JP3698996B2 - 通信システムにおける受信機 - Google Patents

通信システムにおける受信機 Download PDF

Info

Publication number
JP3698996B2
JP3698996B2 JP2001059288A JP2001059288A JP3698996B2 JP 3698996 B2 JP3698996 B2 JP 3698996B2 JP 2001059288 A JP2001059288 A JP 2001059288A JP 2001059288 A JP2001059288 A JP 2001059288A JP 3698996 B2 JP3698996 B2 JP 3698996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
error
output
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001059288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002199039A (ja
Inventor
哲 田野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to JP2001059288A priority Critical patent/JP3698996B2/ja
Priority to US09/886,255 priority patent/US6987815B2/en
Priority to EP01305434A priority patent/EP1168597A1/en
Publication of JP2002199039A publication Critical patent/JP2002199039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3698996B2 publication Critical patent/JP3698996B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システムにおける受信機に係り、特に、搬送波帯に信号を変換して伝送を行う通信システムにおいて、所望信号の成分の抽出をベースバンド帯で行う、通信システムにおける受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
多様なシステム、多様な周波数の信号を単一の受信機を用いて実現できれば、単一の端末でより多様な情報を得ることが可能になる。ところが、無線通信システムの場合、数百MHzから数GHzまでの周波数を持つ搬送波に情報信号を変換して通信を行う。これは、無線が単一の自由空間という媒体を用いて通信を行うため、各システムがオーバーラップしないよう、各システム毎に異なった周波数が割り当て、割り当てられた周波数の搬送波に情報を乗せて通信を行う。従って、多くのシステムが混在する無線周波数では、周波数軸上でかなり周密にシステムが配置されている。そこで、所望の周波数の信号を取り出すには、受信機にチャネルの帯域に適合した選択性の高いフィルタが必要になる。
【0003】
図18は、従来の無線通信システムにおける受信機構成を示す。NTT方式のアナログ自動車電話方式で用いられているダブルスーパヘテロダイン構成の受信機の抜粋を示す。同図に示す構成は、アンテナ1、初段の搬送波周波数帯であるRF(Radio Frequency )帯のバンドパスフィルタ2、第1のIF(Intermediate Frequency)へ変換するための局部発振器3及び乗算器4、乗算器4の出力に含まれる高調波成分除去のためのバンドパスフィルタ5、第2のIF(Intermediate Frequency) へ変換するための局部発振器6及び乗算器7、乗算器6の出力に含まれる高調波成分除去及び自チャンネル選択用の狭帯域なバンドパスフィルタ8、端末の移動に伴う受信電力変動を吸収する増幅器9、制御信号として送られるディジタル信号と音声信号を分離するためのバンドパスフィルタ10、復調器11、及び出力端子12から構成される。
【0004】
同図に示す構成では、バンドパスフィルタ8が高い選択性を有し、自チャネルの信号のみを抽出する役割を果している。ところが、同図の構成において多システムの信号を復調するには、システムに応じてバンドパスフィルタ2、5、特に、バンドパスフィルタ8の帯域等を変更する必要がある。しかし、一般に、RF・IF帯のアナログフィルタの周波数特性を変化させることは困難である。即ち、多様な周波数帯域を有するシステムに対応するには、RF帯あるいは、IF帯のバンドパスフィルタによって所望信号帯域信号の選択を行うことはできない。一般に、システム毎に異なる信号帯域は異なる。従って、多様なシステムの信号を受信するには、想定する通信システムにおいて最大の信号帯域を持つRF・IFフィルタを備える必要がある。この場合には、所望信号選択は、周波数特性の可変性や高い選択性の実現が容易なベースバンドフィルタ、実現性を考慮するとディジタル信号処理により実現されたフィルタで行うことで、多様なシステムの信号受信を可能とする。
【0005】
ところが、実際に周波数変換を行うには、周波数シンセサイザが必要となるが、非常に狭帯域のシステムまで想定する場合には、広い周波数範囲に渡って高精度かつ高安定な周波数シンセサイザが必要になる。また、周波数シンセサイザでは自由に周波数を選択するには、回路構成が複雑になり、移動通信のようにデバイスに低消費電力化が要求されるシステムには適用が困難になるという問題も発生する。従って、適当なIF周波数帯にまで変換し、一旦アナログ・ディジタル変換器により、ディジタル信号に変換する。その後、高機能なディジタル信号処理技術によって正確な搬送波周波数の推定、及び、復調操作を行うことで通信できるシステムの領域を拡大できる。加えて、この構成であれば、IF周波数までしか周波数変換しないため、ベースバンドまで周波数変換した場合に発生する受信機のDC(Direct Current)成分による特性劣化を回避できるという利点もある。
【0006】
ところが、
(α)アナログの広帯域用のバンドパスフィルタとディジタル信号処理によるチャネルフィルタ;
(β)IF周波数帯におけるアナログ・ディジタル変換;
という構成の場合には、IF周波数とアナログバンドパスフィルタの周波数帯域の関係でイメージ成分が信号成分に混入し、信号のSNR(Signal to Noise Ratio )を劣化させるという問題がある。
【0007】
図19は、イメージ成分とバンドパスフィルタの周波数帯域の関係を示す。原理的にディジタル無線通信システムでは、実周波数成分だけ搬送波帯f+Δfへ変換して通信を行う。このとき、受信機において、この信号を局部発振周波数fで周波数変換を行い、IF周波数Δfの信号を生成する場合には、原理的に搬送波周波数帯f−Δfの信号も同時にΔfのIF周波数へ干渉波として落ちてきて、信号のSNRを劣化させる原因になる。例えば、所望信号帯域及び干渉信号共に、位相変調を用いている場合には、以下のように干渉信号がIF周波数帯に現れる。但し、ωは、各周波数であり、ω=2πfの関係がある。
【0008】
【数1】
Figure 0003698996
ここで、tは時間変数、LPF1 は、高周波成分を除去する関数、ak とbk は所望信号と干渉信号の情報成分、AとBは、所望信号と干渉信号のレベルを表している。従来は、この問題を回避するために、図19(a)のように、搬送波帯f−Δfの信号を十分抑圧させるためのバンドパスフィルタを周波数変換器の前に配置している。ところが、多様な周波数帯のシステムを受信するため、バンドパスフィルタを広帯域にした場合には、図19(b)のように搬送波帯f−Δfの信号がIF周波数帯に変換されてしまう。
【0009】
これを克服するため、RF帯の信号を一旦、直交準同期検波した後、イメージ成分を除去する方法が提案されている。その構成を図20に示す。同図に示す構成は、アンテナ13、初段のバンドパスフィルタ14、分岐回路15、19、乗算器16、17、π/2移相器18、低域通過フィルタ21、22、27、28、アナログ・ディジタル変換器23、24、IF周波数の解析的正弦波exp(-jΔωkT) を乗算する複素周波数変換器25、出力端子29、30から構成される。但し、Tは、サンプル周期を示している。同図では、搬送波周波数帯の実周波数信号を直交準同期検波する。即ち、(1)に加えて、以下に示すような直交成分を生成する。
