JP3699293B2 - 剥離装置および剥離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルやプラズマ表示パネルなどの製造に用いるガラス基板、半導体ウエハ、半導体製造装置用のマスク基板などの基板の表面に形成された被膜を剥離するための剥離装置および剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばフォトリソグラフィのプロセスにおいては、処理すべき基板の表面にフォトレジストの被膜を形成し、露光、現像、エッチング等のプロセス処理を施して所望のパターニングを行なう。そしてしかる後、基板上に残っているフォトレジストの被膜を剥離除去する。かかる剥離処理を行なうための剥離装置としては、図3に示すものが考えられる。この装置90は、第1処理室91及び第2処理室92の2つの処理室を設け、その2つの処理室を通過するようにローラコンベア93を設けてある。ローラコンベア93は基板Wを水平姿勢で図中の矢印方向に搬送する。第1処理室91内にはローラコンベア93によって搬送される基板Wに対して剥離液を低圧でスプレーする低圧ノズル94が設けられている。第2処理室92内にはローラコンベア93によって搬送される基板Wに対して剥離液を高圧でスプレーする高圧ノズル95が設けられている。
【0003】
そしてかかる装置では、基板Wはまず第1処理室91を通過するうちに低圧で供給される剥離液によってその表面が覆われ、その間にフォトレジストの被膜が剥離液で膨潤される。続いて基板Wは第2処理室92へ入り、高圧でスプレーされる剥離液による物理的な衝撃力が基板W表面のフォトレジスト被膜に加えられて、フォトレジスト被膜が剥離除去される。そして、続いて基板Wは図中右側に設けられる洗浄処理室(図示せず)へ搬送されて純水で洗浄処理され、さらに乾燥処理室(図示せず)へ搬送されて乾燥処理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図3の装置では、基板Wはローラコンベア93によって一定速度で搬送されるため、剥離液を供給して処理する処理時間は、処理室の大きさと搬送速度によって決まってしまい、被膜の状態などに応じて処理時間を変更することは困難である。本発明は処理時間を容易に変更することができる剥離装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、図3の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理工程と、剥離液を高圧で吐出する処理工程のそれぞれの時間も決まっており、被膜の状態などに応じて時間を変更することが困難であった。本発明は低圧吐出による処理工程の時間、高圧吐出による処理工程の時間それぞれを自由に変更して設定することができる剥離装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、図3の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理と高圧で吐出する処理を別の処理室で行なっており、2つの処理室が必要であり、装置が大きなものであった。本発明は装置を小型化することができる剥離装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、図3の装置では、低圧で供給した剥離液によって被膜を膨潤させ、その後高圧で供給される剥離液による物理的な衝撃力で被膜を剥離除去する。ここで、被膜の膨潤は剥離液と接している面から進行していくが、被膜の厚みが厚くなると、被膜の表面は容易に膨潤するが、被膜の厚み方向への膨潤が進行しにくくなり、被膜の除去が十分にできなかったり、処理にきわめて長時間を要するという欠点がある。本発明は厚い被膜であっても効率よく短時間で膨潤と剥離除去が行なえる剥離装置および剥離方法を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、処理プロセスの選択自由度が高い剥離装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、その表面に被膜が付着している基板を処理する処理室を構成する室構成体と、前記処理室内に基板を支持する支持機構と、前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧及び高圧で供給可能な液供給機構と、前記液供給機構の動作を制御する制御手段と、前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう該液供給機構に対して前記基板を相対的に往復移動させる相対移動機構とを備え、前記相対移動機構により前記基板を相対的に往復移動させつつ、前記被膜に前記液供給機構により低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜に高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離することを特徴とする剥離装置である。
【0010】
この構成によれば、基板は処理室内で処理に必要な時間だけ往復移動してその間に処理が行なわれるので、処理室の大きさや搬送速度にかかわらず、被膜の状態などに応じて処理時間を容易に変更することができる。また、剥離液を低圧で吐出する処理工程と、剥離液を高圧で吐出する処理工程のそれぞれの時間を自由に変更して設定することができる。さらに、剥離液を低圧で吐出する処理と高圧で吐出する処理とを一つの処理室で行なっており、装置が小型化できる。
【0011】
