JP3690761B2 - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性平版印刷版用の処理方法に関し、特に、現像安定性が改良された感光性平版印刷版の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、広く使用されているポジ型感光性平版印刷版は支持体としてのアルミニウム板上にo−キノンジアジド化合物からなる感光層を設けたものである。o−キノンジアジド化合物は紫外線露光によりカルボン酸に変化することが知られており、従って、これをアルカリ水溶液で現像すると当該感光層の露光部のみが除去されて支持体表面が露出する。アルミニウム支持体の表面は親水性なので現像で支持体の表面が露出された部分(非画像部)は水を保持して油性インキを反発する。一方、現像によって感光層が除去されなかった領域(画像部)は、親油性なので水を反発し、インキを受けつける。
【0003】
これらのポジ型感光性平版印刷版の感光層には、上記のo−キノンジアジド化合物の結合剤(以下バインダーと称す)として通常はクレゾールノボラック樹脂が用いられてきた。そのため、現像液としては、クレゾールノボラック樹脂を溶解可能なpH13前後の強アルカリ性の珪酸塩を用いることが一般的であった。かかるポジ型感光性平版印刷版の現像液として使用されるアルカリ水溶液は、種々のものが知られているが、最も一般的に使用されているのは珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸塩水溶液である。その理由は珪酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの比率(一般に[SiO2 ] /[M2 2 ]のモル比で表す)と濃度によってある程度現像性の調節が可能とされるためである。また、ほとんど全てのポジ型感光性平版印刷版が現像にpH13前後の強アルカリを必要とし、珪酸塩がそのpH領域で良好な緩衝作用を示し、安定した現像ができるためである。
【0004】
これらの珪酸塩は上述のポジ型感光性平版印刷版だけでなく、特公昭56−14970号公報記載のo−キノンジアジド感光層を用いた反転型ネガ型感光性平版印刷版や、アルカリ可溶性ジアゾニウム塩を感光層に用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液、およびジメチルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤とする感光層を用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液としても用いられ、特にネガ型・ポジ型感光性平版印刷版の共通処理用現像液としても用いられてきた。
【0005】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、感光性平版印刷版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に感光性平版印刷版を搬送する装置と、現像液槽およびスプレ−装置からなり、露光済みの感光性平版印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた現像液をスプレ−ノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は現像液が満たされた現像処理槽中に液中ガイドロ−ルなどによって感光性平版印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法も知られている。
【0006】
かかる自動現像機を用いて、ポジ型感光性平版印刷版を現像する場合に、現像液としてSiO2 /Na2 Oのモル比が1.0〜1.5(即ち[SiO2 ] /[Na2 O]が1.0〜1.5)であって、SiO2 の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を使用し、しかもポジ型感光性平版印刷版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2 /Na2 Oのモル比が0.5〜1.5(即ち[SiO2 ] /[Na2 O]が0.5〜1.5)の珪酸ナトリウム水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間タンク中の現像液を交換する事なく多量のポジ型感光性平版印刷版を処理することができる旨、特開昭54−62004号公報に開示されている。
【0007】
また、特公昭57−7427号公報は、[SiO2 ] /[M]が 0.5〜0.75(即ち[SiO2 ] /[M2 O]が1.0〜1.5)であって、SiO2 の濃度が1〜4重量%であるアルカリ金属珪酸塩の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩の[SiO2 ] /[M]が0.25〜0.75(即ち[SiO2 ] /[M2 O]が0.5〜1.5)であり、かつ該現像液および該補充液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有していることことからなる現像方法を開示している。
【0008】
しかしながら、現像液の主成分である珪酸塩は、アルカリ性領域では安定であるが、中性ではゲル化、不溶化し、また蒸発乾固するとフッ化水素酸のような強烈な酸にしか溶けなくなる欠点を持っている。
実際、自動現像機の現像槽周辺の液はねによる固化物の汚れや、現像廃液を廃棄する際の中和による不溶化物の析出などがその実害として挙げられる。
【0009】
特開昭58−95349号公報には、感光性プレートの非画像部の感光層の溶出度合いを電気的に測定するセンサーを設け、溶出度合いが所定のレベルに低下した時に現像補充液が補充される方法が開示されている。現像液が珪酸塩系の場合、このセンサーに珪酸塩の不溶化物が堆積して検出感度を落とすため正常な補充ができず、処理の安定性が著しく低下する問題があった。
【0010】
特開昭64−21451号公報には、現像液の交流インピーダンスをセンサーで測定し、測定値が所定の値に達したとき補充液を補充される方法が開示されているが、この方法においても、センサーに珪酸塩の不溶化物が堆積して検出感度を落とすため、補充が過多になり、処理の安定性が著しく低下する問題があった。
【0011】
この問題点を解決するため、珪酸塩以外のアルカリ剤をポジ型感光性平版印刷版用現像液に用いる試みがなされ、燐酸三ナトリウムや、水酸化ナトリウムと燐酸三ナトリウムを組み合わせた強アルカリが現像液として評価されたが、何れも緩衝作用が弱く、安定した現像が出来なかった。
【0012】
【発明が解決すべき課題】
従って、本発明の目的は、現像液の電導度またはインピーダンスを測定するセンサー等に不溶解物が付着し難く、長期間に渡って極めて安定した処理を行うことができる感光性平版印刷版の処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、糖類等の弱酸と塩基を組み合わせた緩衝液が感光性平版印刷版の現像に極めて有用であることを見いだし、更にそれらの緩衝液を主成分とする現像液および現像補充液では、前記のセンサー等に不溶解物が発生しないことを見いだし本発明を成すに到ったものである。
【0014】
