JP3691931B2 - トナー用バインダー樹脂、静電荷現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

トナー用バインダー樹脂、静電荷現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式による画像形成に使用される静電荷現像用トナー、トナー用バインダー樹脂並びに該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の複写機やプリンターでは、トナーは、現像工程で静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着し、次に転写工程において転写紙に転写された後、定着工程で定着され、画像が形成される。像担持体へのトナー付着(現像)は、静電荷像の電荷がトナーの帯電極性と反対であるいわゆる正規現像や、両者が同極性である反転現像が挙げられる。
現像で用いられるトナーはキャリアと共に用いる2成分トナーやトナーのみを現像剤とする1成分トナーがあり、更に1成分トナーには磁性体を含む1成分トナー、磁性体を含まない非磁性1成分トナーがある。転写工程では静電転写法が広く用いられており、その方法としてはコロナ転写法、ローラー転写法、ベルト転写法等が知られている。電子写真方式の画像形成ではこれら各種の現像方法あるいは転写方法から選ばれた方式の組合せで行われる。
【0003】
トナーの製法としては、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等必要に応じた成分を配合し、溶融混練後、粉砕、分級する方法が広く行われている。
トナーに要求される性能は、画像を形成した場合、画像濃度が十分であること、画像かぶりがないこと、画像欠陥がない画像が得られること、あるいはトナー飛散や感光体へのフィルミングがなく、クリーニング性のよいこと、長期間安定に使用できること、トナー生産工程や貯蔵、輸送中にブロッキングを引き起こさないこと等、生産工程から形成画像、使用機器に対する問題等極めて多岐に亘る。かかる要求を満たす為、溶融混練する材料の性状、配合処方、混練条件等に関し多くの提案がなされている。例えば、構造中に酸基を有するバインダー樹脂を使用することによりトナーと紙の接着性を改善することが試みられている。また、樹脂と着色剤、磁性粉等を溶融混練してトナーを製造する際、シリコーンオイルを添加することによりオフセット現象が防止されることが報告されている(特開昭54−48245号、特開昭59−197048号)。あるいは、シリカを代表とする各種外添剤も提案されている。
【0004】
【発明か解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法は必ずしも、トナーに要求される性能を十分満足させるものでは無い。また、画像形成装置に採用される現像、転写、その他の方式によっては必ずしも十分に効果を奏することが出来ない。特に導電ゴムローラーあるいは導電ゴムに誘電体層を設けた誘電ローラー等を介して直接記録紙に印加し、これにより発生した電界でトナー層を転写するローラー転写法では、トナーを転写する工程で文字抜けの欠陥がしばしば発生する。これはトナー同士の凝集力あるいは流動性と関係が有り、トナー同士の凝集力が低く、トナーの流動性が良いものは文字抜けの発生がないことが分かっているが、その要因は複雑で、現時点ではこれを解決する手段について、必ずしも有効な提案はない。特に、酸基を有するバインダー樹脂を採用したトナーにおいては、ローラー転写での文字中抜けが一層顕在化しやすい傾向にあり、特に多湿環境においては、画像欠陥にまで至り、画像品質としては致命的である。
一方、トナー中の各成分の分散性をよくするために、バインダー樹脂を小粒径化すると、樹脂粒子の流動性が悪化しトナー生産時の各工程においてブリッジングや装置壁面への付着が甚だしく成り、トナーの生産性を低下させる。更に、近年の省エネルギーの要求による低温定着化の為に樹脂のガラス転移点を下げようとすると、運搬、貯蔵中のブロッキングを引き起こしやすく成るという新たな問題も発生してきた。
