JP3687892B2 - ワーク位置決め治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク位置決め治具に関し、詳しくは、搬送パレット上に載置される大型のワークを所定位置に位置決めするのに好適なワーク位置決め治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジン等の組立ラインにおいて、エンジンブロック等の大型のワークは、通常、搬送パレット上の所定位置に位置決めして載置される。また、この種の大型ワークの加工ラインにおいて、ワークを位置決めして支持する専用の位置決め支持装置も知られている(実開昭59−136241号公報参照)。
【0003】
前記搬送パレット上にワークを位置決めする場合、ワークの下面には一対の基準孔が設けられ、搬送パレット上には前記ワークの基準孔に嵌合可能な一対のノックピンが突設される。このノックピンは、基準孔の位置やピッチが異なる他のワークも位置決め可能とするため、搬送パレットの上面に開口するネジ孔に着脱自在に螺合される。そして、基準孔の位置やピッチが異なる他のワークを位置決めする場合には、その基準孔に対応した一対のネジ孔を搬送パレット上に増設し、この増設されたネジ孔に一対のノックピンを差し替えて螺合している。この新たなネジ孔の増設は、基準孔の位置やピッチが異なる新規のワークが登場する度に行われる。
【0004】
一方、実開昭59−136241号公報に記載の工作物の位置決め支持装置は、相互の軸間距離が調整可能に構成された一対の回転軸を備え、各回転軸の上端には、ワークの基準孔に嵌合可能なノックピンが偏心して突設されている。この位置決め支持装置上にワークを位置決めするには、一対の回転軸の軸間距離を調整し、かつ、各回転軸を所定の回動位置に調整して一対のノックピンをワークの基準孔に合致させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した搬送パレットにおいては、新規のワークが登場する度に新たな一対のネジ孔を搬送パレット上に増設し、そのネジ孔に一対のノックピンを差し替えて螺合する必要があり、ネジ孔の増設およびノックピンの差し替えに多大な作業工数が掛かるという問題がある。また、新たなネジ孔の増設は、既存のネジ孔に重ならない位置でのみ可能であり、新規に登場したワークの基準孔の位置およびピッチによっては、その基準孔に対応したネジ孔の増設が不可能となってワークを位置決めできないこともある。
【0006】
一方、実開昭59−136241号公報に記載の工作物の位置決め支持装置においては、新たなネジ孔の増設や基準ピンの差し替え作業は不要である。しかしながら、一対のノックピンを位置調整できる範囲は、一対の回転軸の軸間距離に応じて定まる長さと、各ノックピンの回転円の直径に相当する幅の範囲内に限定され、その幅方向の調整範囲が極めて狭い。このため、基準孔の位置が大きく異なる新規のワークを位置決めできず、その適用範囲が狭いという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な操作により広範囲にわたってノックピンを位置調整でき、基準孔の位置やピッチの異なる多数のワークを位置決めすることができるワーク位置決め治具を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する手段として、発明に係るワーク位置決め治具は、ワークの基準孔に嵌合可能なノックピンを有するワーク位置決め治具であって、前記ノックピンの軸線と平行な中心軸線を中心とする同心円の円周方向および半径方向に沿ってノックピンを移動可能に支持する位置調整機構と、この位置調整機構をロックして前記ノックピンを所望の移動位置に固定するロック機構とを備えていることを特徴とする。
【0009】
発明に係るワーク位置決め治具においては、ロック機構が位置調整機構のロック状態を解除すると、位置調整機構がノックピンをその軸線と平行な中心軸線を中心とする同心円の円周方向および半径方向に沿って移動可能に支持する。このため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に位置調整可能となる。そして、ロック機構が位置調整機構をロックすると、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に固定される。
【0010】
また、発明に係るワーク位置決め治具は、発明における位置調整機構が、リング状に形成された取付ベース部材の内側に回転自在に支持された回転リング部材と、この回転リング部材の内側に回転自在に支持された回転軸部材と、この回転軸部材から前記回転リング部材の半径方向に突設されたアーム部材と、このアーム部材の先端部に一端部が枢着された第1リンク部材と、前記回転リング部材に一端部が枢着され、かつ、他端部が前記第1リンク部材の他端部に枢着された第2リンク部材とを有し、この第2リンク部材と前記第1リンク部材との枢着点上または前記第2リンク部材上もしくは前記第1リンク部材上に前記ノックピンが配設されていることを特徴とする。
【0011】
発明に係るワーク位置決め治具においては、ロック機構が位置調整機構のロック状態を解除すると、位置調整機構の回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対してそれぞれ回転自在となり、かつ、相互に相対回転自在となる。そして、回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対して同方向に回転することで、位置調整機構は、アーム部材、第1リンク部材および第2リンク部材を介してノックピンを回転軸部材の軸線を中心とする同心円の円周方向に沿って移動可能に支持する。また、回転リング部材および回転軸部材が相対回転することで、位置調整機構は、アーム部材、第1リンク部材および第2リンク部材を介してノックピンを回転軸部材の軸線を中心とする同心円の半径方向に沿って移動可能支持する。このため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に位置調整可能となる。そして、ロック機構が位置調整機構をロックすると、回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対して回転不能となるため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に固定される。
【0012】
さらに、発明に係るワーク位置決め治具は、発明における位置調整機構をロック可能なロック機構が、前記回転リング部材に対してこの回転リング部材の回転方向に一体に係合した状態で前記取付ベース部材と前記回転軸部材との間に上下動可能に介設されたクサビ部材と、このクサビ部材を保持して前記取付ベース部材と前記回転軸部材との間に上下動可能に介設され、かつ、前記取付ベース部材に対して下方に付勢されるホルダ部材とを有し、このホルダ部材が前記取付ベース部材に対し下方に付勢されることで、前記クサビ部材が前記回転軸部材に圧接し前記回転軸部材を前記取付ベース部材に対して回転不能にロックすることを特徴とする。
【0013】
発明に係るワーク位置決め治具においては、通常、ロック機構のホルダ部材が取付ベース部材に対して下方に付勢されているため、クサビ部材が下方へ移動して回転軸部材を取付ベース部材にロックして回転不能とさせ、かつ、回転リング部材の回転方向に係合してこれを回転不能とさせており、ロック機構は位置調整機構をロック状態に保持している。そして、ホルダ部材が取付ベース部材に対して上方へ押動操作されると、クサビ部材が上方へ移動して回転軸部材および回転リング部材を回転自在とさせ、ロック機構は位置調整機構のロック状態を解除する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係るワーク位置決め治具の一実施形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係るワーク位置決め治具が設置された搬送パレットの平面図、図2は一実施形態に係るワーク位置決め治具が設置された搬送パレットの側面図、図3は一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構を示す斜視図、図4は一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構を示す平面図、図5は一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構およびロック機構を示す縦断面図、図6は一実施形態に係るワーク位置決め治具のロック機構を示す底面図、図7は一実施形態に係るワーク位置決め治具の分解斜視図である。
【0015】
