JP3695077B2 - インク噴射装置 - Google Patents

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    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインク噴射装置に係り、詳しくは、インクを噴射して被記録媒体に画像を形成するインク噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、これまでのインパクト方式の印字装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつあるノンインパクト方式の印字装置の中で、原理が最も単純で、且つ多階調化やカラー化が容易であるものとして、インクジェット方式の印字装置があげられる。その中でも、印字に使用するインクのみを噴射するドロップ・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコストの安さなどから急速に普及しつつある。
【0003】
ドロップ・オン・デマンド型の印字装置に用いられるインク噴射装置として、例えば、特開昭63−247051号公報に記載の圧電材料を利用したせん断モード型のインク噴射装置がある。図9に、この種のインク噴射装置の一例を示す。尚、図9(a)は図9(b)のX−X線断面に、図9(b)は図9(a)のY−Y線断面に、それぞれ対応している。
【0004】
図9に示すように、インク噴射装置を構成する印字ヘッド600は、底壁601、天壁602、それら各壁601,602間に挟持されたせん断モード型のアクチュエータ壁603からなる。アクチュエータ壁603は、天壁602に接着され且つ矢印609方向に分極された圧電材料製の上部壁605と、底壁601に接着され且つ矢印611方向に分極された圧電材料製の下部壁607とからなる。アクチュエータ壁603は一対となって、その間にインク室613を形成し、且つその隣の一対のアクチュエータ壁603との間には、インク室613よりも狭い空気室615を形成している。
【0005】
各インク室613の一端には、ノズル618を有するノズルプレート617が固着され、他端には、マニホールド626を介してインクカートリッジなどのインク供給源(図示略)が接続されている。尚、マニホールド626は、各インク室613に連通する開口部を有する前部壁627と、各壁601,602間を密閉する後部壁628とを備え、インク供給源から各壁627,628間に供給されたインクを各インク室613に分配するものである。
【0006】
各アクチュエータ壁603の両側面には電極619,621が金属化層として設けられている。すなわち、インク室613側のアクチュエータ壁603には電極619が設けられ、空気室615側および印字ヘッド600の外周側のアクチュエータ壁603には電極621が設けられている。尚、電極619の表面はインクと絶縁するための絶縁層で覆われている。そして、各インク室613内に設けられた各電極619は駆動回路640に接続されている。駆動回路640は、制御回路641の制御に基づいて、後述するような電圧(駆動信号)を生成して各電極619に印加する。また、各電極621はアース623に接続されている。
【0007】
そして、各インク室613の電極619に駆動回路640が電圧を印加することによって、各アクチュエータ壁603がインク室613の容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。この動作の一例を図10に示す。尚、図10では、各部603〜619の符号に図の左側からa,b,c,…の添え字を付して、それぞれを区別している。図10に示すように、インク室613cの電極619cに所定の電圧E(V)が印加されると、アクチュエータ壁603e,603fにそれぞれ矢印631,632の方向の電界が発生し、アクチュエータ壁603e,603fがインク室613cの容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。このとき、ノズル618c付近を含むインク室613c内の圧力が減少する。
【0008】
この電圧E(V)の印加をインク室613内の圧力波の片道伝播時間Tだけ維持する。すると、その間に前述のインク供給源からインクが供給される。尚、上記片道伝播時間Tはインク室613内のインクの圧力波が、インク室613の長手方向に片道伝播する時間であり、インク室613の長さLと、インク室613内部のインク中における音速aとにより、T=L/aなる式で算出される。
【0009】
圧力波の伝播理論によると、上記電圧Eの印加から片道伝播時間Tが経過するとインク室613内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに合わせてインク室613cの電極619cに印加されている電圧を0(V)に戻す。すると、アクチュエータ壁603e,603fが図9に示す変形前の状態に戻り、インクに圧力が加えられる。そのとき、上記正に転じた圧力と、アクチュエータ壁603e,603fが変形前の状態に戻ることにより発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力がインク室613cのノズル618c付近の部分に生じて、ノズル618cからインクが噴射される。その噴射されたインクが印字用紙などの被記録媒体の表面に付着し、被記録媒体に画像が形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人は、前述のようにインク室613内のインクに圧力波振動を発生させてノズル618からインクを噴射する噴射動作の終了後、インク室613内のインクの残留圧力波振動をほぼ相殺する相殺動作を実行することを考えた。この相殺動作は、電極619cに印加される電圧を所定のタイミングで一旦電圧E(V)にし、続いて0(V)に戻してインク室613の容積を増減させることによってなされる。この相殺動作によってインク室613内の残留圧力波振動が早期に収束し、残留圧力波振動によりノズル618からインクが非所望に噴射されるアクシデンタルドロップが発生するのを防止すると共に、次の印字命令に対する処理に早期に移行することができる。従って、被記録媒体に一層正確な画像を形成すると共に、印字速度を良好に向上させることができる。
【0011】
また、本出願人は、所定の周期タイミングでノズル618からインクを噴射する噴射動作を行わせた後、前記所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合には前記相殺動作を実行し、次の周期タイミングにおいて印字命令がある場合には相殺動作を実行しないことを考えた。つまり、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合には、アクシデンタルドロップが発生するおそれがあるため相殺動作を実行し、インクの飛散による汚れのない良好な画像が形成されるようにする。また、次の周期タイミングにおいて印字命令がある場合には、インク室613内の残留圧力波振動を積極的に利用し、その残留圧力波振動と、次の周期タイミングの印字命令によって発生させた圧力波振動とを加え合わせて大きな圧力波振動を発生させ、ノズル618から大きなインク滴を噴射させることにより、印字濃度を増大させて濃厚で鮮明な画像が形成されるようにする。
【0012】
このように、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合とある場合とで相殺動作の実行・非実行を選択的に切り替えるには、駆動回路640による電極619cへの電圧印加動作を正確に制御する必要があり、そのためには、駆動回路640を制御する制御回路641が確実な制御動作を行うことが要求される。
【0013】