本発明はかかる事情に鑑み成されたものであって、その目的は、酸基を有するバインダー樹脂を用い、紙との定着性が良好で、多湿環境においても文字の中抜けのない鮮明で汚れのない良好な画像を得ることが出来、且つ、生産、貯蔵あるいは輸送中の障害も改良され安定的な生産を可能にするトナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はかかる目的を解決するため鋭意検討した結果、上記問題を解決し得ることを知り本発明を完成した。即ち本発明は、構造中に遊離の酸基を有し、シリコーンオイルを含有してなるトナー用バインダー樹脂であって、シリコーンオイルの存在下で、少なくとも1種のビニル系モノマーと、これと重合可能な不飽和二重結合及び少なくとも一個のカルボキシル基を有するモノマーとを懸濁重合して得られるトナー用バインダー樹脂及びかかる樹脂と着色剤とを含有する静電荷現像用トナー並びかかるトナーを用いる画像形成方法に存する。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のトナー用バインダー樹脂は、シリコーンオイルを樹脂の重合時に含有させることが重要であり、これによりバインダー樹脂と他の成分を混練りする際にオイルを添加する前記公報の方法に比し、著しく樹脂の流動性を向上させることができる。本発明に係るシリコーンオイル成分を含有したトナー用バインダー樹脂は、樹脂製造時、すなわちモノマー重合時にシリコーンオイル成分を存在させることにより得られる。
【0007】
本発明のトナー用バインダー樹脂としては特に限定されず、構造中に酸基を有する従来公知のバインダー樹脂が用いられる。例えば、酸基を有するビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、あるいはそれらの混合樹脂等が挙げられる。酸基を有するビニル系樹脂は、1種以上のビニル系モノマーと、重合可能な不飽和二重結合及び少なくとも一個のカルボキシル基を有するモノマーとの共重合により製造される。ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、核置換基としてo−メチル基、m−メチル基、p−メチル基、p−エチル基、2,4−ジメチル基、p−ブチル基、p−ヘキシル基、p−オクチル基、p−ノニル基、p−デシル基、p−メトキシ基、p−フェニル基等を有するスチレン誘導体類、一般式:CH2 =CR−COORで示されるアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類(但し、Rは水素又はメチル基を表す。R’はメチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、ドコシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェニル基等のアラルキル基またはアリール基;メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、フェノキシエチル基等のアルコキシアルキルあるいはアリーロキシアルキル基を表わす。)、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができ、目的に応じて1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0008】
また、スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよく混合樹脂でも構わない。
重合可能な不飽和二重結合及び少なくとも一個のカルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類、α−クロルアクリル酸、α−ブロムアクリル酸等の置換モノカルボン酸類、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸類、それらの無水物またはハーフエステル類等が挙げられる。中でも、アクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。これら酸成分の量は、樹脂中に0.1〜30重量%であるのが好ましく、更に望ましくは、0.5〜10重量%である。
【0009】
ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸と2価以上のアルコール成分を縮合重合して得られ遊離の酸基を有する樹脂が選ばれる。2価のカルボン酸としては無水マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等が挙げられ、これらの無水物も使用することができる。3価のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等が挙げられ、これらの酸無水物も使用することができる。
【0010】
