JP3696427B2 - 樹脂成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の耐久性、とりわけ耐加水分解性に優れ、シリコーンゴムと再現性良く強固に接着するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂、とりわけポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略することがある)樹脂は耐薬品性、耐熱性、機械的性質に優れ、工業用樹脂として広く用いられている。近年、耐加水分解性、耐熱老化性の要求が高まると共に、電気・電子分野、自動車分野において上記要求特性を満足し、且つ耐熱性、電気特性、耐候性に優れているシリコーンゴムと強固に接着するポリブチレンテレフタレート樹脂が要望されている。
【0003】
従来、付加硬化型シリコーンゴムと熱可塑性ポリエステル樹脂を接着させる方法として、例えば成形物表面にプライマーを塗布し、その上から未硬化シリコーンゴム材料を被覆硬化させて接着する方法や、自己接着性シリコーンゴム材料を成形物の上から被覆硬化させる方法が知られている。
【0004】
また、特公平2−34311号公報には有機樹脂に珪素原子に直接結合した水素原子を30%モル以上含有するオルガノポリシロキサンを添加して付加硬化型のシリコーンゴムと接着する方法、特開平9−165516号公報には、30%モル脂肪族不飽和基を含有する熱可塑性樹脂を含有したポリブチレンテレフタレートとシリコーンゴムとを一体化する方法が提案されている。また、特開平9−164634号公報には、末端カルボキシル基15当量/106g以下でチタン系触媒により重合されたポリブチレンテレフタレートに対して、珪素原子に直接結合した水素原子を含有する化合物等を配したシリコーンゴムとの一体成形体を提案している。
【0005】
しかしながら、プライマーを用いて接着させる方法は、いったん成形した樹脂組成物を金型より取り出しプライマーを塗布するという煩雑な作業工程が必要となる。
【0006】
自己接着性シリコーンゴム材料を樹脂成形品の上で硬化させる方法は、金型などを用いて樹脂及びシリコーンゴムとの一体成形体を形成する場合にシリコーンゴム自身が金型に接着してしまい取り出しが困難になるという大きい難点がある。更に、合成樹脂成形物に対して塗布硬化させる場合、自己接着性の付加型シリコーンゴム材料の多くはポリブチレン樹脂には一体成形物として使用するためには十分な接着力を有するものとはなっていない。
【0007】
脂肪族不飽和基を含有する熱可塑性樹脂を添加する方法は、不飽和基が酸化されやすく変色の原因となり、耐熱性が損なわれる為好ましくない。
【0008】
また、珪素原子に直接結合した水素原子を含有する化合物等をポリブチレンテレフタレート樹脂に配合したものについては、接着強度を満足しない場合があり、必要十分な接着再現性を有さない問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂の工業用樹脂材料として要求の高まっている耐加水分解性を大幅に改良し、且つ該ポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムとが互いに十分実用に耐えうる接着力を以って接着したポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムとの一体成形品を得ること、及びかかる一体成形品を得るために確実且つ容易に、しかも短時間でポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムが必要十分な接着再現性を持って接着することを可能とし、また射出成形によってかかる一体成形品を得ることのできるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる問題点を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂組成物中の珪素含有化合物及び/又はその重合体に由来する1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサン含有量が成形品の測定値として5ppm以上である場合に、樹脂成形品の保管条件やシリコーンゴムの塗布・硬化条件によらず、確実かつ容易に、しかも短時間で接着できることを見出し、本発明に到達した。特に、射出成形によって上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムの一体成形品を得ることができ、しかもシリコーンゴム自身は成形金型から十分な実用性をもって剥離する事を見いだした。
【0011】
すなわち本発明は、(A)チタン化合物を重合触媒として得られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/ton以下であるポリブチレンテレフタレート100重量部あたり、
(B)1分子中に少なくとも1個の珪素原子に直接結合した水素原子を有する珪素含有化合物及び/又はその重合体を0.01〜3重量部及び
(C)フェノール系抗酸化剤 0.01〜0.5重量部
からなるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であって、
該ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中に存在する珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)に由来する、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンが成形品の測定値として5ppm以上であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなり、溶融時の樹脂温度が245〜270℃であり、かつ樹脂が溶融状態でいる時間が100〜400秒の範囲にある条件により得られた成形品とシリコーンゴムからなる成形品とが接合されている成形品である。
【0012】
