JP3703586B2 - 光コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導波路構造を備えた光フィルタと、光ファイバ、半導体デバイス等の光学素子とを接続するための光コネクタの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
OTDR(Optical Time Dmain Reflectometry)装置などの検査装置を用いた光線路の検査システムでは、通常、光線路中に所定波長の検査光を反射する光フィルタが設けられている。この光フィルタには、検査光を遮断して加入者宅に検査光を送らないようにする働きと、光線路を伝搬してきた検査光を反射して検査装置に送り返し、光線路中の障害点の有無や光線路の光伝送特性を検出させる働きがある。
【0003】
光線路の検査システムに用いられる光フィルタとしては、光導波路(光ファイバ、薄膜導波路など)のコアに光フィルタ機能を果たす領域(以下、フィルタ領域という)が設けられた、導波路構造を持つ光フィルタが特に好適である。例えば、光線路として用いられている通信用光ファイバの所定部位にフィルタ領域を形成すれば光ファイバ型の光フィルタが得られるが、このような光フィルタはそれ自体が光線路として使用できるものである。従って、光ファイバ型の光フィルタの一端にプラグを取り付けて光コネクタを構成すれば、その取扱いも容易になる。このため、光ファイバ型の光フィルタを用いて光線路の検査システムを構成すれば、誘電体多層膜フィルタを用いる場合のように光線路中にフィルタ部品を挿入する必要がなく、信号光の損失は少なく済む。また、薄膜導波路中にフィルタ領域を設けた薄膜導波路型の光フィルタも、検査光を反射するだけでなく、フィルタ領域を通過した信号光を分岐させて出力することができるなど、便利な点が多い。
【0004】
このような導波路構造を持つ光フィルタのフィルタ領域としては、従来からグレーティングが採用されている。ここでいうグレーティングとは、実効屈折率が光軸(長手方向)に沿って最小値と最大値との間で周期的に変化する光導波路中の一領域である。特開昭62−500052号公報に記載されているように、上記グレーティングは、ゲルマニウムをドープした石英ガラスに所定ピッチの干渉パターンを有する紫外光を照射することで形成される。これは、該紫外光の干渉パターンの光強度分布に応じてガラスの屈折率が上昇することによるものである。光導波路のコアに形成されたグレーティングは、光導波路中を進行する光のうち所定の反射波長(ブラッグ波長)を中心とした狭い波長幅(以下、グレーティングの反射波長という)の光を反射する。このグレーティングの反射波長は、グレーティングの周期(格子ピッチ)に応じて定まることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述された導波路構造を有する光フィルタでは、グレーティングの反射波長の光でありながら該グレーティングで反射されず、該グレーティングが作り込まれたフィルタ領域を通り抜ける光(主に、該グレーティングからクラッド領域を伝搬する光)が存在する。このため、該光フィルタを備えた光コネクタでは、上記グレーティングが設けられる部位によっては所定波長(グレーティングの反射波長)の光を遮断するというフィルタ機能が十分に発揮できないという課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高い光遮断率を有する、導波路型の光フィルタを備えた光コネクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光コネクタは、少なくとも、(a)伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに、該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を備え、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが該コアの所定部位に設けられた光フィルタと、(b)該光フィルタの一部を収納するための空間を有するとともに、該光フィルタの一方の端面を含む先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグとを備えている。
【0008】
発明者らは、光フィルタを含む従来の光コネクタを、該光フィルタの性能や該光コネクタの製造等の観点から検討した結果、導波路構造を備えた光フィルタを光線路の検査システムに利用する場合、該光フィルタのコア中に設けられたグレーティングは、当該検査システムと加入者端末間を光学的に接続するための光コネクタ内に収納するのが好ましいという結論を得た。従って、この発明に係る光コネクタは、上述のように、光フィルタの性能を改善したり当該光コネクタの製造を容易にするため、上記グレーティングは、光フィルタの先端部分であってプラグの空間内に収納されていることを特徴としている。
【0009】
一般に光コネクタは、伝送路間を接続する場合、図1に示されたように、接続されるべき各光ファイバ・ケーブル(光コードともいう)11a、11bの先端に取り付けられたプラグ1と、そして、これらプラグ1を光学的に結合させるためのアライメント・スリーブ21とで少なくとも構成される。一方、伝送路と半導体デバイス(例えば受光素子等)と伝送路とを接続する場合、光コネクタは図3に示されたように、光ファイバ・ケーブル22の先端に取り付けられたフェルール24(プラグ1に含まれる)と、該フェルール24を収納するスリーブ20aと、ステム20cの主表面に光学素子20dを搭載したホルダ20bを少なくとも備えた光モジュール20の一部を構成する。
【0010】
また、上記プラグは光ファイバ・ケーブルの先端に取り付けられた状態で、それ自体販売等される場合があるため、コード付き光コネクタと呼ばれている。従って、この明細書では、光ファイバ・ケーブルと、該光ファイバ・ケーブルの先端に取り付けられたプラグ又はフェルールとで構成される部材も、単に光コネクタと呼ぶ。また、この明細書において、光ファイバ・ケーブル(あるいは光コード)とは、単一の光ファイバの外周をプラスティック・コーティングしたケーブル(コード)のみならず、複数の光ファイバを一体的にプラスティック・コーティングしたリボン型のケーブル(コード)も含まれる(図2参照)。
【0011】
しかしながら、上述のように、光フィルタのうちグレーティングが設けられた領域(フィルタ領域)を収納した光コネクタでも、グレーティングによって反射されるべき、所定波長(グレーティングの反射波長)を有する光でありながら、該グレーティングで反射されずに該フィルタ領域を通り抜ける光(主に、該グレーティングからクラッド領域を伝搬する光)が存在する。このため、該光フィルタの出射端側から見て、該グレーティングによって反射されるべき光を遮断するフィルタ機能が十分に発揮できない場合がある。
【0012】
そこで、この発明に係る光コネクタは、グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングからクラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた光フィルタのフィルタ領域から光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造を、さらに備えたことを特徴としている。
【0013】
特に、この発明に係る光コネクタには、収納されたグレーティングの位置により、以下の2つの実施形態がある。
【0014】
すなわち、上記プラグは、(a)光フィルタ(例えば、コア中所定位置にグレーティングが設けられた光ファイバ)の一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールと、(b)該光フィルタの先端部分のうち少なくとも該フェルールの貫通孔に収納されていない部分を収納するための中空部を有するとともに、該フェルールの一端が取り付けられた保持部を有するフランジによって構成されている。なお、このプラグはフェルールのみで構成してもよい(図2又は図3参照)。
【0015】
そして、この第1実施形態では、グレーティングが設けられた当該光フィルタのフィルタ領域は、該光フィルタの先端部分のうち、フェルールの貫通孔に収納されていない部位であってフランジの中空部に収納された部位に位置する(図6参照)。一方、第2実施形態では、上記グレーティングが設けられた上記光フィルタのフィルタ領域は、該光フィルタの先端部分のうち、フェルールの貫通孔に収納された部位に位置する(図18等、参照)。この発明に係る光コネクタは、グレーティングが設けられたフィルタ領域122が、フェルールの収納空間とフランジ24の収納空間にまたがって配置された場合、十分なフィルタ機能が得られないため、光フィルタのフィルタ領域全体を、フェルールの貫通孔内か、あるいは該フェルールの外部であってフランジの収納空間内のいずれかに収納している。
【0016】
図6に示されたように、上記第1実施形態では、第1の遮光構造として、上記プラグ1中であって、上記光フィルタ12の先端部分121(コーティングが取り除かれた部分)に位置するフィルタ領域122の外周面とフランジ24の中空部242の内壁とで定義された空間中に、所望の接着剤243(この接着剤243は光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する)が充填されている。
【0017】
また、図12に示されたように、第1実施形態では、第2の遮光構造として、上記プラグ1中であって、上記光フィルタ12のフィルタ領域122の外周面とフランジ24の中空部242の内壁とで定義された空間中に、該光フィルタ12が貫通した状態で、該フィルタ領域122を包囲した管状部材250(この管状部材250は光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する)が収納されている。そして、この第2の遮光構造において、少なくとも上記光フィルタ12のフィルタ領域122の外周面と管状部材250の内壁とで定義された空間中には、所望の接着剤251(この接着剤251は光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する)が充填されているのが好ましい。
【0018】
さらに、図14に示されたように、第1実施形態では、第3の遮光構造として、上記プラグ1の中空部242中において、上記光フィルタ12のうち、少なくとも該光フィルタ12のフィルタ領域122の外周面に、該グレーティング126を包囲する被覆115が設けられている。なお、この第3の遮光構造において、該被覆115は、上記光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する。
【0019】
次に、この発明の第2実施形態において、上記フェルール13Aを、上記グレーティング126の反射波長に一致する波長を有する光を透過する透過材で構成することによっても上記遮光構造は実現できる(第4の遮光構造)。なお、この透過材も、上記光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有しており、図18は、この第4の遮光構造を備えた当該光コネクタの断面構造を示している。
【0020】
また、第2実施形態において、上記フェルール13Bは、グレーティング126によって反射されるべき光のうち該グレーティング126から上記クラッド124へ放射される光が到達する領域に、該グレーティング126の反射波長に一致する波長を有する光を吸収するための光吸収構造をさらに備えてもよい(第5の遮光構造)。この第5の遮光構造は、例えば図18と同様の構成であって、かつ、上記フェルール13Bを、上記グレーティング126の反射波長に一致する波長を有する光を吸収する光吸収材で構成することにより実現できる。一方、この第5の遮光構造は、図22に示されたように、フェルール13Cの貫通孔130の内壁に、グレーティング130の反射波長に一致する波長を有する光を吸収する材料からなる光吸収層135を形成することでも実現できる。
【0021】
さらに、図24に示されたように、第2実施形態では、第6の遮光構造として、上記光フィルタ12cの先端部分121のうち、フェルール13(図25)の貫通孔130内に収納された部分であってグレーティング126によって反射されるべき光が到達する所定部分の外径を、該光フィルタ12cの残りの部分の外径よりも小さくしてもよい。この場合、上記光フィルタ12cの所定部分の外周面と前記フェルール13の貫通孔130の内壁とで定義された空間には、グレーティング126の反射波長に一致する光を吸収する光吸収材136が充填されている(図26参照)。なお、この光吸収材136も、上記光フィルタ12cのクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する。
【0022】
図29〜34に示されたように、第2実施形態では、第7の遮光構造として、上記プラグ(特に、フェルール)に、光フィルタ12の一方の端面125における光出射開口が該光フィルタ12の光軸に垂直な断面よりも小さくなるよう制限する構造を設けてもよい。
【0023】
具体的に、上記第7の遮光構造は、上記フェルール13の貫通孔130内に収納された上記光フィルタ12の先端部分121のうち、グレーティング126に対して該光フィルタ12の上記一方の端面側に位置する、該フェルール13の貫通孔130の開口を、該光フィルタ12の上記一方の端面125よりも小さい開口を有する第1の遮光部材140によって覆うことにより実現できる(図29参照)。
【0024】
また、第7の遮光構造は、上記グレーティング126に対して該光フィルタ12の上記一方の端面側に位置する、該フェルール13Dに設けられた貫通孔130の第1開口を、該グレーティング126に対して該第1開口と反対側に位置する、該フェルール13Dの貫通孔130の第2開口よりも小さくするよう、該第2開口に突起141を設けてもよい(図31参照)。
【0025】
さらに、第7の遮光構造は、上記フェルール13の貫通孔130内に収納された上記光フィルタ12の上記一方の端面125に、該光フィルタ12の断面のサイズよりも小さいサイズの開口を有する第2の遮光部材142を取り付けることによっても実現できる(図33参照)。この第2の遮光部材142は該フェルール13の貫通孔130内に収納されている。
【0026】
なお、上述の第7の遮光構造は、いずれも上記光フィルタ12の上記一方の端面125の径を、該光フィルタ内を伝搬する光のモードフィールド径の1.14倍よりも大きく、かつ該光フィルタ12のクラッド124の外径よりも小さく制限するもが好ましい。
【0027】
図35〜47に示されたように、第2実施形態では、第8の遮光構造として、上記フェルールに、該フェルールの貫通孔130内に収納された上記光フィルタ12の先端部分121の外周面のうち、グレーティング126によって反射されるべき光のうち該グレーティング126からクラッド124へ放射される光が到達する領域を露出させるための構造を設けてもよい。
【0028】
具体的に、この第8の遮光構造は、上記フェルール13Eの外周面から上記光フィルタ12を収納した貫通孔130に至る切り欠き部190(図35参照)、または該フェルール13Fの外側面から該光フィルタ12の先端部分121を収納した貫通孔130の内壁とを連絡する貫通孔191を設けることでも実現できる(図42参照)。さらに、この構成において、上記フェルール13E、13Fの貫通孔130内に収納された光フィルタ12の先端部分121のうち、露出された領域は、該光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する屈折率整合材700で覆うのが好ましい。
【0029】
また、図48に示されたように、第2実施形態では、第9の遮光構造として、上記フェルール13の貫通孔130内に位置する上記グレーティング126が形成された、光フィルタ12のフィルタ領域122を、該光フィルタ12の先端部分121の端面125から、3mm以上離間させてもよい。
【0030】
次に、図54〜57に示されたように、第2実施形態では、第10の遮光構造として、上記フェルール13Gの貫通孔130の内壁に、該フェルール13Gの端面131付近の断面よりも大きな断面を有する拡大部134aを設けてもよい。この構成において、該拡大部134aは、上記グレーティング126によって反射されるべき光のうち該グレーティング126からクラッド124へ放射された光が到達する領域に位置し、光フィルタ12の先端部分121が該フェルール13Gの貫通孔130内に収納されたとき、該拡大部134aと該光フィルタ12の外周面とによって隙間135aが形成される。
【0031】
また、図58〜70に示されたように、第2実施例では、第11の遮光構造として、上記グレーティング126によって反射されるべき光のうち該グレーティング126からクラッド124へ放射された光が到達する領域に溝を設け、光フィルタ12の外周面とフェルールの貫通孔130との間に空間を設けてもよい。
【0032】
この第11の遮光構造において、フェルールの貫通孔の内壁に設けられた溝は、図58の溝135bのように、貫通孔130の中心軸に沿って、フェルール13Hの第1の端部から、該第1の端部と対向する第2の端部(端面131を含む)に向かって延びた形状であってもよい。また、図62の溝135cのように、フェルール13Iの貫通孔130の内壁に設けられた溝は、該貫通孔130の中心軸に垂直な周方向に沿って形成されてもよい。さらに、図67の溝135dのように、フェルール13Jの貫通孔130の内壁に設けられた溝は、該貫通孔130の中心軸に対し、該フェルール13Jの第1の端部から、該第1の端部と対向する第2の端部(端面131を含む)に向かって螺旋状に延びた形状であってもよい。
【0033】
なお、この第11の遮光構造において、上記フェルール13H〜13Jの貫通孔130内に収納された、光フィルタ12の先端部分121の外周面と、該貫通孔130の内壁に設けられた上記溝135b〜135dとで定義された空間には、該光フィルタ12のクラッド124と略同一かそれ以上の屈折率を有する屈折率整合材800が充填するのがより好ましい。なお、この第11の遮光構造において、上記溝135b〜135dは、フェルール13H〜13Jの貫通孔130の内壁のうち、少なくとも上記グレーティング126が設けられた上記光フィルタ12のフィルタ領域122に対して該光フィルタ12の先端部分121の端面側に位置する、該フェルール13H〜13Jの端部(端面131を含む)を除いた領域に設けられている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る光コネクタを、図1〜70を用いて説明する。
【0035】
この発明に係る光コネクタは、少なくとも図1〜3に示された基本構造を備える。例えば、図1には、それぞれ単一の光ファイバ12a、12bにプラスティック・コーティングが施された光ファイバ・ケーブル11a、11b間を光学的に結合するための光コネクタが示されている。図1の光コネクタでは、一方の光ファイバ・ケーブル11aの先端部分(光ファイバ12aが露出している)にプラグ1が取り付けられている。このプラグ1は、該光ファイバ・ケーブル11aの先端部分に取り付けられたフェルール13a、該フェルール13aの一端を保持したフランジ(図4及び5参照)、該フェルール13a及びフランジを保護するカバー14aを備えている。また、他方の光ファイバ・ケーブル11bの先端部分(光ファイバ12bが露出している部分を含む)にもプラグ1が取り付けられている。この他方の光ファイバ・ケーブル11bに取り付けられたプラグ1も、フェルール13b、フランジ(図4及び5参照)、及びカバー14bを備える。これら一方及び他方の光ファイバ・ケーブル11a、11bは、アライメント・スリーブ21が収納されたアダプタ2を介して光学的に結合される。このとき、各フェルール13a、13bアダプタ2内のアライメント・スリーブ21内にその一部が収納されている。
