JP3702460B2 - 多段燃焼装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料濃度の高い濃混合気を噴出させる濃バーナが燃焼空間の上流から下流にかけて濃火炎を多段に形成するように配設され、この燃焼空間に対し燃料濃度の低い希薄混合気を噴出させて燃焼させる濃淡燃焼方式を採る多段燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の多段燃焼装置として、図8に例示するようなものが知られている。このものは、例えば円筒状のハウジング101の中心部に円柱状の濃バーナ102を配設してドーナッツ円筒状の燃焼空間103が区画形成され、この燃焼空間103の上流端側(同図の上端側)に燃焼熱により加熱される加熱対象(例えば熱交換器)104を配設したものである。上記濃バーナ102は、上記燃焼空間103の内周側の内面から外周側に向けて濃混合気を吐出させることにより濃火炎105,105,…が上流側(同図の下側)から下流側(同図の上側)にかけて多段に形成されるように構成されている。そして、その燃焼空間103の下流端側(同図の下端側)に淡バーナ106を配設し、この淡バーナ106から燃焼空間103の下流側に向けて希薄混合気を噴出させることによって、上記濃火炎105,105,…により加熱された燃焼空間103において上記希薄混合気を燃焼させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の多段燃焼装置においては、希薄混合気が燃焼空間103の上流端側から下流側に向けて噴出される一方、その燃焼空間103の上流側から下流側にかけては濃混合気の吐出による濃火炎105,105,…が多段に形成されるため、希薄混合気は燃焼空間の下流側にいくに従い燃焼反応が進み、その燃焼に伴う熱膨張により燃焼ガスの体積が燃焼空間103の下流に進むに従い増大する。しかるに、上記燃焼空間103は上流側から下流側まで横断面における断面積が略一定であるため、燃焼空間の下流側にいくに従い内圧が高まり燃焼ガスの断面流速がどんどん高くなる。このため、燃焼空間103の空間的な燃焼負荷の増大に伴い燃焼騒音が増大する上に、燃焼空間103における燃焼ガスの滞留時間の減少に伴い未燃成分が増加傾向になるという不都合が生じることになる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空間的な燃焼負荷の増大を抑えるように制御して、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を可及的に抑制し得る多段燃焼装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、燃料と空気との混合気であって燃料濃度の高い濃混合気と、燃料濃度の低い希薄混合気とを燃焼室に向けて個別かつ同時に噴出させて燃焼させる濃淡燃焼方式に構成され、上記濃混合気を噴出させて燃焼させる濃バーナが上記燃焼室の燃焼空間に対し上流から下流にかけて濃火炎を多段に形成するように配設される一方、上記希薄混合気を噴出させる淡バーナが希薄混合気を上記濃バーナにより形成される濃火炎の延びる方向に対し交差する方向に噴出させるように上記燃焼空間の上流側位置に配設されている多段燃焼装置を対象として、次の特定事項を備えるようにした。すなわち、上記燃焼室を、その燃焼空間の断面積が上流から下流にいくに従い連続的もしくは段階的に拡大するように形成し、上記各濃バーナの濃火炎による加熱によって上記淡バーナからの希薄混合気を燃焼させる一方、上記希薄混合気の余剰空気によって上記濃火炎を完全燃焼させる構成とした(請求項1)。
【0006】
この請求項1によれば、淡バーナから噴出された希薄混合気が燃焼空間の下流側にいくに従い濃火炎に接触して加熱されて燃焼反応が進行し、この燃焼反応の進行に伴い燃焼ガスが熱膨張しても、燃焼空間が上流から下流にいくに従い拡大するように形成しているため、燃焼ガスの断面流速の増加が抑制され、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加が抑制されることになる。つまり、空間的な燃焼負荷の増大を抑えるように制御して、燃焼ガスの断面流速の増加に伴う燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することが可能になる。しかも、これらの燃焼ガスの断面流速の増加抑制の度合を、燃焼空間の拡大の度合を調整することにより、所定のものに制御し得ることになる。また、濃火炎による加熱によって希薄混合気が燃焼される一方、その希薄混合気の余剰空気によって上記濃火炎が完全燃焼されるため、空気過剰率が極めて高い可燃限界近傍の超希薄混合気であっても安定的に燃焼させることが可能になり、これにより、高TDR(ターンダウンレシオ;燃料の質量流量の最小値と最大値との比、燃焼範囲の広狭となって表れる)や、低NOx燃焼を実現させることが可能になる。
【0007】
上記発明をより具体化した構成として、燃焼空間として上流側から下流側に向けて断面積が増大する円錐状に区画形成し、濃バーナを上記燃焼空間の外周面から濃火炎を内周側に向けて形成するように配設することもできる(請求項2)。
あるいは、燃焼空間として外周側の内面を円筒状の周面により区画する一方、内周側の内面を中心側位置に配設された濃バーナの外周面により区画し、上記濃バーナを、上流側から下流側に向けて断面積が低減する円錐状に形成し、かつ、濃火炎が外周側に向けて形成される構成とすることもできる(請求項3)。
【0008】
以上の請求項2又は請求項3の濃バーナの濃火炎形成部に対し、濃火炎の上流側位置に希薄混合気の流れから濃火炎を保護する保炎板を突出して配設するようにしてもよい(請求項4)。この場合には、濃火炎の基部が保炎板により保護されるため、希薄混合気の噴出速度が速くても、その希薄混合気の流れにより濃火炎が不安定化することなく、安定した濃火炎が形成され希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることが可能になる。
【0009】
また、上記の請求項2又は請求項3の濃バーナを濃火炎形成部が上流側から下流側に向けて階段状になるように形成してもよい(請求項5)。この場合には、階段状の各段差により濃火炎の基部が保護されることになるため、上記の請求項4の保炎板を追加しなくても、濃火炎を安定して形成し希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることが可能になる。
【0010】
以上の請求項1〜請求項5のいずれかの濃バーナとしては、上下流両側の各段の両濃火炎が互いに干渉しない位置に形成される構成とするのが好ましい(請求項6)。この場合には、多段配置とされる各濃火炎に対する希薄混合気の接触面積が増大するため、希薄混合気及び濃混合気をより確実に完全燃焼させ得て、NOx発生量の低減化や未燃成分の発生の抑制が図られることになる。
【0011】
また、以上の請求項1〜請求項6のいずれかの燃焼空間の内面に対し、希薄混合気の流れを濃バーナの濃火炎の側に向ける流れ制御板を設けるようにしてもよい(請求項7)。この場合には、濃バーナが燃焼空間を挟む一側に設けられている場合には、他側位置に上記流れ制御板を設けることにより、燃焼空間に噴出される希薄混合気をより積極的に濃火炎と接触させることが可能になり、希薄混合気の燃焼反応の進行をより促進させることが可能になる。
