JP3692901B2 - 透かし情報埋め込み装置、透かし情報埋め込み方法、透かし情報読み出し装置及び透かし情報読み出し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信カラオケなどの演奏情報として使用されるMIDIデータに対して、MIDIデータの不正コピーや不正利用を防止するために、著作権などの制作者に関する情報を透かし情報(digital watermark)として記録する透かし情報埋め込み装置及び透かし情報埋め込み方法と、その透かし情報を読み出す透かし情報読み出し装置及び透かし情報読み出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像データや音声データ等のコンテンツデータがデジタル化され、CD−ROM等の記録媒体に記録されて配布されるようになり、さらにインターネットなどのネットワークを介して送受信されるようになったことから、コンテンツデータの不正コピーやコピーしたものを著作権者に無許可で販売する等の不正利用が問題になっている。
【0003】
とくに、通信カラオケなどの演奏情報として使用されるMIDIデータは、それ自身が音楽情報として利用されているので個々のMIDIデータに対して著作権が発生しており、これを守る必要がある。また、最近では、業務用だけではなく家庭用の通信カラオケとして、インターネットなどで曲データ(MIDIデータ)を送信し、この曲データを家庭用のパソコン上で作動させるためのソフトシンセサイザなども登場している。このような家庭用の通信カラオケでは、曲データ(MIDIデータ)を一旦受信した後では何度でも繰り返し使用することができるように、曲データをハードディスク等に格納することができる。
【0004】
したがって、曲データ(MIDIデータ)を不正にコピーしたり、コピーしたデータを権利者に無断で商業的に利用することも可能な状態になっている。
【0005】
そこで、MIDIデータに対しても、このような不正利用を防止するための手段として、コンテンツデータに著作権などの制作者に関する情報を透かし情報(digital watermark)として記録する電子透かし埋め込み方法が研究開発されている。
【0006】
この電子透かしに必要な条件としては、(1)無理に取り去ろうとするとコンテンツデータが壊れてしまうように透かし情報を埋め込むこと(コンテンツデータに著作権を示す透かし情報が残り続けること)、(2)コンテンツデータのどこに透かし情報が埋め込まれているのか分かりにくいこと、(3)透かし情報を埋め込んでもコンテンツデータはオリジナルの状態を留めておくこと等がある。
【0007】
これらの条件を満たす電子透かし技術として、従来はMIDIイベントの特定のパラメータの下位ビットを変更することによって、透かしデータとするものがあった。
【0008】
例えば、MIDIイベントを構成しているステータスバイト、ノートナンバ、ベロシティのうち、ベロシティをパラメータとして注目したとすると、このベロシティは7ビットの情報から構成されているので、この7ビットのうちの最下位ビットを変更して透かし情報としていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベロシティなどのパラメータの最下位の1ビットを変更しただけの透かしデータでは、ノイズ等が付加されると簡単に透かしデータが消えてしまうという問題点があった。
【0010】
そこで、ノイズに対する耐性を強くするために、下位の3ビットを変更して透かしデータとすることも考えられるが、この場合には楽曲のクオリティを損なってしまうという別の問題点が発生していた。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく、ノイズに対する耐性の強い透かし情報を埋め込むことのできる透かし情報埋め込み装置及び透かし情報埋め込み方法と、その透かし情報を読み出す透かし情報読み出し装置及び透かし情報読み出し方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明である透かし情報埋め込み装置は、オリジナルMIDIデータに対して透かしデータを埋め込む透かし情報埋め込み装置であって、
前記オリジナルMIDIデータから前記透かしデータの埋め込みの対象となる対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段と、
この対象イベント抽出手段により抽出された前記対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段と、
前記透かしデータを分割してパケットを生成するパケット生成手段と、
このパケット生成手段で生成された前記パケットに基づいて、前記ブロック内の対象イベント数を増加変更する対象イベント数変更手段と、