【0010】
【数2】
Figure 0003698996
【0011】
【数3】
Figure 0003698996
LPF2は、±2Δωに現れる高周波成分を除去する関数、式(3.1) と(3.2) が完全な形で実現できれば、理論的にはイメージ成分をキャンセルできる。ところが、実際にはアナログ準同期検波器の直交性誤差・ゲインアンバランスが存在し、その影響で式(3.1) と(3.2) に搬送波帯f−Δfの信号が混入し、SNRを劣化させる。現状のアナログ技術では、(1)と(2)のアナログ直交準同期検波器の直交性やゲインバランスを高精度で実現することは極めて困難である。実際、これを高精度に行うためには、従来は、人手により調整を行っているが、調整では、精々20〜30dBが限界で、通常の無線通信システムの要求条件(例えば、PDCシステムでは、80〜90dB)には遠く及ばない。また、多様なシステムの信号を受信するには、多様な周波数帯の信号に対して直交性を保つ必要があるが、アナログπ/2移相器の特性を広帯域に渡って維持することは、原理的に不可能である。従って、図20の構成では、アナログ準同期検波器の直交性誤差やゲインアンバランスより十分なイメージ除去性能が得られないという問題がある。
【0012】
別の手法として、Δωをバンドパスフィルタの帯域より遙かに大きくとることで、このイメージ成分の混入を防ぐ方法がある。この場合、この高いIF信号を直接アナログ・ディジタル変換器に入力してディジタル信号に変換しなければならない。この場合、アナログ・ディジタル変換器の動作速度は、IF周波数に比較して遙に低くても、最低ナイキストレートの4倍以上あれば理論的には、信号の復調が可能になる。
【0013】
従って、このバンドパスフィルタリングと呼ばれる技術を利用することによって、イメージ周波数からの干渉を受けずに、前述の(α)と(β)の条件を満足できる。但し、この場合、アナログ・ディジタル変換器のサンプリングクロックのジッダによって著しく特性が劣化し、その劣化量は、IF周波数に比例するため、高いIF周波数のシステムには適用が困難になり、結局適用範囲が殆どなく実用に耐えない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は、多様なシステムの信号を受信するため、搬送波周波数帯に広帯域なバンドパスフィルタを備え、その後にアナログ直交準同期検波を用いて周波数変換し、ディジタル複素周波数変換とフィルタリングによりイメージ成分を除去する構成において、アナログ直交準同期検波器の不完全性によりイメージ成分が十分抑圧できないという問題がある。例え、多少のSNRを劣化を容認して、ある周波数において人が調整を行ったとしても、周波数が変わった場合には、調整しなおす必要があり、ダイナミックな受信システムの変更が不可能であるという問題がある。
【0015】
また、各々固有の周波数帯域に配置された複数のシステムを同一ハードウェアを用いて受信する場合には、受信機には、RF・IF帯に、各システム最大信号帯域よりも小さなフィルタを設置することができない。一方、受信機の小型化を考えた場合、IF帯でサンプリングし、ディジタルフィルタにより帯域制限フィルタを構成することが有利である。そのとき、RF・IF帯により十分に負のIF周波数成分が減衰されていないため、干渉波として所望信号に干渉としてかぶさってくるという問題がある。
【0016】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、局部発振器を用いて周波数変換を行う場合に発生する局発周波数を軸として信号帯域と対称な周波数帯域からの干渉信号成分を除去することが可能な通信システムにおける受信機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0026】
図1は、本発明の原理構成図である。
【0027】
本発明(請求項1)は、搬送波周波数帯に変換された信号を受信する受信手段301と、該受信手段301により受信された該受信信号から直交信号を生成する準同期検波手段302と、該受信信号及び該直交信号を、余弦波を実成分、その正弦波を虚成分に持つ複素信号である解析的正弦波により複素周波数に変換する複素周波数変換手段304とを具備する通信システムにおける受信機であって、
前記準同期検波手段302からの出力に対し、受信信号と直交信号との直交性誤差及びゲインアンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補償手段303を有し、
複素周波数変換手段304は、
直交性・ゲインアンバランス補償手段303で直交性誤差・ゲインアンバランス補償を行った後に、f−△fの周波数成分のみをベースバンド帯に変換する手段を有し、
さらに、
複素周波数変換手段304からの出力の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタ通過後の前記f−△fの周波数成分からの干渉信号が最小になるように制御する制御手段305と、を有する。
【0028】
本発明(請求項2)は、搬送波周波数帯に変換された信号を受信する受信手段と、該受信手段により受信された該受信信号から直交信号を生成する準同期検波手段と、該受信信号及び該直交信号を、余弦波を実成分、その正弦波を虚成分に持つ複素信号である解析的正弦波により複素周波数に変換する複素周波数変換手段とを具備する通信システムにおける受信機であって、
受信信号と直交信号との直交性誤差及びゲインアンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補償手段と、
複素周波数変換手段の出力の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、
低域通過フィルタから出力され、分岐された一方の信号について、振幅や位相誤差及び送信ディジタル信号を推定し、推定されたディジタル信号に位相誤差と振幅を掛け合わせて受信信号の推定値を出力する位相・振幅・信号推定手段と、
位相・振幅・信号推定手段から出力された信号を減算し、f−△fの周波数成分からの干渉信号を出力する減算手段と、
直交性誤差・ゲインアンバランス補償手段に対して、減算手段から出力される干渉信号が最小になるよう制御する制御手段と、
を有し、
複素周波数変換手段は、
直交性・ゲインアンバランス補償手段からの入力信号に対して、負のIF周波数を持つ解析的正弦波により、f+△fの周波数成分のみをベースバンド帯に変換する手段を有する。
【0035】
上記のように、本発明は、直交性誤差・ゲインアンバランス補償手段を設け、受信機の出力に基づいて、補償器における受信信号と受信信号から生成した直交信号への重み付け係数を変化させることにより、通信システムの受信機における受信信号の復調時に発生する干渉信号成分を除去することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
準同期検波器の直交性誤差・ゲインアンバランスの発生メカニズムはいくつかあるが、基本的には直交性誤差の発生後に直交信号と同相信号に異なった利得がかかって出力されるモデルで記述することができる。言うまでもなく、理想的には、直交信号と同相信号は、ある位相に対する余弦波と正弦波という直交信号対で記述される。そこで、直交性誤差とは、余弦成分が直交信号に(あるいは、正弦波成分が直交信号に)漏れ込むことによって発生していると理解できる。従って、この漏れ込んだ成分を差し引くことで直交信号対が復元できる。即ち、直交成分に漏れ込んだ余弦波の大きさを推定し、これを直交成分から減算することにより直交性誤差補償が実現できる。
【0037】
一方、直交信号と同相信号のゲインアンバランスは言うまでもなく、直交準同期検波器の後段に備えられた直交、同相の各々の信号に対する増幅器の利得の違いに起因している。従って、自動利得制御増幅器を備えて、この利得誤差を吸収することで、この問題を解決できる。前述のように先に直交性誤差が発生し、その後ゲインアンバランス誤差が発生するため、補償はその逆、即ち、ゲインアンバランス誤差補償後に、直交性誤差を補償する構造になる。但し、直交信号からの漏れ込み量の推定係数に対する2度の乗算演算を避けるため、アナログ・ディジタル変換した直交信号に利得誤差と漏れ込み量を直接推定する構成とする。
【0038】
従って、直交成分を分岐し適当な重み付け(1)を行い、直交信号として出力し、分岐された直交信号にも適当な重み付け(2)を施すことで、直交性とゲインアンバランスが補償される。この2種類の重み付け係数は、後述の適応制御アルゴリズムにより逐次的に推定される。
