JP3694487B2 - ケーブルロス等化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置間をケーブルにより接続しそのケーブルにてバースト波を伝送する通信機に関し、特にそのケーブルにおいて発生する信号電力損失即ちケーブルロスを等化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように基地局10と加入者局20A,20B,20Cとを無線によりP−MP(Point to MultiPoint)接続するシステム構成は、FWA(Fixed Wireless Access)等にて採用されている。この図では、図示簡略化のため加入者局を3個(20A,20B,20C)のみ示しているが、1個の基地局10により収容できる加入者局の個数は一般により多数に上る。また、基地局10と加入者局20A,20B,20Cとの間の無線通信は、上り(加入者局→基地局)方向と下り(基地局→加入者局)方向とで共通の無線周波数を使用するTDD(Time Division Duplex)方式により、また図4に示すようにスケジュール管理されたバースト波により、行われる。図4中、A,B,Cはそれぞれ加入者局20A,20B,20Cに係るバースト信号のオン期間を表している。スケジュール管理は、オンバースト期間同士が異なる加入者局間で重ならないようにする制御であり、例えば基地局10のIFU12により実行される。
【0003】
基地局10は無線周波数ユニット(RFU)11とインタフェースユニット(IFU)12とを同軸ケーブル13等により有線接続した構成を有しており、同様に、加入者局20A,20B,20CもRFU21とIFU22とを同軸ケーブル23等により有線接続した構成を有している。RFU11,21は、送信バースト波のアップコンバート、受信バースト波のダウンコンバート、それらの信号の増幅等を実行するユニットである。IFU12,22は、送受信バースト波のバースト変復調並びにそれらのデータ変復調、増幅・データ処理等を実行するユニットであり、基地局10のIFU12は上述のスケジュール管理等も実行する。
【0004】
更に、基地局10のRFU11は、図示しないアンテナと共に、例えば電柱等の柱状構造物や高層建築物の屋上等を利用して高所に設置され、IFU12は、メンテナンスや通信事業者側の回線との接続等の面で有利な低所に設置される。また、加入者局20A,20B,20CのRFU21は、図示しないアンテナと共に、例えば加入者宅のバルコニーや屋根等を利用してRFU11と通信できる箇所に設置され、IFU22は、加入者が使用するパーソナルコンピュータやそのネットワーク関連機器に接続できるよう加入者宅の居室内に設置される。同軸ケーブル13,23は、その局(10,20A,20B,20C)の設置環境にもよるが、最短で数m、最長では数百mとなることがあり得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、単一の通信機でありながら、メンテナンス、ネットワーク接続等の便宜上、複数のユニットに分割して設置する必要がある通信機では、それらのユニット間を接続するケーブルによる信号電力損失、即ちケーブルロスが発生する。ケーブルロスの量は、ケーブルの種類、長さ、メーカー等により異なるため、通信機毎にばらつく。図3に示した例でいえば、設置場所である加入者宅の構造や加入者宅内の装置・設備配置(パーソナルコンピュータをおいている部屋の位置等)が一般に異なるため、加入者局20Aの同軸ケーブル23におけるケーブルロスと、加入者局20Bの同軸ケーブル23におけるケーブルロスとは、大抵の場合、異なる値になる。
【0006】
ケーブルを介して信号を受け取る側のユニットの動作を好適なものにするには、このように一般に通信機毎(局毎)に異なるケーブルロスを、等化する必要がある。例えば、RFU22のうち同軸ケーブル23を介して送信信号を入力する回路部分に、可変利得増幅器や可変減衰器を設けておく。同軸ケーブル23におけるケーブルロスが既知であれば、そのケーブルロス値に基づき、ケーブルロスの偏差即ち局毎の差が補償されるよう、可変利得増幅器や可変減衰器の利得や減衰率を設定又は制御することが可能である。RFU22内の送信系回路では、ケーブルロスの偏差分が補償された送信バースト波をアップコンバート、増幅等する。RFU22内の制御回路では、送信バースト波の到来を検出しそれに応じてアンテナ共用のためのスイッチ(送受共用器)を制御する等の動作を実行する。このように、通信機(局)毎のケーブルロス偏差の影響を、その通信機を構成するユニットのうち信号を受け取る側のユニットの入力回路部分で排除することによって、ケーブルロス偏差によらずそのユニットの動作が同じになる(ケーブルロス等化)。
