JP3698007B2 - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接装置を制御する制御装置及び制御方法に係り、更に詳しくは、3つ以上の溶接装置を用いて行う溶接作業を、効率的に実施することができるように各溶接装置を制御する制御装置及び制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、NC工作機械や自動溶接装置等、複数の機械を同時に用いて作業を行わせる場合には、対象となるひとつの機械に対して専用の制御装置が用いられる場合が一般的である。
【0003】
この種の制御装置は、作業中における複数の機械の相互干渉を考慮する必要が無い場合がほとんどである。また、考慮するとしても、簡単に干渉回避の方法を発見できる場合がほとんどである。
【0004】
これは、NC工作機械や自動溶接装置等によってなされる作業領域がさほど大きくないために、1台の機械の動作範囲も限られており、複数の機械による相互干渉が作業効率に影響を与えないからである。
【0005】
また、NC工作機械や自動溶接装置等の動作自体が、上下方向及び左右方向といった直線動作や、単一面内での旋回動作など複雑な動作を伴うものではないために、干渉回避方法が比較的簡単に見つけられるからである。
【0006】
少し複雑なケースとして、同一箇所に複数のロボットを高密度で配置するような自動車の組立ラインにおいても、ロボット自体の作業動作を事前に検討しておくことによって、作業中におけるロボット同士の相互干渉が少なくなるような配置場所を見い出すことが可能である。
【0007】
また、仮に作業中において、ロボット同士の干渉が生じた場合においても、ロボット相互の干渉範囲が大きくないことから、ロボット相互の動作を、事前にシミュレーションすること等によって、干渉からの回避方法を事前に検討することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の制御装置では、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、造船に代表されるような重工業における溶接工程では、溶接する部品であるワークが多品種少量であること、溶接対象とする領域が大きいこと、溶接形状が複雑であるということに加えて、複数の溶接ロボットを用いて、ランダムに配置された複数の異なるワークを同時に溶接しなければならない。
【0010】
よって、1つの溶接ロボットが受け持つ動作範囲が大きくなる。また、同一のワークに対して複数台の溶接ロボットにて協調的に溶接作業を実施する必要があるために、ロボット相互の動作範囲が重なる場合も生じる。
【0011】
更に、溶接対象とするワークが同一であっても、そのワークの配置が異なるだけで溶接ロボットの相互干渉の度合いも変化するので、ワークの配置条件に応じて干渉回避の方法も異なる。
【0012】
このため、溶接ロボットの作業経路が迷路の如く、必然的に複雑化してしまう。その結果、溶接ロボットの相互干渉が生じた場合であっても、予め計画された作業経路を作業者が見ただけでは、ロボット相互の干渉を回避する方法を見出すことが困難である。
【0013】
上述したように、造船に代表されるような重工業に用いられる溶接ロボットを制御する制御装置は、従来の技術において既に述べたような単純な動作を制御する場合とは異なり、様々な複雑な要因を伴う極めて困難な作業を最適化しなければならないという問題がある。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、3つ以上の溶接装置によって実施される溶接作業手順を遺伝的アルゴリズムを用いて決定し、もって、各溶接装置によって実施される複雑な作業手順の最適化を図ることが可能な制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0016】
すなわち、請求項1の発明は、3つ以上の溶接装置によって所定の溶接作業を行う場合に各溶接装置を制御する制御装置において、溶接情報入力手段と、溶接情報記憶手段と、初期溶接パターン作成手段と、溶接パターン作成手段と、作業効率評価手段と、溶接パターン抽出手段と、溶接パターン記憶手段と、溶接パターン再作成手段と、作業効率再評価手段と、溶接パターン再抽出手段と、溶接装置制御手段とを備えている。
溶接情報入力手段は、各溶接装置毎に割り当てられた溶接作業を行うために必要な溶接情報として、少なくとも、各溶接装置毎の溶接開始部と溶接終了部とのうちの少なくともいずれか1つからなる溶接線の位置情報、各溶接装置毎の溶接線へのアプローチ動作と溶接線からのリトラクト動作とからなるエアカット動作情報、及び前記各溶接装置毎の溶接速度情報の入力を受け付ける。
溶接情報記憶手段は、溶接情報入力手段に入力された溶接情報を記憶する。
初期溶接パターン作成手段は、溶接情報記憶手段に記憶された溶接情報に基づいて、各溶接装置毎に割り当てられた溶接開始時間と溶接箇所と各溶接箇所の溶接順序と各溶接箇所毎の溶接方向と各溶接箇所の溶接を開始するまでの溶接待ち時間との組合せからなる初期溶接パターンを少なくとも1パターン作成する。
溶接パターン作成手段は、初期溶接パターン作成手段によって作成された初期溶接パターンから、溶接開始時間と溶接順序と溶接方向とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを第1の所定個数作成する。
作業効率評価手段は、溶接パターン作成手段によって作成された第1の所定個数の溶接パターン毎に、各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する。
溶接パターン抽出手段は、作業効率評価手段によって評価された作業効率に基づいて、作業効率評価手段によって評価された第1の所定個数の溶接パターンの中から、第1の所定個数よりも少ない第2の所定個数の溶接パターンを抽出する。
溶接パターン記憶手段は、溶接パターン抽出手段によって抽出された第2の所定個数の溶接パターンを記憶する。
溶接パターン再作成手段は、溶接パターン記憶手段に記憶された第2の所定個数の溶接パターンから、溶接開始時間と溶接順序と溶接方向と溶接待ち時間とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを再度第1の所定個数作成する。
作業効率再評価手段は、溶接パターン再作成手段によって作成された第1の所定個数の溶接パターン毎に、各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する。
溶接パターン再抽出手段は、作業効率再評価手段によって評価された作業効率に基づいて、作業効率再評価手段によって評価された第1の所定個数の溶接パターンの中から、第2の所定個数の溶接パターンを抽出して、当該抽出された溶接パターンのうちの少なくとも1つの作業効率が所定の評価基準を満足する場合には、所定の評価基準を満足する溶接パターンを出力し、抽出された溶接パターンのうちのいずれの作業効率も所定の評価基準を満足しない場合には、抽出された第2の所定個数の溶接パターンを前記溶接パターン記憶手段に記憶させる。
溶接装置制御手段は、溶接パターン再抽出手段によって出力された溶接パターンに基づいて、各溶接装置を制御する。
【0017】
従って、請求項1の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、3つ以上の溶接装置によってなされる溶接作業の手順を評価することができ、もって、3つ以上の溶接装置によってなされる複雑な溶接作業手順の最適化を図ることが可能となる。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1に記載の制御装置において、作業効率評価手段および作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置のうち溶接時間の最も長い溶接装置の溶接時間と、各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉し、当該動作の継続が不可能な状態であるデッドロックの回数とに基づく評価条件に基づいて、作業効率を評価する。
【0019】
従って、請求項2の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、溶接作業手順の適合性の評価を、溶接作業中における溶接装置の動作時間と、デッドロックの回数とを考慮して行なうことができる。
その結果、デッドロック回数を時間に換算し、この換算された時間を溶接装置の動作時間に加えることによって、溶接作業効率の評価基準を一本化し、この評価基準に基づいて各溶接作業の手順を比較することが可能となる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1に記載の制御装置において、作業効率評価手段および作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置のうち溶接時間の最も長い溶接装置の溶接時間と、各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉し、当該動作の継続が不可能な状態であるデッドロックの回数と、隣接する溶接装置同士のいずれもが動作可能な領域である境界領域に、溶接装置が存在している時間帯に他の溶接装置が近接しないということとに基づいて作業効率を評価する。
【0021】
従って、請求項3の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、溶接装置の実行時に一時停止などの短時間の停止が発生したとしても、各溶接装置の相互干渉による一時停止、あるいはデッドロックの発生を低く抑えることが可能となる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1に記載の制御装置において、作業効率評価手段および作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている溶接線の溶接方向である溶接方向のうち、当該干渉する溶接線の位置における溶接方向が逆になるように溶接パターンを変更して動作シミュレーションを行う。