即ち本発明は、(1)酸解離定数(pKa)10.0〜13.3を有する少なくとも一種の弱酸(但し、エチレンジアミン四酢酸を除く)および少なくとも一種の塩基を含有する、pHが9.0〜13.9の範囲である現像液を用いて感光性平印刷版を現像するとともに、前記現像液の活性度の劣化を該現像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより検知し、該検知結果に基づいて前記活性度を一定に保つように現像補充液を補充することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法であり、(2)非還元糖から選ばれる少なくとも一種の糖類および少なくとも一種の塩基を含有する、pHが9.0〜13.9の範囲である現像液を用いて感光性平印刷版を現像するとともに、前記現像液の活性度の劣化を該現像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより検知し、該検知結果に基づいて前記活性度を一定に保つように現像補充液を補充することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
【現像液】
【0017】
【アルカリ剤】
本発明に用いられる現像液および現像補充液は、少なくとも一種の弱酸と少なくとも一種の強塩基からなるアルカリ領域で緩衝作用を示す緩衝液を主成分として含有し、そのpHが9.0〜13.9の範囲にある。
かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.3のものが好ましく、特にpKaが11.0〜13.2のもの、更には12.0〜13.2のものが好ましい。
【0018】
このような弱酸としては、PergamonPress社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1(pKa 12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロシスルホン酸酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルソノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、ソルビット(同13.0)、サッカロース(同12.7)、グルコース(同12.46)、ガラクトース(同12.35)、アラビノース(同12.34)、キシロース(同12.29)、フラクトース(同12.27)、リボース(同12.22)、マンノース(同12.08)及びL−アスコリビン酸(同11.34)などの糖類、2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンチオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などが挙げられる。
【0019】
これらの弱酸の中で糖類が比較的安価で好ましく、更に糖類の中でも非還元糖はアルカリ中で安定であり特に好ましい。
かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。これらの中で本発明に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ましい。
【0020】
これらの弱酸及び非還元糖は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では高濃縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。かかる緩衝液のもう一方の成分である塩基としては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同カリウム、同リチウム、燐酸三ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤も補助的に用いられる。
【0021】
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、弱酸及び非還元糖に対するこれらの量を調整することにより、広いpH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
【0022】
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.9の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.8である。
【0023】
【界面活性剤】
本発明に用いられる現像液および現像補充液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0024】
界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0025】
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。
【0026】
上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加される。
【0027】
【現像安定化剤】
本発明に用いられる現像液および現像補充液には、種々の現像安定化剤が用いられる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。
【0028】
更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。
更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミン類にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを付加して得られる水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0029】
【有機溶剤】
現像液および現像補充液には更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。有機溶剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5重量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0030】
【還元剤】
本発明に用いられる現像液および現像補充液には更に還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止するものであり、特に感光性ジアゾニウム塩化合物を含むネガ型感光性平版印刷版を現像する際に有効である。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5重量%の範囲で含有される。
【0031】
【有機カルボン酸】
本発明に用いられる現像液および現像補充液には更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。
【0032】
芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0033】
上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また10重量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10重量%であり、よりこのましくは0.5〜4重量%である。
【0034】
【その他】
