JP3697584B2 - 鋼の連続鋳造方法及び設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造方法及び設備に係り、特に、磁界印加による鋳型内溶鋼流動の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用鋼板を中心として、鋼製品の品質向上要求が厳しくなり、スラブ段階から清浄度の優れた高品質のスラブの要求が高まっている。スラブの欠陥には、介在物や気泡に起因するものや、溶鋼中の成分の偏析に起因するものがあり、鋳型内の流動は、これらと深い関係があるため、多くの研究、発明がなされてきた。その一つとして、磁界を用いた鋳型内流動制御方法が考えられている。
【0003】
例えば、(A)移動磁界に直流磁界を重畳したものとして、特開平10−305353号公報には、鋳型長辺を挟み対向する上下2段の磁極を鋳型長辺背面に配置し、(1)下側に配置した磁極に直流静磁界と交流移動磁界とが重畳された磁界とする、あるいは、(2)上側に配置した磁極に直流静磁界と交流移動磁界とが重畳された磁界とし、下側に配置した磁極に直流静磁界を印加する鋳型内溶鋼流動の制御方法が開示されている。
【0004】
特許第3067916号公報には、複数個設置した電気コイルに適当なリニア駆動用交流電流と制動用直流電流を流すことにより、鋳型内溶鋼流動を制御する装置が開示されている。
【0005】
特開平5−154623号公報には、位相が120度ずつずれた交流移動磁界と直流静磁界とを重畳する鋳型内流動制御方法が開示されている。
【0006】
特開平6−190520号公報には、浸漬ノズル吐出孔の上方に置いた磁石により、幅方向全域に静磁界と高周波磁界を重畳して作用させると共に、吐出孔の下方に置いた磁石により、静磁界を作用させる鋼の鋳造方法が開示されている。
【0007】
又、(B)上部直流磁界と下部移動磁界を組合せたものとして、特開昭61−193755号公報には、浸漬ノズルから吐出された溶鋼流を包囲する位置に静磁場をかけ、流速を低下させると共に、静磁場よりも下流位置に電磁撹拌装置を設置して水平方向に撹拌する電磁撹拌方法が開示されている。
【0008】
又、(C)上部移動磁界と下部直流磁界を組合わせたものとして、特開平6−226409号公報には、湯面から吐出孔(下向き50度以上)の間に極芯中心を設置した磁石により移動磁界を作用させると共に、極芯中心を浸漬ノズルより下部に設置した磁石により静磁場を作用させる鋳造方法が開示されている。
【0009】
特開平9−262651号公報には、浸漬ノズル下端よりも上部に電磁撹拌用磁石を設置し、浸漬ノズル下端よりも下部に移動磁界と静磁界が印加できる磁石を設置し、鋼種や鋳造速度に応じて静磁場と移動磁場を使い分ける鋳造方法が開示されている。
【0010】
特開2000−271710号公報には、浸漬ノズル内にArガスを吹き込みながら鋼を鋳造する時に、浸漬ノズルから出た直後の溶鋼流に磁束密度が0.1テスラ以上の静磁場を作用させ、その上部で電磁撹拌装置により連続的に撹拌、あるいは、撹拌方向を周期的に変化させる方法が開示されている。
【0011】
特開昭61−140355号公報には、鋳型長辺側に鋳型内に供給される溶鋼電流を制御するように配された静磁場を有し、上方に移動磁界発生装置を配して、溶鋼上表面を水平断面中央から短辺側へ流動させる鋳型及び鋳型上方の構造が開示されている。
【0012】
特開昭63−119959号公報には、モールド上部に、溶鋼に水平流動を生じさせる電磁撹拌装置、モールド下部に、浸漬ノズルからの吐出流を減速するための電磁ブレーキを設置して、浸漬ノズルから出る吐出流を制御する技術が開示されている。
【0013】
特許第2856960号公報には、連続鋳型内の溶鋼湯面に静磁場を用い、連鋳用ノズルとしてストレートノズルを使用し、吐出口部に進行磁場を用い、その下部に静磁場を用いる鋳型内溶鋼流動制御技術が開示されている。
【0014】
又、(D)直磁磁界を単独で印加するものとして、特開平3−258442号公報には、鋳型長辺側に対向して設置した、長辺とほぼ同じ長さの電磁石により静磁場を作用させる電磁ブレーキが開示されている。
【0015】