【0012】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の多段燃焼装置によれば、燃焼空間が上流から下流にいくに従い拡大するように形成しているため、希薄混合気の燃焼反応の進行に伴い燃焼ガスが熱膨張しても、燃焼ガスの断面流速の増加を抑制することができ、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することができる。しかも、これらの燃焼ガスの断面流速の増加抑制の度合を、燃焼空間の拡大の度合を調整することにより、所定のものに制御することができるようになる。また、希薄混合気を完全燃焼させることができるため、高TDRや低NOx燃焼を実現させることができる。
【0013】
請求項2又は請求項3によれば、上記請求項1の燃焼空間をより具体的に特定することができ、上記請求項1による効果をより具体的に得ることができるようになる。
【0014】
請求項4によれば、上記請求項2又は請求項3において保炎板により濃火炎の基部を保護することができ、噴出された希薄混合気の流れにより濃火炎を不安定化させることなく、安定した濃火炎の形成により希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることができるようになる。
【0015】
請求項5によれば、上記請求項2又は請求項3において濃バーナを階段状に形成することにより、請求項4の如き保炎板を設けることなく、濃火炎の基部を保護することができ、上記と同様に濃火炎の安定的形成により希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることができるようになる。
【0016】
請求項6によれば、上記請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、多段配置とされる各濃火炎に対する希薄混合気の接触面積を増大させることができ、希薄混合気及び濃混合気をより確実に完全燃焼させることができるようになる。
【0017】
請求項7によれば、以上の請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、流れ制御板を設けることにより、燃焼空間に噴出される希薄混合気をより積極的に濃火炎と接触させることができ、希薄混合気の燃焼反応の進行をより促進させることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る多段燃焼装置を示し、2は内筒21及び外筒22を有し二重筒状に構成されたハウジング、3はハウジング2の中心軸Xに沿って配設された濃バーナ、4はこの濃バーナ3と上記ハウジング2の内筒21との間に区画形成されたドーナッツ筒状の燃焼室、5はこの燃焼室の下流端側(同図において上端側)に配設された加熱対象である熱交換器、6は上記燃焼室4の上流端側(同図において下端側)に配設された淡バーナである。
【0020】
上記ハウジング2の内外の両筒21,22間には冷却媒体として水を用いる冷却水室7が区画形成され、この冷却水室7は入口7aから供給された水により上記燃焼室4の外周壁を構成する内筒21を冷却し、燃焼熱により加熱される内筒21との間での熱交換により予熱された水を出口7bから上記熱交換器5に供給するようになっている。また、上記濃バーナ3の内部には冷却水配管8が濃火炎形成部31を構成する壁の内面に接触した状態で配設され、冷却水配管8に通される冷却水により上記濃火炎形成部31の冷却を行うようになっている。
【0021】
上記濃バーナ3は、燃焼室4の上流側から下流側に向けて断面積が徐々に減少するような所定の傾斜角αを有する円錐状に形成されており、これにより、燃焼室4の燃焼空間41が上流側から下流側に向けてその断面積が所定の変化率(上記傾斜角度αに相当する拡がり角度)で徐々に増大されるように形成されている。上記濃バーナ3の内部には濃混合気が供給されるガス室32を有し、外周面には濃火炎形成部31が設定されている。この濃火炎形成部31には、燃焼室4の上流側から下流側にかけて複数の炎孔33,33,…が多段(少なくとも2段;図1には7段の例を図示している)に設定されている。つまり、上記濃火炎形成部31には、燃焼室4の上流側から下流側にかけて所定間隔を隔てた各段毎に炎孔形成位置が設定され、各炎孔形成位置毎に上記中心軸Xを中心として放射方向に多数の炎孔33,33,…が形成されている。これにより、上記濃バーナ3は、上記ガス室32に供給された濃混合気Rが各炎孔33から吐出されて燃焼空間4に対し上流側から下流側にかけて濃火炎9を多段に形成するようになっている。また、上記の各炎孔33の下側位置(燃焼空間4の上流側位置)には保炎板34が濃火炎形成部31の外周面から突出して形成され、これにより、各濃火炎9の基部を上記淡バーナ6から噴出される希薄混合気Lにより乱されないように保護して安定させるようになっている。なお、上記上下流方向に相隣接する各段の炎孔31は上下流方向に両濃火炎9,9が互いに干渉しない程度に離して位置設定されている。これにより、希薄混合気Lと各濃火炎9とが確実に接触し得るようにしている。
【0022】
上記淡バーナ6は上記燃焼室4の上流端面(図1の下端面)に多数の噴孔61,61,…が燃焼空間41に臨んで開口するように配設されたものである。そして、上記淡バーナ6は、ドーナッツ環状のガス室62に供給された希薄混合気Lが各噴孔61から燃焼空間41に向けて上方に所定の噴出速度で噴出されるようになっている。
【0023】
上記の濃バーナ3のガス室32に供給される濃混合気Rと、淡バーナ6のガス室62に供給される希薄混合気Lとは、燃料ガス(例えばプロパン)と空気とが所定の燃料濃度で予混合されて空気過剰率が1未満の濃混合気Rと、1以上の希薄混合気Lとが生成されるようになっている。なお、濃混合気R及び希薄混合気Lの混合燃料はプロパン等の気体燃料であっても石油等の液体燃料であってもよい。液体燃料の場合には気化させた後に空気と予混合すればよい。そして、上記希薄混合気Lは所定の供給圧(流量)でガス室62に供給されて各噴孔61からこの希薄混合気Lの燃焼速度よりも速い噴出速度で噴出されるようになっている。すなわち、各噴孔61位置に希薄混合気Lによる淡火炎を形成させずに、つまり淡火炎が保持されずに上記燃焼空間41に向けて噴出され、この燃焼空間41において多段に形成される濃火炎9,9,…により加熱されて順次燃焼反応が生じるような噴出速度に設定されている。このような噴出速度を実現するには、希薄混合気の空気過剰率等に応じて燃焼速度を想定し、この燃焼速度に基づいて所定(例えば燃焼速度の数倍から数十倍)の噴出速度を設定し、この設定した噴出速度になるように希薄混合気Lの供給圧(圧力や流量)を制御するようにすればよい。
【0024】
