JP3697890B2 - 遮光性感光性樹脂組成物溶液及びそれを用いたカラーフィルター - Google Patents

遮光性感光性樹脂組成物溶液及びそれを用いたカラーフィルター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、固体撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの製造で使用されるカラーフィルターの製造に好適に用いることができる遮光性感光性樹脂組成物溶液に関する。さらに、詳しくは、高遮光性、電気絶縁性であり且つ塗布特性、感度、解像性、現像性等の感光特性に優れたブラックマトリックス製造に適した遮光性感光樹脂組成物溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子用のカラーフィルターの製造では、生産性が高く且つ微細加工性に優れる点から顔料を分散した感光性樹脂による製造法が主流となり、遮光性パターンであるブラックマトリックスについても遮光性感光樹脂による製造法が鋭意検討されている。
しかしながら、顔料分散法によるブラックマトリックス形成は材料である遮光性感光性樹脂に遮光性と感光性という本来相反する性質を与える必要がある。このため、感光特性と遮光性のバランスをとることが必須となるが、従来の技術では実用レベルの遮光性を保持しながら、塗布特性、解像性、感度、現像性を確保することは極めて困難であった。
【0003】
一方、近年液晶表示素子の視野角、コントラスト、応答速度等の表示品位を向上させようとする研究が盛んに行われているが、このような表示素子にはブラックマトリックスに絶縁性を要求するものがある。従来の金属あるいは金属酸化物のブラックマトリックスに絶縁性を付与することは難しく、高抵抗の樹脂ブラックマトリックスが望まれており、例えば、特開平9−168869号公報には樹脂被覆されたカーボンブラックを使用することが記載されているが、塗布性(表面均一性)、高遮光性、密着性、解像性等の諸性能を兼ね備えるという意味で未だ満足のいくものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点を解決し、高遮光性でありながらも塗布特性、感度、現像性、解像性等の感光特性に優れ、さらに高絶縁性のブラックマトリックス形成に適した遮光性感光樹脂組成物溶液を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、(a)樹脂で被覆されたカーボンブラック及び(b)界面活性剤を含有する遮光性感光性樹脂組成物と溶媒を混合して成り、(b)界面活性剤が該遮光性感光性樹脂組成物溶媒を混合して得られる遮光性感光性樹脂組成物溶液中に0.01〜5000ppmとなる量含有されることを特徴とする遮光性感光性樹脂組成物溶液がかかる目的を解決しえることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、(a)樹脂で被覆されたカーボンブラック及び(b)界面活性剤を含有する遮光性感光性樹脂組成物と溶媒を混合して成り、(b)界面活性剤が該遮光性感光性樹脂組成物溶媒を混合して得られる遮光性感光性樹脂組成物溶液中に0.01〜5000ppmとなる量含有されることを特徴とする遮光性感光性樹脂組成物溶液に存する。
【0006】
【発明の実施形態】
本発明の遮光性感光性樹脂組成物溶液は以下に説明する成分(a)及び(b)を必須として含み、通常、樹脂で被覆されたカーボンブラックが微分散された遮光性感光性樹脂組成物溶液として使用される。以下各成分について説明する。
【0007】
(a)樹脂で被覆されたカーボンブラック
樹脂を被覆処理するカーボンブラックとしては特に限定されないが、好適には下記(i)及び(ii)のようなカーボンブラックが用いられる。
(i)全酸量が15mg/g以上でかつ全酸素量/比表面積が0.10以上であることが好ましい。
カーボンブラックの粒子表面には、水酸基(−OH)やカルボニル基、カルボキシル基(−COOH)基の酸素官能基が存在し、これの量により樹脂等に配合した場合の抵抗が大幅に変化する。
通常酸素官能基は、揮発分組成で測定し、水酸基やカルボニル基の量はCOまたはカルボキシル基の量はCO2 として定量できる。
全酸素量は、COおよびCO2 から換算した量であり、この全酸素量を15mg/g以上とすることが好ましく、より好ましくは20mg/g以上とすることである。また比表面積で除した単位表面積当りの酸素量の値が0.10以上であることが好ましく、さらに好ましいのは0.15以上にすることである。
【0008】
上記揮発分組成は、一定量の乾燥したカーボンブラックを耐熱性の試料管に入れ、10−2mmHgまで減圧した後、950℃に加熱した電気炉に装着し、30分間揮発分を脱離させ、これを全量タンクに集め混合した後、ガスクロマトグラフィーによってガスの組成および量を測定しCO2 /CO比(重量比)および全酸素量/比表面積を算出する。
【0009】
比表面積は、BET法によって測定したものである。即ち、低温窒素吸着装置「ソープトマチック1800」(イタリヤ、カルロ・エルバ社製)を用い低温窒素吸着法によりカーボンブラックの窒素吸着量を測定し、これからBETの式を用い多点法により算出したものである。