図1および図2に示すように、一実施形態に係るワーク位置決め治具1は、搬送パレットP上に載置されるエンジン等の比較的大型のワークWを位置決めする治具であり、搬送パレットP上に固定可能な取付ベース部材2と、ワークWの基準孔H(図2参照)に嵌合可能に上方へ突設されたノックピン3とを有し、搬送パレットPの長手方向の前後に一対設置される。
【0016】
前記ワーク位置決め治具1は、ノックピン3の軸線と平行な中心軸線を中心とする同心円の円周方向および半径方向に沿ってノックピン3を移動可能に支持する位置調整機構4(図3〜図5参照)を備えている。また、このワーク位置決め治具1は、位置調整機構4をロックしてノックピン3を所望の移動位置に固定するロック機構5(図5および図6参照)を備えている。
【0017】
図3〜図5に示すように、前記位置調整機構4は、リング状に形成され取付ベース部材2の内側に回転自在に支持された回転リング部材6と、この回転リング部材6の内側に回転自在に支持された回転軸部材7と、この回転軸部材7からその半径方向に突設されたアーム部材8と、このアーム部材8の先端部に一端部が枢着された第1リンク部材9と、回転リング部材6に一端部が枢着され、かつ、他端部が第1リンク部材9の他端部に枢着された第2リンク部材10とを有している。そして、この第2リンク部材10と第1リンク部材9との枢着点上に前記ノックピン3が配設されている。
【0018】
また、図5および図6に示すように、前記ロック機構5は、回転リング部材6に対してその回転方向に一体に係合した状態で取付ベース部材2と回転軸部材7との間に上下動可能に介設され、その下方移動により回転軸部材7を取付ベース部材2にロックして回転不能とさせるクサビ部材11と、このクサビ部材11を保持して取付ベース部材2と回転軸部材7との間に上下動可能に介設され、かつ、取付ベース部材2に対して下方に付勢されるホルダ部材12とを有している。
【0019】
図5および図7に示すように、前記取付ベース部材2は、搬送パレットPの装着穴P1に嵌合されるリング状を呈している。この取付ベース部材2の上部外周には、搬送パレットPの上面にボルトB1を介して固定され、かつ、ノックピンK1を介して円周方向に位置決めされるフランジ2Aが形成されている。また、取付ベース部材2の上部内周には、前記回転リング部材6を回転自在に支持し、かつ、その上下の軸方向移動を規制するためのリング突条2Bが形成されている。さらに、取付ベース部材2の下面には、前記ホルダ部材12の回転を規制するための係合片2Cが直径方向に対向して一対突設されている(図6参照)。そして、この取付ベース部材2には、その下面に開口する複数の収容孔2Dが円周方向に均等に配置して形成されており、各収容孔2Dには、プッシャ13を介して前記ホルダ部材12を下方に押圧するコイルスプリング14がそれぞれ収容されている。
【0020】
前記ノックピン3は、その下端部に一体に形成されたフランジ3Aが前記第2リンク部材10の他端部の上面にボルトB2を介して固定されることにより、第2リンク部材10の他端部の上方に突設されている。このノックピン3には、フランジ3Aから下方に突出する枢支ピン3Bが同軸上に配置して一体に形成されている。そして、この枢支ピン3Bを介して第2リンク部材10の他端部の下方に第1リンク部材9の他端部が枢着されている。
【0021】
前記回転リング部材6は、前記取付ベース部材2のリング突条2Bに摺動カラー15および摺動リング16を介して回転自在に支持され、かつ、上下の軸方向移動が規制されている。摺動カラー15は、回転リング部材6に一体に形成されて取付ベース部材2の上方に張り出すツバ部6Aに上面が当接するL字状断面に形成され、リング突条2Bの上面および内周面に摺接している。また、摺動リング16は、回転リング部材6の外周面に装着されたストップリング17に下面が支持され、摺動カラー15の下面およびリング突条2Bの下面に摺接している。
【0022】
前記回転リング部材6の下部には、前記クサビ部材11を嵌め込んで回転方向に一体に係合させるため、その下端から上方に延びる係合スリット6Bが円周方向の3箇所に等間隔で形成されている(図6参照)。また、回転リング部材6の内周には、前記回転軸部材7の上方への軸方向移動を規制するための係合段部6Cが形成されている。さらに、回転リング部材6のツバ部6Aの上面には、枢支ピン18と一体に形成されたフランジ18AがボルトB3を介して固定されている。そして、ツバ部6Aの上方に突出する枢支ピン18を介して第2リンク部材10の一端部がツバ部6Aの上方に枢着されている。
