JP3703649B2 - 建設機械の油圧駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられる油圧駆動装置に係り、特に主油圧ポンプの吐出圧の最大値を規定するリリーフ圧を設定する可変リリーフ弁と、この可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧を変更可能なリリーフ圧変更手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の建設機械の油圧駆動装置の一例を示す油圧回路図、図8は図7に示す従来例に備えられるリリーフ圧の昇圧系統を示すブロック図である。
【0003】
この従来の油圧駆動装置は、図7に示すように、主油圧ポンプ31と、この主油圧ポンプ31の吐出圧の最大値を規定するリリーフ圧を設定する可変リリーフ弁32と、この可変リリーフ弁32で設定されるリリーフ圧を変更可能なリリーフ圧変更手段、例えば電磁弁41とを備えている。この電磁弁41はパイロット油圧ポンプ40に連絡され、パイロット油圧ポンプ40から吐出される圧油を選択的に可変リリーフ弁32のばね室に供給し、これによって可変リリーフ弁32のリリーフ圧を変更可能になっている。
【0004】
また、主油圧ポンプ31から吐出される圧油によって駆動する油圧アクチュエータ、例えば油圧シリンダ33、油圧モータ34等と、主油圧ポンプ31から上述の油圧アクチュエータのそれぞれに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁を含む主コントロール弁回路35と、この主コントロール弁回路35の流量制御弁の作動を制御する操作手段、例えば油圧パイロット弁36等と、これらの操作手段が操作状態にあるかどうかを検出する操作状態検出手段、例えば油圧パイロット弁36等が操作されたときに圧力信号を出力する圧力スイッチ39とを備えている。
【0005】
さらに、油圧パイロット弁36の操作レバー37の握り部には、押圧動作に応じてオン・オフ信号を出力するレバートップスイッチ38が備えられている。上述した圧力スイッチ39とレバートップスイッチ38から出力される信号は、図8に示すアンド回路43を内蔵する制御装置、すなわちコントローラ42に入力される。図8に示されるように、アンド回路43を有するコントローラ42は、圧力スイッチ39とレバートップスイッチ38の双方からの信号を入力したとき、上述した可変リリーフ弁32のリリーフ圧を増圧させるように電磁弁41を作動させる制御信号Yを出力する。
【0006】
この従来技術にあっては、例えば油圧パイロット弁36等を操作して油圧シリンダ33等を作動させ、所望の作業を実施させている状態において、レバートップスイッチ38を操作すると、図8に示すように、油圧パイロット弁36等の操作に伴って圧力スイッチ39から信号値「1」が出力されている状態において、レバートップスイッチ38から信号値「1」が出力されることから、コントローラ42のアンド回路43から電磁弁41に制御信号Yが出力される。これにより、図7に示す電磁弁41が同図7の上段位置に切換えられ、油圧パイロットポンプ40から吐出されるパイロット圧が、可変リリーフ弁32のばね室に与えられる。これにより、可変リリーフ弁32はリリーフ圧を増圧させるように作動する。したがって、主油圧ポンプ31の吐出圧は、それまでに比べて高くなる。
【0007】
また、このような状態から、すなわち、油圧パイロット弁36等の操作状態を維持したまま、レバートップスイッチ38の操作を解除すると、図8に示すように、レバートップスイッチ38の信号値が「0」になり、これによりアンド回路43から制御信号Yが出力されなくなる。これに伴って、図7に示す電磁弁41は、ばねの力により同図7の下段位置に切換えられ、可変リリーフ弁32のばね室が、この電磁弁41を介してタンクに連通する。これにより、上述のようにリリーフ圧を高く設定した可変リリーフ弁32は、リリーフ圧を低くするように作動する。これに伴って、主油圧ポンプ31の吐出圧が上述の場合に比べて低くなるように変化する。
【0008】
なお、上述した従来技術が適用される建設機械の一例として、例えば吊荷作業、掘削作業、ならし作業を実施する油圧ショベルを考えると、この油圧ショベルで実施される作業のうち一般的に吊荷作業は、特に大きなパワーを必要とするので増圧させることが好ましく、土砂を掘削する通常の掘削作業、すなわち堅い地盤等を掘削する大きなパワーを要する重掘削作業を除く掘削作業とか、地面を平坦にならす軽負荷のならし作業の場合には、本来、増圧させない方が好ましい。
【0009】
これらの図7,8に示す従来技術に相当するものは、特開平8−60704号公報に示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、増圧を必要とする作業時には、油圧パイロット弁36等を操作している状態でレバートップスイッチ38を手動操作すれば可変リリーフ弁32の設定リリーフ圧を上昇させ、これにより主油圧ポンプ31の最大可能吐出圧を高めることができる。しかしながら、この従来技術では主油圧ポンプ31、油圧パイロットポンプ40を駆動する図示されないエンジンの回転数と、リリーフ圧の昇圧(増圧)動作との関係が考慮されていない。
【0011】
したがって、例えばエンジン回転数が、主油圧ポンプ31から最小流量を吐出させるアイドル回転数程度の低い回転数であるときに、油圧パイロット弁36等を操作して、同時にレバートップスイッチ38を押圧操作することが起こり得る。このような場合にも、可変リリーフ弁32の設定リリーフ圧が上昇し、主油圧ポンプ31の吐出圧が高く変化するが、このとき、エンジンの出力トルクよりも、すなわち主油圧ポンプ31等の入力軸を回転させようとする力よりも、主油圧ポンプ31の入力トルク等、すなわちエンジンによって主油圧ポンプ31等の入力軸等が回されまいと抵抗する力の方が大きくなり、これによってエンストを生じてしまう懸念がある。
【0012】
このようなエンストを生じると、所望の増圧を要する作業は中断してしまう。したがって、その所望の増圧を要する作業を再開させるためには、エンジンを再起動させ、そのエンジン回転数を十分に上昇させた後に、再び油圧パイロット弁36等の操作とレバートップスイッチ38の押圧操作とが必要となる。
【0013】