【0010】
(ii)灰分が1.0重量%以下、DBP吸収量が140ml/100g以下のカーボンブラックが好ましい。
灰分の組成は、Na、K、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属等であり、これらを含有したカーボンブラックでは充分な絶縁性が得られない場合がある。これは、NaやK、Ca等のイオン性導電性物質が吸水性大であるため、カーボンブラック−樹脂複合体の吸収性が増大し、その結果絶縁性が低下するものと考えられる。
【0011】
このイオン性導電物質を低減させるためには、カーボンブラック製造時の原料油の吟味、急冷時に使用するスプレー水の吟味、添加物の吟味などにより達成される。また製造炉から製出したカーボンブラックを水洗或いは酸洗いすることによっても達成される。更に上記製造時の原料、スプレー水、添加物等の吟味と、水洗、酸洗い等とを組合わせることによっても達成できる。
カーボンブラック中に存在するイオン性導電物質の含量は、そのカーボンブラックを750℃において空気中で4〜6時間焼成したときに残る灰分量で表わされ、本発明配合物のカーボンブラックの灰分量は1.0重量%以下であることが好ましく、さらに好ましいのは0.5重量%以下である。
【0012】
また、JIS−K6221−A法で測定したDBP吸収量が140ml/100gを越えると、カーボンブラック自体の黒色度が低下しブラックマトリックス用樹脂ワニスに配合し塗布した場合の濃度感が十分でないだけでなくペーストの粘度も高くなり、平滑性の良い塗膜が得られなくおそれがある。
DBP吸収量としては、140ml/100g以下であることが好ましく、さらに好ましくは120ml/100g以下である。
【0013】
本発明においては、被覆処理する樹脂としては特に制限を受けないが電気絶縁性、耐熱性、分散性等の観点からエポキシ樹脂が好ましく、特に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
このようなエポキシ樹脂としては
1)グリシジルアミン型エポキシ樹脂
2)トリフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
3)テトラフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
4)アミノフェノール型エポキシ樹脂
5)ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂
6)フェノールノボラック型エポキシ樹脂
7)オルソクレゾール型エポキシ樹脂
8)ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
等が使用でき、これらを代表する商品例としては、
1)に関しては、住友化学(株)製の「スミエポキシ」ELM−434、ELM−120、ELM−100等がある。
2)から8)に関しては、油化シェルエポキシ(株)の商品を例にとると、
2):「エピコート」1032H60、「エピコート」1032H50
3):「エピコート」1031
4):「エピコート」154、「エピコート」630
5):「エピコート」604
6):「エピコート」152
7):「エピコート」180S65
8):「エピコート」157S65、「エピコート」157S70
等を挙げることができる。
【0014】
前記樹脂でカーボンブラックを被覆する調整法は特に限定されないが、例えば、カーボンブラック及び樹脂の配合量を適宜調整した後、1.樹脂をシクロヘキサノン、トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶かした樹脂溶液と、カーボンブラックを水に懸濁させた液とを混合攪拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練してえられた組成物をシート状に成形、粉砕した後乾燥させる方法;2.前記と同様にして調整した樹脂液と懸濁液とを混合攪拌してカーボンブラック及び樹脂を粒状化したのち、得られた粒状物を分離、加熱して残存する有機溶剤及び水を除去する方法;3.有機溶剤にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラクを得た後、これに、樹脂を添加してドライブレンドする手法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性モノマー成分と水とを高速攪拌して懸濁液を調整し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂をえたのち、カーボンブラックと反応性基とをグラフト反応させた後、冷却、粉砕する手法等を挙げることができる。
【0015】
カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1〜40wt%が好ましく、1wt%未満の量では、未処理のカーボンブラックと同様の電気絶縁性、分散性や分散安定性しか得られないおそれがある。
一方、40wt%を超えると、樹脂同士の粘着性が強く、団子状の固まりとなり、分散が進まなくなるおそれがある。
なお、本発明では、樹脂被覆の際、樹脂以外に硬化剤、硬化促進剤等を併用することもできる。