本発明に用いられる現像液および補充液には、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。
防腐剤としては例えば、特願平6−263552号明細書の請求項1記載の化合物、および、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、同カリウム、p−オキシ安息香酸イソブチル、p−オキシ安息香酸イソプロピル、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ジフェニール、o−フェニルフェノール、o−フェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、p−クロロ−m−クレゾール、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、(2,2−ジヒドロキシ−5,5−ジクロロ)ジフェニルメタン、アリルメタノールハロゲンアルキルアシルアミノメタノール、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1.3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール等が好ましい具体例として挙げられる。
【0035】
消泡剤としては例えば、特開平2−244143号公報記載の鉱物油、植物油、界面活性剤、シリコン等が挙げられる。
硬水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0036】
このような硬水軟化剤の添加量は、そのキレート化力と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。
【0037】
現像液および現像補充液の残余の成分は水である。
本発明に用いられる現像液および現像補充液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
【0038】
更に、粉体、顆粒、錠剤の形状で供給し、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上好ましい。
【0039】
【感光性組成物】
本発明の現像液および現像補充液を用いて現像される感光性平版印刷版(以下PS版と称す)としては、o−キノンジアジド感光層を用いたポジ型PS版、o−キノンジアジド感光層を用いた反転型ネガ型PS版や、アルカリ可溶性ジアゾニウム塩を感光層に用いたネガ型PS版、およびジメチルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤とする感光層を用いたネガ型PS版などが挙げられる。
【0040】
【ポジ型PS版】
このうち、ポジ型PS版の感光性組成物の主成分は高分子バインダーとo−キノンジアジド化合物からなる。
【0041】
【バインダー】
該バインダーとしてはアルカリ性現像液に可溶な高分子化合物が好適であり、特に好ましいアルカリ水に可溶な高分子化合物としては、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、o−、m−およびp−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(o−、m−、p−、m/p−およびo/m−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。更にピロガロール・アセトン樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂およびハロゲン化ヒドロキシスチレン樹脂なども好ましい。
【0042】
本発明に用いられるPS版の感光層中に占める該高分子バインダーの量は30〜90重量%であり、より好ましくは40〜70重量%である。
本発明に用いられるPS版の感光性組成物には場合により、他のアルカリ可溶性樹脂を併用することが出来る。かかるアルカリ可溶性樹脂としては、以下に示す(1)〜(4)のアルカリ可溶性基含有モノマーから選ばれる少なくとも一つ以上を重合成分として有する皮膜形成性樹脂が好ましい。更に、これらのアルカリ可溶性基含有モノマーの他に以下に記す(5)〜(14)のモノマーを共重合した皮膜形成性樹脂が好適に用いられる。
(1)例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、
(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和カルボン酸、(3)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
(4)トシルアクリルアミドのように置換基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、およびトシルメタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニルスルホニルメタクリルアミド。
(5)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、
(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、
(8)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミド類もしくはメタクリルアミド類、
(9)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
(10)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、
(11)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、
(12)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、
(13)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど。
【0043】
このようなアルカリ可溶性の皮膜形成性樹脂は1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができ、全感光性組成物の50重量%以下の添加量で用いられる。
上記共重合体の好ましい分子量は1万〜10万である。
また、上記共重合体には必要に応じて、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびエポキシ樹脂を添加してもよい。
【0044】
このようなアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは2種類以上組み合わせることができ、全感光性組成物の40重量%以下の添加量で用いられる。
【0045】
【o−キノンジアジド化合物】
本発明に用いられるPS版の感光層の一方の主成分であるo−ナフトキノンジアジド化合物としてはポリヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。かかるポリヒドロキシ化合物としてはピロガロール・アセトン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂およびハロゲン化ヒドロキシスチレン樹脂などが挙げられる。これらのポリヒドロキシ化合物からo−ナフトキノンジアジド化合物を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、0.3〜1.0当量反応させることが更に好ましい。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとしては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロリドまたは、1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸クロリドを用いることができる。
