JP3695374B2 - フォーカス調整装置およびフォーカス調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置の光学系の液晶パネルの位置調整を行うフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法に関し、特に液晶パネルの光軸位置を動かして撮像した画像を解析することにより液晶パネルの位置調整を行うフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶プロジェクタは、赤、緑、青の3枚の液晶パネルを用いて、単色映像を作りだし、赤、緑、青の単色映像をダイクロイックプリズム上で色合成して投射映像を作りだしている。
【0003】
液晶プロジェクタのフォーカス調整工程では、色コントラストが最も鮮明な緑色の投射映像を基準位置とし、残りの赤色、青色の投射映像を表示されている緑色の対応する投射画素位置にできる限り一致する様に像を重ね合わせ、次にこの位置で単色で投射した被投射面上の投射画素のボケ方が最も小さく、各色の投射映像の投射画素と画素の区切りが最も鮮明となる位置に、各色の液晶パネル位置を調整することが必要である。
【0004】
従来のフォーカス調整は、基準となる緑色の映像を被投射面となるスクリーンに投射し、作業者が肉眼でスクリーン上の投射画素の切れ目のボケ方を目視で確認しながら、液晶プロジェクタに搭載される液晶パネルの光軸調整を行っていた。液晶パネルの光軸調整には、液晶パネルの位置X、Y、Zと、Z軸上の回転角度θと、X軸方向のパネルあおり角度Xθと,Y軸方向のパネルあおり角度Vθとの6軸の光軸調整を行うことができる6軸マニュピレータにより、液晶パネルの位置Zと、X軸方向のパネルあおり角度Xθと,Y軸方向のパネルあおり角度Vθとの3軸を調整し、当該3軸の位置関係で光学的に唯一決められる液晶パネルのフォーカス面位置を決定する。フォーカス調整は、赤、緑、青の3枚の液晶パネルについて行われ、各色毎に液晶パネルのフォーカス面位置を決定後、液晶パネルを光学部に接合して調整を終了する。
【0005】
特開2000−147694号公報には、スクリーン上の投射画素をカメラで撮像し、輝度を集計し、輝度の分散を求め、その分散が最も大きい画像を撮像した時の液晶ライトバルブのZ軸方向の位置にフォーカス調整を自動的に行う技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、カメラ感度と肉眼との視感度差により、青色や赤色の輝度値と肉眼での見た目との明るさが異なるため、カメラの輝度設定を適切に設定することが困難であり、実際のフォーカス調整では、スクリーンに投射された映像をカメラだけでなく、肉眼でも確認する必要があり、多大な工数がかかるという問題点があった。
【0007】
さらに、従来技術では、スクリーン上の投射映像が、調整している周辺環境の外部光や被投射面での反射光の影響で、投射画素の輝度分散の本来の性質が表れにくく、特に視認性の極めて悪い青色の場合には、フォーカスの自動調整を行っても投射映像のフォーカスが最もはっきりする位置(以下、フォーカス位置と称す)に光軸位置を正確に合わせることが難しいという問題点があった。
【0008】
さらに、従来技術では、投射映像の投射画素は、実際には縦(Y)方向と横(X)方向でボケ方が異なっており、液晶パネルの光軸移動に伴って、投射映像の形状がたえず変化するため、投射画素の輝度分散のみではフォーカス位置を正確に決定することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カメラ感度と肉眼との視感度差に関係なく、カメラで撮像した画像の輝度設定を適切に設定することができ、フォーカスの自動調整を行うことによりフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法を提供する点にある。
【0010】
さらに、本発明が目的とするところは、投射画素の輝度分散の本来の性質を明確化して、視認性の極めて悪い青色の場合にも、フォーカスの自動調整を行うことによりフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法を提供する点にある。
【0011】
さらに、本発明が目的とするところは、投射映像の投射画素の縦(Y)方向と横(X)方向でボケ方を考慮してフォーカスの自動調整を行うことによりフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本願発明は、液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整装置であって、前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を画像として撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された前記画像から疑似モノクロ画像を生成する疑似モノクロ画像生成手段と、該疑似モノクロ画像生成手段により生成された前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索するフォーカス探索手段と、該フォーカス探索手段により探索された光軸位置に前記液晶パネルを移動させる光軸調整機構手段とを具備することを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像生成手段は、前記疑似モノクロ画像の輝度分布Iとし、前記画像の色成分の輝度分布をそれぞれR、G、Bとすると、I=(28*R+77*G+151*B)/256、として前記疑似モノクロ画像を生成させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像のコントラストを強調するコントラスト強調手段を具備し、前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト強調手段によりコントラストを強調された前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記コントラスト強調手段は、前記疑似モノクロ画像の各輝度値における画素数を平均化させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像のX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行う投影処理手段を具備し、前記フォーカス探索手段は、前記投影処理手段によりX、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像に基づいて光軸位置を探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記投影処理手段によりX、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索する光量解析手段を具備し、前記フォーカス探索手段は、前記光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminに基づいて光軸位置を探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算するコントラスト感度計算手段を具備し、前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記コントラスト感度計算手段は、前記コントラスト感度Sx、SyをCx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)、Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)、Sx=1/Cx、Sy=1/Cy、と定義して計算させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整装置であって、前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索する光量解析手段と、該光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算するコントラスト感度計算手段と、該コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索するフォーカス探索手段と、該フォーカス探索手段により探索された光軸位置に前記液晶パネ ルを移動させる光軸調整機構手段とを具備し、前記コントラスト感度計算手段は、前記コントラスト感度Sx、SyをCx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)、Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)、Sx=1/Cx、Sy=1/Cyと定義して計算させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記撮像手段は、前記映像の4隅を撮像させ、前記フォーカス探索手段は、前記撮像手段により撮像された4隅の光軸位置をそれぞれ探索させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記フォーカス探索手段により探索された4隅の光軸位置に基づいて前記液晶パネルの法線方向の光軸、X軸方向のあおり角度XθおよびY軸方向のあおり角度Vθを補正する補正値を算出する光軸制御手段を具備することを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、前記撮像手段は、表面粗さが小さい白色素材パネルが張られているスクリーンに投射された前記映像を撮像させることを特徴とするフォーカス調整装置である。
さらに本願発明は、液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整方法であって、前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を画像として撮像し、該画像から疑似モノクロ画像を生成し、該疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索し、光軸調整機構手段を用いて探索した光軸位置に前記液晶パネルを移動させることを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像の輝度分布Iとし、前記画像の色成分の輝度分布をそれぞれR、G、Bとすると、I=(28*R+77*G+151*B)/256、として前記疑似モノクロ画像を生成することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像のコントラストを強調し、前記コントラストを強調した前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像の各輝度値における画素数を平均化することによりコントラストを強調することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記疑似モノクロ画像のX方向、Y方向について方向別に輝 度積分を行い、該X、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像に基づいて 光軸位置を探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記X、Y方向別に輝度積分した前記疑似モノクロ画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索し、該探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminに基づいて光軸位置を探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記探索したPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算し、該コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記コントラスト感度Sx、SyをCx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)、Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)、Sx=1/Cx、Sy=1/Cy、と定義して計算することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整方法であって、前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を撮像し、該撮像された画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax 、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索し、該探索したPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、SyをCx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)、Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)、
Sx=1/Cx、Sy=1/Cyと定義して計算し、該計算したコントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索し、光軸調整機構手段を用いて探索した光軸位置に前記液晶パネルを移動させることを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記算出した前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記映像の4隅を撮像し、該撮像した4隅の光軸位置をそれぞれ探索することを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、前記探索した4隅の光軸位置に基づいて前記液晶パネルの法線方向の光軸、X軸方向のあおり角度XθおよびY軸方向のあおり角度Vθを補正する補正値を算出するとを特徴とするフォーカス調整方法である。
さらに本願発明は、表面粗さが小さい白色素材パネルが張られているスクリーンに投射された前記映像を撮像することを特徴とするフォーカス調整方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るフォーカス調整装置の実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す平面図であり、図3は、図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す側面図であり、図4は、図1に示すカラーCCDカメラによるスクリーン上の撮像位置を示す図であり、図5は、図1に示す画像認識処理部の構成を示すブロック図であり、図6は、図1に示す光軸調整機構部により移動させる液晶プロジェクタの光学部品の調整光軸と各色毎の液晶パネルとの位置関係を示す図である。
【0015】
本実施の形態は、図1に示すように、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dと、A/D変換回路11と、デジタル画像統合器12と、画像メモリ13と、画像認識処理部14と、光軸制御部15と、光軸調整機構部8とで構成されている。なお、図1においては省略されているが、A/D変換回路11は、カラーCCDカメラ3aと同様に、カラーCCDカメラ3b、3c、3dとデジタル画像統合器12との間にも設けられている。
【0016】
カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dは、図2および図3に示すように、投射型表示装置である液晶プロジェクタ1からスクリーン2のスクリーン投射面に投射された投射映像の4隅を撮像する位置に配置されている。液晶プロジェクタ1には、映像信号発生器4が接続されており、液晶プロジェクタ1は、映像信号発生器4から提供される単色ラスタースキャン映像に対応して、該当色に対応する液晶パネルを通過させてスクリーン2に単色の投射映像を投射する。また、液晶プロジェクタ1からの投射映像以外の光を防ぐため、暗幕テント5により、スクリーン投射面を含む液晶プロジェクタ1の投射範囲を外光からすべて遮断している。
【0017】
スクリーン2には、図4に示すように、表面粗さが小さいフォト印字用紙、標準白色ボード等の白色素材パネル6a、6b、6c、6d が張られており、それぞれが投射映像の4隅が収まる位置に配置されている。スクリーン2および白色素材パネル6a、6b、6c、6dは、液晶プロジェクタ1の投射光軸に垂直になる様に設置されている。白色素材パネル6a、6b、6c、6d として標準白色ボードを使用する場合には、表面粗さが10点平均粗さで0.05Z以下であることが望ましく、フォト印字用紙を使用する場合にも、10点平均粗さで0.05Z以下のものを使用すると好適である。
【0018】
カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dは、白色素材パネル6a、6b、6c、6d上の投射映像の4隅が十分収まる位置にそれぞれ設置され、白色素材パネル6a、6b、6c、6dに投射された領域の投射映像を撮像する。
【0019】
A/D変換回路11は、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dが撮像したカラー画像をそれぞれA/D変換する。A/D変換は、カラー画像の色成分である赤(R)色、緑(G)色、青(B)色毎に行われる。
【0020】
デジタル画像統合器12は、投射映像の4隅に設置されているカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dにより撮像され、A/D変換されたカラー画像を統合した統合デジタル画像データを生成する。統合デジタル画像データは、4箇所のカメラ3a、3b、3c、3dが撮像した4つの画像を1フレームの画像信号として取り扱うことを目的として生成され、色成分毎に生成される。
【0021】
画像メモリ13は、デジタル画像統合器12により生成されたR色、G色、B色の統合デジタル画像データを色成分毎に記憶する。
【0022】
画像認識処理部14は、図5に示すように、画像認識処理を行う疑似モノクロ画像生成部16、コントラスト画像生成部17、フォーカス検査エリア生成部18および投影処理部19と、コントラスト演算処理を行うエリア内光量解析部20、コントラスト感度計算部21およびコントラスト探索部22とで構成される。
【0023】
疑似モノクロ画像生成部16は、画像メモリ13内に色成分毎に記憶された各色成分の統合デジタル画像データの輝度値を用いて被投射面での光強度に近い濃淡画像である疑似モノクロ画像を生成する。
【0024】
コントラスト画像生成部17は、疑似モノクロ画像生成部16により生成された疑似モノクロ画像のコントラスト強調処理を行い、スクリーン2の被投射面での輝度分布特徴を継承したままで、輝度分布特徴を強調し、投射映像の明るい部分と暗い部分との画素の輝度差を大きくとることで、コントラストを上げ、画像を鮮明化する。
【0025】
フォーカス検査エリア生成部18は、スクリーン2の4箇所の撮像位置に対応するカメラ視野位置の画像領域にフォーカス検査エリアを設定する。
【0026】
投影処理部19は、フォーカス検査エリア生成部18により設定されたフォーカス検査エリア内のX、Y方向別に輝度積分を行い、X、Y方向別の投射画素領域の被投射面での光強度分布を強調した正弦波形状の特徴変異として表す。
【0027】
エリア内光量解析部20は、投影処理部19で得られたX、Y方向の輝度積分値の最大値と最小値を探索する。
【0028】
コントラスト感度計算部21は、エリア内光量解析部20により探索されたX、Y方向のそれぞれの輝度積分値の最大値、最小値からコントラスト感度を計算する。
【0029】
コントラスト探索部22は、光軸移動範囲内で光軸をステップ移動させた各位置での各フォーカス検査エリア毎のコントラスト感度の最小値をそれぞれ探索し、各フォーカス検査エリア毎にコントラスト感度が最小値となる光軸位置を投射映像のフォーカスが最もはっきりして投射映像が最も鮮明になるフォーカス位置として求める。
【0030】
光軸制御部15は、コントラスト探索部22により求められた各フォーカス検査エリア毎のフォーカス位置に基づいて、フォーカス重心と液晶プロジェクタ1内の液晶パネル9a、9b、9cの傾き補正値とを一意に算出し、算出したフォーカス重心と補正値とを指令値として光軸調整機構部8に送出する。
【0031】
光軸調整機構部8は、光軸制御部15からの指令値に基づいて液晶プロジェクタ1の光学部品の取り付け位置を調整する機構であり、図6に示す液晶パネル9a、9b、9cを、液晶パネル9a、9b、9cからの光を色合成を行うダイクロイックプリズム10に取り付ける際の光軸の調整を行う。
【0032】
図6において、X、Y、Z、θ、Xθ、Yθは、光軸調整機構部8により移動させる液晶パネル9a(G色を担当)の各調整光軸を示したもので、液晶パネル9a平面に垂直な入射光方向(法線方向)をZ軸として定めている。液晶パネル9aは、パネル位置X、Y、Zと、Z軸上の回転角度θと、X軸方向のパネルあおり角度Xθと,Y軸方向のパネルあおり角度Vθとの6軸で位置が決定されるが、フォーカス調整には、Z軸、Xθ軸 、Yθ軸の3軸の調整光軸の調整が行われる。R色を担当する液晶パネル9b、B色を担当する液晶パネル9cでも同様な光軸座標配置となっている。
【0033】
次に、本実施の形態の動作について図7を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明に係るフォーカス調整装置の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
まず、映像信号発生器4は、液晶プロジェクタ1に単色ラスタースキャン映像を提供し(ステップA1)、液晶プロジェクタ1は、提供された単色ラスタースキャン映像を該当色に対応する液晶パネル9a、9b、9cのいずれかを通過させてスクリーン2に単色投射映像として投射する(ステップA2)。単色ラスタースキャン映像は、フォーカス調整を行うための映像で、G色を担当する液晶パネル9aのフォーカス調整には、G色の単色ラスタースキャン映像が、R色を担当する液晶パネル9bのフォーカス調整には、R色の単色ラスタースキャン映像が、B色を担当する液晶パネル9cのフォーカス調整には、B色の単色ラスタースキャン映像がそれぞれ用いられる。以下、G色を担当する液晶パネル9aのフォーカス調整を行う例を説明する。
【0035】
次に、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dにより白色素材パネル6a、6b、6c、6dに投射されたG色の投射映像の4隅をそれぞれカラー画像として撮像し(ステップA3)、A/D変換回路11により撮像したそれぞれカラー画像の色成分毎にA/D変換を行い(ステップA4)、デジタル画像統合器12によりA/D変換された4つのカラー画像を統合した統合デジタル画像データを色成分毎に生成し(ステップA5)、画像メモリ13内に各色成分毎に記憶する。スクリーン2には、G色を担当する液晶パネル9aを通過したG色投射映像が投射されているが、実際には、R色、B色の成分も含まれているため、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dによりカラー画像として撮像する。
【0036】
図8は、図5に示すデジタル画像統合器により生成される統合デジタル画像データ例を示す図である。