本発明は上記要求を満足するためになされたものであって、その目的は、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合とある場合とで、インクの圧力波振動を相殺する相殺動作の実行・非実行を確実に切り替えることが可能なインク噴射装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1に記載の発明は、インクが噴射されるノズルと、当該ノズルの背後に設けられ、インクが充填されたインク室と、当該インク室内の容積を変化させるためのアクチュエータと、当該アクチュエータに駆動信号を印加することにより、インク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え前記ノズルからインクを噴射させる噴射動作と、その噴射動作によって生じたインク室内の圧力波振動をほぼ相殺する相殺動作とを実行する駆動手段と、当該駆動手段に所定の周期タイミングで噴射動作を行わせた後、前記所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合には前記相殺動作を実行させ、次の周期タイミングにおいて印字命令がある場合には相殺動作を実行させないように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えたインク噴射装置であって、前記ノズル,インク室,アクチュエータはそれぞれ複数個設けられ、前記制御手段は、前記噴射動作と前記相殺動作とを実行させるためのイネーブル信号である印字クロックを生成すると共に、その印字クロックに同期する切替信号を生成し、前記各アクチュエータに対応する印字命令の有無を示す画像データをシリアル出力し、前記駆動手段は、前記制御手段からシリアル出力された画像データを格納し、その画像データをパラレル出力することにより画像データのシリアル−パラレル変換を行うと共に、当該画像データをシリアル出力する第1のシリアル−パラレル変換手段と、前記第1のシリアル−パラレル変換手段からシリアル出力された画像データを、前記第1のシリアル−パラレル変換手段のシリアル出力と同じタイミングでシリアル入力し、その画像データをパラレル出力することにより画像データのシリアル−パラレル変換を行う第2のシリアル−パラレル変換手段と、前記第1のシリアル−パラレル変換手段と前記第2のシリアル−パラレル変換手段とからパラレル出力された両画像データの論理演算を行うことにより、前記駆動手段に相殺動作を実行させるための実行命令,または,相殺動作を実行させない非実行命令であるストップパルスデータを生成するストップパルスデータ生成手段と、前記制御手段の生成した切替信号に従い、前記所定の周期タイミングにて、前記第1または第2のシリアル−パラレル変換手段のいずれか一方からパラレル出力された各画像データを選択した後に、前記ストップパルスデータ生成手段からパラレル出力された各ストップパルスデータを選択するデータ選択手段と、当該データ選択手段にて選択された各画像データまたは各ストップパルスデータのそれぞれと、前記制御手段の生成した印字クロックとの論理積をとることにより、各画像データに対応した各駆動データを生成する駆動データ生成手段と、当該駆動データ生成手段の生成した各駆動データに基づいて、前記各アクチュエータに適した駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えたことをその要旨とする。
【0015】
従って、本発明によれば、第2のシリアル−パラレル変換手段には所定の周期タイミングにおける印字命令の有無を示す画像データが格納され、第1のシリアル−パラレル変換手段には次の周期タイミングにおける印字命令の有無を示す画像データが格納される。そして、ストップパルスデータ生成手段にて、第1および第2のシリアル−パラレル変換手段からそれぞれパラレル出力された両画像データの論理演算を行うことにより、前記駆動手段に相殺動作を実行させるための実行命令,または,相殺動作を実行させない非実行命令であるストップパルスデータが生成される。そして、駆動手段はストップパルスデータに従って制御され、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合に相殺動作を実行し、次の周期タイミングにおいて印字命令がある場合には相殺動作を実行しないことができる。従って、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合とある場合とで、インクの圧力波振動を相殺する相殺動作の実行・非実行を確実に切り替えることができる。
【0016】
また、制御手段が生成した印字クロックに従い、データ選択手段が選択した画像データまたはストップパルスデータに基づいて、駆動手段により複数のアクチュエータを駆動することができる。そのため、複数個設けられた前記ノズル,インク室,アクチュエータに対して1つの駆動手段を設けるだけでよく、コストを低減することができる。
【0017】
そして、制御手段から駆動手段へシリアル出力されてくる画像データが、駆動手段内の第1および第2のシリアル−パラレル変換手段にて変換されるため、制御手段から駆動手段へ画像データを転送するラインを1本にすることが可能になる。そのため、制御手段から駆動手段へ画像データをパラレル出力する場合に比べて、画像データが転送されるラインを減らせる分だけ、コストを低減することができる。
【0018】
尚、上記相殺とは、圧力波振動を完全に解消するものでなくともよく、例えば、ノズルからインクが噴射されない程度に圧力波振動を抑制するものであってもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインク噴射装置において、前記駆動手段は、前記データ選択手段の選択した各画像データまたは各ストップパルスデータを前記印字クロックに同期して格納する第1の格納手段を備え、前記駆動データ生成手段は、前記第1の格納手段の格納した各画像データまたは各ストップパルスデータのそれぞれと、前記制御手段の生成した印字クロックとの論理積をとることにより、各画像データに対応した各駆動データを生成することをその要旨とする。
【0019】
従って、本発明においては、データ選択手段の選択した各画像データまたは各ストップパルスデータを第1の格納手段に一旦格納することにより、請求項1に記載の発明と同様の作用および効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインク噴射装置において、前記駆動手段は、前記第1のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを印字クロックに同期して格納する第2の格納手段と、前記第2のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを印字クロックに同期して格納する第3の格納手段とを備え、前記データ選択手段は、前記制御手段の生成した切替信号に従い、前記所定の周期タイミングにて、前記第2または第3の格納手段の格納した各画像データを選択した後に、前記第3または第2の格納手段の格納した各ストップパルスデータを選択することをその要旨とする。
【0020】
従って、本発明においては、第1のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを第2の格納手段に一旦格納し、第2のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを第3の格納手段の一旦格納する。そのため、本発明によれば、駆動データ生成手段における駆動データの生成に際して、各画像データまたは各ストップパルスデータと印字クロックとの論理演算を行うタイミングの設定の自由度を向上させることが可能になる。その結果、ノズル,インク室,アクチュエータのそれぞれの構造に合わせて印字クロックの波形を最適化することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、前記駆動手段は、前記所定の周期タイミングにて、アクチュエータを駆動し、まず、前記インク室の容積を、一旦増加させた後に減少あるいは一旦減少させた後に増加させることにより前記ノズルからインクを噴射する前記噴射動作を実行し、次に、前記インク室の容積を、再び増加させた後に減少あるいは再び減少させた後に増加させることにより前記相殺動作を実行し、前記制御手段は、前記所定の周期タイミングにて、前記駆動手段に前記噴射動作を実行させる第1の時間と、前記相殺動作を実行させる第2の時間と、前記噴射動作を終えてから前記相殺動作を開始するまでの第3の時間とを、それぞれ前記インク室内をインクの圧力波が片道伝播する時間に基づいて決定することをその要旨とする。