【0046】
また、得られるo−ナフトキノンジアジド化合物は、1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位置および導入量の種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル基の全てが1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル化された化合物が、この混合物中に占める割合(完全にエステル化された化合物の含有率)は5モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは20〜99モル%である。o−キノンジアジド化合物の具体例は、特開昭51−139402号、同58−150948号、同58−203434号、同59−165053号、同60−121445号、同60−134235号、同60−163043号、同61−118744号、同62−10645号、同62−10646号、同62−153950号、同62−178562号、同64−76047号、米国特許第3,102,809号、同第3,126,281号、同第3,130,047号、同第3,148,983号、同第3,184,310号、同第3,188,210号、同第4,639,406号などの各公報または明細書に記載されているものを挙げることができる。
【0047】
本発明に用いられるPS版の感光性組成物全量中に占めるo−キノンジアジド化合物の量は10〜50重量%が適当であり、より好ましくは15〜40重量%である。
【0048】
【感脂化剤】
更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用することは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0049】
【現像促進剤】
本発明に用いられるPS版の感光性組成物中には、感度を高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加することが好ましい。
環状酸無水物としては米国特許4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
【0050】
フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシ−トリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
【0051】
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0052】
上記の環状酸無水物類、フェノール類および有機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0053】
【現像安定剤】
また、本発明に用いられるPS版感光性組成物中には、現像条件に対する処理の安定性(いわゆる現像ラチチュード)を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平4−68355号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特願平2−115992号明細書に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
【0054】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)およびアルキルイミダゾリン系(例えば、商品名レボン15、三洋化成(株)製)などが挙げられる。
【0055】
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0056】
【焼き出し剤と染料】
本発明に用いられるPS版感光性組成物中には、露光後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号および同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0057】
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0058】
【塗布溶剤】
本発明に用いられるPS版感光層は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体のアルミニウム板上に塗布される。ここで使用される溶媒としては、特願昭61−95463号明細書に記載されているような有機溶剤が単独あるいは混合して用いられる。
【0059】
本発明の感光性組成物は、2〜50重量%の固形分濃度で溶解、分散され、支持体上に塗布・乾燥される。
【0060】
【塗布量】
支持体上に塗設される感光性組成物の層(感光層)の塗布量は用途により異なるが、一般的には、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2 が好ましい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための露光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強くなり、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の高い(高耐刷の)印刷版が得られる。
【0061】
【塗布面質の向上】
本発明に用いられるPS版の感光層には、塗布面質を向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光性組成物の0.001〜1.0重量%であり、更に好ましくは0.005〜0.5重量%である。
【0062】
【マット層】
上記のようにして設けられた感光層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けることが好ましい。具体的には、特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0063】
【支持体】
本発明に用いられるPS版感光層は支持体上に塗布されてPS版として用いられる。かかる支持体としては特開平5−45885号公報記載の支持体が用いられる。
【0064】
【有機下塗層】
支持体には感光層を塗布する前に必要に応じて、特開平5−45885号公報記載等の有機下塗層が設けられる。
【0065】
【バックコート】
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特願平4−189448号明細書記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
【0066】
これらの被覆層のうち、Si(OCH3 )4、Si(OC2 5 )4、Si(OC3 7 )4、Si(OC4 9 )4などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており、特に好ましい。