ポリブチレンテレフタレート(A)は、チタン化合物を重合触媒として得られる。ポリブチレンテレフタレート(A)は、チタン化合物を重合触媒として得らるため、シリコーンゴムの硬化反応を阻害することがない。好ましいチタン化合物としてはチタン酸アルコキサイドを挙げることが出来、特にチタン酸テトラブトサイド、チタン酸テトライソプロポキサイドが好ましい。
【0013】
ポリブチレンテレフタレート(A)は、末端カルボキシル基濃度が15当量/ton以下であることが必要である。末端カルボキシル基濃度が15当量/tonを越えると、本発明の主要な効果の一つである耐加水分解性の大幅な向上は見られない。
【0014】
ポリブチレンテレフタレート(A)は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。ここで、「主たる」とは、全酸成分又は全グリコール成分に対して80モル%以上をいい、好ましくは90モル%以上である。
【0015】
共重合可能な酸成分としては、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェキシエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等、脂環族ジカルボン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。
【0016】
ブタンジオール以外の共重合可能なグリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ビスフェノールA等が例示される。
【0017】
また、ポリエステルが実質的に成形加工性を損なわない範囲で多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共重合してもよい。
【0018】
本発明に用いられるポリブチレンテレフタレート(A)は、固有粘度(35℃でのオルソクロロフェノール中での測定値をもとに算出された値)が、好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上のものである。これより固有粘度が低い場合は、強度が低く使用上困難がある。
【0019】
本発明で用いる(B)成分の珪素含有化合物及び/又はその重合体は、1分子中に少なくとも1個の、珪素原子に直接結合した水素原子を有している。珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)は、その分子構造として、例えば、直鎖状、分岐状、環状等、いずれの構造のものも使用可能である。また、この珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)の25℃における粘度は、好ましくは0.5〜1000cStであり、さらに好ましくは1〜200cStである。これより粘度が低いと、樹脂成形品表面にブリードアウトしやすく好ましくなく、これより粘度が高いと接着性が劣り好ましくない。
【0020】
珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)として、例えば、下記平均組成式(1)に示す化合物を例示することができる。
【0021】
【化1】
Figure 0003696427
【0022】
(上記式中、a及びbは、0<a<2、1≦b≦3、及び2≦a+b≦3を満たす数である。R1は脂肪族不飽和結合を含有しない置換または非置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素原子数1〜10の基であり、好ましくは、炭素原子1〜6の基である。R1としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等のアリール基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基等の置換基で置換した、クロロメチル基、シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が例示される。なお複数のR1は同一でも異なっていてもよい。)で表されるものが好適に使用される。
【0023】
珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)は、それ自体公知の方法で製造することができる。製造方法を例示すれば、R1SiHCl2、R1 3SiCl、R1 2SiCl2、R1 2SiHCl、(各式中、R1は前記の通りである。)等のクロロシランを加水分解する方法、このように加水分解して得られたシロキサンを平衡化する方法により製造することができる。
【0024】
珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部当たり、0.01〜3重量部、好ましくは、0.01〜2重量部である。0.01重量部未満では接着性の改良効果が見られず、3重量部を越えると金型から離型しにくくなり、製品として組み付けた時相手部材に固着してしまう問題が生じる。
【0025】
フェノール系抗酸化剤(C)は、例えばヒンダートフェノール化合物及びその誘導体である。好ましいフェノール系抗酸化剤(C)としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートであり、特に好ましくは、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。これらのフェノール系抗酸化剤は1種類、又は2種類以上を同時に用いる事ができる。
【0026】
フェノール系抗酸化剤(C)の配合量は、ポリブチレンテレフタレート(A)100重量部当たり、0.01〜0.5重量部であることが必要であり、0.1〜0.3重量部が好ましい。0.01重量部より少ない場合は、耐熱性の改良効果が少なく、0.5重量部より多く配合しても耐熱老化性の改良効果は望めない。
【0027】