【0016】
(b)界面活性剤
界面活性剤としては、公知のいずれの界面活性剤も使用可能であるが、フッ素系界面活性剤が好ましく、疎水基として長鎖のフルオロカーボン基を、親水基としてスルホン酸基、カルボキシル基、またはその塩、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、ポリエチレンオキサイド基等を分子内に有する化合物で、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型いづれの型でも好ましく用いることができる。
【0017】
例えば、特開平3−188153号公報に記載の如きフッ素系界面活性剤が使用できる。
商品名で具体的に示すならば、例えば、
1)アニオン型
商品名サーフロンS−111、S−112、S−113(以上旭硝子社製)、商品名メガファックF−110、F−120、F−113、F−191(以上大日本インキ社製)、商品名エフトップEF−102、EF−103、EF−104、EF−112(以上新秋田化成社製)商品名フタージェントF−100、F−150(以上 ネオス社製)商品名ユニダインDS−101、DS−102(以上ダイキン工業社製)商品名フロラードFC−95、FC−98、FC−128、FC−143、FX−161(以上住友3M社製)
【0018】
2)カチオン型
商品名サーフロンS−121(以上旭硝子社製)、商品名メガファックF−150(以上大日本インキ社製)、商品名エフトップEF−221(以上新秋田化成社製)商品名フタージェントF−300(以上 ネオス社製)商品名ユニダインDS−202(以上ダイキン工業社製)商品名フロラードFC−95、FC−134(以上住友3M社製)
3)両性型
商品名サーフロンS−131、S−132、S−133(以上旭硝子社製)、商品名メガファックFX−172(以上大日本インキ社製)、商品名エフトップEF−224(以上新秋田化成社製)商品名フタージェントF−400(以上ネオス社製)商品名ユニダインDS−301(以上ダイキン工業社製)
【0019】
4)ノニオン型
商品名サーフロンS−141、S−145(以上旭硝子社製)、商品名メガファックF−141、F−144、F−528(以上大日本インキ社製)、商品名エフトップEF−121、EF−122、(以上新秋田化成社製)商品名フタージェントF−200、F−251(以上 ネオス社製)商品名ユニダインDS−401、DS−402(以上ダイキン工業社製)商品名フロラードFC−170、FC−176(以上住友3M社製)
その他、商品名メガファックFX−170、FX−173(以上大日本インキ社製)商品名フロラードFC−430、FC−431(以上住友3M社製)等を挙げることができる。
【0020】
以上挙げた界面活性の好ましい配合量は、遮光性感光性樹脂組成物を溶媒を混合して得られる遮光性感光性樹脂組成物溶液中に0.01〜5000ppmの範囲とするのがよい。より好ましくは0.1〜1000ppmの範囲である。
上記範囲から外れた場合にはピンホール、塗布ムラ、電気絶縁性等が悪化することがある。
【0021】
本発明は前述した必須成分に感光性樹脂組成物を加えることにより遮光性感光性樹脂組成物溶液とすることができる。感光性樹脂組成物としてはエチレン性不飽和二重結合含有化合物と光重合開始剤を組み合わせた光重合系、光酸発生剤と架橋剤を組み合わせた化学増幅系、感光材としてアジドまたはジアゾ樹脂を用いた感光樹脂、桂皮酸あるいはカルコン等の光2量化タイプの感光樹脂、ナフトキノンジアジドとアルカリ可溶樹脂を組み合わせた感光樹脂等々の公知の感光樹脂を適用することが可能である。
なかでも、バインダー樹脂、エチレン性不飽和二重結合含有化合物、光重合開始剤を組み合わせた感光樹脂系は感度、解像性、密着性、現像性等に優れることから特に好ましい感光性樹脂組成物である。
【0022】
以下に好ましい光重合系の感光性樹脂組成物溶液の成分をさらに詳述する。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては特に制限を受けないが、アルカリ現像性を有することが好ましいのでカルボキシル基を有するバインダー樹脂が好ましい。このようなバインダー樹脂として(メタ)アクリル酸、メタクリル酸2−サクシノロイルオキシエチル、メタクリル酸2−マレイノロイルオキシエチル、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等などの不飽和カルボン酸化合物のホモポリマーあるいは前記モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどの非カルボン酸モノマーを共重合させた共重合ポリマー等を挙げることができる。
また、上記樹脂に同一分子内にエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等を反応することにより樹脂側鎖の一部にエチレン性不飽和二重結合を付与したバインダー樹脂も好ましく用いることができる。樹脂側鎖に二重結合が付与されると硬化性、耐熱性、密着性等が向上するためこのようなバインダー樹脂は好ましい。
【0023】
例えば、上記樹脂にグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等により側鎖二重結合を導入したバインダー樹脂は好ましいものとなる。
