅方向に前記砥石体の幅とほぼ同じ距離だけ移動させ、次いで、前記砥石体を最初に移動させた前記圧延方向と反対の方向に前記所定距離移動させ、次いで、前記砥石体を前記幅方向に前記砥石体の幅とほぼ同じ距離だけ移動させ、この動作を繰り返して前記鋼板の表面を研磨することに特徴を有するものである。
【0022】
請求項3記載の発明は、冷間圧延鋼板からなる前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板に対する前記砥石体の押し付け圧力を、0.3〜0.5kgf/cm2 に制御し、且つ、前記砥石体の移動速度を2.0m/sec以下に制御することに特徴を有するものである。。
【0023】
請求項4記載の発明は、調圧鋼板からなる前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板に対する前記砥石体の押し付け圧力を、0.2〜0.3kgf/cm2 に制御し、且つ、前記砥石体の移動速度を1.5m/sec以下に制御することに特徴を有するものである。
【0024】
請求項5記載の発明は、圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする装置において、前記コイル状圧延鋼板に近接して前記コイル状圧延鋼板の幅方向に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールを前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に円弧状外周面に沿って往復移動させるためのガイドレール移動機構と、前記ガイドレールに沿って走行自在の砥石体とからなり、前記コイル状圧延鋼板の表面と接触させた前記砥石体は、前記ガイドレールに沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を幅方向に研磨可能、且つ、前記ガイドレールを前記ガイドレール移動機構によって前記コイル状圧延鋼板の円弧状外周面に沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を圧延方向に研磨可能であることに特徴を有する圧延鋼板の表面検査用砥石掛け装置である。
【0025】
請求項6記載の発明は、圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする装置において、前記コイル状圧延鋼板に近接して前記コイル状圧延鋼板の幅方向に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールを前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に円弧状外周面に沿って往復移動させるためのガイドレール移動機構と、前記ガイドレールに沿って走行自在の砥石移動体と、前記砥石移動体に設けられたダンパー機構と、前記ダンパー機構に回転ヒンジによって取り付けられた砥石体とからなり、前記砥石体は前記ダンパー機構および前記回転ヒンジによって前記コイル状圧延鋼板の表面の凹凸に倣うことが可能であり、前記コイル状圧延鋼板の表面と接触させた前記砥石体は、前記ガイドレールに沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を幅方向に研磨可能、且つ、前記ガイドレールを前記ガイドレール移動機構によって前記コイル状圧延鋼板の円弧状外周面に沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を圧延方向に研磨可能であることに特徴を有する圧延鋼板の表面検査用砥石掛け装置である。
【0026】
請求項7記載の発明は、前記砥石体は、複数に分割されて縦横に配列されてなっていることに特徴を有するものである。
請求項8記載の発明は、前記砥石体は、複数に分割されて千鳥状に配列されてなっていることに特徴を有するものである。
【0027】
請求項9記載の発明は、前記砥石体と前記ダンパー機構との間に、前記コイル状圧延鋼板との密着性を向上するための、弾性体からなる中間材が設けられていることに特徴を有するものである。
【0028】
請求項10記載の発明は、複数に分割された各砥石体の境目を形成する溝部に、磨き粉を排出するための磨き粉排出機構が設けられていることに特徴を有するものである。