【0039】
直交性誤差・ゲインアンバランスがあると、前述のように最終出力信号にイメージ周波数f−Δfからの干渉波が漏れ込んでくる。同様な現象は、イメージ周波数f−Δfの信号を所望信号として復調した場合、f−Δfの周波数帯の信号が漏れ込んでくることを意味している。従って、イメージ周波数信号の復調器に現れるf−Δfの周波数帯の信号を最小化するように、上記の2つの係数を適応的に制御することで、直交性誤差・ゲインアンバランスが適応的に補償され、周波数fが変化しても常にイメージ周波数からの干渉を抑制することができる。
【0040】
その適応制御としては、まず、係数を微小量増加させた時の干渉電力の増減を測定する。もしその干渉電力が増大するようであれば、係数を微小量減少させる。逆に、干渉量が減少するようであれば、係数も微小量増大させる。この手続を繰り返すことにより、逐次的に最適係数を推定できる。
【0041】
また、別の方法としてf+Δfの周波数帯信号を復調しようとした場合に混入するイメージ周波数からの干渉成分を検出し、これを最小化することでも、上記の2つの係数を推定できる。即ち、復調器出力信号に含まれる所望信号の振幅と位相誤差及び、送信されたディジタル信号をも推定し、このディジタル信号に推定した振幅と位相誤差を乗算することで雑音の影響のない受信信号成分(レプリカ)を推定する。復調器出力からこのレプリカを減じることで、漏れ込んだ干渉成分だけを検出する。この干渉信号を最小化するように前述の適応制御アルゴリズムを動作させることで、強い干渉信号の存在下でも優れた干渉補償が可能になる。
【0042】
また、各々、固有の周波数帯域に配置された複数のシステムを同一ハードウェアを用いて受信する場合には、負の周波数成分が干渉波として所望信号に干渉としてかぶさってくる。この問題は、イメージ周波数適応干渉補償器によって補償することができる。しかし、この干渉補償器はCIR(Carrier to Interference Raito)=60dBの環境でもブラインドで所望信号だけを抽出できるという利点があるものの、サンプリングタイミングによっては、十分な特性を発揮できないため、本発明では、更に、サンプリングタイミング変動に対して低感度な干渉補償方法として、低域通過フィルタの出力をオーバサンプルし、ADF(Adaptive Digital Filter) を経た後に復調を行ない、ADFと干渉補償部の両方を適応制御部においてADFの出力を用いて制御することを提案する。これにより、CIR=60dBのような劣悪な環境でもサンプリングタイミングに依存せず、ブラインド動作で高品質にマルチモード受信が可能になる。即ち、一種類の受信機ハードウェアを用意しておくだけで、遙に安定した高品質なマルチモード受信、つまり、多様な帯域のシステムの受信が可能となる。
【0043】
【実施例】
[第1の実施例]
図3は、本発明の第1の実施例の受信機の構成を示す。
【0044】
同図に示す受信機は、アンテナ31、アナログ乗算器33、34、分岐回路32、36、π/2移相器35、発振器37、低域通過フィルタ38、39、45〜48、アナログ・ディジタル変換器40、41、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器42、複素周波数変換器44、二乗回路49、50、加算器51、適応制御回路52、出力端子53、54から構成される。
【0045】
以下に、上記の構成における動作を説明する。
【0046】
アンテナ31で受信された信号は、分岐回路32、36、アナログ乗算器33、34、π/2移相器35、発振器37で構成されるアナログ直交準同期検波器を経た後、低域通過フィルタ38、39により高調波成分を除去された後に、アナログ・ディジタル変換器40,41によりディジタル信号に変換される。アナログ・ディジタル変換器40,41の出力は、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器42によりアナログ準同期検波器の直交性ゲインアンバランス補償を受けた後、複素周波数変換器43,44に入力される。
【0047】
複素周波数変換器43、44では、IF周波数をもつ解析的正弦波を入力信号に複素乗算する。入力信号及び正弦波が解析的に表現されているため、マイナス周波数成分とプラスの周波数成分を別の信号として区別できる。従って、入力信号に対して負のIF周波数をもつ解析的正弦波を掛けた複素周波数変換器43からは、f+Δfの周波数成分だけが、ベースバンド帯に変換され、複素周波数変換器43に接続された低域通過フィルタ45、46から出力される。
【0048】
同様の原理に基づいて、入力信号に対して、正のIF周波数を持つ解析的正弦波を掛けた複素周波数変換器44からは、f−Δfの周波数成分だけがベースバンド帯に変換され、複素周波数変換器44に接続された低域通過フィルタ47、48から出力される。
【0049】
完全に直交性誤差・ゲインアンバランス補償が行われた場合には、低域通過フィルタ47、48からは何も出力されないはずであるが、多少でも誤差が残留していると信号が出力される。そこで、二乗回路49、50、加算器51で構成される電力検出器の出力が最小になるよう、制御装置52により制御する。
【0050】
具体的には、低域通過フィルタ47、48の出力を、yk,i (wk,i ,wk,q )とyk,q (wk,i ,wk,q )とすると、加算器51の出力zk (wk,i ,wk,q )は以下のように書き表せる。
【0051】
【数4】
Figure 0003698996
zk (wk,i ,wk,q )を最小にするには、wk,i ,wk,q に関するzk (wk,i ,wk,q )の電力平面を計算し、その最小点を探索すればよい。即ち、あるwk,i ,wk,q に対するzk (wk,i ,wk,q )電力平面の傾斜ベクトルを計算し、最小値方向に向かってwk,i ,wk,q の値を少しずつ動かしていくことで、最適点を算出する。
【0052】
具体的には、傾斜ベクトルは次式で求められる。
【0053】
【数5】
Figure 0003698996
ここで、Δwは、適当な微小値を示している。適応制御の原理に従えば、傾斜ベクトルの示す方向と逆方向に進むことで、最小値に近づくことができる。
【0054】
【数6】
Figure 0003698996
上記の式の(6.1)、(6.2)におけるμは、ステップサイズパラメータと呼ばれる任意の係数である。即ち、制御回路52では、式(5.1)、(5.2)、(6.1)、(6.2)の演算を信号が入力される毎に繰り返し演算する。また、図3は、本発明の第1の実施例の直交性誤差・ゲインアンバランス補償器の構成を示す。同図に示す直交性誤差・ゲインアンバランス補償器42は、入力端子55、56、乗算器57、58、加算器59、係数入力端子60、61、出力端子62、63から構成される。
【0055】
図4は、本発明の第1の実施例の複素周波数変換器の構成を示す。実際には、所謂、ディジタル複素乗算器に加えてNCO(Numerically Controlled Oscillator )とディジタルπ/2移相器が備えられている。同図(a)は、負のIF周波数を持つ解析的搬送波を掛け合わせる複素周波数変換器の構成を示し、同図(b)は、正のIF周波数をもつ解析的搬送波を掛け合わせる複素周波数変換器の構成を示している。
【0056】
同図に示す複素周波数変換器は、入力端子64、65、76、77、乗算器66〜69、78〜81、加算器71、81、ディジタルπ/2移相器72、83、NCO73,84、出力端子74、75、85、86から構成される。
【0057】
上記のように、アナログ直交準同期検波器による準同期検波後に、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器42で直交性誤差・ゲインアンバランス補償を行った後に、複素周波数変換器44で周波数変換によりベースバンド帯に変換し、同時に発生する高周波成分を低域通過フィルタにより除去し、所望信号を得る。本発明では、この低域通過フィルタ通過後の信号のSNRを最大にするよう直交性誤差・ゲインアンバランス補償回路を制御する。その制御方法は、直交性誤差・ゲインアンバランス補償回路の係数を微小値だけ変化させ、その時のSNRの変化を検出することにより、SNRを最大にする制御係数の変化方法を推定し、その方向に係数を制御させることで、係数を最適値に漸近させる。
【0058】
[第2の実施例]
図5は、本発明の第2の実施例の受信機の構成を示す。