【0036】
なお、この明細書において、光ファイバ・ケーブル(光コード)は、単一の光ファイバをプラスティック・コーティングしたケーブル(コード)のみならず、複数の光ファイバ16a、16bを、それぞれ一体的にプラスティック・コーティングしたリボン型ケーブル(コード)15a,15bも含まれる(図2参照)。図2は、複数の光ファイバ16a、16bをそれぞれ含む光ファイバ・ケーブル15a、15bを光学的に結合させるための光コネクタが示されている。一方の光ファイバ・ケーブル15aの先端部分(光ファイバ16aが露出している部分を含む)にはプラグ1が取り付けられている。このプラグ1は、該光ファイバ16aに沿ってガイドピン穴18aが設けられるとともに、端面にガイドピン19aが設けられたフェルール17aを備えている。また、他方の光ファイバ・ケーブル15bの先端部分(光ファイバ16bが露出している部分を含む)にもフェルール17b(プラグに含まれる)が取り付けられている。このフェルール17bも光ファイバ16bに沿ってガイドピン穴18bが設けられているとともに、その端面にガイドピン19bが設けられている。これらフェルール17a、17bは、一方のガイドピン穴18aと他方のガイドピン19bが係合するとともに、他方のガイドピン穴18bと一方のガイドピン穴19aが係合することにより、各光ファイバ・ケーブル15a、15b間を光学的に結合する。
【0037】
上記プラグ1は、光ファイバ・ケーブル11a、11b(又は、15a、15b)の先端に取り付けられた状態で、それ自身販売等される場合があるため、コード付き光コネクタ10と呼ばれる。この発明に係る光コネクタもこのコード付き光コネクタ10を含む。
【0038】
このような光コネクタ10(コード付き光コネクタを含む)は、図1又は2に示されたように、光伝送路間の光学的な結合のみならず、伝送路と光学素子との光学的な結合も可能にする。図3は、この発明に係る光コネクタ(コード付き光コネクタ)を光モジュール20と接続する構成例を示している。すなわち、光ファイバ・ケーブル11の先端部分(光ファイバ23が露出している部分を含む)に取り付けられたフェルール24(プラグ1に含まれる)は、光モジュール20のスリーブ20a内に収納される。この光モジュール20は該スリーブ20aと、受光素子等の光学素子20dがその主表面に搭載されたステム20cと、光学要素を所定位置で保持するホルダ20bから構成されている。
【0039】
次に、この発明に係る光コネクタの、基本的な組立工程を図4を用いて説明する。
【0040】
まず、所定の屈折率を有するコアを、該コアよりも低い屈折率を有するクラッドで覆った導波路構造を備え、該コア中の所定位置に長手方向に沿って(伝搬する光の進行方向に沿って)周期的に屈折率が変化したグレーティングが形成された光ファイバ・ケーブル11(光フィルタを含む)を用意する。この光ファイバ・ケーブルは、グレーティングが形成された光ファイバ12(以下、光フィルタという)の外周面をコーティングしたものである。特に、この発明に係る光コネクタの光フィルタ12の代表的な構成は、その先端部分121のコーティングが取り除かれており、該グレーティングが形成された領域をフィルタ領域122という。
【0041】
この光フィルタ12は、順次カバー14、中空部242及びフェルール13を保持する保持部241を有するフランジ24を貫通し、コーティングが取り除かれたその先端部分121が、フェルール13の貫通孔130内に挿入される。そして、該光フィルタ12の先端部分121にフェルール13が取り付けられた状態で、該光フィルタ12の端面125(図6参照)と該フェルール13の第1の端面131が一致するよう、該フェルール13の第1の端面131が研磨される。なお、貫通孔130は該光フィルタ12の直径と略同一の内径を有する。この明細書において、略同一とは、該光フィルタ12を適切に保持しうる程度に、該光フィルタ12の直径と貫通孔130の内径が一致していることを意味する。
【0042】
その後、光フィルタ12に取り付けられたフェルール13の第2の端面132側をフランジ24の保持部241に収納した状態で、該フェルール13をフランジ24に固定する。これにより、図5に示されたような、光コネクタが得られる。なお、この図5の光コネクタの全体的な基本構造は、以下に説明される光コネクタに共通する構造であり、この図5は、以下のこの発明に係る光コネクタの説明において、必要に応じてその都度参照される。
【0043】
次に、この発明に係る光コネクタの各実施形態について説明する。なお、この発明に係る光コネクタには、収納されたグレーティングの位置により、以下の2つの実施形態がある。
【0044】
すなわち、光フィルタ12の先端部分121に取り付けられたプラグは、該光フィルタ(例えば、コア中所定位置にグレーティングが設けられた光ファイバ)の一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタ12の先端部分121の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該先端部分に取り付けられたフェルール13と、そして、該フェルール13の端部(端面132を含む)が取り付けられた保持部241を有するフランジ24、このフランジ24は該光フィルタ12の先端部分121のうち少なくとも該フェルール13の貫通孔130に収納されていない部分を収納するための中空部242を有する、によって構成される。そして、この第1実施形態では、グレーティング126が設けられた当該光フィルタ12のフィルタ領域121は、該光フィルタ12の先端部分121のうち、フェルール13の貫通孔130に収納されていない部位であってフランジ24の中空部242に収納された部位に位置する。また、第2実施形態では、上記グレーティング126が設けられた上記光フィルタ12のフィルタ領域121は、該光フィルタ12の先端部分121のうち、フェルール13の貫通孔130に収納された部位に位置する。
【0045】
この発明に係る光コネクタでは、グレーティング126が設けられたフィルタ領域122が、フェルール13の収納空間とフランジ24の収納空間にまたがって配置された場合、十分間フィルタ機能が得られない。換言すれば、フェルール13に収納されたフィルタ領域122の一部に加えられる応力は、主に該フェルール13の線膨張係数に依存することとなる一方、フランジ24の中空部に収納された残りの領域に加えられる応力は、コーティング、充填材(接着剤)、フランジ24等の、該残りの領域を覆う部材の線膨張係数に依存する。従って、フィルタ領域122の各部位が、それぞれ線膨張係数の異なる部材で覆われた場合、該フィルタ領域122における長手方向の応力分布を均一な状態にすることができない。そこで、フィルタ領域122における長手方向の応力分布を均一にするため、この発明に係る光コネクタでは、光フィルタ12のフィルタ領域122全体が、フェルール13の貫通孔130内か、あるいは該フェルール13の外部であってフランジ24の収納空間内のいずれかに収納されている。
【0046】
特に、この発明に係る光コネクタは、グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングからクラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた光フィルタのフィルタ領域から光フィルタの前記一方の端面に向かって該クラッド中を伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造を備えており、以下、第1実施形態、第2実施形態の順に、各遮光構造を、図6〜70を用いて説明する。
【0047】
なお、この明細書において、導波路とは、コアとクラッドとの屈折率の差を利用して所定波長の信号光を一定領域に閉じ込めて伝送するための回路又は線路をいい、これには光ファイバや薄膜導波路等が含まれる。
【0048】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における光コネクタの第1の遮光構造について説明する。
【0049】
図6は、第1の遮光構造を備えた、この発明に係る光コネクタの構成を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)であり、図7は、図6の矢印B1で示された部分の光コネクタの断面図(図5のB−B線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126を形成することにより得られた光フィルタ12と、この光フィルタ12の先端部を貫通孔130内に収容するフェルール13と、このフェルール13の一端が取り付けられた保持部241を有するフランジ24から構成されている。
【0050】
上記光フィルタ12は、OTDR装置を用いた光通信網の検査システムで使用することを前提にしている。光通信網を構成する光線路中では、局舎から加入者端末器に向けて光通信用の信号光が伝送されるとともに、光線路の状態を検査するためにOTDR装置からの検査光が伝送される。この検査光には、信号光と波長の異なる光が使用されるが、この検査光が加入者端末器に入射すると信号光のノイズとなって好ましくない。そのため、光線路中に検査光を遮断するための光フィルタを設ける必要がある。光フィルタ12は、このような必要性に応えるものであり、光線路の一部を構成する光ファイバのコア123に所定波長の検査光を反射するグレーティング126を設けることで検査光を加入者端末側から見て遮断するようにしたものである。
【0051】
上記光フィルタ12のコア123及びクラッド124は、ともに石英(SiO2 )ガラスを主成分としているが、クラッド124は実質的に純粋な石英ガラスから構成されているのに対し、コア123を構成する石英ガラスには屈折率上昇材であるGeO2 が添加されている。この結果、コア123の屈折率はクラッド124より高く、該コア123と該クラッド124との間の比屈折率差は約0.35%である。
【0052】
グレーティング126は、実効屈折率が光フィルタ12の光軸長手方向に沿って最小屈折率と最大屈折率の間で周期的に変化するコア123中の一領域である。換言すれば、グレーティング126は、実効屈折率が光軸に沿って最小屈折率と最大屈折率の間で繰り返し変化するような屈折率分布を有する領域である。このグレーティング126は、屈折率変化の周期、すなわちグレーティング周期(格子ピッチともいう)により定まる反射波長(ブラッグ波長)を中心とした比較的狭い波長域にわたって該反射波長を有する光を反射する。この反射波長は、上記の検査光の波長に略一致している。
【0053】
グレーティング126は、ゲルマニウムが添加された石英ガラスに紫外光を照射すると照射部分の屈折率が紫外光の強度に応じた量だけ上昇する現象を利用して形成することができる。すなわち、クラッド124の表面からゲルマニウムが添加されているコア123に向けて所定ピッチの干渉縞が形成された紫外光を照射すれば、コア123の紫外光照射領域に干渉縞の光強度分布に応じた屈折率分布が形成される。このようにして形成された屈折率分布を有する領域が、グレーティング126である。この場合、グレーティング形成部位の最小屈折率は、コア123の当初の実効屈折率(紫外光照射前の実効屈折率)にほぼ等しいことになる。
【0054】
図6において符号115で示されるものは、クラッド124の表面を覆うUVカット樹脂被覆であり、コア123及びクラッド124を保護する役割を有している。導波路型光ファイバ20の先端部分で樹脂被覆115が除去されているのは、上述のようにグレーティング126を製造する時にコア123に紫外光を照射するためである。
【0055】
フェルール13は、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121を包囲するジルコニア製の管状部材である。フェルール13の貫通孔130の内径は0.126mmであり、その内表面は鏡面となっている。
【0056】
フランジ24は、フェルール13の後端部がその保持部241に取り付けられた、管状の保持部材である。フランジ24の中空部242内径は1mmであり、フランジ24の中空部242には、光フィルタ12のうちグレーティング126を含む部位(フィルタ領域122)が収容されている。フランジ24の中空部242内において光フィルタ12とフランジ24との間には接着剤243が充填されており、この接着剤243によって光フィルタ12はフランジ24内に固定されている。なお、この接着剤243には、クラッド124と略同一の屈折率を有する樹脂接着剤が用いられている。
【0057】
この発明に係る光コネクタは、グレーティング126がフランジ24の中空部242に配置されていることを特徴としている。これによって、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光を低減し、光遮断率を高めている。
【0058】
以下では、まず、光フィルタ12のコア123に形成されたグレーティング126からクラッド124に向けて光が放射されていること、及びこれにより光フィルタ12の光遮断率が低下していることを説明する。発明者らは、図8に示された装置を用いて実験を行うことにより、上記の事実を確認した。この実験装置は、光ファイバ100のコアに形成されたグレーティング116からクラッドに向けてグレーティング116の反射波長の光が放射されることを調べるための装置である。なお、グレーティング116が形成された光ファイバ100は、光ファイバ型光フィルタと等価である。光ファイバ100は、この実施形態の光フィルタ12と同様に、コアにゲルマニウムが添加された石英ガラス系のシングルモードファイバである。グレーティング116は、長さが10mmで、一定の格子ピッチを有しており、その反射波長は約1554nmである。光ファイバ100のクラッドはその両端部を除いて樹脂材料により被覆されている。樹脂被覆の除去された一端は、ファイバアダプタ210を介してSLD200(Super Luminescent Diode)に接続されている。このSLD200は、グレーティング116の反射波長を含む所定波長域の光を出力する半導体発光素子である。樹脂被覆の除去された他端は、ファイバアダプタ310を介してスペクトルアナライザ300に接続されている。グレーティング116は、光ファイバ100の樹脂被覆の除去された部分において、スペクトルアナライザ300側の端面からの距離dだけ離れている。
【0059】
発明者らは、上記SLD200を発光させて光ファイバ100に検査光を入射させ、グレーティング116が形成された部位を透過した光のスペクトルを、d=21mmの場合(図9参照)と、d=500mmの場合(図10参照)のそれぞれについて、スペクトルアナライザ300により検出した。図9及び図10は、それぞれの検出結果を示す図である。図9及び図10の双方にグレーティング116での光反射による透過光量の減少ピーク400、410が現れているが、d=21mmの場合の減少ピーク400は、d=500mmの場合の減少ピーク410に比べてピーク高さが大きく減少している。すなわち、グレーティング116により遮断すべき波長の光の透過減衰量は、d=21mmの場合の方がd=500mmの場合よりも低くなっている。d=21mmの場合とd=500mmとでグレーティング116は同一であるから、この透過減衰量の相違はグレーティング116の反射率に起因するものではなく、グレーティング116からスペクトルアナライザ300までの距離の違いに起因するものである。
【0060】
このことを考慮すると、上記の透過減衰量の相違は、次のように理解することができる。グレーティング116には屈折率が局所的に上昇した部分が含まれており、このためグレーティング形成部位とそれ以外の部位との間でモードフィールドの不一致が生じている。グレーティングの反射波長の光は、グレーティングに到達すると、その一部が反射されながらグレーティング中を進行していくが、このとき、上記のモードフィールドの不一致に起因してグレーティングの各部からクラッドに放射される光が生じてしまう。
【0061】
図11は、グレーティング116からクラッドに放射される光の振舞いを示す図である。この図において符号112は光ファイバ100のコア、符号114はクラッドを表す。そして、符号120で示されるものが、グレーティング116からクラッド114に放射される光である。このような光は、図11に示されたように、クラッド114及びコア112からなる領域内を進行して、グレーティング116の前方に到達することになる。クラッド114及びコア112からなる領域は、コア112と異なり光の閉じ込め作用が弱いので、グレーティング116から放射された光は進行するに伴ってパワーを比較的大きく減衰させることになる。このため、上記の実験結果のように、グレーティング116からスペクトルアナライザ300までの距離が大きいほど、スペクトルアナライザ300に検出される上記反射波長の光は少なくなり、透過光量の減少ピークは高くなるのである。
【0062】
通常、光コネクタのフェルールは、ジルコニアのような光反射性の高い材料で構成され、その内表面が鏡面となっている。このため、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部分をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行するため、導波路構造を持つ光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった。
【0063】
この発明に係る光コネクタは、このような事実に鑑みて考案されたものである。すなわち、図6の光コネクタでは、光ファイバ型の光フィルタ12のうちグレーティング126を含む部位(フィルタ領域122)がフランジ24の中空部242に収容されている。接着剤243はフェルール13のような高い反射性は有していないので、グレーティング126の反射波長に一致した波長の光(グレーティング126により反射されるべき光)のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光は、クラッド124の周辺にある接着剤243まで漏出しながら進行するようになる。この後、グレーティング126からの放射光は光フィルタ12のうちフェルール13の貫通孔130内に収容されている部位に到達するが、グレーティング126からの放射光のうち接着剤243内に漏れた光成分は、フェルール13の端面132によって遮断され、それ以上前方に進行することはできない。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてグレーティング126を通り抜ける光のパワーが低減されるので、図6の光コネクタは高い割合でグレーティング126によって反射されるべき光のうち、反射されなかった光成分(以下、放射光という)を遮断することができる(第1の遮光構造)。
【0064】
さらに、図6の光コネクタでは、光フィルタ12とフランジ24との間にクラッド124と略同一の屈折率を有する接着剤243が充填されているので、グレーティング126からの放射光がクラッド124の外表面でほとんど反射されなくなる。これにより、グレーティング126からの放射光が接着剤243まで極めて容易に広がるようになり、高い割合で放射光を遮断することができる。
【0065】
次に、第1実施形態における光コネクタの、第2の遮光構造を説明する。
【0066】