バインダー樹脂のGPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量は1000〜200000が好ましい。これ以下では均一な塗膜を得るのがむずかしく、大きすぎると現像性が低下する。又、分子量分布(Mw/Mn)は1.5〜10が好ましい。分子量及び分子量分布がこの範囲をはずれると、合成ピンホール、塗布ムラ、現像性等に問題を生じやすくなる。又、現像性の点から、好ましいカルボキシル基の含有量は酸価で5〜200である。これをはずれると、現像性、表面硬化性、膜強度の悪化が生じやすくなる。
【0024】
(エチレン性不飽和二重結合含有化合物)
エチレン性不飽和二重結合含有化合物としては、光重合開始剤の作用により重合しうる公知の種々の化合物が含まれるが、好ましくは(メタ)アクリルモノマーであり特に(メタ)アクリロイル基を分子内に少なくとも2個以上有する低分子化合物を挙げることができる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のような化合物を挙げることができる。特に、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する化合物は光硬化性に優れるため好ましい。
【0025】
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、活性光線によりエチレン性不飽和二重結合を重合させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体、2−トリクロロメチル−5−(2′−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2′−(6″−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ビス(3′−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2′−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2′−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4′−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4′−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体、9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体、9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のチタノセン誘導体等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中では少なくともビイミダゾール誘導体またはチタノセン誘導体が特に重合効率が高いので好ましい。
【0026】
また、これらの光重合開始剤と併用して好ましい増感色素としては例えば特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン化合物、特開昭63−221110号公報に記載されている3−ケトクマリン化合物、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特開昭56−166154号公報、特開昭59−56403号公報に記載の(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトン、スチリル系色素、特願平5−83588号に記載のジュロリジル基を有する増感色素、特願平7−10109記載のジアミノベンゼン化合物等を挙げることができる。
【0027】
これらの増感色素のなかで特に好ましいのはアミノ基含有増感色素であり、より具体的には、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。具体的に例示するならば、例えば、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジンなどのp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等を挙げることができる。
【0028】
本発明の遮光性感光性樹脂組成物溶液は前述した樹脂被覆されたカーボンブラック、界面活性剤及び前述した感光性樹脂組成物を加え、通常さらに有機溶剤を加えて遮光性感光性樹脂組成物溶液として使用する。
【0029】
遮光性感光性樹脂組成物に用いる溶剤としては各成分を分散あるいは溶解させるものであれば特に制限を受けないが、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、Socal solvent No.1およびNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、酢酸ブチル(n、sec、t)、ヘキセン、シェル TS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾネート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の有機溶剤を具体的に挙げることができる。