この対象イベント数変更手段で変更された前記対象ベント数にしたがって、既存の前記対象イベントを二次補完して得られた新規対象イベントを前記ブロックに挿入して前記透かしデータを埋め込む新規対象イベント挿入手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明によれば、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく、ノイズに対する耐性の強い透かし情報を埋め込むことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明である透かし情報埋め込み方法は、オリジナルMIDIデータに対して透かしデータを埋め込む透かし情報埋め込み方法であって、
透かしデータ埋め込み側の対象イベント抽出手段と、ブロック生成手段と、パケット生成手段と、対象イベント数変更手段と、新規対象イベント挿入手段とを備え、
前記対象イベント抽出手段によって前記オリジナルMIDIデータから前記透かしデータの埋め込みの対象となる対象イベントを抽出する対象イベント抽出ステップと、
この対象イベント抽出ステップにより抽出された前記対象イベントを前記ブロック生成手段によって分割してブロックを生成するブロック生成ステップと、
前記透かしデータを前記パケット生成手段によって分割してパケットを生成するパケット生成ステップと、
このパケット生成ステップで生成された前記パケットに基づいて、前記ブロック内の対象イベント数を前記対象イベント数変更手段によって増加変更する対象イベント数変更ステップと、
この対象イベント数変更ステップで変更された前記対象イベント数にしたがって、前記新規対象イベント挿入手段によって既存の前記対象イベントを二次補完して得られた新規対象イベントを前記ブロックに挿入して前記透かしデータを埋め込む新規対象イベント挿入ステップとを有したことを特徴とする。
【0015】
この請求項2の発明によれば、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく、ノイズに対する耐性の強い透かし情報を埋め込むことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明である透かし情報読み出し装置は、請求項1に記載の透かし情報埋め込み装置によって透かしデータが埋め込まれたMIDIデータから前記透かしデータを読み出す透かし情報読み出し装置であって、
前記MIDIデータから前記透かしデータが埋め込まれた対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段と、
この対象イベント抽出手段により抽出された前記対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段と、
このブロック生成手段によって生成された前記ブロック内の対象イベント数と予め前記透かしデータが分割されて生成されたパケットのパケットサイズとに基づいて、前記ブロックに挿入された前記透かしデータを算出する透かしデータ算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項3の発明によれば、上述した透かし情報埋め込み装置によって埋め込まれた透かしデータを読み出すことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明である透かし情報読み出し方法は、請求項2に記載の透かし情報埋め込み方法によって透かしデータが埋め込まれたMIDIデータから、透かしデータ算出手段を用いて前記透かしデータを算出して読み出す透かし情報読み出し方法であって、
透かしデータ読み出し側の対象イベント抽出手段と、ブロック生成手段と、透かしデータ算出手段とを備え、
前記対象イベント抽出手段によって前記MIDIデータから前記透かしデータが埋め込まれた対象イベントを抽出する対象イベント抽出ステップと、
この対象イベント抽出ステップにより抽出された前記対象イベントを前記ブロック生成手段によって分割してブロックを生成するブロック生成ステップと、
このブロック生成ステップによって生成された前記ブロック内の対象イベント数と予め前記透かしデータが分割されて生成されたパケットのパケットサイズとに基づいて、前記ブロックに挿入された前記透かしデータを前記透かしデータ算出手段によって算出する透かしデータ算出ステップとを有したことを特徴とする。
【0019】
この請求項4の発明によれば、上述した透かし情報埋め込み方法によって埋め込まれた透かしデータを読み出すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る透かし情報埋め込み装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の透かし情報埋め込み装置1は、オリジナルMIDIデータから透かしデータの埋め込みの対象となる対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段2と、この対象イベント抽出手段2により抽出された対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段3と、透かしデータを分割してパケットを生成するパケット生成手段4と、このパケット生成手段4で生成されたパケットに基づいて、ブロック内にある対象イベント数を変更する対象イベント数変更手段5と、この対象イベント数変更手段5で変更された対象イベント数にしたがって、新規対象イベントを挿入する新規対象イベント挿入手段6とを含んでいる。
