JP3687151B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機の制御装置、特にエンジンブレーキ用摩擦要素が締結される変速段への変速動作中にエンブレを解除する指令が出力された場合の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載される自動変速機は、エンジン出力が入力されるトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力によって駆動される変速歯車機構とを組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素の選択的締結によって切り換えることにより、運転者の要求や運転状態に応じて所定の変速段へ自動的に変速させるように構成したものであるが、この種の自動変速機においては、上記の変速用の摩擦要素に加えて、エンジンブレーキ用の摩擦要素が備えられることがある。このエンジンブレーキ用摩擦要素は、通例、駆動時にのみ動力を伝達するワンウェイクラッチに並列に配置され、SレンジやLレンジ等の所定の変速段で締結されることにより、これらの変速段での減速走行時にエンジンブレーキを作動させるように作用する。
【0003】
ところで、例えば特開平2−92747号公報に開示されているように、この種の自動変速機においては、運転者の操作により各レンジで変速段を所定の変速段に固定するマニュアルスイッチが備えられることがあり、例えば、Dレンジの4速の走行中にこのマニュアルスイッチがON操作されると、変速段が3速にシフトダウンされて固定され、また、Sレンジの3速での走行中にON操作されると、2速にシフトダウンされて固定されることになる。そして、このマニュアルスイッチの操作により、上記のような変速動作に併せて、エンジンブレーキ用摩擦要素を締結もしくは解放させて、エンジンブレーキの作動、解除の切換えを行うようにする場合がある。
【0004】
また、この種の自動変速機においては、運転状態の急激な変化や上記マニュアルスイッチの操作等により、第1の変速指令に基づく所定の変速段への変速動作の途中に他の変速段への第2の変速指令が出力されて、所謂多重変速が行われることがある。この場合、1つの変速動作に他の変速動作が重合することによる制御の混乱を回避するために、第1の変速指令に基づく変速動作が完了してから第2の変速指令に基づく変速動作を行わせるようになっており、例えばSレンジの3速での走行中に上記マニュアルスイッチのON操作により2速への変速指令が出力され、その変速動作が行われている途中で、マニュアルスイッチがOFF操作された場合、2速への変速が完了してから、改めて3速への変速が行われることになる。
【0005】
その場合に、このマニュアルスイッチのOFF操作がエンジンブレーキを解除するための操作でもある場合には、該スイッチのOFF操作によるエンジンブレーキの解除動作は、その操作時に直ちに行われるのが通例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、変速動作の途中でマニュアルスイッチがOFF操作されて、エンジンブレーキが直ちに解除される場合、次のような不具合の発生が考えられる。
【0007】
つまり、図5に示すように、エンジンブレーキが作動するSレンジ3速での走行中にマニュアルスイッチのON操作により第1の変速指令が出力され、その指令によるエンジンブレーキが作動する2速への変速動作の途中に、上記マニュアルスイッチがOFF操作されて、再びエンジンブレーキが作動する3速への変速指令が出力された場合、前述のような多重変速時の制御として、第2の変速指令による3速への変速動作は、第1の変速指令による2速への変速が終了した時点(もしくはバックアップタイマの設定時間Tが経過した時点)で開始されることになるが、上記マニュアルスイッチのOFF操作によるエンジンブレーキを解除する動作は、その操作による第2の変速指令の出力と同時に開始されることになる。
【0008】
そのため、同図に示すように、3速用摩擦要素の解放動作及び2速用摩擦要素の締結動作の途中でエンジンブレーキ用摩擦要素が解放されることになり、このとき、このエンジンブレーキ用摩擦要素に並列のワンウェイクラッチが空転するため、変速歯車機構がニュートラル状態となる。その結果、符号アで示すように、タービン回転数がエンジンのアイドル回転数近くまで低下すると共に、これに伴って、符号イで示すように、ギヤ比(変速歯車機構入力回転数/同出力回転数)が0近くまで低下することになる。そして、この場合、ギヤ比の変化から2速への変速の終了を検知することができないから、上記バックアップタイマの設定時間Tが経過した時点で、2速への変速が終了したものと判定し、その時点で3速への変速動作を開始すると共に、エンジンブレーキ用摩擦要素を改めて締結させることになる。