特開平8−19841号公報には、鋳型幅中央ないし鋳型短辺より内側の所定位置から両端部近傍にかけて、鋳型上方側へ曲げるか傾斜させた磁極を、幅中央部で浸漬ノズル吐出孔より下部に設置し、直流磁場あるいは低周波交流磁場を作用させることによって鋳型内の溶鋼流動を制御する方法が開示されている。
【0016】
国際公開特許WO95/26243号公報には、鋳型全幅にわたって、ほぼ均一な磁束密度分布を有する直流磁場を、鋳型厚み方向に加えて、浸漬ノズルからの吐出流を制御することにより、メニスカス流速を0.20〜0.40m/sに制御する技術が開示されている。
【0017】
特開平2−284750号公報には、鋳片幅全体に鋳型厚み方向の均一な静磁界を、浸漬ノズル吐出孔の上部、下部に作用させ、溶鋼吐出流に効果的な制動力を与え、流れを均一化する技術が開示されている。
【0018】
又、(E)直流磁界又は移動磁界を印加するものとして、特開平9−262650号公報には、浸漬ノズル吐出孔の下部に設けた複数のコイルに直流電流を流すことにより静磁界を印加したり、交流電流を流すことにより移動磁界を印加したりすることにより溶鋼流動を制御する鋳造方法が開示されている。
【0019】
「材料とプロセス」vol.3(1990)第256頁には、浸漬ノズルからの吐出流に交流移動磁場を作用させることにより、吐出溶鋼流を制動(EMLS)したり、加速(EMLA)したりする技術が開示されている。
【0020】
又、(F)移動磁界のみを印加するものとして、特開平8−19840号公報には、電磁誘導によって鋳型内の溶鋼流動を制御する際に、周波数1〜15Hzの静止交流磁場を溶鋼に印加する技術が開示されている。
【0021】
「鉄と鋼」66(1980)第797頁には、スラブ連鋳機において、電磁撹拌により鋳型壁に沿った水平方向の溶鋼旋回流を得る技術(M−EMS)が開示されている。
【0022】
しかしながら上記各公報に記載された技術では、モールドパウダーを巻込んだり、又、凝固界面への介在物、気泡の捕捉を防止できず、鋳片の表面品質が充分に向上しないという問題があった。
【0023】
又、(G)振動磁界のみを印加するものとして、特許第2917223号公報には、時間的に移動しない低周波交流静止磁界を付与し、凝固直前に低周波電磁振動を励起させることによって、凝固前面の柱状デンドライトを破断させ、溶融金属中に浮遊させて、凝固組織の微細化、中心偏析の低減を目指す方法が開示されているが、鋳片の表面欠陥を低減する効果は小さい。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
近年の表面品質ニーズの高まり、コストダウンの要求から、更なる鋳片表面の品質改善技術が望まれており、より効果的な鋳型内流動の制御が必要となっている。
【0025】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、モールドフラックスの巻き込みを抑制し、鋳片の内部品質を向上させると共に、介在物、気泡の凝固核への捕捉を抑制して、鋳片の表面品質を向上できる、鋼の連続鋳造方法及び設備を提供することを目的とする。
【0026】
【発明を解決するための手段】
本発明は、鋼の連続鋳造に際して、連続鋳造用鋳型の鋳型長辺方向に3個以上の電磁石を配置し、隣り同士のコイルで発生する磁場を実質反転させることで、溶鋼に位相が実質反転する振動電磁界を作用させ、電磁力によって凝固核前面のデンドライトの破断を引き起こすことなく、局所的な流動を誘起させるようにして、前記課題を解決したものである。
【0027】
又、前記隣り同士のコイルで発生する磁場を、隣り同士のコイルに位相が実質的に逆の交流電流を通電するか、あるいは、コイルの巻き線方向を逆にして同位相の交流電流を通電することで、実質反転させるようにしたものである。
【0028】
又、最大の交流磁界の磁束密度を1000ガウス未満とするか、及び/又は、振動磁界の周波数を1Hzから8Hzとしたものである。
【0029】
本発明は、又、鋼の連続鋳造設備において、相対する長辺と短辺から構成され溶鋼を保持し凝固させる鋳型と、該鋳型の長辺方向に3個以上の磁極を有し、隣接する磁極同士が互いに異なる極性で且つ該極性が所定の周期で反転し、前記鋳型内の溶鋼に、電磁力によって凝固核前面のデンドライトの破断を引き起こすことなく、局所的な流動を誘起させる振動磁界を発生させる振動磁界発生装置と、を備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0030】