【0022】
この透かし情報埋め込み装置1による透かし情報の埋め込み処理について、ピッチベンドイベントを対象イベントとした場合を例にして説明すると、まずオリジナルMIDIデータからピッチベンドイベントを抽出する。抽出されたピッチベンドイベントをチャンネル毎に分割し、1つのチャンネルに図2(a)に示すようなピッチベンドイベントが存在する場合には、時間的に連続した一連のピッチベンドイベントを1つのブロックとして分割する。図2(a)では3つのブロックに分割することができる。
【0023】
そして、各ブロック内に存在しているピッチベンドイベントの数を、透かしデータを分割することによって得られたパケットデータに基づいて変更し、変更されたピッチベンドイベントの数に基づいて、新規のピッチベンドイベントを図2(b)に示すように挿入していく。このとき、新規のピッチベンドイベントのピッチベンド量は既存のピッチベンドイベントのピッチベンド量を2次補完して決定する。
【0024】
このように、ピッチベンドイベントの数を変更させても、各ブロックが表現するピッチベンド量の曲線は変更されないので、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく透かし情報を埋め込むことができる。
【0025】
さらに、イベントの数に透かし情報を埋め込んでいるので、ノイズによってパラメータの下位ビットが変更されるようなことが起きても、透かし情報が消されることはなくなる。
【0026】
次に、上述した本実施形態の透かし情報埋め込み装置による透かし情報の埋め込み処理について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
図3に示すように、まず透かし情報の埋め込めまれるオリジナルMIDIデータが入力されると、オリジナルMIDIデータの中から透かし情報の埋め込み対象となる対象イベントを抽出する(S301)。MIDIデータのイベントにはノートオンイベント、ノートオフイベント、ピッチベンドイベント、プログラムチェンジイベント、エクスプレッションイベントなどのさまざまなイベントがあるので、どのイベントを対象イベントとしてもよい。
【0028】
次に、ステップS301で対象イベントが抽出されたら、この抽出された対象イベントをチャンネル毎に分割する(S302)。通常MIDIデータには16チャンネル、あるいは32チャンネルが存在するので、それぞれのチャンネル毎に抽出された対象イベントを分割する。さらに、チャンネル毎に分割された対象イベントを、図2で説明したようにブロック毎に分割する(S303)。このとき、ブロックとは、時間的に一定以上隣接したイベントを連続するイベントとみなして一つのブロックとする。
【0029】
このように、オリジナルMIDIデータから対象イベントを抽出してブロックにまで分割できたら、次に埋め込むための透かしデータを一定のサイズのパケットに分割する(S304)。例えば、8バイトの透かしデータを埋め込む場合には、パケットサイズが4ビットのパケットとすると、16個に分割することができる。
【0030】
そして、分割したパケット数とブロック数とを比較し(S305)、ここでパケット数のほうが多かった場合には透かしデータの埋め込み処理は終了する。これは、1つのブロックに対して1つのパケットを透かしデータとして埋め込んでいくので、ブロック数よりもパケット数のほうが多かった場合にはすべてのパケットをブロックに埋め込むことができないからである。
【0031】
また、パケット数がブロック数以下のときには透かしデータの埋め込み処理を引き続き行う。
【0032】
まず、透かしデータの埋め込み対象となる対象ブロックと、埋め込まれるパケットである対象パケットとを選択し(S306)、この対象ブロックと対象パケットに基づいてnEvent、nBit、pDateとをそれぞれ設定する(S307)。
【0033】
ここで、nEventとは対象ブロック内にある対象イベントの数であり、nBitとは対象パケットのパケットサイズ、すなわち対象パケットのビット数であり、pDateとは対象パケットのデータの内容のことをいう。例えば、nBit=4の対象パケットの場合には、(1010)2(2進数)や(0010)2のようなデータがpDateとなる。
【0034】