デジタル画像統合器12により生成される統合デジタル画像データは、図8に示すように、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dで撮像してA/D変換した4つのカラー画像を統合したものであり、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dに対応する各エリアは、投射画素の明るい部分と投射画素間の切れ目となる暗い部分とからなる。また、統合ジタル画像データの1フレーム内画素位置(x,y)の輝度分布は、画像メモリ13内に色成分毎に、R(x,y)、G(x,y)、B(x,y)(以下、それぞれR、G、Bで記述する)として記憶される。デジタル画像データ統合器12で4箇所のカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dの画像を1画面で確認できる統合デジタル画像データとして統合することにより、4箇所のカメラが撮像した4つの映像を1フレームの画像信号として取り扱うことができ、画像認識処理部14での画像処理およびフォーカス演算処理を行う際に、4つの映像を同時に一括実行できるため、個々のカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dの映像毎に画像処理をしなくても良く、撮像回数、画像処理演算回数を減らすことで調整時間を短縮することができる。
【0037】
次に、疑似モノクロ画像生成部16により疑似モノクロ画像を生成する(ステップA6)。
疑似モノクロ画像生成部16は、画像メモリ13に記憶された統合デジタル画像データを画像メモリ13から読み出し、統合デジタル画像データの各色成分の輝度分布R、G、Bに重み付けをしてモノクロ化した疑似モノクロ画像を生成する。疑似モノクロ画像を生成する際の輝度分布R、G、Bの重み付けとしては、例えば、統合デジタル画像データ内の1フレーム内画素位置(x,y)上での疑似モノクロ画像の輝度分布I(x,y)を
I(x,y)=(28*R+77*G+151*B)/256
として計算し、疑似モノクロ画像を生成する。なお、当該数式は、「C言語で学ぶ実践画像処理(オーム社)」105頁記載の輝度信号と色信号の変換式を応用したものである。
【0038】
次に、コントラスト画像生成部17により疑似モノクロ画像生成部16で生成された疑似モノクロ画像に対してコントラスト強調処理を行う(ステップA7)。
図9は、図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理を説明するための各輝度値毎の画素数のヒストグラムであり、図10は、図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理のアルゴリズムを説明するための説明図であり、図11は、図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理前後の同一領域の輝度分布を比較するためのグラフである。
【0039】
コントラスト画像生成部17は、図9(a)に示すように、疑似モノクロ画像生成部16で生成された疑似モノクロ画像の全画素数を求め、輝度値別のヒストグラムをとり、図9(b)に示すように、各輝度値における画素数を平均化する。
【0040】
疑似モノクロ画像において輝度値0〜7までに図10(a)に示す状態で画素数が分布していた場合、全画素数は、2+6+2+5+4+3+2+0=24となり、輝度値は、8段階に分かれているため、全画素数を8で割ると、1つの輝度値に割り当てられる画素数として3が得られる。疑似モノクロ画像の輝度が高い方(輝度値7)から3個ずつ画素を取り出し、図10(b)に示すように、新しく輝度値7から各輝度値の画素数が3になるように割り当てる。このように画素数の多いところから少ないところに画素を割り振ることで輝度値毎の画素数を等しくし、コントラストを強調する。
【0041】
図11は、スクリーン2上の白色素材パネル6aに投射されたB色の投射映像の投射画素間の輝度分布をコントラスト強調処理する前後の同一領域の輝度分布を比較したものであり、コントラスト強調処理により、投射画素の明るい部分と、投射画素の区切りである暗い部分との輝度差が大きくなり、コントラストが強調されていることがわかる。なお、図11において、X座標の23〜27付近が投射画素間の切れ目となる暗い部分に対応する。
【0042】
次に、フォーカス検査エリア生成部18によりフォーカス検査エリアを設定する(ステップA8)。
図12は、図5に示すフォーカス検査エリア生成部によって生成されるフォーカス検査エリアの位置関係を示す図である。
【0043】
フォーカス検査エリア生成部18は、図12に示すように、統合デジタル画像の4箇所にフォーカス検査エリアを設定する。フォーカス検査エリアは、スクリーンの4隅を撮像しているカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dに対応させて設定する。統合デジタル画像において投射画素の分布は、カメラ視野内のどの位置でもほぼ一定であることから、図12に示すように、フォーカス検査エリアのサイズは、投射画素数が3画素程度の範囲に設定している。これは、フォーカス調整のための演算に必要な画素数を最小限して演算回数を軽減することで高速化を実現するためである。
【0044】
次に、投影処理部19によりフォーカス検査エリア内での光の分布特徴となるX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行う(ステップA9)。
図13は、図5に示す投影処理部による輝度積分によって得られた輝度積分値の分布と投射画素との関係を示す図である。
【0045】
投影処理部19は、フォーカス検査エリア生成部18により設定されたフォーカス検査エリアのX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行う。輝度積分を行うことで、図13に示すように、図11に示す輝度値分布の特徴よりも、投射画素の明るい部分と投射画素間の切れ目となる暗い部分での光量分布の特徴を明瞭に捉えることができる。
【0046】
次に、エリア内光量解析部20により投影処理部19で得られたX、Y方向の輝度積分値の最大値と最小値を探索する(ステップA10)。
【0047】
エリア内光量解析部20は、図13に示すフォーカス検査エリア内のX方向の輝度積分値の最大値PXmaxと、X方向の輝度積分値の最小値PXminと、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxと、Y方向の輝度積分値の最小値PYminとを探索する。
【0048】
次に、コントラスト感度計算部21によりエリア内光量解析部20で探索されたX、Y方向の輝度積分値の最大値、最小値から画像鮮明度に相当する値をコントラスト感度として計算し、(ステップA11)、算出したコントラスト感度から画像が最も鮮明になるフォーカス位置を求める(ステップA12)。
【0049】
コントラスト感度計算部21は、まず各フォーカス検査エリア内のX方向のコントラストCxとY方向のコントラストCyとをそれぞれ計算する。Cx、Cyは、それぞれ
Cx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)
Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)
として定義されている(実際には、分子および分母に1/2が存在するが省略している)。
【0050】
X方向、Y方向のコントラストCx、Cyの分子は、輝度積分値の最大値と最小値との差を1/2したもので投射映像パターンの光量変化量を示し、X方向、Y方向のコントラストCx、Cyの分母は、輝度積分値の最大値と最小値との和を1/2したもので投射映像パターンの平均光量を示す。従って、X方向、Y方向のコントラストCx、Cyは、投射映像パターンの平均光量に対して投射映像パターンの光量変化量が占める割合を表している。
【0051】
コントラスト感度計算部21は、Cx、Cyに基づいて各フォーカス検査エリア内のX方向のコントラスト感度SxとY方向のコントラスト感度Syとをそれぞれ計算する。Sx、Syは、Cx、Cyのそれぞれの逆数であり、
Sx=1/Cx
Sy=1/Cy
として表すことができる。
【0052】
コントラスト感度計算部21は、Sx、Syに基づいて各フォーカス検査エリア内のコントラスト感度S(z)を計算する。S(z)は、SxとSyとの平均値であり、