図12は、第2の遮光構造を備えた、この発明に係る光コネクタの構成を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図13は、図12の矢印B2で示された部分の光コネクタの断面図(図5のB−B線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、光フィルタ12のうち被覆115が除去された先端部分121とフランジ24の中空部242との間に、該光フィルタ12のクラッド124外周を包囲する管状部材250が配置されている。この管状部材250の内径は0.14mmであり、光フィルタ12の先端部分121は該管状部材250を貫通している。そして、グレーティング126は該管状部材250内に位置している。光フィルタ12と管状部材250との間には接着剤251が介在しており、この接着剤251によって管状部材250は光フィルタ12の外周に固定されている。また、管状部材250とフランジ24の中空部242との間にも接着剤251が介在しており、この接着剤251によって管状部材250はフランジ24の中空部242の内面上に固定されている。接着剤251は、光フィルタ12のクラッド124と略同一の屈折率を有しており、管状部材250は接着剤251及びクラッド124と略同一の屈折率を有している。
【0067】
図12の光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された漏れ光成分が、接着剤251及び管状部材250まで漏出しながら進行するようになる。特に、図12の光コネクタは、接着剤251及び管状部材250がクラッド124と略同一の屈折率を有しているので、グレーティング126からの放射光(漏れ光成分)が接着剤251及び管状部材250まで極めて容易に広がるようになる。この後、グレーティング126からの放射光は光フィルタ12のうちフェルール13に収容されている部位に到達するが、少なくともグレーティング126からの放射光のうち接着剤251や管状部材250内に分布している漏れ光成分は、フェルール13によって遮断され、それ以上前方に進行することはできない。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射された放射光のパワーが低減されるので、図12の光コネクタは極めて高い割合でグレーティングからの放射光を遮断することができる。
【0068】
さらに、この第2の遮光構造では、フランジ24の中空部242内の全体を接着剤243で充填する代わりに中空部242内に管状部材250を配置しているので、接着剤243の量が第一の遮光構造の場合よりも少なくなる。これにより、接着剤243の硬化の際に接着剤243が収縮してグレーティング126に応力を及ぼすことに起因して発生する、グレーティング126の特性を変動させるような現象は防止され、図12の光コネクタは、所望のフィルタ機能を確実に発揮することができる。
【0069】
次に、第1実施形態における光コネクタの第3の遮光構造について説明する。
【0070】
図14は、第3の遮光構造を備えた、この発明に係る光コネクタの構成を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図15は、図14の矢印B3で示された部分の光コネクタの断面図(図5のB−B線に沿った断面図に対応)である。図14の光コネクタは、収納された光フィルタ・ケーブル11の構成が図6の光コネクタと異なっている。すなわち、図12の光フィルタ・ケーブル11は、グレーティング126を含むフィルタ領域122の周囲にUVカット樹脂被覆115が設けられている。この光フィルタ・ケーブル11は、母体となる光ファイバの所定部位の被覆115を除去し、この部位に紫外光干渉縞を照射してグレーティング126を形成した後、その部位に再び被覆115を形成し直したものである。なお、この被覆115は、光フィルタ12のクラッド124と略同一の屈折率を有している。
【0071】
図14の光フィルタ12とフランジ24の中空部242との間には接着剤243が充填されており、これにより光フィルタ12は中空部242内に固定されている。なお、この接着剤243は、クラッド124及び被覆115と略同一の屈折率を有している。
【0072】
図14の光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された放射光が、被覆115及び接着剤243まで漏出しながら進行するようになる。特に、第3の遮光構造では、被覆115及び接着剤243がクラッド124と略同一の屈折率を有しているので、グレーティング126からの放射光が被覆115及び接着剤243まで極めて容易に広がるようになる。この後、グレーティング126からの放射光は光フィルタ12のうちフェルール13の貫通孔130に収容されている部位に到達するが、グレーティング126からの放射光のうち被覆115や接着剤243内を伝搬する漏れ光成分は、フェルール13によって遮断され、それ以上前方に進行することはできない。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてグレーティング126を通り抜ける光のパワーが低減されるので、図14の光コネクタは極めて高い割合で放射光を遮断することができる。
【0073】
さらに、この第3の遮光構造では、第1の遮光構造の場合と異なり、光フィルタ12のフィルタ領域122の周囲に被覆115が形成されているので、接着剤243の硬化の際に接着剤243が収縮することでグレーティング126に付加される応力の影響が低減され、グレーティング126の特性変動が少なくなる。このため、第3の遮光構造を備えた、図14の光コネクタは、所望のフィルタ機能を確実に発揮することができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における光コネクタの第4の遮光構造について説明する。
【0075】
図16は、第4の遮光構造を備えた、この発明に係る光コネクタの組立工程の一部を示す各部材の側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)であり、図17は、図16の矢印C1で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、光ファイバ型の光フィルタ12と他の光学素子(光ファイバ、半導体素子等)とを接続するためのものであり、光フィルタ12を収容できるようになっている。具体的には、光コネクタは、光フィルタ12の先端部分121が収容される貫通孔130を有するフェルール13Aと、このフェルール13Aの後端部が保持部241に取り付けられたフランジ24とから構成されている。
【0076】
次に、図16及び図17を参照しながら、この発明に係る光コネクタの第4の遮光構造について説明する。フェルール13Aは、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121を包囲して保持するための部材である。フェルール13Aの中央には、フェルール13Aの中心軸に沿って延びる貫通孔130が設けられており、この貫通孔130に光フィルタ12の上記の先端部分121が挿入されるようになっている。フランジ24は、フェルール13Aの後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材であり、このフランジ24の中空部242内に光フィルタ12の樹脂被覆115で覆われた部分が収容されるようになっている。
【0077】
第4の遮光構造として、図16の光コネクタは、フェルール13Aがグレーティング126の反射波長の光を透過させる光透過材によって構成されている。これにより、図16の光コネクタに光フィルタ12を収容すると、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された不要な放射光がフェルール13Aをも透過して外部に放射され、この結果、光フィルタ12の光遮断率が高まることになる。なお、上記の光透過材としては、様々な材料を用いることができ、グレーティング126の反射波長の光を高い割合で透過させるものほど好ましい。この光透過材の具体例としては、石英ガラスなどの光学ガラスが適している。
【0078】
従来の光コネクタは、フェルールがジルコニアのような光反射性の高い材料で構成され、その内表面が鏡面となっている。このため、図8〜図11を用いて説明された実験からも分かるように、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部分をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行するため、光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった。
【0079】
この発明に係る光コネクタの第4の遮光構造は、このような事実に鑑みて考案されたものである。すなわち、第4の遮光構造を備えた光コネクタは、光フィルタ12を収容した場合に、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光がフェルール13Aをも透過して外部に放射されるようになっている。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された漏れ光成分が、クラッド124を出射した後、フェルール13Aの内表面で反射されて再び光フィルタ12内に戻り、グレーティング126の前方に進行してしまうような現象は生じにくい。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける漏れ光成分のパワーが低減されるから、第4の遮光構造を備えた光コネクタは、光フィルタ12の光遮断率を高めることになる。
【0080】
なお、フェルール13Aを構成する光透過材が光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有していると、光コネクタ(フェルール13A内)に光フィルタ12を収容した場合に、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12とフェルール13Aとの界面でほとんど反射されなくなる。このため、グレーティング126からの放射光がフェルール13Aを非常に効率よく透過するようになり、光フィルタ12の光遮断率を極めて大きく高めることができる。
【0081】
また、フェルール13Aを構成する光透過材が光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有していると、当該プラグ内に光フィルタ12を収容した場合に、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12とフェルール13Aとの界面で全反射されにくくなる。このため、グレーティング126からの放射光がフェルール13Aを効率よく透過するようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0082】
次に、図18は、図16の組立工程を経て得られた光コネクタを示した側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図19は、図18の矢印C2で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。光フィルタ12の樹脂被覆の除去された先端部分121はフェルール13Aの貫通孔130に挿入されており、グレーティング126もフェルール13Aの貫通孔130の内部に収容されている。フランジ24の中空部242には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115とフランジ24の中空部242との間には接着剤255が充填されており、この接着剤255によって光フィルタ12はフランジ24の中空部242内部に固定されている。
【0083】
この図18の光コネクタでは、グレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達する光のうちクラッド124の外側に放射される漏れ光成分がフェルール13Aをも透過して外部に放射される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける不要な放射光のパワーが低減される。従って、この第4の遮光構造を備えた光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0084】
次に、この発明の第2実施形態における光コネクタの第5の遮光構造について説明する。
【0085】
第5の遮光構造として、この発明に係る光コネクタは、フェルール13Bがグレーティング126の反射波長の光を吸収する光吸収材によって構成されている(第1応用例)。なお、この第5の遮光構造の第1応用例である光コネクタの製造及び構造は、フェルール13Bを除き図16〜図19の構成と同一であるので、以下、係る構造等の説明は省略する。これにより、第5の遮光構造の第1応用例が採用された光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された不要な放射光をフェルール13Bが吸収し、この結果、光フィルタ12の光遮断率が高まることになる。なお、上記の光吸収材としては、グレーティング126の反射波長に応じて様々な材料を用いることができ、グレーティング126の反射波長の光を高い割合で吸収するものほど好適である。一例を挙げると、反射波長が1.3μm帯である場合は、希土類元素であるプラセオジウムが添加されたガラスを用いてフェルール13Bを構成すればよく、反射波長が1.55μm帯である場合は、希土類元素であるエルビウムが添加されたガラスやポリイミド樹脂を用いてフェルール13Bを構成すればよい。
【0086】
従来の光コネクタは、フェルールがジルコニアのような光反射性の高い材料で構成され、その内表面が鏡面となっている。このため、図8〜図11を用いて説明された実験からも分かるように、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部分をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行するため、光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった。
【0087】
第5の遮光構造(第1応用例)を備えたこの発明に係る光コネクタは、このような事実に鑑みて考案されたものである。すなわち、第5の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタは、光フィルタ12を収容した場合に、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光がフェルール13Bによって吸収されるようになっている。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124を出射した後、フェルール13Bの貫通孔130の内表面で反射されて再び光フィルタ12内に戻り、グレーティング126の前方に進行してしまうような現象は抑制される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける不要な放射光のパワーが低減されるから、結果として、第5の遮光構造(第1応用例)は、光フィルタ12の光遮断率を高めることになる。
【0088】
なお、第5の遮光構造(第1応用例)において、フェルール13Bを構成する光吸収材が光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12とフェルール13Bとの界面でほとんど反射されなくなる。このため、グレーティング126からの放射光がフェルール13Bによって極めて効率よく吸収されるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0089】
また、第5の遮光構造(第1応用例)において、フェルール13Bを構成する光吸収材が光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12とフェルール13Bとの界面で全反射されにくくなる。このため、グレーティング126からの放射光がフェルール13Bによって効率よく吸収されるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0090】
第5の遮光構造(第1応用例)として、光吸収材料からなるフェルール13Bを備えた光コネクタは、第4の遮光構造を備えた光コネクタの構造図18及び図19と同じである。光フィルタ12の樹脂被覆の除去された先端部分121はフェルール13Bの貫通孔130内に挿入されており、グレーティング126もフェルール13の貫通孔130内に収容されている。フランジ24の中空部242には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115とフランジ24の中空部242との間には接着剤255が充填されており、この接着剤255によって光フィルタ12はフランジ24の中空部242内に固定されている。
【0091】
この第5の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタでは、グレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達する光のうちクラッド124の外側に放射される光がフェルール13Bによって吸収される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減される。従って、本実施形態のフィルタ内蔵光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0092】
次に、この発明に係る第2実施例における光コネクタの第5の遮光構造(第2応用例)について説明する。
【0093】
図20は、第5の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタの組立工程の一部を示す各部材の側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)であり、図21は、図20の矢印C3で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、光フィルタ12の先端部分121を収容する貫通孔130を有するフェルール13Cと、このフェルール13Cの後端部が保持部241に取り付けられたフランジ24と、フェルール13Cの貫通孔130の内表面上に形成された光吸収層135から構成されている。
【0094】
フェルール13Cの形状は、上述した図16〜図19の光コネクタ(第4の遮光構造又は第5の遮光構造(第1応用例)を備える)の構造と同様であるが、フェルール13Cの材料は第1応用例の構造を備えた光コネクタと異なる。すなわち、フェルール13Cの材料は、従来から用いられているジルコニアであり、これは光線路の検査光波長として多く用いられる1.3μm帯や1.55μm帯の光を効率良く反射するため、上述のフェルール13B(第1応用例)を構成する光吸収材としては不適切なものである。
【0095】
しかしながら、この第5の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタでは、フェルール13Cの内表面上に光吸収層135が形成されており、これが光吸収材からなるフェルール13Bと同様に機能する。この光吸収層135は、グレーティング126の反射波長の光を反射する光吸収材から構成されている。光吸収材としては、上述したように、グレーティング126の反射波長に応じて種々の材料を用いることができる。なお、光吸収層135は貫通孔130の内壁に形成されているため、それ自体パイプ形状となっている。光フィルタ12の被覆が除去された先端部分121は図22に示されたように、この光吸収層135によって定義される貫通孔130内に挿入される。
【0096】