すなわち、従来技術にあっては、エンストを生じる懸念があり、エンストを生じたときには作業能率の低下を招くとともに、当該建設機械のオペレータに煩わしい操作が要求され、操作性が低下する問題がある。
【0014】
本発明は、上記した従来技術における実状に鑑みてなされたもので、その目的は、可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧を増圧可能なリリーフ圧変更手段を備えたものにあって、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができる建設機械の油圧駆動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明は、主油圧ポンプと、この主油圧ポンプの吐出圧の最大値を規定するリリーフ圧を設定する可変リリーフ弁と、この可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧を変更可能なリリーフ圧変更手段と、上記主油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する油圧アクチュエータと、上記主油圧ポンプから上記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁と、この流量制御弁の作動を制御する操作手段と、上記リリーフ圧を増圧させるように上記リリーフ圧変更手段を作動させる制御信号を出力可能な制御装置とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、
上記主油圧ポンプを駆動するエンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備えるとともに、
上記制御装置が、
上記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数が、所定の最小流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数であるアイドル回転数よりも高い回転数であって、上記油圧アクチュエータを介して作動する作業機を動かし得る流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数の近傍で、しかもその回転数よりも低い回転数である所定回転数以上のときに、上記制御信号を出力可能にさせる処理をおこなう処理手段を含む構成にしてある。
【0016】
このように構成した請求項1に係る発明にあっては、エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数の高低に応じて、可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧の増圧が実施されるかどうか決定される。
【0017】
すなわち、制御装置に含まれる処理手段は、当該制御装置に入力されるエンジン回転数が、アイドル回転数よりも高い回転数であって、作業機を動かし得る流量を主油圧ポンプから吐出される回転数の近傍で、しかもその回転数よりも低い回転数である所定回転数以上のときには、可変リリーフ弁のリリーフ圧を増圧させるようにリリーフ圧変更手段を作動させる制御信号を出力可能にさせる処理をおこなうが、当該制御装置に入力されるエンジン回転数が、例えばアイドル回転数付近の低い回転数である場合には、上述した制御信号、すなわちリリーフ圧変更手段を作動させる制御信号を出力不能にさせる処理をおこなう。
【0018】
制御装置に入力されるエンジン回転数が上述した所定回転数以上にあっては、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、したがってエンストを防止することができる。また、制御装置に入力されるエンジン回転数が所定回転数に至らない低い回転数のときには、可変リリーフ弁のリリーフ圧を増圧させることがないので、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、したがって、この場合にも確実にエンストを防止することができる。
【0019】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記回転数検出手段が、上記エンジンの実回転数を検出する回転数センサから成り、 手動操作に応じて上記リリーフ圧の増圧を指令するオン・オフスイッチを備えるとともに、
上記制御装置の上記処理手段が、
上記回転数センサから出力される回転数信号の値が上記所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にする駆動信号を生成させる信号生成部を含み、上記制御装置は、上記オン・オフスイッチから上記リリーフ圧の増圧を指令する信号が出力されている状態にあって、しかも上記信号生成部から駆動信号が出力されているときに上記制御信号を出力する構成にしてある。
【0020】
このように構成した請求項2に係る発明にあっても、信号生成部は、当該制御装置に入力されるエンジン回転数が、所定回転数以上のときには、制御信号の出力を可能にする駆動信号を出力する。したがって、この状態にあるときに、オン・オフスイッチからリリーフ圧の増圧を指令する信号が出力されると、制御装置からリリーフ圧変更手段に、可変リリーフ弁のリリーフ圧を増圧させるように当該リリーフ圧変更手段を作動させる制御信号が出力される。
【0021】
また、制御装置に入力されるエンジン回転数が所定回転数に至らない場合とか、エンジン回転数が所定回転数以上であっても、オン・オフスイッチからリリーフ圧の増圧を指令する信号が出力されていないときには、制御装置から制御信号が出力されない。
【0022】
したがって、リリーフ圧の増圧が実施されるのは、エンジン回転数が所定回転数以上であり、このときには、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、このためエンストを防止できる。
【0023】
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記操作手段が手動操作される操作レバーを有するとともに、上記オン・オフスイッチが上記操作レバーの握り部に設けられるレバートップスイッチから成る構成にしてある。
【0024】