【0022】
従って、本発明においては、駆動手段が噴射動作を実行する際、アクチュエータを駆動してインク室の容積を一旦増加させる。すると、そのインク室内部の圧力が一旦減少し、インク室内にインクが流入する。続いて、インク室内をインクの圧力波が片道伝播する時間に基づいて決定された第1の時間後に、アクチュエータを駆動してインク室の容積を減少させることにより、インク室内に比較的高い圧力が生じ、インクがノズルから噴射される。その後、駆動手段は、前記片道伝播時間に基づいて決定された第3の時間後に、インク室の容積を再び増加させ、前記片道伝播する時間に基づいて決定された第2の時間後に、インク室の容積を減少させて相殺動作を実行する。このため、噴射動作を片道伝播時間に応じた適切な時間だけ実行することが可能になり、インクの噴射を確実に行うことができる。また、相殺動作を片道伝播時間に応じた適切なタイミングで実行することが可能になり、インクの圧力波振動をきわめて良好に相殺することができる。従って、本発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、インクの圧力波振動を一層良好に相殺し、一層正確な画像を形成すると共に、印字速度を一層良好に向上させることができる。
【0023】
尚、本発明において、前記インク室の容積を、一旦減少させた後に増加させることにより前記ノズルからインクを噴射する前記噴射動作を実行し、次に、前記インク室の容積を、再び減少させた後に増加させることにより前記相殺動作を実行する場合も、上記と同様の作用により同様の効果を得ることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、前記駆動手段は、前記噴射動作時と前記相殺動作時とで、同じ電圧の駆動信号を前記アクチュエータに印加することをその要旨とする。
従って、本発明においては、アクチュエータとして電圧を印加することによりインク室の容積を増加または減少させるものを使用し、しかも、前記噴射動作時にも前記相殺動作時にも同じ電圧を印加するようにしたので、駆動手段の構成を簡略化することができる。また、アクチュエータの駆動制御も、電圧を印加するかしないかの切り換えによって行われ、駆動制御のための処理も簡単になる。従って、本発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、装置の構成および制御を一層簡略化することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、前記アクチュエータは、前記インク室の側壁をなす圧電材料を用いて構成されていることをその要旨とする。
従って、本発明においては、インク室の側壁をなす圧電材料に電圧を印加して変形させることにより、インク室の容積を変化させることができる。このようなアクチュエータは、構成が簡単で耐久性にも優れ、更に安価である。従って、本発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、装置の構成を簡略化し、耐久性を向上させると共に、製造コストを一層低減することができる。
【0026】
尚、以下に述べる発明の実施の形態において、特許請求の範囲または課題を解決するための手段および発明の効果に記載の「駆動手段」は駆動回路21に相当し、同じく「制御手段」は制御回路22に相当し、同じく「第1のシリアル−パラレル変換手段」はシリアル−パラレル変換器33に相当し、同じく「第2のシリアル−パラレル変換手段」はシリアル−パラレル変換器34に相当し、同じく「ストップパルスデータ生成手段」はANDゲート61およびインバータゲート62に相当し、同じく「データ選択手段」は切替回路63に相当し、同じく「駆動データ生成手段」はANDゲート31に相当し、同じく「駆動信号生成手段」は出力回路32に相当し、同じく「第1の格納手段」はデータラッチ36に相当し、同じく「第2の格納手段」はデータラッチ37に相当し、同じく「第3の格納手段」はデータラッチ38に相当し、同じく「第1の時間」はタイミングt1,t2間の時間に相当し、同じく「第2の時間」はタイミングt3,t4間の時間に相当し、同じく「第3の時間」はタイミングt2,t3間の時間に相当する。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態のインク噴射装置を図面と共に説明する。尚、本実施形態のインク噴射装置において、印字ヘッド600の機構的構成については、図9および図10に示した従来の形態と同じであるので説明を省略する。
【0028】
図1は、本実施形態のインク噴射装置を備えたインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンタの制御装置は、1チップ構成のマイクロコンピュータ11,ROM12,RAM13を備えている。マイクロコンピュータ11には、ユーザが印字の指示などを行うための操作パネル14,後述するCRモータ506を駆動するためのモータ駆動回路15,後述するLFモータ510を駆動するためのモータ駆動回路16,後述する被記録媒体としての記録用紙Pの先端を検出するペーパーセンサ17,記録用紙Pに印字する際の原点位置を検出する原点センサ18,後述するキャリッジ504の位置を検出するキャリッジ位置センサ19などが接続されている。
【0029】
印字ヘッド600は駆動回路21によって駆動され、駆動回路21は制御回路22によって制御される。すなわち、図9に示すように、印字ヘッド600の各インク室613内に設けられた各電極619は駆動回路21に接続されている。駆動回路21は、制御回路22の制御に基づいて、印字ヘッド600に適した電圧(駆動信号)を生成して各電極619に印加する。
【0030】
マイクロコンピュータ11とROM12,RAM13,制御回路22とは、アドレスバス23およびデータバス24を介して接続されている。マイクロコンピュータ11は、ROM12に予め記憶されたプログラムに従い、印字タイミング信号TSおよびリセット信号RSを生成し、各信号TS,RSを制御回路22へ転送する。
【0031】
制御回路22はゲートアレイによって構成され、印字タイミング信号TSおよびリセット信号RSに従い、イメージメモリ25に記憶されている画像データに基づいて、その画像データを被記録媒体に形成するための印字データである転送データDATA,画像データを被記録媒体に形成するに際して印字ヘッド600のノズル618からインクを噴射させる噴射動作と前記したインク室613内の残留圧力波振動を相殺する相殺動作とを切り替えるための切替信号KS,転送データDATAと同期する転送クロックTCK,ストローブ信号STB,印字クロックICKを生成し、それら各信号DATA,KS,TCK,STB,ICKを駆動回路21へ転送する。また、制御回路22は、パーソナルコンピュータ26などの外部機器からセントロ・インターフェース27を介して転送されてくる画像データを、イメージメモリ25に記憶させる。そして、制御回路22は、パーソナルコンピュータ26などからセントロ・インターフェース27を介して転送されてくるセントロ・データに基づいてセントロ・データ受信割込信号WSを生成し、その信号WSをマイクロコンピュータ11へ転送する。
【0032】
尚、各信号DATA,KS,TCK,STB,ICKは、駆動回路21と制御回路22とを接続するハーネスケーブル28を介して転送される。
図2は、本実施形態のインク噴射装置を備えたインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【0033】
