JP3698190B2 - カッタ装置及びこれを用いたプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPOS(Point−Of−Sale)システムに用いられる電子キャッシュレジスタ等のプリンタに関し、特に、記録紙を自動的に切断するカッタ装置を備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のカッタ装置としては、例えば、特開平9−19890号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
このカッタ装置は、固定刃と移動刃により摺動しながら切断するいわゆるはさみ方式のもので、カッタフレーム上に固定された固定刃と、支軸を中心として可動刃が回動自在に取り付けられた可動刃とを備え、可動刃にモータの駆動力を伝達して動作させることにより記録紙を挟んで切断するように構成されている。
【0004】
このようなカッタ装置においては、圧縮コイルばねによって可動刃をカッタフレーム側に付勢するようにしている。また、固定刃に対して可動刃を確実に接触させるため、可動刃と固定刃との間に板状の傾斜部材を介在させることが多いものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のカッタ装置においては、刃の摩耗等の理由から、一定期間をおいて刃を交換したり、修理やメンテナンスを行う必要が生ずる。特に、金属を摩耗させるものを多く含む記録紙の場合が顕著である。したがって、この種のカッタ装置としては、可動刃、固定刃及びその取付部品を容易に取り外すことができ、かつ、取り付けも容易な構成を有するものであることが望まれる。
【0006】
また、この種のプリンタは、店頭等に設置されるものであり、一層の小型化が望まれている。
【0007】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、可動刃の交換、修理、メンテナンス等の作業を容易かつ迅速に行いうる小型のカッタ装置及びこれを用いたプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、記録紙を切断するための固定刃を有する本体フレームと、この本体フレームに対して着脱自在な基台、この基台に回動可能な状態で一体的に支持され上記固定刃と協同して記録紙を切断するための可動刃、及び上記基台に一体的に設けられ上記可動刃を回動支軸の近傍において上記基台に付勢するための弾性部材を有する可動刃ユニットと、この可動刃を駆動するための駆動手段とを備えたことを特徴とするカッタ装置である。
【0009】
請求項1記載の発明の場合、可動刃が基台及び弾性部材とともに可動刃ユニットとして構成されているため、可動刃を交換する際には可動刃ユニットを取り外し、またこれを装着する作業だけで済み、これにより修理やメンテナンスの時間を短縮することが可能になる。
【0010】
この場合、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の発明において、上記固定刃に対して上記可動刃を所定の角度に傾斜させるための傾斜部材が上記基台に一体的に設けられていることも効果的である。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、より一層修理やメンテナンスの時間を短縮することが可能になる。
【0012】
また、請求項3記載の発明のように、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、上記駆動手段が上記本体フレームを境にして上記可動刃ユニットと反対側に配設され、上記可動刃の回動支軸が上記本体フレームを貫通して上記駆動手段側に延びるように設けられていることも効果的である。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、駆動手段を設けるために形成される空間に回動支軸を配置することができるので、カッタ装置の小型化を図ることができる。
【0014】
また、請求項4記載の発明のように、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記駆動手段が、駆動モータとこの駆動モータの駆動力を上記可動刃に伝達する歯車列を含んで一体的に構成される駆動ユニットからなり、この駆動ユニットが上記本体フレームに取り付けられていることも効果的である。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、駆動手段がユニットとして構成されているので、カッタ装置の組立時又は修理やメンテナンス時の工程を簡素化することが可能になる。
【0016】