請求項2の発明は、その表面に被膜が付着している基板を処理する処理室を構成する室構成体と、前記処理室内に基板を支持する支持機構と、前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧で供給する低圧供給機構及び高圧で供給する高圧供給機構とを有する液供給機構と、前記液供給機構の動作を制御する制御手段と、前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう該液供給機構に対して前記基板を相対的に往復移動させる相対移動機構とを備え、前記低圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する低圧ノズルと、前記高圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する高圧ノズルとは、前記基板の表面上におけるそれぞれの液吐出領域が、前記相対移動機構による相対移動方向に沿って交互に位置するよう配置されており、
前記制御手段は、前記低圧供給機構と前記高圧供給機構とを同時に動作させるよう制御して、前記低圧ノズルの液吐出領域に移動した前記被膜に前記低圧ノズルにより低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜を前記相対移動機構により前記高圧ノズルの液吐出領域に移動させ高圧ノズルから高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離するべく制御するものであることを特徴とする剥離装置である
【0012】
この構成によれば、低圧供給機構と高圧供給機構とをそれぞれ別個に設けているので、それらを同時に動作させることができ、処理プロセスの選択自由度が高い。
【0013】
また、基板の部分部分に対して低圧の処理液供給による膨潤と高圧の処理液供給による剥離を繰り返すことで、効率よく短時間で膨潤と剥離除去が行なえる。
【0014】
この構成によれば、剥離すべき被膜に対して低圧の処理液供給による膨潤と高圧の処理液供給による剥離を繰り返すことで、効率よく短時間で膨潤と剥離除去が行なえる。
【0015】
請求項の発明は、請求項1記載の剥離装置において、前記液供給機構が、前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧又は高圧で供給可能なノズルと、前記ノズルに対して処理液を供給しかつその供給圧力を低圧と高圧とに切り替え可能な送液機構とを備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、ノズルや送液機構を高圧吐出と低圧吐出の両方に共用しており、装置を小型化、低コスト化できる。
【0017】
請求項の発明は、請求項記載の剥離装置において、前記制御手段が、前記ノズルに処理液を低圧で供給するよう前記送液機構を動作させた後に、前記ノズルに処理液を高圧で供給するよう前記送液機構を動作させるよう制御するものであることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、剥離すべき被膜を先に低圧で処理液を供給して膨潤させておき、その後に高圧で処理液を供給して良好に剥離除去できる。
【0019】
請求項の発明は、請求項3又は4記載の剥離装置において、前記制御手段が、前記送液機構の動作を、前記ノズルへの処理液の供給圧力が低圧と高圧とを交互にくりかえすように制御するものであることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、剥離すべき被膜に対して低圧の処理液供給による膨潤と高圧の処理液供給による剥離を繰り返すことで、効率よく短時間で膨潤と剥離除去が行なえる。
【0021】
請求項記載の発明は、処理室内で支持機構に支持された、表面に被膜が付着している基板に対し液供給機構を介して処理液を低圧及び高圧で供給することにより基板から前記被膜を剥離する剥離方法であって、前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう前記基板を相対的に往復移動させつつ、前記被膜に低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜に高圧で処理液を供給して基板から被膜を剥離することを特徴とする剥離方法である。
【0022】
この構成によれば、請求項1記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0023】
請求項記載の発明は、処理室内で支持機構に支持された、表面に被膜が付着している基板に対し低圧供給機構と高圧供給機構とを備えた液供給機構を介して処理液を低圧及び高圧で供給することにより基板から前記被膜を剥離する剥離方法であって、前記低圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する低圧ノズルと、前記高圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する高圧ノズルとを、前記基板の表面上におけるそれぞれの液吐出領域が、前記相対移動機構による相対移動方向に沿って交互に位置するよう配置し、前記制御手段によって前記低圧供給機構と前記高圧供給機構とを同時に動作させるよう制御することにより、前記低圧ノズルの液吐出領域に移動した前記被膜に前記低圧ノズルにより低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜を前記相対移動機構により前記高圧ノズルの液吐出領域に移動させ高圧ノズルから高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離することを特徴とする剥離方法である。
【0024】
この構成によれば、請求項2記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る基板処理装置の第1実施形態の要部の概略構成を示す模式的断面図である。この基板処理装置は、角型のガラス基板W(以下、単に基板Wと称する)を水平姿勢または若干の傾斜姿勢として図中左から右へ向って水平方向にローラコンベア1で搬送しつつ、処理液として剥離液を供給して基板Wに対して剥離処理を施し、かつ当該処理後に純水を供給して洗浄処理する剥離装置である。この基板Wは、フォトレジストの被膜形成、露光、現像、エッチング等のプロセス処理を経て、その表面に剥離すべきフォトレジストの被膜が付着しているものである。なお、図示は省略しているが、さらにその後に基板Wに乾燥空気を供給するかまたは基板Wを回転させるなどして乾燥処理する乾燥処理部が、図1の右方に設けられる。この基板処理装置は、剥離液により処理を施す剥離処理部と、洗浄処理を施す洗浄処理部と、乾燥処理を施す乾燥処理部とからなるが、図1では剥離処理部Cと洗浄処理部Dのみを示す。