第5の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタ(フェルール13C内)に光フィルタ12を収容すると、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光が光吸収層135によって吸収される。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124を出射した後、再び光フィルタ12内に戻り、グレーティング126の前方に進行するような現象は抑制される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける不要な放射光のパワーが低減されるから、図22の光コネクタも、第5の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタと同様に、光フィルタ12の光遮断率を高めることができる。
【0097】
なお、光吸収層135を構成する光吸収材が光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12と光吸収層135との界面でほとんど反射されなくなる。このため、グレーティング126からの放射光が光吸収層135によって極めて効率よく吸収されるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0098】
また、光吸収層135を構成する光吸収材が光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12と光吸収層135との界面で全反射されにくくなる。このため、グレーティング126からの放射光が光吸収層135によって効率よく吸収されるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0099】
次に、図22は、図20に示された組立工程を経て得られた光コネクタの構成を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図23は、図22の矢印C4で示された光フィルタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、光フィルタ12と、この光フィルタ12を収容するフェルール13Cと、このフェルール13Cがその保持部241に取り付けられたフランジ24とを備えており、光フィルタ12のクラッド124の外表面は光吸収層135によって覆われている。
【0100】
この図22の光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光が光吸収層135によって吸収される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける不要な放射光のパワーが低減されるので、図22の光コネクタも上述した第5の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタと同様に高い光遮断率を有している。
【0101】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第6の遮光構造について説明する。
【0102】
この第6の遮光構造は、図24に示されたように、光フィルタ12cの先端部分121の所定部位(グレーティング126からの放射光が到達する領域)の外径D2を他の部位の外径D1(>D2)よりも小さくすることにより実現される。
【0103】
図25は、この第6の遮光構造を備えた光コネクタの組立工程の一部を示す各部材の側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図26からも分かるように、光フィルタ12cの先端部分121がフェルール13の貫通孔130内に挿入されることにより、該光フィルタ12cの外径D2の部分(以下凹部という)と貫通孔130の内壁とにより空間が定義される。この空間には所望の光吸収材が充填され光吸収部136が形成されている。
【0104】
図26は、第6の遮光構造を備えた光コネクタの構成を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図27は、図26の矢印C5に示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126を形成した光ファイバ型の光フィルタ12cと、この光フィルタ12cの先端部分121を収容するフェルール13と、このフェルール13がその保持部242に取り付けられたフランジ24から構成されている。
【0105】
光フィルタ12cの用途としては、例えばOTDR装置を用いた光通信網の検査システムでの使用が挙げられる。
【0106】
図26に示されたように、光フィルタ12cのうちグレーティング126の周囲のクラッド124の外表面には、光吸収部136が設けられている。この光吸収部136は、クラッド124の外表面に形成された凹部に光吸収材が充填されたものである。この光吸収材は、グレーティング126の反射波長の光を効率良く吸収する材料である。この光吸収材としては、反射波長に応じて様々な材料を用いることができ、グレーティング126の反射波長の光を高い割合で吸収するものほど好適である。一例を挙げると、反射波長が1.3μm帯である場合は、希土類元素であるプラセオジウムが添加されたガラスを用いることができ、反射波長が1.55μm帯である場合は、希土類元素であるエルビウムが添加されたガラスやポリイミド樹脂を用いることができる。
【0107】
図26において符号115で示されるものは、クラッド124の表面を覆うUVカット樹脂被覆であり、コア123及びクラッド124を保護する役割を有している。光フィルタ12cの先端部分121で樹脂被覆115が除去されているのは、上述のようにグレーティング126を製造する時にコア123に紫外光を照射するためである。
【0108】
フェルール13は、光フィルタ12cの樹脂被覆115が除去された先端部分121を収納する貫通孔130を有する部材である。この先端部分121には、グレーティング126が含まれている。上述のように、光フィルタ12cのクラッド124とフェルール13との間には、光吸収部136が設けられている。
【0109】
フランジ24は、フェルール13の後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材である。フランジ24の中空部242には、被覆115のついた光フィルタ12cの先端部分121が収容されている。この光フィルタ12cの被覆115とフランジ24の中空部との間には接着剤255が充填されている。この接着剤255によって光フィルタ12cは中空部242内に固定されている。
【0110】
第6の遮光構造を備えた光コネクタは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124を横切ってクラッド124から出射する光を光吸収部136によって吸収することを特徴としている。
【0111】
従来の光コネクタは、フェルールがジルコニアのような光反射性の高い材料で構成され、その内表面が鏡面となっている。このため、図8〜図11を用いて説明された実験からも分かるように、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行するため、光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった。
【0112】
第6の遮光構造を備えた光コネクタは、このような事実に鑑みて考案されたものである。すなわち、図26の光コネクタは、グレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光が光吸収部136によって吸収されるようになっている。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124から出射した後、フェルール13の貫通孔130の内表面で反射されて再び光フィルタ12内に戻ってくるような現象は抑制される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける不要な放射光のパワーが低減されるので、図26の光コネクタは、従来よりも高い光遮断率を有している。
【0113】
なお、図26の第6の遮光構造では、グレーティング126を取り囲むような位置に光吸収部136が設けられているが、光吸収部136の位置はこの例に限定されるものではない。グレーティング126からクラッド124に放射される光は、グレーティング126の各部から斜め前方に位置する部位に進行する。従って、グレーティング126の各部から斜め前方に位置する部位に光吸収部136を設けることにより、光遮断率は十分に高まることになる。
【0114】
図28は、上述した光コネクタの変形例を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。光コネクタの光吸収部136は、図26の光コネクタよりも前方(端面131に近い)に設けられている。上述のようにグレーティング126からクラッド124に放射された光はグレーティング126の斜め前方に進行していくので、光吸収部136がグレーティング126の先端の斜め前方に設けられていれば、グレーティング126からの放射光は十分に吸収されることになる。従って、図28の光コネクタも、十分に高い光遮断率を有している。
【0115】
なお、上述の第6の遮光構造を備えた光コネクタ(図26及び図28参照)において、光吸収部136の光吸収材が光フィルタ12cのクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12cと光吸収材との界面ではほとんど反射されなくなる。これにより、グレーティング126からの放射光が光吸収材によって極めて効率よく吸収され、一層高い光遮断率を実現することができる。
【0116】
また、光吸収材が光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有していると、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12cと光吸収材との界面で全反射されにくくなる。これにより、グレーティング126からの放射光が光吸収材によって効率よく吸収されるようになり、より高い光遮断率を実現することができる。
【0117】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第7の遮光構造について説明する。
【0118】
図29は、第7の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタの構造を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図30は、図29の光コネクタを矢印E1で示された方向から見たときの該光コネクタの正面図(図5の矢印Eで示された方向から該図5の光コネクタを見たときの正面図に対応)である。
【0119】
図29に示されたように、第7の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタは、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126を形成した光ファイバ型の光フィルタ12の先端部分121を収容する、内径=126μmの貫通孔130を有するフェルール13(ジルコニアからなる)と、このフェルール13がその保持部241に取り付けられたフランジ24と、フェルール13の端面131に密着して配設された第1の遮光部材140とを備える。
【0120】
第1の遮光部材140は、光フィルタ12を伝搬する光のモードフィールド径の1.14倍の径D3、コア123の中心とその中心が一致した開口を有している。一般に、モードフィールド径はコア102の径と同程度であり、クラッド124の径と比べると非常に小さい。第1の遮光部材140は、反射部材であってもよいし、光吸収部材であってもよい。反射部材の材料としては、アルミニウム、金、タングステン、またはチタンなどが好適に採用できる。また、光吸収材の材料としては、エルビウム、プラセオジミウムや炭素などを混入した樹脂やガラスなどを好適に採用できる。なお、エルビウムは1.55μm付近の波長で、プラセオジミウムは1.31μm付近の波長で吸収ピークを有するので、それぞれの波長の光の遮断に好適である。
【0121】
フェルール13は、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121を収納する貫通孔130を有する円筒形の部材である。この貫通孔130内にグレーティング126が形成されたフィルタ領域が収納されている。
【0122】
フランジ24は、フェルール13の後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材である。フランジ24の中空部242内には、被覆115のついた光フィルタ12が収容されている。この光フィルタ12の被覆115と中空部242との間には接着剤257が充填されている。この接着剤257によって光フィルタ12はフランジ24の中空部242内に固定されている。
【0123】
第1の遮光部材140は、板状部材をフェルール13の端面131に張り付けて配設することが可能である。また、フェルール13に光フィルタ12を挿入後、フェルール13の端面131および光フィルタ12の光出射端面125に蒸着などにより形成してもよい。
【0124】
この第7の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタによる、グレーティング126で発生したクラッド124へ進行する放射光の遮断は以下のようにして達成される。
【0125】
コア123に光軸方向(長手方向)に沿って屈折率が変化するグレーティング126が形成された光フィルタ12では、屈折率の変化に伴ってモードフィールド径(MFD)が変化しているので、グレーティング126に入射する前にはコア123付近への閉じ込め条件を満たして進行してきた光であっても、その一部がクラッド124へ向けて放射される。こうした放射光は、主にフェルール13の貫通孔130の内面で反射され、放射光の一部が光出射開口に達する。
【0126】
図29の光コネクタでは、光フィルタ12の光出射端面125の開口を第1の遮光部材140が制限している。該第1の遮光部材140の開口の径D3は、クラッド124の径よりも非常に小さいので、たとえ該第1の遮光部材140の開口付近で光フィルタ12のクラッド124を進行する光であっても、その殆どは遮光され、該第1の遮光部材140の開口から出射されない。
【0127】
一方、第1の遮光部材140の開口の径は、光フィルタ12のモードフィールド径の1.14倍である。従って、グレーティング126を介してコア123付近のみを進行する反射波長以外の波長の光の強度の略0.1dBが遮断されるだけなので、その殆どを出射することができる。
【0128】
発明者らは、上述した現象を、すべて図8に示された装置を用いて確認した。
【0129】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第7の遮光構造(第2応用例)について説明する。
【0130】
図31は、第7の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタの構造を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図32は、図31の光コネクタを矢印E2で示された方向から見たときの、該光コネクタの正面図(図5の矢印Eで示された方向から該図5の光コネクタを見たときの正面図に対応)である。
【0131】
図31に示されたように、第7の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタは、図29の光コネクタと比べて、光フィルタ12の、グレーティング126が形成されたフィルタ領域122を収容する貫通孔130を有するフェルール13Dにおいて、該貫通孔130の端面131に位置する開口部分に、光出射開口の径を導波路型光フィルタ20のモードフィールド径の1.14倍の径D4に制限する突起141が設けられている点が異なる。なお、このフェルール13Dは反射性を有するジルコニアからなり、突起141により定義される開口の中心はコア123の中心と一致している。
【0132】
図31の光コネクタによる、グレーティング126で発生したクラッド124へ進行する放射光の遮光は以下のようにして達成される。
【0133】
図29の光コネクタと同様に、コア123に光軸方向(長手方向)に沿って屈折率が変化するグレーティング126が形成された光フィルタ12では、屈折率の変化に伴ってモードフィールド径(MFD)が変化しているので、グレーティング126に入射する前にはコア123付近への閉じ込め条件を満たして進行してきた光であっても、その一部がクラッド124へ向けて放射される。こうした放射光は、主にフェルール13Dの貫通孔130の内面で反射され、放射光の一部が光出射開口に達する。
【0134】
図31の光コネクタでは、フェルール13Dの貫通孔130の開口部分に設けられた突起141により光出射開口が定義される。この光出射開口の径D4は、クラッド124の径よりも非常に小さいので、たとえ光出射開口付近で光フィルタ12のクラッド124を進行する光であっても、その殆どは反射され、該突起141により定義された光出射開口から出射されない。
【0135】
また、図29の光コネクタと同様に、光出射開口の径D4が、光フィルタ12のモードフィールド径の1.14倍である。従って、グレーティング126を介してコア123付近のみを進行する反射波長以外の波長の光の強度の略0.1dBが遮断されるだけなので、その殆どを出射することができる。
【0136】
なお、これらの事実も、発明者らが図8に示された実験装置を用いて確認した。
【0137】
また、フェルール13Dの先端部分の形状に合わせて、クラッド124の端部を加工し、光フィルタ12の光出射端面をフェルール13の光出射開口と略一致させることが、光出射開口からの出射効率の観点から好ましい。
【0138】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第7の遮光構造(第3応用例)について説明する。
【0139】
図33は、第7の遮光構造(第3応用例)を備えた光コネクタの構造を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図34は、図33の光コネクタを矢印E3で示された方向から見たときの、該光コネクタの正面図(図5の矢印Eで示された方向から該図5の光コネクタを見たときの正面図に対応)である。
【0140】
図33に示されたように、第7の遮光構造(第3応用例)を備えた光コネクタは、図29及び図31の光コネクタと比べて、フェルール13の端面131に位置する貫通孔130の開口付近の、該貫通孔130の内部空間に光出射開口の径を光フィルタ12のモードフィールド径の1.14倍の径D5に制限する第2の遮光部材142が設けられている点が異なる。この第2の遮光部材142で定義される開口の中心はコア123の中心と一致している。
【0141】
図33の光コネクタにおいては、第2の遮光部材142は、フェルール13の貫通孔130の開口付近に光フィルタ12の挿入前に配設することも可能であるし、また、フェルール13の貫通孔130内にその先端部が加工された光フィルタ12を挿入後、該貫通孔130内に埋め込んで形成してもよい。
【0142】
この第7の遮光構造(第3応用例)を備えた光コネクタによる、グレーティング126で発生したクラッド124へ進行する放射光の遮光は以下のようにして達成される。
【0143】