以上の多段燃焼装置では、燃焼空間41の上流側から下流側にかけて濃火炎9,9,…が外周側に向けて多段に形成された状態で、上記燃焼空間41の上流端側から希薄混合気Lが下流に向けて上記の所定の噴出速度で噴出される。つまり、各濃火炎9の延びる方向に対し略直交して交差する方向に希薄混合気Lが噴出される。すると、噴出された希薄混合気Lは各噴孔61位置には火炎を形成せずに、下流側にいくに従い濃火炎9に接触して加熱されて燃焼反応が進行し、熱交換器5手前の燃焼空間41内において希薄混合気L及び濃混合気Rは共に燃焼を完結して完全燃焼される。つまり、濃火炎9,9,…による加熱によって上記淡バーナ6からの希薄混合気Lが燃焼される一方、その希薄混合気Lの余剰空気によって上記濃火炎9,9,…が完全燃焼されることになる。このため、空気過剰率が2.0近傍というような可燃限界近傍の超希薄混合気であっても安定的に燃焼させることが可能になり、これにより、極めて高いTDR(例えば1:10以上)や、低NOx燃焼(例えば30ppm以下;O2=0%換算)を実現させることが可能になる。そして、燃焼ガスが上記熱交換器5に流入してその燃焼熱により熱交換器5が加熱される。
【0025】
上記の燃焼反応の進行の際に、燃焼空間41が下流側にいくに従いその断面積が拡大するようにされているため、燃焼反応の進行に伴い熱膨張しても燃焼ガスの断面流速の増加が抑制され、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することができるようになる。つまり、燃焼空間41の下流側に向けての拡がりの度合を調整することにより、上記燃焼ガスの断面流速を上流から下流へ向けて一定にしたり、上流側断面の流速に比して下流側断面の流速を所定増加量もしくは減少量のある範囲に抑えたりというように制御し得ることになる。
【0026】
このような制御において、燃焼ガスの断面流速と、燃焼空間41の拡がり角度(本実施形態では濃バーナ3の傾斜角度αに相当)βとの関係の一例を示すと、燃焼ガスの断面流速として最上流断面の流速をV、最下流断面の流速をVoとした場合、Vo=(V/2)〜3Vとするには、β=55度〜5度に設定すればよい。つまり、燃焼空間41の拡がり角度βを大きくする程、最上流断面流速Vに対する最下流断面流速Voの比率を小さくすることができ、また、所定の拡がり角度βを設定することにより、最上流断面流速Vと最下流断面流速Voとを等しくすることができる。そして、燃焼空間41の拡がり角度βがあまりに小さいと、最下流断面流速Voが最上流断面流速Vに比してかなり速くなる。しかし、この場合であっても、従来の如き燃焼空間の断面積が上流から下流まで略一定の場合(図8参照)と比して、燃焼ガスの断面流速の増加抑制を図ることができ、その増加抑制の分だけ上記の効果を得ることができる。
【0027】
なお、上記の燃焼反応の進行の際に、燃焼空間41を区画形成するハウジング2の内筒21と、濃バーナ3の濃火炎形成部31とが共に冷却水により冷却され、これらに接触して燃焼炎が冷却作用を受けるため、これによっても、低NOx燃焼が実現される。
【0028】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第2実施形態は濃バーナ3aとしてその濃火炎形成部31aが階段状に形成されたものを用いる点でのみ第1実施形態と異なり、他の構成要素は第1実施形態と同じである。
このため、第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】
上記濃バーナ3aは燃焼空間41の上流端側(図2の下端側)から下流端側(同図の上端側)に行くに従い外径が段階的に減少する円筒を順に積み重ねたように形成されたものである。そして、上記濃火炎形成部31aは、上記外径が変化する段差毎にその付け根位置に濃混合気Rが吐出される炎孔33,33,…を形成したものである。このように各炎孔33の位置を上記の如く各段差の付け根位置に設定したことにより、各炎孔33に形成される濃火炎の基部が保護されるため、第1実施形態における保炎板34(図1参照)を省略することができるようになる。
【0030】
なお、この第2実施形態での燃焼空間41の拡がり角度βは、上記濃火炎形成部31aの平均傾斜角度によって定まることになる。
【0031】
この第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
【0032】
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第3実施形態は燃焼空間41内において希薄混合気Lの流れを濃バーナ3aの濃火炎9,9,…の側に向ける流れ制御板10,10,…が設けられている点でのみ上記第2実施形態と異なり、他の構成要素は第1及び第2実施形態と同じである。このため、第1及び第2実施形態と同じ構成要素には、第1及び第2実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
上記流れ制御板10,10,…はそれぞれ内径を異ならせたドーナッツ環状板により構成され、それぞれ外周部がハウジング2の内筒21の内周面に対し固定されている。各流れ制御板10は内筒21の内周面に沿って上昇する希薄混合気Lの流れを多段位置毎に形成される濃火炎9,9,…の方に向けて流れるように変更させるものであり、上記各段の濃火炎9,9,…に対応して位置設定されている。また、上記流れ制御板10,10,…の内径は、各内周面と、同じ水平面での濃火炎形成部31aの外周面との間のドーナッツ状の開口面積が上流側から下流側に向けて順に増加するように設定されている。
【0034】
この第3実施形態の場合、第1及び第2実施形態による作用・効果に加えて、淡バーナ6から噴出される希薄混合気Lの内、燃焼空間41の濃バーナ3aとは離れた側の内筒21の内周面側に沿って上昇する希薄混合気Lを濃火炎9,9,…の側に流れるように制御することができ、希薄混合気Lを濃火炎9,9,…と積極的に接触させて希薄混合気Lの燃焼反応の促進を図ることができる。
【0035】
なお、上記の流れ制御板10としては、上記の如くドーナッツ環状板により構成するのではなくて、円弧状の板により構成して内筒21の周方向の一部に固定するようにしてもよい。この場合でも、希薄混合気Lを内筒21の内周面側から濃火炎9,9,…の側に流れを変えることができる。また、本第3実施形態の流れ制御板10を第1実施形態に付加してもよい。
【0036】
<第4実施形態>
図4は、本発明の第4実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第4実施形態は上記の第3実施形態に対しさらに第2淡バーナ11を付設したものであり、その他の点は第3実施形態と同じである。このため、第3実施形態と同じ構成要素には、第3実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
上記第2淡バーナ11はドーナッツ円筒状に構成されて内筒21の内周面側位置に配設されたものである。そして、上記第2淡バーナ11は、内周壁111の背後にガス室112が区画形成され、上記内周壁111に対し燃焼空間41に向けて希薄混合気Lを噴出する噴孔113,113,…が形成されている。各噴孔113の位置は各流れ制御板10の直ぐ上側位置に設定され内周側に向けて希薄混合気Lが噴出されるようになっている。上記ガス室112には例えば弁の開閉切換えにより第1淡バーナ6のガス室62と同時に、あるいは、いずれか一方を選択して希薄混合気Lが所定の供給圧で供給されるようになっている。
【0038】