【0009】
一方、上記各摩擦要素に対する作動圧の給排を制御する油圧制御回路においては、図6に示すように、変速用摩擦要素に対しては、油圧源から切換弁を介して該摩擦要素に至る油圧供給路にアキュムレータを備えて、該摩擦要素の締結を緩やかに行わせるのに対して、エンブレ用摩擦要素に対しては油圧源から切換弁を介して作動圧が直接供給されるように構成されるのが通例である。そのため、上記の場合、バックアップタイマの設定時間Tが経過したときに、符号ウで示すように、3速用摩擦要素の締結に先立ってエンジンブレーキ用摩擦要素が締結されることになり、このとき、符号エで示すように、出力トルクの引き込みが生じることになり、また、その後、符号オで示すように、3速用摩擦要素の締結によるシフトアップに伴って出力トルクの突き上げが発生し、その結果、トルク変動が著しくなって、大きな変速ショックが発生するのである。
【0011】
そこで、本発明は、上記のようにエンジンブレーキが作動する変速段への変速動作中にエンジンブレーキ用摩擦要素を解放する指令が出力された際の制御を改善することにより、上記のような出力トルクの引き込みや、大きな変速ショックの発生を回避することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような手段を用いたことを特徴とする。
【0015】
まず、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)は、第1の変速指令に基づく変速動作中に第2の変速指令が出力されたときに、第1の変速指令に基づく変速動作が終了してから第2の変速指令に基づく変速動作を開始させるように構成され、かつ、締結時にエンジンブレーキを作動させるエンジンブレーキ用摩擦要素と、該摩擦要素の締結、解放を指示するエンジンブレーキ指示手段とが備えられた自動変速機において、上記エンジンブレーキ用摩擦要素が締結される変速段への第1の変速指令に基づく変速動作中に、上記エンジンブレーキ指示手段によって該摩擦要素を解放させる指令が出力されると同時に、エンジンブレーキ用摩擦要素が締結される他の変速段への第2の変速指令が出力されたときに、第1の変速指令に基づく変速動作が終了してから第2の変速指令に基づく変速動作を開始させる一方、上記エンジンブレーキ指示手段によるエンジンブレーキ用摩擦要素の解放動作を禁止する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
この第1発明によれば、多重変速の場合において、第1の変速指令に基づく変速動作の途中に、第2の変速指令と同時にエンジンブレーキの解除指令が出力されても、この指令によるエンジンブレーキの解除動作が行われないことになるので、第1の変速指令により締結され、或は当該多重変速の前から締結されていたエンジンブレーキ用摩擦要素がそのまま締結状態に保持されることになる。したがって、第1の変速指令に基づく変速動作の終了時に、一旦解放されたエンジンブレーキ用摩擦要素が改めて締結されることによる出力トルクの引き込み、及びその直後における第2の変速指令に基づく変速用摩擦要素の締結による出力トルクの変動が防止されることになる。
【0017】
さらに、請求項2に係る発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、第2の変速指令による変速がシフトアップ変速であることを特徴とする。
【0018】
つまり、第1の変速指令に基づく変速動作の終了後に、まずエンジンブレーキ用の摩擦要素が締結され、その直後に第2の変速指令に基づくシフトアップ変速動作として変速用摩擦要素が締結されると、出力トルクは一旦引き込まれた後、突き上げられることになるので、トルク変動が著しく大きくなるのであるが、この第2発明によれば、第2の変速指令による変速がシフトアップ変速の場合でも、第1の変速指令に基づく変速動作中にエンジンブレーキ用摩擦要素が解放されることがなく、したがって、その変速動作の終了後に該摩擦要素が改めて締結されることもなくなるから、上記の出力トルクの引き込みが防止され、その結果、トルク変動ないし変速ショックが軽減されるのである。
【0019】
そして、請求項3に係る発明(以下、第3発明という)は、上記第1発明または第2発明において、第1の変速指令はマニュアルスイッチのON操作により出力され、第2の変速指令とエンジンブレーキ用摩擦要素の解放指令とは該マニュアルスイッチのOFF操作によって出力されることを特徴とする。
【0020】