ガイドロッド501及びガイド部材502はプリンタフレーム503に固定されている。
キャリッジ504は、ガイドロッド501及びガイド部材502に各々スライド可能に支持され、ベルト505に固着されて、キャリッジモータ(CRモータ)506により駆動されて往復移動される。ベルト505は、長尺形状のガイドロッド501及びガイド部材502の両端部近傍に配置されている各プーリ507に巻回されている。一方のプーリ507はCRモータ506の駆動軸に接続されている。
【0034】
キャリッジ504には、印字ヘッド600と、1チップのICから構成される駆動回路21とを備えた印字ヘッドユニット508が取り付けられている。印字ヘッドユニット508は、被記録媒体としての印字用紙P上にインクの液滴を吐出して印字を行うインクジェット式のユニットである。駆動回路21はフレキシブルなハーネスケーブル28を介して制御回路22(図示略)に接続されている。
【0035】
印字ヘッドユニット508の後部には、印字ヘッド600の各ノズル618へインクを供給するインク供給源としてのインクカートリッジ509が着脱可能に搭載されている。
印字ヘッド600と対向する位置には、印字用紙Pを搬送する搬送機構LFが配設されている。搬送機構LFは、搬送モータ(LFモータ)510の駆動により回転するプラテンローラ511の回転によって印字用紙Pを搬送する。プラテンローラ511のローラ軸512はプリンタフレーム503に回動可能に支承されている。
【0036】
搬送機構LFの側方には、印字ヘッド600のインク噴射動作の維持・回復を行う維持・回復機構RMが設けられている。維持・回復機構RMは、吸引機構513およびキャップ514から構成されている。吸引機構513は、印字ヘッド600の使用中に、インクが乾燥したり、その内部に気泡が発生したり、ノズル618のノズルプレート617の外面にインク液滴が付着したりするなどの原因で発生する噴射不良を解消するために、キャップ514をノズルプレート617に密着させノズル618からインクを吸引する。キャップ514は、インクジェットプリンタの不使用時にノズルプレート617の外面を覆ってインクの乾燥を防止する機能を兼ねる。
【0037】
図3は、駆動回路21の内部構成を示すブロック図である。
ここでは、印字ヘッド600のインク室613が64室設けられている64チャンネル・マルチノズルヘッドを駆動する場合の駆動回路21を例示する。
駆動回路21は、ANDゲート31、出力回路32、シリアル−パラレル変換器33,34、データ選択合成回路35、データラッチ36を備えている。
【0038】
シリアル−パラレル変換器33は、64ビット長のシフトレジスタから構成され、制御回路22から転送クロックTCKと同期してシリアル転送されてくる転送データDATAを入力し、転送クロックTCKの立ち上がりに従って、転送データDATAを各パラレルデータFPD0〜FPD63に変換することにより、転送データDATAのシリアル−パラレル変換を行う。また、シリアル−パラレル変換器33は、転送クロックTCKの立ち上がりに従って、入力した転送データDATAを先頭のデータから順次1ビットずつシリアル出力端子OUTからシリアル出力する。
【0039】
シリアル−パラレル変換器34は、64ビット長のシフトレジスタから構成され、転送クロックTCKの立ち上がりに従って、シリアル−パラレル変換器33からシリアル出力された転送データDATAをシリアル入力し、転送データDATAを各パラレルデータSPD0〜SPD63に変換することにより、転送データDATAのシリアル−パラレル変換を行う。
【0040】
64個のデータ選択合成回路35はそれぞれ、制御回路22から転送されてくる切替信号KSに従って、各シリアル−パラレル変換器33,34の出力(各パラレルデータFPD0〜FPD63,SPD0〜SPD63)から、噴射動作のための噴射パルスデータFDと、相殺動作のためのストップパルスデータSDとを生成する。
【0041】
図4は、各データ選択合成回路35の内部構成を示すブロック図である。
各データ選択合成回路35は、ANDゲート61,インバータゲート62,切替回路63から構成されている。
ANDゲート61は、シリアル−パラレル変換器33から出力されたパラレルデータFPD0〜FPD63のいずれか1つのデータFPDNをインバータゲート62を介して入力すると共に、シリアル−パラレル変換器34から出力されたパラレルデータSPD0〜SPD63のうち前記データFPDNに対応するデータSPDNを入力し、入力した両データの論理積をとる。ここで、各パラレルデータFPD0〜FPD63,SPD0〜SPD63はそれぞれ先頭のデータから順次対応し、例えば、FPD0とSPD0、FPD1とSPD1、FPD63とSPD63の各データ同士がそれぞれ対応している。
【0042】
切替回路63は、切替信号KSに従って各ノードA,Bのいずれか一方に切り替えられ、ノードBに切り替えられた場合はANDゲート61に入力されるシリアル−パラレル変換器33の出力を選択し、ノードAに切り替えられた場合はANDゲート61の出力を選択し、その選択した出力をデータラッチ36へ出力する。ここで、ノードAからはストップパルスデータSDが出力され、ノードBからは噴射パルスデータFDが出力される。
【0043】
つまり、各データ選択合成回路35はそれぞれ、切替信号KSに従って、各ストップパルスデータSD0〜SD63または各噴射パルスデータFD0〜FD63を出力する。
データラッチ36は、制御回路22から転送されてくるストローブ信号STBの立ち上がりに従って、各ストップパルスデータSD0〜SD63または各噴射パルスデータFD0〜FD63をそれぞれラッチし、そのラッチした各データを各ANDゲート31へ出力する。
【0044】
64個のANDゲート31はそれぞれ、各ストップパルスデータSD0〜SD63または各噴射パルスデータFD0〜FD63と、制御回路22から転送されてくる印字クロックICKとの論理積をとり、各ストップパルスデータSD0〜SD63毎または各噴射パルスデータFD0〜FD630〜SPD63毎の論理積の結果である各駆動データA0〜A63を生成する。
【0045】
64個の出力回路32はそれぞれ、各駆動データA0〜A63に基づいて、印字ヘッドに適した電圧(駆動信号)を生成し、その各駆動信号を印字ヘッド600の図9に示す各インク室613の電極619へ出力する。
ちなみに、印字ヘッド600が64チャンネルではない場合には、シリアル−パラレル変換器33,34のビット長と、データ選択合成回路35,ANDゲート31,出力回路32のそれぞれの個数とを、印字ヘッド600のチャネル数と同じにすればよい。
【0046】
ところで、各シリアル−パラレル変換器33,34から出力される各パラレルデータFPD0〜FPD63,SPD0〜SPD63はそれぞれ、印字ヘッド600の各インク室613に対応している。そのため、各データ選択合成回路35から出力される各ストップパルスデータSD0〜SD63または各噴射パルスデータFD0〜FD63もそれぞれ、印字ヘッド600の各インク室613に対応する。
【0047】
次に、上記のように構成された本実施形態のインク噴射装置の動作について説明する。
図5は、印字クロックICK,ストローブ信号STB,転送データDATA,切替信号KSのタイムチャートである。
【0048】
転送データDATAは、所定の印字周期のタイミング毎に転送される。
ストローブ信号STBおよび印字クロックICKは、各データ選択合成回路35の生成したストップパルスデータSDと噴射パルスデータFDとにそれぞれ対応して、所定の印字周期のタイミング毎に転送される。
【0049】
ここで、各印字周期のタイミングにおいては、噴射動作の終了後に相殺動作が行われる。従って、図5に示すように、ある印字周期Tm−1のタイミングにおいてn−1番目の印字を行い、次の印字周期Tmのタイミングにおいてn番目の印字を行う場合、各印字周期Tm−1,Tmにおいて、印字クロックICKは、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfが転送された後に、ストップパルスデータSDに対応する印字クロックICKsが転送される。
