JP3702440B2 - マイケルソン干渉計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スペクトルの測定を行うことで被測定物の精密測定を行う分光器に使用され、試料の分光分析や光通信の波長モニタリングに適したフーリエ変換分光用干渉計あるいは移動距離測定器として用いられるマイケルソン干渉計に係り、特に、光路差の変化に伴って生じる干渉強度の変化からフーリエ分光法により光スペクトルを求めるために用いるマイケルソン干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光のスペクトルを得るためにマイケルソン干渉計を用いたフーリエ変換分光器は、検出結果より試料分析等を行っている。従来のフーリエ変換分光器は、光源からの光をマイケルソン干渉計等に入射し、ビームスプリッタ等によって可変光路と参照光路に分岐された光路間の光路長差によって生じるインターフェログラムを得て、このインターフェログラムをフーリエ変換することにより、前記光源のスペクトルを得るものである。この手法においてマイケルソン干渉計は最重要部分であり、特に、野外で使用するフーリエ変換赤外分光器は軽量、小型、耐環境性、堅牢さが求められる。また、リモートモニタリングにおいては試料からの光を光ファイバケーブルで受けることが必要となる。
【0003】
このような従来のマイケルソン干渉計の一例を図22(a),(b)に示す。
これはアメリカ合衆国特許第5173744号「屈折率走査干渉計(Refractive-ly Scanned Interferometer)」Jens R. Dybwad(Dec.22,1992) に掲載されているマイケルソン干渉計の構成概要面である。図22(a)(b)においてR1は入射平行光、R2は出射平行光、BSはビームスプリッタ面、Tは透過面、L1は可変光路、L2は参照光路、P1は可動プリズム、P2は固定プリズム、M1は可変光路用平面鏡、M2は参照光路用平面鏡を示す。ここで図22に示す従来例の動作を説明する。
【0004】
入射平行光R1は可動プリズムP1に入り、ビームスプリッタ面BSに入射される。ビームスプリッタ面BSで反射された光は可動光路L1上を進み、平面鏡M1で反射され、再び可動光路L1上を進んでビームスプリッタ面BSに入射して透過し、固定プリズムP2へ入る。
【0005】
一方、ビームスプリッタ面BSを透過した入射平行光R1はプリズムP2に入り、参照光路L2上を進み、参照光路用平面鏡M2で反射され、再び参照光路L2を進んだ後に透過面Tで反射される。このとき、可変光路L1と参照光路L2の2つの径路をたどった光が同じ光軸上にあってお互いに干渉するため、マイケルソン干渉計を構成することができる。光路長を変化させるためには、図22(b)で示すように、可動プリズムPlと固定プリズムP2を相対的に移動させている。
【0006】
このとき、移動距離をd、プリズム材料の屈折率をnとすると、図22(b)に示すように、M2の位置はd・sinθだけ変化し、光路長差は2n・d・sinθとなる。従って、この干渉計の入射用光ファイバ束(図示せず)に光源(図示せず)を設置し、出射用光ファイバ束(図示せず)に光検出器(図示せず)を設置すれば、相対移動距離に対する光強度の変化であるインターフェログラムを測定でき、このインターフェログラムに対してフーリエ変換を行うことによって光源のスペクトルを得ることができる。この場合、最大移動距離をdMAX とすると、波数分解能は1/(2n・dMAX ・sinθ)で表される。
【0007】
しかし、図22の従来技術においては、プリズム内部で光線光軸が移動することになるため、入射平行光の照射手段または出射平行光の検出手段と干渉計本体を一体化することはできなかった。このため光軸調整を必要とし、また、光路が外気を通過しているため、外部環境変化(湿度の変化等)の影響を受けやすいという欠点があった。この欠点を克服するために、同特許において実施例として示されている従来技術を図23(a)(b)に示す。 図23(a)において、F1は入射用光ファイバ束、F2は出射用光ファイバ束、PM1、PM2は平面鏡、CM1,CM2は曲面鏡、BSはビームスプリッタ面、Tは透過面、P1は平面鏡PM1と曲面鏡CM1とビームスプリッタ面BSをその構成面としているプリズム、P2は平面鏡PM2と、曲面鏡CM2と、透過面Tで構成されているプリズムである。
【0008】
これらのプリズムには各光ファイバ束F1,F2を導入し設置するための細孔B1,B2と、プリズムが近接して並べられた面に設けられ、かつ曲面鏡CM1,CM2の焦点付近にある微小鏡スポットS1とS2であり、dはプリズムの相対移動距離であり、θはプリズムP2における透過面Tと平面鏡PM2間の傾き角度である。ここで図23(b)に示す従来例の動作を説明する。
【0009】
細孔Blを経由している入射用光ファイバ束F1からの光は、発散しながら微小鏡S1で反射された後、曲面鏡CM1でコリメートされて平行光となり、ビームスプリッタ面BSに入射される。ビームスプリッタ面BSで反射された平行光は平面鏡PM1で反射され、再びビームスプリッタ面に入射して透過し、プリズムP2へ入る。平行光は曲面鏡CM2において収束光に変換され、微小鏡S2に反射され、出射用光ファイバ束F2の端面に集光され、外部に取り出される。
【0010】
一方、ビームスプリッタ面BSを透過した平行光はプリズムP2に入り、平面鏡PM2で反射された後に透過面Tで反射されて曲面鏡CM2に入射し、収束光に変換されて微小鏡S2で反射され、出射用光ファイバ束F2の端面に集光され、外部にとりだされる。このように、入射用光ファイバ束F1から出て2つの径路をたどった光が出射用光ファイバF2に到達し干渉するため、マイケルソン干渉計を構成することができる。光路長を変化させるためにはプリズムPlとプリズムP2を相対的に移動させる。このときの移動距離をd、プリズム材料の屈折率をnとすると、図に示すように、この位置はd・sinθだけ変化し、光路長差は2n・d・sinθとなる。
【0011】
従って、この干渉計の入射用光ファイバ束に光源を設置し、出射用光ファイバ束に光検出器を設置すれば、相対移動距離に対する光強度の変化であるインターフェログラムを測定でき、このインターフェログラムに対してフーリエ変換を行うことによって光源のスペクトルを得ることができる。この場合、最大移動距離をdMAX とすると、波数分解能は1/(2n・dMAX ・sinθ)で表される。この発明においては入射光と出射光を光ファイバでやり取りし、外部環境変化の影響を受けにくく、遠隔測定が可能である構成としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のマイケルソン干渉計では、つぎのような問題点が発生した。
図22におけるマイケルソン干渉計においては、最大移動距離dMAX に対して光路長差は2n・dMAX ・sinθを走査することができるが、波数分解能は光路長差が大きいほど高くなる。そのため、高分解能を達成するためには長距離を移動できるプリズム移動手段が必要であるが、従来のマイケルソン干渉計の構成では、大型かつ高価となってしまった。
【0013】
また、図23のようなマイケルソン干渉計については、図22の従来技術において、平行光線の照射手段または出射平行光の検出手段と干渉計を一体化できなかった欠点を克服し、入射光と出射光を光ファイバでやり取りし、外部環境変化の影響を受けにくく、遠隔測定を可能にしているが、プリズム内部に微小反射鏡や、光ファイバ導入用細孔等があり、光路を一部遮っているために、10%程度の損失が避けられなかった。また、プリズムの相対移動によって光路を遮蔽している微小鏡の重なりが変化するために損失の変動が大きく、正確なインターフェログラムを得るのが困難であった。
【0014】
さらに、図22の構成ではプリズムの移動に対して光軸が変化することに起因して、移動距離が大きい場合には集光位置の変化が無視できなくなり、検出効率が低下するため、プリズムの移動距離には制限があり、結果的に波数分解能に上限があった。さらに、図23の構成ではプリズムをほとんど貫通する深い細孔と、微小鏡を形成するための作業が必要であり、製作コストを高めていた。さらに、深い細孔と微小鏡を光路内部に設置しているため作製する薄さには限界があり、また、微小鏡や細孔による遮蔽の比率を低く抑えるためにはビームの垂直方向の径を広げざるを得ず、プリズムの厚みを減らすことには限界があった。
【0015】
さらに、図22における従来技術と同様に、図23の干渉計においても最大移動距離dMAXに対して光路長差は2n・dMAX・sinθを走査することができる。しかし、波数分解能は光路長差が大きいほど高くなるため、高分解能を達成するためには長距離を移動できるプリズム移動手段が必要であり、このマイケルソン干渉計では、大型かつ高価となっていた。
【0016】
本発明の目的は、このような点に鑑み創案されたもので、出力される光線の位置を一定とすることで一体型のマイケルソン干渉計を構成でき、さらに、プリズムの移動距離dに対する光路長差変化の長距離化により高波数分解能を達成し、小型かつ安価な屈折率走査型として用いるマイケルソン干渉計を提供することにある。また、微小鏡と細孔の作製を不要にして、微小鏡と細孔が光路を遮蔽することによる損失と、プリズムの相対移動に伴う遮蔽比率の変化をなくし、プリズムの相対移動距離に対する光路長変化の長距離化により高波数分解能を達成し、無損失で正確、安価、薄くて軽量な屈折率走査型として用いるマイケルソン干渉計を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1において、本発明に係るマイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1プリズム反射面、第1平面、第2平面を有する第1プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線出射面、第2プリズム反射面、第3平面、第4平面を有する第2プリズム柱体と、前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズム柱体の第3平面とを隣接して配置し、その隣接する前記第1平面および前記第3平面に沿って設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタと、前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けられた光線入射手段と、前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けられた光検出手段と、前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段と、を備えるものである。
そして、前記第1プリズム柱体は、前記光線入射面から入射された光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に、前記第1プリズム反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第2平面を有し、前記第2プリズム柱体は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に反射する位置に、前記第2プリズム反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第4平面を有し、前記光線入射手段、前記光線入射面、および、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第1プリズム反射面を反射曲面として形成し、かつ、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、および、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第2プリズム反射面を反射曲面として形成し、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体は、前記第1平面および第3平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である
【0018】
このような構成にすることで、光線入射手段から第1プリズム柱体およびビームスプリッタを介して第2プリズム柱体を経由する光線が、両プリズムの相対的な移動により参照光路および可変光路を光を損失されることなく変動もなく検出手段に到達することができる。また、光線の出力側では、常に一定の位置に平行光を収束させた光線を反射することができる。
なお、前記光線入射手段に設ける変換手段は、変換レンズであっても良い。
【0019】
さらに、請求項2において、マイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1スラブ反射面、第1平面、第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線出射面、第2スラブ反射面、第3平面、第4平面を有する第2スラブ型導波路板と、前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを隣接して配置し、その隣接する前記第1平面および前記第3平面に沿って設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタと、前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けられた光線入射手段と、前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けられた光検出手段と、前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段と、を備えるものである。
そして、前記第1スラブ型導波路板は、前記光線入射面から入射された光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に、前記第1スラブ反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第2平面を有し、前記第2スラブ型導波路板は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に反射する位置に、前記第2スラブ反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第4平面を有し、前記光線入射手段、前記光線入射面、および、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第1スラブ反射面を反射曲面として形成し、かつ、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面および前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第2スラブ反射面を反射曲面として形成し、前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板は、前記第1平面および第3平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である。
【0020】
このような構成にすることで、光線入射手段から第1スラブ型導波路板およびビームスプリッタを介して第2スラブ型導波路板を経由する光線が、両プリズムの相対的な移動により参照光路および可変光路において、光を損失されることなく変動もなく検出手段に到達することができる。さらに、このように導波路構造にしたことによって、プリズムを用いた従来方法と比較して格段の薄型化および軽量化が可能になる。そして、導波路は通常リソグラフィー技術を用いて作製されるため大量生産が可能で、安価となる。なお、スラブ型導波路板を使用するマイケルソン干渉計は、前記光線入射手段と前記光検出手段のいずれかに前記変換手段を設けると都合が良い。そして、前記光線入射手段および光検出手段の前記変換手段は、変換レンズであっても良い。
【0021】