これらの値が定義されたら、まずnEventと2nBitとの大きさを比較する(nEvent>=2nBit)(S308)。ここでnEventが2nBitよりも小さい場合には、この後の処理が行えなくなることからステップS306に戻って、対象ブロックを変更する。例えば、nBit=4のときには、2nBit=24=16となることから、nEventが16よりも小さいときにはステップS306に戻って別のブロックを対象ブロックとして選択し直すことになる。
【0035】
また、nEventが2nBit以上の場合には、nEventNewを新たに設定する(S309)。このnEventNewは
nEventNew=((nEvent>>nBit)<<nBit)+pDate
で定義される。すなわち、nEventの下4(=nBit)桁をpDateで置き換えたものをnEventNewと定義する。例えば、nEvent=20=(10100)2、pDate=(1010)2の場合には、下4桁を置き換えてnEventNew=(11010)2となる。
【0036】
次に、このように定義されたnEventNewとnEventとの大きさを比較し(S310)、nEventNewがnEvent以上であるときには、ステップS311に進むが、nEventNewがnEventよりも小さい場合にはステップS312へ進んでnEventNewに2nBitを加算する(S312)。
【0037】
例えば、nEvent=20=(10100)2をpDate=(1010)2で置き換えた場合にはnEventNew=(11010)2=26となり、nEventNewがnEvent(=20)以上になるのでステップS311へ進む。また、nEvent=(10100)2をpDate=(0010)2で置き換えた場合にはnEventNew=(10010)2=18となり、nEventNewがnEvent(=20)よりも小さくなるのでステップS312へ進むことになる。
【0038】
そして、ステップS312へ進むと、nEventNewに2nBitを加算して(nEventNew+=2nBit)、新たなnEventNewを設定する。例えば、nBit=4、nEventNew=18の場合には、新たにnEventNew=18+16(=24)=36=(110010)2を新たなnEventNewと定義する。
【0039】
ここで、ステップS312において、2nBitを加算するのは、nEventNewがnEventよりも小さい場合には、対象ブロックにおける対象イベントの数を減少させることになり、この場合にはオリジナルのMIDIデータの楽曲クオリティを劣化させる恐れがあるので、これを避けるために2nBitを加算して対象イベント数を減らさないようにしたものである。
【0040】
例えば、図2(b)に示すピッチベンドイベントにおいて、新規のイベントを挿入してイベント数が増えた場合には、ブロックにおけるピッチベンド量の曲線は変更されないので、オリジナルデータの楽曲クオリティが損なわれることはないが、イベント数が減少した場合にはブロックにおけるピッチベンド量の曲線が変化し、オリジナルデータの楽曲クオリティが損なわれることになる。
【0041】
次に、nEventNew−nEventの数だけ新規イベントを挿入する処理を行う。
【0042】
まず、nEventNew−nEventを計算し(S311)、0よりも大きい場合には、1つの新規イベントを挿入する(S313)。
【0043】
この新規イベントの挿入では、既存の対象イベントの値を2次補完して新規イベントの値を決定する。例えば、図2に示すピッチベンドイベントを例にすると、新規に挿入するピッチベンドイベントのピッチベンド量は既存のピッチベンドイベントのピッチベンド量を2次補完して決定するので、図2(b)に示すように新規挿入イベントは既存のイベントによって表される曲線上に設定される。
【0044】
そして、このようにして新規イベントを挿入したらnEventNew−1を新たなnEventNewと設定し(S314)、ステップS311へ戻る。
【0045】
そして、ステップS311では、再びnEventNew−nEventを計算して、0よりも大きい場合にはさらに新規イベントを挿入する処理を繰り返し、nEventNew−nEvent=0になったときに新規イベントの挿入を終了する。
【0046】
そして、次にすべてのパケットの埋め込みが終了したか否かを判断し(S315)、終了していないときにはステップS306に戻って次のパケットを対象パケットとして選択して再び上述の処理を繰り返し行う。また、すべてのパケットの処理が終了しているときには透かしデータの埋め込み処理は終了する。
【0047】
このように、イベントの数に透かし情報を埋め込み、オリジナルMIDIデータを損なわないように新規イベントを挿入するので、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく透かし情報を埋め込むことができる。
【0048】
さらに、イベントの数に透かし情報を埋め込んでいるので、ノイズによってパラメータの下位ビットが変更されるようなことが起きても、透かし情報が消されることはなくなる。
【0049】