【0023】
従って、請求項4の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、溶接装置同士の干渉を回避するための対策として、逆方向に溶接をさせることができる。その結果、いくつかの干渉を回避することが可能となる。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1に記載の制御装置において、作業効率評価手段および作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている溶接線の位置を、当該干渉が少なくなるように変更して動作シミュレーションを行う。
【0025】
従って、請求項5の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、いくつかの干渉を回避することが可能となる。
【0026】
請求項6の発明は、請求項1に記載の制御装置において、作業効率評価手段および作業効率再評価手段のうち少なくとも一方は、各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている溶接線のうち、当該干渉する溶接線を、当該干渉が少なくなるように複数の溶接線に分割して動作シミュレーションを行う。
【0027】
従って、請求項6の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、溶接装置同士の干渉を回避するための対策として、干渉する溶接線を複数の溶接線位置に分割することで、干渉の発生している時間帯を少なくすることができる。また、いくつかの干渉に関しては、干渉自体を回避することが可能となる。
【0028】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の制御装置において、溶接パターン作成手段および溶接パターン再作成手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置毎に割り当てられた各溶接箇所の溶接順序をランダムに交叉させることにより、新たな溶接パターンを作成する。
【0029】
従って、請求項7の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、遺伝的アルゴリズムを用いて溶接作業の順序をランダムに交叉させることによって作成される、3つ以上の溶接装置によってなされる溶接作業の手順を評価することができる。その結果、3つ以上の溶接装置によってなされる複雑な溶接作業の手順の最適化を図ることが可能となる。
【0030】
請求項8の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の制御装置において、溶接パターン作成手段および溶接パターン再作成手段のうちの少なくとも一方は、各溶接装置毎に割り当てられた各溶接箇所をランダムに選択し、当該選択された溶接箇所の溶接方向を逆方向にすることにより、新たな溶接パターンを作成する。
【0031】
従って、請求項8の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、遺伝的アルゴリズムを用いて、溶接作業方向をランダムに逆転させることによって得られる溶接作業の手順を評価することができる。その結果、3つ以上の溶接装置によってなされる複雑な溶接作業の手順の最適化を図ることが可能となる。
【0032】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の制御装置において、溶接パターン抽出手段および溶接パターン再抽出手段のうちの少なくとも一方は、第1の所定個数の溶接パターンの中から、作業効率の高い溶接パターンから優先的に第2の所定個数の溶接パターンを抽出する。
【0033】
従って、請求項9の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、より適合性の高い溶接作業パターンを次の世代の「親」データとして抽出することができる。その結果、遺伝的アルゴリズムにおける淘汰を行うことが可能となる。
【0034】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の制御装置において、溶接パターン抽出手段および溶接パターン再抽出手段のうちの少なくとも一方は、所定の作業効率以上の溶接パターンが、第1の所定個数の溶接パターンの中に存在しない場合には、第1の所定個数の溶接パターンにおいて各溶接装置毎に割り当てられた溶接を変更する。
【0035】
従って、請求項10の発明の制御装置においては、以上のような手段を講じることにより、所定の作業効率以上の溶接作業のパターンが得られない場合には、各溶接装置毎に割り当てられた溶接を変更することができる。
【0036】
請求項11の発明は、3つ以上の溶接装置によって所定の溶接作業を行う場合に各溶接装置を制御する制御方法において、溶接情報入力段階と、溶接情報入力段階において入力された溶接情報を溶接情報データベースに記憶する段階と、初期溶接パターン作成段階と、溶接パターン作成段階と、作業効率評価段階と、溶接パターン抽出段階と、前記溶接パターン抽出段階において抽出された前記第2の所定個数の溶接パターンを溶接パターンデータベースに記憶する段階と、溶接パターン再作成段階と、作業効率再評価段階と、溶接パターン再抽出段階と、溶接装置制御段階とを備えている。
溶接情報入力段階では、各溶接装置毎に割り当てられた溶接作業を行うために必要な溶接情報として、少なくとも各溶接装置毎の溶接開始部と溶接終了部とのうちの少なくともいずれか1つからなる溶接線の位置情報、各溶接装置毎の溶接線へのアプローチ動作と溶接線からのリトラクト動作とからなるエアカット動作情報、及び各溶接装置毎の溶接速度情報の入力を受け付ける。
初期溶接パターン作成段階では、溶接情報データベースに記憶された溶接情報に基づいて、各溶接装置毎に割り当てられた溶接開始時間と溶接箇所と各溶接箇所の溶接順序と各溶接箇所毎の溶接方向と各溶接箇所の溶接を開始するまでの溶接待ち時間との組合せからなる初期溶接パターンを少なくとも1パターン作成する。
溶接パターン作成段階では、初期溶接パターン作成段階において作成された初期溶接パターンから、溶接開始時間と溶接順序と溶接方向とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを第1の所定個数作成する。
作業効率評価段階では、溶接パターン作成段階において作成された第1の所定個数の溶接パターン毎に、各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する。
溶接パターン抽出段階では、作業効率評価段階において評価された作業効率に基づいて、作業効率評価段階において評価された第1の所定個数の溶接パターンの中から、第1の所定個数よりも少ない第2の所定個数の溶接パターンを抽出する。
溶接パターン再作成段階では、溶接パターンデータベースに記憶された第2の所定個数の溶接パターンから、溶接開始時間と溶接順序と溶接方向と溶接待ち時間とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを再度第1の所定個数作成する。
作業効率再評価段階では、溶接パターン再作成段階において作成された第1の所定個数の溶接パターン毎に、各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する。
溶接パターン再抽出段階は、作業効率再評価段階において評価された作業効率に基づいて、作業効率再評価段階において評価された第1の所定個数の溶接パターンの中から、第2の所定個数の溶接パターンを抽出して、当該抽出された溶接パターンのうちの少なくとも1つの作業効率が所定の評価基準を満足する場合には、所定の評価基準を満足する溶接パターンを出力し、抽出された溶接パターンのうちのいずれの作業効率も所定の評価基準を満足しない場合には、抽出された第2の所定個数の溶接パターンを溶接パターンデータベースに記憶させる。
溶接装置制御段階では、溶接パターン再抽出段階において出力された溶接パターンに基づいて、各溶接装置を制御する。
【0037】
従って、請求項11の発明の制御方法においては、以上のような手段を講じることにより、3つ以上の溶接装置によってなされる溶接作業手順の入れ替え、シミュレーション、評価を実施することができる。その結果、3つ以上の溶接装置によってなされる複雑な溶接作業の手順の最適化を図ることが可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の各形態について図面を参照しながら説明する。
【0049】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図21を用いて説明する。
【0050】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置の一例を示すシステム構成図である。
【0051】
すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置1は、CAD/CAMシステム2と、作業情報記憶部4と、初期作業パターン作成部6と、作業パターン作成部8と、作業効率評価部10と、作業パターン抽出部12と、作業パターン記憶部14と、作業パターン再作成部16と、作業効率再評価部18と、作業パターン再抽出部20と、機械制御部22とを備えており、マルチロボット溶接装置24を制御する。
【0052】
図2は、造船業において実用化されているマルチロボット溶接装置の構成例を示す斜視図である。
【0053】