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンを特定量含有する必要がある。実用上十分な接着力を再現良く確保するために必要な、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンの含有量は、全ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物あたり1ppm以上である。この量は、好ましくは5ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上であり、上限は珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)の配合量である。ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中の1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンの含有量は、ペレットあるいは成形品からの揮発ガスとしてガスクロマトグラフィーで定量した値である。
【0028】
本発明における接着再現性とは、試験片の保存状態やシリコーンゴムの塗布・硬化条件によらず実用上十分な接着力を発現することをいう。
【0029】
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、チオエーテル系抗酸化剤(D)を配合することが好ましい。チオエーテル系抗酸化剤(D)が配合される場合、チオエーテル系抗酸化剤(D)は、好ましくはジ−トリデシル−チオ−ジプロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12又はC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィドである。
【0030】
チオエーテル系抗酸化剤(D)が配合される場合、その配合量は全ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物100重量%あたり0〜0.05重量%、好ましくは0.001〜0.05重量%である。0.05重量%より多く配合するとポリブチレンテレフタレート樹脂成形品を長期間保管した後シリコーンゴムと接着させた場合に接着強度が低下する。
【0031】
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、炭素繊維等のごとき繊維状の強化材、粒状、無定形、板状、鱗片状等の無機充填剤、核剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に又難燃剤、衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができる。
【0032】
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)と珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)とを均一にブレンドし、更にフェノール系抗酸化剤(C)、チオエーテル系抗酸化剤(D)等を加えてブレンドした後、単軸又は多軸押出機等を用いて熔融混練することにより製造することができる。また、射出成形機又は押出成形機で直接混練、成形してもよい。ただし、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンの発生量は、樹脂の温度と、樹脂が溶融状態でいる時間(以下、滞留時間と表記)に左右される。
【0033】
押出機、成形機を問わず、溶融時の樹脂温度が245〜270℃かつ滞留時間は100〜400秒が必要であり、更に好ましくは樹脂温度が255〜265℃かつ滞留時間が100〜300秒である。これよりも樹脂温度が高い場合や滞留時間が長い場合には、 生成した1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンが様々な副反応により発生量が減少するため好ましくない。また、樹脂温度が高く、滞留時間が長い場合は、PBTの劣化が進行し、耐加水分解性が低下するため好ましくない。樹脂温度が低く、滞留時間が短いと、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンが生成されにくく好ましくない。
【0034】
押出時の滞留時間は、ホッパーから着色させたペレットを投入し、吐出している樹脂の色が変化するまでの時間を計測することにより求めることができ、成形時の滞留時間は、シリンダー容量を物性試験片モールドの樹脂量(金型容量)で割り、1サイクルの時間を掛けることにより見積もることができる。
【0035】
あらかじめ上記樹脂組成物を溶融混練することなく、射出成形機又は押出成形機で熔融混練して成形する場合は、上記の条件を満たし、かつ樹脂組成物の成分量比にむらがないようにすることが好ましい。樹脂組成物の成分比にむらがあると、接着性にむらを生ずるのみならず、他の樹脂の特性にばらつきを生じるため好ましくない。成分比のむらをなくすには、スクリューの形状、スクリューの回転数、背圧などをコントロールすることが重要である。背圧は5Kf/cm2以上かけるのが好ましいが、計量時間を短くするために背圧を大きくするとともにスクリューの回転数を高くすることが好ましく、100rpm以上であることが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例中、部とあるのは重量部を表す。ポリマーの固有粘度[η]はオルソクロロフェノール中25℃で測定した溶液粘度から算出した値である。また、末端カルボキシル基濃度[COOH]はエイ・コニックス(A.Conix)の方法{Makromol.Chem,26,226(1958)}によって測定したポリマー106gあたりの当量数である。
【0037】
射出成形時の樹脂温度は、射出率3cm3/secでゆっくり射出した時のノズルから出てくる樹脂の中に直接温度計を挿入して測定した。
【0038】
1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンの含有量は、試料(ペレットあるいは成形品を約5×5×1〜3mmの大きさに切断したもの)3gを22mlのバイアルに取り、150℃で60分間熱処理したときの揮発ガスと標準品として1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンのガスをガスクロマトグラフィーで比較測定することにより求めた。
【0039】