次に、本発明に係る透かし情報読み出し装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0050】
図4に示すように、本実施形態の透かし情報読み出し装置41は、MIDIデータから透かしデータの埋め込まれた対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段42と、この対象イベント抽出手段42により抽出された対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段43と、透かしデータを分割して生成されたパケットに基づいて、ブロックに埋め込まれた透かしデータを算出する透かしデータ算出手段44とを含んでいる。
【0051】
次に、本実施形態の透かし情報読み出し装置による透かし情報の読み出し処理について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0052】
図5に示すように、透かし情報の埋め込めまれているMIDIデータが入力されると、MIDIデータの中から透かし情報の埋め込まれている対象イベントを抽出する(S501)。
【0053】
次に、この抽出された対象イベントをチャンネル毎に分割する(S502)。通常MIDIデータには16チャンネル、あるいは32チャンネルが存在するので、それぞれのチャンネル毎に抽出された対象イベントを分割する。さらに、チャンネル毎に分割された対象イベントを、ブロック毎に分割する(S503)。このとき、ブロックとは、時間的に一定以上隣接したイベントを連続するイベントとみなして一つのブロックとする。
【0054】
こうしてブロックに分割されたら、透かしデータを読み出す対象となる対象ブロックを選択し(S504)、この対象ブロックと埋め込まれているパケットの情報とに基づいてnEvent、nBitとをそれぞれ設定する(S505)。
【0055】
ここで、nEventとは対象ブロック内にある対象イベントの数であり、nBitとは埋め込まれているパケットのパケットサイズである。
【0056】
これらの値が設定されたら、まずnEventと2nBitとの大きさを比較する(S506)。ここでnEventが2nBitよりも小さい場合には、この後の処理が行えなくなることからステップS504に戻って、対象ブロックを変更する。
【0057】
また、nEventが2nBit以上の場合には、nEventと2nBit−1との論理積を計算することによって、埋め込まれていたパケットデータpDateを算出する(S507)。このときの算出式は
pData=nEvent & (2nBit−1)
となる。例えば、透かし情報埋め込み装置1によってnEvent=20=(10100)2にpDate=(1010)2が埋め込まれてnEvent=(11010)2=26と変更されていた場合には、透かし情報読み出し装置41ではnBit=4であることから、2nBit−1=24−1=15=(1111)2と変更後のnEvent=(11010)2との論理積を計算する。
【0058】
そして、この論理積を計算すると、pDate=(1010)2と計算することができ、この値は透かし情報埋め込み装置1で埋め込まれたpDateと等しくなり、埋め込まれたパケットデータが読み出されていることが分かる。
【0059】
こうしてパケットデータが読み出されたら、その他のブロックに埋め込まれていたパケットデータと連結し(S508)、すべてのパケットデータの読み出しが終了したか否かを判断する(S509)。そして、終了していないときにはステップS504に戻って次のブロックを対象ブロックとして選択して再び上述の処理を繰り返し行う。また、すべてのパケットの読み出しが終了して透かしデータが読み出されていたときには、透かしデータの読み出し処理は終了する。
【0060】
このようにして、上述した透かし情報埋め込み装置1によって埋め込まれた透かし情報を、読み出すことができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の透かし情報埋め込み装置及びその方法によれば、イベント数に透かし情報を埋め込み、オリジナルMIDIデータを損なわないように新規イベントを挿入するので、オリジナルデータの楽曲クオリティを損なうことなく透かし情報を埋め込むことができる。
【0062】
さらに、イベント数に透かし情報を埋め込んでいるので、ノイズによってパラメータの下位ビットが変更されるようなことが起きても、透かし情報が消されることはなくなる。
【0063】
また、本発明の透かし情報読み出し装置及びその方法によれば、上述した透かし情報埋め込み装置によって埋め込まれた透かし情報を読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透かし情報埋め込み装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】MIDIデータをブロックに分割し、このブロックに挿入された新規イベントを説明するための図である。