【0007】
ケーブルロス等化を実現するには、信号を受け取る側のユニットに対して、利得又は減衰率の目標を決める値であるケーブルロス値か、基準となるケーブルロス値に対する偏差分を、与える必要がある。そのための方法としては、第1に、ケーブル施工者による手動設定、という方法がある。例えば、IFU22から送信バースト波を受け取るユニットであるRFU21及びRFU21から受信バースト波を受け取るユニットであるIFU22に、ケーブル施工者が、スイッチ操作等により同軸ケーブル23の種類や長さを示す情報を与える、或いは同軸ケーブル23の種類や長さに応じてケーブルロス又はその偏差分の値を入力・設定する、といった方法である。この方法には、ケーブル施工者が作業負担を負うという問題点や、ケーブルメーカーの違いやケーブル個別製品毎の特性(減衰量)の違いといった要素に対応不可能又は困難である等、いくつかの問題点があった。
【0008】
また、ケーブルロス又はその偏差分を与える方法としては、第2に、他のユニットからケーブルを介しバースト波を受け取る側のユニットで何らかの計測を行い、その計測結果から推定したケーブルロス又はその偏差分に基づき利得或いは減衰率の制御目標を自動決定する、という方法がある。例えば、IFU22が同軸ケーブル23に所定値の直流電圧を印加し、RFU21が同軸ケーブル23との接続部に現れている直流電圧ひいてはその所定値からの降下分を計測する。直流電圧降下分はケーブルの長さや種類により変わる値であり、ケーブルロスと一応の相関関係を有していることから、当該直流電圧降下分からケーブルロス又はその偏差分を推定することができる。或いは、IFU22が同軸ケーブル23に所定タイミングで信号を送出し、RFU21がその信号の到来タイミングを検出して上記所定タイミングからの経過時間を計測する。計測される時間即ち信号伝搬所要時間はケーブルの長さ等により変わる値であり、ケーブルロスと一応の相関関係を有していることから、当該信号伝搬所要時間からケーブルロス又はその偏差分を推定することができる。IFU22から同軸ケーブル23を介して信号を受信したときRFU21がその信号をIFU22へと折り返し、IFU22にて信号往復所要時間を計測する、という方法でもよい。これらの方法は、いずれも実測による方法であるため、先に述べた第1の方法即ち施工時手動設定という方法よりも正確であり、ケーブルメーカーの違いやケーブル個別製品毎の特性の違いにも一応対応でき、ケーブル施工者の作業負担も軽減されるという利点を有している。しかし、実測であるとはいっても、直流電圧降下分或いは信号伝搬所要時間の計測であり、ケーブルロス又はその偏差分自体はいわば間接的に導出されているに過ぎないため、やはり、不正確さが残る。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、ケーブルロス又はその偏差分をより正確にかつ作業負担なしに求め、より軽負担かつ正確にケーブルロスを等化できるようにすることを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、(1)送信バースト波を、第1のユニットからケーブルを介し第2のユニットへと伝送し、更に第2のユニットがバースト波の到来に応じてアンテナを送信系に接続することにより、アンテナから外部に送信する通信機にて、実行されるケーブルロス等化方法であって、(2)第1のユニットが所定電力のバースト変調されていない連続波であるロス検出用信号をケーブルに送出する工程と、第2のユニットがこのロス検出用信号をケーブルから入力してケーブルロス又はその偏差分を計測する、というケーブルロス計測動作を、第1のユニットから第2のユニットへの要求によって第2のユニットの送信系をアンテナから切り離すことにより第2のユニットを送信停止状態に制御した状態で、実行する工程と、(3)少なくとも送信バースト波のバーストオン期間においては、第2のユニットが、送信バースト波に現れるケーブルロスが補償されるようかつ上記計測で得られた情報に従い、その内部に設けられ送信バースト波が通過する回路における利得又は減衰率を自動調整する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、(1)送信バースト波