JP3696928B2 - 能動除振装置および半導体露光装置 - Google Patents

能動除振装置および半導体露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、精密機器等の搭載用の能動除振装置および半導体露光装置に関し、特に除振性能を損なうことなく制振性能を向上させることが可能で、特に床などの装置設置基礎からの振動の伝達特性を、従来に比較して大きく改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子顕微鏡、半導体露光装置等の精密機器の高精度化にともない、それらを搭載する精密除振装置の高性能化が求められている。特に、半導体露光装置においては、適切かつ迅速な露光を行なうために、床などの装置設置基礎からの振動など外部から伝達する振動を極力除去する除振台が必要である。これは露光に悪影響をおよぼす振動が、露光用ステージに発生しないようにしなければならないからである。
【0003】
また、ステップ・アンド・リピート方式という間欠動作を特徴とする半導体露光装置においては、露光用XYステージの繰り返しステップ動作が除振台の振動を励起する。したがって、除振台には、外部振動に対する除振性能と、除振台に搭載された機器の動作によって発生する振動に対する制振性能とを、バランスよく実現することが求められている。
【0004】
ステップ・アンド・リピート方式にかわるものとして、スキャン露光方式を採用した半導体露光装置もあるが、この装置においても、床などの装置設置基礎からの振動など外部から伝達する振動を極力除去するとともに、露光用ステージのスキャン動作により励起される除振台の振動を制振する必要がある。特に、スキャン露光装置では、露光用ステージがスキャン動作をしている状態で露光を行なうため、外部振動に対する除振性能および除振台に搭載された機器の動作によって発生する振動に対する制振性能のそれぞれに対する要求は厳しく、一段と高性能な除振装置が不可欠なものとなっている。
【0005】
このような要求に対しては、除振台の振動を振動センサで検出し、その出力信号を補償して、除振台に制御力を加えるアクチュエータにフィードバックすることにより、能動的に除振台の振動制御を行なうことができる能動除振装置が実用化されている。能動除振装置は、バネ、ダンパ等の受動的な除振要素だけで構成された従来の除振装置では困難な、除振性能と制振性能とのバランスのとれた実現を可能にする。
【0006】
さらに、除振台上に搭載される機器の高精度化に対応して、床などの装置設置基礎の振動を検出し、その補償信号をアクチュエータにフィードフォワードする制御方法や、除振台上に搭載された機器の駆動信号をもとに、その駆動反力を相殺するようにアクチュエータをフィードフォワード制御する方法も提案され、除振装置の性能は飛躍的に向上している。
【0007】
これらの制御方法の中で、装置設置基礎の振動を除振台に作用するアクチュエータにフィードフォワードする方法は、装置設置基礎からの振動の絶縁性能を大きく向上させ、半導体露光装置の高精細化や、装置設置基礎の振動規準の緩和を可能にする。以下、この制御方法を床振動フィードフォワード制御方法、また、それに用いる補償器を床振動フィードフォワード補償器という。
【0008】
この制御方法は、必ずしも床振動をフィードフォワードするものではなく、除振装置が設置されているパレット状の部材などの振動をフィードフォワードするものも含むが、本発明においては、便宜上、上記のようにいう。
【0009】
床振動フィードフォワード制御方法としては、例えば、特開平5−263868号公報『除振台の地動外乱制御方法』のように、アクチュエータ特性を含めた能動除振装置のいくつかの特性を実測し、それらの実測特性に基づいて床振動フィードフォワード補償器の特性を導出することにより補償器を実現する方法がある。同公報では、能動除振装置のアクチュエータを用いた除振台の加振応答と、装置設置基礎から除振台までの振動伝達率から最適な床振動フィードフォワード補償器の特性を導出する方法が開示されている。この方法は、実機の特性を補償器に十分反映させることが可能であり、従来のフィードバック制御ループのみで構成された能動除振装置と比較して装置設置基礎の振動の絶縁性能を大きく改善することができる。
【0010】