図29の光コネクタと同様に、コア123に光軸方向(長手方向)に沿って屈折率が変化するグレーティング126が形成された光フィルタ12では、屈折率の変化に伴ってモードフィールド径(MFD)が変化しているので、グレーティング126に入射する前にはコア123付近への閉じ込め条件を満たして進行してきた光であっても、一部がクラッド124へ向けて放射される。こうした放射光は、主にフェルール13の貫通孔130の内面で反射され、放射光の一部が第2の遮光部材142で定義される光出射開口に達する。
【0144】
図33の光コネクタでは、フェルール13の端面131に位置する、貫通孔130の開口付近に光出射開口を定義する第2の遮光部材142が形成されている。この第2の遮光部材142によって定義された光出射開口の径D5は、クラッド124の径よりも非常に小さいので、たとえ光出射開口付近で光フィルタ12のクラッド124を進行する光であっても、その殆どは反射され、光出射開口から出射されない。
【0145】
また、図29の光コネクタと同様に、第2の遮光部材142で定義された光出射開口の径は、光フィルタ12のモードフィールド径の1.14倍である。従って、グレーティング126を介してコア付近のみを進行する反射波長以外の波長の光の強度の略0.1dBが遮断されるだけなので、その殆どを出射することができる。
【0146】
なお、フェルール13の貫通孔130と第2の遮光部材142とで形成される内部空間の形状に合わせて、クラッド124の端部を予め加工し、光フィルタ12の光出射端面を光出射開口と略一致させることが、光出射開口からの出射効率の観点から好ましい。
【0147】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第8の遮光構造について説明する。
【0148】
図35は、第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタ(プラグ部分のみ)を示す平面図である。図36は、図35のF1−F1線に沿った光コネクタの組立工程の一部を示す各部の断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。また、図37は、図35のH1−H1線に沿った光コネクタの断面図であり、図38は、図35のG1−G1線に沿った光コネクタの断面図である。
【0149】
この第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタは、例えば図36の光フィルタ12と他の光学素子(光ファイバ、半導体素子等)とを接続するためのものであり、光フィルタ12の先端部分121を収容している。具体的には、この光コネクタは、光フィルタ12の先端部分121を収容する貫通孔130を有するフェルール13Eと、このフェルール13Eの後端部がその保持部241に取り付けられたフランジ24とから構成されている。フェルール13Eの所定部位には、切り欠き部190が設けられている。
【0150】
図36に示されたように、この光フィルタ12は、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126が形成された光フィルタである。グレーティング126は該光フィルタ12の先端部分121に位置するフィルタ領域122のコア中に形成されている。
【0151】
この光フィルタ12の用途としては、OTDR装置を用いた光通信網の検査システムでの使用を挙げることができる。この光フィルタ12の先端部分121が光コネクタのフェルール13Eの貫通孔130内に挿入されることになる。
【0152】
次に、図35〜図38を参照しながら、第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタの各構成要素について説明する。フェルール13Eは、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121を収納する貫通孔130を有する部材である。図36及び図38に示されたように、フェルール13Eの貫通孔130はフェルール13Eの中心軸に沿って延びている。この貫通孔130に光フィルタ12の上記の先端部分121が挿入されるようになっている。フランジ24は、フェルール13Eの後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材であり、このフランジ24の中空部242内に光フィルタ12の樹脂被覆115で覆われた部分が収容されるようになっている。
【0153】
この第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタは、フェルール13Eのうち光フィルタ12が収容されたときにグレーティング126の斜め前方に位置する部位に切り欠き部190が設けられていることを特徴としている。これにより、フェルール13Eの貫通孔130に光フィルタ12が収容されると、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射され光フィルタ12を出射する光が切り欠き部190を通過して当該フェルール13Eの外部に放射される。これにより光フィルタ12の光遮断率が高まることになる。
【0154】
従来の光コネクタは、フェルールがジルコニアのような光反射性の高い材料で構成され、その内表面が鏡面となっている。このため、図8〜図11を用いて説明された実験からも分かるように、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行するため、光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった。
【0155】
このような事実に鑑みて、図35及び図36に示された光コネクタのフェルール13Eには、光フィルタ12が貫通孔130内に収容されたときグレーティング126からの放射光が入射する領域に位置するよう切り欠き部190が設けられている。すなわち、図35及び図36に示された光コネクタでは、光フィルタ12が貫通孔130内に収容されたとき、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射した光が切り欠き部190を通過して当該フェルール13Eの外部に放射されるようになっている。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124を出射した後、フェルール13Eの貫通孔130内表面で反射されて再び光フィルタ12内に戻り、グレーティング126の前方に進行してしまうような現象は抑制される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減されるから、結果として、図35及び図36に示された光コネクタは、光フィルタ12の光遮断率を高めることになる。
【0156】
なお、図11に示されたように、グレーティング116からクラッド114に放射される光は、グレーティング116の各部から斜め前方に位置する部位に進行する。このため、フェルール13Eの、フィルタ領域122の斜め前方に位置する領域に切り欠き部190を設けることにより、光フィルタ12の光遮断率を十分に高めることができる。
【0157】
フェルール13Eに設ける切り欠き部190の長さ(ここでは、光コネクタの光軸方向(長手方向)に沿った長さをいう)は、次のように設計すると良い。図39に示されたように、コアとクラッドとの比屈折率差Δの光ファイバ内を光ファイバの軸方向に対してθの角度をもって光が進行する場合を考えると、コアとクラッドとの界面における全反射条件を満たすようなθの最大値θMAX は、
θMAX =sin-1{(2Δ)1/2
で表される。光フィルタ12におけるコア123とクラッド124との比屈折率差Δは0.0035であるから、この場合、θMAX は約4.8°となる。
【0158】
一方、コア内を進行する光がクラッドの外表面で反射された後、再びクラッドの外表面に到達するまでに進行する距離(図39中のL)は、クラッドの外径をaとすると、
L=a/tanθ
で表される。
【0159】
θ=θMAX =4.8°の場合を考えると、光フィルタ12の外径aは125μmであるから、L=125μm/tan(4.8°)=約1488μmとなる。これは、全反射の境界条件を満たす光がクラッド124の外表面で反射された後、再びクラッド124の外表面に到達するまでに進行する距離である。光フィルタ12においてグレーティング126からクラッド124に放射される光は、少なくともこのθMAX より大きい角度をもって進行しているので、この放射光がクラッド124の外表面で反射された後、再びクラッド124の外表面に到達するまでに進行する距離は1488μm以下となる。このため、切り欠き部190の長さが少なくとも1488μm以上であれば、グレーティング126からの放射光が切り欠き部190を設けたことによって露出しているクラッド124の外表面に少なくとも1回は到達し、切り欠き部190を通過してフェルール13Eの外部に放射される。従って、切り欠き部190からの光放射効率を高める観点からいって、当該光コネクタの軸方向(長手方向)に沿った切り欠き部190の長さは1488μm以上とするのが好適である。
【0160】
切り欠き部190には、クラッド124とほぼ一致した屈折率を有する屈折率整合材700が充填されているとさらに好適である(図40参照)。このようにすると、フェルール13Eの貫通孔130内に光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光がクラッド124の外表面でほとんど反射されなくなり、ほとんど全てが屈折率整合材700の中に入射するようになる。このため、グレーティング126からの放射光が切り欠き部190から極めて効率よく放射されるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。なお、屈折率整合材700の屈折率は、クラッド124の外表面での光反射率が10%以下になる程度にクラッド124の屈折率と一致していれば十分である。
【0161】
図40は、図36の組立工程を経て得られた第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタの平面図である。図41は、図40のH2−H2線に沿った当該光フィルタの断面図である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Eの貫通孔130内に挿入され、グレーティング126もフェルール13Eの貫通孔130内に収容されている。フランジ24の中空部242には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115とフランジ24の中空部242との間には接着剤が充填されており、この接着剤によって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。なお、フランジ24の内部構造は先に説明された光コネクタ(例えば図18)と同様である。
【0162】
この第8の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタでは、グレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光が切り欠き部190を通過してフェルール13Eの外部に放射される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域を通り抜ける光のパワーが低減される。従って、図40の光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0163】
次に、この発明に係る第2実施形態における光フィルタの第8の遮光構造(第2応用例)について説明する。
【0164】
図42は、第8の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタ(プラグ部分のみ)を示す平面図である。図43は、図42のF2−F2線に沿った光コネクタの組立工程の一部を示す各部の断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。また、図44は、図42のH3−H3線に沿ったフェルール13Fの断面図であり、図45は、図42のG2−G2線に沿ったフェルール13Fの断面図である。
【0165】
図43の光コネクタは、図40の光コネクタの場合と同様に、光フィルタ12の先端部分121が収容された貫通孔130を有するフェルール13Fと、このフェルール13Fの後端部がその保持部241に取り付けられたフランジ24とから構成されている。
【0166】
図43の光コネクタでは、フェルール13Fの光フィルタ20が貫通孔130内に収容されたときにグレーティング126の前方に位置する領域に楕円形の貫通孔191が設けられている。この貫通孔191は、フェルール13Fの貫通孔130に直交するようにしてフェルール13Fを貫通している。
【0167】
図43の光コネクタは、光フィルタ12が貫通孔130内に収容されたとき、グレーティング126の反射波長の光であってグレーティング126からクラッド124に放射されクラッド124の外表面に到達しクラッド124を出射する光が貫通孔191を通過してフェルール13Fの外部に放射されるようになっている。このため、グレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124を出射した後、フェルール13Fの貫通孔130内表面で反射されて再び光フィルタ12内に戻り、グレーティング126の前方に進行してしまうような現象は抑制される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減されるから、第8の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタは、光フィルタ12の光遮断率を高めることになる。
【0168】
なお、図11に示されたように、グレーティング116からクラッド114に放射される光は、グレーティング116の各部から斜め前方に位置する部位に進行する。このため、この発明のように、フェルール13Fのうちグレーティング126の各部から斜め前方に位置する領域に貫通孔191を設ければ、光フィルタ12の光遮断率を十分に高めることができる。
【0169】
また、この第8の遮光構造(第2応用例)では、フェルール13Fを貫通する穴191を設けているが、光フィルタ12が貫通孔130に収容されたときに光フィルタ12の表面が露出するような穴であればフェルール13Fを貫通している必要は必ずしもない。この場合でも光フィルタ12の光遮断率を十分に高めることができる。
【0170】
図46は、図43に示された組立工程を経て得られた光コネクタを示した平面図である。図47は、図46のH4−H4線に沿ったフェルール13Fの断面図である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Fの貫通孔130内に挿入されており、グレーティング126もフェルール13Fの貫通孔130内に収容されている。フランジ24の中空部242には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115とフランジ24の中空部242との間には接着剤が充填されている。この接着剤によって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。
【0171】
この図46の光コネクタでは、グレーティング126からクラッド124に放射されてクラッド124の外表面に到達する光のクラッド124を出射する光が貫通孔191を通過してフェルール13Fの外部に放射される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減される。従って、図46の光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0172】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第9の遮光構造について説明する。
【0173】
図48は、第9の遮光構造を備えた光コネクタの構造を示す断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。また、図49は、図48の矢印E4に示された方向から該光コネクタを見たときの、該図48の光コネクタの正面図(図5の矢印Eに示された方向から光コネクタをみたときの正面図に対応)である。この光コネクタは、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126が形成された光ファイバ型の光フィルタ12と、この光フィルタ12の先端部分121を収容する、内径=126μmの貫通孔130を有するフェルール13と、このフェルール13をその保持部241で保持するフランジ24から構成されている。なお、フェルール13はジルコニアからなる。光フィルタ12の用途としては、OTDR装置を用いた光通信網の検査システムでの使用が挙げられる。
【0174】
図48に示されたように、光フィルタ12のうちグレーティング126は、光フィルタ12の端面125からD6(>3mm)離れた位置に形成されている。
【0175】
図48において符号115で示されるものは、クラッド124の表面を覆うUVカット樹脂被覆であり、コア123及びクラッド124を保護する役割を有している。光ファイバ12の先端部分121で樹脂被覆115が除去されているのは、上述のようにグレーティング126を製造する時にコア123に紫外光を照射するためである。
【0176】
フェルール13は、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121を収納する貫通孔130を有する部材である。この先端部分121には、グレーティング126が形成されたフィルタ領域122が含まれている。
【0177】
フランジ24は、フェルール13の後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材である。フランジ24の中空部242内には、被覆115のついた光フィルタ12が収容されている。この光フィルタ12の被覆115とフランジ24の中空部242との間には接着剤257が充填されている。この接着剤257によって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。
【0178】
ここで、コアに光軸方向(長手方向)に沿って屈折率が変化するグレーティングが形成された光フィルタでは、屈折率の変化に伴ってモードフィールド径(MFD)が変化している。このため、グレーティングに入射する前にはコアへの閉じ込め条件を満たして進行してきた光であっても、その一部がクラッドへ向けて放射される。そして、これらの放射光は、発生箇所が出射端面の近くであれば直接に出射端面から出射される。一方、発生箇所から遠ければ、放射光の殆どはクラッドの外周に達し、外周界面で1回以上反射された光あるいはクラッドの外周界面を介して収納部材への入射面で1回以上反射された光が出射が出射端面から出射する。一般に、収納部材は力学的強度の観点から金属などの比較的光反射性の良い材料からできているので、クラッド外周部での界面反射よりも高い反射率を示すこととなる。従って、収納上好ましい収容部材(例えば、フェルール)が光フィルタの外径と略同一の径の中空部を備える場合には、収納部材への入射面での反射が特に問題となる。
【0179】
図48の光コネクタは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された後にクラッド124を横切ってクラッド124から出射する光は、必ず、光フィルタ12の光出射端面125から3mm以上離れた位置で発生することを特徴としている。
【0180】