を、第1のユニットからケーブルを介し第2のユニットへと伝送し、更に第2のユニットから外部に送信する一方、バースト波を第2のユニットが外部から受信し、更にこの受信バースト波を第2のユニットからケーブルを介し第1のユニットへと伝送する通信機にて、実行されるケーブルロス等化方法であって、(2)第1のユニットが所定電力のロス検出用信号をケーブルに送出し、第2のユニットがこのロス検出用信号をケーブルから入力してケーブルロス又はその偏差分を計測する、というケーブルロス計測動作を、第1のユニットから第2のユニットへの要求により第2のユニットを送信停止状態に制御した状態で、実行し、(3)ケーブルロス計測動作終了時に、第2のユニットが、上記計測で得られた情報を第1のユニットに通知する工程と、(4)少なくとも送信バースト波のオン期間においては、第2のユニットが、送信バースト波に現れるケーブルロスが補償されるようかつ上記計測で得られた情報に従い、その内部に設けられ送信バースト波が通過する回路における利得又は減衰率を自動調整する一方、第1のユニットが、受信バースト波に現れるケーブルロスが補償されるようかつ第2のユニットから通知された情報に従い、その内部に設けられ受信バースト波が通過する回路における利得又は減衰率を自動調整する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
このように、本発明においては、送信バースト波をケーブルを介し第1のユニットから受け取る第2のユニットにて、第1のユニットから送信されるロス検出用信号をケーブルを介し入力し、ケーブルロス又はその偏差分を実測している。従って、本発明におけるケーブルロス補償動作は、ケーブルロス又はその偏差分の直接測定であることから、ケーブル施工者による手動設定を伴う従来方法に比べ軽負担かつ正確であり、また直流電圧降下分又は信号伝搬所要時間の計測による間接計測を伴う従来方法に比べても正確である。特に、通常の送信波や受信波はバースト波であるが、ロス検出用信号はバースト変調されていない連続波にして十分な検出時間を確保することができ、それにより安定なケーブルロス(偏差分)計測を実現できる。更に、ケーブルロス計測動作によって得られた情報に基づき利得又は減衰率を設定するのみでよく、バーストオンオフによって利得等を変化させる必要もないため、その面でも回路動作が安定になる。また、本発明における上記ケーブルロス計測動作を、例えば、第1のユニットへの電源投入、第1のユニットに付設されたスイッチの操作、又は第1のユニットに付設された制御端末からの指令に応じて、実行開始するようにすれば、通常の信号送受信動作にて誤動作が生じることを、防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。なお、本発明は図3に示した加入者局20A,20B,20Cに適用できるため、以下の説明では加入者局への適用例を採り上げるが、本発明は基地局10にも適用できる。また、より一般には、バースト波による通信機、特にケーブルを介して接続された複数のユニットを有する通信機全般に、本発明を適用できる。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る加入者局20の構成を示す。本実施形態に係る加入者局20は、RFUである屋外装置21とIFUである屋内装置22とをケーブル23により接続した構成を有している。また、屋外装置21,屋内装置22共に、送信系と受信系の回路系統を有しており、屋外装置21に接続されているアンテナ24は、TDD方式による基地局10との無線通信のため切り替えられつつ、それら送信系及び受信系の回路により共用されている。
【0015】
送信系の回路系統は、屋内装置22のディジタル処理部221から変調部222、分配部223、同軸ケーブル23、屋外装置21の分配部211、可変利得増幅器212、周波数変換部213、RF回路214及び送受共用器215を経てアンテナ24に至っている。通常のバースト送信動作時、この系統においては、ディジタル処理部221から供給される情報信号に基づきかつディジタル処理部221による制御の下に、変調部222が所定タイミングでオンオフする送信バースト波を発生させ、分配部223がこの送信バースト波を同軸ケーブル23との接続端子側に供給する。この送信バースト波は同軸ケーブル23により屋外装置21に伝送される。屋内装置21の分配部211は同軸ケーブル23を介して入力した送信バースト波を可変利得増幅器212を介して周波数変換部213内のアップコンバート回路に供給し、周波数変換部213はこの送信バースト波を中間周波数から無線周波数にアップコンバートし、RF回路214は無線周波数にアップコンバートされた送信バースト波を電力増幅等し、送受共用器215は電力増幅された送信バースト波をアンテナ24に供給する。この様な動作によって、加入者宅の居室内装置例えばパーソナルコンピュータから屋内装置22ひいてはそのディジタル処理部221に入力された情報信号が、アンテナ24からバースト波により無線送信される。