【0023】
前記回転軸部材7は、回転リング部材6の内周にブッシュ19を介して回転自在に支持されている。この回転軸部材7の上端には、前記アーム部材8の基端部がボルトB4およびノックピンK2を介して固定されている。また、回転軸部材7の下部には、約10度の勾配で下方が拡径するテーパコーン7Aが形成されている。このテーパコーン7Aの上方には、前記回転リング部材6の段部6Cに摺動リング20を介して当接する係合段部7Bが形成されている。そして、この回転軸部材7は、その上端に固定されたアーム部材8の下面と前記回転リング部材6の上端面との間に摺動リング21が介設されることにより、上下方向の軸方向移動が規制されている。なお、前記アーム部材8の基端部上には円板状の上部キャップ22がボルトB5を介して固定され、また、回転軸部材7の下端には、段付き円板状の下部キャップ23が回転軸部材7の中心を貫通する長ボルト24を介して固定されている。
【0024】
前記アーム部材8は、その先端が回転リング部材6のツバ部6Aの外周付近に臨む程度の比較的短い長さに設定されている。そして、このアーム部材8の先端部の上面には、枢支ピン25と一体に形成されたフランジ25AがボルトB6を介して固定されている。そして、アーム部材8の先端部から下方に突出する枢支ピン25を介して前記第1リンク部材9の一端部がアーム部材8の先端部に枢着されている。
【0025】
前記第1リンク部材9および第2リンク部材10は、図4に示すように、前記ノックピン3が回転リング部材6のツバ部6Aの上方に位置することができるように、ツバ部6Aに沿って湾曲する平面形状に形成されている(図7参照)。
【0026】
前記ロック機構5を構成するクサビ部材11は、図7に示すように、縦長のブロック状を呈している。このクサビ部材11は、図5に示すように、回転軸部材7側に向く内面がテーパコーン7Aに密着可能な逆勾配の斜面に形成されている。そして、このクサビ部材11は、回転リング部材6の下部に形成された各係合スリット6Bに嵌め込まれており、回転リング部材6に対してその周方向には一体に係合し、軸方向および半径方向には所定量だけ移動自在となっている。
【0027】
また、前記ホルダ部材12は、図5および図7に示すように、前記取付ベース部材2の内周に摺動自在に嵌合し、かつ、前記各クサビ部材11の外面に摺接する概略筒状に形成されている。このホルダ部材12の下端部外周には、取付ベース部材2の下方に張り出すツバ部12Aが形成されており、このツバ部12Aには、取付ベース部材2の下面に突設された一対の係合片2Cに係合してホルダ部材12の回転を規制する一対の係合スリット12Bが形成されている。また、ホルダ部材12の上端部内周には、各クサビ部材11の上端を係止するリング突条12Cが形成されている。さらに、ホルダ部材12の内周には、摺動リング26を介して各クサビ部材11の下端を係止するストップリング27が装着されている。
【0028】
前記ホルダ部材12は、各クサビ部材11と共に取付ベース部材2および回転軸部材7に対して所定量だけ上下の軸方向に移動自在となっている。このホルダ部材12は、取付ベース部材2に内蔵された各コイルスプリング14により各プッシャ13を介してツバ部12Aが下方に付勢されることにより、常時は、各クサビ部材11を回転軸部材7のテーパコーン7Aおよびホルダ部材12の内周に圧接させて回転軸部材7を回転不能にロックしている。そして、このホルダ部材12は、各コイルスプリング14の付勢力に抗して上方に押動操作されると、各クサビ部材11をテーパコーン7Aから離間させてロック状態を解除し、回転軸部材7を回転可能とさせるように構成されている。
【0029】
以上のように構成された一実施形態に係るワーク位置決め治具1は、例えば図1に示すように、搬送パレットPの前後に一対設置されて使用される。この場合、各ワーク位置決め治具1は、図5に示すように、搬送パレットPの装着穴P1に取付ベース部材2を嵌合させ、そのフランジ2Aを搬送パレットPの上面にボルトB1およびノックピンK1を介して固定する。
【0030】