図48の光コネクタは、このような事実に鑑みて実現されたものである。すなわち、第9の遮光構造を備えた光コネクタは、グレーティング126からクラッド124に放射された放射光が光出射面に到達するまでに何度もクラッド外表面あるいはフェルール内面で反射される。
【0181】
従って、発生時の放射光の強度に比べて出射端面に到達した放射光の強度は大きく減衰している。この結果、導波路型光フィルタ20の出射端面から出射された光では、回折格子16での反射波長を有する光の成分が有効に遮断される。
【0182】
発明者らは、上述の現象を、図8に示された実験装置を用いて、すでに確認している。
【0183】
次に、本発明の光コネクタ(第9の遮光構造)の有効性の検証のため、実験について説明する。図50〜図53は、この実験の説明図である。
【0184】
まず、図50に示されたように、光フィルタ12と同様に、コア501及びクラッド502からなる光導波路を用意する。エキシマレーザ(発振波長=248nm)を使用して、光導波路の先端から格子ピッチの変化率=1nm/1mmで格子ピッチが1550nmから1542nmに連続的に変化する503を形成し、導波路型光フィルタ500を作製した。そして、プラグ(フェルール504)に未実装の状態で、該光フィルタ500の透過率の波長依存性の測定を行った。この結果、図51のグラフに示す測定結果を得た。なお、図中310,300は図8の実験装置の説明において言及したように、それぞれファイルアダプタ、スペクトルアナライザである。
【0185】
次に、図52に示されたように、光フィルタ500をジルコニアからなる、内径=126μmの貫通孔を有するフェルール504に挿入し、接着剤(エポキシテクノロジ社製353ND)で固定することによりプラグ実装した。この光フィルタの透過率の波長依存性の測定を行った。この結果、図53のグラフに示す測定結果を得た。
【0186】
図51と図53との比較の結果、光フィルタ500の光出射端面位置から3mmまでに対応した波長の光は、プラグ未実装の場合(図50)に比べてプラグ(フェルール504を含む)実装の場合(図52)では著しく透過率が低減するが、光出射端面から3mm以上に対応した波長の光は、コネクタ未実装の場合(図50)に比べてコネクタ実装の場合(図52)では透過率が低減量が少ないことが確認された。
【0187】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、変形が可能である。例えば、フェルール13の材質がジルコニウム以外の反射性を有する材質であっても本発明と同様の効果を奏する。
【0188】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第10の遮光構造について説明する。
【0189】
図54は、第10の遮光構造を備えた光コネクタの組立工程の一部を示す各部の側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図55は、図54の矢印C6で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタは、光フィルタ12と他の光学素子とを接続するためのものであり、光フィルタ12を収容できるようになっている。具体的には、図54光コネクタは、光フィルタ12の先端部分121が収容する貫通孔130を有するフェルール13Gと、このフェルール13Gの後端部がその保持部241に取り付けられたフランジ24とから構成されている。
【0190】
この光フィルタ12は、コア123及びクラッド124を備えたシングルモード光ファイバにグレーティング126が形成された光ファイバ形の光フィルタである。グレーティング126は、光フィルタ12の先端部分121に形成されている。
【0191】
図54において符号115で示されるものは、クラッド124の表面を覆うUVカット樹脂被覆であり、コア123及びクラッド124を保護する役割を有している。図54に示されたように、光ファイバ12の先端部分121では樹脂被覆115が除去されており、この先端部分121が光コネクタのフェルール13Gの貫通孔130に挿入されることになる。
【0192】
フェルール13Gは、光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された先端部分121(外径125μm)を収納する貫通孔130を有する部材である。貫通孔130は、フェルール13Gの中心軸に沿って延びており、この貫通孔130に光フィルタ12の上記の先端部分121が挿入されるようになっている。フランジ24は、フェルール13Gの後端部がその保持部241に取り付けられた管状の保持部材である。このフランジの中空部242内に光フィルタ12の樹脂被覆115で覆われた部分が収容されるようになっている。
【0193】
第10の遮光構造を備えた光コネクタでは、フェルール13Gの貫通孔130が、標準部133aと拡大部134aとから構成されている。標準部133aは、貫通孔130の中心軸に直交する断面が直径126μmの円となっており、光フィルタ12の被覆115の除去された先端部分121を保持できるように、この先端部分121の断面と略同一の断面を有している。また、標準部133aは、フェルール13Gの先端部においてフェルール13Gの先端面131(光フィルタ12が収容されたとき、光フィルタ12の端面125が露出される面)を含む部位に設けられている。一方、拡大部134aは、貫通孔130の中心軸に直交する断面が標準部133aより大きい直径の円となっている。具体的には、拡大部134aは、断面の直径が500μmであってフェルール13Gの後端部から標準部133aに向かって延びる部分と、断面の直径が500μmから126μmまで軸方向に沿って連続的に変化し、最終的に標準部133aにつながる部分とから構成されている。この拡大部134aは、貫通孔130に光フィルタ12の先端部分121を挿入したときにグレーティング126が形成されたフィルタ領域122の周囲を取り囲む領域に設けられている。
【0194】
図54のフェルール13Gは、光フィルタ12を収容したとき、拡大部134aにおいてフェルール13Gの貫通孔130内表面と光フィルタ12の外表面との間に間隙135aを生じさせる。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が間隙135aまで広がるようになり、この結果、光フィルタ12の光遮断率が高まることになる。
【0195】
発明者らは、すでに図8〜図11の実験装置を用いて、光フィルタ12のコア123に形成されたグレーティング126からクラッド124に向けて放射された光が、光フィルタ12の光遮断率を低下させていることを確認している。
【0196】
従来から、光コネクタのフェルールは、ジルコニアのような光反射性の高い材料によって構成されており、その内表面は鏡面となっている。このため、光フィルタである光ファイバ100のグレーティング116を含む先端部をフェルールに収容した場合、グレーティング116から放射されクラッド114を出射する光がフェルールの内表面で反射されて再びクラッド114内に戻り、グレーティング116の前方に進行してしまうため、光フィルタによる光遮断が必ずしも十分には行われなかった(図8〜図11参照)。
【0197】
第10の遮光構造を備えた光コネクタは、このような事実に鑑みて考案されたものである。上述のように、図54のフェルール13Gは、光フィルタ12を収容したとき、拡大部134aにおいてフェルール13Gと光フィルタ12との間に間隙135aが生じるようになっている。この間隙135aはフェルール13Gのような高い反射性は有していないので、このフェルール13Gの貫通孔130内に光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光は、クラッド124外の間隙135aまで広がりながら進行するようになる。この後、グレーティング126からの放射光は標準部133aに到達するが、グレーティング126からの放射光のうち間隙135a内に分布している漏れ光成分は、貫通孔130のうち断面の直径が軸方向に沿って連続的に変化する部分においてフェルール13Gの貫通孔130内表面により遮断される。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減されるので、図54の光コネクタは光フィルタ12の光遮断率を高めることができる。
【0198】
本発明者らの知見によれば、拡大部134aの断面の直径が光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された部分の外径よりも50μm以上大きくなっていれば、グレーティング126からの放射光が十分に広がり、フェルール13Gによって遮断される割合が高くなるので、光フィルタ12の光遮断率を十分に高めることができる。なお、上記の条件は、拡大部134aの断面積が光フィルタ12の断面積の2倍以上であることに相当する。
【0199】
また、このフェルール13Gの貫通孔130内に光フィルタ12を収容するとき、上記の間隙135aに接着剤を充填する場合も考えられる。このとき、拡大部134aの断面の直径が光フィルタ12の樹脂被覆115が除去された部分の外径よりも700μm以上大きくなっていると、接着剤の硬化の際に、グレーティング126に及ぼされる応力が大きくなり、グレーティング126の特性に大きく変動させるおそれがあるので、好ましくない。
【0200】
また、上記の間隙135aに光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有する屈折率整合材が充填されていると、フェルール13Gの貫通孔130内に光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面でほとんど反射されなくなる。このため、グレーティング126からの放射光が間隙135aまで非常に効率よく広がるようになり、光フィルタ12の光遮断率を極めて大きく高めることができる。
【0201】
また、間隙135aに光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有する屈折率整合材が充填されていると、フェルール13Gの貫通孔130内に光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面で全反射されにくくなる。このため、グレーティング126からの放射光が間隙135aに効率よく広がるようになり、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0202】
図56は、図54に示された組立工程を経て得られた光コネクタの構造を示す断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図57は、図56の矢印C7で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Gの貫通孔130に挿入されており、グレーティング126は拡大部134a内に配置されている。貫通孔130の標準部133aは、光フィルタ12の端面125を含む部位をほとんど密着するようにして包囲しており、これによって光フィルタ12を保持している。また、拡大部134aでは、光フィルタ12の外表面とフェルール13Gの貫通孔130の内表面との間に間隙135aが生じている。フランジ24の中空部242内には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115と中空部242との間には接着剤600が充填されている。この接着剤600によって光フィルタ12が中空部242内に固定されている。
【0203】
図56の光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が、クラッド124の外側にある間隙135aまで広がりながら進行する。この後、グレーティング126からの放射光は標準部133aに到達するが、グレーティング126からの放射光のうち間隙135a内に分布している漏れ光成分は、フェルール13Gの貫通孔130内表面によって遮断され、それ以上前方に進行することはできない。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減される。従って、第10の遮光構造を備えた光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0204】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第11の遮光構造について説明する。
【0205】
図58は、第11の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタの組立工程の一部を示す各部断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図59は、図58の矢印C8で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。図59に示されたように、第11の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタのフェルール13Hでは、貫通孔130の拡大部134bの断面形状が図54の光コネクタと異なっている。すなわち、拡大部134bは、フェルール13Hの中心軸に沿って延びる貫通孔130の内表面に形成された4本の溝135bが設けられたものである。図58及び図59に示された貫通孔130は、光フィルタ12を保持できるように、標準部133bと同様の断面、すなわち直径126μmの円形断面を有している。また、4本の溝135bは、それぞれ貫通孔130の中心軸に沿って延びており、各溝135bはフェルール13Hの貫通孔130の内表面の円周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0206】
図58のフェルール13Hでは、光フィルタ12を収容したとき、貫通孔130の拡大部134bによって定義される溝135bと光フィルタ12の外表面との間に間隙ができる。このため、図56の光コネクタと同様に、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が溝135bまで広がりながら進行し、溝135b内に分布している漏れ光成分が拡大部134bと標準部133bとの境界においてフェルール13Hの貫通孔130の内表面により遮断されることになる。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減されるので、この第11の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタも、図54の光コネクタと同様に、光フィルタ12の光遮断率を高めることができる。
【0207】
さらに、図58の光コネクタでは、拡大部134bのうち図58及び図59に示された貫通孔130が光フィルタ12と略同一の断面を有しているので、標準部133bのみならず拡大部134bにおいても光フィルタ12が適切に保持される。このため、図58の光コネクタによれば、光フィルタ12を一層確実に保持することができる。
【0208】
なお、上記の溝135bに光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Hに光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面でほとんど反射されなくなるので、光フィルタ12の光遮断率を極めて大きく高めることができる。
【0209】
また、溝135bに光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Hに光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面で全反射されにくくなるので、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0210】
次に、図60は、図58の組立工程を経て得られた光コネクタの構造を示す断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図61は、図60の矢印C9で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Hの貫通孔130に挿入されており、グレーティング126は拡大部134b内に配置されている。貫通孔130の標準部133bは、光フィルタ12の先端部分121をほとんど密着するようにして包囲しており、これによって光フィルタ12を保持している。また、拡大部134bでは、光フィルタ12の外表面とフェルール13Hの貫通孔130に設けられた溝135bとの間に間隙ができる。フランジ24の中空部242内には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115と中空部242との間には接着剤600が充填されている。この接着剤600よって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。
【0211】
図60の光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が、溝135bまで広がりながら進行する。この後、グレーティング126からの放射光は標準部133bに到達するが、グレーティング126からの放射光のうち溝135b内に分布している漏れ光成分は、フェルール13Hの貫通孔130の内表面によって遮断され、それ以上前方に進行することはできない。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減される。従って、この第11の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0212】
なお、図60に示されたように、貫通孔130はフェルール13Hの先端部において標準部133bを有しているが、このような標準部133bを有さず、溝135bがフェルール13Hの後端から先端(端面131を含む)まで延びた光コネクタであっても、一定の効果を奏する。すなわち、このような光コネクタに光フィルタ12を収容した場合、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光は、上記の溝135bまで広がりながら進行し、フェルール13Hの先端から出射するようになる。このため、上記の光フィルタ12を該光フィルタ12と同程度の断面積の受光面を有する光部品に接続した場合には、グレーティング126からの放射光のうち上記溝135bの内部に分布している漏れ光成分がこの光部分に入射することはなく、これによって、光フィルタ12の光遮断率が高まることになる。
【0213】
次に、この発明に係る第2実施形態における光コネクタの第11の遮光構造(第2応用例)について説明する。
【0214】
図62は、第11の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタの組立工程の一部を示す各部の側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図63は、図62の矢印C10で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。フェルール13Iの貫通孔130は、光フィルタ12の断面と略同一の断面を有する複数の標準部133cと、光フィルタ12の断面よりも大きい直径の円形断面を有する複数の拡大部134bから構成されている。標準部133cと拡大部134cは、貫通孔130の中心軸に沿って交互に配置されている。拡大部134cは、光フィルタ12の断面と略同一の断面を有する貫通孔130の内面において溝135cが設けられた部位に位置する。図62及び図63に示された貫通孔130は、光フィルタ12を保持できるように、標準部133cと同様の断面、すなわち直径126μmの円形断面を有している。各々の溝135cは、一定の深さを維持しながら貫通孔130の断面の円周に沿って延びている。また、各々の溝135cは、貫通孔130の中心軸に沿って等間隔に配置されている。