また、請求項3において、マイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1平面および第2平面を有する第1プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面および光線出射面を有する第2プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3プリズム柱体と、前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズムの第3平面とを対面させると共に、前記第3プリズム柱体の第5平面と前記第1プリズム柱体の第2平面および前記第2プリズム柱体の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計である。
そして、前記第3プリズム柱体は、前記第1プリズム柱体の前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズム柱体の前記第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第2プリズム柱体の第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である。
【0022】
このように構成することで、各プリズム柱体を光線の光路長変更方向(第2平面および第4平面に対面する第5平面に沿って各プリズム柱体を移動させる方向)に相対的に移動させることで、第3プリズム柱体の両方の第6平面および第7平面が移動し、光線の光路長差を形成することができるため、従来技術に比較して2倍の光路長差を得ることができ、第3プリズム柱体の走査において、光軸は不変であり集光性能に影響はないので第3プリズム柱体の移動距離に制限はなく、高分解能スペクトルを得ることができる。
【0023】
なお、請求項4において、前記マイケルソン干渉計において、光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段を、前記光線入射手段、前記光線入射面、または、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに設けると共に、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、または、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けた構成とした。
【0024】
また、請求項5において、マイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1プリズム反射曲面、第1平面および第2平面を有する第1プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面、第2プリズム反射曲面および光線出射面を有する第2プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3プリズム柱体と、前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズムの第3平面とを対面させると共に、前記第3プリズム柱体の第5平面と前記第1プリズム柱体の第2平面および前記第2プリズム柱体の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計である。
そして、前記第1プリズム柱体の第1プリズム反射曲面は、前記光線入射面からの光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に有し、前記第2プリズム柱体の第2プリズム反射曲面は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に向かって反射する位置に有し、前記第3プリズム柱体は、前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズムの第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である。
【0025】
さらに、請求項6において、マイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1平面および第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面および光線出射面を有する第2スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3スラブ型導波路板と、前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを対面させると共に、前記第3スラブ型導波路板の第5平面と前記第1スラブ型導波路板の第2平面および前記第2スラブ型導波路板の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計である。
そして、前記第3スラブ型導波路板は、前記第1スラブ型導波路板の前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズム柱体の前記第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第2スラブ型導波路板の第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板と、前記第3スラブ型導波路板は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である。
【0026】
このように構成することで、各スラブ型導波路板を光線の光路長変更方向(第2平面および第4平面に対面する第5平面に沿って各プリズム柱体を移動させる方向)に相対的に移動させることで、第3スラブ型導波路板の両方の第6平面および第7平面が移動し、光線の光路長差を形成することができるため、従来技術に比較して2倍の光路長差を得ることができ、第3スラブ型導波路板の走査において、光軸は不変であり集光性能に影響はないので第3スラブ型導波路板の移動距離に制限はなく、高分解能スペクトルを得ることができる。さらに、このような導波路構造にしたことによって、プリズムを用いた従来方法と比較して格段の薄型化および軽量化が可能になる。そして、導波路は通常リソグラフィー技術を用いて作製されるため大量生産が可能で、安価となる。
【0027】
さらに、請求項7において、マイケルソン干渉計において、前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段を、前記光線入射手段、前記光線入射面、または、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに設けると共に、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、または、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けたものである。
【0028】
また、請求項8において、マイケルソン干渉計は、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1スラブ反射曲面、第1平面および第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面、第2スラブ反射曲面および光線出射面を有する第2スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3スラブ型導波路板と、前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを対面させると共に、前記第3スラブ型導波路板の第5平面と前記第1スラブ型導波路板の第2平面および前記第2スラブ型導波路板の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計である。
そして、前記第1スラブ型導波路板の第1スラブ反射曲面は、前記光線入射面からの光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に有し、前記第2スラブ型導波路板の第2スラブ反射曲面は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に向かって反射する位置に有し、前記第3スラブ型導波路板は、前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1スラブ型導波路板の第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2スラブ型導波路板の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板と、前記第3スラブ型導波路板は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたマイケルソン干渉計である。
【0029】
また、請求項9において、請求項1、請求項2、請求項4または請求項7に記載の前記マイケルソン干渉計では、前記光線入射手段と前記光検出手段の少なくとも一方に設ける前記変換手段は、変換レンズである構成としたものである。
【0030】
また、請求項10において、請求項1または請求項2に記載のマイケルソン干渉計では、前記反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかである構成としたものである。同様に、請求項11において、請求項5に記載のマイケルソン干渉計では、前記第1プリズム反射曲面および前記第2プリズム反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかであることや、また、請求項12において、請求項8にマイケルソン干渉計では、前記第1スラブ反射曲面および前記第2スラブ反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかである構成としたものである。
【0031】
さらに、請求項12において、請求項1、請求項2、請求項4または請求項7に記載のマイケルソン干渉計では、前記光線入射面または前記光線出射面に設ける前記変換手段は、透過曲面である構成としたものである。なお、請求項13に記載のマイケルソン干渉計では、前記透過曲面は、透過放物面、透過トロイダル面、透過球面または透過円筒面のいずれかである構成としても構わないものである。
【0032】
なお、前記マイケルソン干渉計の各プリズム柱体あるいは各スラブ型導波路板を、光線の光路長変更方向に相対的に移動自在にさせとは、光線入射手段から第1プリズム柱体または第1スラブ導波路板に入射された光線が、可変光路と参照光路とに光路長を変化させ、そのような光路変化に対する干渉強度の変化を光検出手段により測定できる方向に移動させることをいい、各プリズム柱体あるいは各スラブ型導波路板の一方または他方あるいは両方のどちら側を移動させても良い。
【0033】
また、変換レンズとは、コリメート用レンズや、屈折率分布型レンズであるGRINレンズなどをいい、フレネルゾーンプレート(FZP)なども含むものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。図1で示すように、マイケルソン干渉計1は、第1プリズム柱体A1および第2プリズム柱体B1と、第1プリズム柱体A1に接続した光線入射手段としての光ファイバ2および接続部品3と、第2プリズム柱体B1に接続した光検出手段としての接続部品13および光ファイバ14と、拡散光を平行光に変換し、平行光を収束光に変換する変換手段としての第1および第2プリズム反射曲面(コリメート用回転放物面5、集光用回転放物面12)から構成されている。
【0035】
第1プリズム柱体A1 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。そして、第1プリズム柱体A1 は、その周側面に形成された光線入射面4と、この光線入射面4に隣接する反射曲面(第1の曲面)であるコリメート用回転放物面5と、このコリメート用回転放物面5に隣接する第2反射平面(第2平面)6と、この第2反射平面6に所定角度θの一内角α1 を介して隣接すると共に、光線入射面4に隣接する第1平面7とから構成されている。なお、第1プリズム柱体A1 の上面および下面は、特にその形状を限定されるものではないが、図面では、互いに平行になるように形成されている。
【0036】
光線入射面4は、基準とする水平面に対して垂直に形成され、接続部品3が接続されている。接続部品3に接続されている光ファイバ2の端面の位置は、コリメート用回転放物面5の焦点位置になるように設定されている。
コリメート用回転放物面5は、光ファイバ2の端面から送られ発散する入射光b1 を、平行光b2 として第1平面7側に反射するように、金属蒸着などの手段により鏡面が形成されている。
【0037】
また、第2反射平面6は、平行な反射光b4 に垂直に形成されている。さらに、この第2反射平面6は、金属蒸着などの手段により鏡面が形成されている。第1平面7は、第2反射平面6を基準面としたときに、所定角度θとして、ここではその一例である45度に形成された一内角α1 を介して、第2反射平面6に対して45度の傾斜面となるように形成されている。さらに、第1平面7には、平行光b2 を透過光b3 と、反射光b4 とに分割するビームスプリッタ8を有している。このビームスプリッタ8は、金属または誘電体あるいはその両方などの薄膜を蒸着するなどの形成手段により、所定の透過率と反射率をもたせるように第1平面7上に形成されている。なお、コリメート用回転放物面5は、照射される入射光b1 の照射範囲に対して十分大きな反射面を確保できるように形成されている。第1平面7、ビームスプリッタ8および第2反射平面6の光処理(分割、透過、反射)面も、送られてくる平行光b2 および反射光b4 に対して十分な大きさを確保できるように形成されている。
【0038】
一方、第2プリズム柱体B1は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。この第2プリズム柱体B1は、その周側面に形成した光線射出面11と、この光線射出面11に隣接する反射曲面(第2の曲面)としての集光用回転放物面12と、この集光用回転放物面12に隣接する第3平面9と、この第3平面9に所定角度θの一内角α2を介して隣接すると共に、前記光線出射面11に連続(隣接)して形成される第4反射平面(第4平面)10とから構成されている。なお、ここで一内角α1と一内角α2の値は等しく傾斜角度θである。
【0039】
光線射出面11は、基準となる水平面に対して垂直になるように形成されており、接続部品13が接続される位置に配置されている。接続部品13に接続される光ファイバ14の端面の位置は、集光用回転放物面12の焦点位置になるように設定されている。また、この集光用回転放物面12には、金属蒸着などの手段により鏡面が形成されている。さらに、第4反射平面10は、光線射出面11に連続する同一平面上に形成されており、金属などが蒸着されることで鏡面を形成している。そして、この第4反射平面10は、平行な透過光b3 に垂直になるように形成されている。また、第3平面9は、第4反射平面10を基準面としたときに、所定角度θとして、ここではその一例である45度に形成された一内角α2 を介して、第4反射平面10に対して45度の傾斜面となるように形成されている。
【0040】
つぎに、集光用回転放物面12は、透過光b3 および反射光b4 が重ね合わされた所定幅の平行光b5 を、光ファイバ14の端面に集光できるように形成されている。なお、透過光b3 、反射光b4 および平行光b5 の照射範囲に対して十分大きな反射面を確保できるように、第3平面9、第4反射平面10および集光用回転放物面12は形成されている。
【0041】
前記のように構成された第1および第2プリズム柱体A1 ,B1 は、それぞれの第1平面7と第3平面9とが対面して隣り合い光路長変更方向に移動自在に配置されている。両プリズム柱体A1 ,B1 が移動自在に配置されるとは、隙間を開けて近接させた状態であることや、当接面が摺動して移動できる状態をいう。
なお、両プリズム柱体A1 ,B1 を相対的に移動させる場合は、ここでは第2プリズム柱体を移動させており、その移動機構は、リニアガイドや精密送り機構などを使用する公知の手段により行われる。
【0042】
つぎに、マイケルソン干渉計1の作用を図1および図2を参照して説明する。
図1および図2(a)で示すように、光ファイバ2からの入射光b1 は、発散した状態でコリメート用回転放物面5に到達し、そのコリメート用回転放物面5によって平行光b2 となり、ビームスプリッタ8側に反射される。ビームスプリッタ8では、平行光b2 が、透過光b3 (可変光路)および反射光b4 (参考光路)に分割される。