【0050】
ところで、転送データDATAは、転送クロックTCKの立ち上がりに従って、各シリアル−パラレル変換器33,34間をシリアルに転送され、各シリアル−パラレル変換器33,34内において1ビットずつシフトされる。そのため、シリアル−パラレル変換器34から出力される各パラレルデータSPD0,SPD1…SPDN…SPD63は、シリアル−パラレル変換器33から出力される各パラレルデータFPD0,FPD1…FPDN…FPD63のそれぞれの64ビット前の転送データDATAとなる。
【0051】
つまり、印字周期Tm−1の転送データFDnの転送後において、シリアル−パラレル変換器33から出力される各パラレルデータFPD0〜FPD63はn番目の印字のための噴射パルスデータFDnであり、シリアル−パラレル変換器34から出力される各パラレルデータSPD0〜SPD63はn−1番目の印字のための噴射パルスデータFDn−1である。また、印字周期Tmの転送データFDn+1の転送後において、シリアル−パラレル変換器33から出力される各パラレルデータFPD0〜FPD63はn+1番目の印字のための噴射パルスデータFDn+1であり、シリアル−パラレル変換器34から出力される各パラレルデータSPD0〜SPD63はn番目の印字のための噴射パルスデータFDnである。
【0052】
すなわち、印字周期Tm−1において転送される転送データDATAはn番目の印字のための噴射パルスデータFDnであり、印字周期Tmにおいて転送される転送データDATAはn+1番目の印字のための噴射パルスデータFDn+1である。
また、印字周期Tm−1の転送データFDnの転送前において、ストローブ信号STBは、n−1番目の印字のための噴射パルスデータFDn−1に対応するストローブ信号STBfn−1が転送された後で、転送データFDnが転送された後に、n−1番目の印字のためのストップパルスデータSDn−1に対応するストローブ信号STBsn−1が転送される。そして、印字周期Tmの転送データFDn+1の転送前において、ストローブ信号STBは、n番目の印字のための噴射パルスデータFDnに対応するストローブ信号STBfnが転送された後で、転送データFDn+1が転送された後に、n番目の印字のためのストップパルスデータSDnに対応するストローブ信号STBsnが転送される。
【0053】
また、切替信号KSは、ストローブ信号STBに対応して転送される。
つまり、印字周期Tm−1において、印字クロックICKは、n−1番目の印字のための噴射パルスデータFDn−1に対応する印字クロックICKfn−1が転送された後に、n−1番目の印字のためのストップパルスデータSDn−1に対応する印字クロックICKsn−1が転送される。そして、印字周期Tmにおいて、印字クロックICKは、n番目の印字のための噴射パルスデータFDnに対応する印字クロックICKfnが転送された後に、n番目の印字のためのストップパルスデータSDnに対応する印字クロックICKsnが転送される。
【0054】
以下、図5を参照しながら駆動回路21の動作について説明する。
印字周期Tm−1において、噴射パルスデータFDnが転送される前では、シリアル−パラレル変換器33はn−1番目の印字データである噴射パルスデータFDn−1を出力している。また、各データ選択合成回路35には切替回路63をノードB側に切り替える切替信号KSが入力されている。そのため、データラッチ36にはシリアル−パラレル変換器33の出力であるFDn−1(すなわち、各画像データch0n−1〜ch63n−1)が入力され、この状態でストローブ信号STBfn−1が転送され、印字クロックICKfn−1のためのデータがラッチされる。
【0055】
次に、噴射パルスデータFDnが転送され、シリアル−パラレル変換器33はn番目の印字データである噴射パルスデータFDnを、また、シリアル−パラレル変換器34はn−1番目の印字データである噴射パルスデータFDn−1を出力する。各データ選択合成回路35には切替回路63をノードA側に切り替える切替信号KSが入力されている。そのため、データラッチ36にはn−1番目の印字のためのストップパルスデータSDn−1(すなわち、画像データch0n−1・バーch0n〜画像データch63n−1・バーch63n)が入力され、この状態でストローブ信号STBsn−1が転送され、印字クロックICKsn−1のためのデータがラッチされる。
【0056】
同様に、印字周期Tmにおいても、印字クロックICKfnのための噴射パルスデータFDnと、印字クロックICKsnのためのストップパルスデータSDnがデータラッチ36にラッチされる。
印字クロックICKの論理レベルが「H」のとき、駆動回路21の各ANDゲート31の出力は、データラッチ36の出力状態に従って決定される。また、印字クロックICKの論理レベルが「L」のとき、駆動回路21の各ANDゲート31の出力は、データラッチ36の出力状態がいかなる場合でも禁止状態となり論理レベル「L」となる。つまり、印字クロックICKは、各ANDゲート31が各駆動データA0〜A63を生成する際のイネーブル信号としてはたらく。
【0057】
そのため、印字クロックICKの論理レベルが「H」のときに、データラッチ36から出力されるストップパルスデータSD0〜SD63または噴射パルスデータFD0〜FD63の論理レベルが「H」の場合、その駆動データが入力されるANDゲート31が生成する駆動データの論理レベルも「H」になり、その駆動データが入力される出力回路32は駆動信号を生成して印字ヘッド600の対応するインク室613の電極619へ出力する。また、印字クロックICKの論理レベルが「L」のときに、データラッチ36から出力されるストップパルスデータSD0〜SD63または噴射パルスデータFD0〜FD63の論理レベルが「H」であっても、その駆動データが入力されるANDゲート31が生成する駆動データの論理レベルは「L」になり、その駆動データが入力される出力回路32は駆動信号を生成しない。
【0058】
従って、図5に示すように、印字周期Tmにおいて、タイミングt1で印字クロックICKfnが立ち上がると、図10にてインク室613cを例に説明したように、アクチュエータ壁603に電界が発生し、インク室613の容積が増大してノズル618付近を含むインク室613内の圧力が減少する。その後、インク室613にはインクが流入する一方、容積の増大によって生じた圧力波振動による圧力が増加して正の圧力に転じ、前記した片道伝播時間Tを経過する時点の近傍でピークに達する。
【0059】
尚、印字クロックICKfnのパルス幅は、片道伝播時間Tと同じに設定されている。そのため、印字クロックICKfnは片道伝播時間Tを経過後のタイミングt2で立ち下がる。すると、インク室613の容積が減少し、そのことにより発生した圧力と、上記正に転じた圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力がインク室613のノズル618付近に生じて、ノズル618からインクが噴射されるインク噴射動作が実行される。その噴射されたインクが印字用紙Pの表面に付着し、印字用紙Pに画像が形成される。
【0060】
その後、インク室613の圧力が正から負に転じる前のタイミングt3で、印字クロックICKsnが立ち上がると、未だ正である上記圧力が急減する。そして、上記圧力が負に転じた後のタイミングt4で印字クロックICKsnが立ち下がると、負に転じた上記圧力が急増する。このため、上記圧力波の振動が相殺され、その振動が急速に収束に向かう相殺動作が実行される。このように圧力波振動が相殺されるとノズル618からインクが非所望に噴射されることが防止され、次の印字命令に対する処理に早期に移行することもできる。従って、印字用紙Pに一層正確な画像を形成すると共に、印字速度を良好に向上させることができる。
【0061】