【0215】
図62のフェルール13Iでは、光フィルタ12を収容したとき、貫通孔130の拡大部134cによって定義される溝135cと光フィルタ12の外表面との間に間隙ができる。このため、図56の光コネクタと同様に、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が溝135cに入射するようになる。グレーティング126からの放射光のうち溝135c内に入射した漏れ光成分は、溝135cの内部においてフェルール13Iの貫通孔130の内表面(拡大部134c)により反射されるので、前方に進行しにくくなるとともに、強度も徐々に減衰する。これにより、グレーティング126の反射波長の光のうちクラッド124に放射されてフィルタ領域122を通り抜ける光のパワーが低減される。特に、この光コネクタでは、複数の拡大部134cと複数の標準部133cとが交互に配置されており、各々の拡大部134cで放射光が低減されるので、放射光の低減効果が累積し、最終的にグレーティング126からの放射光が大きく低減されることになる。従って、第11の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタは、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0216】
なお、上記の溝135cに光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Iに光フィルタ12が収容されたとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面でほとんど反射されなくなるので、光フィルタ12の光遮断率を極めて大きく高めることができる。
【0217】
また、溝135cに光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Iに光フィルタ12が収容されたとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面で全反射されにくくなるので、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0218】
図64は、図62の組立工程を経て得られた光コネクタの構造を示す断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。図65は、図64の矢印C11で示された部分の光コネクタの断面図(図5のC−C線に沿った断面図に対応)である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Iの貫通孔130に挿入されており、グレーティング126の周囲に拡大部134cが位置している。貫通孔130の標準部133cは、光フィルタ12の先端部分121をほとんど密着するように包囲しており、これによって光フィルタ12を保持している。また、拡大部134cでは、光フィルタ12の外表面とフェルール13Iの貫通孔130内面に設けられた溝135cによって間隙が形成されている。フランジ24の中空部内には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115と中空部242との間には接着剤600が充填されている。この接着剤600によって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。
【0219】
この光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が、溝135cに入射するようになる。これにより、グレーティング126からの放射光が前方に進行しにくくなるとともに、溝135c内で反射されるうちに徐々に減衰していくので、グレーティング126からの反射波長の光のうちフィルタ領域122を通過する光のパワーが低減される。従って、図64の光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0220】
なお、第11の遮光構造(第2応用例)では、複数の拡大部134cがグレーティング126の全体を包囲するように配置されているが、拡大部134cの配置はこれに限定されるものではない。図11に示されたように、グレーティング126からクラッド124に放射される光は、グレーティング126の各部から斜め前方に進行する。従って、グレーティング126の各部から斜め前方の領域に拡大部134cが設けられていれば、光遮断率は十分に高まることになる。
【0221】
図66は、図64の光コネクタの変形例を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタでは、拡大部134cが図64の光コネクタよりも全体的に前方に設けられている。上述のようにグレーティング126からクラッド124に放射された光はグレーティング126の斜め前方に進行していくので、グレーティング126の先端の斜め前方に拡大部134cが設けられていれば、グレーティング126からの放射光は十分に低減されることになる。従って、図66の光コネクタも、十分に高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。なお、この図64等に示されたフェルール13Iは、それぞれ径の異なる開口を有するディスクを、はり合わせることによっても得られる。
【0222】
次に、この発明に係る第2の実施形態における光コネクタの第11の遮光構造(第3応用例)について説明する。
【0223】
図67は、第11の遮光構造(第3応用例)を備えた光コネクタ(プラグ部分のみ)の構造を示す側顔面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。このフェルール13Jは、貫通孔130の拡大部134dによって定義される溝135dの形状が図64の光コネクタと異なっている。図68は、フェルール13Jにおける拡大部134dと標準部133dを示す図である。拡大部134dは、光フィルタ12の断面と略同一の断面を有する貫通孔130の内表面に形成された溝135dを定義する。この溝135dは貫通孔130の中心軸を中心として螺旋状に延びている点が図64の光コネクタと異なっている。この明細書でいう貫通孔の拡大部とは、貫通孔の軸に直交する断面積が光フィルタの断面積よりも大きくなっている部分をいい、図67において、溝135dが設けられたことにより貫通孔130の中心軸に直交する断面積が標準部133dよりも大きくなっている部位の全てが拡大部134dに該当する。
【0224】
図67のフェルール13Jでは、光フィルタ12を収容したとき、拡大部134dにおいて光フィルタ12の外表面との貫通孔130の内面に設けられた溝135dとの間に間隙ができる。このため、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射された光が溝135d内に入射するようになる。これにより、グレーティング126からの放射光が前方に進行しにくくなるとともに、溝135d内で反射されるうちに徐々に減衰していくので、グレーティング126の反射波長の光のうちフィルタ領域122を通過する光のパワーが低減されることになる。従って、図67の光コネクタも、上記図64の光コネクタと同様に、光フィルタ12の光遮断率を高めることができる。
【0225】
さらに、図67の光コネクタは、フェルール13Jの貫通孔130の内表面を連続的に削り、該内表面に一本の連続した螺旋状の溝135dを形成することで拡大部134dを製造することができ、図64の光コネクタのように溝135dを複数設ける必要がないので、比較的製造が容易である。
【0226】
なお、上記の溝135dに光フィルタ12のクラッド124の表層部とほぼ一致した屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Jに光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面でほとんど反射されなくなるので、光フィルタ12の光遮断率を極めて大きく高めることができる(図69及び図70参照)。
【0227】
また、溝135dに光フィルタ12のクラッド124の表層部よりも高い屈折率を有する屈折率整合材800が充填されていると、フェルール13Jに光フィルタ12を収容したとき、グレーティング126からの放射光が光フィルタ12の外表面で全反射されにくくなるので、光フィルタ12の光遮断率を大きく高めることができる。
【0228】
次に、図69は、第11の遮光構造(第3応用例)を備えた光コネクタの構造を示す断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。光フィルタ12の樹脂被覆115の除去された先端部分121はフェルール13Jの貫通孔130に挿入されており、グレーティング126は拡大部134d内に配置されている。貫通孔130の標準部133dは、光フィルタ12の先端部分121をほとんど密着するようにして包囲しており、これによって光フィルタ12を保持している。また、拡大部134dでは、光フィルタ12の外表面とフェルール13Jの貫通孔130の内表面に設けられた溝135dとの間に間隙ができる。フランジ24の中空部242には、光フィルタ12の樹脂被覆115のついた部分が収容されている。この光フィルタ12の被覆115と中空部242との間には接着剤600が充填されている。この接着剤600によって光フィルタ12は中空部242内に固定されている。
【0229】
この光コネクタでは、グレーティング126の反射波長の光のうちグレーティング126からクラッド124に放射されたが、溝135dに入射するようになる。これにより、グレーティング126からの放射光が前方に進行しにくくなるとともに、溝135d内で反射されるうちに徐々に減衰していくので、グレーティング126の反射波長の光のうちフィルタ領域122を通過する光のパワーが低減される。従って、図69の光コネクタは、高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素としても好適に使用することができる。
【0230】
なお、第11の遮光構造(第3応用例)では、溝135dがグレーティング126の全体を包囲するように配置されているが、溝135dの配置はこれに限定されるものではない。図11に示されたように、グレーティング126からクラッド124に放射される光は、グレーティング126の各部から斜め前方に進行する。従って、溝135dがグレーティング126の各部から斜め前方の位置に設けられていれば、光遮断率は十分に高まることになる。
【0231】
図70は、図69の光コネクタの変形例を示す側断面図(図5のA−A線に沿った断面図に対応)である。この光コネクタでは、溝135dが図69の光コネクタよりも全体的に前方に設けられている。上述のようにグレーティング126からクラッド124に放射された光はグレーティング126の斜め前方に進行していくので、グレーティング126の先端の斜め前方に拡大部134dが設けられていれば、グレーティング126からの放射光は十分に低減されることになる。従って、図70の光コネクタも、十分に高い光遮断率を有しており、光線路の検査システムの構成要素として好適に使用することができる。
【0232】
【発明の効果】
以上のように、この発明の第1実施形態における光コネクタ(第1〜第3の遮光構造)によれば、光フィルタのグレーティングからの放射光が光フィルタとフランジとの間隙に漏出しながら進行した後、フェルールの端面によって遮断される。これにより、グレーティングからの不要な放射光が低減されるので、高い光遮断率が得られるという効果がある。
【0233】
また、第4の遮光構造を備えた光コネクタによれば、光ファイバ型の光フィルタが収容された場合に、光フィルタのグレーティングから放射された光がフェルールを透過して外部に放射されるので、フィルタ領域を通り抜けてグレーティングの前方に進行する光を低減し、光フィルタの光遮断率を高めることができる。
【0234】
第5の遮光構造(第1応用例)を備えた光コネクタによれば、光フィルタのグレーティングから放射された光がフェルールによって吸収されるので、フィルタ領域を通り抜けてグレーティングの前方に進行する光を低減し、光フィルタの光遮断率を高めることができる。さらに、第5の遮光構造(第2応用例)を備えた光コネクタによれば、光フィルタのグレーティングから放射された光が光吸収層によって吸収されるので、フィルタ領域を通り抜けてグレーティングの前方に進行する光を低減し、導波路型光フィルタの光遮断率を高めることができる。
【0235】
第6の遮光構造を備えた光コネクタによれば、グレーティングの反射波長の光のうちグレーティングからの放射光を光フィルタの先端部分に設けられた凹部に充填された光吸収材によって吸収するので、グレーティングを通り抜けてグレーティングの前方に進行しようとする光を低減し、高い光遮断率を実現することができる。
【0236】
第7の遮光構造(第1〜第3応用例)を備えた光コネクタによれば、光出射開口の径は実装されるべき光フィルタのクラッド外径よりも小さいので、グレーティングで発生し、光出射端面に達した放射光を有効に遮光できる。
【0237】
第8の遮光構造(第1応用例及び第2応用例)を備えた光コネクタによれば、光フィルタがフェルールの貫通孔内に収容されたとき、光フィルタのグレーティングから放射された光がフェルールに設けられた開口部(切り欠き部又は貫通孔を含む)を通過して外部に放射されるので、フィルタ領域を通り抜けてグレーティングの前方に進行する光を低減し、光フィルタの光遮断率を高めることができる。
【0238】
第9の遮光構造を備えた光コネクタによれば、グレーティングが光フィルタの光出射端面から3mm以上離れた位置に形成されているので、グレーティングで発生したコアからクラッド側へ進行する放射光は、クラッド外表面あるいはフェルールの貫通孔の内面に何度も反射されるので、該光フィルタの光出射端面に到達する放射光は発生時に比べて大きく低減され、グレーティングの格子ピッチで決まる反射波長の光を有効に遮断するフィルタ内蔵光コネクタを実現することができる。
【0239】
第10の遮光構造を備えた光コネクタによれば、フェルールに光フィルタを収容したとき、グレーティングからの放射光が拡大部と標準部との境界部分においてフェルールの内表面により遮断されるので、光フィルタの光遮断率を高めることができる。
【0240】
さらに、第11の遮光構造(第1〜第3応用例)を備えた光コネクタによれば、フェルールに光フィルタを収容したとき、グレーティングからの放射光がフェルールの内表面に設けられた溝まで広がりながら進行し、フェルールの先端から出射するようになるので、上記の光フィルタと同程度の断面積の受光面を有する光部品に接続する場合に、光フィルタの光遮断率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光コネクタの、単一光ファイバを含む光ファイバ・ケーブル間を光学的に結合するための第1の基本構造を示す図である。
【図2】この発明に係る光コネクタの、複数の光ファイバを含むリボン型ファイバ・ケーブル間を光学的に結合するための第2の基本構造を示す図である。
【図3】この発明に係る光コネクタの、第3の基本構造(伝送路と光学素子を光学的に結合する)を示す図である。
【図4】この発明に係る光コネクタの基本的な組立工程を示す図である。
【図5】この発明に係る光コネクタ全体の、基本構成を示す正面図である。
【図6】この発明に係る光コネクタの第1実施形態の断面構造を示す図である(第1の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図7】図6に示された光コネクタの、矢印B1で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、B−B線に沿った断面に対応している。
【図8】発明者らが行った実験のための装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示された装置を用いて行われた実験の結果を示すグラフ(d=21mmのときの、透過光量(dBm)と波長(nm)との関係を示す)である。
【図10】図8に示された装置を用いて行われた実験の結果を示すグラフ(d=500mmのときの、透過光量(dBm)と波長(nm)との関係を示す)である。
【図11】グレーティングによって反射されるべき光のうちクラッド領域を伝搬する光の振舞を説明するための図である。
【図12】この発明に係る光コネクタの第1実施形態の断面構造を示す図である(第2の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図13】図12に示された光コネクタの、矢印B2で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、B−B線に沿った断面に対応している。
【図14】この発明に係る光コネクタの第1実施形態の断面構造を示す図である(第3の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図15】図14に示された光コネクタの、矢印B3で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、B−B線に沿った断面に対応している。
【図16】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第4の遮光構造及び第5の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図17】図16に示された光コネクタの、矢印C1で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図18】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第4の遮光構造及び第5の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図19】図18に示された光コネクタの、矢印C2で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図20】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第5の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図21】図20に示された光コネクタの、矢印C3で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図22】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第5の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図23】図22に示された光コネクタの、矢印C4で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図24】この発明に係る光コネクタの第2実施形態における、光フィルタ先端部分の形状を示す斜視図である。