この第4実施形態の場合には第3実施形態と同様の作用・効果に加えて、次のような作用・効果が得られる。例えば、当初は第1淡バーナ6からだけ希薄混合気Lを噴出させて燃焼作動させ、その途中で、燃焼状況(昇温度合等)に応じて第2淡バーナ11からも希薄混合気Lを噴出させたり、あるいは、当初から第1及び第2の両淡バーナ6,11から希薄混合気Lを噴出させたりというように、燃焼空間41に対し希薄混合気Lを噴出させる範囲を変更調整することができるようになる。
【0039】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜第4実施形態では、ハウジング2,2aの横断面形状を円形にして燃焼空間41を円環状に構成しているが、燃焼空間の横断面形状自体は円環状に限らず他の種々の形状を採用してもよい。例えば、燃焼空間の横断面形状として矩形,三角形もしくは多角形等を採用してもよい。
【0040】
上記第1〜第4実施形態では、淡バーナ6の各噴孔61から希薄混合気Lを上方(燃焼空間の下流側)に向けて噴出させているが、各噴孔61の向きをさらに周方向にも所定量だけ傾けることにより燃焼空間41に対し希薄混合気Lが旋回流となって噴出させるようにしてもよい。
【0041】
上記第1〜第4実施形態では、燃焼空間41の下流側を上に、上流側を下にした状態で説明したが、燃焼空間41の上下流方向が横向きになるようにして多段燃焼装置を使用してもよい。
【0042】
上記第1〜第4実施形態では、濃バーナ3,3aを燃焼空間41の中心側位置(内周側位置)に配設したものを示したが、逆に燃焼空間の外周側位置に配設するようにしてもよい。このような例としては次のような種々の形態を採用することができる。
【0043】
第1として、図5に示すように、ハウジング2bを淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けて拡がるラッパ状に形成し、このハウジング2bの内周面に沿って螺旋状に配設した濃混合気供給パイプ31bによって濃バーナ3bを構成する。この濃混合気供給パイプ31bが濃火炎形成部を構成することになる。そして、この濃混合気供給パイプ31bに対し所定間隔毎に炎孔33bを斜め上方(斜め下流側)に向けて開口させて、濃火炎9,9,…を燃焼空間41の周囲の多段位置から斜め上方に向けて形成する。この場合、淡バーナ6aから噴出される希薄混合気Lが各濃火炎9により加熱されて順次燃焼反応が進行し図5に符号42で示す領域で燃焼されることになる。また、各炎孔33bが斜め上方に向けて開口されているため、上方(燃焼空間の下流側)に向けて噴出される希薄混合気Lの流れの影響を受け難くなり、濃火炎9,9,…の保炎性能を向上させることができる。さらに、燃焼空間41の外周側に位置する濃混合気供給パイプ31bが螺旋状に燃焼空間の下流側に向けて配設されているため、燃焼空間41の外周側に沿って流れる希薄混合気Lを濃火炎9,9,…に導く流れ制御板(例えば図3の符号10参照)と同様の効果を得ることができることになる。なお、上記濃混合気供給パイプ31bに対し上流側(図面の下側)及び下流側(図面の上側)の双方から濃混合気Rを供給してもよいし、上記濃混合気供給パイプ31bに対し上流側(図面の下側)から濃混合気Rを供給し、下流側(図面の上側)を閉塞させるようにしてもよい。この場合には、炎孔33bの孔径を下流側にいくに従い小さくなるように設定すればよい。
【0044】
第2として、図6に示すように、円筒状のハウジング2cの内部に、淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けてラッパ状に拡がるように螺旋状にかつ互いに密着させて巻回した濃混合気供給パイプ31cを配設し、この濃混合気供給パイプ31cによって濃バーナ3cを構成すると同時に、燃焼空間41をも区画形成する。なお、この濃混合気供給パイプ31cにより濃火炎形成部が構成される。そして、この濃混合気供給パイプ31cに対し上記と同様に所定間隔毎に炎孔33cを斜め上方(斜め下流側)に向けて開口させて、濃火炎9,9,…を燃焼空間41の周囲の多段位置から斜め上方に向けて形成する。これにより、淡バーナ6aから噴出される希薄混合気Lが各濃火炎9により加熱されて順次燃焼反応が進行し燃焼空間41の中心軸に沿った領域42で燃焼されることになる。なお、各炎孔33cが斜め上方に向けて開口されている点、燃焼空間41の外周側に位置する濃混合気供給パイプ31cが螺旋状に燃焼空間の下流側に向けて配設されている点による作用・効果は上記と同様である。
【0045】
第3として、図7(a)に示すように濃バーナ3d自体を、淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けて拡がるラッパ状に形成し、この濃バーナ3dにより燃焼室4を区画形成するようにしてもよい。そして、燃焼空間41の内周側(中心軸側)に向けて濃混合気Rを吐出させて濃火炎を形成する。
【0046】
第4として図7(b)に示すように濃バーナ3eは円筒状に形成するものの、内部に円錐状の部材12を配設し、上記濃バーナ3eと円錐状部材12とで燃焼室4を区画形成するようにしてもよい。そして、濃バーナ3eの内周面から円錐状部材12に向けて濃混合気Rを吐出して濃火炎を形成する一方、円錐状部材12の下端周囲から燃焼空間41に向けて上方に希薄混合気Lを噴出させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面説明図である。
【図2】第2実施形態を示す図1対応図である。
【図3】第3実施形態を示す図1対応図である。
【図4】第4実施形態を示す図1対応図である。
【図5】他の実施形態を示す断面説明図である。
【図6】図5以外の他の実施形態を示す図5対応図である。
【図7】図5及び図6以外の他の実施形態を示す断面説明図であり、図7(a)はラッパ状濃バーナを採用した場合、図7(b)は円筒状濃バーナを採用した場合をそれぞれ示す。
【図8】従来の多段燃焼装置を示す図1対応図である。
【符号の説明】
3,3a〜3e 濃バーナ
4 燃焼室
6,6a,11 淡バーナ
9 濃火炎
10 流れ制御板
31,31a 濃火炎形成部
31b,31c 濃混合気供給パイプ(濃火炎形成部)
33 濃混合気の炎孔
34 保炎板
41 燃焼空間
61 希薄混合気の噴孔
L 希薄混合気
R 濃混合気
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料濃度の高い濃混合気を噴出させる濃バーナが燃焼空間の上流から下流にかけて濃火炎を多段に形成するように配設され、この燃焼空間に対し燃料濃度の低い希薄混合気を噴出させて燃焼させる濃淡燃焼方式を採る多段燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の多段燃焼装置として、図8に例示するようなものが知られている。このものは、例えば円筒状のハウジング101の中心部に円柱状の濃バーナ102を配設してドーナッツ円筒状の燃焼空間103が区画形成され、この燃焼空間103の上流端側(同図の上端側)に燃焼熱により加熱される加熱対象(例えば熱交換器)104を配設したものである。上記濃バーナ102は、上記燃焼空間103の内周側の内面から外周側に向けて濃混合気を吐出させることにより濃火炎105,105,…が上流側(同図の下側)から下流側(同図の上側)にかけて多段に形成されるように構成されている。