2価のアルコールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のエーテル化ビスフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を使用することができる。3価のアルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0011】
これら酸基を有する樹脂の中で、本発明のバインダー樹脂としては、ビニル系樹脂が好ましい。特に、スチレンを含有するモノマーを重合して得られるバインダー樹脂が好ましく、更に好ましくは、スチレンと1種以上のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルを含有するモノマーを重合して得られるバインダー樹脂である。また、これらの樹脂の酸価は、1〜30mgKOH/gであるのがよい。樹脂の酸価は、樹脂1g中に含有される酸分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で示され、JIS K0070に記載される方法により測定される。また樹脂のガラス転移温度(Tg)はトナーの定着性とも関係し、低温定着化の要求に応えるためには60℃以下であるのが好ましい。
【0012】
本発明におけるシリコーンオイルとは、常温において液状で、水に溶解せず、粘性を有しており、すなわち疎水性油性物質である。そして、この粘性を示す指標に粘度があり、本発明で用いられるシリコーンオイルの粘度(動粘度)は1〜10,000センチストークス(cs)であることが好ましい。特に好ましくは10〜1,000センチストークスである。本発明において使用されるシリコーンオイルとしては、離型性、剥離性に優れた、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイルの他にポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイルが挙げられる。また、ビニル系樹脂の場合は重合性モノマーと反応しうる反応性ビニル基を有するシリコーンオイル等も用いられる。本発明においては特にストレートシリコーンが好ましく、特にジメチルシリコーンオイルがより好ましい。バインダー樹脂中のシリコーンオイル含有量は、樹脂(オイルを除く)100重量部に対して0.01〜10重量部であることが望ましい。
【0013】
バインダー樹脂を製造する重合方法としては、例えが溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合などが挙げられるが、本発明では特にビニル系モノマーを懸濁重合で製造することが好ましい。そして重合反応時にシリコーンオイルを系内に存在させて重合し、シリコーンオイルを含有させた樹脂を得る。具体的にはシリコーンオイルを反応初期からモノマーとして混合して重合する方法、シリコーンオイルを重合反応の途中で添加する方法があるが、操作の容易さから初期からシリコーンオイルを添加する方法、特にモノマーにシリコーンオイルを含有させた後重合するする方法が好ましい。
【0014】
シリコーンオイルを用い、ビニルモノマーを懸濁重合により重合して本発明のシリコーンオイルを含有したバインダー樹脂を製造するには、例えばモンマー、シリコーンオイル、重合開始剤(例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾ化合物等)、更に必要に応じて連鎖移動剤を加えた油相と、水、ポリビニルアルコール等の懸濁安定剤、更に必要に応じ分散助剤を加えた水相を混合、攪拌して液滴分散物(懸濁液)を作る。油相と水相の比率は重量比で、油相1に対し水相が10以内、好ましくは2〜5に設定する。液滴分散物は所定の重合温度まで加温し重合する。次いで、反応混合物を脱水して重合物を分離し必要に応じ水洗洗、乾燥すれば目的とする樹脂が得られる。
【0015】
トナー中の各成分の分散性を向上させるためには、シリコーンオイルを含有した樹脂の体積平均粒径は1mm以下であることが好ましい。樹脂のガラス転移点(Tg)は、トナーのTgとも関係するので、近年の低温定着化の傾向からすれば60℃以下が好ましい。また、必要に応じ、重合時にシリコーンオイル以外のトナー構成成分例えば着色剤、静電制御剤、ワックス等の添加剤、磁性材両等を添加し樹脂に含有させてもよい。かくして得られたシリコーンオイル成分を含有せしめたバインダー樹脂は、着色剤と共に、更に必要に応じ他の成分を加え、混練りする工程を経て本発明のトナーに製造される。他の成分とは、帯電制御剤、磁性剤、ワックス等、公知のものから適宜選択されるが、このとき他の成分にはバインダー樹脂、シリコーンオイルを混練時に併用しても構わない。混練は加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混練機を用いて行う。混練された組成物は冷却固化後、粉砕・分級して所望の粒径にした後、必要に応じて更にシリカなど外添剤を添加しトナーを得る。