【0043】
ビームスプリッタ8で分割され、第3平面9を透過して第2プリズム柱体B1 に入射した透過光b3 は、第4反射平面10で反射され、さらに、第3平面9またはビームスプリッタ8側のどちらか一方または両方により反射され集光用回転放物面12側に反射される。一方、反射光b4 は、第2反射平面6で反射されてビームスプリッタ8および第3平面9を透過して第2プリズム柱体B1 に入射する。そして、透過光b3 は、集光用回転放物面12に向かう際に、反射光b4 と重なり合い平行光b5 として集光用回転放物面12に到達する。集光用回転放物面12は、平行光b5 を集光して収束光b6 を、接続部品13を介して光線射出面11に接続されている光ファイバ14の端面に入射させる。
【0044】
つぎに、図2(b)で示すように、第2プリズム柱体B1 を移動距離dだけ矢印の方向に移動機構(図示せず)により平行移動させる。このとき、ビームスプリッタ8で分割された反射光b4 は、第3平面9までの到達する光路距離が、第2プリズム柱体B1 を移動させる前の光路距離と変わらない。これに対し、ビームスプリッタ8を透過する透過光b3 は、第4反射平面10を介して第3平面9に到達するまでの距離が、d・sinθだけ延長される。そのため、光路を連続的に変化させて干渉強度の測定を行うことが可能である。
【0045】
このように、光ファイバ2の端面から照射された光線は、射出されて光ファイバ14に入射されるまで光路中で全く遮蔽されることもなく、遮蔽比が変化することもない。これらのことにより、正確なインターフェログラムが測定できる。
なお、第2プリズム柱体B1 が移動しても、平行光b5 が集光用回転放物面12から集光されて入射する集光点は、回転放物面の幾何学的性質により、常に同じ位置になるため、光ファイバ14に入射される光線は損失することがない。
【0046】
なお、ここで光路長差は、プリズム材料の屈折率をnにすると、2n・d・sinθとなり、フーリエ変換分光の波数分解能は1/(2n・d・sinθ)となる。例えば、具体的な値を用いると、n=1.50、d=0.3cm、θ=45度の場合、最大光路長差は0.64cmである。よって、フーリエ変換分光としての波数分解能は、1.6cm-1となる。もし波長1550nmの近赤外線を照射光として用いた場合には、波長分解能は0.4nmとなる。
【0047】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図3を参照して説明する。図3で示すように、マイケルソン干渉計1aは、第1プリズム柱体A2および第2プリズム柱体B2と、第1プリズム柱体A2に接続した、光線入射手段として接続部品3aを介して備える光ファイバ2aと、接続部品3aに設けた変換手段であるコリメートレンズ5aと、第2プリズム柱体B2に接続した光検出手段としての接続部品13aおよび光ファイバ14aと、平行光を収束光として変換する変換手段としての集光回転放物面12aとから構成されている。
【0048】
第1プリズム柱体A2 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。
そして、第1プリズム柱体A2 は、その周側面に形成された光線入射面4aと、この光線入射面4aに隣接する第2反射平面(第2平面)6aと、この第2反射平面6aに所定角度θの一内角β1 を介して隣接する共に、光線入射面4aに隣接して形成した第1平面7aとから構成されている。なお、第1プリズム柱体A2 の上面および下面は、特にその形状を特定する必要はないが、図面では、互いに平行になるように形成されている。
【0049】
光線入射面4aは、基準とする水平面に対して垂直に形成され、これに接続部品13aが接続されている。また、第2反射平面6aは、平行な反射光b4 に垂直に形成されている。さらに、この第2反射平面6aは、金属等が蒸着などの形成手段により反射面を形成するように構成されている。
【0050】
第1平面7aは、第2反射平面6aを基準面としたときに、所定角度として、ここではその一例である45度に形成された一内角β1 を介して、第2反射平面6aに対して45度の傾斜面となるように形成されている。さらに、この第1平面7aには、平行光b2 を透過光b3 と、反射光b4 とに分割するビームスプリッタ8aを有している。このビームスプリッタ8aは、金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着することによって、所定の透過率と反射率をもたせるように第1平面7a上に形成されている。
なお、第1平面7a、ビームスプリッタ8aおよび第2反射平面6aの光処理(分割、透過、反射)面は、平行光b2 および反射光b4 に対して十分な大きさを確保できるように形成されている。
【0051】
一方、第2プリズム柱体B2 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。この第2プリズム柱体B2 は、その周側面に形成した光線射出面11aと、この光線射出面11aに隣接する反射曲面(曲面)としての集光用回転放物面12aと、この集光用回転放物面12aに隣接する第3平面9aと、この第3平面9aに所定角度θの一内角β2 を介して隣接すると共に、前記光線射出面11aに連続(隣接)する第4反射平面(第4平面)10aとから構成されている。
なお、ここで一内角β1 と一内角β2 の値は等しく所定角度θである。
【0052】
光線射出面11aは、基準となる水平面に対して垂直になるように形成されており、接続部品13aが接続される位置に配置されている。接続部品13aに接続される光ファイバ14aの端面の位置は、集光用回転放物面12aの焦点位置になるように設定されている。また、第4反射平面10aは、ここでは光線射出面11aに連続する同一平面上に形成されており、金属等が蒸着されることで鏡面を形成している。また、集光回転放物面12aも金属等が蒸着されることで鏡面を形成している。そして、この第4反射平面10aは、平行な透過光b3 に垂直になるように形成されている。また、第3平面9aは、第4反射平面10aを基準面としたときに、所定角度θとして、ここではその一例である45度に形成された一内角β2 を介して、第4反射平面10aに対して45度(平行光b5 に対して45度)の傾斜面となるように形成されている。なお、第3平面9a、集光用回転放物面12aおよび第4反射平面10aの光処理(分割、透過、反射)面は、透過光b3 、反射光b4 、平行光b5 および収束光b6 に対して十分な大きさを確保できるように形成されている。
【0053】
つぎに、マイケルソン干渉計1aの作用を説明する。図3および図4(a)で示すように、伝送されて来た光源側からの光は、光ファイバ2aのコリメート用レンズ5aを介して平行光b2 となり、光線入射面4aから第1プリズム柱体A2 に入射し、ビームスプリッタ8aにより透過光(可変光路)b3 と反射光(参照光路)b4 に分割される。透過光b3 は、第2プリズム柱体B2 の第3平面9aを透過して第4反射平面10aにより第3平面9a側に反射され、第3平面9aおよびビームスプリッタ8aの一方または両方により集光用回転放物面12a側に反射される。
【0054】
一方、反射光b4 は、第2反射平面6aにより反射され、第1平面7a、ビームスプリッタ8aおよび第3平面9aを透過して集光用回転放物面12a側に進む。そして、第3平面9aを通過した際に、透過光b3 および反射光b4 は、重なり合わさり、平行光b5 として集光用回転放物面12aに到達し、その集光用回転放物面12aにより集光されて収束光b6 として光ファイバ14aの端面に入光する。
【0055】
つぎに、図4(a)の位置から図4(b)の位置になるように第2プリズムB2 を移動機構(図示せず)により平行移動させた場合は以下のようになる。すなわち、透過光b3 は、第1平面7aから第4反射平面10aまでの距離が、d・sinθ変化し、光路長が2n・d・sinθ増加する。このような光路変化に対する干渉強度の変化を連続して測定し、正確なインターフェログラムを得る。
【0056】
なお、平行光b5 は、回転放物面の中心線に平行であるため、回転放物面の幾何学的性質により、光ファイバ34の端面に入光する集光点は常に同じであり、第2プリズム柱体B2 が移動しても、常に光ファイバ14aへ、集光した光が到達する。このように光の入射されるファイバから出射されるファイバまですべての光路について全く遮蔽されず、プリズムの移動とともに遮蔽率が変化することも当然無い。
【0057】
そして、マイケルソン干渉計1aは、コリメート用レンズ5aを介して光ファイバ2aから第1プリズム柱体A2 に入射光を平行光として入射しているため、光線入射手段の設置位置は、任意であり、焦点を探す等の光軸調整の手間が不要となる。よって製作時において光軸調整が必要なのは、放物面鏡の焦点に光源と光検出器を設置する時のみであり、一度固定すれば、光ファイバ2aが外れない限り2度と調整は不要となる。
【0058】
したがって、製作時に光軸調整がほとんど不要であり、使用開始後の光軸調整は全く不要であるため製作時のコストが削減できて安価であるとともに使いやすいマイケルソン干渉計が実現できる。なお、図1ないし図4で示す変換手段は、反射曲面として回転放物面をその一例に説明したが、球面の構成にすることや、トロイダル面(水平方向の曲率と、垂直方向の曲率が異なる曲面)として構成しても平行光および収束光を得ることが可能となる。さらに、ビームスプリッタ8,8aは、第1平面7,7aに形成された例を示したが、第1平面7、7aと第3平面9,9aの間に別部材として介在させることや、第3平面9,9aに設ける構成としても良い。
【0059】
つぎに、図5ないし図7を参照して、本発明の第3の実施形態を詳しく説明する。図5(a)は本発明の第3の実施形態を示すマイケルソン干渉計の各プリズム柱体の配置を示す平面図、図5(b)は第3の実施形態を示すマイケルソン干渉計の各プリズム柱体の斜視図、図6は、第3の実施形態を示すマイケルソン干渉計の作動状態を示す平面図、図7(a)は、第3の実施形態を示すマイケルソン干渉計の全体を示す平面図、図7(b)は、第3の実施形態を示すマイケルソン干渉計の全体を示す斜視図である。
【0060】
図5および図7で示すように、マイケルソン干渉計1bは、第1プリズム柱体A3 と、第2プリズム柱体B3 と、第3プリズム柱体C3 と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8bと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30bと、光線入射手段としての光ファイバ2bおよび接続部品3bと、光検出手段としての接続部品13bおよび光ファイバ14bと、接続部品3b,13b内に配置した変換手段としてのコリメート用レンズ(変換レンズ)5b、12bとを備えている。
【0061】
図5および図7で示すように、第1プリズム柱体A3 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。そして、第1プリズム柱体A3 は、その周側面に配置され、接続部品3bを介して接続される光ファイバ2bの位置に形成される光線入射面4bと、この光線入射面4bからの光線の光路上に形成され、ビームスプリッタ8bが隣接する第1平面7bと、ビームスプリッタ8bからの反射光の光路上に形成される第2平面6bとを有している。さらに、光ファイバ2bの端面(光線照射面)は、コリメート用レンズ5bの焦点位置に設置されている。
なお、ここでは第1プリズム柱体A3 の形状は、光線入射面4bと、第1平面7bと、第2平面6bとからなる三角柱体に形成されており、また、上面および下面の形状については、図面では平行平面として記載しているが、特に限定されるものではない。
【0062】
図5および図7で示すように、第2プリズム柱体B3 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。そして、第2プリズム柱体B3 は、その周側面に配置され、前記第1平面7bに沿ってビームスプリッタ8bに対面する位置に形成される第3平面9bと、ビームスプリッタ8bからの透過光の光路上で、かつ、前記第2平面6bの延長上に形成される第4平面10bと、ビームスプリッタ8bおよび第3平面9bから送られて来る光線の光路上に形成される光線出射面11bとを有している。さらに、光ファイバ14bの端面(光入射面)は、コリメート用レンズ12bの焦点位置に設置されている。なお、ここでは第2プリズム柱体A3 の形状は、光線出射面11bと、第3平面9bと、第4平面10bとからなる三角柱体に形成されており、また、上面および下面の形状について、図面では平行平面として記載しているが、特に限定されるものではない。
【0063】
図5および図7で示すように、第3プリズム柱体C3 は、上面および下面ならびに周側面で構成されている。そして、第3プリズム柱体C3 は、その周側面に配置され、前記両プリズム柱体A3 ,B3 の第2平面6bおよび第4平面10bとに対面する位置に形成される第5平面21bと、前記ビームスプリッタ8bから反射され第2平面6bおよび第5平面21bを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22bと、前記ビームスプリッタ8bを透過して第4平面10bおよび第6平面21bを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23bとを有している。なお、前記第6平面22bおよび第7平面23bは、光線を反射する鏡面状に形成されている。そして、第3プリズム柱体C3 は、図面では第5ないし第7平面21b,22b,23bからなる三角柱体に形成されており、また、上面および下面の形状については平行平面としているが、その形状および上面と下面の形状については特に限定されるものではない。
【0064】
図5および図7で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30bは、第1プリズム柱体A3 の第2平面6bおよび第2プリズム柱体B3 の第4平面10bと、第3プリズム柱体C3 の第5平面21bの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各プリズム柱体A3 ,B3 ,C3 を形成している部材の屈折率が近いものであれば良く、その一例として各プリズム柱体A3 ,B3 ,C3 を石英で形成した場合に、ここではシリコーンオイル30bを使用しており、第3プリズム柱体C3 と、第1および第2プリズム柱体A3 ,B3 とが毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0065】
図5ないし図7で示すように、ビームスプリッタ8bは、第1プリズム柱体A3 の第1平面6bと、第2プリズム柱体B3 の第3平面9bとの間に接着材等により固定されており、各プリズム柱体A3 ,B3 ,C3 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように形成されている。ビームスプリッタ8bの一例としては、金属や誘電体またはその両方の薄膜を介在させることや、また、透過部材(各プリズム柱体と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、第1平面7bあるいは第3平面9bに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着して形成しても良い。
【0066】
つぎに、光線の光路について説明する。図5および図7で示すように、光ファイバ2bからの拡散光の光線r1 を、コリメート用レンズ5bにより平行光として入射する光線(平行光)r2 は、ビームスプリッタ8bに入射する。そして、ビームスプリッタ8bにより分割され透過した光線r3 は、シリコーンオイル30bを通過して第5平面21bに入射後、第7平面23bで反射され再びシリコーンオイル30bを透過してビームスプリッタ8bヘ向かう。一方、ビームスプリッタ8bで分割され反射された光線r4 は、第2平面6b、シリコーンオイル30b、第5平面21bを透過して、第6平面により反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30b等を透過してビームスプリッタ8bへ向かう。そして、ビームスプリッタ8b側に送られて来た光線r3 ,r4 は、それぞれ合わされて干渉し、出射する光線(平行光)r5 として光線出射面11bのコリメート用レンズ12bにより収束された光線r6 として光ファイバ14bに入射することになる。