このように構成した請求項3に係る発明にあっては、エンジン回転数が所定回転数以上のときに、操作レバーの握り部のレバートップスイッチを押圧操作すればリリーフ圧の増圧をおこなわせることができる。
【0025】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記操作手段が操作状態にあるかどうか検出する操作状態検出手段を備えるとともに、
上記制御装置が、
上記操作状態検出手段から出力される信号に応じて、上記リリーフ圧の増圧を実行させる実行信号、及びこの実行信号に伴って実施される上記リリーフ圧の増圧を抑制する抑制信号のうちのいずれかを選択的に出力する選択手段を含む構成にしてある。
【0026】
このように構成した請求項4に係る発明にあっては、操作状態検出手段から操作手段が操作状態にある旨の信号が出力されているときに、選択手段からリリーフ圧の増圧を実行させる実行信号が出力される。したがって、このように選択手段から実行信号が出力されている状態にあって、制御装置から入力されるエンジン回転数が所定回転数以上であると、制御装置からリリーフ圧変更手段に制御信号が出力され、リリーフ圧の増圧が実施される。
【0027】
また、選択手段からリリーフ圧の増圧を抑制する抑制信号が出力された場合には、制御装置に入力されるエンジン回転数が所定回転数以上であっても、制御装置から制御信号が出力されずリリーフ圧の増圧は実施されない。
【0028】
すなわち、リリーフ圧の増圧は、常にエンジンが所定回転数以上であって、操作手段が操作されたときに実施され、このときには、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持できる。
【0029】
また、本願の請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、上記操作状態検出手段が、上記操作手段の操作量を検出する操作量検出手段であるとともに、
上記制御装置の上記選択手段が、
上記操作量検出手段で検出される操作量と、上記リリーフ圧の増圧を実行させる時限に相当する第1のしきい値との関係、及び上記操作量検出手段で検出される操作量と、上記第1のしきい値よりも大きい値のしきい値であるとともに、上記リリーフ圧の増圧を取り消す時限に相当する第2のしきい値との関係があらかじめ設定され、上記操作量が上記第1のしきい値を越えたときに上記実行信号を出力し、上記操作量が上記第2のしきい値を越えたときに上記抑制信号に対応する取消指令信号を出力する信号生成部から成る構成にしてある。
【0030】
このように構成した請求項5に係る発明にあっては、制御装置に入力されるエンジン回転数が所定の回転数以上である状態において、操作手段が操作されて、この操作手段の操作量が第1のしきい値を越える操作量となると、信号生成部からリリーフ圧の増圧を実行させる実行信号が出力され、制御装置からリリーフ圧変更手段に制御信号が出力され、リリーフ圧の増圧が実施される。
【0031】
また、上述のように制御装置に入力されるエンジン回転数が所定回転数以上である状態において、操作手段が操作されて、この操作手段の操作量が第2のしきい値を越える操作量となると、信号生成部からリリーフ圧の増圧を取り消す取消指令信号が出力され、これにより制御装置から制御信号が出力されなくなり、リリーフ圧の増圧が停止され、可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧は所定の低い値となる。
【0032】
この請求項5に係る発明にあっても、リリーフ圧の増圧は、エンジンが所定回転数以上のときに実施され、このときにはポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持できる。
【0033】
また、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、目標回転数を指示する目標回転数指示手段を備えるとともに、上記制御装置が、
上記目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が、所定の最小流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数であるアイドル回転数よりも高い回転数であって、上記油圧アクチュエータを介して作動する作業機を動かし得る流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数の近傍で、しかもその回転数よりも低い回転数である所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にさせる処理をおこなう別の処理手段を含む構成にしてある。
【0034】
このように構成した請求項6に係る発明にあっては、制御装置に入力されるエンジン回転数が所定回転数以上である状態において、目標回転数指示手段が操作されて、この目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が所定回転数以上のときには、別の処理手段が作動してこの目標回転数指示手段の操作に応じても、制御信号の出力を可能にさせる処理が実施される。
【0035】
この請求項6に係る発明でも、リリーフ圧の増圧は、エンジンの回転数がエンジン目標回転数に等しくなる所定回転数以上のときに実施され、このときにはポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持できる。
【0036】
また、本願の請求項7に係る発明は、請求項6に記載の発明において、上記制御装置の別の処理手段が、
上記目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が、上記所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にする駆動信号を生成させる信号生成部を含む構成にしてある。
【0037】
このように構成した請求項7に係る発明にあっては、目標回転数指示手段が操作されて、この目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が所定回転数以上のときには、信号生成部から制御信号の出力を可能にさせる駆動信号が出力される。