一方、請求項5記載の発明は、プリンタ本体と、このプリンタ本体に設けられ、記録紙に対して所定の印刷を行う印刷手段と、請求項1乃至4のいずれか1項記載のカッタ装置とを備えたことを特徴とするプリンタである。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、組立又は修理やメンテナンスの時間が短く、かつ、カッタ装置の近傍を小型化したプリンタを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカッタ装置及びこれを用いたプリンタの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のプリンタの外観を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態のプリンタ1は、キャッシュレジスタ等に組み込まれる活字プリンタで、インクロ−ラ−が着脱可能なプリンタ本体2と、このプリンタ本体2の後方に設けられる巻取り機構3とから構成される。
【0020】
プリンタ本体2には、記録紙に対して所定の印字を行うための活字輪を有する印字手段(図示せず)と、印字位置に記録紙を送るための図示しない紙送り機構と、印字された記録紙を切断するためのカッタ装置4とが設けられている。
【0021】
図1に示すように、カッタ装置4は、プリンタ本体2の前方上部に設けられ、以下に説明するような構成を有している。
【0022】
図2〜図4は、本実施の形態のカッタ装置4の構成を示す分解斜視図である。
【0023】
また、図5(a)は、同カッタ装置4の可動刃ユニットを示す平面図、図5(b)は、同カッタ装置4の可動刃ユニットを示す正面図である。さらに、図6は、同カッタ装置4の構成動作を示す説明図である。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態のカッタ装置4は、本体フレームであって後述する固定刃7等が設けられたプリンタカバー5とカッタカバー6とから構成され、これらが止めねじ8によって組み立てられるようになっている。
【0025】
一方、図3に示すように、プリンタカバー5には、可動刃9を駆動するための駆動手段である駆動ユニット10が設けられている。本実施の形態の場合、駆動ユニット10は、プリンタカバー5の下面に取り付けられている。
【0026】
プリンタカバー5は、例えばメッキ鋼板等の金属製の四角形状の板状の部材からなり、図2〜4に示すように、その上面の所定の位置に固定刃7が止めねじ11によって取り付けられている。なお、固定刃7に形成された孔部7aをプリンタカバー5の所定の位置に形成されたダボ5aに嵌合することによって固定刃7は所定の位置に位置決めされる。また、プリンタカバー5の上面には、後述する可動刃ユニット12が止めねじ13によって着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0027】
図5(a)(b)に示すように、本実施の形態の可動刃ユニット12は、基台である金属製の平板状の受け板14を有し、この受け板14に、回動支軸15を中心として可動刃9が回動自在に取り付けられている。
【0028】
ここで、回動支軸15は、受け板14を貫通してその裏側に延びるように取り付けられている。そして、この回動支軸15に弾性部材である圧縮コイルばね16を装着し、止め輪17によって圧縮コイルばね16を圧縮した状態で係止することにより、受け板14に対して可動刃9が付勢されるようになっている。
【0029】
また、固定刃7に対して可動刃9を所定の角度に傾斜させるためのスペーサ(傾斜部材)18が、受け板14上において受け板14と可動刃9とによって挟持されている。
【0030】
一方、図4に示すように、プリンタカバー5の所定の位置には、上記圧縮コイルばね16の外径より若干大きな径を有する孔部5bが形成されている。そして、上記回動支軸15及び圧縮コイルばね16を上記孔部5bに挿入し、その状態で止めねじ13をスペーサ18及び受け板14の孔部18a、14aを貫通させてプリンタカバー5のねじ部5cにねじ止めすることにより、可動刃ユニット12がプリンタカバー5上に取り付けられる。なお、可動刃ユニット12の受け板14に形成された孔部14bをプリンタカバー5に形成されたダボ5dに嵌合することによって受け板14が位置決めされるようになっている。
【0031】
図3及び図6に示すように、駆動ユニット10は、駆動モータ19と、この駆動モータ19のトルクを可動刃9に伝達する歯車列(モータ歯車20a、減速歯車20b、ウォームギア20c、駆動歯車20d)20とがモータフレーム21に一体的に取り付けられている。一方、プリンタカバー5には開口部50が形成され、上述したようにプリンタカバー5の下面に駆動ユニット10を取り付けると、図4に示すように、この開口部50を介して駆動ユニット10の歯車列20等が露出するようになっている。
【0032】
ここで、円盤状の駆動歯車20dの上面には駆動ピン20eが設けられ、この駆動ピン20eは可動刃9に形成された長孔9aと係合するようになっている。そして、このような構成により、駆動モータ19を動作させると可動刃9が回動支軸15を中心として回動する。なお、モータフレーム21には、可動刃9の位置を検出するための検出器(図示せず)が設けられ、この検出器は図示しない回路基板に接続されている。
【0033】