尚、印字クロックICKsnのパルス幅Wは、片道伝播時間Tの0.5倍に設定されている。印字クロックICKsnは前述のように圧力波振動を相殺するものであり、しかも、そのパルス幅Wは片道伝播時間Tの奇数倍と大きく異なる短い値に設定されているため、この印字クロックICKsnによりノズル618からインクが噴射されることはない。
【0062】
また、印字クロックICKfnが立ち下がるタイミングt2から、印字クロックICKsnの立ち上がるタイミングt3と立ち下がるタイミングt4との中間のタイミングtMまでの時間dは、片道伝播時間Tの2.5倍に設定されている。
【0063】
ところで、インク噴射動作および相殺動作において、出力回路32が生成する駆動信号の電圧は同じである。
以上詳述したように、本実施形態のインク噴射装置において、ストップパルスデータSDn−1は、n番目の印字のための転送データDATAの論理レベルが反転されたデータと、n−1番目の印字のための転送データDATAとの論理積によって得られる。
【0064】
従って、印字周期Tm−1におけるn−1番目の印字に対応する次の印字周期Tmにおけるn番目の印字について、そのn番目の印字のための各画像データch0n〜ch63nのうち、任意の画像データchxnの論理レベルが「L」の場合(すなわち、n番目の印字における任意の画像データchxnについて印字命令がない場合)で、任意の画像データchxn−1の論理レベルが「H」の場合(すなわち、n−1番目の印字における任意の画像データchxn−1について印字命令がある場合)には、その画像データchxnに対応して論理レベル「H」のストップパルスデータSDxn−1が生成される。そのストップパルスデータSDxn−1に基づき、印字周期Tm−1において、対応するインク室613における前記相殺動作が実行される。
【0065】
また、n番目の印字のための各画像データch0n〜ch63nのうち、任意の画像データchxnの論理レベルが「H」の場合(すなわち、n番目の印字における任意の画像データchxnについて印字命令がある場合)には、その画像データchxnに対応して論理レベル「L」のストップパルスデータSDxn−1が生成される。そのストップパルスデータSDxn−1に基づき、印字周期Tm−1において、対応するインク室613における前記相殺動作は実行されない。
【0066】
従って、本実施形態によれば、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合とある場合とで相殺動作の実行・非実行を確実に切り替えることができる。そして、相殺動作の実行・非実行を選択的に切り替える際に、制御回路22は、駆動回路21による印字ヘッド600の各インク室613の電極619cへの電圧印加動作を正確に制御することができる。
【0067】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面と共に説明する。尚、本実施形態において、第1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくしてその説明を省略する。
【0068】
図6は、本実施形態における駆動回路21の内部構成を示すブロック図である。
駆動回路21は、ANDゲート31、出力回路32、シリアル−パラレル変換器33,34、データラッチ37,38、データ選択合成回路39を備えている。
【0069】
各データラッチ37,38はそれぞれ、制御回路22から転送されてくるストローブ信号STBの立ち上がりに従って、各シリアル−パラレル変換器33,34の出力(各パラレルデータFPD0〜FPD63,SPD0〜SPD63)をラッチする。
【0070】
64個のデータ選択合成回路39はそれぞれ、制御回路22から転送されてくる切替信号KSに従って、各データラッチ37,38の出力(各パラレルデータFPD0〜FPD63,SPD0〜SPD63)から、噴射動作のための噴射パルスデータFDと、相殺動作のためのストップパルスデータSDとを生成する。
【0071】
図7は、各データ選択合成回路39の内部構成を示すブロック図である。
各データ選択合成回路39は、ANDゲート61,インバータゲート62,切替回路63から構成されている。
ANDゲート61は、データラッチ37から出力されたパラレルデータFPD0〜FPD63のいずれか1つのデータFPDNをインバータゲート62を介して入力すると共に、データラッチ38から出力されたパラレルデータSPD0〜SPD63のうち前記データFPDNに対応するデータSPDNを入力し、入力した両データの論理積をとる。
【0072】
切替回路63は、切替信号KSに従って各ノードA,Bのいずれか一方に切り替えられ、ノードBに切り替えられた場合はANDゲート61に入力されるデータラッチ38の出力を選択し、ノードAに切り替えられた場合はANDゲート61の出力を選択し、その選択した出力をANDゲート31へ出力する。ここで、ノードAからはストップパルスデータSDが出力され、ノードBからは噴射パルスデータFDが出力される。
【0073】
つまり、各データ選択合成回路39はそれぞれ、切替信号KSに従って、各ストップパルスデータSD0〜SD63または各噴射パルスデータFD0〜FD63を出力する。
このように、本実施形態の駆動回路21において、図3に示す第1実施形態の駆動回路21と異なるのは、各シリアル−パラレル変換器33,34の出力が、各データラッチ37,38にてそれぞれラッチされた後に、各データ選択合成回路39にてストップパルスデータSDまたは噴射パルスデータFDが生成され、各ANDゲート31へ送られる点である。
【0074】
次に、上記のように構成された本実施形態のインク噴射装置の動作について説明する。
図8は、本実施形態における印字クロックICK,ストローブ信号STB,噴射パルスデータFD,ストップパルスデータSD,切替信号KSのタイムチャートである。
【0075】
印字周期Tm−1において、ストローブ信号STBは、n−1番目の印字のための噴射パルスデータFDn−1およびストップパルスデータSDn−1に対応するストローブ信号STBn−1が転送される。そして、印字周期Tmにおいて、ストローブ信号STBは、n番目の印字のための噴射パルスデータFDnおよびストップパルスデータSDnに対応するストローブ信号STBnが転送される。
【0076】
また、切替信号KSは、印字クロックICKに対応して転送される。
以下、図8を参照しながら駆動回路21の動作について説明する。
各シリアル−パラレル変換器33,34は第1実施形態と同様の動作を行う。すなわち、印字周期Tm−1の転送データFDn+1の転送前において、シリアル−パラレル変換器33は、噴射パルスデータFDnをシリアル−パラレル変換した各パラレルデータFPD0n〜FPD63n(各画像データch0n〜ch63n)を出力する。また、印字周期Tm−1の転送データFDn+1の転送前において、シリアル−パラレル変換器34は、噴射パルスデータFDn−1をシリアル−パラレル変換した各パラレルデータSPD0n−1〜SPD63n−1(各画像データch0n−1〜ch63n−1)を出力する。
【0077】
印字周期Tm−1において、ストローブ信号STBn−1の立ち上がりに従い、データラッチ37はシリアル−パラレル変換器33から出力された各画像データch0n〜ch63nをラッチし、データラッチ38はシリアル−パラレル変換器34から出力された各画像データch0n−1〜ch63n−1をラッチする。また、印字周期Tmの転送データFDn+2の転送前において、ストローブ信号STBnの立ち上がりに従い、データラッチ37はシリアル−パラレル変換器33から出力された各画像データch0n+1〜ch63n+1をラッチし、データラッチ38はシリアル−パラレル変換器34から出力された各画像データch0n〜ch63nをラッチする。
【0078】
印字周期Tm−1において、各データ選択合成回路39のANDゲート61には、データラッチ37から出力された各画像データch0n〜ch63nがインバータゲート62を介して入力されると共に、データラッチ38から出力された各画像データch0n−1〜ch63n−1が入力される。そのため、各データ選択合成回路39の切替回路63のノードAからはn−1番目の印字のためのストップパルスデータSDn−1(=SD0n−1〜SD63n−1)が出力され、ノードBからはn−1番目の印字のための噴射パルスデータFDn−1(=FD0n−1〜FD63n−1)が出力される。