【0059】
同図に示す受信機は、アンテナ87、アナログ乗算器88,89、分岐回路130,91、π/2移相器90、発振器92、低域通過フィルタ93,94,99,100、アナログ・ディジタル変換器95,96、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97、複素周波数変換器98、二乗回路103、104、加算器105、減算器101,102、適応制御回路107、位相・振幅・信号推定回路106、出力端子108、109を示している。
【0060】
同図に示す受信機において、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97までは、前述の図2と全く同一の処理である。直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97の出力は、複素周波数変換器98に入力される。複素周波数変換器98では、入力信号に対して負のIF周波数をもつ解析的正弦波をかけるため、複素周波数変換器98からは、f+Δfの周波数成分だけが、ベースバンド帯に変換され、複素周波数変換器98に接続された低域通過フィルタ99、100から出力される。この出力信号を分岐し、その一方を位相・振幅・信号推定回路106に入力する。ここで、位相・振幅・信号推定回路106では、低域通過フィルタ99、100から出力された所望周波数帯域を送信されてきた信号の振幅や位相誤差及び送信ディジタル信号そのものを推定し、推定されたディジタル信号に位相誤差と振幅を掛け合わせてレプリカと呼ばれる受信信号の推定値を出力する。
【0061】
低域通過フィルタ99、100の出力信号から、位相・振幅・信号推定回路106より出力されたレプリカ信号を減算器101、102により減算することで、f−Δfの周波数成分からの干渉信号を出力する。もしも、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97が不完全であると、低域通過フィルタ99、100からf−Δfの周波数成分が出力される。この信号成分が最小になるよう制御装置107によって、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器97の係数を制御する。即ち、二乗回路103、104、加算器105により構成された電力測定器出力をzk として、式(5.1)〜(6.2)の演算を制御装置107によって行うことでこの制御を実現できる。即ち、式(4)のyk,i (wk,i ,wk,q )とyk,q (wk,i ,wk,q )を図5における減算器101、102の出力として式(5.1)〜(6.2)の演算を行う。
【0062】
図6は、本発明の第2の実施例の位相・振幅・信号推定回路の構成を示す。同図に示す位相・振幅・信号推定回路106は、変調方式としてBPSK(Binary Phase Shift Keying )を適用した場合の構成例である。また、同図では、それ以前とは異なり、全て複素数で表現している。即ち、入力信号sk は、sk =yk,i (wk,i ,wk,q )+jyk,q (wk,i ,wk,q )と表現される。但し、jは、虚数単位、yk,i (wk,i ,wk,q )とyk,q (wk,i ,wk,q )は、図5における低域通過フィルタ99、100の出力信号である。
【0063】
同図に示す位相・振幅・信号推定回路106は、入力端子110、複素乗算器111、113、123、128、複素減算器112、115、スカラ減算器119、複素加算器125、実数「1」を出力する回路113、実数「−1」を出力する回路116、複素数の絶対値の2乗を演算する回路117、118、入力信号の符号ビットのみを抽出し、それに絶対値「1」を乗算して出力する回路120、実数係数λを乗算する係数乗算器124、実数係数1−λを乗算する回路127、1サンプル遅延回路126、出力端子129から構成される。
【0064】
この構成は、BPSK変調信号の送信信号である回路113の出力「1」、あるいは、回路116の出力「−1」に信号の振幅位相情報を複素乗算器111、114により複素乗算することで、入力信号の仮判定値を2種類発生させる。入力信号と2つの仮判定値との差を、各々複素減算器112、115で計算する。この出力の絶対値の2乗、即ち、電力を各々回路117、118で独立に演算し、その出力を比較する。即ち、減算器119により回路118の出力から回路117の出力を減算する。そして、その出力信号の符号を検出し、それに実数「1」を乗算して出力することで、より入力信号に近い仮判定値を生成した送信信号が得られる。
【0065】
この推定した送信信号と入力信号の複素相関を複素乗算器123で演算し、係数乗算器124に入力する。係数乗算器124、複素加算器125、1サンプル遅延回路126で構成された1次の低域通過型ラグフィルタにより複素乗算器123の出力である相関値に含まれる雑音成分や高周波成分を除去し、正確な入力信号の位相を振幅を推定して、複素乗算器111、114に各々出力する。一方、推定された送信信号に入力信号の位相と振幅を複素乗算器128で与えることにより、入力信号のレプリカを端子129から出力する。
【0066】
[第3の実施例]
本実施例では、直交準同期検波器によりRF(Radio Requency) 帯の信号を解析的なIF(Intermediate Freequency) 信号に変換し、複素周波数変換とベースバンドフィルタリングによりイメージ周波数干渉波を取り除く受信機構成について説明する。当該受信機では、IF帯でディジタル信号処理により直交準同期検波器の直交性誤差補償を行う。
【0067】
図7は、本発明の第3の実施例の受信機の構成を示す。
【0068】
同図に示す受信機は、入力端子201、分岐回路202、203、207、アナログ乗算器204、205、π/2移相器35、発振器208、BPF(バンドパスフィルタ)209、210、アナログ・ディジタル変換器211、212、直交誤差補償器220、複素周波数変換器230、低域通過フィルタ215、216、Qチャネル出力端子217、Iチャネル出力端子218、エラー検出器240、及び適応制御回路250より構成される。
【0069】
同図に示す受信機は、入力端子201、分岐回路202、203、207、アナログ乗算器204、205、π/2移相器35、発振器208、BPF(バンドパスフィルタ)209、210、アナログ・ディジタル変換器211、212によりサンプリングされたIF信号に対して、直交誤差補償器220でIチャネルとQチャネル信号の直交化・利得制御を行い、複素周波数変換器230で複素周波数変換を行った後、低域通過ファイルタ215、216を介して所望信号を得る。このとき、所望信号の包絡線レベルを一定するように、直交誤差補償器220で直交化・利得制御を行うことで、低域通過フィルタ215、216に含まれる干渉成分を適応的に補償する。
【0070】
図8は、本発明の第3の実施例の直交誤差補償器の構成を示しており、当該直交誤差補償器220は、Iチャネル入力端子221、Qチャネル入力端子222、乗算器223、224、225、加算器226、Iチャネル出力端子227、Qチャネル出力端子228から構成される。
【0071】
また、図9、図10は、本発明の第3の実施例のエラー検出器の構成を示しており、図9に示すエラー検出器は、Iチャネル入力端子241、Qチャネル入力端子242、二乗回路243、244、加算器245、エラー出力端子251から構成されるエラー検出器を示している。同図に示すエラー検出器は、ベースバンド帯に変換された解析的信号の電力を検出し、所定電力との差を誤差信号として出力する。このエラー検出器は、主に、定包絡線変調方式を適用したシステムに用いることができる。この構成のエラー検出器を用いた場合には、本発明の受信機をキャリア同期等の同期回路とは全く独立に動作させることができる。
【0072】
図10に示すエラー検出器は、Iチャネル入力端子241、Qチャネル入力端子242、関数器246、248、加算器247、249、エラー出力端子252、253から構成される。同図に示すエラー検出器は、ベースバンド帯に変換された解析信号と、所定の解析的な信号との差を誤差信号とした場合の構成例である。この構成のエラー検出器を用いた場合には、本発明の受信機は、IF帯に設置された直交性誤差補償手段がキャリア同期回路の役目も果たすことができる。従って、大きな周波数オフセットがあれば、アルゴリズム内に2次ループを形成する必要がある。
【0073】