【0067】
つぎに本発明の動作について図6を用いて説明する。なお、第1および第2プリズム柱体A3 ,B3 および第3プリズム柱体C3 を相対的に移動させる場合、ここでは第3プリズム柱体C3 を移動させており、その移動機構は、リニアガイドや精密送り機構などを使用する公知の手段により行われる。
第3プリズム柱体C3 を光路長変更方向に距離dだけ直線移動させた場合を考える。このとき、シリコーンオイル30b(屈折率整合液体層)は第1および第2プリズム柱体A3 ,B3 と第3プリズム柱体C3 の間の狭い間隙に挟まれ、毛細管現象により保持されている。ビームスプリッタを透過した光線r3 が第7平面23bで反射されるまでに進む距離はd・sinθだけ増加し、また、ビームスプリッタ8bに反射された光線r4 が第6平面22bに反射されるまでに進む距離はd・sinθだけ減少する。よって光が進む距離の変化はそれぞれ2dsinθの増加と2d・sinθの減少となり、第3プリズム柱体C3 の屈折率をnとして、最大移動距離をdMAX とすると、この光路における最大光路長差は4n・dMAX ・sinθとなる。
【0068】
これは従来技術に比較して波数分解能が2倍に向上したことに相当する。ここで例えば具体的な値を用いると、プリズム8bの材料の屈折率n=1.50、最大移動距離d=0.3cm、θ=45度の場合、最大光路長差dMAX は1.3cmであり、フーリエ変換分光器としての波数分解能は、0.8cm-1となる。例えば、波長1550nmの近赤外線を用いた場合には、波長分解能は0.2nmとなる。
【0069】
なお、図5ないし図7で使用される光線の入射光の形成方向は、レンズ系や、ミラー系など特に手段を問わないが、ここでは、マイケルソン干渉計1bに対して気密にされたレンズ付き光ファイバで入出力を行っており、干渉計中で光路が自由空間を全く経由しないため外部環境変化(湿度変化等)の影響を全く受けない。また、従来技術の欠点であった、光学部品による光路の遮断が生じないため正確な測定値を得ることが出来る。
【0070】
つぎに、図8(a)(b)で示すように、本発明に関わる第4の実施の形態を示す。
図8(a),(b)で示すように、マイケルソン干渉計1cは、第1プリズム柱体A4 と、第2プリズム柱体B4 と、第3プリズム柱体C4 と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8cと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30cと、光線入射手段としての光ファイバ2cおよび接続部品3cと、光検出手段としての接続部品13cおよび光ファイバ14cと、拡散光を平行光に、かつ、平行光を収束光に変換する変換手段としての反射曲面5c,12cとを備えている。
【0071】
第1プリズム柱体A4 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第1プリズム柱体A4 は、その周側面に配置され、接続部材3cを介して接続される光ファイバ2cの位置に形成される光線入射面4cと、この光線入射面4cから入射される光線の光路上に形成される反射曲面(コリメート用回転放物面)5cと、この反射曲面5cからの光線の光路上に形成される第1平面7cと、この第1平面7cに隣接して設けられるビームスプリッタ8cからの反射光の光路上に形成される第2平面6cとを有している。そして、光ファイバ2cの端面(光線照射面)は、反射曲面5cの焦点位置になるように配置されている。なお、第1プリズム柱体A4 は、その上面および下面が、図面では水平平面に示されているが、特に限定されるものではない。
【0072】
一方、第2プリズム柱体B4 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第2プリズム柱体B4 は、ビームスプリッタ8cの対面する位置に形成される第3平面9cと、ビームスプリッタ8cを透過する光線の光路に形成される第4平面10cと、ビームスプリッタ8および第3平面9c側から送られてくる光路上に形成される反射曲面12cと、この反射曲面12cから送られてくる収束光の光路上に配置され、接続部品13cおよび光ファイバ14cの設置位置に形成される光線出射面11cとを有している。また、光ファイバ14cの端面(光入射面)は、反射曲面12cの焦点位置になるように設置されている。なお、第1プリズム柱体B4 は、その上面および下面が、図面では水平平面に示されているが、特に限定されるものではない。
【0073】
さらに、第3プリズム柱体C4 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第3プリズム柱体C4 は、その周側面に配置され、前記両プリズム柱体A4 ,B4 の第2平面6cおよび第4平面10cとに対面する位置に形成される第5平面21cと、前記ビームスプリッタ8cから反射され第2平面6cおよび第5平面21cを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22cと、前記ビームスプリッタ8cを透過して第4平面10cおよび第6平面21cを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23cとを有している。なお、前記第6平面22cおよび第7平面23cは、光線を反射する鏡面状に形成されている。そして、第3プリズム柱体C4 は、図面では第5ないし第7平面21c,22c,23cからなる三角柱体に形成されており、上面および下面の形状については平行平面としているが、その形状および上面と下面の形状については特に限定されるものではない。
【0074】
図8(a),(b)で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30cは、第1プリズム柱体A4 の第2平面6cおよび第2プリズム柱体B4 の第4平面10cと、第3プリズム柱体C4 の第5平面21cの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各プリズム柱体A4 ,B4 ,C4 を形成している部材の屈折率が近いものであれば良く、その一例として各プリズム柱体A4 ,B4 ,C4 を石英で形成した場合に、シリコーンオイル30cを使用しており、毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0075】
図8(a),(b)で示すように、ビームスプリッタ8cは、第1プリズム柱体A4 の第1平面6cと、第2プリズム柱体B4 の第3平面9cとの間に接着材等により固定されており、各プリズム柱体A4 ,B4 ,C4 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように構成されている。ビームスプリッタ8cの一例としては、金属や誘電体またはその両方などの薄膜を介在させることや、また、透過部材(各プリズム柱体と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、ビームスプリッタ8cは、第1平面7cあるいは第3平面9cに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着などの薄膜の形成手段により形成しても良い。
【0076】
つぎに、光線の光路について説明する。図8(a),(b)で示すように、光ファイバ2cにより拡散光として光線入射面4cから入射する光線r1 は、反射曲面5cにより平行光に変換されて反射され光線r2 としてビームスプリッタ8cに入射される。そして、ビームスプリッタ8cにより分割され透過する光線r3 は、第4平面10cおよびシリコーンオイル30cを透過して第5平面21cに入射後、第7平面23cで反射され、透過して来た光路に沿って再びシリコーンオイル30cを透過してビームスプリッタ8cヘ向かう。
【0077】
一方、ビームスプリッタ8cで分割され反射された光線r4 は、第2平面6c、シリコーンオイル30c、第5平面21cを透過して、第6平面により反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30c等を透過してビームスプリッタ8cへ向かう。そして、ビームスプリッタ8c側に送られて来た光線r3 ,r4 は、そのビームスプリッタ8cおよび第3平面により反射され、それぞれ合わされて干渉し光線r5 として反射曲面12cに入射する。さらに、反射曲面12cにより平行光である光線r5 は、変換され収束されて光線r6 として光線出射面11cの光検出手段(接続部品13、光ファイバ14)に出力されることになる。
【0078】
なお、本発明の動作は図6で示す第3の実施形態と同様であり、波数分解能は従来技術の2倍に向上している。また、この第4の実施形態ではマイケルソン干渉計に対して光ファイバ2c,14cを接続部品3c,13cにより各プリズム柱体A4 ,B4 に人出力を行っており、干渉計中で光路が自由空間を全く経由しないため外部環境変化(湿度変化等)の影響を全く受けない。また、従来技術の欠点であった、光学部品による光路の遮断が生じないため正確な測定値を得ることが出来る。
【0079】
つぎに、第5の実施形態を図9(a)、(b)を参照して示す。
図9(a),(b)で示すように、マイケルソン干渉計1dは、第1プリズム柱体A5 と、第2プリズム柱体B5 と、第3プリズム柱体C5 と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8dと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30dと、光線入射手段としての光ファイバ2dおよび接続部品3dと、光検出手段としての接続部品13dおよび光ファイバ14dと、拡散光を平行光に、かつ、平行光を収束光に変換する変換手段として透過曲面5d,12dとを備えている。
【0080】
第1プリズム柱体A5 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第1プリズム柱体A5 は、その周側面に配置され、接続部材3dを介して設置される光ファイバ2dの位置に形成される光線入射面4dと、この光線入射面4dに形成され、光ファイバ2dからの拡散光を平行光として透過させる透過曲面5dと、この透過曲面5dからの光線の光路上に形成される第1平面7dと、この第1平面7dに隣接して設けられるビームスプリッタ8dからの反射光の光路上に形成される第2平面6dとを有している。さらに、光ファイバ2dの端面(光照射端面)は、透過曲面5dの焦点位置になるように設置されている。なお、第1プリズム柱体A5 は、その上面および下面が、図面では水平平面に示されているが、特に限定されるものではない。
【0081】
一方、図9(a),(b)で示すように、第2プリズム柱体B5 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第2プリズム柱体B5 は、ビームスプリッタ8dの対面する位置に形成される第3平面9dと、ビームスプリッタ8dを透過する光線の光路に形成される第4平面10dと、ビームスプリッタ8および第3平面9d側から送られてくる光路上に配置され、接続部品13dを介して設置される光ファイバ14dの配置位置に形成される光線出射面11dと、この光線出射面11dに形成される透過曲面12dとを有している。さらに、前記光ファイバ14dの端面(光入射面)は、透過曲面12dの焦点位置になるように設置されている。なお、第1プリズム柱体B5 は、その上面および下面が、図面では水平平面に示されているが、特に限定されるものではない。
【0082】
さらに、第3プリズム柱体C5 は、上面および下面ならびに周側面から構成されている。そして、第3プリズム柱体C5 は、その周側面に配置され、前記両プリズム柱体A5 ,B5 の第2平面6dおよび第4平面10dとに対面する位置に形成される第5平面21dと、前記ビームスプリッタ8dから反射され第2平面6dおよび第5平面21dを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22dと、前記ビームスプリッタ8dを透過して第4平面10dおよび第6平面22dを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23dとを有している。なお、前記第6平面22dおよび第7平面23dは、光線を反射する鏡面状に形成されている。そして、第3プリズム柱体C5 は、図面では第5ないし第7平面21d,22d,23dからなる三角柱体に形成されており、また、上面および下面の形状について平行平面としているが、その形状および上面と下面の形状については特に限定されるものではない。
【0083】
図9(a),(b)で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30dは、第1プリズム柱体A5 の第2平面6dおよび第2プリズム柱体B5 の第4平面10dと、第3プリズム柱体C5 の第5平面21dの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各プリズム柱体A5 ,B5 ,C5 を形成している部材も屈折率が近いものであれば良く、その一例として各プリズム柱体A5 ,B5 ,C5 を石英で形成した場合に、シリコーンオイル30dを使用しており、毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0084】
図9(a),(b)で示すように、ビームスプリッタ8dは、第1プリズム柱体A5 の第1平面6dと、第2プリズム柱体B5 の第3平面9dとの間に接着材等により固定されており、各プリズム柱体A5 ,B5 ,C5 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように構成されている。ビームスプリッタ8dの一例としては、金属や誘電体またはその両方などの薄膜を介在させることや、また、透過部材(プリズム柱体と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、第1平面7dあるいは第3平面9dに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着して形成しても良い。
【0085】
つぎに、光線の光路について説明する。図9(a)で示すように、光ファイバ2dからの拡散光として照射される光線r1 は、透過曲面5dを介して平行な光線r2 に変換されビームスプリッタ8dに入射される。そして、ビームスプリッタ8dにより分割され、透過光となる光線(平行光)r3 は、第4平面10dおよびシリコーンオイル30dを通過して第5平面21dに入射後、第7平面23dで反射され再びシリコーンオイル30d等を透過してビームスプリッタ8dヘ向かう。
【0086】
一方、ビームスプリッタ8dで分割され反射された光線(平行光)r4 は、第2平面6d、シリコーンオイル30d、第5平面21dを透過して、第6平面により反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30d等を透過してビームスプリッタ8dへ向かう。そして、送られて来た光線r3 ,r4 は、ビームスプリッタ8dおよび第3平面9dにより反射されると共にそれぞれ合わされて干渉し、平行な光線r5 として光線出射面11dに形成された透過曲面12dに送られる。そして、この透過曲面12dを透過する際に収束された光線r6 として光検出手段(接続部品13により固定される光ファイバ14)に出力されることになる。
【0087】
本発明の動作は図6で示す第3の実施形態と同様であり、波数分解能は従来技術の2倍に向上している。また、この第4の実施形態ではマイケルソン干渉計に対して光ファイバ2c,14cを接続部品3c,13cにより各プリズム柱体A4 ,B4 に人出力を行っており、干渉計中で光路が自由空間を全く経由しないため外部環境変化(湿度変化等)の影響を全く受けない。また、従来技術2の欠点であった、光学部品による光路の遮断が生じないため正確な測定値を得ることが出来る。
【0088】
つぎに、本発明の第6の実施形態を図10(a),(b)を参照して説明する。