【0038】
この請求項7に係る発明でも、リリーフ圧の増圧は、エンジンの回転数がエンジン目標回転数に等しくなる所定回転数以上のときに実施され、このときにはポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持できる。
【0039】
また、本願の請求項8に係る発明、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、当該建設機械が油圧ショベルから成る構成にしてある。
【0040】
このように構成した請求項8に係る発明にあっては、当該油圧ショベルで実施される作業には、増圧が好ましい吊荷作業等が含まれるので、有効に適用できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建設機械の油圧駆動装置の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の請求項1,2,3,8に相当する第1実施形態を示す油圧回路図、図2は図1に示す第1実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【0042】
図1に示す第1実施形態は、例えば油圧ショベルに適用させてあり、主油圧ポンプ1と、この主油圧ポンプ1の吐出圧の最大値を規定するリリーフ圧を設定する可変リリーフ弁2と、この可変リリーフ弁2で設定されるリリーフ圧を変更可能なリリーフ圧変更手段、例えば電磁弁12とを備えている。この電磁弁12はパイロット油圧ポンプ11に連絡され、パイロット油圧ポンプ11から吐出されるパイロット圧を選択的に可変リリーフ弁2のばね室に供給し、これによって可変リリーフ弁2のリリーフ圧を変更可能になっている。
【0043】
また、主油圧ポンプ1から吐出される圧油によって駆動する複数の油圧アクチュエータ、例えばブームシリンダ3、アームシリンダ4と、主油圧ポンプ1からブームシリンダ3、アームシリンダ4のそれぞれに供給される圧油の流れを制御するブーム用流量制御弁5の作動を制御するブーム用操作手段、例えばブーム用パイロット弁7、アーム用流量制御弁6の作動を制御するアーム用操作手段、例えばアーム用パイロット弁8とを備えている。
【0044】
また、主油圧ポンプ1及びパイロット油圧ポンプ11を駆動するエンジン20と、このエンジン20の回転数、例えば実回転数を検出する回転数センサ21と、手動操作に応じて可変リリーフ弁2のリリーフ圧の増圧を指令するオン・オフスイッチ、例えばブーム用パイロット弁7の操作レバーの握り部に設けられるレバートップスイッチ22と、上述した回転数センサ21から出力される回転数信号、及びレバートップスイッチ22から出力されるオン信号に応じて、可変リリーフ弁2のリリーフ圧を増圧させるように電磁弁12を作動させる制御信号Yを出力可能な制御装置13とを備えている。
【0045】
上述した制御装置13は、図2に示すように、回転数センサ21から出力される回転数信号の値が所定回転数n以上のときに、すなわちエンジン回転数Nが、所定の最小流量を主油圧ポンプ1から吐出させる回転数であるアイドル回転数iよりも高い回転数であって、ブームシリンダ3を介して作動する作業機である図示しないブームを動かし得る流量を主油圧ポンプ1から吐出させる回転数rの近傍で、しかもその回転数rよりも低い所定回転数n以上の時に、制御信号Yの出力を可能にする駆動信号Aを生成させる信号生成部23と、この信号生成部23から駆動信号Aが出力されたとき閉じるスイッチ部24と、このスイッチ部24が閉じられた状態にあって、レバートップスイッチ22からオン信号が出力されたとき、電磁弁12に制御信号Yを出力する出力部25とを備えている。
【0046】
上述した制御装置13に含まれる信号生成部23とスイッチ部24とは、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数が所定回転数n以上のときに、制御信号Yを出力可能にさせる処理をおこなう処理手段を構成している。
【0047】
このように構成した第1実施形態の動作は、以下のとおりである。
例えば、エンジン20を起動して主油圧ポンプ1及びパイロット油圧ポンプ11を駆動させた状態であるものの、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nが所定回転数nに至らないときは、図2に示す制御装置13の信号生成部13からオン信号すなわち駆動信号Aが出力されず、スイッチ部24は開かれた状態に保たれる。したがって、このときにブーム用パイロット弁7のレバートップスイッチ22を押圧操作しても出力部25から電磁弁12に制御信号Yが出力されることはない。
【0048】
また、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nが所定回転数n以上になると、同図2に示すように信号生成部23から駆動信号Aが出力され、スイツチ部24は閉じられる。この状態であっても、ブーム用パイロット弁7のレバートッブスイッチ22が押圧操作されなければ、出力部25から電磁弁Yが出力されることはない。
【0049】
このように、制御装置13の出力部25から制御信号Yが出力されない状態では、図1に示す電磁弁12が同図に示すような下段位置に保たれ、可変リリーフ弁2のばね室はタンクに連通する。したがって、可変リリーフ弁2のリリーフ圧は所定の低い圧力に保たれ、主油圧ポンプ1の吐出圧も比較的低い圧力となる。このような状態にあっては、比較的やわらかい土砂などを掘削する通常の掘削作業、地面を平坦にならすならし作業などを有効に実施させることができる。
【0050】
そして例えば、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nが所定回転数n以上で、同図2に示すように信号生成部23から駆動信号Aが出力され、スイッチ部24が閉じられている状態にあって、ブーム用パイロット弁7のレバートップスイッチ22を押圧操作すると、出力部25から制御信号Yが電磁弁12に出力される。これにより、図1に示す電磁弁12は上段位置に切換えられ、パイロット油圧ポンプ11から吐出されるパイロット圧が可変リリーフ弁2のばね室に供給され、当該可変リリーフ弁2のリリーフ圧が増圧される。これに伴って主油圧ポンプ1の吐出圧が高い圧力となるように変化する。このような状態にあっては、パワーを要する堅い地盤を掘削する重掘削作業とか、吊荷作業などを有効に実施させることができる。