【0016】
本発明のトナーは磁性粉を含有した磁性1成分トナー、磁性粉を含有しない非磁性1成分トナーあるいはキャリアと混合して用いる2成分トナーの何れの処方にも適用できる。
本発明に用いる着色剤として、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0017】
また、本発明のトナーにおいては、着色剤が磁性を有しても良い。磁性トナーの場合には、一般的には黒色や茶系色の磁性粒子を着色剤とする。本発明に用いられる磁性粒子としては、複写機等の使用環境温度(0℃〜60℃付近)において、フェリ磁性あるいはフェロ磁性等を示す強磁性物質であって、例えばマグネタイト(Fe3 4 )、マグヘマイト(γ−Fe2 3 )、マグネタイトとマグヘマイトの中間体、フェライト(MxFe3−xO4 ;式中MはMn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,Cd等あるいはその混晶系)等のスピネルフェライトやBaO・6Fe2 3 、SrO・6Fe2 3 等の六方晶フェライト、Y3 Fe5 12、Sm3 Fe5 12等のガーネット型酸化物、CrO2 等のルチル型酸化物、Fe,Mn,Ni,Co,Cr等の金属やその他の強磁性合金などの中、0℃〜60℃付近でフェロ磁性あるいはフェリ磁性を示すものが挙げられ、中でもマグネタイト、マグヘマイト、マグネタイトとマグヘマイトの中間体等の平均粒径3μm以下、より好ましくは0.05〜1μm程度の微粒子が性能的にも価格的にも好ましい。また上記磁性粒子は単独で使用するに限らず、2種以上併用することもできる。
【0018】
トナーの製造法は、特に制限されるものではなく、従来公知のいかなる方法も採用することが出来る。例えば、一般的な製法方法を示すと次の通りである。シリコーンオイルを含有したバインダー樹脂に、着色剤、必要に応じ帯電制御剤等の成分を加えヘンシェルミキサー等で均一に分散させる。次いで、分散物を加圧ニーダー等で溶融混練する。されに混練物をハンマーミル、カッターミル、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、得られた粉体を風力分級機等で分級し、所望の粒径のトナーを得る。更に必要であれば、この分級品にケイ素微粉末や高級脂肪酸塩あるいは無機酸化物等を加えてもよい。トナーの体積平均径(体積50%径)は、3〜15μmが好ましく、より、好ましくは5〜10μmである。また、本発明のトナーはローラー転写方式を持つ画像形成方法を用いた場合特に優れた効果が得られ、従来技術では避けがたい文字抜けのない良好な画像が得られる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、「部」は特記する以外は「重量部」を表す。
実施例1
スチレン44部、n−ブチルアクリレート14部、メタクリル酸2部、ジメチルシリコーンオイル(商品名KF96−100cs、信越化学社製、粘度100cs)0.5部をマルチディスパーサー(三田村理研製)により、約8,000rpmの回転で30分間分散した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部を溶解させ、油相混合物とした。この時の酸価は約21mgKOH/gであった。一方、水相としてポリビニルアルコール(商品名GM−14、日本合成化学社製)の1%水溶液180部を用いた。
【0020】
上記油相の水相への分散は、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数約6,000rpmで15分間攪拌した。その後、分散液を攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えたステンレス製重合缶に移し、回転数約500rpmで攪拌しながら、窒素気流下80℃で8時間加熱し、重合反応を完了した。
得られた反応液から遠心分離機により重合体粒子を固形分として分離し、更に水洗、濾別を繰り返した後真空乾燥して、平均粒径が100μm、Tgが55℃のシリコンオイル含有トナー用バインダー樹脂を得た。
【0021】
比較例1
実施例1において、シリコンオイルを使用していない以外は全く同様にして樹脂の製造を行い、平均粒径100μm及びTgが55℃のトナー用バインダー樹脂を得た。
【0022】
実施例2