【0029】
表面欠陥検出の為にはコイルの圧延方向(長手方向)と、コイルの幅方向(長手方向と直交する方向)とに砥石掛けする必要がある。従って、砥石掛けを円筒状のコイル状鋼板の圧延方向に行うには、円弧状の湾曲面に沿って砥石体を往復移動(揺動)する必要がある。その為に、砥石体をコイルの円弧状湾曲面に沿って移動させるために、砥石体の移動中心をコイルを保持しているマンドレルの中心軸と一致させる。これにより、コイルの大小にかかわらず、砥石体を同一軸芯上で揺動可能である。
【0030】
円弧状の湾曲面を有するコイル状鋼板への追従性および押し付け力を細かに制御するために、緩衝材としてエアーシリンダ等のダンパ機構および回転ヒンジを使用する。更に、ゴム等の弾性体およびスプリング等を使用する。前記エアーシリンダの気密体内の圧縮空気の圧力を変化させることにより、微妙な砥石掛けコントロールが可能であり、凹凸の有る鋼板の外周面に倣って砥石掛けが可能である。
【0031】
鋼板表面への追従性、なじみ性を向上させる為、砥石体を一体構造ではなく砥石体を所定の大きさに分割し、且つ、分割した砥石体を縦横に碁盤状に配列し、または、各列毎に各砥石体の境目を形成する溝部をずらして千鳥状に配列することにより、高精度な砥石掛けが可能である。更に、前記の溝部より微細な磨き粉を排出することも可能であり、これにより、鋼板表面にキズをつけることなく、高精度に砥石掛けが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の砥石掛け装置の一実施態様を示す正面図、図2は平面図、図3は側面図である。図1〜図3に示すように、本発明の砥石掛け装置Aは、円弧状の湾曲した曲面を有するコイル1の外周面と接触可能に設けられた砥石体6を、コイル1の圧延方向および幅方向に移動自在に設け、コイル1の外周面の曲面に沿って砥石体6を前記圧延方向および幅方向に移動させてコイル1の表面を研磨するものである。
【0033】
コイル1は、圧延鋼板の製造プロセスラインの出側に、マンドレル16およびマンドレル駆動部17によって巻かれた状態で配置されている。
砥石体6としては、緑色炭化ケイ素または褐色アルミナ系等の磨き出し材等を使用することが好ましい。ただし、砥石体の材料は前記に限定されるものではない。
【0034】
砥石掛装置Aは、砥石体6を、コイル1の幅方向(C方向、図3中に符号:Cで表示)にガイドするための、コイル1から所定距離離れた位置に、コイル1の幅方向に、コイル1の母線と平行に、水平に設けられた直線型ガイドレール7と、砥石体6をコイル1の圧延方向(即ち、コイル1の長手方向と同じ)の円弧状湾曲面(L方向、図1中に符号:Lで表示)にガイドするための、コイル1から所定距離離れた位置に、コイル1の円周方向に設けられた円弧型ガイドレール8を有している。
【0035】
砥石体6はガイドレール7に沿って移動可能に設けられた砥石移動体18に、フランジ27およびエアシリンダ25によって取り付けられている。9は、砥石移動体18をガイドレール7に沿って走行させるための砥石走行駆動モータである。
【0036】
ガイドレール7は、その一方端が、コイル1の一方側の側面に設けられたガイドレール移動機構2に取り付けられている。そして、その他方端は、コイル1の他方側の側面に、コイル1の半径方向に設けられ、下端がマンドレル16の軸部に回動自在に取り付けられている枠体14の上端に取り付けられている。
【0037】
ガイドレール移動機構2は、コイル1の半径方向に設けられたボールネジ形式の砥石昇降駆動サーボモータ4を備えており、ガイドレール7の前記一方端は、サーボモータ4の上端に取り付けられている。サーボモータ4は、ガイドレール移動機構2によって、円弧型ガイドレール8にガイドされて、コイル1の軸部を中心にしてコイル1の周方向に回動可能であり、これにより、ガイドレール7は、コイル1の周方向(L方向)に往復移動、即ち、揺動可能である。3はその駆動用サーボモータ(Rラックアンドピニオン)である。サーボモータ4は、ガイドレール7をコイル1の半径方向に昇降することが可能であり、また、枠体14は、前記昇降に合わせてガイドレール7の他方端をを昇降することができるようになっている。これにより、ガイドレール7に配置されている砥石体6を待機位置からコイル1の表面まで降ろすことができる。
【0038】