マルチロボット溶接装置24は、各6軸の多関節型の溶接ロボット30(R1〜R10)がそれぞれ3軸のスライド機構31、32、33に天吊り姿勢で配置され、合計9軸の移動機構により、上下(Z軸方向)、前後(Y軸方向)、左右(X軸方向)にそれぞれ移動可能なようになっている。図2に示すマルチロボット溶接装置24の例では、このような多関節型の溶接ロボット30(R1〜R10)を10台組合せて構成している。更に、各多関節型の溶接ロボット30(R1〜R10)は、その先端に、溶接トーチ34をそれぞれ備えており、ワークを溶接する。
【0054】
図3は、マルチロボット溶接装置24が溶接する対象となるワーク40の一例を示す平面図であり、ワーク40は、開口部41を有するパネル(母材)42に対して、複数の取付部材43を自動溶接して組立をする場合を想定している。
【0055】
定盤50は、ワーク40を配置あるいは固定するための作業台であり、領域境界線51は各溶接ロボット30(R1〜R10)の基本的な動作領域R1〜R10を区分する分割線である。
【0056】
1.CAD/CAMシステム2
CAD/CAMシステム2は、以下の(1)から(3)に示すように、複数の溶接ロボット30(R1〜R10)毎に割り当てられた作業に必要な情報を作成し、作成した情報を作業情報記憶部4に出力する。
【0057】
(1)溶接動作経路情報の読込み
溶接ロボット30による基本的な溶接作業は、溶接部分への▲1▼アプローチ、▲2▼始端部センシング、▲3▼終端部センシング、▲4▼始端部分の始端部溶接、▲5▼中間部分の本溶接、▲6▼終端部分の終端部溶接、▲7▼溶接部分からのリトラクトからなる基本動作と、溶接終了後リトラクトしてからのワイヤカット、ノズルクリーニングなどの▲8▼補助動作、更には、次の溶接線部分への移動を意味する▲9▼エアカット動作からなる。
【0058】
なお、▲2▼、▲3▼の端部センシングの動作が省略されたり、別途補助動作が溶接前に実施されたりする場合、あるいは▲4▼、▲6▼の溶接動作が繰り返される場合があるものの、基本的には、上記9つに区分される。
【0059】
CAD/CAMシステム2は、これら▲1▼〜▲9▼に区分された各動作毎に、溶接ロボット30の姿勢ならびに溶接トーチ34の先端位置情報と、溶接動作に必要な命令シーケンスとを演算する。これらの情報は、溶接作業単位のデータとして処理されるため、以降、「溶接線情報」と称する。
【0060】
(2)タスク分割処理
次に、演算された溶接線情報に基づいて、どの溶接ロボット30がどの溶接線(タスク)を担当するかというタスク分割処理を実施する。
【0061】
ワーク40上には、領域境界線51を越えても溶接作業することが可能な領域であるオーバーラップ領域52が存在するため、オーバーラップ領域52内にある溶接線は、片方の溶接ロボット30でしか溶接できない溶接線もあるが、近隣のいずれかの溶接ロボット30を選択する自由度を有する溶接線も存在する。
【0062】
溶接動作経路の最適化を検討する場合においては、この自由度も利用して、溶接ロボット30同士の干渉が最小限になるようにする。
【0063】
ただし、イニシャルゲスとして設定する初期タスク分割処理においては、特開平9−164483号公報に開示されているように、一意になされたタスク分割処理を行う。
【0064】
(3)溶接方向の入れ替え
溶接作業は、特殊な事情がない限り、いずれの方向から溶接しても溶接品質上差し支えない。よって、溶接線情報にある始端と終端とを入れ替えて、逆方向に溶接することで、溶接ロボット30相互の干渉を減らして、エアカット時間を短縮することができるか否かを検討する。ただし、初期条件としては、一定の方向に溶接するものとする。
【0065】
2.作業情報記憶部4
作業情報記憶部4は、上述したようなCAD/CAMシステム2において作成された情報を記憶する。
【0066】
3.初期作業パターン作成部6
初期作業パターン作成部6は、作業情報記憶部4に記憶された情報に基づいて、各溶接ロボット30毎に割り当てられた溶接開始時間と溶接箇所と溶接箇所の溶接順序と各溶接箇所毎の溶接方向との組合せからなるデータである初期溶接動作経路パターンを少なくとも1パターン決定する。
【0067】
まず、溶接開始時間に関しては、各溶接ロボット30(R1〜R10)毎に、先見情報があればそれに従って適当な値を入力し、特に無ければ設定しない。溶接開始時間を特に指定しない場合、溶接開始時間としてゼロ(秒)が設定されたことになる。
【0068】
更に、溶接順序に関しては、特開平9−164483号公報に開示されているように、全ての溶接ロボット30が同一方向に作業することで溶接ロボット30の相互干渉を少なくすることができることが明らかである。したがって、各溶接ロボット30に割り当てられた溶接箇所を始端部のXY座標の小さい順(図3の各動作領域R1〜R10における左下側から)に選択し、初期溶接動作経路パターンとすることで最適化を早めるようにしても良い。
【0069】
なお、溶接方向に関しては、CAD/CAMシステム2で定義されたように一定方向とする。
【0070】
このようにして定義された溶接開始時間と溶接箇所と溶接箇所の溶接順序と各溶接箇所毎の溶接方向との組合せからなる初期溶接動作経路パターンの一例を図4から図6を用いて説明する。
【0071】
図4に示すように、仮に、各動作領域R1〜R10にそれぞれ10箇所の溶接箇所があり、合計で100箇所の溶接箇所があるものとする。更に、動作領域R1に属する溶接箇所を溶接番号1〜10、動作領域R2に属する溶接箇所を溶接番号11〜20というように全ての溶接箇所に1〜100までの連続した溶接番号を付する。
【0072】
各動作領域R1〜R10では、初期条件として、それぞれの領域R1〜R10の上方に備えられた溶接ロボット30(R1〜R10)が、各動作領域R1〜R10毎に溶接番号の若い順に溶接を行うものとする。
【0073】
更に、各溶接ロボット30(R1〜R10)の溶接開始時間は同一であり、溶接方向はCAD/CAMシステム2で定義された一定方向(例えば、図3において左側から右側の方向、あるいは下側から上側の方向)であるものとする。
【0074】
このような条件における各溶接ロボット30(R1〜R10)の動作に関する情報を、図5に示すようにまとめる。すなわち、いずれの溶接ロボット30(R1〜R10)も溶接開始遅れ時間はゼロ(秒)であり、図5の溶接順序に示す順番で各溶接箇所を溶接し、その溶接方向は、いずれの溶接線についても上述した一定方向(順方向)である。
【0075】
なお、図5に示す溶接開始遅れ時間は、上述した溶接開始時間に相当するものであり、マルチロボット溶接装置24の動作が開始された時点を基点として、各溶接ロボット30(R1〜R10)が動作を開始するまでの時間遅れを示すものである。
【0076】
このようにして、初期作業パターン作成部6は、図5に示す内容から更に、図6に示すような初期溶接動作経路パターンを定義するデータ列を作成する。
【0077】
4.作業パターン作成部8
作業パターン作成部8は、初期作業パターン作成部6によって作成された図6に示すような初期溶接動作経路パターンに基づいて、溶接開始遅れ時間と溶接順序と溶接方向とのうちの少なくとも1つを変化させて作成される新たな溶接動作経路パターンを複数個作成する。以下に、この作成方法について詳述する。
【0078】
先ず、作業パターン作成部8は、図7に示すように、初期作業パターン作成部6によって作成された初期溶接動作経路パターンをNP個複写する。更に、複写されたNP個のそれぞれに関して、溶接ロボット30毎に溶接順序を乱数等を用いてランダムに入れ替える。
【0079】
NPは整数であり、溶接箇所の数に応じてあらかじめ定めたパラメ−タである。ここで、NP個作成された同一の初期溶接動作経路パターンのそれぞれを「親」と呼ぶこととする。
【0080】
(1)溶接順序データ列の交叉
更に、作業パターン作成部8は、図7に示すように、NP個のそれぞれの「親」から、後述する交叉と呼ばれる処理により溶接順序を組み替えた溶接動作経路パターンをとる「子」をNC個作成する。NCは整数であり、溶接箇所の数に応じてあらかじめ定めたパラメ−タである。
【0081】
この結果、溶接動作経路パターンは「親」と「子」とを合わせ全部で(NP+NP×NC)個となる。
【0082】
次に、交叉処理の方法の一例について図8を用いて一般的に説明する。
【0083】
図8(a)に示すように、「親」の溶接順序を示す溶接順序データ列において、溶接ロボットを1つランダムに選択する。それを溶接ロボットRkとする。次に、溶接ロボットRkの溶接順序データ列の中から連続した一部分(例えばe〜g)を選択部分列Pとしてランダムに取り出す。最後に、同じ溶接順序データ列の中から、1カ所(例えばbとcとの間)を選択挿入箇所Iとしてランダムに選び、選択部分列Pのデータ列を選択挿入箇所Iに挿入する。
【0084】
このような交叉処理により、1つの「親」から図8(b)に示すような1つの「子」を作成する。このような交叉処理を、1つの「親」に対してNC回行なうことにより、(NP×NC)個の「子」の溶接動作経路パターンを作成する。
【0085】
なお、このようにして作成された(NP×NC)個の「子」のうち、同一の溶接動作経路パターンが作成されても構わない。
【0086】
(2)溶接開始遅れ時間の設定
図6に示す例では、「親」の初期溶接動作経路パターンとして、各溶接ロボット30(R1〜R10)の溶接開始遅れ時間を同時に設定している。
【0087】
それに対して、ここでは図9にその一例を示すように、(NP×NC)個の「子」のうち、任意のNC1個(NP×NC > NC1)の「子」に対し、任意の個数の溶接ロボットを選択し、選択された溶接ロボットに対して任意の溶接開始遅れ時間を設定する。
【0088】
すなわち、まず(NP×NC)個の「子」から任意のNC1個を、乱数等を用いてランダムに選択する。
【0089】
次に、各NC1個の「子」について、▲1▼溶接ロボットの数を乱数等を用いてランダムに選択する。そして、▲2▼選択された数の溶接ロボットを選定する。更に、▲3▼選定された溶接ロボットについて、溶接開始遅れ時間を設定する。
【0090】
図10に示す例では、1つの「子」について溶接開始遅れ時間が設定された状態を示しており、先ず▲1▼2個の溶接ロボットが選択され、そして、▲2▼2個の溶接ロボットとして溶接ロボットR2、R5が選定され、更に、▲3▼それら溶接ロボットR2、R5に対してそれぞれ10(秒)、15(秒)の溶接開始遅れ時間が設定され、溶接動作経路パターンの溶接開始遅れ時間のデータが書き換えられた状態を示している。
【0091】
(3)溶接方向の入れ替え
図6に示す例では、「親」の初期溶接動作経路パターンとして、各溶接ロボット30(R1〜R10)の溶接箇所の溶接方向として全て順方向を設定している。
【0092】
それに対して、ここでは図11にその一例を示すように、(NP×NC)個の「子」のうち、任意のNC2個(NP×NC > NC2)の「子」に対し、▲1▼任意の溶接箇所個数を選択し、▲2▼選択された溶接箇所個数に基づく溶接箇所を特定し、▲3▼特定された溶接箇所について溶接方向を入れ替える。
【0093】
すなわち、まず(NP×NC)個の「子」からの任意のNC2個を、乱数等を用いてランダムに選択する。
【0094】
次に、各NC2個の「子」について、▲1▼溶接箇所の個数を乱数等を用いてランダムに選択する。そして、▲2▼選択された個数の溶接箇所を乱数等を用いてランダムに選定する。更に、▲3▼選択された溶接箇所について、溶接方向を入れ替える。
【0095】
図12に示す例では、溶接方向の入れ替えが行われた状態を示しており、先ず、▲1▼溶接箇所の個数として12個が選択され、そして、▲2▼12個の溶接箇所が特定され、更に、▲3▼それら溶接箇所について溶接方向が入れ替えられ、溶接動作経路パターンのうち溶接方向のデータが書き換えられた状態を示している。
【0096】
上述したようにして、作業パターン作成部8は、溶接動作経路パターンとして、NP個の「親」と、溶接順序と溶接開始遅れ時間と溶接方向とをランダムに設定した(NP×NC)個の「子」とをそれぞれ設定する。すなわち、合計して(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンを生成する。
【0097】
なお、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンの設定方法は、上記で説明した方法に限るものではなく、たとえば、NC1個の溶接動作経路パターンについて(2)溶接開始後れ時間を設定し、別のNC2個の溶接動作経路パターンについて(3)溶接方向の入れ替えを施し、(NP+NP×NC−NC1−NC2)個の溶接動作経路パターンについて(1)溶接順序データ列の交叉を施すことによって行っても良い。
【0098】
5.作業効率評価部10
作業効率評価部10は、作業パターン作成部8によって作成された(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターン毎に、以下に示すような複数台の溶接ロボット30の動作シミュレーションを行い、トータルの作業時間、デッドロックの回数を求め、それらの結果に基づいて適合性を評価する。
【0099】
ここでデッドロックとは、双方あるいは複数の溶接ロボット30が、衝突する方向に動作することにより、機械制御部22のインターロック機構が働き、双方の溶接ロボット30ともに停止する状態のことを示しており、双方の溶接ロボット30が動作している場合の他に、何らかの原因により、一時停止状態にある溶接ロボット30に対して、隣接する溶接ロボット30が干渉を回避するためのエリアを設定しようとした場合に、このエリアが一時停止状態の溶接ロボット30とラップして、いずれの溶接ロボット30とも動作ができなくなる状態のことである。
【0100】
作業効率評価部10が行う溶接ロボット30の動作シミュレーションは、動作領域R1〜R10毎に、溶接ロボット30(R1〜R10)の旋回動作も考慮して行う。そして、図13にその一例を示すように、溶接ロボット30(R5)が、隣接する溶接ロボット30(R6)によって確保されている動作エリアに干渉するような動作をとろうとした場合には、動作エリアの干渉が解消されるまで一次停止するようなロジックを適用している。溶接ロボット30(R5)の動作により、溶接ロボット30(R6)と干渉するエリアを図13中に網掛け領域にて示す。
【0101】
なお、干渉エリアにおける溶接線を、干渉が少なくなるように複数の溶接線に分割するようにしても良い。
【0102】
図14は、デッドロックの一例であり、溶接ロボット30(R8)が、動作act1と動作act2とを終了し、時間的に動作act3を実行しようとして動作act3の動作エリアを確保しようとしたとき、溶接ロボット30(R10)が動作act1を終了し、動作act2の実行中であった場合には、溶接ロボット30(R8)は動作エリアの干渉が回避するまで一時停止する。ところが、溶接ロボット30(R10)が動作act2を終了した時点で動作act3を実行しようとして動作エリアを確保しようとするが、一時停止している溶接ロボット30(R8)が存在するために、やはり一時停止してしまう状況を示している。
【0103】
上述したように、作業効率評価部10は、作業パターン作成部8によって作成された(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターン毎に、複数台の溶接ロボット30(R1〜R10)の動作シミュレーションを行う。そして、動作シミュレーションの結果、デッドロックが発生する場合には、デッドロックを回避できるような動作も適用して、トータルの作業時間、デッドロックの回数を求め、それらの結果に基づいて適合性を評価する。
【0104】
トータルの作業時間は、最も作業時間を要した溶接ロボット30の作業時間となる。
【0105】
このようなデッドロックに関しては、基本的には、何らかのデッドロック回避ロジックをロボットプログラムに追加することにより解消できるものの、溶接ロボット30の実作業時の様々な外乱によるシミュレーションとの時間的ズレを配慮すると、デッドロックの回数は、少ない方が好ましい。
【0106】
このため、作業効率評価部10では、デッドロックに対して所定のペナルティタイムを設定し、デッドロックの回数にこのペナルティタイムを乗じて時間に換算する。更に、トータルの作業時間に、この換算された時間を加算することによって実効的な作業時間を算出し、この実効的作業時間が短いほど適合性が優れているものと評価する。
【0107】
更に、溶接ロボット30の実作業時の様々な外乱によるシミュレーションとの時間的ズレを考慮すると、溶接ロボット30がオーバーラップ領域52に存在する時間帯が隣接する溶接ロボット30間でできるだけ離れている方が適合性が優れているものといえる。
【0108】
シミュレーションにおいては、隣接する溶接ロボット30間のオーバーラップ領域52における存在時間帯間隔を求め、着目する溶接ロボット30が干渉時間に入った時点での干渉対象となる溶接ロボット30との非干渉時間間隔を求め、その総和が最大となるものを優位とする評価を実施する。
【0109】
図13に示す例においては、溶接ロボット30(R2)と隣接する溶接ロボット30は、溶接ロボット30(R1)、溶接ロボット30(R3)、溶接ロボット30(R4)である。
【0110】
図15は、このようなシミュレーションの結果得られた、溶接ロボット30(R1〜R4)の動作タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【0111】
図15に示す時間t1において、溶接ロボット30(R2)が溶接ロボット30(R4)とのオーバーラップ領域52に侵入した場合における干渉が回避される時間帯である干渉フリー時間の算出方法について説明する。
【0112】
溶接ロボット30(R2)が、溶接ロボット30(R4)とのオーバーラップ領域52に侵入した時間t1以降に、溶接ロボット30(R4)がオーバーラップ領域52に侵入するまでの時間T3を正の干渉フリー時間とする。この時間t1以前に溶接ロボット30(R4)がオーバーラップ領域52に存在していた時間T13を負の干渉フリー時間とする。これらを合計した時間(T13+T3)を干渉フリー時間とする。
【0113】
次に、時間t2において、溶接ロボット30(R2)が溶接ロボット30(R1)、溶接ロボット30(R3)、溶接ロボット30(R4)とのオーバーラップ領域52に侵入した場合における干渉フリー時間の算出方法について説明する。
【0114】
この場合、溶接ロボット30(R2)の、各溶接ロボット30(R1、R3、R4)との正の干渉フリー時間、すなわち時間T4、時間T5、時間T6のうちの最小値である時間T5を正の干渉フリー時間とする。また、各溶接ロボット30(R1、R3、R4)との負の干渉フリー時間は、溶接ロボット30(R3)が既にオーバーラップ領域52に存在するので零とする。この時間T15=0は、時間T14、時間T16より小さいので、最小値である時間T15=0を負の干渉フリー時間とする。これらを合計した時間(T15+T5)を干渉フリー時間とする。
【0115】
さらに、処理を簡易化する方法として、溶接ロボット30の作業時間が最大となる溶接ロボット30のみに着目して、干渉フリー時間を求めるようにしても良い。このようにして対象となる全ての溶接ロボット30に対して、干渉フリー時間を求め、その総和が大きいほど作業パターンがより最適であると評価する。
【0116】
あるいは、シミュレーションの結果得られた個々の干渉フリー時間の最小値を求め、その値が最大となる作業パターンが最適であると評価する。
【0117】
6.作業パターン抽出部12
作業パターン抽出部12は、作業効率評価部10によってなされた評価結果に基づいて、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンの中から、NP個の溶接動作経路パターンを抽出する。
【0118】
(1)適合性リスト作成
まず、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンについて、図16に示すように評価結果をまとめ、更に、図17に示すように、それら溶接動作経路パターンを適合性の高い順に、すなわち、実効的作業時間の短い順に並べた適合性順位リストを作成する。
【0119】
また、干渉フリー時間を考慮する場合には、同様に干渉フリー時間の長い順に並べた適合性順位リストを作成する。
【0120】
(2)溶接動作経路パターンの抽出処理(淘汰)
作業効率評価部10にてなされた評価結果に基づいて、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンから、淘汰と呼ばれる処理によって、NP個の溶接動作経路パターンを抽出する。
【0121】
淘汰は、図17に示すような適合性順位リストに基づいて行う。ここで行う淘汰処理の方法の一例を、図18を用いて以下に説明する。
【0122】
まず、適合性順位の1位からNP3位までの溶接動作経路パターンNP3個を抽出する。NP3は、NP以下の任意の整数であり、ランダムに設定する。次に、(NP−NP3)個の溶接動作経路パターンについて、適合性順位の上位ほど選ばれる確率が高いという条件のもとで抽出する。このようにして、NP個の溶接動作経路パターンを抽出する。
【0123】
NP3=NPとすれば適合性順位の高い上位NP個の溶接動作経路パターンを抽出するという淘汰になる。また、NP3=0にすれば適合性順位の高い溶接動作経路パターンが多く抽出されるという基本条件のもと、下位のものもある程度抽出されるような淘汰となる。すなわち、最適化が局所解に陥ることを防ぐ役割を果たすことになる。
【0124】
このように、NP3を任意に設定することにより、様々な傾向で溶接動作経路パターンを抽出することができるようにしている。
【0125】
また、干渉フリー時間も考慮する場合には、実効的作業時間の適合性順位の高い溶接動作経路パターンNP3個を抽出し、更に、干渉フリー時間の長い溶接動作経路パターンNP4個を抽出する。
【0126】
更に、実効的作業時間の適合性順位の上位(NP+NP×NC−NP3)位から(NP+NP×NC)位までの溶接動作経路パターンから任意のNP5個を抽出し、更に、干渉フリー時間の適合性順位の上位(NP+NP×NC−NP4)位から(NP+NP×NC)位までの溶接動作経路パターンから任意のNP6個を抽出する。
【0127】
そして、このとき、NP3+NP4+NP5+NP6=NPとなるようにする。
【0128】
NP3、NP4、NP5、NP6を任意に設定することにより、様々な傾向で溶接動作経路パターンを抽出することができるようにしている。
【0129】
なお、実効的作業時間の観点から抽出された(NP3+NP5)個の溶接動作経路パターンと、干渉フリー時間の観点から抽出された(NP4+NP6)個の溶接動作経路パターンとは同一パターンがないように選択する。これによって、NP個の溶接動作経路パターンを抽出する。
【0130】
7.作業パターン記憶部14
作業パターン記憶部14は、作業パターン抽出部12によって抽出されたNP個の溶接動作経路パターンを記憶する。
【0131】
8.作業パターン再作成部16
(1)溶接順序データ列の交叉
作業パターン再作成部16は、作業パターン記憶部14に記憶されたNP個の溶接動作経路パターンを「親」として、これら「親」の溶接動作経路パターンのうち、溶接順序を、作業パターン作成部8で説明したものと同様の交叉処理を行うことによって、各「親」からNC個の「子」を作成する。
【0132】
この結果、作業パターン作成部8で行った場合と同様、溶接動作経路パターンは「親」と「子」とを合わせ全部で(NP+NP×NC)個となる。
【0133】
なお、このようにして作成された(NP×NC)個の「子」のうち、同一の溶接動作経路パターンが作成されても構わない。また、作業パターン作成部8で作成された溶接動作経路パターンと同一のパターンが作成されても構わない。
【0134】
(2)溶接開始遅れ時間の設定
作業パターン再作成部16は、(1)溶接順序データ列の交叉で作成された(NP×NC)個の「子」のうち、任意のNC1個(NP×NC > NC1)の「子」に対し、任意の個数の溶接ロボットを選択し、選択された溶接ロボットに対して任意の溶接開始遅れ時間を設定する。
【0135】
この設定方法は、作業パターン記憶部14に記憶されたNP個の「親」の特徴を引き継ぐために、図19に一般的に示すような交叉処理によって行う。
【0136】
すなわち、先ず、NP個の「親」からランダムに2つを選択し、一方を「親1」、他方を「親2」とする。
【0137】
次に、溶接開始遅れ時間を交叉させる対象となる溶接ロボットRkをランダムに選択する。更に、「親1」の溶接ロボットRkの溶接開始遅れ時間t1kと、「親2」の溶接ロボットRkの溶接開始遅れ時間t2kとから、内挿あるいは外挿により新たな溶接開始遅れ時間t1k’、t2k’をそれぞれ作成する。
【0138】
「親1」の溶接ロボットRkの溶接開始遅れ時間t1kを溶接開始遅れ時間t1k’に置き換えたものを「子1」、「親2」の溶接ロボットRkの溶接開始遅れ時間t2kを溶接開始遅れ時間t2k’に置き換えたものを「子2」とする。すなわち、2つの「親」から1回の交叉により2つの「子」ができる。
【0139】
このような処理を繰り返し行うことによって、(NP×NC)個の「子」のうちの任意のNC1個について、溶接開始遅れ時間を交叉によって変更する。
【0140】
(3)溶接方向の入れ替え
4.作業パターン作成部8の(3)溶接方向の入れ替えにおいて説明した方法と同様に、(NP×NC)個の「子」のうち、任意のNC2個(NP×NC >NC2)の「子」に対し、▲1▼任意の溶接箇所個数を選択し、▲2▼選択された溶接箇所個数に基づく溶接箇所を特定し、▲3▼特定された溶接箇所について溶接方向を入れ替える。
【0141】
上述したようにして、作業パターン再作成部16は、溶接動作経路パターンとして、NP個の「親」と、溶接順序と溶接開始遅れ時間と溶接方向とをランダムに設定した(NP×NC)個の「子」とをそれぞれ設定する。
【0142】
9.作業効率再評価部18
作業効率再評価部18は、作業パターン再作成部16によって作成された(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターン毎に、作業効率評価部10と同様にして、複数台の溶接ロボットの動作シミュレーションを行い、トータルの作業時間、デッドロックの回数を求め、それらの結果に基づいて適合性を評価する。
【0143】
10.作業パターン再抽出部20
作業パターン再抽出部20は、作業効率再評価部18によってなされた評価結果に基づいて、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンの中から、NP個の溶接動作経路パターンを抽出する。
【0144】
溶接動作経路パターンの抽出方法については、6.作業パターン抽出部の項で述べた方法と同様である。
【0145】
更に、作業パターン再抽出部20は、抽出されたNP個の溶接動作経路パターンについて、図20に一例を示すように、実効的作業時間をプロットする。そして、この結果に基づいて、作業パターン再作成部16において、新たに次の世代の(NP+NP×NC)個の「子」パターンを作成して、再び動作シミュレーションを行うか、あるいは、評価を終了するかを判定する。
【0146】
評価を終了するか否かを判定する場合、以下に示す3段階の評価基準に基づいて行う。
【0147】
第1段階は、実効的作業時間の値が、基準値以下の値が得られた時点で評価を終了する。
【0148】
すなわち、図20に示すように、交叉処理によって「親」の性質を引き継いて生成される溶接動作経路パターンで評価を繰り返して行くと、その評価結果である実効的作業時間は、世代数を増すに従って、遺伝的アルゴリズムの効果によって実効的作業時間の短い溶接動作経路パターンが得られるようになる。
【0149】
よって、例えば、NP個の溶接動作経路パターンのうちのいずれかが基準値を満足するようになったところで、適切な解である溶接動作経路パターンが得られたものと判定して評価を打ち切る。
【0150】
あるいは、NP個の溶接動作経路パターンのうち最も短い実効的作業時間の値が、前の世代のものとほとんど変わらなくなった場合や、ある一定の世代数の評価を終えた場合には、評価を打ち切る。
【0151】
第2段階として、オーバーラップ領域52に存在する、干渉が発生している溶接線に割り当てられている溶接ロボット30を、(2)タスク分割処理において、当該干渉が少なくなるように変更することにより初期作業パターンを変更して、あるいは、干渉が発生している溶接線を複数の溶接線に分割してそれぞれの担当溶接ロボット30を変更して、前記の溶接動作経路パターンで評価を繰り返す。
【0152】
第1段階と同様に、NP個の溶接動作経路パターンのうちのいずれかが基準値を満足するようになったところで、適切な解である溶接動作経路パターンが得られたものと判定して評価を終了する。
【0153】
この第2段階の処理を所定回数繰り返した後に、基準値を満足しない場合においても処理を終了する。
【0154】
11.機械制御部22
機械制御部22は、作業パターン再抽出部20によって最終解として出力された溶接動作経路パターンに基づいて、図2に示すようなマルチロボット溶接装置24を制御する。
【0155】
次に、以上のように構成した本発明の第1の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置の動作について図21に示すフローチャートを用いて説明する。
【0156】
溶接動作経路の最適化を行うために、まず、溶接対象となるワークの形状および寸法の情報、溶接作業情報に基づいて、各動作毎に、溶接ロボット30の姿勢ならびに溶接トーチ34の先端位置情報と、溶接動作に必要な命令シーケンスとからなる溶接線情報がCAD/CAMシステム2において演算され、演算結果が作業情報記憶部4に記憶される(S1)。
【0157】
また、計算された溶接線情報に基づいて、どの溶接ロボット30がどの溶接線(タスク)を担当するかというタスク分割処理がCAD/CAMシステム2においてなされ、その結果が作業情報記憶部4に記憶される(S2)。
【0158】
次に、初期作業パターン作成部6において、作業情報記憶部4に記憶された溶接線情報およびタスク分割情報に基づいて、各溶接ロボット30毎に割り当てられた溶接開始遅れ時間と溶接箇所と溶接箇所の溶接順序と各溶接箇所毎の溶接方向との組合せからなる初期溶接動作経路パターンが第0世代のデータ列として生成される(S3)。
【0159】
この初期溶接動作経路パターンに基づいて、作業パターン作成部8において、溶接開始遅れ時間と溶接順序と溶接方向とのうちの少なくとも1つを変化させて決定される新たな溶接動作経路パターンが複数個生成される(S4)。この溶接動作経路パターンの生成には、遺伝的アルゴリズムの手法が適用されており、ステップS3において作成された初期溶接動作経路パターンのデータ列を「親」とし、適宜交叉処理等を施すことによって「子」データとしての溶接動作経路パターンが生成される。
【0160】
次に、作業効率評価部10において、このように作成された複数の溶接動作経路パターン毎に、適合性の評価が行われる(S5)。この適合性の評価では、動作シミュレーション(S6)と、実効的作業時間の算出(S7)と、適合順のリスト作成(S8)とが行われる。
【0161】
動作シミュレーション(S6)においては、複数の溶接動作経路パターン毎に、並行作業する溶接ロボットの動作のシミュレーションが行われ、そのシミュレーションの結果から、溶接作業に要するトータルの作業時間と、デッドロックの回数とが演算される。
【0162】
実効的作業時間の算出(S7)においては、ステップS6で演算されたトータルの作業時間とデッドロックの回数とから、複数の溶接動作経路パターン毎に、実効的作業時間が算出される。
【0163】
適合順のリスト作成(S8)においては、作業パターン抽出部12において、ステップS7で算出された実効的作業時間の短い順に、溶接動作経路パターンがソーティングされたリストが作成される。
【0164】
なお、この適合性の評価において、干渉フリー時間も考慮する場合には、ステップS7において実効的作業時間の算出に加えて干渉フリー時間の算出が行われ、ステップS8において実効的作業時間における適合性順位リストに加えて干渉フリー時間における適合性順位リストも作成される。
【0165】
更に、ステップS8で作成されたリストに基づいて、(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターンの中から、NP個の溶接動作経路パターンが抽出される(S9)。
【0166】
このようにして抽出されたNP個の溶接動作経路パターンを第1世代の「親」データとして(S10:No)、上述したステップS4からステップS9までの処理が繰り返し行われる。これによって、溶接動作経路パターンが淘汰される。
【0167】
なお、第1世代以降の「親」データを基に行われる溶接動作経路パターンの生成(S4)、適合性の評価(S5、S6〜S8)、溶接動作経路パターンの抽出(S9)は、作業パターン作成部8に代わって作業パターン再作成部16で、作業効率評価部10に代わって作業効率再評価部18で、作業パターン抽出部12に代わって作業パターン再抽出部20においてそれぞれ行われる。
【0168】
ステップS9で第1世代より後の世代の「親」として抽出された(S10:Yes)NP個の溶接動作経路パターンは、そのいずれかの実効的作業時間の値が基準値を満足するか否かが判定される(S11)。
【0169】
NP個の溶接動作経路パターンのうち、いずれの実効的作業時間が基準値を満足する場合(S11:Yes)には、この溶接動作経路パターンが最終解として機械制御部22に入力され、この機械制御部22によって、この最終解として選定された溶接動作経路パターンに基づいて、マルチロボット溶接装置24が制御される(S14)。
【0170】
NP個の溶接動作経路パターンのうち、いずれも基準値を満足しない場合(S11:No)には、世代数が更新された場合においても評価結果が改善されないか、あるいは、世代更新数が予め定めた上限世代数に達した場合であるかが判定される(S12)。
【0171】
上記いずれかの条件を満足する場合(S12:Yes)には、ステップS13を介して(S13:No)ステップS2に移行し、そこでタスク分割が変更され、更にステップS3からステップS12までの処理が行われる。
【0172】
このようにステップS2に戻ってタスク分割が変更される回数は、予め設定されており、設定された回数以内のタスク分割によって、基準値を満足する評価結果が得られた場合(S11:Yes)には、ステップS14に移行する。
【0173】
一方、基準値を満足しない場合(S11:No)には、再びステップS12を介して(S12:Yes)ステップS13に移行する。そして、評価結果が基準値を満足しなくても、タスク分割の変更回数が、予め設定された回数に達した場合(S13:Yes)には、ステップS14に移行する。
【0174】
このようにして決定された溶接動作経路パターンが機械制御部22に入力され、この機械制御部22によって、この経路パターンに基づいて、マルチロボット溶接装置24が制御される(S14)。
【0175】
上述したように、本実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置においては、上記のような作用により、複数の溶接ロボットによってなされる溶接動作経路を遺伝的アルゴリズムを用いて決定し、もって、複数の溶接ロボットによってなされる複雑な溶接作業の最適化を図ることができる。
【0176】
溶接作業の最適化を図るためには、▲1▼同一の溶接ロボットが行う溶接箇所における溶接順序、▲2▼溶接ロボット同士の相互干渉を回避する待避動作パターン、▲3▼溶接ロボット毎の溶接開始時間、▲4▼溶接方向、▲5▼オーバーラップ領域52にある溶接線を担当する溶接ロボットの選択等、多くのパラメータを考慮する必要がある。
【0177】
しかしながら、本実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置では、遺伝的アルゴリズムを用いることにより、これらのパラメータを個別に考慮するのではなく、同時に考慮して最適化を図ることができる。
【0178】
一般的に、複数のパラメータによる組み合わせを全て抽出して、抽出された全ての組み合わせに関して動作シミュレーションを行い、最適な溶接動作経路パターンの解を得るような場合、考慮すべきパラメータが増加すると、それに伴って組み合わせのパターンも増加するために、計算時間も増加する。
【0179】
しかしながら、本実施の形態では、考慮すべきパラメータが増加した場合においても、そのパラメータを溶接動作経路パターンを定義するデータ列に新たなデータとして追加して、遺伝的アルゴリズムを適用することにより、パラメータの追加によって評価が極めて困難になるということはなく、最適な解を得ることが可能となる。
【0180】
なお、本実施の形態では、一例として、図2に示すような天吊式の溶接ロボット30を対象に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、自走式ロボットのように明確な動作境界領域を持たないロボットに対しても適用が可能である。
【0181】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図22から図23を用いて説明する。
【0182】
本発明の第2の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置は、第1の実施の形態に係る制御装置とその構成を同一とし、第1の実施の形態と比べて、溶接作業の最適化を図るために考慮すべきパラメータが1つ増加した点のみが異なる。したがって、ここでは第1の実施の形態と異なる部分のみについて説明する。
【0183】
すなわち、第2の実施の形態は、第1の実施の形態において溶接作業の最適化を図るために考慮したパラメータ(▲1▼同一の溶接ロボットが行う溶接箇所における溶接順序、▲2▼溶接ロボット同士の相互干渉を回避する待避動作パターン、▲3▼溶接ロボット毎の溶接開始時間、▲4▼溶接方向、▲5▼オーバーラップ領域52にある溶接線を担当する溶接ロボットの選択)に加えて、新たなパラメータである▲6▼溶接線ごとに溶接ロボットの作業開始タイミングをずらせる、という要求を追加し、これらパラメータを考慮して溶接作業の最適化を図るものである。
【0184】
第1の実施の形態では、CAD/CAMシステム2は、(1)溶接動作経路情報を読み込み、(2)タスク分割処理を行い、(3)溶接方向の入れ替え処理を行っているが、本実施の形態では、更に(4)溶接待ち時間の作成も行う。
【0185】
この(4)溶接待ち時間とは、隣接する溶接ロボット30との干渉を避けるために設定された溶接ロボット30の一時停止時間のことであり、溶接箇所毎に設定するものである。
【0186】
このように(4)溶接待ち時間を考慮する場合、初期作業パターン作成部6は、各溶接ロボット30(R1〜R10)の動作に関する情報を、図22に示すようにまとめる。
【0187】
なお、図22に示す例では、全ての溶接箇所に対して、溶接待ち時間がゼロ(秒)と設定した状態を示している。すなわち、溶接ロボット30は、該当する溶接箇所への移動が完了後、直ちに該当する溶接箇所の溶接を開始する。
【0188】
更に、初期作業パターン作成部6は、図22に示す内容から更に、図23に示すような初期溶接動作経路パターンを定義するデータ列を作成する。この図23は、図6に示すデータ列に、「溶接箇所毎の溶接待ち時間」を追加した構成である。
【0189】
作業パターン作成部8は、初期作業パターン作成部6によって作成された図23に示すような初期作業パターンを示す初期溶接動作経路パターンに基づいて、溶接開始遅れ時間と溶接順序と溶接待ち時間と溶接方向とのうちの少なくとも1つを変化させて作成される新たな溶接動作経路パターンを複数個作成する。
【0190】