【0079】
印字周期Tmにおいて、各データ選択合成回路39のANDゲート61には、データラッチ37から出力された各画像データch0n+1〜ch63n+1がインバータゲート62を介して入力されると共に、データラッチ38から出力された各画像データch0n〜ch63nが入力される。そのため、各データ選択合成回路39の切替回路63のノードAからはn番目の印字のためのストップパルスデータSDn(=SD0n〜SD63n)が出力され、ノードBからはn番目の印字のための噴射パルスデータFDn(=FD0n〜FD63n)が出力される。
【0080】
各印字周期Tm−1,Tmにおいて、切替信号KSは、各ストップパルスデータSDn−1,SDnに対応する各印字クロックICKsn−1,ICKsnが転送されているときには各データ選択合成回路39の切替回路63をノードA側に切り替え、それ以外のときには各データ選択合成回路39の切替回路63をノードB側に切り替える。
【0081】
印字クロックICKの論理レベルが「H」のとき、駆動回路21の各ANDゲート31の出力は、各データ選択合成回路39の出力状態に従って決定される。また、印字クロックICKの論理レベルが「L」のとき、駆動回路21の各ANDゲート31の出力は、各データ選択合成回路39の出力状態がいかなる場合でも禁止状態となり論理レベル「L」となる。
【0082】
そのため、印字クロックICKの論理レベルが「H」のときに、各データ選択合成回路39から出力されるストップパルスデータSD0〜SD63または噴射パルスデータFD0〜FD63の論理レベルが「H」の場合、その駆動データが入力されるANDゲート31が生成する駆動データの論理レベルも「H」になり、その駆動データが入力される出力回路32は駆動信号を生成して印字ヘッド600の対応するインク室613の電極619へ出力する。また、印字クロックICKの論理レベルが「L」のときに、各データ選択合成回路39から出力されるストップパルスデータSD0〜SD63または噴射パルスデータFD0〜FD63の論理レベルが「H」であっても、その駆動データが入力されるANDゲート31が生成する駆動データの論理レベルは「L」になり、その駆動データが入力される出力回路32は駆動信号を生成しない。
【0083】
尚、本実施形態において、各タイミングt1〜t4におけるインク噴射動作および相殺動作については、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
以上詳述したように、本実施形態のインク噴射装置によれば、第1実施形態と同様の作用により、所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合とある場合とで相殺動作の実行・非実行を確実に切り替えることができる。
【0084】
また、本実施形態においては、シリアル−パラレル変換器33から出力された各パラレルデータFPD0〜FPD63をデータラッチ37に一旦ラッチし、シリアル−パラレル変換器34から出力された各パラレルデータSPD0〜SPD63をデータラッチ38に一旦ラッチする。そして、印字クロックICKに対応した切替信号KSにより、データ選択合成回路39から出力される噴射パルスデータFDとストップパルスデータSDとを切り替えてAND回路31へ送る。
【0085】
そのため、図8に示すように、ストップパルスデータSDn−1に対応する印字クロックICKsn−1が立ち下がるタイミングt5と、噴射パルスデータFDnに対応する印字クロックICKfnが立ち上がるタイミングt1との時間間隔を短くすることができる。また、噴射パルスデータFDnに対応する印字クロックICKfnが立ち下がるタイミングt2と、ストップパルスデータSDnに対応する印字クロックICKsnが立ち上がるタイミングt3との時間間隔を短くすることができる。従って、本実施形態によれば、第1実施形態よりも各印字周期Tm−1,Tmのタイミングを短くすることが可能になり、印字速度をより良好に向上させることができる。
【0086】
尚、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
(1)上記各実施形態では、各印字周期のタイミングにおいて、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfが1つだけ生成されるようにしたが、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfが複数個生成されるようにしてもよい。この場合、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfの数と、ノズル618から噴射されるインクの滴数とは等しくなる。そのため、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfの数を増やすほど、噴射されるインクの滴数も増えることになり、印字濃度が増大して濃厚で鮮明な画像を得ることができる。
【0087】
(2)上記各実施形態では、噴射パルスデータFDに対応する印字クロックICKfのパルス幅を、片道伝播時間Tと同じに設定したが、片道伝播時間Tのほぼ奇数倍に設定してもよい。このように印字クロックICKfのパルス幅を変更する際に、第2実施形態によれば、第1実施形態よりもさらに当該パルス幅の変更に対する自由度を増すことが可能になり、印字クロックICKの波形を印字ヘッド600の構造に合わせて最適化することが容易になる。
【0088】
(3)上記各実施形態では、ストップパルスデータFDに対応する印字クロックICKsのパルス幅Wを、片道伝播時間Tの0.5倍に設定したが、印字クロックICKsによりノズル618からインクが噴射されないで且つ相殺動作が確実に実行されるパルス幅であればどのような値に設定してもよい。但し、印字クロックICKsの最適なパルス幅Wは片道伝播時間Tに基づいて決定される。
【0089】
(4)上記各実施形態では、印字クロックICKfnが立ち下がるタイミングt2から、印字クロックICKsnの立ち上がるタイミングt3と立ち下がるタイミングt4との中間のタイミングtMまでの時間dを、片道伝播時間Tの2.5倍に設定したが、相殺動作が確実に実行される時間であればどのような値に設定してもよい。但し、最適な前記時間dは片道伝播時間Tに基づいて決定される。このように時間dを変更する際に、第2実施形態によれば、第1実施形態よりもさらに当該時間dの変更に対する自由度を増すことが可能になり、印字クロックICKの波形を印字ヘッド600の構造に合わせて最適化することが容易になる。
【0090】
(5)上記各実施形態では、インク噴射動作および相殺動作において、出力回路32が生成する駆動信号の電圧を同じにしているが、相殺動作において出力回路32が生成する駆動信号の電圧を、インク噴射動作におけるそれよりも低い電圧にしたり、負の電圧にしてもよい。
【0091】
(6)上記各実施形態では、アクチュエータ壁603の下部壁607および上部壁605の圧電変形により、インク室613の容積を変えてインクを噴射するようにしたが、下部壁607または上部壁605の一方を圧電変形しない材質で形成し、他方の圧電変形に伴って当該一方を変形させることにより、インクを噴射するようにしてもよい。
【0092】
(7)上記各実施形態ではインク室613の両側に空気室615を設けているが、空気室615を設けずに、各インク室613が隣接するようにしてもよい。
(8)上記各実施形態ではせん断モード型のアクチュエータ壁603を用いたが、圧電材料を積層し、その積層方向の変形によって圧力波を発生する構成にしてもよい。その他、圧電材料に限らず、インク室613に圧力波を発生させるものであれば、当業者の知識に基づいて種々の変更・改良を施して具体化してもよい。但し、上記各実施形態のように圧電材料を用いたアクチュエータ壁603を使用すれば、印字ヘッド600の構成が簡略化され、耐久性の向上および製造コストの低減を図ることができる。
【0093】
(9)上記各実施形態では印字ヘッド600がキャリッジ504と共に往復移動するプリンタに適用したが、プリンタ本体に印字ヘッド600を固定したいわゆるラインプリンタ等に適用してもよい。
(10)上記各実施形態では、相殺動作においてインク室613内の残留圧力波振動を完全に解消するようにしたが、相殺動作においてノズル618からインクが噴射されない程度にインク室613内の残留圧力波振動を抑制するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2実施形態のインク噴射装置を備えたインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図2】第1および第2実施形態のインク噴射装置を備えたインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図。
【図3】第1実施形態のインク噴射装置の駆動回路を示すブロック図。
【図4】第1実施形態のインク噴射装置の駆動回路の要部を示すブロック図。
【図5】第1実施形態のインク噴射装置の動作を説明するためのタイムチャート。
【図6】第2実施形態のインク噴射装置の駆動回路を示すブロック図。
【図7】第2実施形態のインク噴射装置の駆動回路の要部を示すブロック図。
【図8】第2実施形態のインク噴射装置の動作を説明するためのタイムチャート。
【図9】従来の形態と第1および第2実施形態とにおけるインク噴射装置の印字ヘッドの構成を示す断面図。
【図10】従来の形態と第1および第2実施形態とにおけるインク噴射装置の印字ヘッドの動作を説明するための断面図。
【符号の説明】
618…ノズル 613…インク室 603…アクチュエータ壁
21…駆動回路 22…制御回路 ch0〜ch63…画像データ
A0〜A63…駆動データ SD…ストップパルスデータ
FD…噴射パルスデータ 31,61…ANDゲート
62…インバータゲート ICK…印字クロック
33,34…シリアル−パラレル変換器 32…出力回路
36〜38…データラッチ

Claims (6)

  1. インクが噴射されるノズルと、
    当該ノズルの背後に設けられ、インクが充填されたインク室と、
    当該インク室内の容積を変化させるためのアクチュエータと、
    当該アクチュエータに駆動信号を印加することにより、インク室内に圧力波を発生させてインクに圧力を加え前記ノズルからインクを噴射させる噴射動作と、その噴射動作によって生じたインク室内の圧力波振動をほぼ相殺する相殺動作とを実行する駆動手段と、
    当該駆動手段に所定の周期タイミングで噴射動作を行わせた後、前記所定の周期タイミングに対応する次の周期タイミングにおいて印字命令がない場合には前記相殺動作を実行させ、次の周期タイミングにおいて印字命令がある場合には相殺動作を実行させないように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えたインク噴射装置であって、
    前記ノズル,インク室,アクチュエータはそれぞれ複数個設けられ、
    前記制御手段は、前記噴射動作と前記相殺動作とを実行させるためのイネーブル信号である印字クロックを生成すると共に、その印字クロックに同期する切替信号を生成し、前記各アクチュエータに対応する印字命令の有無を示す画像データをシリアル出力し、
    前記駆動手段は、
    前記制御手段からシリアル出力された画像データを格納し、その画像データをパラレル出力することにより画像データのシリアル−パラレル変換を行うと共に、当該画像データをシリアル出力する第1のシリアル−パラレル変換手段と、
    前記第1のシリアル−パラレル変換手段からシリアル出力された画像データを、前記第1のシリアル−パラレル変換手段のシリアル出力と同じタイミングでシリアル入力し、その画像データをパラレル出力することにより画像データのシリアル−パラレル変換を行う第2のシリアル−パラレル変換手段と、
    前記第1のシリアル−パラレル変換手段と前記第2のシリアル−パラレル変換手段とからパラレル出力された両画像データの論理演算を行うことにより、前記駆動手段に相殺動作を実行させるための実行命令,または,相殺動作を実行させない非実行命令であるストップパルスデータを生成するストップパルスデータ生成手段と、
    前記制御手段の生成した切替信号に従い、前記所定の周期タイミングにて、前記第1または第2のシリアル−パラレル変換手段のいずれか一方からパラレル出力された各画像データを選択した後に、前記ストップパルスデータ生成手段からパラレル出力された各ストップパルスデータを選択するデータ選択手段と、
    当該データ選択手段にて選択された各画像データまたは各ストップパルスデータのそれぞれと、前記制御手段の生成した印字クロックとの論理積をとることにより、各画像データに対応した各駆動データを生成する駆動データ生成手段と、
    当該駆動データ生成手段の生成した各駆動データに基づいて、前記各アクチュエータに適した駆動信号を生成する駆動信号生成手段と
    を備えたことを特徴とするインク噴射装置。
  2. 請求項1に記載のインク噴射装置において、
    前記駆動手段は、前記データ選択手段の選択した各画像データまたは各ストップパルスデータを前記印字クロックに同期して格納する第1の格納手段を備え、
    前記駆動データ生成手段は、前記第1の格納手段の格納した各画像データまたは各ストップパルスデータのそれぞれと、前記制御手段の生成した印字クロックとの論理積をとることにより、各画像データに対応した各駆動データを生成する
    ことを特徴とするインク噴射装置。
  3. 請求項1に記載のインク噴射装置において、
    前記駆動手段は、
    前記第1のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを印字クロックに同期して格納する第2の格納手段と、
    前記第2のシリアル−パラレル変換手段からパラレル出力された各画像データを印字クロックに同期して格納する第3の格納手段とを備え、
    前記データ選択手段は、前記制御手段の生成した切替信号に従い、前記所定の周期タイミングにて、前記第2または第3の格納手段の格納した各画像データを選択した後に、前記第3または第2の格納手段の格納した各ストップパルスデータを選択する
    ことを特徴とするインク噴射装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、
    前記駆動手段は、前記所定の周期タイミングにて、アクチュエータを駆動し、まず、前記インク室の容積を、一旦増加させた後に減少あるいは一旦減少させた後に増加させることにより前記ノズルからインクを噴射する前記噴射動作を実行し、次に、前記インク室の容積を、再び増加させた後に減少あるいは再び減少させた後に増加させることにより前記相殺動作を実行し、
    前記制御手段は、前記所定の周期タイミングにて、前記駆動手段に前記噴射動作を実行させる第1の時間と、前記相殺動作を実行させる第2の時間と、前記噴射動作を終えてから前記相殺動作を開始するまでの第3の時間とを、それぞれ前記インク室内をインクの圧力波が片道伝播する時間に基づいて決定する
    ことを特徴とするインク噴射装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、
    前記駆動手段は、前記噴射動作時と前記相殺動作時とで、同じ電圧の駆動信号を前記アクチュエータに印加する
    ことを特徴とするインク噴射装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク噴射装置において、
    前記アクチュエータは、前記インク室の側壁をなす圧電材料を用いて構成されている
    ことを特徴とするインク噴射装置。
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