床振動フィードフォワード補償器の実現手法としては、適応デジタルフィルタを用いたものもある。これは、床振動フィードフォワード補償器の特性を、適応デジタルフィルタによって、自動的に導出し、実現する方法である。この種の制御方法は、車両用サスペンション制御などにも多く見られる。
【0011】
適応デジタルフィルタを用いた補償器は、除振台の特性が未知の場合においても、それ自身の適応動作によって、除振台の特性に応じた適切な補償器の特性を自動的に導出し、実現できるというメリットがあり、デジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)などの離散演算装置が容易に利用できるようになった今日においては、効果的な制御方法である。
【0012】
特開平6−235439号公報『振動制御方法および装置』には、適応デジタルフィルタを用いた床振動フィードフォワード補償器と、従来からのフィードバック補償器を併用して床からの振動伝達をはじめとする除振台の振動抑制性能を改善する方法および装置が開示されている。同公報では、除振系の固有振動数近傍における振動減衰特性をフィードバック補償器により改善することで、除振台のインパルス応答の離散データ数を削減し、かつ適応デジタルフィルタを用いて実現した床振動フィードフォワード補償器における演算負荷を軽減している。これにより、従来の適応デジタルフィルタを用いた床振動フィードフォワード補償器に比較して、演算負荷を増大させることなく除振性能を改善することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、能動除振装置における床振動フィードフォワード制御については、いくつかの制御方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、実機特性の実測結果に基づいて補償器の特性を求めるような方法においては、除振系の特性をある程度正確に同定する必要があり、補償器の設計段階で、周波数特性解析等の処理を行なう必要がある。また、得られた特性が比較的単純な特性ではない場合は、補償器が複雑化する。
【0015】
一方、適応デジタルフィルタを用いた補償器は、非常に多くの積和演算を行なうため、DSPなどに代表されるプロセッサで高速演算を行なう必要がある。そのために、プロセッサにおける制御演算の負荷が大きなものになってしまうとともに、能動除振装置の制御回路として、DSPやその周辺の電気回路が不可欠なものとなる。
【0016】
フィードフォワード補償を行なわず、除振台の振動をフィードバックする制御ループのみを有する従来の能動除振装置では、PI補償器(比例・積分補償器)や、速度フィードバック補償器などの非常に単純な構成の補償器で、実用上、十分な性能を確保できることを考慮すると、床振動フィードフォワード制御の採用による補償器設計方法や補償器構成の複雑化および制御回路規模の拡大は、望ましいことではない。
【0017】
本発明の目的は、この従来技術の問題点に鑑み、能動除振装置および半導体露光装置において、除振性能を損なうことなく制振性能を向上させることが可能であり、かつ、従来に比較して非常に単純な構成の補償器を用いて、床などの装置設置基礎からの振動伝達特性を大きく改善することにある。
【0018】
上記問題点を解決するために、本発明の能動除振装置は、除振台と、
前記除振台を防振支持する支持機構と、
前記除振台の振動を検出する第1の振動検出手段と、
前記第1の振動検出手段の検出出力を補償する第1の補償手段と、
前記除振台に力を加えるアクチュエータと、
前記支持機構を支える基礎の振動を加速度信号として検出する第2の振動検出手段と、
前記第2の振動検出手段の検出出力を補償する第2の補償手段と、
前記第1の補償手段の出力および前記第2の補償手段の出力に基づいて、前記アクチュエータを駆動する駆動手段とを備えた能動除振装置であって、
前記第2の補償手段は、PI補償器と積分補償器とを直列に接続した補償器であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の能動除振装置は、除振台と、
前記除振台を防振支持する支持機構と、
前記除振台の振動を検出する第1の振動検出手段と、
前記第1の振動検出手段の検出出力を補償する第1の補償手段と、
前記除振台に力を加えるアクチュエータと、