以上述べたように本実施の形態によれば、可動刃9が、圧縮コイルばね16、スペーサ18及び受け板14とともに可動刃ユニット12として構成されているため、可動刃9を交換する際には可動刃ユニット12を取り外し、またこれを装着する作業だけで済み、これにより可動刃9の交換やメンテナンスの時間を短縮してコストダウンを達成することができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、プリンタカバー5を境にして可動刃ユニット12と反対側に駆動ユニット10が配設され、可動刃9の回動支軸15がプリンタカバー5を貫通して駆動ユニット10側に延びるように設けられていることから、駆動ユニット10の近傍の空間に回動支軸15を配置することができ、これによりプリンタカバー5上に回動支軸15が突出しない構成とすることができるので、カッタ装置4の小型化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態の場合、駆動モータ19及び歯車列20を有する一体的な駆動ユニット10を用いているので、装置の組立又は修理やメンテナンスの工程を大幅に簡素化しうるものである。
【0036】
このように本実施の形態によれば、可動刃9の交換、修理、メンテナンス等を容易かつ迅速に行うことができ、しかも組み立てが容易な小型のプリンタ1を安価に提供することができる。
【0037】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、可動刃の形状や本体フレームへの取付位置は上述した実施の形態に限られず、適宜変更することができる。
【0038】
また、カッタ装置の取付位置も上述した実施の形態に限られず、プリンタ本体の形状に応じて適宜変更することができる。ただし、プリンタの小型化を図るためには、上記実施の形態のように、カッタ装置をプリンタ本体の上部に設けるとともに、駆動手段を下方側、すなわち、プリンタ本体の内部側に配設することが好ましい。
【0039】
さらに、本発明は活字方式のプリンタのみならず、例えば、インパクトドット方式、サ−マル方式、インクジェット方式のプリンタにも適用しうるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、可動刃の交換、修理、メンテナンス等を容易かつ迅速に行うことができ、しかも組み立てが容易な小型のプリンタを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの実施の形態の外観を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態のカッタ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】同実施の形態のカッタ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図4】同実施の形態のカッタ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図5】(a):同実施の形態のカッタ装置の可動刃ユニットを示す平面図である。
(b):同カッタ装置の可動刃ユニットを示す正面図である。
【図6】同実施の形態のカッタ装置の構成動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 プリンタ本体
4 カッタ装置
5 プリンタカバー(本体フレーム)
7 固定刃
9 可動刃
10 駆動ユニット(駆動手段)
12 可動刃ユニット
14 受け板(基台)
15 回動支軸
16 圧縮コイルばね(弾性部材)
18 スペーサ(傾斜部材)
19 駆動モータ
20 歯車列
Claims (5)
- 記録紙を切断するための固定刃を有する本体フレームと、
該本体フレームに対して着脱自在な基台、該基台に回動可能な状態で一体的に支持され上記固定刃と協同して記録紙を切断するための可動刃、及び上記基台に一体的に設けられ上記可動刃を回動支軸の近傍において上記基台に付勢するための弾性部材を有する可動刃ユニットと、
該可動刃を駆動するための駆動手段とを備えたことを特徴とするカッタ装置。 - 上記固定刃に対して上記可動刃を所定の角度に傾斜させるための傾斜部材が上記基台に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載のカッタ装置。
- 上記駆動手段が上記本体フレームを境にして上記可動刃ユニットと反対側に配設され、上記可動刃の回動支軸が上記本体フレームを貫通して上記駆動手段側に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のカッタ装置。
- 上記駆動手段が、駆動モータと該駆動モータの駆動力を上記可動刃に伝達する歯車列を含んで一体的に構成される駆動ユニットからなり、該駆動ユニットが上記本体フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカッタ装置。
- プリンタ本体と、
該プリンタ本体に設けられ、記録紙に対して所定の印刷を行う印刷手段と、
請求項1乃至4のいずれか1項記載のカッタ装置とを備えたことを特徴とするプリンタ。
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