【0026】
基板Wに対して剥離処理を施すための剥離処理室2および基板Wに対して洗浄処理を施すための洗浄処理室4は、室構成体3により区画形成される。また、室構成体3には、基板Wを剥離処理室2および洗浄処理室4へ搬入搬出するための開口5が形成され、その開口5を介して基板Wを剥離処理室2へ搬入し、さらに洗浄処理室4へ搬入し、洗浄処理室4から搬出するためのローラコンベア1が設けられている。基板Wは、剥離処理室2および洗浄処理室4内において、ローラコンベア1によって支持され、搬送される。
【0027】
剥離処理室2には、ローラコンベア1によって支持された剥離処理室2内の基板Wに対して処理液を低圧又は高圧で供給可能な液供給機構10が付設される。液供給機構10において、剥離液タンク18は剥離処理室2の下方の開口15と配管接続され、開口15から排出される剥離液は剥離液タンク18に受け入れられて貯溜される。剥離液タンク18には、貯溜している剥離液を所定温度に保つための温度調節機構14が付設されている。また、剥離液タンク18は、ポンプ19、流量調整可能な開閉弁22及びフィルタ23を介してノズル11に配管接続されている。ポンプ19はインバータ20の出力によって駆動され、インバータ20の出力は制御装置21によって制御される。ポンプ19は、制御装置21によってインバータ20の周波数を制御することにより、ノズル11側に向けた吐出圧力を低圧と高圧とに任意に切り替えて駆動制御可能となっている。これにより、ローラコンベア1の上方に設置されたノズル11は、ローラコンベア1上に支持された基板Wに対して剥離液を低圧又は高圧で供給可能となっている。なお、ノズル11は、図1の紙面奥行き方向に長いものを使用するか、あるいは紙面奥行き方向に複数の同じノズル11を配列して配置することにより、紙面奥行き方向に等しい状態で処理液が供給されるようにして、処紙面奥行き方向に処理ムラが生じるのを防止している。
【0028】
また、剥離処理室2内のローラコンベア1の両端近く、すなわち両方の開口5近くの位置にはローラコンベア1上の基板Wの有無を検出して信号を出力するセンサ16、17が設けられている。センサ16、17は制御装置21に接続されており、基板Wがローラコンベア1上をセンサ16、17のところまで搬送されてくると、制御装置21は当該センサ16、17からの出力信号によりそれを検知する。また、ローラコンベア1は後述のように制御装置21によってその動作が制御されるが、ローラコンベア1のうち、特に剥離処理室2内に位置する部分には他の部分とは独立した駆動源として可逆転モータ(図示せず)が使用され、ローラコンベア1に乗せられて運ばれてきた基板Wを剥離処理室2内でセンサ16とセンサ17との間を周期的に往復移動させることができる。
【0029】
なお、ノズル11は、剥離液が高圧で供給されたときには基板Wに対しても高圧スプレー状で剥離液を供給する高圧スプレーノズルであるが、剥離液が低圧で供給されたときには、基板Wに対しても低圧スプレー状で供給する。また、各ノズル11の周囲には、ノズル11から高圧で吐出される剥離液がミストとなって周囲に飛散するのを抑制する覆い部材9が設けられている。
【0030】
洗浄処理室4には、剥離処理室2からローラコンベア1により運ばれてきた基板Wの上下両面に対して純水をスプレー状で供給して洗浄するためのノズル24が、ローラコンベア1の上下に設けられている。純水供給源29からの純水はポンプ30によって加圧され、流量調整可能な開閉弁31及びフィルタ32を介してノズル24に配管接続されている。なお、洗浄処理室4の上部には、周囲の下降気流を清浄にして取り入れるためのフィルタ33が設けられている。また、洗浄処理室4の下部には、取り入れた下降気流を排出するとともに使用後の純水を排出するための開口34が形成されている。
【0031】
制御装置21は、上述したインバータ20のほか、ポンプ30や開閉弁22、31、ローラコンベア1等にも接続(図示省略)され、それらを制御することによって剥離液や純水の供給や基板の搬送などこの剥離装置全体の動作をつかさどる。特に、剥離処理室2内で剥離液を基板Wに供給する際において、制御装置21は、基板Wが図中左から右方向に搬送されてセンサ17の位置まで到達したことを検知するとその剥離処理室2内のローラコンベア1の駆動源を逆回転させ、こんどは基板Wを図中右から左方向に搬送する。そして、次に基板がセンサ16の位置まで到達すると、今度は前記駆動源を正回転させることにより、基板Wを図中左から右方向に搬送する。制御装置21はかかる制御動作を繰り返すことにより、基板Wを剥離処理室2内の所定の範囲で周期的に往復移動させることができる。そして、かかる往復移動によって基板Wへの剥離処理室2での処理が終了すると、ローラコンベア1の前記駆動源を正回転させて基板Wをセンサ17の位置を越えて図中右方向へ搬送し、洗浄処理室4へ送り込むことができる。
【0032】
つぎにこの第1の実施形態の剥離装置の動作を説明する。まず第1工程として、剥離処理すべき基板Wがローラコンベア1によって搬送されてきて剥離処理室2へ搬入されたことがセンサ16により検出されると、制御装置21はポンプ19を吐出圧力が低圧となるように駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル11から剥離液を低圧でスプレー状に供給する。この第1工程においては、低圧で基板W上に供給された剥離液は、高圧で供給されたときのように基板W表面に衝突して跳ね返って周囲に飛散したりすることなく、基板Wの表面に液の膜を形成し、基板Wの表面に付着している剥離されるべき被膜、すなわちフォトレジストの被膜と十分に接触し、当該被膜を膨潤させる。この第1工程は、かかる膨潤が十分に進行する所定時間の間継続され、その間、剥離液の低圧状態での供給は継続される。この間、基板Wに対しては温度調節された剥離液が継続して供給されるので、工程の途中で基板Wに触れる剥離液の温度が低下するといった不都合は生じない。