又、前記振動磁界発生装置が、前記鋳型の長辺方向に沿って3個以上の櫛歯を有する櫛歯状鉄芯と該各櫛歯に配設されたコイルとからなる電磁石、該コイルに所定の周波数、所定の位相の交流電流を供給する交流電源とからなるようにしたものである。
【0031】
本発明では、鋳型の厚み方向の流速分布を規定する。即ち、厚み中央付近では流速を小さくしてモールドフラックスの巻き込みを抑えつつ、鋳型壁面に近い凝固界面に局所的な流動を与えて、気泡、介在物の捕捉を防止し、鋳片の表面欠陥を低減する。
【0032】
このための方法として、交流磁場の印加方法を工夫する必要があり、モデル実験及びシミュレーション計算を実施した結果、以下の結論に至った。
【0033】
1.特開平6−190520に示されるような、厚み方向の磁場では、交流電流の表皮効果を利用して、凝固界面あるいは溶鋼表面にローレンツ力を集中させていたが、これだけでは、効率的に凝固界面のみにローレンツ力を集中できず、凝固界面にローレンツ力を集中させるためには、磁力線分布を制御する必要がある。
【0034】
2.このための方法として、幅方向に交互に位相が反転する電磁石を配置して、交番させることが効果的である。厚み方向に磁界を振動させる場合には、電磁力を鋳型壁面、即ち、凝固界面に集中することができなくなるため、幅方向に磁界を振動させる必要がある。ここで、交互の電磁石に通電する電流の位相は実質反転する必要があり、そのためには、位相は130°以上異なることが必要である。
【0035】
3.このためのコイル構造としては、図1に例示する如く、幅方向に3つ以上の磁極を有する櫛歯状鉄芯22にコイルを巻き、且つ、隣り同士の電流の位相を実質反転させることで、幅方向の磁界を振動させることができる。図において、10は鋳型、12は浸漬ノズル、14は溶鋼(斜線部は低速領域)である。
【0036】
4.この際の交流電流の周波数は、低すぎると十分な流動が励起されず、高すぎると、溶鋼が電磁場に追随しなくなるので、1Hzから8Hzの範囲が適当である。
【0037】
5.このような電磁石を用いることで、凝固前面から溶湯を引き離す方向の流動を誘起させることができ、且つ、励起される流速が小さいので、デンドライトを破断することなく、凝固界面の洗浄効果が得られた。図2(正面図)、図3(図2のIII−III線に沿う水平断図面)、図4(図2のIV−IV線に沿う垂直断面図)に、磁極28の数が4個の場合について、本発明の振動磁界で誘起される溶湯流動を、電磁場解析と流動解析によって計算した例をもとにして、模式的に示した。
【0038】
本発明では、図5に示す如く、次式に示すローレンツ力Fに応じて発生する流れの向きは同じで、流速vのみ印加電流Iの半分の周期で変動する。
【0039】
F∝J×B …(1)
ここで、Jは誘導電流、Bは磁場である。
【0040】
6.コイルの巻き方向を逆にすれば、電流の位相が同じでも、磁場の位相を反転することができる。
【0041】
7.特許第2917223号には、時間的に移動しない低周波交流静止磁界を付与し、凝固前面に低周波電磁振動を励起させることによって、凝固前面の柱状デンドライトを破断させ、溶融金属中に浮遊させて、凝固組織の微細化、中心偏析の低減を目指す方法が開示されているが、デンドライトが破断するような大きな電磁力を付与すると、溶湯上面のモールドフラックスを巻き込んで、表面品質を劣化させてしまう。よって、交流振動磁界の磁束密度は1000ガウス未満が望ましい。なお、コイル配置によっては、1000ガウス以上でもデンドライトが破断しないようにできる場合がある。
【0042】
8.更に、特許第2917223号の方法では、デンドライトの破断が起こって、柱状晶組織から等軸晶組織に変化してしまう。極低炭素鋼などでは、柱状晶組織のみの方が、圧延時に、集合組織として制御し易くなるため、等軸晶化することで、結晶方位を揃え難くなるという問題がある。このため、電磁力によって、凝固前面のデンドライトが破断しないことが重要である。
【0043】
以上の知見から、鋳型長辺方向に磁界を振動させることによって、鋳片の厚み、鋳造方向の流動を誘起させ、気泡や介在物を凝固界面から引き離すような流動を与えることによって、気泡や介在物の捕捉を防止することが効果的であるという結論に至った。
【0044】