本実施例の受信機の構成では、前述の第2の実施例に比較して、位相・振幅・信号推定回路のような複雑処理が不要になる。
【0074】
また、図9に示すエラー検出器を用いることで、所定信号(所望信号)のような既知信号を必要としない。また、送信された既知信号との同期が不要となる等の利点がある。
【0075】
図8に示す分岐回路202、203、アナログ乗算器204、205、π/2移相器206、発振器208からアナログ直交準同期検波器が構成され、時刻kの準同期検波器の出力
Yk =[yI (k)、yQ (k)]T
は以下のように表される。但し、添字Tは、ベクトルの転置を示しており、yI (k)とyQ (k)は、準同期検波器出力とIチャネルとQチャネル信号を示している。また、変調方式としては、位相変調系を想定している。
【0076】
【数7】
Figure 0003698996
上記の式(7.1) におけるA(m) とak (m) m=0,1 は、各々所望周波数帯と干渉周波数帯信号の受信レベルと情報信号であり、fIF は、IF周波数で、Tは、シンボル周期を示している。また、gI (m) とgQ (m) =0,1は、直交準同期検波器のIチャネルとQチャネルのゲインを表している。ここで、直交性誤差の発生は、行列Gが直交変換できないことにより判断できる。また、これが、複素表現で表せず、行列表現を必要とする理由である。この時の直交誤差補償器220の構成を図8に示す。
【0077】
同図に示す直交誤差補償器220の出力は、図7の構成に従って、複素周波数変換器230で周波数変換され、さらに、低域通過フィルタ215、216を通過する。そこで、低域通過フィルタ215、216の出力は以下のように表される。但し、簡単化のため、熱雑音は考慮しない。
【0078】
【数8】
Figure 0003698996
但し、誤差補正行列Wk は、
【0079】
【数9】
Figure 0003698996
である。式(8.1)1において、LPF[・]は、ベースバンド帯の信号を抽出する、言い換えれば高域周波数帯の信号を除去する関数である。前述のように、変調方式として位相変調を前提としている場合、干渉波が無ければ定包絡路となる。従って、CMA(Constant Modulus Algorithm:J.R.Treichler and B.G.Agee,"A New Approach to Multipath Correction of Constant Modulus Signals," IEEE Trans. Acoust., Speech, Signal Processing, vol.ASSP-31,No.2, pp.459-472,1983) で用いられる含絡線偏差の最小化の規範が適用できる。即ち、
εk =|ek |q =|σp −|Zk |p q →minimize (9)
上記の式(9)は、所望復調レベルを示しており、pとqは、CMAの乗数を示している。そのとき、Wk 推定のため更新式は次式で与えられる
【0080】
【数10】
Figure 0003698996
上記の式(10)においては、μは、ステップサイズパラメータと呼ばれる、0 <μ<1 の定数である。式(10)の偏微分項は、式(8.1))の低域通過フィルタの関数形が既知なら解析的に求めることが可能であるが、ここでは、より一般的な関数でも上記のアルゴリズムが応用できるように摂動法を用いることとする。即ち、式(10)の偏微分項は、以下のようにして求める。
【0081】
【数11】
Figure 0003698996
ここで、Zk (wi (k)+Δw)とは、時刻kの誤差補正行列Wk のi番目の要素Δwを(以後、摂動係数と呼ぶ)だけ増加させた場合の低域通過フィルタ215、216の出力信号Zk を意味している。
従って、上記の式(8.1) 〜式(11)を繰り返し演算することにより最適なWk を推定する。基本的に当該アルゴリズムは、CMAというブラインドアルゴリズムに基づいているため、トレーニング信号が不要であるだけでなく、キャリア周波数誤差やサンプリングタイミング誤差にロバストである。従って、キャリア周波数同期、サンプリングタイミング同期の確立以前に、動作可能であるという利点がある。即ち、CIRがマイナス数+dBの環境では上記の同期引込みは困難である。従って、トレーニング信号を用いるシステムでは、トレーニングタイミングを推定できず、通信が行えない。これに対し、上記のアルゴリズムを適用することで、同期確立以前に収束を完了できる。従って、収束後の干渉波電力比( CIR: Carrier to Interference Ratio )が改善された信号を使えば、上記の同期確立も容易に行うことができ、通信が可能になる。
【0082】
次に、摂動項の正規化について説明する。
【0083】
前述のアルゴリズムは、非常に厳しい干渉下でも動作する必要がある。例えば、所望信号に対する干渉波電力比(CIR)がマイナス数+dBの環境下でも安定的に動作する必要がある。即ち、所望信号に対して過大な干渉波が入力される場合である。このような環境下では、前述の式((11) において少しのΔwの変化に対しても、大きな偏微分項が現れる。この時に、式(10)は、発散の危険性が増大する。また、発散しないまでも、常に大きな推定誤差が発生する。そこで、この問題を回避するためΔwを入力電力で正規化を行う。即ち、
【0084】
【数12】
Figure 0003698996
Δw0 は、所望入力電力σ2 と等しい電力が入力されたときの摂動係数である。これによって、所望信号、干渉信号に係わりなく所望電力より大きな信号電力が入力された場合には収束が遅くなることに注意が必要である。
【0085】
前述の式(8.1) におけるWk Gを以下のように
【0086】
【数13】
Figure 0003698996
により展開する。
【0087】
【数14】
Figure 0003698996
ここで、c0 (k)〜c3 (k)はスカラ量で、その展開に用いた行列を以下のように定義する。
【0088】
【数15】
Figure 0003698996
これらの行列には以下のような関係がある。
【0089】
【数16】
Figure 0003698996
上記の(15.1)〜(15.4)において、Οはヌル行列、即ち、全ての要素が零である行列を表している。(15.1)〜(15.4)の関係を用いると、(8.1) は、以下のように書き換えられる。但し、Wk とGの定義式により、c2 (k)=c3 (k)となる関係を用いた。
【0090】
【数17】
Figure 0003698996
但し、式(16)におけるα(k),β(k),χ(k),γ(k)は以下のように定義される。
【0091】
α(k)=(c0 (k))2 +(c2 (k))2 (17.1)
β(k)=(c1 (k))2 +(c2 (k))2 (17.2)
χ(k)=c0 (k)c1 (k)−(c2 (k))2 (17.3)
γ(k)=c0 (k)c2 (k)+c1 (k)c2 (k) (17.4)
また、|Z|2 =ZT Zである。式(16)の導出では、干渉信号間の無相関性を用いた。さらに、同一チャネル間でもIチャネルとQチャネルの信号が統計的に無相関であることを利用して式(16)を変形してゆくと、式(16)の方程式がi=1〜3で全て成立するには、以下の連立方程式を満足することが十分条件であることが分かる。
【0092】
Figure 0003698996
c0 (k)=c1 (k)=c2 (k)=0という平凡な解が存在するが、これは、低域通過フィルタ215、216が何も出力しない場合に相当する。従って、この解は、極大値に相当する。もう一つの解は、c2 (k)=0,c0 (k)c1 (k)=0である。この解は、式(18.1)から分かるように干渉波、あるいは、希望波のどちらかのみを出力することに相当する。即ち、本発明のアルゴリズムは干渉を分離して希望波のみを抽出できることを示している。
一方、Wk とGの定義と、式(13)より、c0 (k)〜c2 (k)は、以下のように直交性誤差行列Gと誤差補正行列Wk の係数により表される。
【0093】
【数18】
Figure 0003698996
従って、最も有為な解であるc1 (k)=c2 (k)=0の場合、誤差補正行列Wk は以下ようになる。
【0094】
【数19】
Figure 0003698996
上記の式(20.1)〜(20.3)が所望の値になっていることは、
【0095】
【数20】
Figure 0003698996
になっていることから、容易に確認できる。
【0096】