【0030】
以上説明した成分をもって遮光性感光性樹脂組成物溶液を調合する場合の好ましい配合割合は(a)樹脂被覆されたカーボンブラックが30〜70重量部、バインダー樹脂が5〜50重量部、エチレン性不飽和二重結合含有化合物が5〜30重量部、光重合開始剤が1〜20重量部、界面活性剤は前述した範囲である。この範囲から外れると現像性、感度、解像性、密着性、耐久性、遮光性等が失われやすくなる。溶剤の配合量は塗布方法により好ましい範囲が異なるが、現在最も利用されているスピンコーターを用いた場合には固形分成分の濃度が15〜30wt%の範囲にするとよい。
又、遮光性感光性樹脂組成物溶液の溶剤を除く全固型分に対し、上記成分(a)を35〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%含有することが高遮光性を達成する上で好ましい。
【0031】
次に本発明の遮光性感光樹脂組成物溶液の調整法について説明する。樹脂被覆されたカーボンブラックは通常予め溶剤、分散剤等を加えてペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ビーズビル、ストーンミル、ホモジナイザー、2本ロール、3本ロール等の分散機を用いて分散処理する。分散処理によりカーボンブラックが感光液中、微粒子状態で安定的に存在できるようになり、塗膜特性、遮光性、電気絶縁性、感光特性等の向上をはかることができる。
【0032】
好ましい分散状態はカーボンブラックの分散粒径、並びに分散インキの光沢で判別することができる。好ましい粒径は1μ以下、好ましくは0.5μ以下、さらに好ましくは0.3μ以下である。この粒径についてはレーザードップラー式の粒度測定器により測定することができる。
光沢についてはJIS Z 8741に記載の20°鏡面光沢値で100以上、好ましくは110以上、さらに好ましくは120以上である。
【0033】
分散時に用いる溶剤は前述した有機溶剤と同じものを用いることができ、また、好ましい分散剤としてはアニオン、ノニオン、カチオン等の界面活性剤、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアマイド、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の高分子分散剤等が挙げられる。特に好ましい分散剤としては塩基性官能基を有する高分子分散剤であり、具体的な例としてビックケミー社製のBYK−161、162、163、164、166、170、182、ゼネカ社製のソルスパースS3000、S9000、S17000、S20000、S27000、S24000、S26000、S28000等を挙げることができる。
【0034】
分散インキを調整する場合の好ましい配合割合は樹脂被覆されたカーボンブラック100重量部に対して溶剤50〜1000重量部、分散剤2〜100重量部の範囲である。
【0035】
こうして得られた分散インキに界面活性剤並びにバインダー樹脂、光重合開始剤、エチレン性不飽和二重結合含有化合物等の感光成分を配合することで遮光性感光性樹脂組成物溶液を得ることができる。
【0036】
続いて、本発明の遮光性感光樹脂組成物溶液を用いたカラーフィルターの製造方法について説明する。
まず、透明基板上に、本発明の遮光性感光性樹脂組成物をスピナー,ワイヤーバー,フローコーター,ダイコーター,ロールコーター,スプレー等の塗布装置により塗布して乾燥した後、該試料の上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光,現像,必要に応じて熱硬化或いは光硬化により遮光用ブラックマトリクス画像を形成させ、さらに同様の操作を赤緑青の3色の着色感光性組成物溶液について各々繰り返し、カラーフィルター画像を形成させる。
【0037】
なお、本発明の遮光性感光性樹脂組成物溶液はポリビニルアルコール等の酸素遮断層を設けることなしに露光、現像して画像を形成することが可能である。
ここで用いる透明基板は、カラーフィルター用の透明基板であり、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性プラスチックシート、或いは各種ガラス板等を挙げることができる。特に、耐熱性の点からガラス板、耐熱性プラスチックが好ましく用いられる。
【0038】
このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、あらかじめ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜処理等を行うこともできる。
塗布方法は特に限定されないが、塗布、乾燥後の樹脂ブラックマトリックスの膜厚が0.1〜2μ、好ましくは0.1〜1.5μ、さらに好ましくは0.1〜1μの範囲とするのが良い。
【0039】
乾燥においてはホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができ、好ましい乾燥条件は40〜150℃、乾燥時間は10秒〜60分の範囲である。