【0016】
受信系の回路系統は、アンテナ24から屋外装置21の送受共用器215、RF回路214、周波数変換部213、分配部211、同軸ケーブル23、屋内装置22の分配部223、可変利得増幅器224、復調部225を経てディジタル処理部221に至っている。通常のバースト受信動作時、この系統においては、屋外装置21の送受共用器215がアンテナ24による受信バースト波をRF回路214に供給し、RF回路214がこの受信バースト波を低雑音増幅等し、周波数変換部213内のダウンコンバート回路がこの受信バースト波を無線周波数から中間周波数にダウンコンバートし、分配部211がこの中間周波数の受信バースト波を負う軸ケーブル23との接続端子側に供給する。この受信バースト波は同軸ケーブル23により屋内装置22に伝送される。屋内装置22の分配部223は同軸ケーブル23を介して入力した受信バースト波を可変利得増幅器224を介して復調部225に分配し、復調部225はこの受信バースト波を復調し、ディジタル処理部221はその復調結果から情報を再生する。この様な動作によって、アンテナ24を用いて無線受信したバースト波は、屋内装置22ひいてはそのディジタル処理部221から、復調された情報信号として加入者宅の居室内装置に出力される。
【0017】
本実施形態の特徴は、この様にTDD方式に従いかつバースト波により無線通信を行う装置である加入者局20にて、同軸ケーブル23におけるケーブルロスの等化を、同軸ケーブル23の施工作業者に格別の負担を負わせることなく、かつ正確に行わせることができるようにしたこと、特にそのためにケーブルロス又はその偏差分の直接測定を含むケーブルロス補正手順を導入した点にある。
【0018】
図2に、ケーブルロス補正手順を示す。本実施形態では、使用者が屋内装置22に付設されているスイッチ等を操作することによって屋内装置22の電源を投入し或いは屋内装置22の動作状態をリセットしたときに、屋内装置22のディジタル処理部221が“要求発生”と判断して、ケーブルロス補正手順を開始する(301)。屋内装置22に接続されている制御端末(加入者宅居室内のパーソナルコンピュータ等でも可)からケーブルロス補正指令を受けたときも、“要求発生”と判断する。
【0019】
また、後述の通り、本実施形態に係るケーブルロス補正手順では、ケーブルロス又はその偏差分を検出するための信号を、屋内装置22から同軸ケーブル23経由で屋外装置21に供給する。また、その信号は、屋外装置21における入力電力測定を安定的に実行するのに十分な時間を確保するため、ケーブルロス又はその偏差分の測定に通常の通信に用いるバースト波ではなく、変調された又は無変調の連続波とする。このように通常の送信波と異なる信号がアンテナ24から無線輻射されることがないよう、ディジタル処理部221は、同手順を開始するに当たってまず屋外装置21に対し送信停波を要求する(302)。屋外装置21内に設けられている制御部218は、この要求に応じて送受共用器215を制御することにより、送信系の回路系統をアンテナ24から切り離す(303)。例えば、アンテナ24を受信系の回路系統に接続するか(送受共用器215が送信/受信の2状態を有するものである場合)、或いは送信/受信両系統から切り離す(送受共用器215が第3の状態を有するものである場合)。なお、この送信停波要求のための信号は、図中、ディジタル処理部221から変調部222をバイパスして分配部223に接続されている信号線、同軸ケーブル23、更には分配部211と制御部218とを接続する信号線を用いて、伝送させる。これらの信号線は、例えばASK変調による通信線とする。
【0020】