前記支持機構を支える基礎の振動を加速度信号として検出する第2の振動検出手段と、
前記第2の振動検出手段の検出出力を補償する第2の補償手段と、
前記第1の補償手段の出力および前記第2の補償手段の出力に基づいて、前記アクチュエータを駆動する駆動手段とを備えた能動除振装置であって、
前記第2の補償手段は、2重積分補償器であることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の能動除振装置は、前記除振台の変位量を検出する変位検出手段を備え、前記駆動手段は、前記変位検出手段の出力にも基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の能動除振装置は、前記アクチュエータとして、電磁アクチュエータを備えたことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明の能動除振装置は、前記第1および第2の振動検出手段の少なくとも一方は、加速度センサであることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の半導体露光装置は、上記の能動除振装置を備えたことを特徴とする。
【0025】
【作用】
この構成において、支持機構によって防振支持された精密機器を搭載する除振台の振動を第1の振動検出手段によって検出し、その出力信号を適切に補償する第1の補償手段を介してアクチュエータにフィードバックすると、このアクチュエータは、除振台に制御力を加え、除振台の振動を抑制する。一方、基礎の振動が、支持機構を介して除振台に作用する力は、基礎の加速度信号に対して、高周波にむかってロールオフしていく周波数特性を示す。したがって、基礎の加速度信号をPI補償器と積分補償器とを直列に接続した補償器、または2重積分補償器である第2の補償手段によって補償すると、基礎の振動が支持機構を介して除振台に作用する力と同様の傾向をもつ信号が生成される。よって、その信号を除振系の固有振動数と比較して非常に高い周波数帯域まで良好な応答特性を示すボイスコイルモータなどの電磁アクチュエータに対して、適切に信号の極性を設定してフィードフォワードすると、基礎の振動が支持機構を介して除振台に作用する力が電磁アクチュエータの制御力で相殺され、基礎の振動の除振台への影響が抑制される。
【0026】
これによれば、従来に比較して、この種の制御技術における補償器が非常に単純な構成となり、また、補償器の調整は、PI補償器、積分補償器の比例ゲイン、積分ゲインだけであるため、容易に行なわれる。
【0027】
除振系の多くはバネ、ダンパなどの除振要素からなる比較的単純な2次振動系であり、このような系では、後で詳述するように、装置設置基礎の振動の伝達経路に依存する除振要素、電磁アクチュエータの特性を考慮すると、PI補償器と積分補償器を直列に接続した非常に単純な構成の補償器で、実用上十分なレベルまで、装置設置基礎からの振動伝達を抑制することができる。特に、除振台を支持するために用いられる受動的な除振装置の減衰特性が小さい場合、前記PI補償器の折点周波数を高周波数に設定すると装置設置基礎の振動の絶縁性能が向上し、センサ帯域や床振動フィードフォワード制御の制御帯域では、PI補償器を積分補償器に置き換えることが可能となる。このような場合は、装置設置基礎の加速度の信号を2重積分補償器を介して、電磁アクチュエータにフィードフォワードしてもよい。もちろん受動的な除振要素の減衰特性が小さくない場合でも、要求される装置設置基礎の振動の絶縁性能仕様を満足できれば、装置設置基礎の加速度の信号を、2重積分補償器という非常に単純な構成の補償器を介して、電磁アクチュエータにフィードフォワードしてもよい。
【0028】
【実施例】
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例に係る能動除振装置の構成を示す図である。なお、図1は、水平方向に作用する除振装置を例示したものであるが、鉛直方向に作用する除振装置において、以下に詳述する手段を適用してもよい。同図において、1は半導体露光装置等の精密機器を搭載する除振台、2は除振台1を防振支持する支持機構、3はボイスコイルモータ等の電磁リニアモータである電磁アクチュエータ、4は除振台1の振動を検出する第1の振動検出手段、5は第1の振動検出手段4の出力信号に適切な演算処理を施す、第1の補償手段である除振台振動フィードバック補償器、6は床等の装置設置基礎、7は装置設置基礎6の振動を検出する第2の振動検出手段、8は第2の振動検出手段7の出力信号に適切な演算処理を施す、第2の補償手段である床振動フィードフォワード補償器、そして9は除振台振動フィードバック補償器5と床振動フィードフォワード補償器8との演算結果に基づいて電磁アクチュエータ3の駆動を行なう、駆動手段である駆動回路である。