マイケルソン干渉計1Aは、図10で示すように、第1スラブ型導波路板1A1 および第2スラブ型導波路板1B1 と、第1スラブ型導波路板1A1 に接続した光線入射手段としての光ファイバ2eおよび接続部品3eと、第2スラブ型導波路板1B1 に接続した光検出手段としての接続部品13eおよび光ファイバ14eとを有している。
【0089】
第1および第2スラブ型導波路板1A1 ,1B1 は、コア層e2 と、このコア層e2 の上面に設けた上部クラッド層e1 と、前記コア層e2 の下面に設けた下部クラッド層e3 とから構成されている。
【0090】
そして、第1スラブ型導波路板1A1は、その周側面に形成した前記接続部品3eが接続される光線入射面4eと、この光線入射面4eに隣接して形成され、入射光c1を平行光c2として反射する変更手段(第1の曲面)としての第1スラブ反射曲面であるコリメート用放物面5eと、このコリメート用放物面5eに隣接して形成される第2反射平面(第2平面)6eと、この第2反射平面6eに所定角度θの一内角α1を介して隣接すると共に、光線入射面4eに隣接して形成され、平行光c2を透過光c3および反射光c4に分割するビームスプリッタ8eを有する第1平面7eとから構成されている。
【0091】
一方、第2スラブ型導波路板1B1は、その周側面に形成した光線射出面11eと、この光線射出面11eに隣接する変換手段(第2の曲面)としての第2スラブ反射曲面である集光用放物面12eと、この集光用放物面12eに隣接し、ビームスピリッタ8eに対面する位置に配置する第3平面9eと、この第3平面9eに所定角度θの一内角α2を介して隣接すると共に、光線射出面11eに連続(隣接)する第4反射平面(第4平面)10eとから構成されている。
【0092】
なお、両スラブ型導波路板1A1 ,1B1 の周側面などの構成と、光ファイバ2eの端面から照射される入射光c1 (入射光b1 )から収束光c6 (収束光b6 )までの光の進行する光路は、図1および図2で示す構成のものと厚みが異なる以外は同じであるため説明を省略する。また、スラブ型導波路とは、コア層e2 に沿って平面的な光が進行できる光路をいう。さらに、入射光c1 から収束光c6 までの各位置での光処理(分割、透過、反射)面は、十分水平方向の光の幅に対して大きな光処理面を備えている。
【0093】
つぎに、マイケルソン干渉計1Aの作用を説明する。第2スラブ型導波路板1B1 を移動機構(図示せず)により移動距離dだけ移動させると、ビームスプリッタ48により分割される透過光c3 の光路長を2n・d・sinθだけ変化させることができる(図2(a),(b)参照)。そして、第2スラブ型導波路板1B1 を固定した状態と、移動した状態で入射した光をスラブ型導波路を介して検出する場合は、平行光c5 が集光用放物面12eの中心線に平行であるため、放物線(面)の幾何学的性質により、光ファイバ14eの端面に入射する収束光c6 の集光点は、常に同じ位置に焦点を結ぶことになる(図2(a),(b)参照)。そのため、正確なインターフェログラムが測定可能となる。
【0094】
なお、マイケルソン干渉計1Aの具体的な構成をつぎに示す。第1および第2スラブ型導波路板1A1 ,1B1 を石英材料を用いて構成した場合では、コア層e2 は8μm、上部クラッド層e1 は15μm、下部クラッド層e3 は20μmであり、合わせた厚さは50μm以下となる。このとき入射光の波長は、近赤外線(一例として1550nm等)を使用する。なおスラブ型導波路は、リソグラフィー技術を用いて作製することができるため、大量生産が可能である。
【0095】
つぎに、第7の実施形態を図11(a),(b)を参照して説明する。
マイケルソン干渉計2Aは、図11で示すように、第1スラブ型導波路板1A2 および第2スラブ型導波路板1A2 と、第1スラブ型導波路板1A2 に接続した光線入射手段として、コリメート用レンズ5fを接続部品3fを介して設けた光ファイバ2fと、第2スラブ型導波路板1B2 に接続した光検出手段としての接続部品13fおよび光ファイバ14fとを有している。
【0096】
第1および第2スラブ型導波路板1A2 ,1B2 は、コア層f2 と、このコア層f2 の上面に設けた上部クラッド層f1 と、前記コア層f2 の下面に設けた下部クラッド層f3 とから構成されている。
【0097】
そして、第1スラブ型導波路板1A2 は、その周側面に形成した前記接続部品3fが接続される光線入射面4fと、この光線入射面4fに隣接して配置され、入射される光線の光路に形成される第1平面7fと、この第1平面7fに設けたビームスプリッタ8fと、このビームスプリッタ8fからの反射する光線c4 の光路上に形成される第2平面6fとを有している。なお、前記第1平面7fは、第2平面6fに所定角度θの一内角β1 を介して隣接している。
【0098】
一方、第2スラブ型導波路板1B2は、その周側面に形成した光線射出面11fと、この光線射出面11fに隣接する平行光を収束光に変換する変換手段(曲面)としての第2スラブ反射曲面である集光用放物面12fと、この集光用放物面12fに隣接し、前記ビームスプリッタ8fに対面する位置に形成される第3平面9fと、この第3平面9fに所定角度θの一内角β2を介して隣接すると共に、光線射出面71に連続(隣接)して形成される第4反射平面(第4平面)10fとから構成されている。
【0099】
なお、両スラブ型導波路板1A2 ,1B2 の各平面などの構成と、光ファイバ62の端面から照射され、コリメート用レンズ5fにより平行となって入射する平行光c2 (平行光b2 )から収束光c6 (収束光b6 )までの光の進行する光路は、図3および図4で示す構成のものと厚みが異なる以外は同じであるため説明を省略する。また、スラブ型導波路とは、コア層f2 に沿って平面的な光が進行できる光路をいう。そして、スラブ型導波路は、リソグラフィー技術を用いて作製している。さらに、平行光c2 から収束光c6 までの各位置の光処理(分割、透過、反射)面は、充分水平方向の光の幅に対して大きな光処理面を備えている。
【0100】
つぎに、マイケルソン干渉計2Aの作用を図4を参照して説明する。第2スラブ型導波路板1B2 を移動機構(図示せず)により移動距離dだけ移動させると、ビームスプリッタ8fにより分割される透過光c3 の光路長を2n・d・sinθだけ変化させることができる(図4(a),(b)参照)。そして、第2スラブ型導波路板1B2 を固定した状態と、移動した状態で入射する光をスラブ型導波路を介して検出する場合は、平行光c5 が集光用放物面12fの中心線に平行であるため、放物線(面)の幾何学的性質により、光ファイバ14fの端面に入射する収束光c6 の集光点は、常に同じ位置に焦点を結ぶことになる。そのため、正確なインターフェログラムが測定可能となる。
【0101】
なお、マイケルソン干渉計2Aは、コリメート用レンズ5fを介して光ファイバ2fから第1スラブ型導波路板1A2 に入射光を平行光として入射しているため、光線入射手段の設置位置は、任意であり、焦点を探す等の光軸調整の手間が不要となる。よって製作時において光軸調整が必要なのは、放物面鏡の焦点に光源と光検出器を設置する時のみであり、一度固定すれば、外れない限り2度と調整は不要となる。したがって、製作時に光軸調整がほとんど不要であり、使用開始後の光軸調整は全く不要であるため製作時のコストが削減できて安価であるとともに使いやすいマイケルソン干渉計が実現できる。
【0102】
また、前記図10および図11で示す第1および第2スラブ型導波路板1A1 ,1B1 ,1B2 の反射曲面は、放物面として説明したが、円筒面であっても平行光および収束光を得ることが可能となる。
【0103】
つぎに、図12(a),(b)および図13を参照して、本発明の第8の実施の形態を説明する。
図12(a),(b)および図13で示すように、マイケルソン干渉計3Aは、第1スラブ型導波路板1A3 と、第2スラブ型導波路板1B3 と、第3スラブ型導波路板1C3 と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8gと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30gと、光線入射手段としての光ファイバ2gおよび接続部品3gと、光検出手段としての接続部品13gおよび光ファイバ14gと、接続部品3g,13g内に配置され、拡散光を平行光に、かつ,平行光を収束光に変換する変換手段としてのコリメート用レンズ(変換レンズ)5g、12gとを備えている。
【0104】
図12(a),(b)および図13で示すように、第1および第2スラブ型導波路板1A3 ,1B3 は、コア層g2 と、このコア層g2 の上面および下面に設けた上部クラッド層g1 および下部クラッド層g3 とから構成されている。
そして,第1スラブ型導波路板1A3 は、その周側面に配置され、接続部品3gを介して光ファイバ2gを設置する位置に形成される光線入射面4gと、この光線入射面4gからの光線の光路上に形成され、ビームスプリッタ8gが隣接する第1平面7gと、ビームスプリッタ8gからの反射光の光路上に形成される第2平面6bとを有している。さらに、光ファイバ2gの端面(光線照射面)は、はコリメート用レンズ5gの焦点位置に設置されている。
【0105】
図12(a),(b)および図13で示すように、第2スラブ型導波路板B3 は、その周側面に配置され、前記第1平面7gに沿ってビームスプリッタ8gに対面する位置に形成される第3平面と、ビームスプリッタ8gからの透過光の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に形成される第4平面10gと、ビームスプリッタ8gおよび第3平面から送られて来る光線の光路上に配置され、前記接続部品を介して光ファイバ2gを設置する位置に形成される光線出射面11gとを有している。なお、光ファイバ14gの端面(光入射面)は、コリメート用レンズ12gの焦点位置に設置されている。
【0106】
図12(a),(b)および図13で示すように、第3スラブ型導波路板1C3 は、その周側面に配置され、前記両スラブ型導波路板1A3 ,1B3 の第2平面6gおよび第4平面10gとに対面する位置に形成される第5平面21gと、前記ビームスプリッタ8gから反射され第2平面6gおよび第5平面21gを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22gと、前記ビームスプリッタ8gを透過して第4平面10gおよび第6平面21gを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23gとを有している。なお、前記第6平面22bおよび第7平面23bは、光線を反射する鏡面状に形成されている。
【0107】
図12および図13で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30gは、第1スラブ型導波路板1A3 の第2平面6gおよび第2スラブ型導波路板1B3 の第4平面10gと、第3スラブ型導波路板1C3 の第5平面21gの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各スラブ型導波路板1A3 ,1B3 ,1C3 を形成している部材の屈折率が近いものであれば良く、その一例として各スラブ型導波路板1A3 ,1B3 ,1C3 を石英で形成した場合に、ここではシリコーンオイル30gを使用しており、第3スラブ型導波路板1C3 と、第1および第2スラブ型導波路板1A3 ,1B3 とが毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0108】
図12および図13で示すように、ビームスプリッタ8gは、第1スラブ型導波路板1A3 の第1平面6gと、第2スラブ型導波路板1B3 の第3平面9gとの間に接着材等により固定されており、各スラブ型導波路板1A3 ,1B3 ,1C3 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように形成している。ビームスプリッタ8gの一例としては、金属や誘電体またはその両方の薄膜を介在させるか、また、透過部材(各スラブ型導波路板と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、第1平面7gあるいは第3平面9gに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着して形成しても良い。
【0109】
つぎに、光線の光路について説明する。図12(a)および図13で示すように、光ファイバ2gからの拡散光の光線r1 は、コリメート用レンズ5bにより平行光に変換され光線(平行光)r2 として光線入射面4gより入射する。そして、入射した光線r2 は、ビームスプリッタ8bに入射して透過する光線r3 (透過光)と反射する光線r4 (反射光)に分割される。そして、ビームスプリッタ8gにより分割され透過した光線r3 は、シリコーンオイル30bを通過して第5平面21gに入射後、第7平面23gで反射され透過して来た光路に沿って再びシリコーンオイル30g等を透過してビームスプリッタ8gヘ向かう。
【0110】
一方、ビームスプリッタ8gで分割され反射された光線r4 は、第2平面6g、シリコーンオイル30g、第5平面21gを透過して、第6平面23gにより反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30g等を透過してビームスプリッタ8gへ向かう。そして、光線r3 ,r4 は、ビームスプリッタ8gおよび第3平面9gにより反射させ、それぞれ合わされて干渉し、光線(平行光)r5 として光線出射面11gから出力される。さらに、光線r5 は、コリメート用レンズ12bにより収束され光線r6 として光ファイバ14bに入射されることになる。
【0111】
つぎに本発明の動作については、図6を参照して説明する。なお、第1および第2スラブ型導波路板1A3 ,1B3 および第3スラブ型導波路板1C3 を相対的に移動させる場合、ここでは第3スラブ型導波路板C3 を移動させており、その移動機構は、リニアガイドや精密送り機構などを使用する公知の手段により行われる。
【0112】
図6を参照して第3スラブ型導波路板1C3 を干渉検出方向に距離dだけ直線移動させた場合を考える。このとき、シリコーンオイル30b(屈折率整合液体層)は第1および第2スラブ型導波路板1A3 ,1B3 と第3スラブ型導波路板1C3 の間の狭い間隙に挟まれ、毛細管現象により保持されている。ビームスプリッタを透過した光線r3 が第7平面23gで反射されるまでに進む距離はd・sinθだけ増加し、また、ビームスプリッタ8gに反射された光線r4 が第6平面22gに反射されるまでに進む距離はd・sinθだけ減少する。よって光が進む距離の変化はそれぞれ2d・sinθの増加と2d・sinθの減少となり、第3スラブ型導波路板C3 の屈折率をnとして、最大移動距離をdMAX とすると、この光路における最大光路長差は4n・dMAX ・sinθとなる。
【0113】
これは従来技術に比較して波数分解能が2倍に向上したことに相当する。また、スラブ型導波路の具体的な構造は、入射光の波長を近赤外線(その一例として1550nmなど)で、石英材料を用いた場合では、コア層g2 を8μm,上部クラッド層g1 を15μm、下部クラッド層g3 を20μmとし、合わせた厚みは50μm以下となるように構成している。したがって、プリズム型に比べて大幅な薄型化、軽量化が可能となると共に、スラブ型導波路はリソグラフィー技術により作成することが可能であるため、大量生産でかつ安価に干渉計を製造することができる。
【0114】
つぎに、図14(a),(b),(c)で示すように、本発明の第9の実施の形態を説明する。マイケルソン干渉計4Aは、第1スラブ型導波路板1A4と、第2スラブ型導波路板1B4と、第3スラブ型導波路板1C4と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8hと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30hと、光線入射手段としての光ファイバ2hおよび接続部品3hと、光検出手段としての接続部品13hおよび光ファイバ14hと、拡散光を平行光に、かつ,平行光を収束光に変換する変換手段としての第1および第2スラブ反射曲面(コリメート用放物面,集光用放物面)5h、12hとを備えている。
【0115】
図14(a),(b),(c)で示すように、第1および第2スラブ型導波路板1A4 ,1B4 は、コア層h2 と、このコア層h2 の上面および下面に設けた上部クラッド層h1 および下部クラッド層h3 とから構成されている。