次に、本発明の上記のアルゴリズムの特性を計算機シミュレーションにより確認する。変調方式としては、QPSK、伝送路は、AWGN(Additive White Gaussian Channel)を用いる。また、干渉信号と所望信号が同じシステムの信号であるものとする。復調には、同期検波器を用いている。また、他の同期系の影響を排除するため、キャリア周波数、クロック同期は完全であるとする。
受信機のRF帯における準同期検波器の直交性誤差が10°存在する場合の、正規化有りと無しの場合の特性比較を図11に示す。同図では、CNR=7dB、12dBと、送信側の直交変調器は理想的であるとした。発散を防ぐため、正規化していないアルゴリズムは、CIR=−60dBでも安定に収束すように摂動係数を決定した。CIRが大きい場合には、両者に有為な差異はみられないが、CIRが−10dBより小さくなると、正規化を行わない場合には、干渉抑圧ができなくなり、CIR=−30dBでは誤り率が0.5に漸近する。この後、徐々に誤り率が改善する。これに対して、正規化を行ったアルゴリズムは、CIR=20dB〜−60dBに渡って略、フラットな特性を持つことが確認できる。従って、以下では、正規化を行うアルゴリズムを用いて特性を検証する。
【0097】
まず、送信側の直交性誤差の影響について説明する。
【0098】
送信側の変調器の直交性誤差に対する特性を図12に示す。同図では、CIR=−50dB,CNR=7dB、12dBで、受信機側の直交準同期検波器にも10°の直交性誤差がある条件での特性である。6°程度までの送信側直交性誤差には全く特性を変化させないが、それ以上になると急激に特性が劣化している。CIR=−50dBであることを勘案すると、この特性劣化は純粋に送信側変調器の直交性誤差による劣化であると考えられる。即ち、送信側変調器の直交性誤差にも係わらず、干渉除去は略完全になされていることがわかる。
【0099】
次に、BER特性について説明する。
【0100】
受信機のRF帯における準同期検波器の直交性誤差が10°存在し、CIR=20dB〜−60dBの条件におけるBER特性を図13に示す。同図では、送信側の直交変調器は理想的であるとした。CIR=20dB〜40dBまではほぼ同期検波の理論値に一致している。CIR=−60dBでは、BER=10-4点で、0.5dB強の特性劣化が見られる。この値は、SGD(Stochastic Gradient Decent) アルゴリズムでは共通にいえることで、ステップサイズパラメータμ及び、Δw0 を小さく設定することで、より理論値に近づけることができる。
【0101】
[第4の実施例]
上記の実施例では、制御はシンボルスペースで行うことを前提としているため、サンプリングタイミングによって特性が劣化するという問題が生じてしまう。これは、シンボルスペースサンプルがサンプリング定理を満たさないことに起因している。本発明では、この問題を解決する構成について説明する。
【0102】
図14は、本発明の第4の実施例の受信機の構成を示す。
【0103】
同図に示す受信機は、受信アンテナ411、アンテナ教養機402、送信信号入力端子403、分配器404、408、乗算器405、406、π/2移相器407、シンセサイザ409、バンドパスフィルタ410、411、直交性誤差補償器412、複素周波数変換器413、低域通過フィルタ414、415、適応ディジタルフィルタ416、417、復調信号出力端子418、419、エラー検出器420、適応制御回路421から構成される。
【0104】
同図に示す構成では、適応ディジタルフィルタ416、417までを全てナイキストレートの2倍以上で処理、あるいは、アナログ信号処理し、その出力をシンボルレートでサンプルし、情報シンボルを復調し、復調信号出力端子418、419から出力する構成となっている。
【0105】
一方、サンプルされた信号と所定値との誤差をエラー検出器420により検出し、これを適応制御回路421に出力する。適応制御回路421では、直交性誤差補償器412を制御するだけでなく、適応ディジタルフィルタ416、417の出力においてサンプルされる信号が所定のサンプリング移相になるよう適応ディジタルフィルタ416、417を制御する。
【0106】
図15は、本発明の第4の実施例の適応ディジタルフィルタの構成を示す。
【0107】
同図に示す適応ディジタルフィルタ416、417は、信号入力端子424、遅延素子425〜427、乗算器432〜435、乗算器の一方の入力である計数入力端子428〜431、加算器436、出力端子437から構成される。
【0108】
図15に示した適応ディジタルフィルタ416、417を適用した場合、適応制御回路421では、適応ディジタルフィルタ416、417の乗算計数(タップ計数)をHk =[hk,0 , hk,1 , …, hk,L-1 ]T とすると以下のような制御を行う。
【0109】
Hk =Hk-1 +μh |ek |q-2 ek |vk |p-2 vk ・ Uk (22)
但し、Uk =[zk ,zk,1 ,…,zk-L+1 ]T は、低域通過フィルタ414、415の出力を要素とするベクトル、μh はタップ係数用のステップサイズパラメータ、vk は適応ディジタル416、417の出力であり、図15に示すされているように、次式で表される。
【0110】
vk =Hk H Uk (23)
その時、直行性誤差補償器412の係数は、以下の式で更新される。
【0111】
wi (k)=wi (k)+μ|ek |q-2 ek |vk |p-2 Δi vk (24)
但し、
Δi vk =vk (wi (k)+Δw)−vk (wi (k)) (25)
である。この時、タップ係数用のステップサイズμh と直交性誤差補償のステップサイズμは、以下の関係を満足させておく必要がある。
【0112】
μ=μh Δw m (26)
以下に示すようにステップサイズパラメータを正規化することで、アルゴリズムを更に安定化させることが可能になる。
【0113】
【数21】
Figure 0003698996
μ0 は、正規化を受けない場合の真の意味でのステップサイズパラメータを意味している。図14に示した構成におけるサンプリング位相誤差に対する誤り特性を図16に示す。同図は、AWGNチャネルにおけるCIR=−60dBにおける特性を示す。因みに、CNR=6dB、12dBで制御には、正規化アルゴリズムを適用している。また、同図には比較のためシンボル間隔サンプルの場合に特性を付記している。誤差ゼロ付近でナイキストレートサンプルの場合には、大きく特性が劣化しているのに対し、本実施例の構成では、サンプリング位相に関係なく優れた伝送特性が得られることがわかる。
【0114】
また、図16における誤差ゼロにおけるCNR対BER特性を図17に示す。同図では、CNRとサンプリング位相以外のパラメータは図16と同様のものを適用した。同図にはまた、干渉波がない場合の理論特性も付記した。ナイキストレートサンプルの場合には、BER=10-2程度でフロア誤りが発生するのに対して、本実施例の提案の方法は、理論特性からの劣化1dB以内の優れた伝送特性を達成していることが確認できる。
【0115】
これまでのイメージ周波数干渉補償器は、ブラインド動作でCIRが劣悪な条件でも、干渉補償を行うことが可能であったが、サンプリングタイミングによって特性が劣化するという問題がある。此れに対して、本実施例を適用することにより、CIRが劣悪な状況においてもサンプリング位相誤差に関わらず、安定した復調特性が得られるという利点がある。上記の第3の実施例までのアルゴリズムは復調信号は、復調信号の周波数オフセットや位相誤差に関しても低感度であるため、本実施例の構成を適用することで完全にブランド動作で安定した復調特性が得られる。
【0116】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【0117】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、適応制御回路を備えた、直交性誤差・ゲインアンバランス補償器をアナログ・ディジタル変換後に配置することで、広い周波数帯域に渡ってアナログ準同期検波器の直交性誤差・ゲインアンバランスを適応的に補償できる。従って、イメージ周波数帯域からの信号を広帯域に渡って高精度に除去できるため、搬送波周波数帯のバンドパスフィルタを広帯域にしても信号のSNRの劣化なく、通信が可能となる。これにより、多様なシステムの信号を1台の受信機で高品質に実現できるため、端末や基地局の大幅な高機能化が可能になる。従って、多様なサービスをI種類の端末、I種類の基地局で行うという、製品開発コストの低減や、端末に大幅な付加価値の付与など、計り知れない効果がある。