したがって、この第3発明によれば、上記第1、第2発明の作用が、マニュアルスイッチのON操作とOFF操作とが連続的に行われた場合に得られ、このような場合におけるトルク変動ないし変速ショックが抑制されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る自動変速機10は、エンジン出力軸1に連結されたトルクコンバータ20と、その出力トルクが入力される変速歯車機構30と、該機構30の動力伝達状態を切り換えるクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素51〜56及びワンウェイクラッチ57,58とを有し、これらにより、走行レンジとしてのD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの1〜4速、Sレンジでの1〜3速、Lレンジでの1〜2速、及びRレンジでの後退速とが得られるようになっている。
【0023】
上記トルクコンバータ20は、エンジン出力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ22と、該ポンプ22に対向状に配置されて、該ポンプ22により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポンプ22とタービン23との間でワンウェイクラッチ24を介して変速機ケース11に支持されて、トルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21とタービン23との間に設けられて、該ケース21を介してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロックアップクラッチ26とで構成されている。そして、上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して変速歯車機構30側に出力されるようになっている。
【0024】
一方、上記変速歯車機構30は、いずれも、サンギヤ32,42と、該サンギヤ32,42に噛合された複数個のピニオンギヤ33,43と、これらのピニオンギヤ33,43を回転自在に支持するピニオンキャリヤ34,44と、上記ピニオンギヤ33,43に噛合されたリングギヤ35,45とを有するフロント遊星歯車機構31とリヤ遊星歯車機構41とで構成されている。
【0025】
そして、上記タービンシャフト27とリヤ遊星歯車機構41のサンギヤ42とが直接連結されていると共に、該タービンシャフト27とフロント遊星歯車機構31のサンギヤ31及びピニオンキャリヤ34とがリバースクラッチ51及びハイクラッチ52を介してそれぞれ連結されており、また、フロント遊星歯車機構31のサンギヤ32と変速機ケース11との間には、該サンギヤ32を固定する2−4ブレーキ53が配置されている。
【0026】
また、フロント遊星歯車機構31のピニオンキャリヤ34とリヤ遊星歯車機構41のリングギヤ45との間には、フォワードクラッチ54とフォワードワンウェイクラッチ57とが直列に配置されていると共に、これらに並列にオーバランクラッチ55が配置されており、さらに、フロント遊星歯車機構31のピニオンキャリヤ34と変速機ケース11との間には、該ピニオンキャリヤ34を固定するローリバースブレーキ56とローワンウェイクラッチ58とが並列に配置されている。そして、フロント遊星歯車機構31のリングギヤ35とリヤ遊星歯車機構41のピニオンキャリヤ44とが接続されて、当該自動変速機10の出力軸12に連結されている。
【0027】
なお、上記トルクコンバータ20の反エンジン側には、エンジン出力軸1により該トルクコンバータ20を介して駆動されるオイルポンプ13が配設されており、また、変速歯車機構30の反エンジン側には、Pレンジで上記出力軸12を固定するパーキング機構14が設けられている。
【0028】
ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩擦要素51〜56及びワンウェイクラッチ57,58の作動状態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示すようになる。なお、この表1中、(○)は締結されているが、動力伝達に寄与しない状態を示し、また、(●)は後述するマニュアルスイッチがON操作された場合にのみ締結されることを示す。さらに、ワンウェイクラッチ57,58は、いずれも、歯車変速機構30が駆動方向に動力を伝達している場合にのみ作動する。
【0029】
【表1】
Figure 0003687151
一方、この自動変速機10には、上記各摩擦要素51〜56を表1に従って各変速段で選択的に締結させるための油圧を制御する油圧制御回路60が備えられていると共に、図3に示すように、この油圧制御回路60には、変速用の複数のソレノイドバルブ61…61や、ロックアップクラッチ26の制御用のソレノイドバルブ62等が設けられている。
【0030】