そして、その燃焼空間103の下流端側(同図の下端側)に淡バーナ106を配設し、この淡バーナ106から燃焼空間103の下流側に向けて希薄混合気を噴出させることによって、上記濃火炎105,105,…により加熱された燃焼空間103において上記希薄混合気を燃焼させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の多段燃焼装置においては、希薄混合気が燃焼空間103の上流端側から下流側に向けて噴出される一方、その燃焼空間103の上流側から下流側にかけては濃混合気の吐出による濃火炎105,105,…が多段に形成されるため、希薄混合気は燃焼空間の下流側にいくに従い燃焼反応が進み、その燃焼に伴う熱膨張により燃焼ガスの体積が燃焼空間103の下流に進むに従い増大する。しかるに、上記燃焼空間103は上流側から下流側まで横断面における断面積が略一定であるため、燃焼空間の下流側にいくに従い内圧が高まり燃焼ガスの断面流速がどんどん高くなる。このため、燃焼空間103の空間的な燃焼負荷の増大に伴い燃焼騒音が増大する上に、燃焼空間103における燃焼ガスの滞留時間の減少に伴い未燃成分が増加傾向になるという不都合が生じることになる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空間的な燃焼負荷の増大を抑えるように制御して、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を可及的に抑制し得る多段燃焼装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、燃料と空気との混合気であって燃料濃度の高い濃混合気と、燃料濃度の低い希薄混合気とを燃焼室に向けて個別かつ同時に噴出させて燃焼させる濃淡燃焼方式に構成され、上記濃混合気を噴出させて燃焼させる濃バーナが上記燃焼室の燃焼空間に対し上流から下流にかけて濃火炎を多段に形成するように配設される一方、上記希薄混合気を噴出させる淡バーナが希薄混合気を上記濃バーナにより形成される濃火炎の延びる方向に対し交差する方向に噴出させるように上記燃焼空間の上流側位置に配設されている多段燃焼装置を対象として、次の特定事項を備えるようにした。すなわち、上記燃焼室を、その燃焼空間の断面積が上流から下流にいくに従い連続的もしくは段階的に拡大するように形成し、上記各濃バーナの濃火炎による加熱によって上記淡バーナからの希薄混合気を燃焼させる一方、上記希薄混合気の余剰空気によって上記濃火炎を完全燃焼させる構成とした(請求項1)。
【0006】
この請求項1によれば、淡バーナから噴出された希薄混合気が燃焼空間の下流側にいくに従い濃火炎に接触して加熱されて燃焼反応が進行し、この燃焼反応の進行に伴い燃焼ガスが熱膨張しても、燃焼空間が上流から下流にいくに従い拡大するように形成しているため、燃焼ガスの断面流速の増加が抑制され、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加が抑制されることになる。つまり、空間的な燃焼負荷の増大を抑えるように制御して、燃焼ガスの断面流速の増加に伴う燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することが可能になる。しかも、これらの燃焼ガスの断面流速の増加抑制の度合を、燃焼空間の拡大の度合を調整することにより、所定のものに制御し得ることになる。また、濃火炎による加熱によって希薄混合気が燃焼される一方、その希薄混合気の余剰空気によって上記濃火炎が完全燃焼されるため、空気過剰率が極めて高い可燃限界近傍の超希薄混合気であっても安定的に燃焼させることが可能になり、これにより、高TDR(ターンダウンレシオ;燃料の質量流量の最小値と最大値との比、燃焼範囲の広狭となって表れる)や、低NOx燃焼を実現させることが可能になる。
【0007】
上記発明をより具体化した構成として、燃焼空間として上流側から下流側に向けて断面積が増大する円錐状に区画形成し、濃バーナを上記燃焼空間の外周面から濃火炎を内周側に向けて形成するように配設することもできる(請求項2)。
あるいは、燃焼空間として外周側の内面を円筒状の周面により区画する一方、内周側の内面を中心側位置に配設された濃バーナの外周面により区画し、上記濃バーナを、上流側から下流側に向けて断面積が低減する円錐状に形成し、かつ、濃火炎が外周側に向けて形成される構成とすることもできる(請求項3)。
【0008】
以上の請求項2又は請求項3の濃バーナの濃火炎形成部に対し、濃火炎の上流側位置に希薄混合気の流れから濃火炎を保護する保炎板を突出して配設するようにしてもよい(請求項4)。この場合には、濃火炎の基部が保炎板により保護されるため、希薄混合気の噴出速度が速くても、その希薄混合気の流れにより濃火炎が不安定化することなく、安定した濃火炎が形成され希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることが可能になる。
【0009】
また、上記の請求項2又は請求項3の濃バーナを濃火炎形成部が上流側から下流側に向けて階段状になるように形成してもよい(請求項5)。この場合には、階段状の各段差により濃火炎の基部が保護されることになるため、上記の請求項4の保炎板を追加しなくても、濃火炎を安定して形成し希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることが可能になる。
【0010】
以上の請求項1〜請求項5のいずれかの濃バーナとしては、上下流両側の各段の両濃火炎が互いに干渉しない位置に形成される構成とするのが好ましい(請求項6)。この場合には、多段配置とされる各濃火炎に対する希薄混合気の接触面積が増大するため、希薄混合気及び濃混合気をより確実に完全燃焼させ得て、NOx発生量の低減化や未燃成分の発生の抑制が図られることになる。
【0011】
また、以上の請求項1〜請求項6のいずれかの燃焼空間の内面に対し、希薄混合気の流れを濃バーナの濃火炎の側に向ける流れ制御板を設けるようにしてもよい(請求項7)。この場合には、濃バーナが燃焼空間を挟む一側に設けられている場合には、他側位置に上記流れ制御板を設けることにより、燃焼空間に噴出される希薄混合気をより積極的に濃火炎と接触させることが可能になり、希薄混合気の燃焼反応の進行をより促進させることが可能になる。
【0012】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の多段燃焼装置によれば、燃焼空間が上流から下流にいくに従い拡大するように形成しているため、希薄混合気の燃焼反応の進行に伴い燃焼ガスが熱膨張しても、燃焼ガスの断面流速の増加を抑制することができ、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することができる。しかも、これらの燃焼ガスの断面流速の増加抑制の度合を、燃焼空間の拡大の度合を調整することにより、所定のものに制御することができるようになる。また、希薄混合気を完全燃焼させることができるため、高TDRや低NOx燃焼を実現させることができる。
【0013】
請求項2又は請求項3によれば、上記請求項1の燃焼空間をより具体的に特定することができ、上記請求項1による効果をより具体的に得ることができるようになる。
【0014】