S(z)=(Sx+Sy)/2
として表すことができる。
【0053】
ステップA3〜ステップA11までの処理は、光軸調整機構部8によりZ軸方向の光軸移動範囲内で液晶パネル9aをステップ移動させながら行われ、コントラスト感度計算部21は、算出したコントラスト感度S(z)と、算出時のZ軸位置とを対応させて記憶する。
【0054】
次に、コントラスト探索部22によりコントラスト感度計算部21で各フォーカス検査エリア毎に計算されたコントラスト感度からフォーカス位置を求める(ステップA12)。
【0055】
コントラスト探索部22は、各フォーカス検査エリア毎に算出したコントラスト感度S(z)が最小になるZ軸位置をフォーカス位置として求める。各フォーカス検査エリア毎(左上、右上、左下、右下)のフォーカス位置は、それぞれZa、Zb、Zc、Zdとして求める。Za、Zb、Zc、Zdは、
Za=min{S(z)}
Zb=min{S(z)}
Zc=min{S(z)}
Zd=min{S(z)}
として表すことができる。
【0056】
コントラスト感度S(z)が最小値になるZ軸位置がフォーカス位置となる理由について説明する。
図14は、Z軸を10um間隔で移動して撮像した時の図5に示す投影処理部により輝度積分されたX方向の輝度積分値の変化を示す図であり、図15は、図5に示す投影処理部により輝度積分された輝度積分値の最大値および最小値とZ軸を10um間隔で移動して撮像した時のZ軸位置との関係を示す図であり、図16は、図5に示す投影処理部により輝度積分された輝度積分値の最大値から最小値を引いた値とZ軸を10um間隔で移動して撮像した時のZ軸位置との関係を示す図であり、図17は、図5に示す投影処理部により輝度積分されたX、Y方向の輝度積分値のZ軸を移動して撮像した時の変化の傾向を説明するための説明図であり、図18は、図5に示すコントラスト感度計算部により計算されるコントラスト感度とZ軸位置との関係を示す図である。
【0057】
図14には、フォーカス位置を中心に+−方向にそれぞれ50umまで10um間隔でB色を担当する液晶パネル9cをZ軸方向に移動させた際の、投影処理部19により輝度積分されたX方向の輝度積分値がそれぞれプロットされている。図14を参照すると、プロットされた値に幅があることがわかり、液晶パネル9cをZ軸方向に移動させることにより、X方向の輝度積分値の最大値PXmaxおよびX方向の輝度積分値の最小値PXminが変化していることがわかる。また、液晶パネル9cをZ軸方向に移動させることにより、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminも変化する。
【0058】
液晶パネル9cをZ軸方向に移動させることによるPXmaxおよびPXminの変化と、PYmaxおよびPYminの変化とは、それぞれ相反する性質を有する。すなわち、図15に示すように、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合には、PXmaxは、減少し、PYmaxは、増加し、PXminは、増加し、PYminは、減少する。
【0059】
従って、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合には、図16に示すように、(PXmax−PXmin)は、減少し、Y方向の投射映像パターンの光量変化量(PYmax−PYmin)は、増加し、(PXmax+PXmin)と(PYmax+PYmin)とは、ほとんど変化しない。
【0060】
すなわち、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合には、図17に示すように、X方向の輝度積分値の最大値と最小値との差であるX方向の投射映像パターンの光量変化量は、縮小し、Y方向の輝度積分値の最大値と最小値との差であるY方向の投射映像パターンの光量変化量は、拡大し、投射映像パターンの光量変化量の性質は、X方向とY方向とでは、相反している。
【0061】
従って、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合のコントラスト感度Sx、Syの変化は、図18に示すように、Sxは、増加し、Syは、減少し、SxとSyとは、フォーカス位置で相反する性質を有し、SxとSyとの平均値であるコントラスト感度S(z)は、図18の中央の曲線で示すように、最も投射画像が鮮明となるフォーカス位置で最小値となる。
【0062】
次に、光軸制御部15により各フォーカス検査エリアのフォーカス位置に基づいて光軸調整機構部8への指令値を生成する(ステップA13)。
図19は、図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係を示す図であり、図20は、図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係をX軸上側から見た図であり、図21は、図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係をY軸上側から見た図である。
【0063】
液晶パネル9aは、Z軸の光軸方向に対して、回転、傾き、X、Y方向のあおり角度があり、投射面までの光路長に差が出るため、各フォーカス検査エリア(左上、右上、左下、右下)をカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dでそれぞれ撮像したカラー画像からそれぞれ得られるフォーカス位置Za、Zb、Zc、Zdは、一致しない。従って、フォーカス位置Za、Zb、Zc、Zdから、液晶パネル9aの中心が通る真のフォーカス面位置を見つければ、最終的な液晶パネルのフォーカス位置を探索できる。
【0064】
図19は、液晶パネル9aと液晶パネル9aの中心を原点とする光軸座標系との位置関係を示すもので、図19は、Z軸について、図20は、X軸上側から見た場合の位置関係、図21は、Y軸上側から見た場合の位置関係で、実際の液晶パネルはZ軸方向以外の他の光軸、Xθ方向、Yθ方向、θに対して傾いている時の状態を示している。
【0065】
図19、図20および図21に示す光軸位置と液晶パネル9aとの幾何学的関係から、液晶パネル9aのフォーカス面は、Z軸方向の4つのフォーカス検査エリアのフォーカス面が交差する位置となり、各フォーカス検査エリアでのフォーカス位置から計算されるフォーカス重心に等しくなる。
【0066】
従って、液晶パネル9aのスクリーン2に垂直な光軸(Z軸)の真のフォーカス位置Zは、
Z={Za+Zb+Zc+Zd}/4
と計算される。
【0067】
また、液晶パネル9aの縦、横の長さを、それぞれLh、Lvとすると、Xθ、Yθ軸の回転方向の調整補正量θx、θyは、液晶パネルの頂点と光軸との位置関係から
θx=sin−1( {(Za+Zb)−(Zc+Zd)}/2Lh)
θy=sin−1( {(Za+Zc)−(Zb+Zd)}/2Lv)
と計算され、フォーカス面のあおり角度をキャンセルする様に、θx、θyの光軸を動かすことにより、Xθ、Yθの光軸でのフォーカス調整をすることなく、液晶パネル9aと調整光軸との幾何学関係と、投射映像の各フォーカス検査エリアのフォーカス位置とから液晶パネル9aのフォーカス面が決定することができる。
【0068】
コントラスト探索部22は、真のフォーカス位置Zと、Xθ、Yθ軸の回転方向の調整補正量θx、θyとを光軸調整機構部8への指令値として生成し、光軸調整機構部8は、コントラスト探索部22からの指令値に基づいて液晶パネル9aの光軸調整を行い(ステップA14)、その他の位置合わせに問題がなければ、ダイクロイックプリズム10に液晶パネル9aが半田付け接合等で固定される。
【0069】
ステップA1からステップA14までの処理は、液晶パネル9a、9b、9c毎に行われ、ダイクロイックプリズム10に取り付けられる全ての液晶パネル9a、9b、9cのフォーカス調整が行われる。
【0070】
図22は、図5に示すコントラスト探索部により生成される指令値に基づく調整による調整時間短縮例を示す図である。