そして、これらのソレノイドバルブ61…61,62の作動を制御するコントロールユニット70が備えられ、該ユニット70に、エンジンのスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ71からの信号、当該自動車の車速として変速歯車機構30の出力回転数を検出する車速センサ72からの信号、変速歯車機構30の入力回転数であるタービン回転数を検出するタービン回転センサ73からの信号、シフトレバーの位置、即ち設定されているレンジを検出するインヒビタスイッチ74からの信号、前述のマニュアルスイッチ75からの信号等が入力され、これらの信号に基づいて上記各ソレノイドバルブ61…61,62を作動させることにより、運転状態や運転者の操作にに応じた変速制御やロックアップ制御等を行うようになっている。
【0031】
ここで、上記マニュアルスイッチ75は、ON操作時に、Dレンジでは3速に、Sレンジでは2速に、Lレンジでは1速にそれぞれ変速段を固定すると共に、これらの変速段で、表1に(●)で示すように、オーバーランクラッチ55を締結させて、フォワードワンウェイクラッチ57が作動しない減速時にエンジンブレーキを作動させるように作用する。
【0032】
次に、上記コントロールユニット70の制御動作のうち、本案の特徴部である変速制御とエンジンブレーキ制御との競合時の制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
まず、コントロールユニット70は、ステップS1で、前述の各センサ及びスイッチ71〜75からの信号を読み取り、次にステップS2で、これらの信号に基づいて、現在ダウンシフトの変速動作中であるか否かを判定すると共に、この変速動作中である場合には、ステップS3で、スロットル開度や車速等で示される運転領域の変化やマニュアルスイッチ75の操作等によりアップシフトの変速を行うべき条件が成立して、アップシフトの変速指令が出力されたか否かを判定する。
【0034】
そして、ダウンシフト変速動作中でない場合、もしくはその変速動作中であってもアップシフトの変速指令が出力されていない場合には直ちにステップS4を実行し、上記マニュアルスイッチ75の操作等によってエンジンブレーキ作動の指令が出力されているか否かを判定する。そして、この指令が出力されている場合には、ステップS5でエンジンブレーキ用摩擦要素、即ちオーバーランクラッチ55を締結させ、成立していない場合には、ステップS6で該オーバーランクラッチ55を解放する。これにより、エンジンブレーキの作動指令に応じて直ちにエンジンブレーキが作動し或いは解除されることになる。
【0035】
一方、ダウンシフトの変速動作中にアップシフトの変速指令が出力された場合、即ち多重変速が行われる場合には、コントロールユニット70は、ステップS2,S3からステップS7を実行し、現在変速動作中のダウンシフトが終了したか否かを判定する。そして、このダウンシフトの変速動作が終了した後、次にステップS8で上記変速指令に基づくアップシフトの変速動作を開始する。これにより、1つの変速動作の途中に他の変速指令が出力される多重変速の場合に、最初の変速動作が終了してから次の変速動作が開始されて、2つの変速動作が重合することによる制御の混乱が回避されることになる。
【0036】
そして、ステップS9で、このアップシフトの変速動作が終了したことを判定した上で、上記ステップS4を実行して、エンジンブレーキの作動指令が出力されているか否かを判定し、出力されている場合には、ステップS5で上記オーバーランクラッチ55を締結させ、出力されていない場合には、ステップS6で該オーバーランクラッチ55を解放する。
【0037】
これにより、例えばマニュアルスイッチ75のON操作に伴う第1の変速指令に基づくエンジンブレーキが作動する変速段へのダウンシフトの変速動作中に、該マニュアルスイッチ75のOFF操作により、第2の変速指令としてのアップシフトの変速指令とエンジンブレーキの解除指令とが同時に出力された場合に、第2の変速指令に基づくアップシフト変速の変速動作が第1の変速指令に基づくダウンシフトの変速動作の終了後に開始されると共に、その間、上記エンジンブレーキ解除指令によるオーバーランクラッチ55の解放動作が行われないことになる。そして、第2の変速指令がエンジンブレーキが作動する変速段への変速指令である場合には、オーバーランクラッチ55はそのまま締結状態に保持されることになる。
【0038】
ここで、以上の制御動作を、Sレンジ3速での走行時にマニュアルスイッチ75のON操作及びOFF操作が行われた場合について、図4のタイムチャートを用いてさらに詳しく説明する。
【0039】
今、エンジンブレーキが作動するSレンジの3速での走行中にマニュアルスイッチ75がON操作されて、第1の変速指令として、同じくエンジンブレーキが作動する2速へのダウンシフトの変速指令が出力され、その指令に基づく変速動作、即ち3速用摩擦要素であるハイクラッチ52の解放動作、及び2速用摩擦要素である2−4ブレーキ53の締結動作が行われているものとする。そして、この変速動作の途中で、上記マニュアルスイッチ75がOFF操作されたものとする。