請求項4によれば、上記請求項2又は請求項3において保炎板により濃火炎の基部を保護することができ、噴出された希薄混合気の流れにより濃火炎を不安定化させることなく、安定した濃火炎の形成により希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることができるようになる。
【0015】
請求項5によれば、上記請求項2又は請求項3において濃バーナを階段状に形成することにより、請求項4の如き保炎板を設けることなく、濃火炎の基部を保護することができ、上記と同様に濃火炎の安定的形成により希薄混合気の燃焼反応をより確実に進行させることができるようになる。
【0016】
請求項6によれば、上記請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、多段配置とされる各濃火炎に対する希薄混合気の接触面積を増大させることができ、希薄混合気及び濃混合気をより確実に完全燃焼させることができるようになる。
【0017】
請求項7によれば、以上の請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、流れ制御板を設けることにより、燃焼空間に噴出される希薄混合気をより積極的に濃火炎と接触させることができ、希薄混合気の燃焼反応の進行をより促進させることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る多段燃焼装置を示し、2は内筒21及び外筒22を有し二重筒状に構成されたハウジング、3はハウジング2の中心軸Xに沿って配設された濃バーナ、4はこの濃バーナ3と上記ハウジング2の内筒21との間に区画形成されたドーナッツ筒状の燃焼室、5はこの燃焼室の下流端側(同図において上端側)に配設された加熱対象である熱交換器、6は上記燃焼室4の上流端側(同図において下端側)に配設された淡バーナである。
【0020】
上記ハウジング2の内外の両筒21,22間には冷却媒体として水を用いる冷却水室7が区画形成され、この冷却水室7は入口7aから供給された水により上記燃焼室4の外周壁を構成する内筒21を冷却し、燃焼熱により加熱される内筒21との間での熱交換により予熱された水を出口7bから上記熱交換器5に供給するようになっている。また、上記濃バーナ3の内部には冷却水配管8が濃火炎形成部31を構成する壁の内面に接触した状態で配設され、冷却水配管8に通される冷却水により上記濃火炎形成部31の冷却を行うようになっている。
【0021】
上記濃バーナ3は、燃焼室4の上流側から下流側に向けて断面積が徐々に減少するような所定の傾斜角αを有する円錐状に形成されており、これにより、燃焼室4の燃焼空間41が上流側から下流側に向けてその断面積が所定の変化率(上記傾斜角度αに相当する拡がり角度)で徐々に増大されるように形成されている。上記濃バーナ3の内部には濃混合気が供給されるガス室32を有し、外周面には濃火炎形成部31が設定されている。この濃火炎形成部31には、燃焼室4の上流側から下流側にかけて複数の炎孔33,33,…が多段(少なくとも2段;図1には7段の例を図示している)に設定されている。つまり、上記濃火炎形成部31には、燃焼室4の上流側から下流側にかけて所定間隔を隔てた各段毎に炎孔形成位置が設定され、各炎孔形成位置毎に上記中心軸Xを中心として放射方向に多数の炎孔33,33,…が形成されている。これにより、上記濃バーナ3は、上記ガス室32に供給された濃混合気Rが各炎孔33から吐出されて燃焼空間4に対し上流側から下流側にかけて濃火炎9を多段に形成するようになっている。また、上記の各炎孔33の下側位置(燃焼空間4の上流側位置)には保炎板34が濃火炎形成部31の外周面から突出して形成され、これにより、各濃火炎9の基部を上記淡バーナ6から噴出される希薄混合気Lにより乱されないように保護して安定させるようになっている。なお、上記上下流方向に相隣接する各段の炎孔31は上下流方向に両濃火炎9,9が互いに干渉しない程度に離して位置設定されている。これにより、希薄混合気Lと各濃火炎9とが確実に接触し得るようにしている。
【0022】
上記淡バーナ6は上記燃焼室4の上流端面(図1の下端面)に多数の噴孔61,61,…が燃焼空間41に臨んで開口するように配設されたものである。そして、上記淡バーナ6は、ドーナッツ環状のガス室62に供給された希薄混合気Lが各噴孔61から燃焼空間41に向けて上方に所定の噴出速度で噴出されるようになっている。
【0023】
上記の濃バーナ3のガス室32に供給される濃混合気Rと、淡バーナ6のガス室62に供給される希薄混合気Lとは、燃料ガス(例えばプロパン)と空気とが所定の燃料濃度で予混合されて空気過剰率が1未満の濃混合気Rと、1以上の希薄混合気Lとが生成されるようになっている。なお、濃混合気R及び希薄混合気Lの混合燃料はプロパン等の気体燃料であっても石油等の液体燃料であってもよい。液体燃料の場合には気化させた後に空気と予混合すればよい。そして、上記希薄混合気Lは所定の供給圧(流量)でガス室62に供給されて各噴孔61からこの希薄混合気Lの燃焼速度よりも速い噴出速度で噴出されるようになっている。すなわち、各噴孔61位置に希薄混合気Lによる淡火炎を形成させずに、つまり淡火炎が保持されずに上記燃焼空間41に向けて噴出され、この燃焼空間41において多段に形成される濃火炎9,9,…により加熱されて順次燃焼反応が生じるような噴出速度に設定されている。このような噴出速度を実現するには、希薄混合気の空気過剰率等に応じて燃焼速度を想定し、この燃焼速度に基づいて所定(例えば燃焼速度の数倍から数十倍)の噴出速度を設定し、この設定した噴出速度になるように希薄混合気Lの供給圧(圧力や流量)を制御するようにすればよい。
【0024】
以上の多段燃焼装置では、燃焼空間41の上流側から下流側にかけて濃火炎9,9,…が外周側に向けて多段に形成された状態で、上記燃焼空間41の上流端側から希薄混合気Lが下流に向けて上記の所定の噴出速度で噴出される。つまり、各濃火炎9の延びる方向に対し略直交して交差する方向に希薄混合気Lが噴出される。すると、噴出された希薄混合気Lは各噴孔61位置には火炎を形成せずに、下流側にいくに従い濃火炎9に接触して加熱されて燃焼反応が進行し、熱交換器5手前の燃焼空間41内において希薄混合気L及び濃混合気Rは共に燃焼を完結して完全燃焼される。つまり、濃火炎9,9,…による加熱によって上記淡バーナ6からの希薄混合気Lが燃焼される一方、その希薄混合気Lの余剰空気によって上記濃火炎9,9,…が完全燃焼されることになる。このため、空気過剰率が2.0近傍というような可燃限界近傍の超希薄混合気であっても安定的に燃焼させることが可能になり、これにより、極めて高いTDR(例えば1:10以上)や、低NOx燃焼(例えば30ppm以下;O2=0%換算)を実現させることが可能になる。そして、燃焼ガスが上記熱交換器5に流入してその燃焼熱により熱交換器5が加熱される。
【0025】
上記の燃焼反応の進行の際に、燃焼空間41が下流側にいくに従いその断面積が拡大するようにされているため、燃焼反応の進行に伴い熱膨張しても燃焼ガスの断面流速の増加が抑制され、これにより、燃焼騒音の増大や未燃成分の増加を抑制することができるようになる。つまり、燃焼空間41の下流側に向けての拡がりの度合を調整することにより、上記燃焼ガスの断面流速を上流から下流へ向けて一定にしたり、上流側断面の流速に比して下流側断面の流速を所定増加量もしくは減少量のある範囲に抑えたりというように制御し得ることになる。
【0026】