搬送パレットP上に設置された各ワーク位置決め治具1においては、通常、ロック機構5のホルダ部材12が取付ベース部材2に内蔵された各コイルスプリング14により取付ベース部材2に対して下方に付勢されているため、各クサビ部材11はホルダ部材12と共に取付ベース部材2および回転軸部材7に対して下方へ移動している。そして、各クサビ部材11は、回転軸部材7のテーパコーン7Aおよびホルダ部材12の内周に圧接することにより、回転軸部材7を取付ベース部材2に対して回転不能にロックしている。同時に、各クサビ部材11は、回転リング部材6の各係合スリット6Bに係合して回転リング部材6を回転不能にロックしている。こうしてロック機構5は、位置調整機構4をロック状態に保持している。
【0031】
そこで、搬送パレットPに載置されるワークWの基準孔H,Hに合致するように各ワーク位置決め治具1のノックピン3を位置調整する場合、まず、各ワーク位置決め治具1の位置調整機構4のロック状態を解除する。すなわち、各ロック機構5のホルダ部材12を上方に押動操作する。この押動操作は、例えば図5に示すように、搬送パレットPの下方に設置された一対のジャッキシリンダJにより行う。すなわち、各ジャッキシリンダJの先端に固定されたリング状の押動部材J1をホルダ部材12の下方に位置合わせし、この状態で一対のジャッキシリンダJを所定量だけ伸長操作して行う。なお、ジャッキシリンダJの駆動形式は、手動式、空気圧式、油圧式、電動式などの何れの駆動形式でもよい。
【0032】
ジャッキシリンダJによりホルダ部材12が所定量だけ上方に押動操作されると、各クサビ部材11がホルダ部材12と共に取付ベース部材2および回転軸部材7に対して所定量だけ上方へ移動する。そして、各クサビ部材11は、取付ベース部材2に対する回転軸部材7のロック状態を解除して回転軸部材7を回転自在とさせる。また、各クサビ部材11は、回転リング部材6を回転自在とさせ、その回転に追従する。こうしてロック機構5は、位置調整機構4のロック状態を解除する。
【0033】
ロック状態が解除された位置調整機構4においては、回転リング部材6および回転軸部材7が取付ベース部材2に対してそれぞれ回転自在となり、かつ、相互に相対回転自在となる。そして、回転リング部材6および回転軸部材7が取付ベース部材2に対して同方向に回転することで、位置調整機構4は、アーム部材8、第1リンク部材9および第2リンク部材10を介してノックピン3を回転軸部材7の軸線を中心とする同心円、すなわち搬送パレットPと平行な同心円の円周方向に沿って移動可能に支持する。また、回転リング部材6および回転軸部材7が相対回転することで、位置調整機構4は、アーム部材8、第1リンク部材9および第2リンク部材10を介してノックピン3を回転軸部材7の軸線を中心とする同心円、すなわち搬送パレットPに平行な同心円の半径方向に沿って移動可能に支持する。
【0034】
そこで、搬送パレットPに載置されるワークWの基準孔H,Hに合致するように、一対のワーク位置決め治具1の各ノックピン3をその移動範囲内の所望位置に移動させる。この一対のノックピン3の移動操作は、適宜の治具を使用した手動操作も可能であるが、例えばロボットハンドを使用して正確に行うことができる。
【0035】
続いて、一対のノックピン3を所望位置に保持したまま、一対のジャッキシリンダJを下方に収縮させる。この操作により、各ワーク位置決め治具1においては、下方に付勢されたホルダ部材12と共にクサビ部材11が取付ベース部材2および回転軸部材7に対して下方へ移動する。そして、このクサビ部材11は、回転軸部材7を取付ベース部材2にロックして回転不能とさせると共に、回転リング部材6の回転方向に係合して回転リング部材6を回転不能とさせる。こうして各ワーク位置決め治具1のロック機構5が再び位置調整機構4をロック状態に保持し、その結果、各ワーク位置決め治具1の回転リング部材6および回転軸部材7が取付ベース部材2に対して回転不能となり、一対のノックピン3はその移動範囲内の所望位置に固定される。
【0036】
前述したように、一実施形態のワーク位置決め治具1においては、ロック機構5が位置調整機構4のロック状態を解除することで、ノックピン3はその移動範囲内の所望位置に位置調整可能となり、ロック機構5が位置調整機構4をロック状態とすることで、ノックピン3はその移動範囲内の所望位置に固定される。従って、搬送パレットP上に設置された前後一対のワーク位置決め治具1によれば、基準孔H,Hの位置やピッチの異なる多数のワークWを同一の搬送パレットP上の所望位置に位置決めすることができる。
【0037】