そして,第1スラブ型導波路板1A4 は、その周側面に配置され、接続部品3hを介して光ファイバ2hを設置する位置に形成される光線入射面4hと、この光線入射面4hからの光線の光路上に形成される変換手段としての反射曲面(コリメート用放物面)5hと、この反射曲面5hから反射して平行光となる光線の光路上に配置され、ビームスプリッタ8hが隣接する位置に形成される第1平面7hと、ビームスプリッタ8hからの反射光の光路上に形成される第2平面6bとを有している。なお、光ファイバ2hの端面(光線照射面)は、はコリメート用放物面5hの焦点位置に設置されている。
【0116】
一方、第2スラブ型導波路板B4 は、その周側面に配置され、前記第1平面7hに沿って、かつ,ビームスプリッタ8hに対面する位置に形成される第3平面と、ビームスプリッタ8hからの透過光の光路上で、かつ、前記第2平面の延長上に形成される第4平面10hと、ビームスプリッタ8hおよび第3平面9hから送られて来る光線の光路上に配置され、変換手段としての反射曲面(集光用放物面)12hと、この反射曲面12hから反射される光線の光路上に配置され、前記接続部品13hを介して光ファイバ14を設置する位置に形成される光線出射面11hとを有している。なお、光ファイバ14hの端面(光線入射面)は、反射曲面12hの焦点位置に設置されている。
【0117】
また、第3スラブ型導波路板1C4 は、その周側面に形成され、前記両スラブ型導波路板1A4 ,1B4 の第2平面6gおよび第4平面10hとに対面する位置に配置される第5平面21hと、前記ビームスプリッタ8hから反射され第2平面6hおよび第5平面21hを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22hと、前記ビームスプリッタ8hを透過して第4平面10hおよび第6平面21hを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23hとを有している。なお、前記第6平面22hおよび第7平面23hは、光線を反射する鏡面状に形成されている。
【0118】
図14(a),(b),(c)で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30hは、第1スラブ型導波路板1A4 の第2平面6hおよび第2スラブ型導波路板1B4 の第4平面10hと、第3スラブ型導波路板1C4 の第5平面21hの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各スラブ型導波路板1A4 ,1B4 ,1C4 を形成している部材も屈折率が近いものであれば良く、その一例として各スラブ型導波路板1A4 ,1B4 ,1C4 を石英で形成した場合に、シリコーンオイル30hを使用しており、毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0119】
図14(a),(b),(c)で示すように、ビームスプリッタ8hは、第1スラブ型導波路板1A4 の第1平面6hと、第2スラブ型導波路板1B4 の第3平面9hとの間に接着材等により固定されており、各スラブ型導波路板1A4 ,1B4 ,1C4 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように構成されている。ビームスプリッタ8hの一例としては、金属や誘電体またはその両方などの薄膜を介在させることや、また、透過部材(各スラブ型導波路板のコア層h2 と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、ビームスプリッタ8hは、第1平面7hあるいは第3平面9hに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着などの薄膜の形成手段により形成しても良い。
【0120】
つぎに、光線の光路について説明する。図15(a),(b),(c)で示すように、光ファイバ2hにより拡散光として光線入射面4hから入射する光線r1 は、反射曲面5hにより平行光に変換され光線r2 としてビームスプリッタ8hに入射される。そして、ビームスプリッタ8hにより分割され透過する光線r3 は、第4平面10hおよびシリコーンオイル30hを透過して第5平面21hに入射後、第7平面23hで反射され、透過して来た光路に沿って再びシリコーンオイル30h等を透過してビームスプリッタ8hヘ向かう。
【0121】
一方、ビームスプリッタ8hで分割され反射された光線r4 は、第2平面6h、シリコーンオイル30h、第5平面21hを透過して、第6平面22hにより反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30h等を透過してビームスプリッタ8hへ向かう。そして、ビームスプリッタ8h側に送られて来た光線r3 ,r4 は、そのビームスプリッタ8hおよび第3平面により反射され、それぞれ合わされて干渉し光線r5 (平行光)として反射曲面12hに入射する。さらに、反射曲面12cにより光線r5 は、平行光から変換され収束されて光線r6 として光線出射面11hの光検出手段(接続部品13h、光ファイバ14h)に出力されることになる。
【0122】
なお、本発明の動作は図6で示す第3の実施形態と同様であり、波数分解能は従来技術の2倍に向上している。また、この第4の実施形態ではマイケルソン干渉計に対して光ファイバ2h,14hを接続部品3h,13hにより各スラブ型導波路板1A4 ,1B4 に入出力を行っており、干渉計中で光路が自由空間を全く経由しないため外部環境変化(湿度変化等)の影響を全く受けない。また、従来技術2の欠点であった、光学部品による光路の遮断が生じないため正確な測定値を得ることが出来る。
【0123】
つぎに、図15(a),(b),(c)で示すように、本発明の第10の実施の形態を説明する。
マイケルソン干渉計5Aは、第1スラブ型導波路板1A5 と、第2スラブ型導波路板1B5 と、第3スラブ型導波路板1C5 と、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ8jと、屈折率を整合する屈折率整合手段としてのシリコーンオイル30jと、光線入射手段としての光ファイバ2jおよび接続部品3jと、光検出手段としての接続部品13jおよび光ファイバ14jと、拡散光を平行光に、かつ,平行光を収束光に変換する変換手段としての透過曲面5j、12jとを備えている。
【0124】
図15(a),(b),(c)で示すように、第1および第2スラブ型導波路板1A5 ,1B5 は、コア層j2 と、このコア層j2 の上面および下面に設けた上部クラッド層j1 および下部クラッド層j3 とから構成されている。
そして,第1スラブ型導波路板1A5 は、その周側面に配置され、接続部品3jを介して光ファイバ2jを設置する位置に形成される光線入射面4jと、この光線入射面4j上に形成される透過曲面5jと、この透過曲面5hから透過して平行光となる光線の光路上に配置され、ビームスプリッタ8jが隣接する位置に形成される第1平面7jと、ビームスプリッタ8hからの反射光の光路上に形成される第2平面6jとを有している。なお、光ファイバ2hの端面(光線照射面)は、透過曲面5hの焦点位置に設置されている。
【0125】
一方、第2スラブ型導波路板B5 は、その周側面に配置され、前記第1平面7jに沿って、かつ,ビームスプリッタ8jに対面する位置に形成される第3平面9jと、ビームスプリッタ8jからの透過光の光路上で、かつ、前記第2平面6jの延長上に形成される第4平面10jと、ビームスプリッタ8jおよび第3平面9jから送られて来る光線の光路上に配置され、前記接続部品13jを介して光ファイバ14jを設置する位置に形成される光線出射面11jと、この光線出射面11jに形成される変換手段としての透過曲面12jとを有している。なお、光ファイバ14jの端面(光入射面)は、透過曲面12jの焦点位置に設置されている。
【0126】
また、第3スラブ型導波路板1C5 は、その周側面に形成され、前記両スラブ型導波路板1A5 ,1B5 の第2平面6jおよび第4平面10jとに対面する位置に配置される第5平面21jと、前記ビームスプリッタ8jから反射され第2平面6hおよび第5平面21jを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第6平面22jと、前記ビームスプリッタ8jを透過して第4平面10jおよび第6平面21jを透過して来る光線をその光路に沿って反射する位置に形成される第7平面23jとを有している。なお、前記第6平面22jおよび第7平面23jは、光線を反射する鏡面状に形成されている。
【0127】
図15(a),(b)で示すように、屈折率整合手段としてのシリコーンオイル(屈折率整合液体層)30jは、第1スラブ型導波路板1A5 の第2平面6jおよび第2スラブ型導波路板1B5 の第4平面10jと、第3スラブ型導波路板1C5 の第5平面21jの間に設けられている。そして、屈折率整合手段は、各スラブ型導波路板1A5 ,1B5 ,1C5 を形成している部材も屈折率が近いものであれば良く、その一例として各スラブ型導波路板1A5 ,1B5 ,1C5 を石英で形成した場合に、シリコーンオイル30jを使用しており、毛細管現象により保持されるように構成されている。
【0128】
図15(a),(b)で示すように、ビームスプリッタ8jは、第1スラブ型導波路板1A5 の第1平面6jと、第2スラブ型導波路板1B5 の第3平面9jとの間に接着材等により固定されており、各スラブ型導波路板1A5 ,1B5 ,1C5 の材質や、送られてくる光線の角度により透過率および反射率を所定の割合になるように構成されている。ビームスプリッタ8jの一例としては、金属や誘電体またはその両方などの薄膜を介在させるか、または、透過部材(各スラブ型導波路板のコア層j2 と同質)に蒸着するようにして形成している。なお、ビームスプリッタ8jは、第1平面7jあるいは第3平面9jに金属や誘電体またはその両方などの薄膜を蒸着などの薄膜の形成手段により形成しても良い。
【0129】
つぎに、光線の光路について説明する。図15(a),(b),(c)で示すように、光ファイバ2jにより拡散光として光線入射面4jから入射する光線r1 は、透過曲面5jにより平行光に変換され光線r2 としてビームスプリッタ8jに入射される。そして、ビームスプリッタ8jにより透過する光線r3 と、反射する光線r4 と分割される。ビームスプリッタ8jを透過した光線r3 は、第4平面10jおよびシリコーンオイル30jを透過して第5平面21jに入射後、第7平面23jで反射され、透過して来た光路に沿って再びシリコーンオイル30j等を透過してビームスプリッタ8jヘ向かう。
【0130】
一方、ビームスプリッタ8jで分割され反射された光線r5 は、第2平面6j、シリコーンオイル30j、第5平面21jを透過して、第6平面22jにより反射され、その光路に沿って再びシリコーンオイル30j等を透過してビームスプリッタ8jへ向かう。そして、ビームスプリッタ8j側に送られて来た光線r3 ,r4 は、そのビームスプリッタ8jおよび第3平面により反射され、それぞれ合わされて干渉し光線r5 (平行光)として光線出射面11jの透過曲面12jから出力される。そして、透過曲面12jにより光線r5 は平行光から収束光に変換されて光線r6 として光ファイバ14jに出力されることになる。
【0131】
なお、本実施の対応の動作は図6で示す第3の実施形態と同様であり、波数分解能は従来技術の2倍に向上している。また、この第6の実施形態ではマイケルソン干渉計に対して光ファイバ2j,14jを接続部品3j,13jにより各スラブ型導波路板1A5 ,1B5 に人出力を行っており、干渉計中で光路が自由空間を全く経由しないため外部環境変化(湿度変化等)の影響を全く受けない。また、従来技術2の欠点であった、光学部品による光路の遮断が生じないため正確な測定値を得ることが出来る。そして、光軸が移動しないため、接続部品3j,13jを透過曲面5j,12jに取り付けることなく、離間させた位置に配置しても良い。
【0132】
つぎに、第3ないし第5および第8ないし第10の実施の形態について、マイケルソン干渉計A3 ,1A3 …(第3プリズム柱体および第3スラブ型導波路板を有するもの)においてプリズム(スラブ型導波路板)の移動距離を測定する方法について、図16を用いて述べる。なお、32は波長が既知である単色コヒーレント光源、33は光源32からの光を本発明の干渉計へ入射するために用いる合波素子、34は光源32から放射される光を検出可能な光検出器、35はスペクトルが未知である測定対象の光源、36は測定対象の光源に対して感度を有する光検出器、37は干渉計からの出射光から光源32の光を取り出して検出器34へ分ける分波素子であり、38は本発明の各マイケルソン干渉計のいずれかを示す。
【0133】
単色コヒーレント光源32の発振波長をλ、プリズムの移動距離をd、屈折率をnとすると、プリズムの移動距離に対して干渉計内部の光路の光路長差は4n・d・sinθで表され、波長λを単位とすると4n・d・sinθ/λで表される。よって両方の光路からの光が干渉して検出器34上で得られる信号強度の変動は以下の式で表される。
【0134】
【数式1】
Figure 0003702440
【0135】
この式から、プリズムの移動dに関して干渉信号強度の変動周期はλ/(8n・sinθ)となり、例えば干渉強度がN周期変化したとすると、光路長差はNλ/2変化し、プリズムの移動距離はNλ/(8n・sinθ)であることがわかる。以上のように干渉信号を計測することによってプリズムの移動距離と光路長変化を計測できる。ここで具体的な数値を挙げると、波長λはヘリウムネオンレーザの波長632.8nmであり、例えば、屈折率nが1.5であり、干渉信号強度が1周期変化した場合は光路長差の変化は316.4nmに相当し、プリズムの移動距離74.6nmに相当する。当然、干渉信号強度の変動が1周期に満たない場合でも信号強度の変化から光路長変化量とプリズム移動距離は測定可能である。この測定方法は、さらに単色コヒーレント光源27と光検出器29と干渉計32だけ用いれば独立に移動量計測手段として用いることも可能である。
【0136】
また、第1および第2の実施の形態および第6および第7の実施の形態については、前記プリズムの移動距離に対して干渉計内部の光路の光路長差は2n・d・sinθで表され、波長λを単位とすると2n・d・sinθ/λで表される。そのため、信号強度の変動は、数式1の左辺では括弧の中の4ndが2ndとなり、右辺の括弧の中の8nが4nとして計算することができる。その結果、プリズムの移動dに関して干渉信号強度の変動周期はλ/(4n・sinθ)となり、例えば干渉強度がN周期変化したとすると、光路長差はNλ/2変化し、プリズムの移動距離はNλ/(4n・sinθ)であることがわかる。以上のように干渉信号を計測することによってプリズムの移動距離と光路長変化を計測できる。ここで具体的な数値を挙げると、波長λはヘリウムネオンレーザーの波長632.8nmであり、例えば、屈折率nが1.5であり干渉信号強度が1周期変化した場合は光路長差の変化は316.4nmに相当し、プリズムの移動距離149.2nmに相当する。この測定方法は、さらに単色コヒーレント光源27と光検出器29と干渉計32だけ用いれば独立に移動量計測手段として用いることも可能である。
【0137】
なお、このプリズム柱体またはスラブ型導波路板の材料は、すべての実施の態様では石英を用いたが、これは光を透過する材料であれば種類を問わない。即ち一般のガラス材料や、シリコンやゲルマニウムやセレン化亜鉛等の半導体や、弗化カルシウムや臭化カリウムやニオブ酸リチウム等のイオン性結晶や、ポリイミドやポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリマーや、プラスチック等を用いても、同等の効果を得ることができる。特にプラスチックを材料として金型を用いて成形する場合は、両プリズム柱体または両スラブ型導波路板の生産性が容易となり大量生産ができる。そして、低価格化が可能である。
また、屈折率整合手段は本実施の態様ではシリコーンオイルを用いたが、これはプリズム材料と屈折率が近い液体であればなんでも良い。
【0138】
また、すべての実施の形態では、入射光として近赤外線を用いているが、これは用いる材料を透過する光であれば波長を問わない。さらに、光ファイバで光の入出力を行っているが、入射側の光ファイバは、スーパールミネッセンスダイオードや白色光源または発光ダイオード等の光源を使用しても良い。そして、出射側の光ファイバはフォトダイオード、または焦電検出器等の光検出器に置き換えても同様に動作する。