このような制御において、燃焼ガスの断面流速と、燃焼空間41の拡がり角度(本実施形態では濃バーナ3の傾斜角度αに相当)βとの関係の一例を示すと、燃焼ガスの断面流速として最上流断面の流速をV、最下流断面の流速をVoとした場合、Vo=(V/2)〜3Vとするには、β=55度〜5度に設定すればよい。つまり、燃焼空間41の拡がり角度βを大きくする程、最上流断面流速Vに対する最下流断面流速Voの比率を小さくすることができ、また、所定の拡がり角度βを設定することにより、最上流断面流速Vと最下流断面流速Voとを等しくすることができる。そして、燃焼空間41の拡がり角度βがあまりに小さいと、最下流断面流速Voが最上流断面流速Vに比してかなり速くなる。しかし、この場合であっても、従来の如き燃焼空間の断面積が上流から下流まで略一定の場合(図8参照)と比して、燃焼ガスの断面流速の増加抑制を図ることができ、その増加抑制の分だけ上記の効果を得ることができる。
【0027】
なお、上記の燃焼反応の進行の際に、燃焼空間41を区画形成するハウジング2の内筒21と、濃バーナ3の濃火炎形成部31とが共に冷却水により冷却され、これらに接触して燃焼炎が冷却作用を受けるため、これによっても、低NOx燃焼が実現される。
【0028】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第2実施形態は濃バーナ3aとしてその濃火炎形成部31aが階段状に形成されたものを用いる点でのみ第1実施形態と異なり、他の構成要素は第1実施形態と同じである。
このため、第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】
上記濃バーナ3aは燃焼空間41の上流端側(図2の下端側)から下流端側(同図の上端側)に行くに従い外径が段階的に減少する円筒を順に積み重ねたように形成されたものである。そして、上記濃火炎形成部31aは、上記外径が変化する段差毎にその付け根位置に濃混合気Rが吐出される炎孔33,33,…を形成したものである。このように各炎孔33の位置を上記の如く各段差の付け根位置に設定したことにより、各炎孔33に形成される濃火炎の基部が保護されるため、第1実施形態における保炎板34(図1参照)を省略することができるようになる。
【0030】
なお、この第2実施形態での燃焼空間41の拡がり角度βは、上記濃火炎形成部31aの平均傾斜角度によって定まることになる。
【0031】
この第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
【0032】
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第3実施形態は燃焼空間41内において希薄混合気Lの流れを濃バーナ3aの濃火炎9,9,…の側に向ける流れ制御板10,10,…が設けられている点でのみ上記第2実施形態と異なり、他の構成要素は第1及び第2実施形態と同じである。このため、第1及び第2実施形態と同じ構成要素には、第1及び第2実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
上記流れ制御板10,10,…はそれぞれ内径を異ならせたドーナッツ環状板により構成され、それぞれ外周部がハウジング2の内筒21の内周面に対し固定されている。各流れ制御板10は内筒21の内周面に沿って上昇する希薄混合気Lの流れを多段位置毎に形成される濃火炎9,9,…の方に向けて流れるように変更させるものであり、上記各段の濃火炎9,9,…に対応して位置設定されている。また、上記流れ制御板10,10,…の内径は、各内周面と、同じ水平面での濃火炎形成部31aの外周面との間のドーナッツ状の開口面積が上流側から下流側に向けて順に増加するように設定されている。
【0034】
この第3実施形態の場合、第1及び第2実施形態による作用・効果に加えて、淡バーナ6から噴出される希薄混合気Lの内、燃焼空間41の濃バーナ3aとは離れた側の内筒21の内周面側に沿って上昇する希薄混合気Lを濃火炎9,9,…の側に流れるように制御することができ、希薄混合気Lを濃火炎9,9,…と積極的に接触させて希薄混合気Lの燃焼反応の促進を図ることができる。
【0035】
なお、上記の流れ制御板10としては、上記の如くドーナッツ環状板により構成するのではなくて、円弧状の板により構成して内筒21の周方向の一部に固定するようにしてもよい。この場合でも、希薄混合気Lを内筒21の内周面側から濃火炎9,9,…の側に流れを変えることができる。また、本第3実施形態の流れ制御板10を第1実施形態に付加してもよい。
【0036】
<第4実施形態>
図4は、本発明の第4実施形態に係る多段燃焼装置を示す。この第4実施形態は上記の第3実施形態に対しさらに第2淡バーナ11を付設したものであり、その他の点は第3実施形態と同じである。このため、第3実施形態と同じ構成要素には、第3実施形態と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
上記第2淡バーナ11はドーナッツ円筒状に構成されて内筒21の内周面側位置に配設されたものである。そして、上記第2淡バーナ11は、内周壁111の背後にガス室112が区画形成され、上記内周壁111に対し燃焼空間41に向けて希薄混合気Lを噴出する噴孔113,113,…が形成されている。各噴孔113の位置は各流れ制御板10の直ぐ上側位置に設定され内周側に向けて希薄混合気Lが噴出されるようになっている。上記ガス室112には例えば弁の開閉切換えにより第1淡バーナ6のガス室62と同時に、あるいは、いずれか一方を選択して希薄混合気Lが所定の供給圧で供給されるようになっている。
【0038】
この第4実施形態の場合には第3実施形態と同様の作用・効果に加えて、次のような作用・効果が得られる。例えば、当初は第1淡バーナ6からだけ希薄混合気Lを噴出させて燃焼作動させ、その途中で、燃焼状況(昇温度合等)に応じて第2淡バーナ11からも希薄混合気Lを噴出させたり、あるいは、当初から第1及び第2の両淡バーナ6,11から希薄混合気Lを噴出させたりというように、燃焼空間41に対し希薄混合気Lを噴出させる範囲を変更調整することができるようになる。
【0039】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜第4実施形態では、ハウジング2,2aの横断面形状を円形にして燃焼空間41を円環状に構成しているが、燃焼空間の横断面形状自体は円環状に限らず他の種々の形状を採用してもよい。例えば、燃焼空間の横断面形状として矩形,三角形もしくは多角形等を採用してもよい。
【0040】
上記第1〜第4実施形態では、淡バーナ6の各噴孔61から希薄混合気Lを上方(燃焼空間の下流側)に向けて噴出させているが、各噴孔61の向きをさらに周方向にも所定量だけ傾けることにより燃焼空間41に対し希薄混合気Lが旋回流となって噴出させるようにしてもよい。
【0041】
上記第1〜第4実施形態では、燃焼空間41の下流側を上に、上流側を下にした状態で説明したが、燃焼空間41の上下流方向が横向きになるようにして多段燃焼装置を使用してもよい。
【0042】
上記第1〜第4実施形態では、濃バーナ3,3aを燃焼空間41の中心側位置(内周側位置)に配設したものを示したが、逆に燃焼空間の外周側位置に配設するようにしてもよい。このような例としては次のような種々の形態を採用することができる。