【0033】
また、この第1工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2の図中右側端部まで搬送されてしまったときには、センサ17により基板Wの位置が検出され、制御装置21はローラコンベア1の駆動源を逆回転駆動し、今度は基板Wを図中右から左方向へ搬送し、剥離処理室2内で第1工程を継続して実行する。第1工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2の図中左側端部まで搬送されてしまったときにも同様に、センサ16により基板Wの位置が検出され、制御装置21はローラコンベア1の駆動源を正回転駆動し、今度は基板Wを図中左から右方向へ搬送し、剥離処理室2内で第1工程を継続して実行する。このように基板Wが剥離処理室2内を周期的に往復移動し、その移動中に剥離液がスプレー供給されるので、ノズル11から基板Wへの剥離液の供給位置が時間的に変化し、基板Wの全面にむらなく剥離液が供給される。制御装置21は内蔵しているタイマにより第1工程の実行時間を監視し、設定された所定時間が経過すると第1工程を終了する。
【0034】
剥離処理室2内で第1工程が終了すると、引き続いて第2工程が実行される。第2工程においては、制御装置21はポンプ19を吐出圧力が高圧となるように駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル11から剥離液を高圧でスプレー状に供給する。この第2工程においては、基板W面上に剥離液が高圧で供給され、第1工程の間に十分に膨潤しているフォトレジストの被膜に剥離液が高圧で衝突することによる物理的衝撃力が加わることになり、被膜が効果的に剥離除去される。この第2工程は、被膜の剥離除去が十分に行われる所定時間の間継続され、その間、剥離液の高圧状態での供給は継続される。この間、基板Wに対しては温度調節された剥離液が継続して供給されるので、工程の途中で基板Wに触れる剥離液の温度が低下するといった不都合は生じない。
【0035】
また、この第2工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2のどちらかの端部まで搬送されてしまったときには、第1工程と同様に、センサ16、17により基板Wの位置が検出され、制御装置21がローラコンベア1の駆動源の回転方向を制御することにより基板Wを剥離処理室2内で周期的に往復移動させ、剥離処理室2内で第2工程を継続して実行する。このように基板Wが剥離処理室2内を移動中に剥離液がスプレー供給されるので、ノズル11から基板Wへの剥離液の供給位置が時間的に変化し、基板Wの全面にむらなく剥離液が供給される。制御装置21は内蔵しているタイマにより第2工程の実行時間を監視し、設定された所定時間が経過すると第2工程を終了する。第2工程が終了すると、制御装置21はローラコンベア1を駆動して基板Wを洗浄処理室4へ送る。
【0036】
洗浄処理室4内においては第3工程が実行される。第3工程においては、制御装置21はポンプ30を駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル24から純水スプレー状に供給して洗浄処理する。この第3工程においては、基板Wの上面、下面に付着して残留している剥離液や、剥離されたフォトレジスト被膜の破片などが純水スプレーにより洗い流される。この第3工程は、基板Wが洗浄処理室4の図中右側の開口5から搬出されるまで行われる。
【0037】
第3工程が終了して洗浄処理室4の図中右側の開口5から搬出された基板Wは、図示しない搬送装置により前記乾燥装置へ搬送され、第4工程が実行される。この第4工程においては、基板Wは周知の乾燥装置、例えば基板を回転させることによる回転式乾燥装置やエアを吹き付けることによるエアナイフ式乾燥装置によって乾燥処理される。乾燥処理後の基板Wは直ちに次工程に送られるか、あるいは所定の容器に格納される。
【0038】
この第1実施形態の剥離装置では、基板Wは剥離処理室内で処理に必要な時間だけ周期的に往復移動してその間に処理が行なわれるので、処理室の大きさや搬送速度にかかわらず、被膜の状態などに応じて処理時間を容易に変更することができる。特にこの実施形態の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理工程と、剥離液を高圧で吐出する処理工程のそれぞれの時間を自由に変更して設定することができる。また、この実施形態の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理と高圧で吐出する処理とを一つの剥離処理室2で行なっており、装置が小型化できる。特にこの実施形態の装置では、ノズル11やポンプ19などの液供給機構10を高圧吐出と低圧吐出の両方に共用しており、装置の小型化、低コスト化の効果が大きい。
【0039】
次に、上述した第1実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、制御装置21をのぞいた構成は上記と同一であり、制御装置21の制御動作のみが異なる。すなわち、上記実施形態では、制御装置21は第1工程、第2工程、第3工程、第4工程を順に1回ずつ実行したが、この変形例においては、制御装置21は上述と同じ第1工程と第2工程とを組として、この組を複数回繰り返して行なった後に第3工程と第4工程とを行なう。すなわち例えば、第1工程、第2工程、第1工程、第2工程、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程の順序で処理を行なう。この例では第1工程と第2工程との組を3回繰り返している。この場合、例えば上記実施形態において第1工程の時間が30秒、第2工程の時間が60秒であったとすると、この変形例においては各第1工程は10秒、各第2工程は20秒でよい。
【0040】