また、露光に用いる光源は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。
特定の照射光の波長のみを使用する場合には光学フィルターを利用することもできる。
【0040】
現像処理は、未露光部のレジスト膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けないが、例えばアセトン、塩化メチレン、トリクレン、シクロヘキサノン等の有機溶剤では環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などをもつもため好ましくなく、アルカリ現像液を使用するの方が好ましい方法である。このようなアルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有した水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため添加するのは好ましい。
【0041】
例えば、現像液用の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
現像処理方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
【0042】
画像形成後、熱硬化処理あるいは光硬化処理を行うこともできる。硬化処理はレジスト膜強度を高めるために効果的であり、耐熱性、耐薬品性向上をはかることができる。
【0043】
【実施例】
以下実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0044】
合成例−1
酸価200、重量平均分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて樹脂を得た。KOHによる中和滴定を行ったところ樹脂の酸価は80mgKOH/gであった。また、GPCで分子量測定を行った結果、重量平均分子量Mwは8000、数平均分子量Mnは3000、分子量分布Mw/Mnは27であった。
【0045】
合成例−2
ベンジルメタクリレート125g、メタクリル酸25g、アゾビスイソブチロニトリル、エタノール375gをフラスコに仕込み、環流下で4時間反応させた。反応液を水に再沈殿させて樹脂を得た。KOHによる中和滴定を行ったところ樹脂の酸価は105であった。また、GPCで分子量測定を行った結果、重量平均分子量Mwは36000、数平均分子量Mnは10000、分子量分布Mw/Mnは3.6であった。
【0046】
樹脂被覆カーボンブラックの調整
カーボンブラックは、通常のオイルファーネス法で製造した。
但し、原料油としては、Na,Ca,S分量の少ないエチレンボトム油を用い、燃焼用にはコークス炉ガスを用いた。更に、反応停止水としては、イオン交換樹脂で処理した純水を用い製造した。製造されたカーボンブラックの平均粒径は50nm、DBP吸油量は50ml/100gであった。
上記のカーボンブラックを540gを純水14500gと共にホモミキサーを用い6,000rpmで30分攪拌しスラリーを得た。このスラリーをスクリュー型攪拌機付容器に移し約1,000rpmで混合しながらエポキシ樹脂「エピコート630」60gを溶解したトルエン600gを少量づつ添加していった。約15分で、水に分散していたカーボンブラックは全量トルエン側に移行し約1mmの粒となった。
次に、60メッシュ金網で水切りを行った後、真空乾燥機に入れ70℃で7時間乾燥し、トルエンと水を完全に除去した。
得られたカーボンブラック中の残存トルエン量は50ppm、水は、500ppmであった。
【0047】
カーボンブラック分散インキの調製
(1)インキ−1(樹脂被覆カーボンブラックインキ)
前述した樹脂被覆カーボンブラック50重量部、BYK−182(ビックケミー社製高分子分散剤)を固形分で5重量部、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分濃度が50wt%となるよう分散液を調整した。分散液を重量で50g分取し、攪拌機によりよく攪拌しプレミキシングを行った。
次に、ペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で6時間分散処理を行った。ビーズは0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液と同じ重量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離し、分散インキを得た。
(2)インキ−2(無処理カーボンブラックインキ)
カーボンブラックをMA−220(三菱化学社製)に変えた以外はインキ−1と同様にしてカーボンブラックインキを調整した。
【0048】
実施例1〜6及び比較例1〜2
上述したカーボンブラック分散インキを用いて固形分として下記の配合割合となるように各成分を加えスターラーにより攪拌、溶解させ、遮光性感光性樹脂組成物溶液を調製した。
・バインダー樹脂(表−1記載) 25g
・カーボンブラック(表−1記載) 50g
・アクリルモノマー
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 15g