【0118】
一般に、準同期検波器におけるπ/2移相器は広帯域に渡って、移相特性を維持することが困難である。ところが、本発明によれば、適応的に直交性・ゲインアンバランスを補償するため、全帯域において高精度な干渉補償を行うことができる。従って、バンドパスフィルタを通過する全ての信号、あるいは、異なった周波数帯域の信号にも柔軟に対応できるという利点がある。即ち、受信機に数多く、かつ様々なシステムの信号を扱えるフレキシビリティを与えられるという効果がある。
【0119】
また、本発明によれば、各々異なった無線周波数帯に配置された異なるシステムを受信機を構成する場合に問題となるイメージ周波数からの干渉を完全ブラインド動作で除去できる。その後に通常の復調動作に移ることで、イメージ周波数からの干渉による劣化や同期の困難さという問題を一気に解消する。つまり、本発明を適用することで、一つの受信機で異なる無線システムを受信することができるため、ハードウェア規模の削減が可能になるばかりか、サービスの多様性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例の受信機の構成図である。
【図3】本発明の第1の実施例の直交・ゲインアンバランス補償器の構成図である。
【図4】本発明の第1の実施例の複素周波数変換器の構成図である。
【図5】本発明の第2の実施例の受信機の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施例の位相・振幅・信号推定回路の構成図である。
【図7】本発明の第3の実施例の受信機の構成図である。
【図8】本発明の第3の実施例の直交誤差補償器の構成図である。
【図9】本発明の第3の実施例のエラー検出器の構成例(その1)である。
【図10】本発明の第3の実施例のエラー検出器の構成例(その2)である。
【図11】本発明の第3の実施例の正規化/非正規化の比較を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例の送信側変調器の直交誤差の影響を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例のBER特性を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施例の受信機の構成図である。
【図15】本発明の第4の実施例の適応ディジタルフィルタの構成図である。
【図16】本発明の第4の実施例のサンプリング位相に対するBER特性を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例のCNRに対するBER特性を示す図である。
【図18】従来の無線機における受信機の構成例である。
【図19】イメージ成分とIF周波数の関係を示す図である。
【図20】従来のイメージキャンセラの構成図である。
【符号の説明】
31 アンテナ
32,36 分岐回路
33,34 アナログ乗算器
35 π/2移相器
37 発振器
38,39,45〜48 低域通過フィルタ(LPF)
40,41 アナログ・ディジタル変換器
42 直交性誤差・ゲインアンバランス補償器
44 複素周波数変換器
49,50 二乗回路
51 加算器
52 適応制御回路
53,54 出力端子
55,56 入力端子
57,58 乗算器
59 加算器
60,61 係数入力端子
62,63 出力端子
64,65,76,77 入力端子
66〜69,78〜81 乗算器
71,81 加算器
72,83 π/2移相器
73,84 NCO
74,75,85,86 出力端子
87 アンテナ
88,89 アナログ乗算器
90 移相器
91 分岐回路
92 発振器
93,94,99,100 低域通過フィルタ(LPF)
95,96 アナログ・ディジタル変換器
97 直交性誤差・ゲインアンバランス補償器
98 複素周波数変換器
101,102 減算器
103,104 二乗回路
105 加算器
107 適応制御回路
106 位相・振幅・信号推定回路
107 適応制御回路
108,109 出力端子
110 入力端子
111,113,123,128 複素乗算器
112,115 複素減算器
119 スカラ減算器
113 実数「1」を出力する回路
116 実数「−1」を出力する回路
117,118 複素数の絶対値の2乗を演算する回路
124 実数係数λを乗算する回路
125 複素加算器
126 サンプル間遅延回路
127 次数係数1−λを乗算する回路
129 出力端子
130 分岐回路
201 入力端子
202,203,207 分岐回路
204,205 アナログ乗算器
206 π/2移相器
208 発振器
209,210 バンドパスフィルタ(BPF)
211,212 アナログ・ディジタル変換器
215,216 低域通過フィルタ(LPF)
217 Qチャネル出力端子
218 Iチャネル出力端子
220 直交誤差補償器
221 Iチャネル入力端子
222 Qチャネル入力端子
223,224,225 乗算器
226 加算器
227 Iチャネル出力端子
228 Qチャネル出力端子
230 複素周波数変換器
240 エラー検出器
241 Iチャネル入力端子
242 Qチャネル入力端子
243、244 二乗回路
245 加算器
246,248 関数器
247,249 加算器
250 適応制御回路
251 エラー出力端子
252,253 エラー出力端子
301 受信手段
302 準同期検波手段
303 直交性誤差・ゲインアンバランス補償手段
304 複素周波数変換手段
305 (第1、第2の)制御手段
401 受信アンテナ
402 アンテナ共用器
403 送信信号入力端子
404,408 分配器
405,406 乗算器
407 π/2移相器
409 シンセサイザ
410,411 バンドパスフィルタ(BPF)
412 直交性誤差補償器
413 複素周波数変換機
414,415 低域通過フィルタ(LPF)
416,417 適応ディジタルフィルタ(ADF)
418、419 復調信号出力端子
420 エラー検出器
421 適応制御回路
424 信号入力端子
425〜427 遅延素子
432〜435 乗算器
428〜431 乗算器の一方の入力である係数入力端子
436 加算器
437 出力端子

Claims (2)

  1. 搬送波周波数帯に変換された信号を受信する受信手段と、該受信手段により受信された該受信信号から直交信号を生成する準同期検波手段と、該受信信号及び該直交信号を、余弦波を実成分、その正弦波を虚成分に持つ複素信号である解析的正弦波により複素周波数に変換する複素周波数変換手段とを具備する通信システムにおける受信機であって、
    前記準同期検波手段からの出力に対し、前記受信信号と前記直交信号との直交性誤差及びゲインアンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補償手段を有し、
    前記複素周波数変換手段は、
    前記直交性・ゲインアンバランス補償手段で直交性誤差・ゲインアンバランス補償を行った後に、f−△fの周波数成分のみをベースバンド帯に変換する手段を有し、
    さらに、
    前記複素周波数変換手段からの出力の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタ通過後の前記f−△fの周波数成分からの干渉信号が最小になるように制御する制御手段と、を有する、
    ことを特徴とする通信システムにおける受信機。
  2. 搬送波周波数帯に変換された信号を受信する受信手段と、該受信手段により受信された該受信信号から直交信号を生成する準同期検波手段と、該受信信号及び該直交信号を、余弦波を実成分、その正弦波を虚成分に持つ複素信号である解析的正弦波により複素周波数に変換する複素周波数変換手段とを具備する通信システムにおける受信機であって、
    前記受信信号と前記直交信号との直交性誤差及びゲインアンバランスを補償する直交性・ゲインアンバランス補償手段と、
    前記複素周波数変換手段の出力の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、
    前記低域通過フィルタから出力され、分岐された一方の信号について、振幅や位相誤差及び送信ディジタル信号を推定し、推定されたディジタル信号に位相誤差と振幅を掛け合わせて受信信号の推定値を出力する位相・振幅・信号推定手段と、