実施例1で得られた樹脂100部と着色剤のカーボンブラック5部とを混合した後、得られた混合物を一旦タンクに貯蔵し、その後混合物を混練機へ一定量供給して混練を行った。この混合、貯蔵、混練の各工程で樹脂に起因するブリッジングは見られず、安定生産が可能であった。
また、この樹脂を45℃の温度条件で1週間保管したが、ブロッキングするようなことはなかった。
比較例2
比較例1で得られた樹脂を用い、以下実施例1と全く同じプロセスを経てトナー製造を行ったところ、貯蔵タンクでのブリッジングが起こり、混練でのフィード量不良が発生した。
また、この樹脂を45℃の温度条件で1週間保管したところ、やや樹脂の凝集物が発生していた。
【0023】
実施例3
以下に示す配合比により非磁性1成分現像剤を得た。
実施例1のバインダー樹脂 100部
カーボンブラック MA100(三菱化学製) 6部
ボントロン S34(オリエント化学製) 2部
ポリプロピレンワックス550P(三洋化成製) 4部
これらをヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押し出し機で溶融混練してトナー塊を得た。これを、フェザーミルにて粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、その後、気流式分級機を用いて50%体積平均粒径が9μmのトナー粒子を得た。また、そのトナー100重量部に対し、球状シリカ微粒子(日本アエロジル製R972)0.8部をスーパーミキサーにて混合し、非磁性1成分系電子写真用現像剤を得た。25℃、50%RHの通常環境で、このトナーを市販の非磁性1成分現像方式を用いた改造プリンター(ローラ転写方式)を用いて印字評価を行ったところ、定着性が良好で、文字中抜けのない鮮明な画像が得られた。
また、この印字試験を25℃、85%RHの多湿環境で行ったところ、文字の中抜けは特に悪化することはなかった。
【0024】
比較例3
実施例1で得られた樹脂の代わりに比較例1で得た樹脂を使用したこと以外、実施例3と全く同様にして非磁性1成分系電子写真用現像剤を得た。これを前記プリンターで同様に印字評価を行ったところ、やや文字中抜けの発生が見られた。一方、多湿環境では文字の中抜けが顕著となり、実使用に耐えなくなった。
【0025】
実施例4
以下に示す配合比により磁性1成分現像剤を得た。
実施例1のバインダー樹脂 100部
磁性粉 EPT500(戸田工業製) 70部
帯電制御剤 T77(保土谷化学製) 1部
ポリプロピレンワックス NP505(三井石化製) 4部
これらをヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押し出し機で溶融混練してトナー塊を得た。これを、フェザーミルにて粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、その後、気流式分級機を用いて50%体積平均粒径が8μmのトナー粒子を得た。また、そのトナー100部に対し、球状シリカ微粒子(日本アエロジル製R972)0.5部をスーパーミキサーにて混合し、磁性1成分系電子写真用現像剤を得た。このトナーの印字評価には、市販の磁性1成分現像方式を用いたプリンターを改造して用いた。このプリンターは、感光体に有機感光体(OPC)を持ち、ローラー帯電方式、ローラー転写方式を具備したものである。印字評価の結果は、通常環境及び多湿環境の何れにおいても、紙への定着性が良好で、文字中抜けのない鮮明な画像が得られた。
【0026】
比較例4
実施例1で得た樹脂の代わりに比較例1で得た樹脂を使用したこと以外、実施例4と全く同様にして磁性1成分系電子写真用現像剤を得た。これを前記プリンターで同様に印字評価を行ったところ、やや文字中抜けが発生した。一方、多湿環境では文字の中抜けが、顕著となり、実使用に耐えなくなった。
【0027】
実施例5
配合を以下の如く、実施例4の処方に更にシリコーンオイルを加えたたこと以外、実施例4と全く同様にして磁性1成分電子写真用現像剤を得た。
実施例1のバインダー樹脂 100部
磁性粉 EPT500(戸田工業製) 70部
帯電制御剤 T77(保土谷化学製) 1部
ポリプロピレンワックス NP505(三井石化製) 4部
シリコーンオイル(商品名KF96−100cs、信越化学製)0.3部
これを前記実施例4で用いたプリンターで同様の印字評価を行ったところ、実施例4と同様に、通常及び多湿環境の何れにおいても、定着性が良く文字中抜けのない鮮明な画像が得られた。
【0028】
比較例5
実施例1で得た樹脂の代わりに比較例1で得た樹脂を使用したこと以外、実施例5と全く同様にして磁性1成分系電子写真用現像剤を得た。これを前記プリンターで同様に印字評価を行ったところ、比較例4の結果よりは良好であったが、通常環境でやや文字中抜けがみられると共に多湿環境では更に悪化したので、実施例4及び実施例5に比べると実用上満足できるレベルではなかった。