溶接開始遅れ時間と溶接順序と溶接方向とを変化させる方法については、第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0191】
溶接待ち時間を変化させる方法については、例えば、(NP×NC)個の「子」のうち、任意のNC4個(NP×NC > NC4)の「子」に対し、該当する溶接ロボット30と溶接箇所とをランダムに選択し、更に選択された溶接箇所についてランダムに溶接待ち時間を設定するやり方があるが、別のやり方でも構わない。
【0192】
このようにして、作業パターン作成部8は、溶接動作経路パターンとして、NP個の「親」と、溶接箇所の溶接順序と、溶接待ち時間と、溶接開始時間遅れと、溶接方向とを変化させた(NP×NC)個の「子」とをそれぞれ設定する。
【0193】
作業効率評価部10は、作業パターン作成部8によって作成された(NP+NP×NC)個の溶接動作経路パターン毎に、複数台の溶接ロボットの動作シミュレーションを行う。なお、動作シミュレーションを行うに当たっては、第1の実施の形態で記したように、デッドロックを回避できるようなロジックを適用しており、隣接する溶接ロボット30に待ち時間を与えた溶接線がある場合には、初期溶接動作経路パターンを見直すようにしている。
【0194】
次に、以上のように構成した本発明の第2の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置の動作について図21に示すフローチャートを用いて、その詳細が第1の実施の形態と異なる点のみについて説明する。
【0195】
ステップS1とステップS2については、第1の実施の形態で説明した内容と同一である(S1、S2)。
【0196】
ステップS3では、初期作業パターン作成部6において、作業情報記憶部4に記憶された溶接線情報およびタスク分割情報に基づいて、各溶接ロボット30毎に割り当てられた溶接開始遅れ時間と、溶接箇所と、溶接箇所の溶接順序と、溶接箇所毎の溶接待ち時間と、各溶接箇所毎の溶接方向との組合せからなる初期溶接動作経路パターンが第0世代のデータ列として生成される(S3)。
【0197】
ステップS4では、この初期溶接動作経路パターンに基づいて、作業パターン作成部8において、溶接開始遅れ時間と、溶接順序と、溶接待ち時間と、溶接方向とのうちの少なくとも1つを変化させて決定される新たな溶接動作経路パターンが複数個生成される(S4)。
【0198】
次に、作業効率評価部10において、このように作成された複数の溶接動作経路パターン毎に、適合性の評価が行われる(S5)。
【0199】
この適合性の評価は、更に、以下に示すステップS6、ステップS7、ステップS8に分類される。
【0200】
ステップS6では、第1の実施の形態で説明したものと同様に、動作シミュレーションが行われ、溶接作業に要するトータルの作業時間と、デッドロックの回数とが演算される(S6)。
【0201】
ステップS7からステップS14までは、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0202】
上述したように、本実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置においては、上記のような作用により、複数の溶接ロボットによってなされる溶接動作経路を遺伝的アルゴリズムを用いて決定し、もって、複数の溶接ロボットによってなされる複雑な溶接作業の最適化を図ることができる。
【0203】
遺伝的アルゴリズムを用いることにより、考慮すべきパラメータが増加した場合においても、そのパラメータを溶接動作経路パターンを定義するデータ列に新たなデータとして追加することにより、同様な評価を行なうことができ、パラメータの追加によって評価が極めて困難になるということはない。
【0204】
すなわち、第1の実施の形態において、溶接作業の最適化を図るために考慮する必要があったパラメータ(▲1▼同一の溶接ロボットが行う溶接箇所における溶接順序、▲2▼溶接ロボット同士の相互干渉を回避する待避動作パターン、▲3▼溶接ロボット毎の溶接開始時間、▲4▼溶接方向、▲5▼オーバーラップ領域52にある溶接線を担当する溶接ロボットの選択)に加えて、本実施の形態では、▲6▼溶接線ごとに、溶接ロボットの作業開始タイミングをずらせる、といった要求を追加しているが、このように、考慮すべきパラメータが増加した場合であっても、パラメータの追加によって評価が極めて困難になるということはなく、最適な解を得ることが可能となる。
【0205】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のようにしても同様に実施できるものである。
【0206】
すなわち、本発明の各実施の形態では、溶接ロボットを対象に説明したが、本発明は、一般的な組立作業、例えば材、仮付け、歪み取り、および一般的な加工作業である切断、孔明、切削、塗装等、あるいは部材のハンドリング作業、分解作業等、所定の作業に幅広く適用することが可能である。
【0207】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、3つ以上の溶接装置によって実施される溶接作業手順を遺伝的アルゴリズムを用いて決定することができる。
【0209】
以上により、各溶接装置によって実施される複雑な溶接作業手順の最適化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置の一例を示すシステム構成図。
【図2】造船業において実用化されているマルチロボット溶接装置の構成例を示す斜視図。
【図3】マルチロボット溶接装置が溶接する対象となるワークの一例を示す平面図。
【図4】各動作領域における溶接箇所の一例を示す模式図。
【図5】第1の実施の形態における各溶接ロボットの動作に関するデータの一例を示す図。
【図6】第1の実施の形態における初期溶接動作経路パターンを定義するデータ列の一例を示す図。
【図7】初期溶接動作経路パターンから「親」と「子」を生成する方法を示す模式図。
【図8】溶接順序の交叉処理方法の一例を示す模式図。
【図9】溶接動作経路データ列から、溶接開始遅れ時間を設定する溶接動作経路パターンを抽出する方法を示す模式図。
【図10】溶接動作経路パターンの溶接開始遅れ時間を設定する方法を示す模式図。
【図11】溶接動作経路パターンから、溶接方向を変更する溶接動作経路パターンを抽出する方法を示す模式図。
【図12】溶接動作経路パターンの溶接方向を変更する方法を示す模式図。
【図13】溶接ロボットの動作において干渉が起こった場合の一例を示す概念図。
【図14】溶接ロボットの動作において干渉が起こった場合の一例を示す概念図。
【図15】溶接ロボットの干渉フリー時間を説明するための模式図。
【図16】溶接動作経路パターン毎の動作シミュレーション結果をまとめたリストの一例を示す図。
【図17】実効的作業時間の短い順に溶接動作経路パターンをソーティングして作成された適合性順位リストの一例を示す図。
【図18】適合性順位の上位から溶接動作経路パターンを抽出する方法の一例を示す概念図。
【図19】溶接開始遅れ時間の交叉処理方法の一例を示す模式図。
【図20】溶接動作経路パターンの世代数と実効的作業時間との関係の一例を示す図。
【図21】第1の実施の形態に係る制御方法を適用した制御装置の動作を示すフローチャート。
【図22】第2の実施の形態における各溶接ロボットの動作に関するデータの一例を示す図。
【図23】第2の実施の形態における初期溶接動作経路パターンを定義するデータ列の一例を示す図。
【符号の説明】
1…制御装置、
2…CAMシステム、
4…作業情報記憶部、
6…初期作業パターン作成部、
8…作業パターン作成部、
10…作業効率評価部、
12…作業パターン抽出部、
14…作業パターン記憶部、
16…作業パターン再作成部、
18…作業効率再評価部、
20…作業パターン再抽出部、
22…機械制御部、
24…マルチロボット溶接装置、
30…溶接ロボット、
31、32、33…スライド機構、
34…溶接トーチ、
40…ワーク、
41…開口部、
42…パネル、
43…取付部材、
50…定盤、
51…領域境界線、
52…オーバーラップ領域。

Claims (11)

  1. 3つ以上の溶接装置によって所定の溶接作業を行う場合に前記各溶接装置を制御する制御装置において、
    前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接作業を行うために必要な溶接情報として、少なくとも、前記各溶接装置毎の溶接開始部と溶接終了部とのうちの少なくともいずれか1つからなる溶接線の位置情報、前記各溶接装置毎の前記溶接線へのアプローチ動作と前記溶接線からのリトラクト動作とからなるエアカット動作情報、及び前記各溶接装置毎の溶接速度情報の入力を受け付ける溶接情報入力手段と、
    前記溶接情報入力手段に入力された前記溶接情報を記憶する溶接情報記憶手段と、
    前記溶接情報記憶手段に記憶された溶接情報に基づいて、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接開始時間と溶接箇所と前記各溶接箇所の溶接順序と前記各溶接箇所毎の溶接方向と前記各溶接箇所の溶接を開始するまでの溶接待ち時間との組合せからなる初期溶接パターンを少なくとも1パターン作成する初期溶接パターン作成手段と、
    前記初期溶接パターン作成手段によって作成された初期溶接パターンから、前記溶接開始時間と前記溶接順序と前記溶接方向とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを第1の所定個数作成する溶接パターン作成手段と、
    前記溶接パターン作成手段によって作成された前記第1の所定個数の溶接パターン毎に、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する作業効率評価手段と、
    前記作業効率評価手段によって評価された作業効率に基づいて、前記作業効率評価手段によって評価された前記第1の所定個数の溶接パターンの中から、前記第1の所定個数よりも少ない第2の所定個数の溶接パターンを抽出する溶接パターン抽出手段と、