【0139】
さらに、すべての実施の態様では、各プリズム柱体および各スラブ型導波路板を平行移動させた場合、収束する光線に対して光検出部の面積を大きくなるように構成することで、光検出効率が入射光の角度に依存しない光検出手段を使用している。また、光ファイバの端面が光検出手段であった場合も、光ファイバのNumerical Aperture(開口数)が光入射角の変化よりもかなり大きく、光検出効率が入射光の角度に依存することはない検出手段を使用している。
【0140】
なお、第1および第2ならびに第6および第7の実施の形態では、光を入射する側の第1プリズム柱体または第1スラブ型導波路板を固定し、第2プリズム柱体および第2スラブ型導波路板を移動させているが、これは一例であって、両プリズム柱体および両スラブ型導波路板の相対位置が変化すればよいので、第2プリズム柱体および第2スラブ型導波路板を固定させ、第1プリズム柱体および第1スラブ型導波路板を移動させることや、両プリズム柱体および両スラブ型導波路板を移動させる構成としても全く同様に動作する。そして、第3ないし第5ならびに第8ないし第10の実施の態様では、第3プリズム柱体または第3スラブ型導波路板を移動させているが、第1および第2プリズム柱体または第1および第2スラブ型導波路を移動させるか、または、両方を移動させ、相対的に移動させるようにしても同様に動作する。
【0141】
また、第1および第2の実施の形態ならびに第6および第7の実施の形態では、第1平面と第2平面との間の所定角度θの一内角は、45度として説明したが、一内角の設定角度は、図17(a)、(b)に示すように構成することや、また、図18(a)で示すように30度とすることや、図18(b)で示すように、60度とすることなど、任意の所定角度θとして構成しても良く、所定角度θは、0度<θ<90度の範囲とすることができる。なお、一内角の所定角度θが0度および90度以上の場合は、一定の幅の光線を透過あるいは反射する光路の確保が困難となり干渉計とならない。また、第1ないし第4の実施の形態では、反射曲面(第1の曲面、第2の曲面および曲面を含む)を鏡面に形成したが、全反射の条件を満たすことで、鏡面を形成しなくても送られてくる光を反射することが可能である。
【0142】
そして、第3ないし第5の実施の形態ならびに第8ないし第10の実施の形態では、ビームスプリッタ面に対する光線の入射角度θは、45度の例を示したが、図18で示すように、30度とすることや60度とすることなど、任意の角に設定することが可能となる。それに伴って各プリズム柱体A3 ,B3 ,C3 (スラブ型導波路板1A3 ,1B3 ,1C3 …)…の形状も変化することになる。
【0143】
さらに、第3ないし第5の実施の形態ならびに第8ないし第10の実施の形態は、光線の入射角度θ1 および射出角度θ2 を45度、30度、60度以外であっても良く、具体的には、図19で示すように一定の条件を満たす範囲で、θ1 ,θ2 ,φ1 ,φ2 ,φ12,φ23は、0度より大きく90度より小さい範囲(0度<(θ1 …)<90度)で任意の値を取ることができる。
【0144】
Figure 0003702440
ちなみに、第3ないし第5の実施の形態ならびに第8ないし第10の実施の形態では、n1 =n2 =n1 ′=n2 ′=n3 =n3 ′であり、また、θ1 =θ2 、φ1 =φ2 、φ13=φ23=(π/2)−θ1 とし、さらに、ビームスプリッタ面と境界面(移動方向)は垂直である。
【0145】
なお、第3ないし第5の実施の形態ならびに第8ないし第10の実施の形態では、図20(a),(b),(c),(d),(e),(f)で示すように、マイケルソン干渉計1b(1c…)の各プリズム柱体(各スラブ型導波路板)の組み合わせは、自由に行っても良い。なお、光路中に変換手段を備えていない構成では、光線入射手段または光検出手段に変換レンズを備える構成としている。そして、特に、これらのマイケルソン干渉計1b(1c…)では、相対的な移動を行っても光軸が一定であるため、光線の入射経路および光線の検出経路をプリズム柱体およびスラブ型導波路板から離間させた位置に設定しても良い。
【0146】
さらに、すべての実施の形態では、光路中に設ける変換手段または光線入射手段および光検出手段を図21で示すように構成してもよい。なお、光検出手段は、光線の方向が反対であり構成は変わらないため、ここでは光線入射手段のみを説明する。図21(a)で示すように、光ファイバ2pの端面を接続部品3pを介して光線入射面4pに設置している。そして、この光線入射面4pから第1平面(図3、図5参照)までの光路に変換手段としてプリズム柱体(スラブ型導波路板のコア層)の材質を所定の手段により変化させることで、屈折率を変える構成としても良い。例えば、銀(Ag)原子をそのプリズム(コア層)内の光路中における所定のエリア5pに拡散させることで、光線の屈折率分布を、拡散光を平行光(平行光を収束光)に変換する構成にすることができる。
【0147】
また、図21(b)で示すように、光線入射面4qに接続部品3qを介してGRINレンズを設置し、光ファイバ2qからの光線を変換する構成としても構わない。さらに、図21(c)で示すように、光線入射面4rに接続部品3rを介してフレネルゾーンプレート(FZP)を取り付け、光ファイバからの拡散光を平行光(平行光を収束光)に変換する構成としても良い。
【0148】
さらに、第1、第2、第6、第7の実施の形態では、その光線入射面の位置に透過曲面(図5、図15参照)を形成する構成であっても良い。また、第1、第2、第6、第7の実施の形態では、各平面が互いの隣接関係は、光路長の変化を生じる構成であれば、他の介在面を有するものであっても良い。
さらに、第1ないし第5の実施の形態では、反射曲面または透過曲面は、放物面として説明したが、球面や、トロイダル面(水平方向の曲率と、垂直方向の曲率が異なる曲面)として構成しても良い。そして、第6ないし第10の実施の形態では、反射曲面または透過曲面は、円筒面であっても良い。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フーリエ変換分光等に用いるマイケルソン干渉計は、2つのプリズム柱体または2つのスラブ型導波路板の第1平面および第3平面をそれぞれ対面させ隣り合わせて移動自在に配置しているため、入射光が光検出手段までに到達する光路で光が損失されることはなく変動もない。そのため、正確なインターフェログラムの測定が可能となり、正確なマイケルソン干渉計を構成することができる。さらに、反射曲面により光検出手段に光線を収束させて反射することにより、出力される光線の位置が常に一定になるため、一体型のマイケルソン干渉計として構成することが可能となる。
【0150】
また、2つのプリズム柱体または2つのスラブ型導波路板からマイケルソン干渉計の主要部分が構成されることから、軽量で小型な構成にすることを可能とし、かつ、微細な加工を必要としないことから、耐環境性にすぐれ堅牢に構成することが可能となる。さらに、光の入出力を光ファイバで行い、光路が自由空間をほとんど通過しないため、外部環境変化(湿度等)の影響を受けない。さらに、導波路構造を用いることにより薄型化かつ大量生産を可能とし、小型かつ安価なマイケルソン干渉計を実現することができる。
【0151】
さらに、光線入射手段に変換レンズとしてコリメート用レンズや、GRINレンズや、フルネルゾーンプレートを設ける構成とすることで、光入射手段の設定が容易となり干渉計の光軸調整が容易となる。
【0152】
マイケルソン干渉計のうち、間にビームスプリッタが形成された2つのプリズム柱体または2つのスラブ型導波路板と、二つの境を形成した第3プリズム柱体または第3スラブ型導波路板をそれぞれ接触させ、境界に屈折率整合手段を介して使用する干渉計において、高分解能で無損失かつ損失の変動がない正確なフーリエ変換分光器を可能にした。
【0153】
また、第3プリズム柱体および第3スラブ型導波路板を使用するマイケルソン干渉計は、光軸が変化することがないため移動距離に制限がなく高分解能スペクトルを得ることができる。さらに、第6平面および第7平面の位置で光路長の差を形成できるため、高性能な検出測定を行うことができる。
【0154】
もちろん、導波路構造を用いることにより第3スラブ型導波路板を使用するマイケルソン干渉計であっても薄型化かつ大量生産を可能とし、小型かつ安価なマイケルソン干渉計を実現することができる。
【0155】
さらに、単色コヒーレント光源とその波長に対応した光検出器を用い、また、マイケルソン干渉計を使用するので、インターフェログラムを計測する際に最も重要な光路長差及びプリズム移動量を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のマイケルソン干渉計の動作を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のマイケルソン干渉計の動作を示す模式図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の第3の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成を示す平面図および斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のマイケルソン干渉計の動作を示す平面図である。
【図7】(a),(b)は、本発明の第3の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す平面図および斜視図である。
【図8】(a),(b)は、本発明の第4の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成を示す平面図およびマイケルソン干渉計の斜視図である。
【図9】(a),(b)は、本発明の第5の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成を示す平面図およびマイケルソン干渉計の斜視図である。
【図10】(a),(b)は、本発明の第6の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図およびスラブ型導波路板の拡大図である。
【図11】(a),(b)は、本発明の第7の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図およびスラブ型導波路板の拡大図である。
【図12】(a),(b)は、本発明の第8の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図およびスラブ型導波路板の拡大図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態のマイケルソン干渉計を示す斜視図である。
【図14】(a),(b),(c)は、本発明の第9の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成を示す平面図、マイケルソン干渉計の斜視図、、スラブ型導波路板の拡大図である。
【図15】(a),(b),(c)は、本発明の第10の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成を示す平面図、マイケルソン干渉計の斜視図、、スラブ型導波路板の拡大図である。
【図16】本発明のマイケルソン干渉計を使用して移動距離を測定する方法を示す模式図である。
【図17】本発明の第1、第2および第6、第7の実施の形態のマイケルソン干渉計の応用例を示す模式図である。
【図18】(a),(b)は、本発明の第3ないし第5と第8ないし第10の実施の形態のマイケルソン干渉計の応用例を示す模式図である。
【図19】本発明の第3ないし第5と第8ないし第10の実施の形態のマイケルソン干渉計の構成原理を示す模式図である。
【図20】(a),(b),(c),(d),(e),(f)は、本発明の第3ないし第5と第8ないし第10の実施の形態のマイケルソン干渉計の他の構成を示す模式図である。
【図21】(a),(b),(c)は、すべてのマイケルソン干渉計の光線入射手段または光検出手段の他の構成を示す模式図である。
【図22】従来のフーリエ変換分光用マイケルソン干渉計の模式図である。
【図23】従来のフーリエ変挽分光用マイケルソン干渉計の模式図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e マイケルソン干渉計
1A,2A,3A,4A,5A マイケルソン干渉計
1 ,A2 ,A3 ,A4 ,A5 第1プリズム柱体
1A1 ,1A2 ,1A3 ,1A4 ,1A5 第1スラブ型導波路板
1 ,B2 ,B3 ,B4 ,B5 第2プリズム柱体
1B1 ,1B2 ,1B3 ,1B4 ,1B5 第2スラブ型導波路板
3 ,C4 ,C5 第3プリズム柱体
1C3 ,1C4 ,1C5 第3スラブ型導波路板
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,2j 光ファイバ(光線入射手段)
3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3j 接続部品(光線入射手段)
4,4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4j 光線入射面
5,5a,5b,5c,5d 変換手段(反射曲面、透過曲面、屈折率変換手段、第1の曲面、曲面、コリメート用レンズ(変換レンズ))
5e,5f,5g,5h,5j 変換手段(反射曲面、透過曲面、屈折率変換手段、第1の曲面、曲面、コリメート用レンズ(変換レンズ))
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6j 第2平面(第2反射平面)
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h,7j 第1平面
8,8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8h,8j ビームスピリッタ
9,9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h,9j 第3平面
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10j 第4平面(第4反射平面)
11,11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h,11j 光線出射面
12,12a,12b,12c,12d 変換手段(反射曲面、透過曲面、屈折率変換手段、第2の曲面、曲面、集光用放物面、コリメート用レンズ(変換レンズ))
12e,12f,12g,12h,12j 変換手段(反射曲面、透過曲面、屈折率変換手段、第2の曲面、曲面、集光用放物面、コリメート用レンズ(変換レンズ))
13,13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13j 接続部品(光検出手段)
14,14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14j 光ファイバ(光検出手段)
21b,21c,21d,21g,21h,21j 第5平面
22b,22c,22d,22g,22h,22j 第6平面
23b,23c,23d,23g,23h,23j 第7平面
30b,30c,30d,30g,30h,30j 屈曲率整合手段
32 波長が既知である単色コヒーレント光源
33 単色コヒーレント光源からの光を本発明の干渉計へ入射するために用いる合波素子
34 単色コヒーレント光源から放射される光を検出可能な光検出器
35 スペクトルが未知である測定対象の光源
36 測定対象の光源に対して感度を有する光検出器
37 干渉計からの出射光から単色コヒーレント光源の光を取り出して検出器34へ分ける分波素子
38 本発明の干渉計

Claims (14)

  1. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1プリズム反射面、第1平面、第2平面を有する第1プリズム柱体と、
    上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線出射面、第2プリズム反射面、第3平面、第4平面を有する第2プリズム柱体と、