その後、ディジタル処理部221は変調部222に対し検出用の信号例えば連続変調波を送出するよう要求し(304)、変調部222はこの要求に応じた信号を送出する(305)。屋外装置21では、同軸ケーブル23を介してこの信号を受け取り、その信号電力を計測する(306)。そのため、屋外装置21の送信系回路系統中、送信バースト波を可変利得増幅又は可変減衰させるデバイスより前段に、信号電力を検出する手段を設ける。図示の例では、可変利得増幅器212より前段で、同軸ケーブル23との接続端子から分配部211との間に位置する部位に、信号電力に応じた検波電圧を出力する検波部216が設けられている。この検波電圧は、A/Dコンバータ217を介して制御部218に入力される(307)。制御部218は、検波電圧とケーブルロスとを対応付けるテーブルを記憶しており、A/Dコンバータ217を介して入力した検波電圧に従いそのテーブルを参照することによって、ケーブルロス値又はその偏差分の値を検出する(308)。なお、ここでいう偏差分とは、所定の基準入力電力に対する差である。また、ここでは、ケーブルロス値又は偏差分を検出する、と称しているが、これはそれらの絶対値を求めねばならないという趣旨ではない。例えば、前回検出値に対する差分の検出、といった手法を採ることも可能である。
【0021】
制御部218は、検出結果をその内部のメモリに記憶する一方で(309)、実測が終了したこと及びその結果を、先に送信停波要求を受け取った経路とは逆方向の経路で、屋内装置22のディジタル処理部221に通知する(310)。ディジタル処理部221は、通知されたケーブルロス値又はその偏差分の値に基づく信号電力制御を開始する(311)。例えば、屋内装置22の受信系回路系統上にある可変利得増幅器224等のデバイスにおける利得や減衰率の制御を、開始する。これは、受信バースト信号に現れるケーブルロス偏差を等化する制御である。他方で、制御部218は、メモリに記憶した検出値に基づく信号電力制御を開始する(312)。即ち、屋外装置21の送信系回路系統上にある可変利得増幅器212等のデバイスにおける利得又は減衰率の制御を、開始する。これは、送信バースト波に現れるケーブルロス偏差を等化する制御である。本実施形態ではTDD方式を想定しており、送信バースト波及び受信バースト波の中間周波数が同一であると想定しているため、屋外装置21及び屋内装置22で共通のケーブルロス(偏差分)検出値を利用できる。なお、バーストオンオフにより利得又は減衰率を切り替える必要はない。即ち、通常動作移行後は利得又は減衰率を一定に保つことができるため、その点でも回路動作は安定である。
【0022】
その上で、屋内装置22のディジタル処理部221は、屋外装置21に対して送信停波解除を要求し(313)、屋外装置21の制御部218は、これに応じて送受共用器215の切替動作を通常時動作即ちバーストオンオフに同期した切替動作に移行させる(314)。これ以後は、通常通り、バースト波による送受信が実行される。少なくとも送信バースト波のオン期間においては(より好ましくは、バーストオンオフによらず通常動作時は常に)その送信バースト波に現れるケーブルロス偏差が可変利得増幅器212にて等化され、また少なくとも受信バースト波のオン期間においては(より好ましくは、バーストオンオフによらず通常動作時は常に)その受信バースト波に現れるケーブルロス偏差が可変利得増幅器224にて等化されるため、増幅器212,224より後段の回路はケーブルロス偏差の影響を受けず、好適に動作する。
【0023】
このように、本実施形態によれば、電源投入直後等の時点で屋内装置22から(無)変調連続波を同軸ケーブル23上に送出し、屋外装置21にてその信号電力を計測し、その結果に基づきケーブルロス等化を行っている。従って、ケーブル施工者がケーブルロス概略値を設定する従来技術や、直流電圧降下分又は信号伝搬所要時間の計測を通じ間接的にケーブルロス又はその偏差を計測する従来技術に対して、ケーブル施工者の作業負担軽減、正確なケーブルロス等化の実現、ひいては同軸ケーブル23の長さ・メーカー・種類に関する許容範囲の拡大等の効果が得られる。
【0024】
また、例えば1バースト当たり1μsecという短い信号送出時間でTDD方式に基づきかつバースト波により無線通信を行う加入者局20及び基地局10では、通常のバースト通信時における信号電力を検出してケーブルロスを随時等化するのは困難である。即ち、制御対象となる可変利得増幅器又は可変減衰器の利得又は減衰率が安定するのに要する時間がバーストオン期間に対して無視し得ないほど長くなりがちであり、その結果としてバースト波の一部欠落ひいては実質的伝送レートの低下という問題が生じる。即ち、連続波で通信を行う通信機であれば、通信中に電力計測及びその結果によるケーブルロスを行っても、電源投入直後を除けば情報欠落は生じないであろうが、その手法をバースト通信向け通信機に単純適用したら、バーストオン期間毎に情報欠落が生じるという結果を招く。これに対して、本実施形態に係る手法は、電源投入直後等バースト信号による伝送を実行しないタイミングで、かつ連続波を使用して実行される手法であり、バーストオン期間中に利得を変化させないため、バースト信号の欠落なしにケーブルロス等化を実現できる。可変利得増幅器212,224としても、利得制御信号に対する応答がさほど高速でないものを用いることが可能になる。