【0051】
なお、上述の各操作に際しては、ブーム用パイロット弁7、アーム用パイロット弁8を適宜操作することによりブーム用流量制御弁5、アーム用流量制御弁6が切換えられ、主油圧ポンプ1から吐出される圧油がブーム用流量制御弁5、アーム用流量制御弁6を介してブームシリンダ3、アームシリンダ4に供給され、これらのブームシリンダ3、アームシリンダ4が駆動し、図示しない作業機すなわちブーム、アームが回動して所望の作業をおこなうことができる。
【0052】
このように構成した第1実施形態では、可変リリーフ弁2のリリーフ圧の増圧が実施されるときは、エンジン回転数Nがアイドル回転数iよりも十分に大きい所定回転数n以上の場合に限られるので、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、したがって、エンストを防止できる。
【0053】
なお、可変リリーフ弁2のリリーフ圧の増圧が実施されないときは、上述のように、エンジン回転数Nが所定回転数n以上であってレバートップスイッチ22が押圧操作されない場合、あるいは、エンジン回転数Nが所定回転数nに至らない場合であるが、このような場合には主油圧ポンプ1の吐出圧が比較的低く抑えられ、これによりポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、このような場合にも確実にエンストを防止することができる。
【0054】
すなわち、この第1実施形態では、可変リリーフ弁2で設定されるリリーフ圧を増圧可能な電磁弁12を備えたものにあつて、上述のようにポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持することができ、これによりエンストを防止でき、したがってこのようなエンストに伴う作業能率の低下を防止できるとともに、良好な操作性を確保することができる。
【0055】
図3は本発明の請求項1,4,5,8に相当する第2実施形態を示す油圧回路図、図4は図3に示す第2実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【0056】
この第2実施形態も例えば油圧ショベルに適用されるものであるが、特に、ブーム用パイロット弁7、アーム用パイロット弁8が操作状態にあるかどうかを検出する操作状態検出手段、例えばブームシリンダ3を伸長(ブーム上げ)させるようにブーム用流量制御弁5を作動させるときのブーム用パイロット弁7の操作量を検出し、圧力信号Paを出力するブーム用圧力センサ9と、アームシリンダ4を伸長(アームクラウド)させるようにアーム用流量制御弁6を作動させるときのアーム用パイロット弁8の操作量を検出し、圧力信号Pbを出力するアーム用圧力センサ10とを備えている。
【0057】
さらに、制御装置13は、前述した信号生成部23、スイッチ部24、出力部25の他に、ブーム用パイロット弁7の操作量、すなわち圧力センサ9が出力される圧力信号Paの値と、リリーフ圧の増圧を実行する時限に相応する第1のしきい値PAOとの関係が設定され、圧力信号Paの値が第1のしきい値PAOを越えたときに、増圧指令信号すなわちオン信号を出力する第1信号生成部14と、アーム用パイロット弁8の操作量、すなわち圧力センサ10から出力される圧力信号Pbの値と、第1のしきい値PAOよりも大きい値のしきい値であって、リリーフ圧の増圧を取り消す時限に相応する第2のしきい値PBOとの関係が設定され、圧力信号Pbの値が第2のしきい値PBOを越えたときに、リリーフ圧の増圧を抑制する抑制信号、例えばリリーフ圧の増圧を取り消す取消指令信号、すなわちオフ信号を出力する第2信号生成部15とを備えている。
【0058】
上述した第1信号生成部14の第1のしきい値PAOは、例えばならし作業時に経験的に実施されるブーム用パイロット弁7の操作量よりも、わずかに大きい操作量に相当する圧力センサ9の信号値に設定してある。また、上述した第2信号生成部15の第2のしきい値PBOは、例えば吊荷作業時に経験的に実施されるアーム用パイロット弁8の操作量よりもわずかに大きい操作量に相応する圧力センサ10の信号値に設定してある。掘削作業時には、ブーム用パイロット弁7及びアーム用パイロット弁8の操作量が大きくなることから、ブーム用パイロット弁7の操作量に相応する圧力センサ9の信号値も、第1のしきい値PAOを越える大きな値となり、また、アーム用パイロット弁8の操作量に相応する圧力センサ10の信号値も、第2のしきい値PBOを越える大きな値となることが経験的に知られている。
【0059】
また、同図4に示す制御装置13は、第1信号生成部14、第2信号生成部15の双方からオン信号が出力されたときに駆動信号を出力するアンド回路16を備えている。このアンド回路16は上述したスイッチ部24に接続させてある。
【0060】
上述した第1信号生成部14、第2信号生成部15、及びアンド回路16は、圧力センサ9,10から出力される信号に応じて、可変リリーフ弁2のリリーフ圧の増圧を実行させる実行信号、及びこの実行信号に伴って実施されるリリーフ圧の増圧を取り消す取消指令信号のうちのいずれかを選択的に出力する選択手段を構成している。
【0061】
その他の構成は、前述した第1実施形態における構成と同等である。
【0062】
このように構成した第2実施形態における動作は以下のとおりである。
例えば、ブームシリンダ3、アームシリンダ4のそれぞれを収縮させるような動作のときは、ブーム用圧力センサ9、アーム用圧力センサ10からの信号は出力されない。これに伴って第1信号生成部14からアンド回路16にオフ信号が出力され、アンド回路16から駆動信号は出力されない。また、アームシリンダ4のみを伸長させる動作のときはアーム用パイロット弁8の操作量に応じて圧力センサ10から信号が出力され、その信号値が第2信号生成部15の第2のしきい値PBOよりも小さい値であるときはオン信号がアンド回路16に出力されるものの、第1信号生成部14からオフ信号がアンド回路16に出力されるので、アンド回路16から駆動信号は出力されない。
【0063】