【0029】
第1の振動検出手段4および第2の振動検出手段7には、加速度センサを用いることができる。また、床振動フィードフォワード補償器8は、PI補償器と積分補償器とを直列に接続した補償器である。
【0030】
この除振装置は、除振台1の振動に着目して振動制御を行なう除振台振動フィードバックループと、能動除振装置を設置する床などの装置設置基礎6から除振台1への振動伝達に着目して振動制御を行なう床振動フィードフォワードループとからなる。
【0031】
除振台振動フィードバックループは、支持機構2により防振支持された除振台1の振動を、加速度センサなどの第1の振動検出手段4によって検出し、これを除振台振動フィードバック補償器5で演算処理し、駆動回路9を介して電磁アクチュエータ3にフィードバックする。
【0032】
なお、基準位置に対する除振台1の相対変位を検出する変位センサを備え、その変位センサの出力信号を補償し、駆動回路9を介して電磁アクチュエータ3にフィードバックする除振台変位制御ループを有する能動除振装置も本発明に含まれる。
【0033】
ここでは、除振台振動フィードバックループにおけるアクチュエータとしてボイスコイルモータなどの電磁アクチュエータ3を用いているが、電磁アクチュエータ3の代わりに、空気ばねの内圧をサーボバルブなどで調整することにより、その発生力を制御する空気圧アクチュエータを用いることもできる。この場合は、空気圧アクチュエータとして用いる空気ばねを除振台の支持機構として兼ねることもできる。また、除振台振動フィードバックループにおけるアクチュエータとして電磁アクチュエータと空気圧アクチュエータとを併用することもできる。さらに、除振台変位制御ループにおけるアクチュエータにおいても、電磁アクチュエータの他に空気圧アクチュエータや、電磁アクチュエータと空気圧アクチュエータとを併用したものを用いることができる。
【0034】
次に、床振動フィードフォワードループについて説明する。
【0035】
床振動フィードフォワードループは、能動除振装置を設置する床などの装置設置基礎6の振動を第2の振動検出手段7によって検出し、第2の振動検出手段7で検出した装置設置基礎6の加速度信号を床振動フィードフォワード補償器8で演算処理し、この床振動フィードフォワード補償器8で得られた操作量を駆動回路9に入力して電磁アクチュエータ3を駆動するものである。第2の振動検出手段7は、例えば、第1の振動検出手段4と、装置設置基礎6と除振台1の相対変位を検出する変位センサの信号とから、装置設置基礎6の加速度信号と等価な信号を演算によって求めるものであってもよい。
【0036】
上記のように、本装置では、床振動フィードフォワード補償器8として、PI補償器と積分補償器とを直列に接続した非常に単純な構成の補償器を用いる。床振動フィードフォワード補償器8に、このような補償器を用いる理由は以下の通りである。
【0037】
除振台1を防振支持する支持機構2には、一般に、空気ばね、防振ゴム、コイルスプリング、オイルダンパ等の受動的な除振要素を目的に応じて適切に選択し、組み合わせたものを用いる。このような支持機構2と除振台1とからなる除振系の多くは、図2に示すような、質量要素11、ダンパ要素12およびばね要素13で構成された最も基本的な2次振動系の力学モデルで表すことができる。したがって、除振台1の振動および装置設置基礎6の振動の伝達する様子をブロック線図で示すと、図3のようになる。同図において、Mは搭載した精密機器の質量を含む除振台1の質量、Dは支持機構2の減衰係数、Kは支持機構2のばね定数、およびsはラプラス演算子である。なお、同図には、除振台振動フィードバックループおよび床振動フィードフォワードループも合わせて示してある。
【0038】
図3に示すように、装置設置基礎6の振動が支持機構2を介して除振台1に伝達する経路の特性は、数1式で表すことができる。
【0039】
【数1】
