JP3699929B2 - 回転検出器用ステータ構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転検出器用ステータ構造に関し、特に、磁極を含むステータ体の全面を樹脂で一体モールドすることにより、従来、行っていた一対の絶縁カバーによるステータ巻線に対する絶縁及びステータ体に対する防錆塗装をやめ、防錆効果の向上及び量産性の向上を得るための新規な改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の回転検出器用ステータ構造としては、一般に、図６から図８で示される構成が採用されていた。
すなわち、図６において符号１で示されるものは、全体形状が輪状をなし積層型のステータ体であり、このステータ体１の両面には、全体形状が輪状をなし内方に突出する複数の磁極２を覆う形状を有する第１、第２絶縁カバー３、４が嵌め込まれ、第１絶縁カバー３の一端にはコネクタ端子５を一体に有するコネクタ部６が一体に形成されている。
前記ステータ体１は、予め、カチオン塗装、接着剤等の塗布による防錆処理が行われている。
【０００３】
図６のステータ体１、第１、第２絶縁カバー３、４を一体状に重合させて組立てた組立後の状態は、図７に示される通りであり、絶縁カバー３、４の外周側にはこの絶縁カバー３、４で覆いつくせないむき出し部分１０が形成されている。
また、図７の状態において各磁極２にステータ巻線１１を巻回して設けた後の状態は、図８で示される通りである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転検出器用ステータ構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各絶縁カバーは、ステータ体の両面に嵌め込むだけであるため、ステータ体自体に対する防錆効果は得ることができず、そのために、ステータ体自体には、カチオン塗装や接着剤の塗布を行わなくてはならず、コストアップとなっていた。
また、ステータに絶縁カバーを嵌め込むため、組立費用が発生し、この絶縁カバーの成形精度が十分でない場合には、その形状歪などによって、組立作業に障害が発生したり、組立後に絶縁カバーが脱落することがあった。
【０００５】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、磁極を含むステータ体の全面を樹脂で一体モールドすることにより、従来、行っていた一対の絶縁カバーによるステータ巻線に対する絶縁及びステータ体に対する防錆塗装をやめ、防錆効果の向上及び量産性の向上を得るようにした回転検出器用ステータ構造を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明による回転検出器用ステータ構造は、全体形状が輪状をなし内方へ向けて突出する複数の磁極を有するステータ体と、前記磁極に絶縁部材を介して設けられたステータ巻線とからなり、前記磁極を含むステータ体は、樹脂一体モールドによって一体成形された前記絶縁部材によって覆われている回転検出器用ステータ構造において、前記樹脂一体モールドの一端には、前記樹脂一体モールドと一体でかつコネクタ端子をインサート成形してなると共に前記ステータ体の径方向に沿う長手方向を有して延設されたコネクタ部が形成され、前記コネクタ部には前記長手方向に沿って延設されたコネクタ端子を有し、前記ステータ体の周縁のＵ字型をなす複数の取付用凹部には、前記取付用凹部の形状に沿ってＵ字状に形成され前記樹脂一体モールドが形成されず前記ステータ体の一部が露出するＵ字状露出部が形成されている構成である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による回転検出器用ステータ構造の好適な実施の形態について説明する。尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を付して説明する。
図１から図３は、本発明による回転検出器用ステータ構造の形態を示すものであり、符号１で示されるものは全体形状が輪状をなす積層型のステータ体であり、このステータ体１の内面には内方へ向かって突出する複数の磁極２が形成されている。
【０００８】
前記各磁極２を含む前記ステータ体１の全面（すなわち、従来露出していた周面１ａ及び周縁端面１ｂ等含む）には、図示しない型を用いて樹脂による一体モールドで形成された樹脂一体モールド２０が形成され、この樹脂一体モールド２０によって従来の絶縁カバーに相当する第１、第２絶縁部材３、４も同時に一体成形されている。
【０００９】
前記樹脂一体モールド２０の一端には、コネクタ端子５をインサート成形で有するコネクタ部６が一体に成形されており、図２は図１の右側面図であり、図３は図２の磁極２にステータ巻線１１を巻回した状態を示している。前記コネクタ部６は、ステータ体１の径方向に沿う長手方向Ｌを有して延設され、前記コネクタ端子５は前記長手方向Ｌに沿って延設されている。
従って、前述の図１から図３の形態においては、磁極２を含むステータ体１が全て樹脂一体モールド２０による樹脂によって覆われており、この樹脂により防錆作用が達成されているため、従来のようなカチオン塗装等による防錆処理は不要となる。
【００１０】
図４及び図５は、本発明による回転検出器用のステータ構造の図１から図３の構成の一部を加工した形態を示している。
すなわち、図５の右側面図に示されているように、ステータ体１の周縁にはＵ字型をなす複数の取付用凹部２１が形成されており、前記樹脂一体モールド２０が取付用凹部２１のみを覆わないようにむき出し状態とし他は全て図１と同様とした構成である。すなわち、前記各取付用凹部２１には、前記取付用凹部２１の形状に沿ってＵ字状に形成され、前記樹脂一体モールド２０が形成されず、前記ステータ体１の一部が露出するＵ字状露出部２１Ａが形成されている。
【００１１】
【発明の効果】
本発明による回転検出器用ステータ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、ステータ体の取付用凹部の一部のＵ字状露出部のみを除外して樹脂一体モールドを形成しているため、絶縁カバーを別体として用いる必要がなく、かつ、ステータ体に対して塗料等による防錆処理をする必要がなく、組立工数低減、塗装工程削除、防錆効果の向上、複雑な回転検出器形状の実現、量産性の向上等を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による回転検出器用ステータ構造を示す断面図である。
【図２】 図１の右側面図である。
【図３】 図２の構成にステータ巻線を施した状態を示す構成図である。
【図４】 図１の他の形態を示す断面図である。
【図５】 図４の右側面図である。
【図６】 従来構成を示す分解断面図である。
【図７】 図６の組立後の状態を示す右側面図である。
【図８】 図７の状態にステータ巻線を施した状態を示す構成図である。
【符号の説明】
１ ステータ体
２ 磁極
３、４ 絶縁部材
５ コネクタ端子
６ コネクタ部
１１ ステータ巻線
２０ 樹脂一体モールド
２１ 取付用凹部
Ｌ 長手方向
２１Ａ Ｕ字状露出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転検出器用ステータ構造に関し、特に、磁極を含むステータ体の全面を樹脂で一体モールドすることにより、従来、行っていた一対の絶縁カバーによるステータ巻線に対する絶縁及びステータ体に対する防錆塗装をやめ、防錆効果の向上及び量産性の向上を得るための新規な改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の回転検出器用ステータ構造としては、一般に、図６から図８で示される構成が採用されていた。
すなわち、図６において符号１で示されるものは、全体形状が輪状をなし積層型のステータ体であり、このステータ体１の両面には、全体形状が輪状をなし内方に突出する複数の磁極２を覆う形状を有する第１、第２絶縁カバー３、４が嵌め込まれ、第１絶縁カバー３の一端にはコネクタ端子５を一体に有するコネクタ部６が一体に形成されている。
前記ステータ体１は、予め、カチオン塗装、接着剤等の塗布による防錆処理が行われている。
【０００３】
図６のステータ体１、第１、第２絶縁カバー３、４を一体状に重合させて組立てた組立後の状態は、図７に示される通りであり、絶縁カバー３、４の外周側にはこの絶縁カバー３、４で覆いつくせないむき出し部分１０が形成されている。
また、図７の状態において各磁極２にステータ巻線１１を巻回して設けた後の状態は、図８で示される通りである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転検出器用ステータ構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各絶縁カバーは、ステータ体の両面に嵌め込むだけであるため、ステータ体自体に対する防錆効果は得ることができず、そのために、ステータ体自体には、カチオン塗装や接着剤の塗布を行わなくてはならず、コストアップとなっていた。
また、ステータに絶縁カバーを嵌め込むため、組立費用が発生し、この絶縁カバーの成形精度が十分でない場合には、その形状歪などによって、組立作業に障害が発生したり、組立後に絶縁カバーが脱落することがあった。
【０００５】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、磁極を含むステータ体の全面を樹脂で一体モールドすることにより、従来、行っていた一対の絶縁カバーによるステータ巻線に対する絶縁及びステータ体に対する防錆塗装をやめ、防錆効果の向上及び量産性の向上を得るようにした回転検出器用ステータ構造を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明による回転検出器用ステータ構造は、全体形状が輪状をなし内方へ向けて突出する複数の磁極を有するステータ体と、前記磁極に絶縁部材を介して設けられたステータ巻線とからなり、前記磁極を含むステータ体は、樹脂一体モールドによって一体成形された前記絶縁部材によって覆われている回転検出器用ステータ構造において、前記樹脂一体モールドの一端には、前記樹脂一体モールドと一体でかつコネクタ端子をインサート成形してなると共に前記ステータ体の径方向に沿う長手方向を有して延設されたコネクタ部が形成され、前記コネクタ部には前記長手方向に沿って延設されたコネクタ端子を有し、前記ステータ体の周縁のＵ字型をなす複数の取付用凹部には、前記取付用凹部の形状に沿ってＵ字状に形成され前記樹脂一体モールドが形成されず前記ステータ体の一部が露出するＵ字状露出部が形成されている構成である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による回転検出器用ステータ構造の好適な実施の形態について説明する。尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を付して説明する。
図１から図３は、本発明による回転検出器用ステータ構造の形態を示すものであり、符号１で示されるものは全体形状が輪状をなす積層型のステータ体であり、このステータ体１の内面には内方へ向かって突出する複数の磁極２が形成されている。
【０００８】
前記各磁極２を含む前記ステータ体１の全面（すなわち、従来露出していた周面１ａ及び周縁端面１ｂ等含む）には、図示しない型を用いて樹脂による一体モールドで形成された樹脂一体モールド２０が形成され、この樹脂一体モールド２０によって従来の絶縁カバーに相当する第１、第２絶縁部材３、４も同時に一体成形されている。
【０００９】
前記樹脂一体モールド２０の一端には、コネクタ端子５をインサート成形で有するコネクタ部６が一体に成形されており、図２は図１の右側面図であり、図３は図２の磁極２にステータ巻線１１を巻回した状態を示している。前記コネクタ部６は、ステータ体１の径方向に沿う長手方向Ｌを有して延設され、前記コネクタ端子５は前記長手方向Ｌに沿って延設されている。