かかる変形例でも各工程の合計時間は上記実施形態と同一であるが、この変形例の剥離装置及び剥離方法によれば、同一の処理時間であっても上記実施形態の装置および方法と比べてより被膜の剥離除去を十分に行なうことができる。すなわち、被膜の膨潤は剥離液と接している面から進行していくが、被膜の厚み方向への膨潤は進行しにくく、特にこれは被膜の厚みが厚いときに顕著であって、被膜の表面は容易に膨潤するが被膜の基板側は膨潤が不充分であるといったことが起こる。しかるに、この変形例であれば、短時間の第1工程で被膜の表面を膨潤させてその膨潤部分を次の第2工程で剥離除去できる。すると、次なる第1工程では薄くなった残りの被膜の表面から再度膨潤がはじまることになり、厚い被膜の表面から膨潤を徐々に進行させる場合と比べて膨潤がより円滑に行われる。これにより、同一の処理時間であっても被膜の剥離除去をより十分に行なうことができ、処理時間が短くてすみ、また厚い被膜であっても効率よく確実に短時間で膨潤と剥離除去が行なえる。
【0041】
図2は本発明に係る基板処理装置の第2実施形態の要部の概略構成を示す模式的断面図である。この基板処理装置は、基板Wを水平姿勢または若干の傾斜姿勢として図中左から右へ向って水平方向にローラコンベア1で搬送しつつ、処理液として剥離液を供給して基板Wに対して剥離処理を施し、かつ当該処理後に純水を供給して洗浄処理する剥離装置である。この基板Wは、フォトレジストの被膜形成、露光、現像、エッチング等のプロセス処理を経て、その表面に剥離すべきフォトレジストの被膜が付着しているものである。なお、図示は省略しているが、さらにその後に基板Wに乾燥空気を供給するかまたは基板Wを回転させるなどして乾燥処理する乾燥処理部が、図2の右方に設けられる。この基板処理装置は、剥離液により処理を施す剥離処理部と、洗浄処理を施す洗浄処理部と、乾燥処理を施す乾燥処理部とからなるが、図2では剥離処理部Cと洗浄処理部Dのみを示す。
【0042】
基板Wに対して剥離処理を施すための剥離処理室2および基板Wに対して洗浄処理を施すための洗浄処理室4は、室構成体3により区画形成される。また、室構成体3には、基板Wを剥離処理室2および洗浄処理室4へ搬入搬出するための開口5が形成され、その開口5を介して基板Wを剥離処理室2へ搬入し、さらに洗浄処理室4へ搬入し、洗浄処理室4から搬出するためのローラコンベア1が設けられている。基板Wは、剥離処理室2および洗浄処理室4内において、ローラコンベア1によって支持され、搬送される。
【0043】
剥離処理室2には、ローラコンベア1によって支持された剥離処理室2内の基板Wに対して処理液を低圧で供給可能な低圧供給機構40と、ローラコンベア1によって支持された剥離処理室2内の基板Wに対して処理液を高圧で供給可能な高圧供給機構50が付設される。
【0044】
低圧供給機構40において、剥離液タンク18は剥離処理室2の下方の開口15と配管接続され、開口15から排出される剥離液は剥離液タンク18に受け入れられて貯溜される。剥離液タンク18には、貯溜している剥離液を所定温度に保つための温度調節機構14が付設されている。また、剥離液タンク18は、低圧で剥離液を吐出するポンプ49、流量調整可能な開閉弁42及びフィルタ43を介してノズル41に配管接続されている。ポンプ49は制御装置21によって駆動制御される。ノズル41は、低圧で供給される剥離液を基板Wに対して低圧スプレー状で供給する低圧スプレーノズルである。
【0045】
高圧供給機構50において、剥離液タンク18は低圧供給機構40と共用される。剥離液タンク18は、高圧で剥離液を吐出するポンプ59、流量調整可能な開閉弁52及びフィルタ53を介してノズル51に配管接続されている。ポンプ59は制御装置21によって駆動制御される。ノズル51は、高圧で供給される剥離液を基板Wに対して高圧スプレー状で供給する高圧スプレーノズルである。ノズル51の周囲には、ノズル51から高圧で吐出される剥離液がミストとなって周囲に飛散するのを抑制する覆い部材9が設けられている。
【0046】
低圧供給機構40のノズル41と、高圧供給機構50のノズル51とは、剥離処理室2内において、基板Wの搬送方向に沿って交互に配置され、かつそれらの配置の列の両端、すなわち両方の開口5に最も近い位置には、ノズル41が配置されている。また、ノズル41、51のそれぞれは、図2の紙面奥行き方向に長いものを使用するか、あるいは紙面奥行き方向に複数の同じノズル41、51を配列して配置することにより、紙面奥行き方向に等しい状態で処理液が供給されるようにして、紙面奥行き方向に処理ムラが生じるのを防止している。
【0047】
また、剥離処理室2内のローラコンベア1の両端近く、すなわち両方の開口5近くの位置にはローラコンベア1上の基板Wの有無を検出して信号を出力するセンサ16、17が設けられている。センサ16、17は制御装置21に接続されており、基板Wがローラコンベア1上をセンサ16、17のところまで搬送されてくると、制御装置21は当該センサ16、17からの出力信号によりそれを検知する。また、ローラコンベア1は後述のように制御装置21によってその動作が制御されるが、ローラコンベア1のうち、特に剥離処理室2内に位置する部分には他の部分とは独立した駆動源として可逆転モータ(図示せず)が使用され、ローラコンベア1に乗せられて運ばれてきた基板Wを剥離処理室2内でセンサ16とセンサ17との間を周期的に往復移動させることができる。
【0048】
なお、ノズル51は、剥離液が高圧で供給されたときには基板Wに対しても高圧スプレー状で剥離液を供給する高圧スプレーノズルである。また、各ノズル51の周囲には、ノズル51から高圧で吐出される剥離液がミストとなって周囲に飛散するのを抑制する覆い部材9が設けられている。
【0049】
洗浄処理室4には、剥離処理室2からローラコンベア1により運ばれてきた基板Wの上下両面に対して純水をスプレー状で供給して洗浄するためのノズル24が、ローラコンベア1の上下に設けられている。純水供給源29からの純水はポンプ30によって加圧され、流量調整可能な開閉弁31及びフィルタ32を介してノズル24に配管接続されている。なお、洗浄処理室4の上部には、周囲の下降気流を清浄にして取り入れるためのフィルタ33が設けられている。また、洗浄処理室4の下部には、取り入れた下降気流を排出するとともに使用後の純水を排出するための開口34が形成されている。