R色、G色、B色全ての投射画像のフォーカス調整を行った時の調整時間の比較を行った際に、コントラスト探索部により生成される指令値(幾何学関係を用いた1軸高速調整)による調整時間と、各軸毎に個別調整した場合(3軸個別調整)の調整時間とは、図22に示すように、明らかに、1軸高速調整の調整時間の方が3軸個別調整の調整時間に比べて、約2.5倍に向上していることがわかる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、疑似モノクロ画像生成部16により画像メモリ13内に色成分毎に記憶された各色成分の統合デジタル画像データの輝度値を用いて被投射面での光強度に近い濃淡画像である疑似モノクロ画像を生成し、単色で撮像された画像を投射された映像の色に無関係な輝度情報として扱うことができるため、カメラ感度と肉眼との視感度差に関係なく、カメラで撮像した画像の輝度設定を適切に設定することでき、フォーカスの自動調整を行うことにより投射映像のフォーカスがはっきりするフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0072】
さらに、本実施の形態によれば、コントラスト画像生成部17により疑似モノクロ画像の輝度分布状態を求めて、輝度値毎のヒストグラムを作成し、各輝度値の画素数が等しくなるように輝度変換を施すことで、被投射面での光強度分布特徴を継承したままで輝度分布特徴を強調し、投射映像の明るい部分と暗い部分との画素の輝度差を大きくとることで、コントラストを上げて画像を鮮明化することができるため、投射画素の輝度分散の本来の性質を明確化して、視認性の極めて悪い青色の場合にも、フォーカスの自動調整を行うことにより、投射映像の投射画素領域の鮮明度が最も良好となるフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0073】
さらに、本実施の形態によれば、投影処理部19によりフォーカス検査エリア内での光の分布特徴となるX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行うことで、方向別の投射画素領域の被投射面での輝度分布を強調した正弦波形状の特徴変異として表すことができるため、投射映像の投射画素の縦(Y)方向と横(X)方向でボケ方を考慮したフォーカスの自動調整を行うことができ、光軸に伴う個々の投射画素の画素形状変動や投射画素間に発生するフレア、画像ノイズの影響を受けにくく、投射映像のどの位置をとっても普遍的な特徴をとることができ、投射映像の投射画素領域の鮮明度が最も良好となるフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0074】
さらに、本実施の形態によれば、スクリーン2上の輝度分布を強調した輝度積分値の最大値と最小値からX、Yそれぞれの方向のコントラスト感度Sx、Syを求め、コントラスト感度Sx、Syの和の平均値であるコントラスト感度S(z)が最小値となる光軸位置をフォーカス位置として求めるため、液晶パネル9a、9b、9cの法線方向であるZ方向の光軸位置移動に対して、X、Y方向で投射画素のボケの程度が異なる特性を一元的に取り扱うことができ、投射映像のフォーカスがはっきりするフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0075】
さらに、本実施の形態によれば、スクリーン2上に張られた表面粗さが小さいフォト印字用紙、標準白色ボード等の白色素材パネル6a、6b、6c、6dに投射された投射画像を撮像するため、スクリーンの凹凸による光の乱反射や外光の反射光の影響を受けずに、液晶プロジェクタ1本来の光学特性を反映した投射映像を撮像することができ、投射映像全体のフォーカスが最も鮮明となるフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0076】
なお、本実施の形態では、投射映像の4隅に配置されたカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dにより投射映像を撮像し、各撮像箇所毎のフォーカス位置を求めたが、X軸方向のあおり角度XθおよびY軸方向のあおり角度Vθのずれが問題にならない程度であれば、投射映像の中央の1箇所等に撮像箇所を減らしても良い。
【0077】
また、本実施の形態では、スクリーン2に投射された投射映像を撮像した画像に基づいてフォーカス位置を求めてフォーカス調整を行うようにしたが、スクリーン2に投射される前の映像からフォーカス検査用の画像を得るようにしても良い。スクリーン2に投射される前の映像からフォーカス検査用の画像を得るためには、投射光を液晶プロジェクタ1内で分光し、分光した投射光を光電変換器等で受光すれば良い。
【0078】
このように液晶プロジェクタ1内でフォーカス検査用の画像を得ることができ、本実施の形態のA/D変換回路11、デジタル画像統合器12、画像メモリ13、画像認識処理部14、光軸制御部15および光軸調整機構部8が液晶プロジェクタ1内に設けられている場合には、製造工程でのフォーカス調整のみでなく、製品として組み立てた後のフォーカス調整を行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、投射型表示装置の光学系の液晶パネルの位置調整について説明したが、液晶パネルをDMD(デジタルミラーデバイス)を用いた光デバイスに置き換えたDLP型プロジェクタにおけるDMD(デジタルミラーデバイス)の位置調整による投射画像調整にも有効である。
【0080】
なお、本発明が上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0081】
【発明の効果】
本発明のフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法は、色成分毎に記憶された各色成分の統合デジタル画像データの輝度値を用いて被投射面での光強度に近い濃淡画像である疑似モノクロ画像を生成し、単色で撮像された画像を投射された映像の色に無関係な輝度情報として扱うことができるため、カメラ感度と肉眼との視感度差に関係なく、カメラで撮像した画像の輝度設定を適切に設定することでき、フォーカスの自動調整を行うことにより投射映像のフォーカスがはっきりするフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0082】
さらに、本発明のフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法は、疑似モノクロ画像の輝度分布状態を求めて、輝度値毎のヒストグラムを作成し、各輝度値の画素数が等しくなるように輝度変換を施すことで、被投射面での光強度分布特徴を継承したままで輝度分布特徴を強調し、投射映像の明るい部分と暗い部分との画素の輝度差を大きくとることで、コントラストを上げて画像を鮮明化することができるため、投射画素の輝度分散の本来の性質を明確化して、視認性の極めて悪い青色の場合にも、フォーカスの自動調整を行うことにより、投射映像の投射画素領域の鮮明度が最も良好となるフォーカス位置光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0083】
さらに、本発明のフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法は、フォーカス検査エリア内での光の分布特徴となるX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行うことで、方向別の投射画素領域の被投射面での輝度分布を強調した正弦波形状の特徴変異として表すことができるため、投射映像の投射画素の縦(Y)方向と横(X)方向でボケ方を考慮したフォーカスの自動調整を行うことができ、光軸に伴う個々の投射画素の画素形状変動や投射画素間に発生するフレア、画像ノイズの影響を受けにくく、投射映像のどの位置をとっても普遍的な特徴をとることができ、投射映像の投射画素領域の鮮明度が最も良好となるフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0084】