【0067】
【ネガ型PS版】
本発明の処理方法が好ましく適用されるネガ型PS版としては、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光重合性感光層、光架橋性感光層などを有するものが挙げられるが、特に好ましい例としては特開平6−282079号公報に詳しく記載されているネガ型感光層を有するPS版が挙げることができる。
【0068】
【現像および後処理】
本発明に用いられるPS版は透明原画を通してカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプなどを光源とする活性光線により露光された後、本発明の処理方法により現像処理される。
本発明の処理方法は自動現像機を用いて行われる。近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレ−装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ−ノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロ−ルなどによってPS版を浸漬搬送させて現像処理する方法が用いられており、この方法が本発明の処理方法に最も好ましく適用できる。
【0069】
かかる現像処理されたPS版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明のPS版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。例えば、現像→リンス処理、現像→フィニッシャー処理、現像→水洗→リンス処理、現像→水洗→フィニッシャー処理、現像→水洗→リンス処理→保護ガム、現像→リンス処理→フィニッシャー処理などの処理を組み合わせることができる。更に現像→リンス処理→リンス処理、現像→フィニッシャー処理→フィニッシャー処理の様に複数の処理槽を用いた向流多段処理も好ましい。
【0070】
更に本発明の処理方法においては、上記の後処理にも、処理量に応じてそれぞれの補充液を補充することが好ましい。
下記に本発明の処理方法の一実施形態を詳しく述べるが、その他に特願平7−253472号明細書記載の現像補充方法も本発明に好ましく適用できる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0071】
次に、本発明に係るPS版の処理方法の一実施形態を適用した自動現像機を、図1を参照して説明する。
図1において、シート状のPS版10は、感光層を上面にした状態で、所定の搬送方向(矢印A方向)に水平に又は湾曲されつつ連続して搬送され、現像部20、水洗部50及びフィニッシャー部60においてそれぞれ所定の処理を施される。現像部20の現像槽21内に貯留された現像液の活性度は、図示しない制御部の制御に基づく現像補充液の現像槽21への供給によって、ほぼ一定に保たれる。
【0072】
現像部20においては、現像槽21に貯留された現像液の作用によって、PS版10の感光層に現像処理が施される。現像部20には、搬送ローラ22、スクイズローラ23,24がそれぞれPS版10を挟むように上下一対ずつと、回転ブラシローラ25がそれぞれ、ガイドローラ26又は28との間でPS版10を挟むように設けられる。
【0073】
搬送ローラ22は、PS版10を挟持した状態で回転することによって、PS版10をガイドローラ27及びガイド板30に案内させて湾曲させつつ搬送し、現像槽21内の現像液中に浸漬させる。
スクイズローラ23は、現像槽21のほぼ中央に配置され、現像液に浸漬されており、現像液中を通過するPS版10を挟持した状態で回転することによって、PS版10を搬送するとともに、PS版10の感光層の表面に付着した現像液中の老廃物等を除去する。
【0074】
スクイズローラ24は、現像槽21における搬送方向A下流側に配置されており、現像液中を通過したPS版10を挟持した状態で回転することによって、PS版10を搬送するとともに、PS版10表面に付着した過剰な現像液を除去する。
ブラシローラ25はそれぞれ、現像液中に浸漬されるように配置されており、図示しないブラシローラ用モータによって回転されることにより、PS版10の表面の溶出層を掻き取る。
【0075】
現像槽21内におけるガイド板30の下端部近傍と、スクイズローラ23及びガイドローラ26に挟まれる位置にはそれぞれ、スプレーパイプ31が設けられる。各スプレーパイプ31は、多数の吐出口(図示しない)を有しており、各吐出口はそれぞれ、循環パイプ32及び循環ポンプ33を介して現像槽21と連通している。各スプレーパイプ31は、制御部の制御に基づく循環ポンプ33の作動に伴って、現像槽21から吸い上げた現像液を、各吐出口から再び現像槽21の底部に向けて噴出させることにより、現像槽21内の現像液を循環させる。
【0076】
各スプレーパイプ31と循環ポンプ33を連通する循環パイプ32には、センサ34が設けられる。センサ34は、現像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより、画像露光されたPS版10の処理によって生じる現像液の劣化を検知する。
現像槽21には、現像補充液原液タンク35が連結パイプ36及び原液補充ポンプ37を介して連通されており、制御部の制御に基づく原液補充ポンプ37の作動に伴って、現像補充液原液タンク35から現像槽21に所要量の現像補充液原液が供給される。
【0077】
また現像槽21には、液面蓋38が、貯留された現像液に接触して、その表面を覆うように配置されている。液面蓋38は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン又はポリアミド等の軽量な材質からなる。液面蓋38は、搬送方向A両端部を図示しない機体フレームに上下動可能に支持されており、現像液の液面の変化に応じて上下動することにより、現像液表面と空気との接触を極力抑制する。
【0078】
液面蓋38の搬送方向A両端部近傍には、ブレード39がそれぞれ、液面蓋38と外板パネル11との間に渡って設けられる。各ブレード39は、液面蓋38の図1中上面と外板パネル11の内面とに囲まれた空間を、外気からほぼ完全に隔離することにより、現像液の蒸発を極力抑制する。
水洗部50においては、PS版10に所要の水洗処理が施される。水洗部50には、搬送ローラ51がそれぞれPS版10を挟むように二対設けられるとともに、各搬送ローラ51の間には、スプレーパイプ52が設けられる。
【0079】
スプレーパイプ52は、図示しない多数の吐出口を有しており、各吐出口はそれぞれ、連結パイプ53及び水洗ポンプ54を介して水洗水タンク55に連通している。スプレーパイプ52は、下流側の搬送ローラ51の上面に、水洗ポンプ54の作動に伴って多量の水を吐出口から吹き付けることにより、現像処理後のPS版10表面を搬送ローラ51を介して水洗する。搬送ローラ51はそれぞれ、図1中下側の搬送ローラ51を受け皿56に貯留された水に浸漬するように配置されており、PS版10を挟持した状態で回転することによってPS版10をほぼ水平に搬送するとともに、受け皿56からくみ上げた水によって、PS版10の図1中下面を水洗する。受け皿56は、図1中下側の搬送ローラ51の下半分を覆うように設けられており、PS版10の図1中上面を水洗したスプレーパイプ52からの水を貯留する。
【0080】