【図25】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第6の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図26】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第6の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図27】図26に示された光コネクタの、矢印C5で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図28】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第6の遮光構造の応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図29】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第7の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図30】図29に示された光コネクタを、矢印E1で示された方向から見た当該光コネクタ正面を示す図である。この図は、図5に示された矢印Eで示された方向からみた光コネクタ正面に対応している。
【図31】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第7の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図32】図31に示された光コネクタを、矢印E2で示された方向から見た当該光コネクタ正面を示す図である。この図は、図5に示された矢印Eで示された方向からみた光コネクタ正面に対応している。
【図33】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第7の遮光構造の第3応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図34】図33に示された光コネクタを、矢印E3で示された方向から見た当該光コネクタ正面を示す図である。この図は、図5に示された矢印Eで示された方向からみた光コネクタ正面に対応している。
【図35】この発明に係る光コネクタの第2実施形態における、プラグの全体構造を示す図である(第8の遮光構造の第1応用例)。
【図36】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第8の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図35に示されたプラグの、F1−F1線に沿った断面に対応している。
【図37】図35に示されたフェルールの、H1−H1線に沿った断面を示す図である。
【図38】図35に示されたフェルールの、G1−G1線に沿った断面を示す図である。
【図39】光ファイバ内光の進行の様子を説明するための図である。
【図40】この発明に係る光コネクタの第2実施形態における全体構造を示す図である(第8の遮光構造の第1応用例)。
【図41】図40に示された光コネクタの、H2−H2線に沿った断面を示す図である。
【図42】この発明に係る光コネクタの第2実施形態における、プラグの全体構造を示す図である(第8の遮光構造の第2応用例)。
【図43】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第8の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図42に示されたプラグの、F2−F2線に沿った断面に対応している。
【図44】図42に示されたフェルールの、H3−H3線に沿った断面を示す図である。
【図45】図42に示されたフェルールの、G2−G2線に沿った断面を示す図である。
【図46】この発明に係る光コネクタの第2実施形態における全体構造を示す図である(第8の遮光構造の第2応用例)。
【図47】図46に示された光コネクタの、H4−H4線に沿った断面を示す図である。
【図48】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第9の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図49】図48に示された光コネクタを、矢印E4で示された方向から見た当該コネクタ正面を示す図である。この図は、図5に示された矢印Eで示された方向からみた光コネクタ正面に対応している。
【図50】コネクタが装着されていない光フィルタ(プラグによってグレーティングが覆われていない光フィルタ)の透過率の、波長依存性を測定するための装置の構成を示す図である。
【図51】図50に示された装置を用いて測定された、コネクタが装着されていない光フィルタに関する測定結果を示すグラフである。
【図52】コネクタが装着された光フィルタ(プラグによってグレーティングが覆われた光フィルタ)の透過率の、波長依存性を測定するための装置の構成を示す図である。
【図53】図52に示された装置を用いて測定された、コネクタが装着された光フィルタに関する測定結果を示すグラフである。
【図54】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第10の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図55】図54に示された光コネクタの、矢印C6で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図56】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第10の遮光構造)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図57】図56に示された光コネクタの、矢印C7で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図58】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第11の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図59】図58に示された光コネクタの、矢印C8で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図60】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第11の遮光構造の第1応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図61】図60に示された光コネクタの、矢印C9で示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図62】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第11の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図63】図62に示された光コネクタの、矢印C10に示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図64】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第11の遮光構造の第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図65】図64に示された光コネクタの、矢印C11に示された部分の全断面構造を示す図である。この断面図は、図5に示された光コネクタの、C−C線に沿った断面に対応している。
【図66】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第11の遮光構造の、溝の形成位置を変えた第2応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図67】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の組立工程の一部を示す図である(第11の遮光構造の第3応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図68】図67に示されたフェルールの要部拡大図である。
【図69】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第11の遮光構造の第3応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【図70】この発明に係る光コネクタの第2実施形態の断面構造を示す図である(第11の遮光構造の、溝の形成位置を変えた第3応用例)。この断面図は、図5に示された光コネクタの、A−A線に沿った断面に対応している。
【符号の説明】
1…プラグ、10…光コネクタ(コード付き光コネクタ)、12、12c…光フィルタ、13、13A〜13J…フェルール、24…フランジ、115…コーティング、126…グレーティング、121…光フィルタの先端部分、122…フィルタ領域、241…保持部、242…中空部。

Claims (22)

  1. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールと、前記フェルールの一端が取り付けられ、かつ、該光フィルタの先端部分のうち少なくとも該フェルールの貫通孔に収納されていない部分を収納するための中空部を有するフランジを備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納されていない部位であって前記フランジの中空部に収納された部位に位置するとともに、
    前記光フィルタのフィルタ領域外周面と前記フランジの中空部の内壁とで定義された空間中には、前記光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有する接着剤が充填されていることを特徴とする光コネクタ。
  2. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールと、前記フェルールの一端が取り付けられ、かつ、該光フィルタの先端部分のうち少なくとも該フェルールの貫通孔に収納されていない部分を収納するための中空部を有するフランジを備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納されていない部位であって前記フランジの中空部に収納された部位に位置するとともに、
    前記光フィルタのフィルタ領域外周面と前記フランジの中空部の内壁とで定義された空間中には、前記光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有するとともに、該光フィルタが貫通された状態で該フィルタ領域を包囲した管状部材が収納されていることを特徴とする光コネクタ。
  3. 少なくとも前記光フィルタのフィルタ領域外周面と前記管状部材の内壁とで定義された空間中には、前記光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有する接着剤が充填されていることを特徴とする請求項記載の光コネクタ。
  4. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールと、前記フェルールの一端が取り付けられ、かつ、該光フィルタの先端部分のうち少なくとも該フェルールの貫通孔に収納されていない部分を収納するための中空部を有するフランジを備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納されていない部位であって前記フランジの中空部に収納された部位に位置するとともに、
    前記光フィルタのうち、少なくとも該光フィルタのフィルタ領域外周面には、該グレーティングを包囲する被覆が設けられ、かつ、該被覆は、前記フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有することを特徴とする光コネクタ。
  5. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置するとともに、
    前記フェルールは、前記グレーティングの反射波長に一致した波長を有する光を透過する透過材からなることを特徴とする光コネクタ。
  6. 前記透過材は、前記光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有することを特徴とする請求項5記載の光コネクタ。
  7. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置するとともに、
    前記光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔内に収納された部分であって前記グレーティングによって反射されるべき光が到達する所定部分は、該光フィルタの残りの部分よりも細くなっており、前記光フィルタの所定部分の外周面と前記フェルールの貫通孔の内壁とで定義された空間には、前記グレーティングの反射波長に一致した波長の光を吸収する光吸収材が充填されていることを特徴とする光コネクタ。
  8. 前記光吸収材は、前記光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有することを特徴とする請求項7記載の光コネクタ。
  9. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置するとともに、
    前記プラグには、前記光フィルタの端面における光出射開口を、該光フィルタの断面積よりも小さく制限する構造が設けられていることを特徴とする光コネクタ。
  10. 前記フェルールの貫通孔内に収納された前記光フィルタの先端部分のうち、前記グレーティングに対して該光フィルタの前記一方の端面側に位置する、該フェルールの貫通孔の開口は、該光フィルタの前記一方の端面よりも小さい開口を有する第1の遮光部材によって覆われていることを特徴とする請求項9記載の光コネクタ。
  11. 前記グレーティングに対して前記光フィルタの前記一方の端面側に位置する、前記フェルールに設けられた貫通孔の第1開口は、該グレーティングに対して該第1開口と反対側に位置する、該フェルールの貫通孔の第2開口よりも小さいことを特徴とする請求項9記載の光コネクタ。
  12. 前記フェルールの貫通孔内に収納された前記光フィルタの前記一方の端面には、該光フィルタの断面積よりも小さい開口を有する第2の遮光部材が、該フェルールの貫通孔内に収納された状態で取り付けられていることを特徴とする請求項9記載の光コネクタ。
  13. 前記光フィルタの制限された光出射開口の径は、該光フィルタのモードフィールド径の1.14倍よりも大きく、かつ該光フィルタのクラッドの外径よりも小さいことを特徴とする請求項9記載の光コネクタ。
  14. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置し、
    前記フェルールは、該フェルールの貫通孔内に収納された前記光フィルタの先端部分の外周面のうち、前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射される光が到達する領域を露出させるための構造を有し、そして、
    前記フェルールの貫通孔内に収納された光フィルタの先端部分のうち、前記露出された領域は、該光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有する屈折率整合材で覆われていることを特徴とする光コネクタ。
  15. 前記フェルールは、その外周面から前記光フィルタを収納した貫通孔に至る切り欠き部、または、該フェルールの外側面から該光フィルタを収納した貫通孔の内壁とを連絡する貫通孔を備えたことを特徴とする請求項14記載の光コネクタ。
  16. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置するとともに、
    前記フェルールの貫通孔内に位置する前記グレーティングは、該光フィルタの前記一方の端面から3mm以上離間していることを特徴とする光コネクタ。
  17. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置し、
    前記フェルールの貫通孔の、前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光が到達する領域の断面積は、該グレーティングに対して前記光コネクタの前記一方の端面側に位置する、該フェルールの開口断面積よりも大きく、そして、
    前記フェルールの貫通孔内に収納された、前記光フィルタの先端部分の外周面と、該貫通孔の内壁に設けられた溝とで定義された空間には、該光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有する屈折率整合材が充填されていることを特徴とする光コネクタ。
  18. 伝送路の一部として、所定の屈折率を有するコアと、該コアよりも低い屈折率を有するとともに該コアの外周を覆っているクラッドとからなる導波路構造を有し、かつ、所定波長の光を反射させるためのグレーティングが所定部位に設けられた光フィルタと、
    前記光フィルタの一部を収納するための空間を有し、かつ、該光フィルタの一方の端面を含むとともに前記グレーティングが位置する先端部分を該空間内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたプラグと、
    前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光であって、該グレーティングが設けられた前記光フィルタのフィルタ領域から前記光フィルタの前記一方の端面に向かって伝搬する光の進行を阻止するための遮光構造とを備えた光コネクタであって、
    前記プラグは、前記光フィルタの一部を収納するための貫通孔を有するとともに、該光フィルタの先端部分の少なくとも一部を該貫通孔内に収納した状態で該光フィルタに取り付けられたフェルールを少なくとも備え、
    前記グレーティングは、該光フィルタの先端部分のうち、前記フェルールの貫通孔に収納された部位に位置し、
    前記フェルールの貫通孔の内壁であって、少なくとも前記グレーティングによって反射されるべき光のうち該グレーティングから前記クラッドへ放射された光が到達する領域には、溝が設けられ、そして
    前記フェルールの貫通孔内に収納された、前記光フィルタの先端部分の外周面と、該貫通孔の内壁に設けられた溝とで定義された空間には、該光フィルタのクラッドと略同一かそれ以上の屈折率を有する屈折率整合材が充填されていることを特徴とする光コネクタ。
  19. 前記フェルールの貫通孔の内壁に設けられた溝は、該貫通孔の中心軸に沿って、該フェルールの第1の端部から、該第1の端部と対向する第2の端部に向かって延びていることを特徴とする請求項18記載の光コネクタ。
  20. 前記フェルールの貫通孔の内壁に設けられた溝は、該貫通孔の中心軸に垂直な断面の周方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項18記載の光コネクタ。
  21. 前記フェルールの貫通孔の内壁に設けられた溝は、該貫通孔の中心軸に対し、該フェルールの第1の端部から、該第1の端部と対向する第2の端部に向かって螺旋状に延びていることを特徴とする請求項18記載の光コネクタ。
  22. 前記溝は、前記フェルールの貫通孔の内壁のうち、少なくとも前記グレーティングに対して該光フィルタ先端部分の端面側に位置する、該フェルールの端部を除いた領域に設けられていることを特徴とする請求項18記載の光コネクタ。
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