さらに、本発明のフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法は、スクリーン上の輝度分布を強調した輝度積分値の最大値と最小値からX、Yそれぞれの方向のコントラスト感度Sx、Syを求め、コントラスト感度Sx、Syの和の平均値であるコントラスト感度S(z)が最小値となる光軸位置をフォーカス位置として求めるため、液晶パネルの法線方向であるZ方向の光軸位置移動に対して、X、Y方向で投射画素のボケの程度が異なる特性を一元的に取り扱うことができ、投射映像のフォーカスがはっきりするフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0085】
さらに、本発明のフォーカス調整装置およびフォーカス調整方法は、スクリーン上に張られた表面粗さが小さいフォト印字用紙、標準白色ボード等の白色素材パネルに投射された投射画像を撮像するため、スクリーンの凹凸による光の乱反射や外光の反射光の影響を受けずに、液晶プロジェクタ本来の光学特性を反映した投射映像を撮像することができ、投射映像全体のフォーカスが最も鮮明となるフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォーカス調整装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す平面図である。
【図3】図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す側面図である。
【図4】図1に示すカラーCCDカメラによるスクリーン上の撮像位置を示す図である。
【図5】図1に示す画像認識処理部の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す光軸調整機構部により移動させる液晶プロジェクタの光学部品の調整光軸と各色毎の液晶パネルとの位置関係を示す図である。
【図7】本発明に係るフォーカス調整装置の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図5に示すデジタル画像統合器により生成される統合デジタル画像データ例を示す図である。
【図9】図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理を説明するための各輝度値毎の画素数のヒストグラムである。
【図10】図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理のアルゴリズムを説明するための説明図である。
【図11】図5に示すコントラスト画像生成部によるコントラスト強調処理前後の同一領域の輝度分布を比較するためのグラフである。
【図12】図5に示すフォーカス検査エリア生成部によって生成されるフォーカス検査エリアの位置関係を示す図である。
【図13】図5に示す投影処理部による輝度積分によって得られた輝度積分値の分布と投射画素との関係を示す図である。
【図14】Z軸を10um間隔で移動して撮像した時の図5に示す投影処理部により輝度積分されたX方向の輝度積分値の変化を示す図である。
【図15】図5に示す投影処理部により輝度積分された輝度積分値の最大値および最小値とZ軸を10um間隔で移動して撮像した時のZ軸位置との関係を示す図である。
【図16】図5に示す投影処理部により輝度積分された輝度積分値の最大値から最小値を引いた値とZ軸を10um間隔で移動して撮像した時のZ軸位置との関係を示す図である。
【図17】図5に示す投影処理部により輝度積分されたX、Y方向の輝度積分値のZ軸を移動して撮像した時の変化の傾向を説明するための説明図である。
【図18】図5に示すコントラスト感度計算部により計算されるコントラスト感度とZ軸位置との関係を示す図である。
【図19】図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係を示す図である。
【図20】図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係をX軸上側から見た図である。
【図21】図5に示す光軸調整機構部が調整する液晶パネルと光軸座標系との位置関係をY軸上側から見た図である。
【図22】図5に示すコントラスト探索部により生成される指令値に基づく調整による調整時間短縮例を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶プロジェクタ
2 スクリーン
3a、3b、3c、3d カラーCCDカメラ
4 映像信号発生器
5 暗幕テント
6a、6b、6c、6d 白色素材パネル
7 認識制御部
8 光軸調整機構部
9a、9b、9c 液晶パネル
10 ダイクロイックプリズム
11 A/D変換回路
12 デジタル画像統合器
13 画像メモリ
14 画像認識処理部
15 光軸制御部
16 疑似モノクロ画像生成部
17 コントラスト画像生成部
18 フォーカス検査エリア生成部
19 投影処理部
20 エリア内光量解析部
21 コントラスト感度計算部
22 コントラスト探索部
Claims (28)
- 液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整装置であって、
前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を画像として撮像する撮像手段と、
該撮像手段により撮像された前記画像から疑似モノクロ画像を生成する疑似モノクロ画像生成手段と、
該疑似モノクロ画像生成手段により生成された前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索するフォーカス探索手段と、
該フォーカス探索手段により探索された光軸位置に前記液晶パネルを移動させる光軸調整機構手段とを具備することを特徴とするフォーカス調整装置。 - 前記疑似モノクロ画像生成手段は、前記疑似モノクロ画像の輝度分布Iとし、前記画像の色成分の輝度分布をそれぞれR、G、Bとすると、
I=(28*R+77*G+151*B)/256
として前記疑似モノクロ画像を生成させることを特徴とする請求項1記載のフォーカス調整装置。 - 前記疑似モノクロ画像のコントラストを強調するコントラスト強調手段を具備し、
前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト強調手段によりコントラストを強調された前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索させることを特徴とする請求項1又は2記載のフォーカス調整装置。 - 前記コントラスト強調手段は、前記疑似モノクロ画像の各輝度値における画素数を平均化させることを特徴とする請求項3記載のフォーカス調整装置。
- 前記疑似モノクロ画像のX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行う投影処理手段を具備し、
前記フォーカス探索手段は、前記投影処理手段によりX、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像に基づいて光軸位置を探索させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のフォーカス調整装置。 - 前記投影処理手段によりX、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索する光量解析手段を具備し、
前記フォーカス探索手段は、前記光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminに基づいて光軸位置を探索させることを特徴とする請求項5記載のフォーカス調整装置。 - 前記光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算するコントラスト感度計算手段を具備し、
前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索させることを特徴とする請求項6記載のフォーカス調整装置。 - 前記コントラスト感度計算手段は、前記コントラスト感度Sx、Syを