【図3】図1に示す透かし情報埋め込み装置による透かしデータの埋め込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明による透かし情報読み出し装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す透かし情報読み出し装置による透かしデータの読み出し処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 透かし情報埋め込み装置
2、42 対象イベント抽出手段
3、43 ブロック生成手段
4 パケット生成手段
5 対象イベント数変更手段
6 新規対象イベント挿入手段
41 透かし情報読み出し装置
44 透かしデータ算出手段
Claims (4)
- オリジナルMIDIデータに対して透かしデータを埋め込む透かし情報埋め込み装置であって、
前記オリジナルMIDIデータから前記透かしデータの埋め込みの対象となる対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段と、
この対象イベント抽出手段により抽出された前記対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段と、
前記透かしデータを分割してパケットを生成するパケット生成手段と、
このパケット生成手段で生成された前記パケットに基づいて、前記ブロック内の対象イベント数を増加変更する対象イベント数変更手段と、
この対象イベント数変更手段で変更された前記対象ベント数にしたがって、既存の前記対象イベントを二次補完して得られた新規対象イベントを前記ブロックに挿入して前記透かしデータを埋め込む新規対象イベント挿入手段とを備えたことを特徴とする透かし情報埋め込み装置。 - オリジナルMIDIデータに対して透かしデータを埋め込む透かし情報埋め込み方法であって、
透かしデータ埋め込み側の対象イベント抽出手段と、ブロック生成手段と、パケット生成手段と、対象イベント数変更手段と、新規対象イベント挿入手段とを備え、
前記対象イベント抽出手段によって前記オリジナルMIDIデータから前記透かしデータの埋め込みの対象となる対象イベントを抽出する対象イベント抽出ステップと、
この対象イベント抽出ステップにより抽出された前記対象イベントを前記ブロック生成手段によって分割してブロックを生成するブロック生成ステップと、
前記透かしデータを前記パケット生成手段によって分割してパケットを生成するパケット生成ステップと、
このパケット生成ステップで生成された前記パケットに基づいて、前記ブロック内の対象イベント数を前記対象イベント数変更手段によって増加変更する対象イベント数変更ステップと、
この対象イベント数変更ステップで変更された前記対象イベント数にしたがって、前記新規対象イベント挿入手段によって既存の前記対象イベントを二次補完して得られた新規対象イベントを前記ブロックに挿入して前記透かしデータを埋め込む新規対象イベント挿入ステップとを有したことを特徴とする透かし情報埋め込み方法。 - 請求項1に記載の透かし情報埋め込み装置によって透かしデータが埋め込まれたMIDIデータから前記透かしデータを読み出す透かし情報読み出し装置であって、
前記MIDIデータから前記透かしデータが埋め込まれた対象イベントを抽出する対象イベント抽出手段と、
この対象イベント抽出手段により抽出された前記対象イベントを分割してブロックを生成するブロック生成手段と、
このブロック生成手段によって生成された前記ブロック内の対象イベント数と予め前記透かしデータが分割されて生成されたパケットのパケットサイズとに基づいて、前記ブロックに挿入された前記透かしデータを算出する透かしデータ算出手段とを備えたことを特徴とする透かし情報読み出し装置。 - 請求項2に記載の透かし情報埋め込み方法によって透かしデータが埋め込まれたMIDIデータから、透かしデータ算出手段を用いて前記透かしデータを算出して読み出す透かし情報読み出し方法であって、
透かしデータ読み出し側の対象イベント抽出手段と、ブロック生成手段と、透かしデータ算出手段とを備え、
前記対象イベント抽出手段によって前記MIDIデータから前記透かしデータが埋め込まれた対象イベントを抽出する対象イベント抽出ステップと、
この対象イベント抽出ステップにより抽出された前記対象イベントを前記ブロック生成 手段によって分割してブロックを生成するブロック生成ステップと、
このブロック生成ステップによって生成された前記ブロック内の対象イベント数と予め前記透かしデータが分割されて生成されたパケットのパケットサイズとに基づいて、前記ブロックに挿入された前記透かしデータを前記透かしデータ算出手段によって算出する透かしデータ算出ステップとを有したことを特徴とする透かし情報読み出し方法。
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