【0050】
制御装置21は、ポンプ49、59のほか、開閉弁31、42、52、ローラコンベア1等にも接続(図示省略)され、それらを制御することによって剥離液や純水の供給や基板の搬送などこの剥離装置全体の動作をつかさどる。特に、剥離処理室2内で剥離液を基板Wに供給する際において、制御装置21は、基板Wが図中左から右方向に搬送されてセンサ17の位置まで到達したことを検知するとその剥離処理室2内のローラコンベア1の駆動源を逆回転させ、こんどは基板Wを図中右から左方向に搬送する。そして、次に基板がセンサ16の位置まで到達すると、今度は前記駆動源を正回転させることにより、基板Wを図中左から右方向に搬送する。制御装置21はかかる制御動作を繰り返すことにより、基板Wを剥離処理室2内の所定の範囲で周期的に往復移動させることができる。そして、かかる往復移動によって基板Wへの剥離処理室2での処理が終了すると、ローラコンベア1の前記駆動源を正回転させて基板Wをセンサ17の位置を越えて図中右方向へ搬送し、洗浄処理室4へ送り込むことができる。
【0051】
つぎにこの第2実施形態の剥離装置の動作を説明する。まず第1工程として、剥離処理すべき基板Wがローラコンベア1によって搬送されてきて剥離処理室2へ搬入されたことがセンサ16により検出されると、制御装置21はポンプ49を駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル41から剥離液を低圧でスプレー状に供給する。この第1工程においては、低圧で基板W上に供給された剥離液は基板Wの表面に液の膜を形成し、基板Wの表面に付着している剥離されるべき被膜、すなわちフォトレジストの被膜と十分に接触し、当該被膜を膨潤させる。この第1工程は、かかる膨潤が十分に進行する所定時間の間継続され、その間、剥離液の低圧状態での供給は継続される。この間、基板Wに対しては温度調節された剥離液が継続して供給されるので、工程の途中で基板Wに触れる剥離液の温度が低下するといった不都合は生じない。
【0052】
また、この第1工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2の図中右側端部まで搬送されてしまったときには、センサ17により基板Wの位置が検出され、制御装置21はローラコンベア1の駆動源を逆回転駆動し、今度は基板Wを図中右から左方向へ搬送し、剥離処理室2内で第1工程を継続して実行する。第1工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2の図中左側端部まで搬送されてしまったときにも同様に、センサ16により基板Wの位置が検出され、制御装置21はローラコンベア1の駆動源を正回転駆動し、今度は基板Wを図中左から右方向へ搬送し、剥離処理室2内で第1工程を継続して実行する。このように基板Wが剥離処理室2内を周期的に往復移動し、その移動中に剥離液がスプレー供給されるので、ノズル41から基板Wへの剥離液の供給位置が時間的に変化し、基板Wの全面にむらなく剥離液が供給される。制御装置21は内蔵しているタイマにより第1工程の実行時間を監視し、設定された所定時間が経過するとポンプ49の動作を停止させて第1工程を終了する。
【0053】
剥離処理室2内で第1工程が終了すると、引き続いて第2工程が実行される。第2工程においては、制御装置21はポンプ59を駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル51から剥離液を高圧でスプレー状に供給する。この第2工程においては、基板W面上に剥離液が高圧で供給され、第1工程の間に十分に膨潤しているフォトレジストの被膜に剥離液が高圧で衝突することによる物理的衝撃力が加わることになり、被膜が効果的に剥離除去される。この第2工程は、被膜の剥離除去が十分に行われる所定時間の間継続され、その間、剥離液の高圧状態での供給は継続される。この間、基板Wに対しては温度調節された剥離液が継続して供給されるので、工程の途中で基板Wに触れる剥離液の温度が低下するといった不都合は生じない。
【0054】
また、この第2工程が終了しないうちに基板Wがローラコンベア1によって剥離処理室2のどちらかの端部まで搬送されてしまったときには、第1工程と同様に、センサ16、17により基板Wの位置が検出され、制御装置21がローラコンベア1の駆動源の回転方向を制御することにより基板Wを剥離処理室2内で周期的に往復移動させ、剥離処理室2内で第2工程を継続して実行する。このように基板Wが剥離処理室2内を移動中に剥離液がスプレー供給されるので、ノズル51から基板Wへの剥離液の供給位置が時間的に変化し、基板Wの全面にむらなく剥離液が供給される。制御装置21は内蔵しているタイマにより第2工程の実行時間を監視し、設定された所定時間が経過すると第2工程を終了する。第2工程が終了すると、制御装置21はローラコンベア1を駆動して基板Wを洗浄処理室4へ送る。
【0055】
洗浄処理室4内においては第3工程が実行される。第3工程においては、制御装置21はポンプ30を駆動し、搬送されつつある基板Wに対してノズル24から純水スプレー状に供給して洗浄処理する。この第3工程においては、基板Wの上面、下面に付着して残留している剥離液や、剥離されたフォトレジスト被膜の破片などが純水スプレーにより洗い流される。この第3工程は、基板Wが洗浄処理室4の図中右側の開口5から搬出されるまで行われる。
【0056】
第3工程が終了して洗浄処理室4の図中右側の開口5から搬出された基板Wは、図示しない搬送装置により前記乾燥装置へ搬送され、第4工程が実行される。この第4工程においては、基板Wは周知の乾燥装置、例えば基板を回転させることによる回転式乾燥装置やエアを吹き付けることによるエアナイフ式乾燥装置によって乾燥処理される。乾燥処理後の基板Wは直ちに次工程に送られるか、あるいは所定の容器に格納される。
【0057】
なお、この第2実施形態の装置においても、制御装置21の制御動作を上述した第1実施形態の変形例と同様にすることもできる。それにより、第1実施形態の変形例と同様の処理方法を実施することができる。
【0058】