受け皿56の下方には、水洗槽57が設けられており、受け皿56から溢れた水を貯留する。水洗槽57は、連結パイプ58及び水補充ポンプ59を介して現像槽21と連通されている。すなわち水洗槽57内の水は、制御部の制御に基づく水補充ポンプ59の作動に伴って現像槽21に所要量供給され、現像補充液原液の希釈水となる。
【0081】
フィニッシャー部60においては、ガム液の作用によってPS版10に所要の仕上げ処理が施される。フィニッシャー部60には、スプレーパイプ61が、PS版10を挟んだ上下に一対設けられるとともに、スプレーパイプ61の下流側に、スクイズローラ62がPS版10を挟んだ上下に一対設けられる。
スプレーパイプ61はそれぞれ、図示しない多数の吐出口を有しており、各吐出口はそれぞれ、連結パイプ63及びガム液ポンプ64を介してガム液タンク65に連通している。スプレーパイプ61はそれぞれ、ガム液ポンプ64の作動に伴って、吐出口に対向する各案内板66に向けてガム液(フィニッシング液)を吹き付けることにより、水洗処理後のPS版10の図1中上面及び下面に、各案内板66を介してガム液を吹き付ける。
【0082】
スクイズローラ62はそれぞれ、PS版10を挟持した状態で回転することによって、PS版10を搬送するとともに、仕上げ処理後のPS版10表面に付着した過剰なガム液を除去する。スクイズローラ62によって除去されたガム液は、ガム液槽67に回収される。また図1中下側のスクイズローラ62は、下半分をガム液槽67内のガム液に浸漬されており、ガム液槽67からくみ上げたガム液をPS版10の図1中下面に塗布する。
【0083】
なお現像部20、水洗部50及びフィニッシャー部60において、現像槽21、水洗槽57及びガム液槽67にはそれぞれ、オーバーフロー管12が設けられる。各オーバーフロー管12は、連結パイプ13を介して廃液タンク14に連通しており、各槽の液面が所定の高さを超えると、各槽から溢れた液体を、連結パイプ13を介して廃液タンク14に排出する。
【0084】
制御部は、センサ34による現像液の電導度又はインピーダンスの検知結果に基づいて、現像補充液量m及び希釈比率を演算する。そして制御部は、原液補充ポンプ37及び水補充ポンプ59を制御することにより、演算された比率で希釈された所要量の現像補充液を現像槽21に供給する、すなわち現像補充液原液タンク35から所要量の現像補充液原液を現像槽21に供給するとともに、水洗槽57から所要量の水を現像槽21に供給する。これにより制御部は、現像槽21内に貯留された現像液の活性度を常時ほぼ一定に保つ。
【0085】
図2は、制御部による現像槽21への現像補充液補充の制御フローチャートである。以下、図2に沿って(符号については図1を参照)現像補充液の補充制御について説明する。
自動現像機の運転が開始されると、ステップS1においてブラシローラ用モータが作動され、ブラシローラ25が回転する。これにより、現像槽21内の現像液が撹拌される。そしてステップS2において、循環ポンプ33が作動され、現像槽21内の現像液の循環が開始される。このように運転開始直後から、現像液の撹拌及び循環が行われるため、自動現像機の運転停止中に生じた現像液の濃度ムラを、比較的早期に解消することができる。
【0086】
次にステップS3において、電導度(又はインピーダンス)の測定時期か否かが判断され、測定時期である場合には、ステップS4に進む。一方、測定時期でない場合には、ステップS3の判断が繰り返される。
ステップS4において、センサ34によって現像液の電導度(又はインピーダンス)が測定され、ステップS5において、電導度(又はインピーダンス)の測定値に基づいて、電導度(又はインピーダンス)が所定の許容範囲内であるか否か、すなわち現像補充液の補充が必要であるか否かが判断される。
【0087】
ステップS5において、現像補充液の補充が必要であると判断された場合には、ステップS6に進み、電導度(又はインピーダンス)の測定値に基づいて、制御部のメモリに記憶されているマップから、現像液1リットル当たりに必要な現像補充液の補充量nを読み出すとともに、ステップS7において、現像槽21に貯留されている現像液容量Dを読み出す。一方、ステップS5において、補充が必要でないと判断された場合には、ステップS13に進む。
【0088】
ステップS8においては、現像液容量Dに見合う現像補充液量mが演算され(m=n×D)、ステップS9において、演算された現像補充液量m及び希釈比率に基づいて、現像補充液原液量及び希釈水量がそれぞれ設定され、更にステップS10において、原液補充ポンプ37及び水補充ポンプ59が作動され、演算された比率に希釈された所要量の現像補充液が、現像槽21内に供給される。
【0089】
ステップS11においては、現像槽21内に所定の現像補充液量mを補充し終えたか否かが判断される。補充し終えたと判断された場合には、ステップS12に進み、ステップS12において、原液補充ポンプ37及び水補充ポンプ59が停止される。一方、補充し終えていないと判断された場合には、ステップS11の判断が繰り返される。
【0090】
ステップS13においては、電導度(又はインピーダンス)が測定されてから所定時間経過したか否かが判断される。電導度(又はインピーダンス)測定後、所定時間経過したと判断された場合には、ステップS14に進み、ステップS14において、ブラシローラ用モータが停止され、ブラシローラ25の回転が停止される。更にステップS15において、循環ポンプ33が停止された後、リセットされる。
【0091】
一方、ステップS13において、電導度(又はインピーダンス)測定後、所定時間経過していないと判断された場合には、ステップS13の判断が繰り返される。
なお上述した補充制御において、2回目以降の電導度(又はインピーダンス)測定については、ブラシローラ用モータによるブラシローラ25の駆動がPS版の通過中のみ行われるように、かつ、循環ポンプ33が電導度(又はインピーダンス)測定時期毎に作動されるように制御される。
【0092】
以下実施例を以て本発明を詳細に説明する。
実施例 1
厚さ0.24mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で20秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗し、次いで20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて0.7%硝酸水溶液中で400クーロン/dm2 の電気量で電解粗面化処理を行った。この基板を10%水酸化ナトリウム水溶液中で表面のアルミニウムの溶解量が0.9g/m2 になるように処理した。水洗後、20%硝酸溶液中で中和、洗浄してスマットを除いた後、18%H2SO4水溶液中で、酸化皮膜量が3g/m2 になるように陽極酸化した。
【0093】
次いで、J3号珪酸ナトリウム2%水溶液に30℃で15秒間浸漬し、親水化処理を行った。
かくして製作した支持体上に下記組成の下塗液イを乾燥後の重量にして10mg/m2 となるように塗布して90℃で1分間乾燥し、下塗層を設けた。
下塗液イ
フェニルホスホン酸 0.06重量部
硫酸 0.12重量部
メタノール 100 重量部
続いて、下記組成の感光液を調整し、上記基板上に乾燥後の重量にして1.8g/m2 となるように感光層を設けた。
感光液
m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂
(3核体以上の成分の含有量86.5重量%、
分子量4,800) 1.9 重量部
1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニル
クロリドとピロガロール−アセトン樹脂との
エステル化物 (分子量2,500) 0.76重量部
テトラヒドロ無水フタル酸 0.2 重量部
4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)
アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロ
メチル) −s−トリアジン 0.02重量部
ビクトリアピュアブルーBOH
(保土谷化学工業(株)製) 0.03重量部
メガファック F−177 (大日本インキ
化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.006重量部
メチルエチルケトン 15 重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 15 重量部
この感光層の表面に下記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット層を設け、PS版Aを得た。
【0094】
マット層形成用樹脂液としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸(仕込重量比 65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは約6μm、大きさは約30μm、個数は150個/mm2 であった。
【0095】
このようにして得られたPS版Aを1,003mm× 800mmの大きさに裁断したものを多数枚用意し、これらに原稿フィルムを通して1mの距離から3kWのメタルハライドランプを用いて、60秒間露光した。
次に浸漬型現像槽を有する市販の自動現像機PS−900V(富士写真フイルム(株)製)の現像槽に、下記現像液原液aを水道水で9倍に希釈したpH約13.0の現像液を18リットル仕込み、30℃に加温した。PS−900Vの第二浴目である水洗槽には、水道水が自動的に供給され、PS版を洗浄できるようになっている。第3浴目であるフィニッシング液槽にはFP−2W(富士写真フイルム(株)製)を水道水で2倍に希釈したフィニッシング液を4リットル仕込んだ。別に、現像補充液原液タンクには、下記の現像補充液原液aを5リットル仕込んだ。
【0096】
また、自動現像機PS−900Vは、PS版の処理及び空気中の炭酸ガスによる現像の液活性度の低下を、内蔵されている交流インピーダンス計によって検出し、検出値に基づくコンピュータのフィードバック制御により、現像補充液原液a1に対して水5の比率で希釈された現像補充液を現像槽に補充する。これにより、現像槽に貯留された現像液の活性度がほぼ一定に保たれる。なお自動現像機PS−900Vは、市販状態でのインピーダンスの設定可能範囲が12.5〜25.0Ω・cmであるため、現像液aのインピーダンスが測定できるように自動現像機PS−900Vに改造を施した。また制御インピーダンスの設定値は、27.8Ω・cmとした。その他の条件は、PS−900Vの標準条件とした。
【0097】
尚、後処理部においても、PS版Aを1m2 処理する毎に、水洗水30ml、フィニッシング液FP−2W(水道水で2倍に希釈した液)を20mlの割合で補充した。
現像液原液 a
D−ソルビット 21.2 重量%
水酸化ナトリウム 7.5 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.16 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 0.34 重量%
水 70.8 重量%
現像補充液原液 a
D−ソルビット 26.5 重量%
水酸化ナトリウム 10.7 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.24 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 1.2 重量%
水 61.36 重量%
このような条件の下で、前述した露光済みのPS版を、1日当たり120版ずつ、土曜、日曜、祭日を除く毎日、6か月間に渡って処理した。
【0098】
活性度チェックは、ステップタブレット(1段の光学濃度差が0.15で15段のもの)を用いて、段階的に光量を変化させて前記PS版に焼き付けたものを現像し、その版上の光量に対応して残った画像の段数を読み取り、処理開始時の段数と比較することによって行った。
6か月のテスト期間中、ステップタブレットのクリア部(画像完全除去部)は5.5段、ベタ部(画像完全残存部)の段数は11.5段に保たれ、安定した処理が維持された。処理後、現像槽から現像液を抜き取ったが、現像槽の底部に不溶解物の堆積は見られなかった。また、インピーダンス計センサの表面をチェックしたところ、全く汚れが付着しておらず、良好な状態であった。
比較例 1
実施例1で下記の現像液bおよび現像補充液bを用いた以外は全て実施例1と同様にしてPS版Aを処理し、評価した。ただし、現像補充液は現像補充液原液1に対し水6.5の比率で希釈された液を使用し、制御インピーダンスの設定値は、16.0Ω・cmとした。
【0099】
3か月目くらいから、ステップタブレットの段数が徐々に上がり始めた。そこで現像槽から現像液を抜き取ったところ、現像槽の底部に不溶解物の堆積が見られた。またインピーダンス計センサの表面には、不溶解物が付着していた。
現像液原液 b
〔SiO2 〕/〔K2 O〕モル比1.2、
SiO2 12.2重量%の
珪酸カリウム水溶液 99.8 重量%
ポリオキシエチレン(付加モル
数n=12)ソルビットエーテル 0.2 重量%
現像補充液原液 b
〔SiO2 〕/〔K2 O〕モル比1.0、
SiO2 19.9重量%の
珪酸カリウム水溶液 99.6 重量%
ポリオキシエチレン(付加モル
数n=12)ソルビットエーテル 0.4 重量%
実施例 2
厚さ0.2mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いてその表面を砂目立てした後、良く水で洗浄した。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後、これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて30%の硫酸水溶液に浸漬して、55℃で2分間デスマットした後、20%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2 において厚さが1.5g/m2 になるように陽極酸化し、その後、70℃、2%の3号ケイ酸ナトリウム水溶液で親水化処理を行った。
【0100】
次に、下記感光液を準備し、先の砂目立てした基板上に乾燥後の重量にして、1.5g/m2 となるように塗布し、80℃で2分間乾燥することによりネガ型PS版Bを得た。
感光液
メチルメタクリレート/N−〔6−(メタクリ
ロイルオキシ)ヘキシル〕−2,3−ジメチ
ルマレイミド/メタクリル酸=10/60/
30(モル比)共重合体〔Mw=3.5×
104(GPC)、Tg=約40℃(DSC)〕 5 重量部
3−エトキシカルボニル−7−メチル−チオキ
サントン 0.25重量部
4−ジアゾジフェニルアミンとフェノキシ酢酸
のホルムアルデヒド共縮合物のドデシルベン
ゼンスルホン酸塩 0.20重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 50 重量部
メチルエチルケトン 50 重量部
メガッファックF−177
(大日本インキ化学(株)製、フッ素系ノニオ