従って、前述の図１から図３の形態においては、磁極２を含むステータ体１が全て樹脂一体モールド２０による樹脂によって覆われており、この樹脂により防錆作用が達成されているため、従来のようなカチオン塗装等による防錆処理は不要となる。
【００１０】
図４及び図５は、本発明による回転検出器用のステータ構造の図１から図３の構成の一部を加工した形態を示している。
すなわち、図５の右側面図に示されているように、ステータ体１の周縁にはＵ字型をなす複数の取付用凹部２１が形成されており、前記樹脂一体モールド２０が取付用凹部２１のみを覆わないようにむき出し状態とし他は全て図１と同様とした構成である。すなわち、前記各取付用凹部２１には、前記取付用凹部２１の形状に沿ってＵ字状に形成され、前記樹脂一体モールド２０が形成されず、前記ステータ体１の一部が露出するＵ字状露出部２１Ａが形成されている。
【００１１】
【発明の効果】
本発明による回転検出器用ステータ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、ステータ体の取付用凹部の一部のＵ字状露出部のみを除外して樹脂一体モールドを形成しているため、絶縁カバーを別体として用いる必要がなく、かつ、ステータ体に対して塗料等による防錆処理をする必要がなく、組立工数低減、塗装工程削除、防錆効果の向上、複雑な回転検出器形状の実現、量産性の向上等を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による回転検出器用ステータ構造を示す断面図である。
【図２】 図１の右側面図である。
【図３】 図２の構成にステータ巻線を施した状態を示す構成図である。
【図４】 図１の他の形態を示す断面図である。
【図５】 図４の右側面図である。
【図６】 従来構成を示す分解断面図である。
【図７】 図６の組立後の状態を示す右側面図である。
【図８】 図７の状態にステータ巻線を施した状態を示す構成図である。
【符号の説明】
１ ステータ体
２ 磁極
３、４ 絶縁部材
５ コネクタ端子
６ コネクタ部
１１ ステータ巻線
２０ 樹脂一体モールド
２１ 取付用凹部
Ｌ 長手方向
２１Ａ Ｕ字状露出部
Claims (1)
- 全体形状が輪状をなし内方へ向けて突出する複数の磁極(2)を有するステータ体(1)と、前記磁極(2)に絶縁部材(3、4)を介して設けられたステータ巻線(11)とからなり、前記磁極(2)を含むステータ体(1)は、樹脂一体モールド(20)によって一体成形された前記絶縁部材(3、4)によって覆われている回転検出器用ステータ構造において、前記樹脂一体モールド(20)の一端には、前記樹脂一体モールド(20)と一体でかつコネクタ端子(5)をインサート成形してなると共に前記ステータ体 (1) の径方向に沿う長手方向 (L) を有して延設されたコネクタ部(6)が形成され、前記コネクタ部 (6) には前記長手方向 (L) に沿って延設されたコネクタ端子 (5) を有し、前記ステータ体(1)の周縁のＵ字型をなす複数の取付用凹部(21)には、前記取付用凹部 (21) の形状に沿ってＵ字状に形成され前記樹脂一体モールド (20) が形成されず前記ステータ体 (1) の一部が露出するＵ字状露出部 (21A) が形成されていることを特徴とする回転検出器用ステータ構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001373035A JP3699929B2 (ja) | 2001-12-06 | 2001-12-06 | 回転検出器用ステータ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001373035A JP3699929B2 (ja) | 2001-12-06 | 2001-12-06 | 回転検出器用ステータ構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003174750A JP2003174750A (ja) | 2003-06-20 |
| JP3699929B2 true JP3699929B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
ID=19181819
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001373035A Expired - Fee Related JP3699929B2 (ja) | 2001-12-06 | 2001-12-06 | 回転検出器用ステータ構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3699929B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5274780B2 (ja) * | 2007-03-16 | 2013-08-28 | 株式会社ケーヒン | 回転式アクチュエータ |
| US8513843B2 (en) | 2008-06-23 | 2013-08-20 | Mitsubishi Electric Corporation | Insulating housing for motor terminal |
| JP5902466B2 (ja) * | 2011-12-21 | 2016-04-13 | ミネベア株式会社 | レゾルバのインシュレータ、ｖｒ型レゾルバ及び、ｖｒ型ツインレゾルバ |
-
2001
- 2001-12-06 JP JP2001373035A patent/JP3699929B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003174750A (ja) | 2003-06-20 |
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