上述のようにアンド回路16から駆動信号が出力されていない状態にあっては、回転数センサ21によって検出されるエンジン回転数Nが、所定回転数n以上で信号生成部23から駆動信号Aが出力されスイッチ部24が閉じられていても、出力部25にアンド回路16からの駆動信号が与えられることがなく、したがって出力部25から電磁弁12に制御信号Yが出力されない。このような場合には、図3に示す電磁弁12が同図3の下段位置に保たれ、可変リリーフ弁12のばね室はタンクに連通し、リリーフ圧が比較的低い値に保たれる。したがって、主油圧ポンプ1の吐出圧が比較的低い値となる。
【0064】
また、例えば吊荷作業の実施に際し、ブームシリンダ3、アームシリンダ4のそれぞれを伸長させるために、ブーム用パイロット弁7とアーム用パイロット弁8の双方を操作すると、その操作量は上述したように掘削作業における操作量よりも小さいことが経験上知られている。その結果、圧力センサ9から出力される信号Paの値は、第1信号生成部14の第1のしきい値PAOを越え、また、圧力センサ10から出力される信号Pbの値は、第2信号生成部15の第2のしきい値PBOに至らない程度の値に保たれる。このため、第1信号生成部14、第2信号生成部15の双方からオン信号がアンド回路16に出力され、このアンド回路16から駆動信号が出力される。
【0065】
このように、アンド回路16から駆動信号が出力されている状態にあって、回転数センサ21によって検出されるエンジン回転数Nが、所定回転数nに至らず信号生成部23から駆動信号Aが出力されていないときには、スイッチ部24が開かれた状態にあり、したがって、アンド回路16から出力された駆動信号は出力部25に供給されず、この出力部25から電磁弁12に制御信号Yは出力されない。このときは電磁弁12は図3の下段位置に保たれ、前述のように可変リリーフ弁2のリリーフ圧は所定の低い圧力に保たれ、主油圧ポンプ1の吐出圧は比較的低く保たれる。
【0066】
そして、回転数センサ21によって検出されるエンジン回転数Nが、所定回転数n以上になると信号生成部23から駆動信号Aが出力され、スイッチ部24が閉じられ、アンド回路16から出力された駆動信号は出力部25に供給され、この出力部25から電磁弁12に制御信号Yが出力される。したがって、電磁弁12は図3の上段位置に切換えられ、パイロット油圧ポンプ11のパイロット圧が可変リリーフ弁2のばね室に供給され、この可変リリーフ弁2のリリーフ圧は増圧され主油圧ポンプ1の吐出圧は高い圧力に変化する。この高い圧力の圧油が主油圧ポンプ1から、ブーム用流量制御弁5、アーム用流量制御弁6に供給され、ブームシリンダ3、アームシリンダ4の駆動を介して所望の吊荷作業を実施することができる。
【0067】
なお、ブームシリンダ3のみを伸長させるような動作(ブーム上げ単独操作)の場合であって、ブーム用パイロット弁7の操作量が大きく、その結果、圧力センサ9から出力される圧力信号Paの値が第1信号生成部14の第1のしきい値PAOを越えるときも、上述と同様に第1信号生成部14、第2信号生成部15の双方からオン信号がアンド回路16に出力され、このアンド回路16から駆動信号が出力される。この場合にも、回転数センサ21によって検出されるエンジン回転数Nが、所定回転数n以上になるとスイッチ部24が閉じられ、出力部25から電磁弁12に制御信号Yが出力される。したがって、この場合にもリリーフ圧の増圧が実施され、主油圧ポンプ1の吐出圧は高い圧力に変化する。
【0068】
また、例えばブームを動かさず、あるいはせいぜい微操作するにとどめた状態で、主にアームとバケットを操作して地面を平坦にならすならし作業の実施に際し、ブーム用パイロット弁7とアーム用パイロット弁8の双方を、ブームシリンダ3、アームシリンダ4のそれぞれを伸長させるように操作するときは、ブームシリンダ3の操作量が小さく、したがって、圧力センサ9で検出される信号値が小さい。このときは、その信号値が第1信号生成部14の第1のしきい値PAOに至らず、第1信号生成部14からオフ信号がアンド回路16に出力される。この場合には、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nの高低にかかわらず、アンド回路16から駆動信号が出力されず、出力部25から制御信号Yが出力されない。
【0069】
したがって、図3に示す電磁弁12が同図3の下段位置に保たれ、可変リリーフ弁12のばね室はタンクに連通し、リリーフ圧が比較的低い値に保たれる。この比較的低い圧力の圧油がブーム用流量制御弁5、アーム用流量制御弁6を介してブームシリンダ3、アームシリンダ4に供給され、所望のならし作業を実施することができる。
【0070】
また例えば、比較的軟らかい土砂の掘削をおこなう通常の掘削作業に際し、ブームシリンダ3、アームシリンダ4のそれぞれを伸長させるために、ブーム用パイロット弁7とアーム用パイロット弁8の双方を大きく操作すると、その大きな操作量がブーム用圧力センサ9、アーム用圧力センサ10で検出され、これらの信号値も大きな値となる。すなわち、ブーム用圧力センサ9から出力される信号値は、図4に示す第1信号生成部14の第1のしきい値PAOを越える値となり、アーム用圧力センサ10から出力される信号値は、同図4に示す第2信号生成部15の第2のしきい値PBOを越える値となる。このため第2信号生成部15からオフ信号がアンド回路16に出力される。この場合には、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nの高低にかかわらず、アンド回路16から駆動信号が出力されず、出力部25から制御信号Yが出力されない。
【0071】
したがって、ならし作業の場合と同様に、リリーフ圧が比較的低く保たれ、主油圧ポンプ1から比較的低い圧力の圧油がブーム用流量制御弁5、アーム用流量制御弁6を介してブームシリンダ3、アームシリンダ4に供給され、燃費を抑えた通常の掘削作業を実施することができる。
【0072】
このように構成した第2実施形態では、吊荷作業時にはリリーフ圧を増圧させ、大きなパワーを要するこの吊荷作業を実施でき、通常の掘削作業時にはリリーフ圧の増圧を取り消して、燃費を抑えながらこの通常の掘削作業を実施でき、また、ならし作業時にはリリーフ圧を増圧させないで、このならし作業を実施できる。
【0073】
特に、作業頻度が高い通常の掘削作業時に、主油圧ポンプ1から過大な吐出圧をブームシリンダ3、アームシリンダ4に供給することなく、所望の通常掘削作業を実施できるので、当該油圧ショベルに備えられる油圧回路に含まれる油圧機器の各部が高圧にさらされる頻度を低減でき、当該油圧駆動装置の耐久性を向上させることができる。