【0040】
このとき、第2の変速指令としての3速への変速指令とエンジンブレーキを解除する指令とが出力され、そのうち、第2の変速指令に基づく3速への変速動作は、2速への変速動作が終了してから所定時間T′が経過した時点から開始されることになり、これにより、2つの変速動作が重合することによる制御の混乱が回避される。
【0041】
一方、上記のエンジンブレーキ解除指令に基づくオーバーランクラッチ55を解放する動作は禁止され、符号カで示すように、該解除指令の出力後もオーバーランクラッチ55は締結状態に保持される。
【0042】
そして、この場合、第2の変速指令はエンジンブレーキが作動する3速への変速指令であるから、上記時間T′が経過したときに、オーバーランクラッチ55が解放されていると、まず、これを締結させる動作が行われることになるが、上記のように該クラッチ55は締結状態に保持されているから、改めてこれを締結させる制御は行われないことになり、3速への変速動作のみが行われる。したがって、符号キで示すように、第2の変速指令に基づく変速動作が行われる際のエンジンブレーキ用摩擦要素の係合による出力トルクの引き込みが解消され、この引き込みと、その後の3速へのアップシフト変速動作による出力トルクの突き上げとが競合することによる大きな出力トルクの変動が抑制されることになる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エンジンブレーキが作動する変速段への変速動作の途中に、多重変速指令としてエンジンブレーキが作動する他の変速段への変速指令が出力されると同時に、エンジンブレーキの解除指令が出力されたときに、この解除指令に拘わらず、エンジンブレーキが作動する状態、即ちエンジンブレーキ用摩擦要素が締結された状態が保持されることになる。
【0044】
したがって、変速動作の途中で一旦解放されたエンジンブレーキ用摩擦要素が第2の変速動作の開始時に改めて締結されることによる出力トルクの引き込みが防止されることになり、特に第2の変速がアップシフト変速である多重変速の場合に、この出力トルクの引き込みとアップシフトに伴う出力トルクの突き上げとが連続的に生じることによる大きなトルク変動が回避され、変速ショックが軽減されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。
【図2】 同変速機の制御システム図である。
【図3】 同変速機の多重変速時の動作を示すフローチャートである。
【図4】 同多重変速時の動作を示すタイムチャートである。
【図5】 従来における多重変速時の動作を示すフローチャートである。
【図6】 油圧制御回路の要部の一般的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
55 エンジンブレーキ用摩擦要素(オーバーランクラッチ)
70 制御手段(コントロールユニット)
75 エンジンブレーキ指示手段(マニュアルスイッチ)

Claims (3)

  1. 第1の変速指令に基づく変速動作中に第2の変速指令が出力されたときに、第1の変速指令に基づく変速動作が終了してから第2の変速指令に基づく変速動作を開始させるように構成され、かつ、締結時にエンジンブレーキを作動させるエンジンブレーキ用摩擦要素と、該摩擦要素の締結、解放を指示するエンジンブレーキ指示手段とが備えられた自動変速機において、上記エンジンブレーキ用摩擦要素が締結される変速段への第1の変速指令に基づく変速動作中に、上記エンジンブレーキ指示手段によって該摩擦要素を解放させる指令が出力されると同時に、エンジンブレーキ用摩擦要素が締結される他の変速段への第2の変速指令が出力されたときに、第1の変速指令に基づく変速動作が終了してから第2の変速指令に基づく変速動作を開始させる一方、上記エンジンブレーキ指示手段によるエンジンブレーキ用摩擦要素の解放動作を禁止する制御手段を設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 第2の変速指令による変速はシフトアップ変速であることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 第1の変速指令はマニュアルスイッチのON操作により出力され、第2の変速指令とエンジンブレーキ用摩擦要素の解放指令とは該マニュアルスイッチのOFF操作によって出力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
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