【0043】
第1として、図5に示すように、ハウジング2bを淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けて拡がるラッパ状に形成し、このハウジング2bの内周面に沿って螺旋状に配設した濃混合気供給パイプ31bによって濃バーナ3bを構成する。この濃混合気供給パイプ31bが濃火炎形成部を構成することになる。そして、この濃混合気供給パイプ31bに対し所定間隔毎に炎孔33bを斜め上方(斜め下流側)に向けて開口させて、濃火炎9,9,…を燃焼空間41の周囲の多段位置から斜め上方に向けて形成する。この場合、淡バーナ6aから噴出される希薄混合気Lが各濃火炎9により加熱されて順次燃焼反応が進行し図5に符号42で示す領域で燃焼されることになる。また、各炎孔33bが斜め上方に向けて開口されているため、上方(燃焼空間の下流側)に向けて噴出される希薄混合気Lの流れの影響を受け難くなり、濃火炎9,9,…の保炎性能を向上させることができる。さらに、燃焼空間41の外周側に位置する濃混合気供給パイプ31bが螺旋状に燃焼空間の下流側に向けて配設されているため、燃焼空間41の外周側に沿って流れる希薄混合気Lを濃火炎9,9,…に導く流れ制御板(例えば図3の符号10参照)と同様の効果を得ることができることになる。なお、上記濃混合気供給パイプ31bに対し上流側(図面の下側)及び下流側(図面の上側)の双方から濃混合気Rを供給してもよいし、上記濃混合気供給パイプ31bに対し上流側(図面の下側)から濃混合気Rを供給し、下流側(図面の上側)を閉塞させるようにしてもよい。この場合には、炎孔33bの孔径を下流側にいくに従い小さくなるように設定すればよい。
【0044】
第2として、図6に示すように、円筒状のハウジング2cの内部に、淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けてラッパ状に拡がるように螺旋状にかつ互いに密着させて巻回した濃混合気供給パイプ31cを配設し、この濃混合気供給パイプ31cによって濃バーナ3cを構成すると同時に、燃焼空間41をも区画形成する。なお、この濃混合気供給パイプ31cにより濃火炎形成部が構成される。そして、この濃混合気供給パイプ31cに対し上記と同様に所定間隔毎に炎孔33cを斜め上方(斜め下流側)に向けて開口させて、濃火炎9,9,…を燃焼空間41の周囲の多段位置から斜め上方に向けて形成する。これにより、淡バーナ6aから噴出される希薄混合気Lが各濃火炎9により加熱されて順次燃焼反応が進行し燃焼空間41の中心軸に沿った領域42で燃焼されることになる。なお、各炎孔33cが斜め上方に向けて開口されている点、燃焼空間41の外周側に位置する濃混合気供給パイプ31cが螺旋状に燃焼空間の下流側に向けて配設されている点による作用・効果は上記と同様である。
【0045】
第3として、図7(a)に示すように濃バーナ3d自体を、淡バーナ6aが配設された上流端側から下流側(同図の上方側)に向けて拡がるラッパ状に形成し、この濃バーナ3dにより燃焼室4を区画形成するようにしてもよい。そして、燃焼空間41の内周側(中心軸側)に向けて濃混合気Rを吐出させて濃火炎を形成する。
【0046】
第4として図7(b)に示すように濃バーナ3eは円筒状に形成するものの、内部に円錐状の部材12を配設し、上記濃バーナ3eと円錐状部材12とで燃焼室4を区画形成するようにしてもよい。そして、濃バーナ3eの内周面から円錐状部材12に向けて濃混合気Rを吐出して濃火炎を形成する一方、円錐状部材12の下端周囲から燃焼空間41に向けて上方に希薄混合気Lを噴出させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面説明図である。
【図2】第2実施形態を示す図1対応図である。
【図3】第3実施形態を示す図1対応図である。
【図4】第4実施形態を示す図1対応図である。
【図5】他の実施形態を示す断面説明図である。
【図6】図5以外の他の実施形態を示す図5対応図である。
【図7】図5及び図6以外の他の実施形態を示す断面説明図であり、図7(a)はラッパ状濃バーナを採用した場合、図7(b)は円筒状濃バーナを採用した場合をそれぞれ示す。
【図8】従来の多段燃焼装置を示す図1対応図である。
【符号の説明】
3,3a〜3e 濃バーナ
4 燃焼室
6,6a,11 淡バーナ
9 濃火炎
10 流れ制御板
31,31a 濃火炎形成部
31b,31c 濃混合気供給パイプ(濃火炎形成部)
33 濃混合気の炎孔
34 保炎板
41 燃焼空間
61 希薄混合気の噴孔
L 希薄混合気
R 濃混合気
Claims (7)
- 燃料と空気との混合気であって燃料濃度の高い濃混合気と、燃料濃度の低い希薄混合気とを燃焼室に向けて個別かつ同時に噴出させて燃焼させる濃淡燃焼方式に構成され、上記濃混合気を噴出させて燃焼させる濃バーナが上記燃焼室の燃焼空間に対し上流から下流にかけて濃火炎を多段に形成するように配設される一方、上記希薄混合気を噴出させる淡バーナが希薄混合気を上記濃バーナにより形成される濃火炎の延びる方向に対し交差する方向に噴出させるように上記燃焼空間の上流側位置に配設されている多段燃焼装置であって、
上記燃焼室はその燃焼空間の断面積が上流から下流にいくに従い連続的もしくは段階的に拡大するように形成され、
上記各濃バーナの濃火炎による加熱によって上記淡バーナからの希薄混合気を燃焼させる一方、上記希薄混合気の余剰空気によって上記濃火炎を完全燃焼させるように構成されている
ことを特徴とする多段燃焼装置。 - 請求項1に記載の多段燃焼装置であって、
燃焼空間は上流側から下流側に向けて断面積が増大する円錐状に区画形成され、濃バーナは上記燃焼空間の外周面から濃火炎を内周側に向けて形成するように配設されている、多段燃焼装置。 - 請求項1に記載の多段燃焼装置であって、
燃焼空間は外周側の内面が円筒状の周面により区画される一方、内周側の内面が中心側位置に配設された濃バーナの外周面により区画されており、
上記濃バーナは、上流側から下流側に向けて断面積が低減する円錐状に形成され、かつ、濃火炎を外周側に向けて形成するように構成されている、多段燃焼装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の多段燃焼装置であって、
濃バーナの濃火炎形成部には、濃火炎の上流側位置に希薄混合気の流れから濃火炎を保護する保炎板が突出して配設されている、多段燃焼装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の多段燃焼装置であって、
濃バーナは濃火炎形成部が上流側から下流側に向けて階段状になるように形成されている、多段燃焼装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の多段燃焼装置であって、
濃バーナは、上下流両側の各段の両濃火炎が互いに干渉しない位置に形成されるように構成されている、多段燃焼装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の多段燃焼装置であって、
燃焼空間の内面には、希薄混合気の流れを濃バーナの濃火炎の側に向ける流れ制御板が設けられている、多段燃焼装置。
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