砥石掛け装置Aには、コイル1の外径を検出するためのセンサ10およびコイル1の端面を検出するためのセンサ11、振れ止めセンター後退(退避)用エアーシリンダ12、振れ止めセンター15、および、機構揺動時に端部の衝撃を和らげる揺動方向反転用ショックアブソーバおよびストッパ装置13が設けられている。
【0039】
砥石体6は、これらの機構を有する砥石掛け装置Aによってコイル1の長手方向(L方向)および幅方向(C方向)に移動可能である。
図4はこの発明の砥石掛け装置に係る砥石体の取付け構造を示す正面図、図5は側面図、図6は底面図である。図4〜図6に示すように、砥石体6は、コイル1との接触面を、所定の大きさ、例えば、20×20mm程度の正方形に形成された複数の砥石体6aの集合体からなっている。これら複数の砥石体6aは、所定厚みを有する弾性体、例えば、矩形のフレキシブルゴム22の底面に、図6に示すように縦横に碁盤状に、本実施態様では縦横で36個(6×6個)配列されている。また、図示はしないが、砥石体6aは、各列毎に各砥石の境目を形成する溝部をずらして千鳥状に配列してもよい。更に、各砥石体6a間の溝部に磨き粉排出機構を設け、各砥石体6a間の溝部より微細な磨き粉を排出してもよい。
【0040】
フレキシブルゴム22の両側には、リンクボールを備える複数の自在継手23が水平に並列して設けられている。自在継手23の各々は、取付けプレート5を介してエアシリンダ25の下端に取り付けられている。砥石体6には、砥石移動体18と自在継手23との間に設けられた前記シリンダ25によって、下方に押し付ける力が与えられている。本実施態様では、図4〜図6に示すように、自在継手23はゴム22の両側に6機づつ設けられている。
【0041】
一方、ゴム22の上面には、リンクボールを備える回転首振り機構24が取り付けられている。回転首振り機構24は、取付けフランジ27の下端に取り付けられており、また、回転首振り機構24は、上下スライド部24aを有している。砥石体6は回転首振り機構24の作用によりリンクボールを中心にして球面上で首振り自在である。回転首振り機構24および自在継手23は、コイル(鋼板)形状への追従性を向上させるものである。更に、フランジ27とゴム22の上面との間には、回転首振り機構24の周囲に、砥石押付用スプリング26が設けられており、ゴム22には、スプリング26によって下方に押し付ける力が与えられている。シリンダ25、自在継手23、回転首振り機構24、ゴム22およびスプリング26の作用によって、砥石体は図5中に66aで示すように、コイル1の円弧状湾曲面の部分において、その湾曲面に倣うことができる。また、ゴム22は、コイル1から受ける衝撃の緩衝機構としての作用も有する。
【0042】
コイルや鋼板等の広幅鋼板を砥石掛けする場合、通常、鋼板表面は、板の形状によるしぼりや中伸び傾向等により、常に板幅方向に平坦ではない。本発明は、鋼板形状への追従性を向上させる為に、図4〜図6示すように複数個取付られた砥石体6aが、自在継手(リンクボール)23によって各個独立して凹凸に倣い、更にフレキシブルゴム22との組み合わせによりコイル(鋼板)1の表面に均一な砥石掛けを実施することができるものである。
【0043】
次に、この発明による砥石掛けパターンを説明する。
図7、図8は、この発明装置による砥石掛け方法の第1のパターンを示す説明図である。図7は圧延方向(L方向掛け)のパターンを示す斜視図、図8はコイル上面より矢視したL方向掛けを示す平面図である。図7、図8に示すように、圧延方向(L方向)に往復移動(揺動)しながら幅方向に1ピッチ(所定の寸法、例えば、砥石幅)送りながら砥石掛けする。
【0044】
このように、砥石体をコイル圧延方向に往復移動(揺動)させながら、ある所定のピッチで逐次コイル幅方向に微動させながら凹凸に倣うことにより、鋼板表面に均一な砥石掛け研磨を実施することができる。
【0045】
図9、図10は、この発明装置による砥石掛け方法の第2のパターンを示す説明図である。図9は板幅方向(C方向掛け)のパターンを示す斜視図、図10はコイル上面より矢視したC方向掛けを示す平面図である。図9、図10に示すように、幅方向(C方向)に往復移動(揺動)しながら圧延方向に1ピッチ(例えば、砥石体幅)送りながら自動砥石掛けする。
【0046】
このように、砥石体をコイル幅方向で往復動させながら、ある所定のピッチで逐次コイル圧延方向に微動させながら凹凸に倣うことにより、鋼板表面に均一な砥石掛け研磨を実施することができる。