Figure 0003696928
ただし、図3においては、除振台1の振動および装置設置基礎6の振動ともに加速度で記述しており、数1式の特性は、装置設置基礎6の加速度からの特性である。
【0040】
上記の関係を鑑みると、装置設置基礎6の振動が支持機構2を介して除振台1に作用する力は数2式で表される。
【0041】
【数2】
Figure 0003696928
すなわち、装置設置基礎6の振動が支持機構2を介して除振台1に作用する力は、装置設置基礎6の加速度をPI補償器と積分補償器とを直列に接続した補償器で演算処理して得た信号と等価となる。しかるに、除振台1に制御力を加える電磁アクチュエータ3は、除振装置の固有振動数と比較して、非常に高い周波数帯域まで良好な応答特性を有しており、本装置が対処しようとしている周波数帯域においては、アクチュエータ入力信号に比例した制御力を瞬時に発生することができる。したがって、装置設置基礎6の加速度をPI補償器と積分補償器とを直列に接続した床振動フィードフォワード補償器8で演算処理し、装置設置基礎6の振動の検出方向および電磁アクチュエータ3の作用方向を考慮して適切に信号の極性設定をした後、駆動回路9にその信号を入力して、電磁アクチュエータ3を駆動することにより、装置設置基礎6の振動が支持機構2を介して除振台1に作用する力を相殺することができる。これによって、床などの装置設置基礎6から除振台1への振動伝達を抑制することができる。
【0042】
なお、第2の振動検出手段7で検出した装置設置基礎6の加速度信号を直流成分除去フィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ等の信号処理手段を用いて前処理を行なった後、床振動フィードフォワード補償器8へ入力する方法は、この種の制御方法で一般的に用いる手法であり、本発明においても、上述の信号処理手段を用いて制御を行なうことができる。
【0043】
以上のように、本能動除振装置は、PI補償器と積分補償器とを直列に接続した非常に単純な構成の補償器で、床などの装置設置基礎6から除振台1への振動伝達特性を大幅に改善することができる。また、補償器の調整要素が、PI補償器および積分補償器の比例ゲインおよび積分ゲインのみであり、パラメータの調整も非常に容易に行なうことができる。
【0044】
[実施例2]
実施例1においては、除振系が減衰特性をもつ2次振動系であると考えたが、精密機器搭載用の除振装置によく用いられる空気ばねは、一般に減衰特性が小さい。このように、除振台1を防振支持するために用いられる受動的な除振要素の減衰特性が小さい場合は、振動センサの周波数帯域、床振動フィードフォワード制御の制御帯域等を考慮すると、PI補償器を積分補償器に置き換えることが可能となる。したがって、装置設置基礎6の加速度信号を2重積分補償器を介して、電磁アクチュエータ3にフィードフォワードすればよい。すなわち、床振動フィードフォワード補償器8として、2重積分補償器を用いることができる。
【0045】
支持機構2の減衰特性が小さい場合は、支持機構2の減衰係数Dが小さくなるため、数1式の周波数特性における折点周波数は、図4に示すように、高周波数側にシフトする。したがって、振動センサの周波数帯域、床振動フィードフォワード制御の制御帯域等を考慮すると、床振動フィードフォワード補償器8のPI補償器を積分補償器に置き換えることが可能となる。すなわち、床振動フィードフォワード補償器8は2重積分補償器を用いて実現することができる。
【0046】
本実施例における能動除振装置では、床振動フィードフォワード補償器8の調整要素は、積分ゲインのみであり、PI補償器を用いた実施例1の装置に比較しても、さらにその構成を単純にすることができ、また、補償器の調整もさらに容易に行なうことができる。
【0047】
なお、本実施例では、除振要素の減衰特性が小さい場合として説明したが、減衰特性がそれほど小さくない場合においても床振動フィードフォワード補償器8は、高周波数側にゲインがロールオフする特性を示す。したがって、実用上、装置設置基礎6からの振動の絶縁性能を十分に確保できる場合は、除振要素の減衰特性が小さくない場合においても、床振動フィードフォワード補償器8を2重積分補償器を用いて実現することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基礎の振動をアクチュエータにフィードフォワードする際の補償をPI補償および積分補償、あるいは2重積分補償としたため、従来の補償手段に比較して、非常に単純な構成の補償手段により、基礎からの振動伝達を抑制し、非常に広い周波数帯域で基礎から除振台までの振動伝達率を0dB以下にすることができる。