ン系界面活性剤) 0.03重量部
ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工
業(株)製) 0.10重量部
次に、実施例1のポジ型PS版Aとネガ型PS版Bを1:1の比率で用いた他は全て実施例1と同様にして、PS版A、Bを現像処理した。
【0101】
6か月のテスト期間中、PS版Aのステップタブレットはクリア部5.5段、ベタ部11.5段に保たれた。また、PS版Bはクリア部8.5段、ベタ部2.5段に保たれ安定した処理が維持された。
処理後、現像槽から現像液を抜き取ったが、現像槽の底部に不溶解物の堆積は見られなかった。また、インピーダンスセンサの表面をチェックしたところ、全く汚れが付着しておらず、良好な状態であった。
実施例 4
下記組成の下塗液ロを用いた他は全て実施例1の方法でポジ型PS版Cを作成した。
下塗液ロ
ポリ p−ビニル安息香酸 0.5 重量%
メタノール 95 重量%
水 4.5 重量%
このPS版Cを用いた他は全て実施例1と同様に処理し、評価した結果、実施例1と同様に、安定した処理ができた。
実施例 5
陽極酸化処理まで実施例1と同様にし、珪酸ナトリウム処理は行わずに作製した支持体上に下記組成の下塗液ハを乾燥後の重量にして10mg/m2 となるように塗布して90℃で1分間乾燥し、下塗層を設けた。
下塗液ハ
トリエタノールアミン・塩酸塩 0.5 重量%
メタノール 95 重量%
水 4.5 重量%
続いて、実施例1の感光液を調整し、上記基板上に乾燥後の重量にして1.8g/m2 となるように感光層を設けた。このようにして作成した感光層の表面に実施例1の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット層を設けたポジ型PS版Dを作製した。
【0102】
このPS版Dを用いた他は全て実施例1と同様に処理し、評価した結果、実施例1と同様に、安定した処理ができた。
実施例 6
下記組成の現像液原液c(希釈液pH約13.0)と現像補充液原液cを用い、制御インピーダンス設定値を26.1Ωm・cmとした他は全て実施例1と同様にして実施例1のPS版Aを処理した結果、実施例1と同様に、極めて安定した処理ができた。
現像液原液 c
D−サッカロース 46.17 重量%
水酸化ナトリウム 8.28 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.27 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 0.6 重量%
水 44.68 重量%
現像補充液原液 c
D−サッカロース 51.3 重量%
水酸化ナトリウム 10.0 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.35 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 1.25 重量%
水 37.1 重量%
実施例 7
下記組成の現像液原液d(希釈液pH約13.1)と現像補充液原液dを用い、制御インピーダンス設定値を22.2Ω・cmとした他は全て実施例4と同様にして実施例1のPS版Aと、実施例4のPS版Cを処理した結果、実施例4と同様に、極めて安定した処理ができた。
現像液原液 d
D−ソルビット 21.2 重量%
水酸化カリウム 7.4 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.16 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 0.34 重量%
水 70.9 重量%
現像補充液原液 d
D−ソルビット 26.4 重量%
水酸化カリウム 13.0 重量%
トリエタノールアミンのエチレン
オキシド30モル付加物 0.24 重量%
DEQUEST 2066(米国、
モンサント社製キレート剤) 1.2 重量%
水 59.16 重量%
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、アルカリ側で緩衝作用が強く、かつ現像液活性度測定用センサー上に不溶物を生じにくい現像液および現像補充液を用いることと、該現像液の電導度またはインピーダンスを測定することによって前記現像液の劣化を検知し、該検知結果に基づいて現像補充液を補充することによって、感光性平版印刷版を長期間に渡って、極めて安定した処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性平版印刷版の処理方法の一実施形態を適用した自動現像機の概略断面図である。
【図2】制御部による現像槽への現像補充液補充の制御フローチャートである。
【図3】制御部による現像槽への現像補充液補充の制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 感光性平版印刷版(PS版)
20 現像部
21 現像槽
33 循環ポンプ
34 センサ
35 現像補充液原液タンク
37 原液補充ポンプ
50 水洗部
57 水洗槽
59 水補充ポンプ
60 フィニッシャー部

Claims (6)

  1. 酸解離定数(pKa)10.0〜13.3を有する少なくとも一種の弱酸(但し、エチレンジアミン四酢酸を除く)および少なくとも一種の塩基を含有する、pHが9.0〜13.9の範囲である現像液を用いて感光性平版印刷版を現像するとともに、前記現像液の活性度の劣化を該現像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより検知し、該検知結果に基づいて前記活性度を一定に保つように現像補充液を補充することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
  2. 非還元糖から選ばれる少なくとも一種の糖類および少なくとも一種の塩基を含有する、pHが9.0〜13.9の範囲である現像液を用いて感光性平版印刷版を現像するとともに、前記現像液の活性度の劣化を該現像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより検知し、該検知結果に基づいて前記活性度を一定に保つように現像補充液を補充することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
  3. 前記塩基が、珪酸塩を含まない塩基である請求項1または2に記載の感光性平版印刷版の処理方法。
  4. 前記塩基が、無機アルカリ剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性平版印刷版の処理方法。
  5. 前記無機アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二ナトリウム、燐酸二カリウム、燐酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム及び硼酸アンモニウムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項4に記載の感光性平版印刷版の処理方法。
  6. 前記弱酸および非還元糖の少なくともいずれかを含有し、その総量が、前記現像液中に0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の感光性平版印刷版の処理方法。
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