Cx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)
Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)
Sx=1/Cx
Sy=1/Cy
と定義して計算させることを特徴とする請求項7記載のフォーカス調整装置。 - 前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト感度計算手段により算 出された前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索させることを特徴とする請求項8記載のフォーカス調整装置。
- 液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整装置であって、
前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段により撮像された画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索する光量解析手段と、
該光量解析手段により探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算するコントラスト感度計算手段と、
該コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索するフォーカス探索手段と、
該フォーカス探索手段により探索された光軸位置に前記液晶パネルを移動させる光軸調整機構手段とを具備し、
前記コントラスト感度計算手段は、前記コントラスト感度Sx、Syを
Cx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)
Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)
Sx=1/Cx
Sy=1/Cy
と定義して計算させることを特徴とするフォーカス調整装置。 - 前記フォーカス探索手段は、前記コントラスト感度計算手段により算出された前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索させることを特徴とする請求項10記載のフォーカス調整装置。
- 前記撮像手段は、前記映像の4隅を撮像させ、
前記フォーカス探索手段は、前記撮像手段により撮像された4隅の光軸位置をそれぞれ探索させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のフォーカス調整装置。 - 前記フォーカス探索手段により探索された4隅の光軸位置に基づいて前記液晶パネルの法線方向の光軸、X軸方向のあおり角度XθおよびY軸方向のあおり角度Vθを補正する補正値を算出する光軸制御手段を具備することを特徴とする請求項12記載のフォーカス調整装置。
- 前記撮像手段は、表面粗さが小さい白色素材パネルが張られているスクリーンに投射された前記映像を撮像させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のフォーカス調整装置。
- 液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整方法であって、
前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を画像として撮像し、
該画像から疑似モノクロ画像を生成し、
該疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索し、
光軸調整機構手段を用いて探索した光軸位置に前記液晶パネルを移動させることを特徴とするフォーカス調整方法。 - 前記疑似モノクロ画像の輝度分布 I とし、前記画像の色成分の輝度分布をそれぞれR、G、Bとすると、
I =(28*R+77*G+151*B)/256
として前記疑似モノクロ画像を生成することを特徴とする請求項15記載のフォーカス調整方法。 - 前記疑似モノクロ画像のコントラストを強調し、
前記コントラストを強調した前記疑似モノクロ画像の輝度分布に基づいて光軸位置を探索することを特徴とする請求項15又は16記載のフォーカス調整方法。 - 前記疑似モノクロ画像の各輝度値における画素数を平均化することによりコントラストを強調することを特徴とする請求項17記載のフォーカス調整方法。
- 前記疑似モノクロ画像のX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行い、
該X、Y方向別に輝度積分された前記疑似モノクロ画像に基づいて光軸位置を探索することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載のフォーカス調整方法。 - 前記X、Y方向別に輝度積分した前記疑似モノクロ画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索し、
該探索されたPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminに基づいて光軸位置を探索することを特徴とする請求項19記載のフォーカス調整方法。 - 前記探索したPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを計算し、
該コントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索することを特徴とする請求項20記載のフォーカス調整方法。 - 前記コントラスト感度Sx、Syを
Cx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)
Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)
Sx=1/Cx
Sy=1/Cy
と定義して計算することを特徴とする請求項21記載のフォーカス調整方法。 - 前記算出した前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索することを特徴とする請求項22記載のフォーカス調整方法。
- 液晶パネルを通過させた映像に基づいて前記液晶パネルの光軸位置を調整するフォーカス調整方法であって、
前記液晶パネルの法線方向の光軸位置を移動させながら前記映像を撮像し、
該撮像された画像のX方向の輝度積分値の最大値PXmax、X方向の輝度積分値の最小値PXmin、Y方向の輝度積分値の最大値PYmaxおよびY方向の輝度積分値の最小値PYminを移動された前記液晶パネルの法線方向の光軸位置毎に探索し、
該探索したPXmax、PXmin、PYmaxおよびPYminからX、Y方向別にコントラスト感度Sx、Syを
Cx=(PXmax−PXmin)/(PXmax+PXmin)
Cy=(PYmax−PYmin)/(PYmax+PYmin)
Sx=1/Cx
Sy=1/Cy
と定義して計算し、
該計算したコントラスト感度Sx、Syに基づいて光軸位置を探索し、
光軸調整機構手段を用いて探索した光軸位置に前記液晶パネルを移動させることを特徴とするフォーカス調整方法。 - 前記算出した前記コントラスト感度Sx、Syの和の平均値が最小値となる光軸位置を探索することを特徴とする請求項24記載のフォーカス調整方法。
- 前記映像の4隅を撮像し、
該撮像した4隅の光軸位置をそれぞれ探索することを特徴とする請求項15乃至25のいずれかに記載のフォーカス調整方法。 - 前記探索した4隅の光軸位置に基づいて前記液晶パネルの法線方向の光軸、X軸方向のあおり角度XθおよびY軸方向のあおり角度Vθを補正する補正値を算出するとを特徴とする請求項26記載のフォーカス調整方法。
- 表面粗さが小さい白色素材パネルが張られているスクリーンに投射された前記映像を撮像することを特徴とする請求項15乃至27のいずれかに記載のフォーカス調整方法。
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