    前記位相・振幅・信号推定手段から出力された信号を減算し、f−△fの周波数成分からの干渉信号を出力する減算手段と、
    前記直交性誤差・ゲインアンバランス補償手段に対して、前記減算手段から出力される干渉信号が最小になるよう制御する制御手段と、
    を有し、
    前記複素周波数変換手段は、
    前記直交性・ゲインアンバランス補償手段からの入力信号に対して、負のIF周波数を持つ解析的正弦波により、f+△fの周波数成分のみをベースバンド帯に変換する手段を有することを特徴とする通信システムにおける受信機。
JP2001059288A 2000-06-23 2001-03-02 通信システムにおける受信機 Expired - Fee Related JP3698996B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059288A JP3698996B2 (ja) 2000-06-23 2001-03-02 通信システムにおける受信機
US09/886,255 US6987815B2 (en) 2000-06-23 2001-06-22 Receive method and receiver in communication system
EP01305434A EP1168597A1 (en) 2000-06-23 2001-06-22 Quadrature Receiver with Orthogonality Correction

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000190183 2000-06-23
JP2000-190183 2000-06-23
JP2000318552 2000-10-18
JP2001059288A JP3698996B2 (ja) 2000-06-23 2001-03-02 通信システムにおける受信機
JP2000-318552 2001-03-02

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002199039A JP2002199039A (ja) 2002-07-12
JP3698996B2 true JP3698996B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=27343836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001059288A Expired - Fee Related JP3698996B2 (ja) 2000-06-23 2001-03-02 通信システムにおける受信機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3698996B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3967226B2 (ja) 2002-08-07 2007-08-29 三星電子株式会社 無線機
WO2005027454A1 (en) * 2003-09-15 2005-03-24 Ntt Docomo, Inc. Apparatus and method for adaptive orthogonality correction
US7456683B2 (en) 2005-06-09 2008-11-25 Panasonic Corporation Amplitude error compensating device and quadrature skew error compensating device
JP4520387B2 (ja) * 2005-08-29 2010-08-04 日本電信電話株式会社 直交誤差自動補償回路
US7822399B2 (en) * 2007-05-11 2010-10-26 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Image compensation for wireless receiver
CN101388729B (zh) * 2007-09-14 2012-05-09 富士通株式会社 相位失衡监测装置、振幅失衡监测装置及使用它们的装置
JP2010177831A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Nec Corp チャネル間遅延補正回路及びそれに用いるチャネル間遅延補正方法
JP5310380B2 (ja) * 2009-08-24 2013-10-09 富士通セミコンダクター株式会社 直交変復調回路
JP5935631B2 (ja) 2012-09-25 2016-06-15 住友電気工業株式会社 補償装置及び無線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002199039A (ja) 2002-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6987815B2 (en) Receive method and receiver in communication system
KR101140333B1 (ko) 직교 검출기 및 그것을 이용한 직교 복조기 및 샘플링직교 복조기
US7251291B1 (en) System and method for I/Q imbalance compensation
EP1214795B1 (en) Apparatus for interference compensation of a direct conversion transceiver and method
EP2892193B1 (en) I/Q-mismatch compensation method and apparatus
WO1997015991A1 (fr) Reemetteur
KR20010071126A (ko) 직접 변환 수신기용 왜곡 정정 회로
JP2010525710A (ja) Ofdm受信機におけるiqインバランス補正方法及び装置
US11316716B2 (en) Radio frequency impairments compensator for broadband quadrature-conversion architectures
JP6559088B2 (ja) 通信機および衛星通信システム
JP3698996B2 (ja) 通信システムにおける受信機
US6934346B2 (en) Apparatus and method for substantially eliminating a near-channel interfering amplitude modulated signal
KR100653181B1 (ko) 주파수 옵셋 보상 기능을 가지는 넌­코히런트 동기직접변환 수신 장치
US20110206105A1 (en) Method for determining hybrid domain compensation parameters for analog loss in ofdm communication systems and compensating for the same
EP3151500B1 (en) Frequency-selective quadrature baseband coupling cancellation
US7173988B2 (en) Adaptive phase and gain imbalance cancellation
JP3549814B2 (ja) 通信システムにおける受信方法及び受信機
KR100788012B1 (ko) 스프레드 스펙트럼 통신 시스템에서의 옵셋 보정
JP2007295331A (ja) 無線基地局装置
GB2447810A (en) Communication device
KR100760793B1 (ko) 동기 수신기에서의 직교 및 이득 에러의 정정
KR100489409B1 (ko) 무선 통신시스템의 송수신기 성능을 개선하기 위한 방법
JP2002290254A (ja) ダイレクトコンバージョン受信機
JP2000031874A (ja) 適応アレーダイバーシティ受信機
JP4511536B2 (ja) 適応的直交性訂正のための装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees