JP3704803B2 - インクジェット記録用キャスト塗被紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用キャスト塗被紙に関し、特に優れた白紙表面光沢を有し、優れたインクジェット記録(印字)適性を備え、インクジェットプリンター記録の際の搬送性に優れたキャスト塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタによる記録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易なために多方面で利用されている。
インクジェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗被紙等が適用されている。ところで、これらの用紙はすべて表面光沢の低い、所謂マット調のインクジェット記録用紙が主体である。
しかしながら、最近、インクジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった用途の拡大に伴い、表面光沢の高い、優れた外観を持つインクジェット記録用紙が要望されている。
【0003】
一般に、表面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗被し、さらに、必要に応じてキャレンダー処理を施した高光沢を有する塗被紙、あるいは湿潤塗被層を鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥することにより、その鏡面を写し取ることによって得られる、所謂キャスト塗被紙等が知られている。
【0004】
このキャスト塗被紙はスーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢とより優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されているが、インクジェット記録用紙に利用した場合、種々の難点を抱えている。
即ち、一般にキャスト塗被紙は、その塗被層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質がキャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取ることにより高い光沢を得ているが、インクジェット記録用紙として使用した場合、これらの成膜性物質がインクの吸収を妨げるという問題がある。
【0005】
以上の如く、キャスト塗被紙の表面光沢とインクジェット記録(印字)適性の両方を同時に満足させることが極めて困難であるのが現状である。
上記問題を解決する方法として、顔料および接着剤を主成分とする下塗り塗被層を設けた原紙上に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる40℃以上のガラス転移点を有する共重合体組成物を主成分とする塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、該キャスト用塗被層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げることにより、優れた光沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用キャスト塗被紙が得られることを本発明者等は見出し、特開平7-89220 号として提案した。
【0006】
しかしながら、上記方法において、新たな問題点として、表面のべたつきが生じやすく、また滑りが悪い為に、インクジェットプリンターで印字する際、搬送しなかったり、搬送ロールに貼り付いたり(ブロッキング現象)、複数枚を連続して記録させる時に重送が生じたりする問題があることが明らかになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、キャスト塗被紙の高表面平滑性および高光沢を維持し、従来のキャスト塗被紙では得ることのできなかった優れたインクジェット記録(印字)適性を備え、更にプリンター搬送性に優れたキャスト塗被紙を提供するものである。
【0008】
〔1〕顔料および接着剤を含有する下塗り塗被層を設けた支持体に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させてなる重合体樹脂とコロイダルシリカとの複合体と、該重合体樹脂の固形分100重量部に対して1重量部〜20重量部のポリテトラフルオロエチレン微粒子と、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体を含有する塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成し、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなる、キャスト用塗被層がポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有するインクジェット記録用キャスト塗被紙。
〔2〕前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂のガラス転移点が40℃以上である〔1〕記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙。
【0009】
〔3〕顔料および接着剤を含有する下塗り塗被層を設けた原紙上に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーをコロイダルシリカの存在下に重合させてなる重合体樹脂とコロイダルシリカとの複合体と、該重合体樹脂の固形分100重量部に対して1重量部〜20重量部のポリテトラフルオロエチレン微粒子と、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体を含有する塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、該キャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなるインクジェット記録用キャスト塗被紙であり、キャスト用塗被層がポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録用キャスト塗被紙。
【0010】
【発明の実施の形態】
エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂としては、メチルアクリレート、エチルアクリレートブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体が例示できる。
【0011】
キャスト用塗被組成物は重合体樹脂を含有するが、エチレン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチレン性モノマーともいう)を重合させてなる重合体樹脂を主成分とする塗被組成物が好ましい。
【0012】
なお、重合体は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても良いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えばカルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性にしたもの等が例示される。また、上記のエチレン性モノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によって複合体とした形で使用することも可能である。
【0013】
上記のエチレン性モノマーを重合してなる重合体樹脂は、そのガラス転移点が40℃以上のものが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲である。キャスト仕上げを行う際、塗被液内の樹脂分を十分成膜させると特に優れた表面光沢が得られる。しかし、このような方法では、キャスト塗被紙表面の多孔性が減少し、結果として、インクジェット記録時のインクの吸収を低下させる場合がある。
【0014】
本発明の好ましい態様では、このインクの吸収を低下させないために、ガラス転移点が高い重合体樹脂を使用し、かつ重合体樹脂が完全に成膜を起こさない状態でキャスト仕上げを行なわしめると、キャスト塗被紙表面の多孔性の減少が軽微であり、インクの吸収は低下せず、しかも優れた光沢面を有するキャスト塗被面を得ることができる。一方、重合体樹脂のガラス転移点が40℃未満であると、キャストドラム表面の熱によって、樹脂分の成膜化が進み易く、キャスト塗被紙表面の多孔性が減少し、表面の光沢値は高いがインクの吸収性が低下する恐れがある。
【0015】
本発明の最も重要な要素であるポリテトラフルオロエチレン微粒子を配合することについてのべる。
本発明者等は、キャスト塗被紙表面のブロッキングを抑え、滑り性を向上させるため、各種滑剤の配合を検討した。まず、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪族系アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤等を検討したが、これらはブロッキング防止や滑り性の効果の点で不十分であり、配合量を増加させることによりある程度の効果は得られるものの、表面光沢の低下やインク吸収性の低下及び記録濃度の低下を招き、バランスのとれた品質のものは得られなかった。また、各種無機顔料やポリオレフィン系やポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン等の有機微粒子も検討したが、これらについても上記と同様の問題が付随することが判った。
【0016】
そこで、更に検討を進めた結果、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の配合が極めて効果的であることを見出した。即ち、ポリテトラフルオロエチレン微粒子は配合量が少なくても優れた表面ブロッキング防止性と滑り性を付与できるためインク吸収性や光沢の低下が少なく、ポリテトラフルオロエチレン微粒子自体の透明性が高いためか、記録濃度の低下も少ないものであることが判った。
【0017】
ここで、ポリテトラフルオロエチレンとは、ポリ四フッ化エチレンとも呼ばれるポリマーであり、本発明においてはこのポリマーを微粒子の形態で用いる。このポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒子径は、その配合量やキャスト塗被層の塗被量にもよるが、平均粒子径は1〜20μm程度が好ましい。ここで、粒子径が小さいと、ブロッキング防止や滑り性向上の効果が十分には得られにくく、逆に大きいと、光沢の低下や記録品質(インク吸収性、画質、記録濃度)の低下を招くおそれがある。
【0018】
本発明のポリテトラフルオロエチレン微粒子の配合量も特に限定しないが、キャスト塗被液中に主な成分として含有される前述の重合体樹脂固形分100重量部に対し、1〜20重量部の範囲で添加することが好ましい。少ないと搬送性改善の効果が不十分な場合もあり、多く配合すると、光沢やインク吸収性及び記録濃度が低下する場合もある。尚、印刷用キャスト塗被紙の製造方法として、離型性を向上させる目的でフッ素界面活性剤をキャスト塗被組成物中に添加または、キャストドラム表面に噴霧しキャストドラムとの離型性を向上させ、結果として、キャストの白紙光沢を向上させたもの( 特開平3-213595号) も知られているが、フッ素界面活性剤をポリテトラフルオロエチレンの代りに用いてもインクの吸収性が悪く、印字品位に劣る。また搬送性の改良効果は得られなかった。
【0019】
ポリテトラフルオロエチレン微粒子は、水に分散しにくく、また比重が大きく(2.1〜2.2)分散後の沈降も懸念されるため、キャスト用塗被組成物中に適当な分散剤や増粘剤を併用するのが望ましい。分散及び増粘作用を併せ持つ材料としては、アルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体が好適なものである。即ち、アルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体の配合は、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の分散及び安定化に優れるのみならず、前述のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂との相溶性が良く、キャストドラムからの離型性を悪化させない、さらにキャスト塗被組成物の粘度を適正化しキャスト加工時に安定した操業を可能にするという利点もある。ここで、アルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体は、〔CH(OR)CH2 CH(COOX)CH(COOY)〕nで表されるものであり、Rは炭素数4〜8の飽和又は不飽和アルキル基であり、X及びYはそれぞれアルカリ金属、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン又はアルキル基(炭素数2〜4)を例示できる。繰り返し単位数nは3〜60が好ましい。
【0020】
また、キャスト用塗被組成物中には白色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗被紙やインクジェット用紙に使用されている顔料(コロイダルシリカ、シリカ、アルミナ等)、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤及び上記した以外の分散剤・増粘剤等の各種助剤が適宜添加される。上記のキャスト塗被層は支持体に設けられるが、本発明の好ましい態様では下塗り層を設けた後に設けられる。
【0021】
下塗り塗被層の主成分である顔料と接着剤について述べる。即ち、顔料としては、例えばカオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗被紙製造分野で公知公用の各種顔料が使用できる。
【0022】
なお、上記の顔料の中でも、塗被層の構造をポーラスでインク吸収性の優れたものにする意味で、無定形シリカや酸化アルミニウム、スメクタイト等の顔料が特に好ましく使用される。
次に、接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗被紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。なお接着剤の配合量も限定しないが顔料に対し、5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲で調節される。
【0023】
なお、下塗り塗被層にはポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等のカチオン性の樹脂を添加することができる。これにより印字画像耐水性を向上させることができる。添加量は特に限定しないが顔料100重量部に対し、1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で使用される。
【0024】
その他、一般塗被紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。而して、上記材料をもって構成される下塗り塗被層用組成物は、一般に固形分濃度を1〜65重量%程度に調整し、米坪が約20〜400g/m2 程度の原紙上に乾燥重量で2〜50g/m2 、より好ましくは5〜20g/m2 程度になるようにブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知公用の塗被装置により塗被、乾燥される。さらに、必要に応じて下塗り塗被層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
なお、ベースとなる原紙としては、特に限定されるものではなく、一般の塗被紙に使用される酸性紙、中性紙あるいは合成紙(特に透気性を有するもの)等が適宜使用される。
【0025】
かくして得られた下塗り塗被層を有する支持体に、前述した特定の重合体樹脂を含むキャスト塗被組成物を、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗被装置により塗被する。キャスト法にはウェットキャスト法、リウェットキャスト法、ゲル化キャスト法等があり、ウェットキャスト法は特に好ましい。キャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げを行うことになる。この場合のキャスト塗被組成物の塗被量は、乾燥固形分で0.2〜30g/m2 、好ましくは、1〜10g/m2 である。ここで、塗工層が少ないと光沢が十分に出ない場合があり、多すぎてもインク乾燥性が劣ったり、記録濃度が低下する恐れもある。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0027】
実施例1
顔料として酸化アルミナ90部、軽質炭酸カルシウム10部、接着剤として、ポリビニルアルコール20部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂(商品名:ネオフィックスFY/日華化学工業(株)製)10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の下塗り塗被層用塗被液を調成した。この下塗り塗被層用塗被液を、米坪100g/m2 の原紙に乾燥重量で10g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗被、乾燥して下塗り原紙を得た。一方、キャスト塗被組成物として、ガラス転移点80℃のスチレン−2−メチルヘキシルアクリレート共重合体とコロイダルシリカの複合体(モビニール8050;ヘキスト合成(株)製、コロイダルシリカ60部と共重合体40部)100部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径4.0ミクロン)5部、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体(ビスマルYK−1;東邦化学工業(株))5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%のキャスト用塗被組成物を調製した。
【0028】
このキャスト用塗被組成物を上記の下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。このときの塗被量は固形分重量で、6g/m2であった。
【0029】
実施例2
実施例1において平均粒子径の異なるポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo300;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径6.0ミクロン)を用いる以外は実施例1と同じ方法で、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0030】
実施例3
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製)の添加部数を5部から0.5部とする以外は実施例1と同じ方法で、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0031】
実施例4
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製)の添加部数を5部から2部とする以外は実施例1と同じ方法で、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
実施例5
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製)の添加部数を5部から15部とする以外は実施例1と同じ方法で、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0032】
参考例1
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT:MICROPOWDERS INC.製)の添加部数を5部から25部にする以外は実施例1と同じ方法で、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
参考例2
キャスト塗被液としてガラス転移点35℃のスチレン−2−メチルヘキシルアクリレート共重合体40部、コロイダルシリカ60部、離型剤としてポリテトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT:MICRO POWDERS INC.製、平均粒径4μm)5部よりなる固形分濃度が35%のキャスト用塗被液を調製した。この塗被液を実施例1で得た下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が60℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。このときの塗被量は固形分重量で、5g/m2であった。
【0033】
比較例1
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子を無添加とした以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
比較例2
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりにポリオレフィン系微粒子(商品名:ケミパールW−400/三井石油化学(株)製)を5部添加した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
【0034】
比較例3
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりにステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−7−30/中京油脂(株)製)を5部添加した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
比較例4
実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりにポリエチレンワックス(商品名:ポリロン393/中京油脂(株)製)を5部添加した以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
このようにして得られたキャスト塗被紙の白紙光沢、インクジェット記録適性、および搬送性の結果を表1に纏めて示した。
なお、上記の評価については下記の如き方法で評価を行った。
【0035】
〔白紙光沢〕
JIS−P8142に準じて測定した。
〔インクジェット記録適性〕
(インクジェット記録用インクの吸収性)
キヤノン(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−600J(インクジェット記録用装置)にて印字を行ない、インキの乾燥性を目視で評価した。
○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
△:印字直後に指で触れると僅かに汚れるが、実用上問題はない。
×:インクの乾燥不良により、印字中にインクが流れて実用に耐えない。
【0036】
(インクジェット記録用インクの記録後の印字濃度)
キヤノン(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−600Jにて黒ベタ印字を行ない、その部分のインクの濃度を目視で評価した。
○:発色濃度が良好である。
△:発色濃度がやや薄いが実用上問題のないレベルである。
×:発色濃度が薄く実用に耐えない。
【0037】
(搬送性:搬送ロールとのブロッキング)キヤノン(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−35Vにて印字を行い、搬送ロールとのブロッキングを印字後の紙面を目視で観察し、評価した。
○:紙面上にブロッキングによるはがれや捲れが無い。
×:紙面上にブロッキングによるはがれや捲れ認めれれる。
(搬送性:連続給紙適性)キヤノン(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−600JのオートシートフィーダーでA4サイズで50枚の連続印字を行い、紙づまりと、2枚以上の紙が同時に給紙される重送の発生した回数をカウントした。
〔キャスト塗被組成物安定性〕
○:安定した塗工ができる。
×:ゲル化し、塗工不能。
【0038】
〔印字画像耐水性〕
キヤノン(株)製のカラーインクジェットプリンターBJC−600Jにて印字を行ない、印字部分に水滴をたらし、インクのにじみ、流れを目視で評価した。
○:印字部分のインクのにじみ、流れがなく、耐水性良好。
△:印字部分に若干のにじみが認められるが実用上問題ないレベルである。
×:印字部分のインクが流れだし、耐水性不良。
【0039】
【表1】
Figure 0003704803
【0040】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録体は、白紙光沢、インクの吸収性、印字濃度、ブロッキング、連続給紙性に優れ、重送や紙詰まりがなく、塗被組成物の安定性に優れ、画像の耐水性に優れていた。本発明は、キャスト塗被紙が本来有する高表面平滑性および高光沢を維持し、従来のキャスト塗被紙では得ることのできなかった優れたインクジェット記録(印字)適性を備え、更にプリンター搬送性に優れたキャスト塗被紙である。

Claims (2)

  1. 顔料および接着剤を含有する下塗り塗被層を設けた支持体に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させてなる重合体樹脂とコロイダルシリカとの複合体と、該重合体樹脂の固形分100重量部に対して1重量部〜20重量部のポリテトラフルオロエチレン微粒子と、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体を含有する塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成し、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなる、キャスト用塗被層がポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有するインクジェット記録用キャスト塗被紙。
  2. 前記支持体が顔料および接着剤を含有する下塗り塗被層を設けた支持体であり、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂のガラス転移点が40℃以上である請求項1記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙。
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