本発明によって、凝固界面のみを効率的に振動させて、気泡、介在物の捕捉を抑制できるので、鋳片の表面品質を大幅に向上させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0046】
本発明の実施に好適な、鋼の連続鋳造設備の一例を、水平断面の模式図で図6に示す。図において、10が鋳型、12が浸漬ノズル、20が振動磁界発生装置、22が櫛歯状鉄芯、24がコイル、26a、26bが交流電源、28が磁極である。
【0047】
本発明では、相対する長辺と短辺からなる鋳型10内の溶鋼に、磁界を印加しながら連続鋳造する。印加する磁界は、鋳型の長辺方向に振動する磁界(以下、振動磁界ともいう)とする。印加する振動磁界は、鋳型の長辺方向を印加方向とする交流磁界で、その向きを周期的に反転させ、溶鋼のマクロ的流動を誘起することのない磁界である。
【0048】
振動磁界は、例えば、図6に示すような振動磁界発生装置20を使用して、発生させることができる。図6に示す振動磁界発生装置20では、鋳型の長辺方向に3個以上(図では12個)の櫛歯を有する櫛歯状鉄芯22を用いて、これら櫛歯にコイル24を配設して磁極28とする。磁極28は、隣接する磁極同士が互いに異なる極性(N、S極)を有するように、コイルの巻き方及びコイルに流す交流電流を調整する。隣接する磁極同士が互いに異なる極性(N、S極)とするためには、隣接する磁極同士のコイルの巻き方を反対方向としコイルに流す電流を同位相で所定の周波数を有する交流電流とするか、あるいは隣接する磁極同士のコイルの巻き方を同方向としコイルに流す電流を隣接する磁極同士で位相がずれた、所定の周波数を有する交流電流とするのが好ましい。隣接する磁極に流す交流の位相のずれは、実質的に位相が反転する、130°以上230°以下とするのが好ましい。
【0049】
なお、交流電流の所定の周波数としては、1〜8Hzとするのが好ましく、より好ましくは3〜6Hzである。図6に示す例は、隣接する磁極で、コイルの巻き方を同方向としてコイルに流す交流電流を位相が異なる(実質的に位相が反転する)ものとする場合であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
本発明では、隣接する磁極同士が互いに異なる極性を有するため、隣接する磁極間で溶鋼に作用する電磁力とその隣りの磁極間で溶鋼に作用する電磁力とは、その向きがほぼ反対となり、溶鋼の一方向への全体的なマクロな流が誘起されることはない。又、本発明では、コイルに流す電流を交流電流とするため、各磁極の極性が所定の周期で反転し、鋳型の長辺幅方向で凝固界面近傍の溶鋼に振動を誘起させることができる。これにより、凝固界面への介在物、気泡の捕捉を抑制することができ、鋳片の表面品質を顕著に向上させることができる。
【0051】
コイルに流す交流電流の周波数が1Hz未満では、低すぎて十分な流動が誘起されない。一方、8Hzを超えると、溶鋼が振動磁界に追従しなくなり、磁界印加の効果が少なくなる。このため、コイルに流す交流電流の周波数を1〜8Hzとし、振動磁界の振動周期を1/8〜1sとするのが好ましい。
【0052】
なお、本発明では、印加する振動磁界の磁束密度は1000ガウス未満とするのが好ましい。磁束密度が1000ガウス以上になると、デンドライトを破断するだけでなく、湯面変動が大きくなり、モールドフラックスの巻き込みを助長するという問題がある。
【0053】
【実施例】
次に、実施例に基づき、本発明について、更に詳細に説明する。
【0054】
約300トンの溶鋼を転炉で溶製し、RH処理によって極低炭素鋼のAlキルド鋼とし、連続鋳造機でスラブを鋳造した。代表的な溶鋼成分を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003697584
【0056】
なお、スラブの幅は1500〜1700mm、厚みは220mm、溶鋼のスループット量は4〜5トン/分の範囲とした。
【0057】
又、コイル構造として、図1に示した如く、幅方向に12等分した櫛歯状の鉄芯を用い、幅方向に交互に位相が反転する磁場を発生するように配置した。交流磁界による磁束は最大2000ガウスとした。
【0058】
表2に、実験条件及び実験結果をまとめて示す。
【0059】
【表2】
Figure 0003697584
【0060】