【0049】
また、PI補償器および積分補償器の比例ゲインおよび積分ゲインを調整するだけで、実用上、十分な除振性能を確保できるうえに、第2の補償手段を実現する際に、除振系の特性を精度よく同定する必要もなくなる。また、第2の補償手段として、2重積分補償器を用いた場合は、補償器の調整は積分ゲインだけで容易に行なうことができる。
【0050】
さらに、第2の補償手段を含む能動除振装置の補償手段が非常に単純な補償要素によって実現できるので、能動除振装置が組み込まれる半導体露光装置等のシステムにおいて、より上位の役割を担う処理装置や、他の機器の制御に用いる処理装置に能動除振装置の演算処理を合わせて受け持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る能動除振装置の構成を示す図である。
【図2】 一般的な除振系の力学モデルを表す図である。
【図3】 図1の装置における除振系の振動伝達を表すブロック図である。
【図4】 本発明の実施例における、床の加速度から床の振動が支持機構を介して除振台に作用する力までのゲイン特性を表す図である。
【符号の説明】
1:除振台、2:支持機構、3:電磁アクチュエータ、4:第1の振動検出手段、5:除振台振動フィードバック補償器、6:装置設置基礎、7:第2の振動検出手段、8:床振動フィードフォワード補償器、9:電磁アクチュエータの駆動回路、11:2次振動系の質量要素、12:2次振動系のダンパ要素、13:2次振動系のばね要素。

Claims (6)

  1. 除振台と、
    前記除振台を防振支持する支持機構と、
    前記除振台の振動を検出する第1の振動検出手段と、
    前記第1の振動検出手段の検出出力を補償する第1の補償手段と、
    前記除振台に力を加えるアクチュエータと、
    前記支持機構を支える基礎の振動を加速度信号として検出する第2の振動検出手段と、
    前記第2の振動検出手段の検出出力を補償する第2の補償手段と、
    前記第1の補償手段の出力および前記第2の補償手段の出力に基づいて、前記アクチュエータを駆動する駆動手段とを備えた能動除振装置であって、
    前記第2の補償手段は、PI補償器と積分補償器とを直列に接続した補償器であることを特徴とする能動除振装置。
  2. 除振台と、
    前記除振台を防振支持する支持機構と、
    前記除振台の振動を検出する第1の振動検出手段と、
    前記第1の振動検出手段の検出出力を補償する第1の補償手段と、
    前記除振台に力を加えるアクチュエータと、
    前記支持機構を支える基礎の振動を加速度信号として検出する第2の振動検出手段と、
    前記第2の振動検出手段の検出出力を補償する第2の補償手段と、
    前記第1の補償手段の出力および前記第2の補償手段の出力に基づいて、前記アクチュエータを駆動する駆動手段とを備えた能動除振装置であって、
    前記第2の補償手段は、2重積分補償器であることを特徴とする能動除振装置。
  3. 前記除振台の変位量を検出する変位検出手段を備え、前記駆動手段は、前記変位検出手段の出力にも基づいて、前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1または2記載の能動除振装置。
  4. 前記アクチュエータとして、電磁アクチュエータを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の能動除振装置。
  5. 前記第1および第2の振動検出手段の少なくとも一方は、加速度センサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の能動除振装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の能動除振装置を備えたことを特徴とする半導体露光装置。
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