ガスクロマトグラフィーにはヘッドスペースガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製HS−GC:GC−9A HSS−2AとCR−4A)を用いた。
【0040】
また、標準品としての1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンは、チッソ社製のものを用いた。
【0041】
分析条件は以下の通りである。
Figure 0003696427
【0042】
[参考例1]付加型シリコーンゴムの調整
1分子中にメチルビニルシロキサン単位を2個有し、末端がジメチルビニルシロキシ基で停止している時メチルポリシロキサン(25℃における粘度:1000cSt)100重量部、珪素原子に直接結合している水素原子が100gあたり0.739モル有するメチルハイドロジェンポリシロキサン4.6重量部、及び塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金含有量:0.5%)0.12重量部を配合して付加型シリコーンゴムを調整した。
【0043】
[実施例1〜3、比較例1〜3]
表1に示すポリブチレンテレフタレート(実施例中、PBTと略記することがある)、珪素含有化合物及びその重合体、フェノール系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、及びその他充填材を所定量配合し、均一に混合した。得られた混合物を44mmφ二軸押出機でバレル温度:250℃、吐出量:50Kg/h、回転数:160rpmにて溶融混練し、ダイから吐出されるスレッドを冷却、切断して成形用ペレットを得た。滞留時間を測定する目的で、ホッパーからカーボンブラックを20%含有したPBTを投入し、スレッドが黒く着色するまでの時間を計測したところ140秒程度であった。ついでこのペレットを130℃で5時間乾燥した後、4オンスの射出成形機(シリンダー容量:154g(PBT))に物性試験片モールド(樹脂量(金型容量):22g(PBT))を取り付けて、シリンダー温度260℃、金型温度40℃、射出圧力700Kg/cm2、射出時間6秒、冷却時間10秒、全サイクル25秒の成形条件をとることによって、樹脂の滞留時間を175秒として、引張試験片(ASTM4号片)を成形した。ただし、滞留時間は、シリンダー容量を物性試験片モールドの樹脂量(金型容量)で割り、1サイクルの時間を掛けることにより求めた。
【0044】
シリコーンゴムとの接着性は、120℃に加熱した金型の下型に引張試験片を敷き、幅25mm×長さ15mmの部分を残してテフロンシートでマスキングし、参考例で調整した付加型シリコーンゴムを塗布した。次いで上型を締め、120℃×10分間加圧下で硬化させた。引張試験片と硬化したシリコーンゴムとを180°方向に引張、剥離性及び剥離強度を評価した。
【0045】
耐加水分解性の試験は、122℃、湿度100%RHの条件で60時間の湿熱処理を行った試験片について引張強度及び破断伸度を測定することによって行った。
【0046】
【表1】
Figure 0003696427
【0047】
[比較例4]
実施例1の組成物について、成形条件をシリンダー温度270℃、金型温度40℃、射出圧力700Kg/cm2、射出時間10秒、冷却時間30秒、全サイクル50秒に変え滞留時間を350秒とした以外は、実施例1と同様に引張試験片を得、同じ条件でシリコーンゴムとの接着性を評価した。
【0048】
[比較例5]
実施例1の組成物について、5オンスの射出成形機(シリンダー容量:192g(PBT))に物性試験片モールド(樹脂量(金型容量):18g)を取り付けて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、射出圧力700Kg/cm2、射出時間10秒、冷却時間25秒、全サイクル42秒の成形条件をとることによって、樹脂の滞留時間を448秒として、引張試験片(ASTM4号片)を成形した。
【0049】
【表2】
Figure 0003696427
【0050】
本発明の樹脂組成物は、シリコーンゴムに対して良好な接着性を示した。押出条件や成形条件を高い温度でかつ長い時間加熱ことになる条件をとると、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンの生成量が少なくなり、シリコーンゴムに対する接着強度が低下した。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた耐加水分解性を備え、シリコーンゴムに対して高い接着力で再現性よく接着することのできるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することができる。その結果、相互の高い接着力で接合されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムとの一体成形品を提供することができる。

Claims (1)

  1. (A)チタン化合物を重合触媒として得られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/ton以下であるポリブチレンテレフタレート100重量部あたり、
    (B)1分子中に少なくとも1個の珪素原子に直接結合した水素原子を有する珪素含有化合物及び/又はその重合体を0.01〜3重量部及び
    (C)フェノール系抗酸化剤 0.01〜0.5重量部
    からなるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であって、
    該ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中に存在する珪素含有化合物及び/又はその重合体(B)に由来する、1,3,5,7−テトラメチル−シクロテトラシロキサンが成形品の測定値として5ppm以上であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなり、溶融時の樹脂温度が245〜270℃であり、かつ樹脂が溶融状態でいる時間が100〜400秒の範囲にある条件により得られた成形品とシリコーンゴムからなる成形品とが接合されている成形品。
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