この第2実施形態の剥離装置では、基板Wは剥離処理室内で処理に必要な時間だけ周期的に往復移動してその間に処理が行なわれるので、処理室の大きさや搬送速度にかかわらず、被膜の状態などに応じて処理時間を容易に変更することができる。特にこの実施形態の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理工程と、剥離液を高圧で吐出する処理工程のそれぞれの時間を自由に変更して設定することができる。また、この実施形態の装置では、剥離液を低圧で吐出する処理と高圧で吐出する処理とを一つの剥離処理室2で行なっており、装置が小型化できる。特にこの実施形態の装置では、低圧供給機構40のノズル41と、高圧供給機構50のノズル51とをそれぞれ別個に設けているので、制御装置の制御動作を変更するだけで、次に説明するような処理方法を実行することも可能である。
【0059】
次に、上述した第2実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、制御装置21をのぞいた構成は上記第2実施形態と同一であり、制御装置21の制御動作のみが異なる。すなわち、上記第2実施形態では、制御装置21は第1工程、第2工程、第3工程、第4工程を順に1回ずつ実行したが、この変形例においては、制御装置21は低圧供給機構40と高圧供給機構50とを同時に動作させる。すなわちノズル41から剥離液を低圧スプレーで、ノズル51から剥離液を高圧スプレーで、同時に基板Wに向けて吐出する。この場合、基板Wが剥離処理室2に搬送されると、まず基板Wの前端部が最初のノズル41の下方に到達し、基板Wの該当部分に剥離液が低圧で供給されて該当部分のフォトレジスト被膜が膨潤される。そして、基板Wが図1中の右方向に搬送されるにつれて、該当部分はノズル51の下方に達し、該当部分に剥離液が高圧で供給されて該当部分のフォトレジスト被膜の特に膨潤された部分が除去される。基板Wがさらに搬送されると、基板Wの該当部分は次のノズル41の下方に到達し、該当部分に剥離液が低圧で供給される。
【0060】
このように、かかる変形例の剥離装置では、ノズル41とノズル51とが基板Wのローラコンベア1による搬送進行方向に対して交互に設けられており、この変形例の剥離方法では、基板W全体に対しては上述の第1工程と第2工程とを同時に行なっているように見えるが、基板Wの部分部分に対しては、上述した第1実施形態の変形例の剥離方法と同一の方法、すなわち第1工程と第2工程との組の工程を複数回繰り返して実行する方法を実施していることになる。これにより、全体として、同一の処理時間であっても被膜の剥離除去をより十分に行なうことができ、処理時間が短くてすみ、また厚い被膜であっても効率よく短時間で膨潤と剥離除去が行なえる。なお、剥離処理室2の端部まで基板Wが搬送された場合のローラコンベア1の逆回転動作や、第3工程の洗浄処理や、第4工程の乾燥処理は、この変形例においても上述と同様である。またこの変形例においては、低圧供給機構40と高圧供給機構50の動作を同時に開始したり、同時に終了することは必ずしも必要ではない。例えば、低圧供給機構40を先行して動作開始させて被膜の膨潤を予め進行させておいたり、高圧供給機構50の動作停止後も低圧供給機構40の動作を所定時間だけ継続させて剥離されたフォトレジスト被膜の破片や汚れた剥離液等を予備的に洗い流すようにしてもよい。
【0061】
なお、以上第1および第2実施形態の説明では、ローラコンベア1は、剥離処理室2や洗浄処理室4内で基板Wを水平姿勢または若干の傾斜姿勢として搬送するものと説明したが、若干の傾斜姿勢で搬送するものとすることが、以下の理由により望ましい。すなわち基板Wを例えば搬送方向にして対して左右いずれかに若干傾斜させて支持することにより、剥離されたフォトレジスト被膜の破片や汚れた剥離液、純水等がその傾斜にそって速やかに流れ落ちて基板W表面から除去されるので、基板Wをより清浄に保つことができる。
【0062】
なお、上記第1および第2実施形態において、低圧での剥離液の供給とは、供給された剥離液が基板W上で被膜を膨潤させるのに十分な液膜を形成できる状態を実現できる程度であればよい。つまり、例えば供給された液のかなりの部分が基板Wへの衝突で跳ね返ってしまうような液の供給状態では、被膜を十分に膨潤させることはできないためである。また、高圧での剥離液の供給とは、膨潤している被膜を剥離除去させるのに十分な衝撃力を与えることができる程度であればよい。具体的な圧力は剥離しようとする被膜と基板Wとの密着の強さなどによって異なるが、例えば上記実施形態において、低圧供給の場合はノズルへの配管内の圧力で例えば1〜2kg/cm2程度の圧力、高圧供給の場合は同じく10〜20kg/cm2程度の圧力で行なっている。低圧供給の場合であれば、例えば基板Wの幅と同等以上の長さのスリット状の開口を有するノズルを用いて、基板W表面に沿うようなカーテン状の液流でほとんど基板Wに圧力を加えずに剥離液を供給するようなものでもよく、スプレー状に供給するものであれば、基板表面での打力を例えば2g/cm2程度以下の圧力とすることが考えられる。また、高圧供給の場合は同じく基板表面での打力を50g/cm2程度以上の圧力とすることが考えられる。
【0063】
また、上記各実施形態では、剥離液を低圧での供給と高圧での供給の両方に使用したが、例えば高圧での供給は、被膜に対して物理的な力を加えることを考えれば、剥離液以外の処理液、例えば高温の純水やオゾン水を用いることも考えられる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る剥離装置によれば、基板は処理室内で処理に必要な時間だけ往復移動してその間に処理が行なわれるので、処理室の大きさや搬送速度にかかわらず、被膜の状態などに応じて処理時間を容易に変更することができる。また、剥離液を低圧で吐出する処理工程と、剥離液を高圧で吐出する処理工程のそれぞれの時間を自由に変更して設定することができる。さらに、剥離液を低圧で吐出する処理と高圧で吐出する処理とを一つの剥離処理室で行なっており、装置が小型化できる。
【0065】