【0025】
更に、図2に示した手順はスイッチ操作等により随時起動できるため、加入者局20又はその構成ユニットの移設、同軸ケーブル23の交換、そのコネクタの着脱等、ケーブルロスに変化が生じたときに随時可変利得増幅器212,224の利得を最適化できる。また電源投入に応じて自動的にこの手順が起動されるため、何らかの理由でリセット操作が必要となった場合を除けば、使用者が特に意識してこの手順を起動させる必要もない。
【0026】
また、検波部216としては、屋内装置22からの送信バースト波の到来を検出して送受共用器215を制御しアンテナ24を送信系に接続する動作にて、到来検出に用いられるものを、転用・兼用することができる。
【0027】
そして、TDD方式に限らずFDD(Frequency Division Duplex)方式による通信機でも本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本実施形態における制御手順を示す図である。
【図3】 本発明に係る装置を利用可能なシステムの一例を示す図である。
【図4】 バースト波による伝送を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10 基地局、11 基地局の無線周波数ユニット(RFU)、12 基地局のインタフェースユニット(IFU)、13,23 同軸ケーブル、20,20A,20B,20C 加入者局、21 加入者局の屋外装置(RFU)、212可変利得増幅器、216 検波部、217 A/Dコンバータ、218 制御部、22 加入者局の屋内装置(IFU)、221 屋内装置ディジタル処理部、222 変調部。

Claims (3)

  1. 送信バースト波を、第1のユニットからケーブルを介し第2のユニットへと伝送し、更に第2のユニットがバースト波の到来に応じてアンテナを送信系に接続することにより、アンテナから外部に送信する通信機にて、実行されるケーブルロス等化方法であって、
    第1のユニットが所定電力のバースト変調されていない連続波であるロス検出用信号をケーブルに送出する工程と
    第2のユニットがこのロス検出用信号をケーブルから入力してケーブルロス又はその偏差分を計測する、というケーブルロス計測動作を、第1のユニットから第2のユニットへの要求によって第2のユニットの送信系をアンテナから切り離すことにより第2のユニットを送信停止状態に制御した状態で、実行する工程と
    少なくとも送信バースト波のバーストオン期間においては、第2のユニットが、送信バースト波に現れるケーブルロスの偏差が補償されるようかつ上記計測で得られた情報に従い、その内部に設けられ送信バースト波が通過する回路における利得又は減衰率を自動調整する工程と、
    を含むことを特徴とするケーブルロス等化方法。
  2. 請求項1記載のケーブルロス等化方法であって、バースト波を第2のユニットが外部から受信し、更にこの受信バースト波を第2のユニットからケーブルを介し第1のユニットへと伝送する通信機にて、実行されるケーブルロス等化方法において、
    ケーブルロス計測動作終了時に、第2のユニットが、上記計測で得られた情報を第1のユニットに通知する工程と
    少なくとも受信バースト波のバーストオン期間においては、第1のユニットが、受信バースト波に現れるケーブルロスが補償されるようかつ第2のユニットから通知された情報に従い、その内部に設けられ受信バースト波が通過する回路における利得又は減衰率を自動調整する工程と、
    を含むことを特徴とするケーブルロス等化方法。
  3. 請求項1又は2記載のケーブルロス等化方法において、
    第1のユニットへの電源投入、第1のユニットに付設されたスイッチの操作、又は第1のユニットに付設された制御端末からの指令に応じて、ケーブルロス計測動作を実行開始する工程を含むことを特徴とするケーブルロス等化方法。
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