鋳片の表面偏析は、スラブ研削後、エッチングを行い、目視観察によって1m2当たりの偏析個数を調査した。又、冷間圧延後のコイルの表面欠陥を目視検査し、欠陥サンプルを採取後、欠陥部を分析することによって、モールドフラックスによる欠陥個数を調査した。介在物量は、鋳片の1/4厚みの位置からスライム抽出法によって介在物を抽出後、重量を測定した。表面偏析、モールドフラックス欠陥及び介在物量とも、指数化に際しては、全条件のうち、もっとも悪かったものを10とし、それに対する線形な比で表示した。
【0061】
表2からわかるように、振動磁界印加によって、表面偏析、モールドフラックスによる欠陥、気泡、非金属介在物低減が可能となる。
【0062】
ここで、振動磁界の強度が強すぎると、溶湯表面のフラックスの巻き込みが大きくなって、表面品質を悪化させ、周波数が高すぎると、磁界に溶湯が追随できなくなって、凝固界面の洗浄効果が低下し、気泡、介在物欠陥が増加しているものと推定される。
【0063】
なお、比較例4を除く全ての条件でスラブのC断面のマクロエッチングをしたところ、磁場のない場合と比べて等軸晶率は変化しておらず、デンドライトが破断していないことが確認できた。
【0064】
前記説明においては、極数が12極の櫛歯状の鉄芯が用いられていたが、磁極数や鉄芯の形状はこれに限定されず、例えば鉄芯が分割されていてもかまわない。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、捕捉される気泡、非金属介在物及び鋳片表面偏析、モールドフラックス起因の表面欠陥や内部介在物の少ない鋳片を鋳造でき、高品質の金属製品の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる電磁石と鋳型を模式的に示す水平断面図
【図2】本発明の原理を説明するための、磁場で誘起される溶湯流動の速度ベクトルの電磁場解析と流動解析による計算結果を模式的に示す正面図
【図3】図2のIII−III線に沿う水平断面図
【図4】図2のIV−IV線に沿う垂直断面図
【図5】本発明における印加電流と溶鋼流速の時間的な変化状態の例を示す線図
【図6】連続鋳造設備の実施形態を模式的に示す水平断面図
【符号の説明】
10…鋳型
12…浸漬ノズル
20…振動磁界発生装置
22…櫛歯状鉄芯
24…コイル
26a、26b…交流電源
28…磁極

Claims (6)

  1. 連続鋳造用鋳型の鋳型長辺方向に3個以上の電磁石を配置し、
    隣り同士のコイルで発生する磁場を実質反転させることで、溶鋼に位相が実質反転する振動電磁界を作用させ、
    電磁力によって凝固核前面のデンドライトの破断を引き起こすことなく、局所的な流動を誘起させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記隣り同士のコイルで発生する磁場を、隣り同士のコイルに位相が実質的に逆の交流電流を通電するか、あるいは、コイルの巻き線方向を逆にして同位相の交流電流を通電することで、実質反転させることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 最大の交流磁界の磁束密度が1000ガウス未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼の連続鋳造方法。
  4. 振動磁界の周波数が1Hzから8Hzであることを特徴とする、請求項1又2に記載の鋼の連続鋳造方法。
  5. 相対する長辺と短辺から構成され溶鋼を保持し凝固させる鋳型と、
    該鋳型の長辺方向に3個以上の磁極を有し、隣接する磁極同士が互いに異なる極性で且つ該極性が所定の周期で反転し、前記鋳型内の溶鋼に、電磁力によって凝固核前面のデンドライトの破断を引き起こすことなく、局所的な流動を誘起させる振動磁界を発生させる振動磁界発生装置と、
    を有することを特徴とする鋼の連続鋳造設備。
  6. 前記振動磁界発生装置が、前記鋳型の長辺方向に沿って3個以上の櫛歯を有する櫛歯状鉄芯と該各櫛歯に配設されたコイルとからなる電磁石、該コイルに所定の周波数、所定の位相の交流電流を供給する交流電源とからなることを特徴とする請求項5に記載の鋼の連続鋳造設備。
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