また本発明に係る剥離装置および剥離方法によれば、剥離すべき被膜に対して低圧の処理液供給と高圧の処理液供給とを繰り返すことで、効率よく確実に短時間で被膜の膨潤と剥離除去が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る剥離装置の第1実施形態の要部の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明に係る剥離装置の第2実施形態の要部の概略構成を示す模式的断面図である。
【図3】従来の剥離装置の要部の概略構成を示す模式的断面図である。
【符号の税明】
W・・・基板
1・・・ローラコンベア
2・・・剥離処理室
3・・・室構成体
10・・・液供給機構
11、41、51・・・ノズル
19、49、59・・・ポンプ
21・・・制御装置
40・・・低圧供給機構
50・・・高圧供給機構

Claims (7)

  1. その表面に被膜が付着している基板を処理する処理室を構成する室構成体と、
    前記処理室内に基板を支持する支持機構と、
    前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧及び高圧で供給可能な液供給機構と、
    前記液供給機構の動作を制御する制御手段と、
    前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう該液供給機構に対して前記基板を相対的に往復移動させる相対移動機構とを備え
    前記相対移動機構により前記基板を相対的に往復移動させつつ、前記被膜に
    前記液供給機構により低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後、当該膨潤した被膜に高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離することを特徴とする剥離装置。
  2. その表面に被膜が付着している基板を処理する処理室を構成する室構成体と、
    前記処理室内に基板を支持する支持機構と、
    前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧で供給する低圧供給機構及び高圧で供給する高圧供給機構とを有する液供給機構と、
    前記液供給機構の動作を制御する制御手段と、
    前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう該液供給機構に対して前記基板を相対的に往復移動させる相対移動機構とを備え
    前記低圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する低圧ノズルと、前記高圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する高圧ノズルとは、前記基板の表面上におけるそれぞれの液吐出領域が、前記相対移動機構による相対移動方向に沿って交互に位置するよう配置されており、
    前記制御手段は、前記低圧供給機構と前記高圧供給機構とを同時に動作させるよう制御して、
    前記低圧ノズルの液吐出領域に移動した前記被膜に前記低圧ノズルにより低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜を前記相対移動機構により前記高圧ノズルの液吐出領域に移動させ高圧ノズルから高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離するべく制御するものであることを特徴とする剥離装置。
  3. 前記液供給機構は、前記支持機構に支持された前記処理室内の基板に対して処理液を低圧又は高圧で供給可能なノズルと、前記ノズルに対して処理液を供給しかつその供給圧力を低圧と高圧とに切り替え可能な送液機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載の剥離装置。
  4. 前記制御手段は、前記ノズルに処理液を低圧で供給するよう前記送液機構を動作させた後に、前記ノズルに処理液を高圧で供給するよう前記送液機構を動作させるよう制御するものであることを特徴とする請求項記載の剥離装置。
  5. 前記制御手段は、前記送液機構の動作を、前記ノズルへの処理液の供給圧力が低圧と高圧とを交互に複数回くりかえすように制御するものであることを特徴とする請求項3又は4記載の剥離装置。
  6. 処理室内で支持機構に支持された、表面に被膜が付着している基板に対し液供給機構を介して処理液を低圧及び高圧で供給することにより基板から前記被膜を剥離する剥離方法であって、
    前記液供給機構による前記基板への処理液供給位置が時間的に変化するよう前記基板を相対的に往復移動させつつ、前記被膜に低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜に高圧で処理液を供給して基板から被膜を剥離することを特徴とする剥離方法。
  7. 処理室内で支持機構に支持された、表面に被膜が付着している基板に対 し低圧供給機構と高圧供給機構とを備えた液供給機構を介して処理液を低圧及び高圧で供給することにより基板から前記被膜を剥離する剥離方法であって、
    前記低圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する低圧ノズルと、前記高圧供給機構に備えられて前記基板に処理液を吐出する高圧ノズルとを、前記基板の表面上におけるそれぞれの液吐出領域が、前記相対移動機構による相対移動方向に沿って交互に位置するよう配置し、
    前記制御手段によって前記低圧供給機構と前記高圧供給機構とを同時に動作させるよう制御することにより、
    前記低圧ノズルの液吐出領域に移動した前記被膜に前記低圧ノズルにより低圧で処理液を供給して前記被膜を膨潤させた後に、当該膨潤した被膜を前記相対移動機構により前記高圧ノズルの液吐出領域に移動させ高圧ノズルから高圧で処理液を供給して前記被膜を剥離することを特徴とする剥離方法。
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