【0047】
【実施例】
次に、この発明を実施例により説明する。
図1〜図6に示す本発明装置を使用し、図7、図8に示すパターンにより、砥石体をコイル長手方向(圧延方向)に往復移動(揺動)させることにより砥石掛けしながらコイル幅方向(板幅方向)に微動させる砥石掛けを、冷間圧延鋼板、調圧鋼板、ならびに、高炭素SC系および高張力鋼板に対して実施した。研削に際して砥石体の押し付け圧力は、冷間圧延鋼板については0.3〜0.5kgf/cm2 、調圧鋼板については0.2〜0.3kgf/cm2 、そして、高炭素SC系および高張力鋼板については0.5〜0.8kgf/cm2 に制御した。且つ、砥石体の移動速度はそれぞれ2.0m/sec以下に制御した。その結果、均一に研磨され、欠陥検出のために最適な砥石掛けが実施できた。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、圧延プロセス出側でのコイル状鋼板の外周面への均一な砥石掛けが可能となり、圧延鋼板(コイル)のエッジも含めた全幅および必要長さの所定範囲にわたり全面砥石掛けが可能となり、鋼帯の材質に応じた圧下調整ならびに鋼帯形状、例えば、中伸び傾向等に応じて砥石掛け制御が可能であり、鋼板の表面欠陥検出精度を向上し、製品歩留を向上し、品質管理が強化され、ラインの生産性が大幅に向上し、かくして、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の砥石掛け装置の一実施態様を示す正面図である。
【図2】この発明の砥石掛け装置の一実施態様を示す平面図である。
【図3】この発明の砥石掛け装置の一実施態様を示す側面図である。
【図4】この発明の砥石掛け装置に係る砥石掛け保持部構造体を示す概略正面図である。
【図5】この発明の砥石掛け装置に係る砥石掛け保持部構造体を示す側面図である。
【図6】この発明の砥石掛け装置に係る砥石掛け保持部構造体を示す底面図である。
【図7】この発明による砥石掛けの圧延方向(L方向掛け)のパターンを示す斜視図である。
【図8】この発明による砥石掛けのコイル上面より矢視したL方向掛けを示す平面図である。
【図9】この発明による砥石掛けの板幅方向(C方向掛け)のパターンを示す斜視図である。
【図10】この発明による砥石掛けのコイル上面より矢視したC方向掛けを示す平面図である。
【図11】従来技術1の砥石掛け装置を示す正面図である。
【図12】従来技術1の砥石掛け装置を示す側面図である。
【図13】 従来技術1の砥石掛け装置を示す斜視図である。
【図14】 従来技術3の砥石掛け装置を示す正面図である。
【図15】従来技術4の砥石掛け装置を示す正面図である。
【図16】従来技術4の砥石掛け装置を示す側面図である。
【図17】従来技術5の砥石掛け装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 砥石掛け装置
1 鋼帯(コイル)
2 ガイドレール移動機構
3 揺動駆動サーボモータ
4 砥石昇降駆動サーボモータ
5 取付けプレート
6、6a、66a 砥石体
7 直線型ガイドレール
8 円弧型ガイドレール
9 砥石走行駆動モータ
10 コイル外径検出センサ
11 コイル端面検出センサ
12 振れ止めセンター後退用シリンダ
13 ショックアブソーバおよびストッパ装置
14 枠体
15 振れ止めセンター
16 マンドレル
17 マンドレル駆動部
18 砥石移動体
22 フレキシブルゴム
23 自在継手
24 回転首振り機構
24a 上下スライド部
25 砥石押し付けエアシリンダ
26 砥石押し付け補助用スプリング
27 フランジ
30 砥石
31 バネ
32 砥石
33 サンドペーパーロール
34 ベルト状研削体

Claims (10)

  1. 圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする方法において、前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板の外周面に砥石体を接触させ、接触させた前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の圧延方向および幅方向に、前記コイル状圧延鋼板の外周面に沿って移動させて研磨することを特徴とする圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法。