また、一実施形態のワーク位置決め治具1においては、ロック機構5のホルダ部材12を取付ベース部材2に対して上方へ押動操作し、その押動操作を解除するだけの極めて簡単な操作により、位置調整機構4のロック状態を解除し、再び位置調整機構4をロック状態に保持することができるため、ノックピン3の位置調整作業を簡単に行うことができる。加えて、位置調整機構4が取付ベース部材2、回転リング部材6、回転軸部材7、アーム部材8、第1リンク部材9および第2リンク部材10から成る回転リンク機構で構成されているため、ノックピン3の位置調整作業を迅速に行うことができる。
【0038】
なお、一実施形態のワーク位置決め治具1においては、位置調整機構4を構成する第1リンク部材9と第2リンク部材10との枢着点上にノックピン3を配設したが、ノックピン3は、前記枢着点の近傍の第2リンク部材10上または第1リンク部材9上に設置してもよい。
【0039】
また、ロック機構5を構成するテーパコーン7Aおよび各クサビ部材11の勾配は、各クサビ部材11に作用する下方への付勢力を5.6倍に拡大してテーパコーン7Aおよびホルダ部材12の半径方向に作用させるため、約10度に設定したが、この勾配はホルダ部材12を下方に付勢するコイルスプリング14の付勢力に応じて適宜変更することができる。
【0040】
一実施形態のワーク位置決め治具1は、必ずしも搬送パレットP上に一対設置する必要はない。例えば、搬送パレットP上に載置されるワークWの基準孔H,Hの一方に対応したノックピンが搬送パレットP上の所定位置に突設されている場合には、前記基準孔H,Hの他方に対応する単一のワーク位置決め治具1を搬送パレットP上に設置することにより、基準孔H,Hの位置やピッチの異なワークWを同一の搬送パレットP上に位置決めすることが可能である。
【0041】
また、一実施形態のワーク位置決め治具1は、必ずしも搬送パレットP上に設置する必要はなく、ワークWが載置される適宜の載置台上に設置することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、発明に係るワーク位置決め治具においては、ロック機構が位置調整機構のロック状態を解除すると、位置調整機構がノックピンをその軸線と平行な中心軸線を中心とする同心円の円周方向および半径方向に沿って移動可能に支持する。このため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に位置調整可能となる。そして、ロック機構が位置調整機構をロックすると、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に固定される。従って、発明に係るワーク位置決め治具によれば、基準孔の位置やピッチの異なる多数のワークを位置決めすることができる。
【0043】
発明に係るワーク位置決め治具においては、ロック機構が位置調整機構のロック状態を解除すると、位置調整機構の回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対してそれぞれ回転自在となり、かつ、相互に相対回転自在となる。そして、回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対して同方向に回転することで、位置調整機構は、アーム部材、第1リンク部材および第2リンク部材を介してノックピンを回転軸部材の軸線を中心とする同心円の円周方向に沿って移動可能に支持する。また、回転リング部材および回転軸部材が相対回転することで、位置調整機構は、アーム部材、第1リンク部材および第2リンク部材を介してノックピンを回転軸部材の軸線を中心とする同心円の半径方向に沿って移動可能支持する。このため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に位置調整可能となる。そして、ロック機構が位置調整機構をロックすると、回転リング部材および回転軸部材が取付ベース部材に対して回転不能となるため、ノックピンはその移動範囲内の所望位置に固定される。従って、発明に係るワーク位置決め治具によれば、基準孔の位置やピッチの異なる多数のワークを位置決めすることができる。加えて、位置調整機構が取付ベース部材、回転リング部材、回転軸部材、アーム部材、第1リンク部材および第2リンク部材から成る回転リンク機構で構成されているため、ノックピンの位置調整作業を迅速に行うことができる。
【0044】