    前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズム柱体の第3平面とを隣接して配置し、その隣接する前記第1平面および前記第3平面に沿って設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタと、
    前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けられた光線入射手段と、
    前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けられた光検出手段と、
    前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段と、を備え、
    前記第1プリズム柱体は、前記光線入射面から入射された光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に、前記第1プリズム反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第2平面を有し、
    前記第2プリズム柱体は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に反射する位置に、前記第2プリズム反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第4平面を有し、
    前記光線入射手段、前記光線入射面、および、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第1プリズム反射面を反射曲面として形成し、かつ、
    前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、および、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第2プリズム反射面を反射曲面として形成し、
    前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体は、前記第1平面および第3平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  2. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1スラブ反射面、第1平面、第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、
    上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線出射面、第2スラブ反射面、第3平面、第4平面を有する第2スラブ型導波路板と、
    前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを隣接して配置し、その隣接する前記第1平面および前記第3平面に沿って設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタと、
    前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けられた光線入射手段と、
    前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けられた光検出手段と、
    前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段と、を備え、
    前記第1スラブ型導波路板は、前記光線入射面から入射された光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に、前記第1スラブ反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第2平面を有し、
    前記第2スラブ型導波路板は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に反射する位置に、前記第2スラブ反射面を有すると共に、前記ビームスプリッタからの光線を、再び当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第4平面を有し、
    前記光線入射手段、前記光線入射面、および、前記光線入射面から前記第1平面までの 光路中のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第1スラブ反射面を反射曲面として形成し、かつ、
    前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面および前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けるか、または、前記変換手段として前記第2スラブ反射面を反射曲面として形成し、
    前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板は、前記第1平面および第3平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  3. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1平面および第2平面を有する第1プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面および光線出射面を有する第2プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3プリズム柱体と、
    前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、
    前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、
    前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズムの第3平面とを対面させると共に、前記第3プリズム柱体の第5平面と前記第1プリズム柱体の第2平面および前記第2プリズム柱体の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計であって、
    前記第3プリズム柱体は、前記第1プリズム柱体の前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズム柱体の前記第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第2プリズム柱体の第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、
    前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  4. 前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段を、前記光線入射手段、前記光線入射面、または、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに設けると共に、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、または、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のマイケルソン干渉計。
  5. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1プリズム反射曲面、第1平面および第2平面を有する第1プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面、第2プリズム反射曲面および光線出射面を有する第2プリズム柱体と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3プリズム柱体と、
    前記第1プリズム柱体の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、
    前記第2プリズム柱体の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、
    前記第1プリズム柱体の第1平面と前記第2プリズムの第3平面とを対面させると共に、前記第3プリズム柱体の第5平面と前記第1プリズム柱体の第2平面および前記第2プリズム柱体の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整 合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計であって、
    前記第1プリズム柱体の第1プリズム反射曲面は、前記光線入射面からの光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に有し、
    前記第2プリズム柱体の第2プリズム反射曲面は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に向かって反射する位置に有し、
    前記第3プリズム柱体は、前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズムの第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、
    前記第1プリズム柱体および前記第2プリズム柱体と、前記第3プリズム柱体は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  6. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1平面および第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面および光線出射面を有する第2スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3スラブ型導波路板と、
    前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、
    前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、
    前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを対面させると共に、前記第3スラブ型導波路板の第5平面と前記第1スラブ型導波路板の第2平面および前記第2スラブ型導波路板の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計であって、
    前記第3スラブ型導波路板は、前記第1スラブ型導波路板の前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1プリズム柱体の前記第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第2スラブ型導波路板の第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2プリズム柱体の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、
    前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板と、前記第3スラブ型導波路板は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  7. 前記光線が拡散光である際にその拡散光を平行光とし、かつ、前記光線が平行光である際にその平行光を収束光とする変換手段を、前記光線入射手段、前記光線入射面、または、前記光線入射面から前記第1平面までの光路中のいずれか一つに設けると共に、前記第3平面から前記光線出射面までの光路中、前記光線出射面、または、前記光検出手段のいずれか一つに前記変換手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載のマイケルソン干渉計。
  8. 上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に光線入射面、第1スラブ反射曲面、第1平面および第2平面を有する第1スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前記周側面に第3平面、第4平面、第2スラブ反射曲面および光線出射面を有する第2スラブ型導波路板と、上面および下面ならびに周側面で形成され、前 記周側面に第5平面、第6平面および第7平面を有する第3スラブ型導波路板と、
    前記第1スラブ型導波路板の光線入射面に接続して設けた光線入射手段と、
    前記第2スラブ型導波路板の光線出射面に接続して設けた光検出手段と、
    前記第1スラブ型導波路板の第1平面と前記第2スラブ型導波路板の第3平面とを対面させると共に、前記第3スラブ型導波路板の第5平面と前記第1スラブ型導波路板の第2平面および前記第2スラブ型導波路板の第4平面とを対面させて配置させ、前記第1平面と前記第3平面に対面して設けられた、光線を反射光と透過光に分割するビームスプリッタ、および、前記第2平面および前記第4平面と対面する前記第5平面との間に介在させて設けられた、屈折率を整合する屈折率整合手段、を備えるマイケルソン干渉計であって、
    前記第1スラブ型導波路板の第1スラブ反射曲面は、前記光線入射面からの光線を、前記第1平面および前記ビームスプリッタに向かって反射する位置に有し、
    前記第2スラブ型導波路板の第2スラブ反射曲面は、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記光線出射面に向かって反射する位置に有し、
    前記第3スラブ型導波路板は、前記第1平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第1スラブ型導波路板の第2平面を介して再び、当該第1平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第6平面を有すると共に、前記第3平面および前記ビームスプリッタからの光線を、前記第2スラブ型導波路板の第4平面を介して再び、当該第3平面および当該ビームスプリッタに向かって反射する位置に、反射面である前記第7平面を有し、
    前記第1スラブ型導波路板および前記第2スラブ型導波路板と、前記第3スラブ型導波路板は、前記第2平面および前記第4平面と、前記第5平面に沿って、相対的に移動自在としたことを特徴とするマイケルソン干渉計。
  9. 前記光線入射手段と前記光検出手段の少なくとも一方に設ける前記変換手段は、変換レンズであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4または請求項7のいずれか一項に記載のマイケルソン干渉計。
  10. 前記反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイケルソン干渉計。
  11. 前記第1プリズム反射曲面および前記第2プリズム反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のマイケルソン干渉計。
  12. 前記第1スラブ反射曲面および前記第2スラブ反射曲面は、反射放物面、反射トロイダル面、反射球面または反射円筒面のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のマイケルソン干渉計。
  13. 前記光線入射面または前記光線出射面に設ける前記変換手段は、透過曲面であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4または請求項7に記載のマイケルソン干渉計。
  14. 前記透過曲面は、透過放物面、透過トロイダル面、透過球面または透過円筒面のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載のマイケルソン干渉計。
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