  2. 前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に所定距離移動させ、次いで、前記砥石体を前記コイル状圧延鋼板の幅方向に前記砥石体の幅とほぼ同じ距離だけ移動させ、次いで、前記砥石体を最初に移動させた前記圧延方向と反対の方向に前記所定距離移動させ、次いで、前記砥石体を前記幅方向に前記砥石体の幅とほぼ同じ距離だけ移動させ、この動作を繰り返して前記鋼板の表面を研磨する請求項1記載の方法。
  3. 冷間圧延鋼板からなる前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板に対する前記砥石体の押し付け圧力を、0.3〜0.5kgf/cm2 に制御し、且つ、前記砥石体の移動速度を2.0m/sec以下に制御する請求項1または2記載の方法。
  4. 調圧鋼板からなる前記コイル状圧延鋼板の外周面を研磨するに当たり、前記コイル状圧延鋼板に対する前記砥石体の押し付け圧力を、0.2〜0.3kgf/cm2 に制御し、且つ、前記砥石体の移動速度を1.5m/sec以下に制御する請求項1または2記載の方法。
  5. 圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする装置において、前記コイル状圧延鋼板に近接して前記コイル状圧延鋼板の幅方向に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールを前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に円弧状外周面に沿って往復移動させるためのガイドレール移動機構と、前記ガイドレールに沿って走行自在の砥石体とからなり、前記コイル状圧延鋼板の表面と接触させた前記砥石体は、前記ガイドレールに沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を幅方向に研磨可能、且つ、前記ガイドレールを前記ガイドレール移動機構によって前記コイル状圧延鋼板の円弧状外周面に沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を圧延方向に研磨可能であることを特徴とする圧延鋼板の表面検査用砥石掛け装置。
  6. 圧延鋼板表面の表面欠陥の有無を検出するために、円筒形に形成されたコイル状圧延鋼板の表面を砥石掛けする装置において、前記コイル状圧延鋼板に近接して前記コイル状圧延鋼板の幅方向に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールを前記コイル状圧延鋼板の圧延方向に円弧状外周面に沿って往復移動させるためのガイドレール移動機構と、前記ガイドレールに沿って走行自在の砥石移動体と、前記砥石移動体に設けられたダンパー機構と、前記ダンパー機構に回転ヒンジによって取り付けられた砥石体とからなり、前記砥石体は前記ダンパー機構および前記回転ヒンジによって前記コイル状圧延鋼板の表面の凹凸に倣うことが可能であり、前記コイル状圧延鋼板の表面と接触させた前記砥石体は、前記ガイドレールに沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を幅方向に研磨可能、且つ、前記ガイドレールを前記ガイドレール移動機構によって前記コイル状圧延鋼板の円弧状外周面に沿って移動することにより前記コイル状圧延鋼板の表面を圧延方向に研磨可能であることを特徴とする圧延鋼板の表面検査用砥石掛け装置。
  7. 前記砥石体は、複数に分割されて縦横に配列されてなっている請求項5または6記載の装置。
  8. 前記砥石体は、複数に分割されて千鳥状に配列されてなっている請求項5または6記載の装置。
  9. 前記砥石体と前記ダンパー機構との間に、前記コイル状圧延鋼板との密着性を向上するための、弾性体からなる中間材が設けられている請求項5、6、7または8記載の装置。
  10. 複数に分割された各砥石体の境目を形成する溝部に、磨き粉を排出するための磨き粉排出機構が設けられている請求項7、8または9記載の装置。
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