【0029】
実施例6
以下に示す配合比により磁性2成分現像剤を得た。
実施例1のバインダー樹脂 100部
カーボンブラック MA0100(三菱化学製) 6部
ボントロン S34(オリエント化学製) 2部
ポリプロピレンワックスNP505(三井石化製) 4部
これらを実施例3と同様な方法で混練、粉砕、分級して、50%体積平均粒径が9μmのトナー粒子を得た。このトナー100部に対し、シリカ微粒子(日本アエロジル製R972)0.8部をスーパーミキサーにて混合し、2成分系電子写真用現像剤を得た。この現像剤に体積平均粒径80μmのフェライト粉キャリア(シリコーン処理)をV型ミキサーで混合して、トナー濃度4%の2成分現像剤を作成した。この現像剤を有機感光体を用いた市販の電子写真現像方式の複写機(A4毎分22枚)で24℃、50%RHの通常環境で100,000枚の連続実写をしたところ、画像濃度、中抜け、カブリ等の問題も発生せず、良好であった。さらにこの現像剤を35℃、85%RHの高温高湿及び10℃、20%RHの低温低湿の各環境下において同様な実写を行ったところ、文字の中抜け等も特に悪化する傾向は見られなかった。
【0030】
比較例6
比較例1で得られた樹脂を使用する以外は実施例6と同様にして、磁性2成分現像剤を得た。これを実施例6で使用した複写機で同様に連続実写を行ったところ、文字の中抜けが発生した。更に、高温高湿下ではこの文字の中抜けが一層顕著となり、実使用に耐えなくなった。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、構造中に遊離の酸基を有し、シリコーンオイルを含有してなるバインダー樹脂であって、該シリコーンオイルは樹脂の重合時に含有されるたバインダー樹脂であるので、樹脂粒子が小径小粒径の場合でもトナー製造時のブリッジングが生起せず、安定生産性を高めることが出来る。また樹脂のTgが低い場合でも貯蔵安定性に優れている。更に、少なくとも係るシリコーンオイルを含有したバインダー樹脂と着色剤を混練するする工程を経て得られる静電荷現像用トナーは、良好な定着性を示す。更にかかるトナーを使用すると、ローラ転写方式の課題であった文字の中抜けを改善出来、特に多湿環境おいても文字の中抜けのない鮮明で高品質な画像が得られるという効果を奏する。

Claims (9)

  1. 構造中に遊離の酸基を有し、シリコーンオイルを含有してなるトナー用バインダー樹脂であって、シリコーンオイルの存在下で、少なくとも1種のビニル系モノマーと、これと重合可能な不飽和二重結合及び少なくとも一個のカルボキシル基を有するモノマーとを懸濁重合して得られることを特徴とするトナー用バインダー樹脂。
  2. ビニル系モノマーが少なくともスチレンモノマーを含有することを特徴とする請求項記載のトナー用バインダー樹脂。
  3. ビニル系モノマーが、スチレンと、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーを含有することを特徴とする請求項または請求項記載のトナー用バインダー樹脂。
  4. 不飽和二重結合とカルボキシル基を有するモノマーが、アクリル酸またはメタアクリル酸であることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のトナー用バインダー樹脂。
  5. シリコーンオイルの粘度が1〜10,000csであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のトナー用バインダー樹脂。
  6. シリコーンオイルの粘度が10〜1,000csであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のトナー用バインダー樹脂。
  7. シリコーンオイル含有量が樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のトナー用バインダー樹脂。
  8. 請求項1乃至の何れかに記載の樹脂と着色剤とを含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
  9. ローラー転写方式を有する電子写真方式の画像形成方法において、請求項に記載の静電荷現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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