・光重合開始剤
表−1に記載
・溶剤
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300g
・高分子分散剤 BYK−182(ビックケミー社製) 5g
・界面活性剤(表−1記載)
【0049】
得られた遮光性感光性樹脂組成物溶液を用いて、以下の如くレジストパターンを形成し下記項目につき評価した。遮光性感光樹脂液をスピンコーターにてガラス基板(7059、コーニング社製)に塗布し、ホットプレートで80℃、1分間乾燥した。乾燥後のレジストの膜厚を触針式膜厚計(α−ステップ、テンコール社製)で測定したところ1μであった。次に、このサンプルをマスクを通して高圧水銀灯で像露光した。温度25℃、濃度0.05%の水酸化カリウム水溶液に浸漬現像しレジストパターンを得た。さらに、コンベクションオーブンで200℃、30分間ポストベークを行った。
【0050】
塗布性
塗布、乾燥後のレジスト膜表面を200倍の顕微鏡によりストリエーション、ピンホール、突起等の有無を観察した。ストエーション及びピンホールの認められなかったものを良好、認められるものを不良とした。
感度
20μのパターンをマスク寸法通りに形成できる露光量(適正露光量)をもって感度とした。
解像力
画像形成できる最小レジストパターンサイズをもって解像力を評価した。なお、15μ以下のレジストパターンを再現できるものを解像力良好とした。
【0051】
遮光性
現像液のレジストパターン画像部(以下ベタ部という)の光学濃度(OD)をマクベス反射濃度計 TR927(コルモルグン社製)で測定した。なお、OD値は遮光能力を示す数値であり数値が大きい程高遮光性であることを示す。
抵抗値
25℃、相対湿度50%の雰囲気でレジストベタ部の表面抵抗値を測定した。
密着性
現像後のベタ部をカッターで10×10の1mm角のキズを碁盤目状のレジスト部分で全くレジストの剥離がなかったものを密着性良好とした。
保存性
遮光性感光性樹脂組成物溶液を室温にて3日間保管し前記と同様に感度を求め、初期感度に対して感度変化が10%以下のものを良好とした。
【0052】
【表1】
Figure 0003697890
【0053】
表−1の如く本発明の遮光性感光性樹脂組成物は溶液は優れた塗布特性、画像特性、絶縁性、遮光性を有する。カラーフィルター用基板は液晶表示素子自体の大型化、生産性向上、コスト低減のため年々大型化が進み、当初300×400mmサイズで始まったものが近年では1m角サイズのものも実用化されそうとしている。特に、本発明の遮光性感光性組成物は溶液はこのような大型基板でも良好な塗布特性を発揮し、ストリエーション、ピンホール、突起、基板周辺部における膜厚ムラ等の問題を発生しない。このため、大型液晶表示素子の実現や高品質化、低コスト化に効果的である。実際に本発明の遮光性感光性樹脂組成物溶液を用いてブラックマトリックスを形成した後RGBのパターンを順次形成したカラーフィルターは遮光性、パターン精度、欠陥等に優れたものとなり、これを利用した液晶表示素子は解像性、コントラスト等の表示品位に改善をもたらすことが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の遮光性感光性樹脂組成物溶液は、感度、解像性、密着性、保存性、塗布性に優れるため、液晶表示素子に用いられるカラーフィルターの樹脂ブラックマトリックスを高精度で形成することができる。また、電気絶縁性にも優れるため高視野角対応のIPS固LCDやSTNタイプのLCDにも適応することができ表示品位の向上をはかることができる。さらに、製造工程およびカラーフィルター自体に有害な物質を含まないため、人体に対する危険性、環境安全性を向上させるものである。

Claims (6)

  1. (a)樹脂で被覆されたカーボンブラック及び(b)界面活性剤を含有する遮光性感光性樹脂組成物と溶媒を混合して成り、(b)界面活性剤が該遮光性感光性樹脂組成物溶媒を混合して得られる遮光性感光性樹脂組成物溶液中に0.01〜5000ppmとなる量含有されることを特徴とする遮光性感光性樹脂組成物溶液
  2. (a)被覆樹脂がエポキシ樹脂である請求項1記載の遮光性感光性樹脂組成物溶液
  3. 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤である請求項1又は2に記載の遮光性感光性樹脂組成物溶液
  4. バインダー樹脂、エチレン性不飽和二重結合含有化合物及び光重合開始剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性感光性樹脂組成物溶液
  5. 樹脂で被覆されたカーボンブラックを全固型分に対し35〜70重量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遮光性感光性樹脂組成物溶液
  6. 透明基板上に請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性感光樹脂組成物溶液により形成されてなるブラックマトリックスを有することを特徴とするカラーフィルター。
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