発明に係るワーク位置決め治具においては、通常、ロック機構のホルダ部材が取付ベース部材に対して下方に付勢されているため、クサビ部材が下方へ移動して回転軸部材を取付ベース部材にロックして回転不能とさせ、かつ、回転リング部材の回転方向に係合してこれを回転不能とさせており、ロック機構は位置調整機構をロック状態に保持している。そして、ホルダ部材が取付ベース部材に対して上方へ押動操作されると、クサビ部材が上方へ移動して回転軸部材および回転リング部材を回転自在とさせ、ロック機構は位置調整機構のロック状態を解除する。すなわち、発明に係るワーク位置決め治具によれば、ホルダ部材を取付ベース部材に対して上方へ押動操作し、その押動操作を解除するだけの極めて簡単な操作により、位置調整機構のロック状態を解除し、再び位置調整機構をロック状態に保持することができるため、ノックピンの位置調整作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク位置決め治具が設置された搬送パレットの平面図である。
【図2】一実施形態に係るワーク位置決め治具が設置された搬送パレットの側面図である。
【図3】一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構を示す斜視図である。
【図4】一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構を示す平面図である。
【図5】一実施形態に係るワーク位置決め治具の位置調整機構およびロック機構を示す縦断面図である。
【図6】一実施形態に係るワーク位置決め治具のロック機構を示す底面図である。
【図7】一実施形態に係るワーク位置決め治具の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 :ワーク位置決め治具
2 :取付ベース部材
3 :ノックピン
4 :位置調整機構
5 :ロック機構
6 :回転リング部材
7 :回転軸部材
8 :アーム部材
9 :第1リンク部材
10 :第2リンク部材
11 :クサビ部材
12 :ホルダ部材

Claims (4)

  1. ワークの基準孔に嵌合可能なノックピンを有するワーク位置決め治具であって、前記ノックピンの軸線と平行な中心軸線を中心とする同心円の円周方向および半径方向に沿ってノックピンを移動可能に支持する位置調整機構と、この位置調整機構をロックして前記ノックピンを所望の移動位置に固定するロック機構とを備え
    前記位置調整機構は、リング状に形成された取付ベース部材の内側に回転自在に支持された回転リング部材と、
    前記回転リング部材の内側に回転自在に支持された回転軸部材と、
    前記回転軸部材から前記回転リング部材の半径方向に突設されたアーム部材と、
    前記アーム部材の先端部に一端部が枢着された第1リンク部材と、
    前記回転リング部材に一端部が枢着され、かつ、他端部が前記第1リンク部材の他端部に枢着された第2リンク部材とを有し、
    前記第2リンク部材と前記第1リンク部材との枢着点上または前記第2リンク部材上もしくは前記第1リンク部材上に前記ノックピンが配設されていることを特徴とするワーク位置決め治具。
  2. 請求項に記載のワーク位置決め治具であって、
    前記位置調整機構をロック可能なロック機構は、前記回転リング部材に対してこの回転リング部材の回転方向に一体に係合した状態で前記取付ベース部材と前記回転軸部材との間に上下動可能に介設されたクサビ部材と、
    前記クサビ部材を保持して前記取付ベース部材と前記回転軸部材との間に上下動可能に介設され、かつ、前記取付ベース部材に対し下方に付勢されるホルダ部材とを有し、
    前記ホルダ部材が前記取付ベース部材に対し下方に付勢されることで、前記クサビ部材が前記回転軸部材に圧接し前記回転軸部材を前記取付ベース部材に対して回転不能にロックすることを特徴とするワーク位置決め治具。
  3. 請求項2に記載のロック機構が、前記ホルダ部材の下方にジャッキシリンダを有し、
    前記ジャッキシリンダにより前記ホルダ部材を上方に押動させることで、
    前記クサビ部材が前記取付ベース部材に対する回転軸部材のロック状態を解除して回転軸部材を回転自在とすることを特徴とするワーク位置決め治具。
  4. 請求項1に記載のワーク位置決め治具が、ワークを載置する位置に一対設置されたことを特徴とする搬送パレット。
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