【0074】
また、吊荷作業等におけるリリーフ圧の増圧は、回転数センサ21で検出されるエンジン回転数Nが所定回転数n以上のときにだけ実施されるので、この第2実施形態にあっても、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持でき、これによりエンストを防止でき、したがって、このようなエンストに伴う作業能率の低下を防止できるとともに、良好な操作性を確保することができる。
【0075】
図5は本発明の請求項1,4,5,6,7,8に相当する第3実施形態を示す油圧回路図、図6は図5に示す第3実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【0076】
この第3実施形態は、特に、目標回転数を指示し指示信号Vを出力する目標回転数指示手段26を備えるとともに、制御装置13が、指示信号Vの値とエンジン目標回転数N0との関係、すなわち指示信号Vの値の増加に伴って直線的に増加するエンジン目標回転数N0の関係が設定され、目標回転数指示手段26から出力される指示信号Vの値に相当するエンジン目標回転数N0を出力する関数設定部27と、この関数設定部27から出力されるエンジン目標回転数N0が、アイドル回転数iよりも高い回転数であって、作業機であるブーム、アームを動かし得る流量を主油圧ポンプ1から吐出させる回転数rの近傍で、しかもその回転数rよりも低い回転数である所定回転数n以上のときに、制御信号Yの出力を可能にする駆動信号Bを生成させる信号生成部28とを備えている。この信号生成部28から出力された駆動信号Bは、信号生成部23から出力される駆動信号Aと同様に、スイッチ部24に、このスイッチ部24を開閉する信号として与えられる。
【0077】
上述した信号生成部28、及びスイッチ部24は、目標回転数指示手段26から出力される指示信号Vに相当するエンジン目標回転数N0が、所定回転数n以上のときに、制御信号Yの出力を可能にさせる処理をおこなう別の処理手段を構成している。
その他の構成は、前述した第2実施形態と例えば同等に構成してある。
【0078】
このように構成した第3実施形態では、上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏する他、目標回転数指示手段26が操作されて、この目標回転数指示手段26から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数N0が所定回転数n以上であるときには、スイツチ部24が閉じられて、リリーフ圧の増圧が可能になり前述した吊荷作業等のパワーを要する作業を実施できる。
【0079】
なお、図6では図示を省略してあるが、目標回転数指示手段26から出力される指示信号Vに基づいて制御装置13で適宜の処理がなされ、この制御装置13からエンジン1の燃料噴射装置に制御信号が出力され、上述の指示信号Vに相当するエンジン目標回転数N0に等しくなるようにエンジン20の回転数が制御される。すなわち、目標回転数指示手段26で指示した目標回転数N0になるようにエンジン20の回転数Nが制御される構成になっている。
【0080】
このように構成した第3実施形態は、前述した第2実施形態と同様の作用効果を奏する他、特に、目標回転数指示手段26で指示したエンジン目標回転数N0が所定回転数n以上のときには、エンジン20の回転数Nも所定回転数n以上となり、この状態のときにはスイッチ部24が閉じられて、リリーフ圧の増圧が可能となり、パワーを要する吊荷作業等を実施することができる。
【0081】
すなわち、この第3実施形態にあって、目標回転数指示手段26の操作を介してリリーフ圧の増圧を実施するときは、エンジン20の回転数Nが所定回転数n以上のときであり、その結果、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持でき、これによりエンストを防止できる。したがって、このようなエンストに伴う作業能率の低下を防止できるとともに、良好な作業性を確保することができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明の各請求項に係る発明によれば、可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧を増圧可能なリリーフ圧変更手段を備えたものにあって、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えないように維持でき、したがって、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルクを越えることにより生じるエンストを防止でき、従来のようなエンストに伴う作業能率の低下を防止できるとともに、従来に比べて良好な作業性を確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設機械の油圧駆動装置の第1実施形態を示す油圧回路図である。
【図2】図1に示す第1実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す油圧回路図である。
【図4】図3に示す第2実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す油圧回路図である。
【図6】図5に示す第3実施形態に備えられる制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】従来の建設機械の油圧駆動装置の一例を示す油圧回路図である。
【図8】図7に示す従来例に備えられるリリーフ圧の昇圧系統を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 主油圧ポンプ
2 可変リリーフ弁
3 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
5 ブーム用流量制御弁
6 アーム用流量制御弁
7 ブーム用パイロット弁(ブーム用操作手段)
8 アーム用パイロット弁(アーム用操作手段)
9 ブーム用圧力センサ(ブーム用操作量検出手段)〔操作状態検出手段〕