    前記溶接パターン抽出手段によって抽出された前記第2の所定個数の溶接パターンを記憶する溶接パターン記憶手段と、
    前記溶接パターン記憶手段に記憶された前記第2の所定個数の溶接パターンから、前記溶接開始時間と前記溶接順序と前記溶接方向と前記溶接待ち時間とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを再度前記第1の所定個数作成する溶接パターン再作成手段と、
    前記溶接パターン再作成手段によって作成された前記第1の所定個数の溶接パターン毎に、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、前記所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する作業効率再評価手段と、
    前記作業効率再評価手段によって評価された作業効率に基づいて、前記作業効率再評価手段によって評価された前記第1の所定個数の溶接パターンの中から、前記第2の所定個数の溶接パターンを抽出して、当該抽出された溶接パターンのうちの少なくとも1つの前記作業効率が所定の評価基準を満足する場合には、前記所定の評価基準を満足する溶接パターンを出力し、前記抽出された溶接パターンのうちのいずれの作業効率も前記所定の評価基準を満足しない場合には、前記抽出された前記第2の所定個数の溶接パターンを前記溶接パターン記憶手段に記憶させる溶接パターン再抽出手段と、
    前記溶接パターン再抽出手段によって出力された溶接パターンに基づいて、前記各溶接装置を制御する溶接装置制御手段と
    を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記作業効率評価手段および前記作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置のうち溶接時間の最も長い溶接装置の溶接時間と、前記各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉し、当該動作の継続が不可能な状態であるデッドロックの回数とに基づく評価条件に基づいて、前記作業効率を評価することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記作業効率評価手段および前記作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置のうち溶接時間の最も長い溶接装置の溶接時間と、前記各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉し、当該動作の継続が不可能な状態であるデッドロックの回数と、隣接する溶接装置同士のいずれもが動作可能な領域である境界領域に、前記溶接装置が存在している時間帯に他の溶接装置が近接しないということとに基づいて前記作業効率を評価することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記作業効率評価手段および前記作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている前記溶接線の前記溶接方向である溶接方向のうち、当該干渉する溶接線の位置における溶接方向が逆になるように溶接パターンを変更して前記動作シミュレーションを行うことを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記作業効率評価手段および前記作業効率再評価手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている前記溶接線の位置を、当該干渉が少なくなるように変更して前記動作シミュレーションを行うことを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記作業効率評価手段および前記作業効率再評価手段のうち少なくとも一方は、前記各溶接装置のうちのいずれかの溶接装置同士の動作が干渉する場合には、当該干渉する各溶接装置に割り当てられている前記溶接線のうち、当該干渉する溶接線を、当該干渉が少なくなるように複数の溶接線に分割して前記動作シミュレーションを行うことを特徴とする制御装置。
  7. 請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の制御装置において、
    前記溶接パターン作成手段および前記溶接パターン再作成手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置毎に割り当てられた前記各溶接箇所の溶接順序をランダムに交叉させることにより、前記新たな溶接パターンを作成することを特徴とする制御装置。
  8. 請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の制御装置において、
    前記溶接パターン作成手段および前記溶接パターン再作成手段のうちの少なくとも一方は、前記各溶接装置毎に割り当てられた前記各溶接箇所をランダムに選択し、当該選択された溶接箇所の溶接方向を逆方向にすることにより、前記新たな溶接パターンを作成することを特徴とする制御装置。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記溶接パターン抽出手段および前記溶接パターン再抽出手段のうちの少なくとも一方は、前記第1の所定個数の溶接パターンの中から、前記作業効率の高い溶接パターンから優先的に前記第2の所定個数の溶接パターンを抽出することを特徴とする制御装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の制御装置において、
    前記溶接パターン抽出手段および前記溶接パターン再抽出手段のうちの少なくとも一方は、前記所定の前記作業効率以上の溶接パターンが、前記第1の所定個数の溶接パターンの中に存在しない場合には、前記第1の所定個数の溶接パターンにおいて前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接を変更するようにしたことを特徴とする制御装置。
  11. 3つ以上の溶接装置によって所定の溶接作業を行う場合に前記各溶接装置を制御する制御方法において、
    前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接作業を行うために必要な溶接情報として、少なくとも前記各溶接装置毎の溶接開始部と溶接終了部とのうちの少なくともいずれか1つからなる溶接線の位置情報、前記各溶接装置毎の前記溶接線へのアプローチ動作と前記溶接線からのリトラクト動作とからなるエアカット動作情報、及び前記各溶接装置毎の溶接速度情報の入力を受け付ける溶接情報入力段階と、
    前記溶接情報入力段階において入力された前記溶接情報を溶接情報データベースに記憶する段階と、
    前記溶接情報データベースに記憶された溶接情報に基づいて、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接開始時間と溶接箇所と前記各溶接箇所の溶接順序と前記各溶接箇所毎の溶接方向と前記各溶接箇所の溶接を開始するまでの溶接待ち時間との組合せからなる初期溶接パターンを少なくとも1パターン作成する初期溶接パターン作成段階と、
    前記初期溶接パターン作成段階において作成された初期溶接パターンから、前記溶接開始時間と前記溶接順序と前記溶接方向とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを第1の所定個数作成する溶接パターン作成段階と、
    前記溶接パターン作成段階において作成された前記第1の所定個数の溶接パターン毎に、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する作業効率評価段階と、
    前記作業効率評価段階において評価された作業効率に基づいて、前記作業効率評価段階において評価された前記第1の所定個数の溶接パターンの中から、前記第1の所定個数よりも少ない第2の所定個数の溶接パターンを抽出する溶接パターン抽出段階と、
    前記溶接パターン抽出段階において抽出された前記第2の所定個数の溶接パターンを溶接パターンデータベースに記憶する段階と、
    前記溶接パターンデータベースに記憶された前記第2の所定個数の溶接パターンから、前記溶接開始時間と前記溶接順序と前記溶接方向と前記溶接待ち時間とのうちの少なくともいずれかを変化させて作成される新たな溶接パターンを再度前記第1の所定個数作成する溶接パターン再作成段階と、
    前記溶接パターン再作成段階において作成された前記第1の所定個数の溶接パターン毎に、前記各溶接装置毎に割り当てられた溶接の動作シミュレーションを行い、前記所定の評価条件に基づいて、この溶接動作の作業効率を評価する作業効率再評価段階と、
    前記作業効率再評価段階において評価された作業効率に基づいて、前記作業効率再評価段階において評価された前記第1の所定個数の溶接パターンの中から、前記第2の所定個数の溶接パターンを抽出して、当該抽出された溶接パターンのうちの少なくとも1つの前記作業効率が所定の評価基準を満足する場合には、前記所定の評価基準を満足する溶接パターンを出力し、前記抽出された溶接パターンのうちのいずれの作業効率も前記所定の評価基準を満足しない場合には、前記抽出された前記第2の所定個数の溶接パターンを前記溶接パターンデータベースに記憶させる溶接パターン再抽出段階と、
    前記溶接パターン再抽出段階において出力された溶接パターンに基づいて、前記各溶接装置を制御する溶接装置制御段階と
    を備えたことを特徴とする制御方法。
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