10 アーム用圧力センサ(アーム用操作量検出手段)〔操作状態検出手段〕
11 パイロット油圧ポンプ
12 電磁弁(リリーフ圧変更手段)
13 制御装置
14 第1信号生成部(選択手段)
15 第2信号生成部(選択手段)
16 アンド回路(選択手段)
20 エンジン
21 回転数センサ(回転数検出手段)
22 レバートップスイッチ(オン・オフスイッチ)
23 信号生成部(処理手段)
24 スイッチ部(処理手段)(別の処理手段)
25 出力部
26 目標回転数指示手段
27 関数設定部
28 信号生成部(別の処理手段)
PAO 第1のしきい値
PBO 第2のしきい値

Claims (8)

  1. 主油圧ポンプと、この主油圧ポンプの吐出圧の最大値を規定するリリーフ圧を設定する可変リリーフ弁と、この可変リリーフ弁で設定されるリリーフ圧を変更可能なリリーフ圧変更手段と、上記主油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する油圧アクチュエータと、上記主油圧ポンプから上記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁と、この流量制御弁の作動を制御する操作手段と、上記リリーフ圧を増圧させるように上記リリーフ圧変更手段を作動させる制御信号を出力可能な制御装置とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、
    上記主油圧ポンプを駆動するエンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備えるとともに、
    上記制御装置が、
    上記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数が、所定の最小流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数であるアイドル回転数よりも高い回転数であって、上記油圧アクチュエータを介して作動する作業機を動かし得る流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数の近傍で、しかもその回転数よりも低い回転数である所定回転数以上のときに、上記制御信号を出力可能にさせる処理をおこなう処理手段を含むことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  2. 上記回転数検出手段が、上記エンジンの実回転数を検出する回転数センサから成り、
    手動操作に応じて上記リリーフ圧の増圧を指令するオン・オフスイッチを備えるとともに、
    上記制御装置の上記処理手段が、
    上記回転数センサから出力される回転数信号の値が上記所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にする駆動信号を生成させる信号生成部を含み、
    上記制御装置は、上記オン・オフスイッチから上記リリーフ圧の増圧を指令する信号が出力されている状態にあって、しかも上記信号生成部から駆動信号が出力されているときに上記制御信号を出力することを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置。
  3. 上記操作手段が手動操作される操作レバーを有するとともに、上記オン・オフスイッチが上記操作レバーの握り部に設けられるレバートップスイッチであることを特徴とする請求項2記載の建設機械の油圧駆動装置。
  4. 上記操作手段が操作状態にあるかどうか検出する操作状態検出手段を備えるとともに、
    上記制御装置が、
    上記操作状態検出手段から出力される信号に応じて、上記リリーフ圧の増圧を実行させる実行信号、及びこの実行信号に伴って実施される上記リリーフ圧の増圧を抑制する抑制信号のうちのいずれかを選択的に出力する選択手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建設機械の油圧駆動装置。
  5. 上記操作状態検出手段が、上記操作手段の操作量を検出する操作量検出手段であるとともに、
    上記制御装置の上記選択手段が、
    上記操作量検出手段で検出される操作量と、上記リリーフ圧の増圧を実行させる時限に相当する第1のしきい値との関係、及び上記操作量検出手段で検出される操作量と、上記第1のしきい値よりも大きい値のしきい値であるとともに、上記リリーフ圧の増圧を取り消す時限に相当する第2のしきい値との関係があらかじめ設定され、上記操作量が上記第1のしきい値を越えたときに上記実行信号を出力し、上記操作量が上記第2のしきい値を越えたときに上記抑制信号に対応する取消指令信号を出力する信号生成部であることを特徴とする請求項4記載の建設機械の油圧駆動装置。
  6. 目標回転数を指示する目標回転数指示手段を備えるとともに、上記制御装置が、
    上記目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が、所定の最小流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数であるアイドル回転数よりも高い回転数であって、上記油圧アクチュエータを介して作動する作業機を動かし得る流量を上記主油圧ポンプから吐出させる回転数の近傍で、しかもその回転数よりも低い回転数である所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にさせる処理をおこなう別の処理手段を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械の油圧駆動装置。
  7. 上記制御装置の別の処理手段が、
    上記目標回転数指示手段から出力される指示信号に相当するエンジン目標回転数が、上記所定回転数以上のときに、上記制御信号の出力を可能にする駆動信号を生成させる信号生成部を含むことを特徴とする請求項6記載の建設機械の油圧駆動装置。
  8. 当該建設機械が油圧ショベルから成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の建設機械の油圧駆動装置。
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