JP3687008B2 - 水膨潤性架橋発泡シ−リング材 - Google Patents
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Description
【産業状の利用分野】
本発明は水膨潤性を有する架橋発泡シ−リング材に関し、特にトンネル工事又は上下水道工事のセグメント間の防水用シ−リング、地下構造物の止水板建築物外壁パネルの間隙のシ−リング等の土木および建築用シ−リング材として使用される架橋発泡シ−リング材に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭59−148646号公報には、ゴムまたは樹脂に特定の高吸水性高分子と無機充填材を配合し、架橋発泡する事で耐水性の優れた水膨潤性発泡体が得られる事が開示されており、このものがシ−リング材として適用されることが記載されている。しかしながら、このものの発泡倍率を3倍以上に高めると、単に吸水膨潤となるだけで、シ−リング材として必要な止水性が全く発現して来ないことが明らかとなった。
一方、特開平6−80810号公報には特定のオレフィン系熱可塑性エラストマ−に対して吸水性樹脂などを配合し発泡の前後で電離性放射線を照射して8倍以下の発泡倍率とするもので、いわゆる吸水時の吸水樹脂の損失(ゲル抜け)の改良をしたものである。ところが、この技術による方法によっても発泡倍率3倍を越えると吸水膨潤するがシ−リング材として必要な止水性が発現せず、また、極めて吸水樹脂の添加量が多い場合は、吸水樹脂が溶出して徐々に止水性が低下し、最終的に全く止水性がなくなることが明らかとなった。
以上の様に、吸水性樹脂を添加した吸水膨潤性の発泡体は提案されているが、低密度発泡体であってシ−リング材として止水性の高いものは、未だ見出されていなかった。更に、従来吸水性樹脂の配合量が少量であって、吸水性樹脂の溶出がなく長期の止水性を満足できる発泡シ−リング材はまったく見出されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は種々検討した結果、樹脂またはゴム、もしくは樹脂及びゴムからなるマトリックスに吸水高分子を配合してなる長期の止水性を満足できる低密度発泡体シ−リング材を提供する為には、配合して得られる架橋発泡体自体の水膨張率の特定と気泡径の特定をすることが重要であるとの知見を得た。つまり水膨張率の特定とは吸水高分子および親水性充填材の配合量の範囲とこれらを含んだ架橋発泡体のマトリックスの弾性率の範囲を特定することである。また、気泡径の特定とは、架橋発泡体の平均気泡径の範囲を特定することである。これらの範囲を特定することで膨張圧力が高まると同時に高止水性を有し、かつ吸水高分子の溶出の少ない水膨潤性架橋発泡体が得られることを究明し、低密度であっても優れた発泡体シ−リング材を提供できることがわかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、樹脂またはゴム、もしくは樹脂およびゴムからなるマトリックス100重量部に対し、粒子状吸水高分子が5〜40重量部、親水性充填材が5〜40重量部、架橋剤、発泡剤を含んだ混合物を発泡、架橋させて得た低密度水膨潤性架橋発泡シ−リング材であって、当該架橋発泡シ−リング材の平均気泡径が500μm以下でかつ架橋発泡シ―リングの弾性率が100〜1500Kgf/cm2、独立気泡率が10%以上である事を特徴とする低密度水膨潤性架橋発泡シ−リング材である。
即ち、本発明は上述のような割合で粒子状吸水高分子及び親水性充填材を配合し、これを発泡、架橋して発泡体のマトリックスの弾性率を100〜1500Kgf/cm2に特定し、同時に架橋発泡体の平均気泡径を500μm以下、独立気泡率が10%以上に特定することによって所期の目的を達成することができる。
【0005】
本発明のシ−リング材は、樹脂またはゴム、もしくは樹脂およびゴムをマトリックスとし粒子状吸水高分子、発泡剤および親水性充填材を含んだ低密度水膨潤性架橋発泡体よりなる。
まず、発泡体を構成する本発明に使用されるマトリックスのゴムは、天然ゴムの他、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ジエン共重合体、エチレン−αオレフィン−非共役ジエン共重合体(EPDMゴム)、シリコンゴム、ウレタンゴムなどの各種合成ゴムが挙げられる。
マトリックスの樹脂は、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはそのケン化物、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−イソブチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの各種の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマ−が挙げられる。なお、本発明のゴムおよび樹脂は、単独または併用して用いることができる。
特に、EPDMゴム10〜80重量部に対し、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン酢酸ビニル共重合体が90〜20重量部の配合比でブレンドされたマトリックス系が好ましい。
【0006】
本発明に用いられる粒子状吸水高分子とは、とくに制限されず従来より公知各種のものが使用できる。酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体ケン化物の架橋物、架橋を有するポリアクリル酸塩、デンプン−アクリル酸塩グラフト重合体などの高分子アルカリ金属塩が好ましい。その他のカルボキシメチルセル−ス架橋体、変性ポリビニルアルコ−ル等もある。
本発明に用いられる吸水高分子の配合量は5〜40重量部、特に10〜40重量部が好ましい。5重量部以下では膨潤速度が遅く、膨潤率が小さ過ぎ、40重量部以上になると低密度発泡体を得るに適当な架橋が起こりにくく、弾性率が低くなり、その結果マトリックス中からの吸水高分子の溶出が大きくなり長期の止水性が悪くなる。
【0007】
また、本発明に用いられる吸水高分子は、分子内および分子間架橋された分子構造の吸水高分子で、これらの粒径は15μm〜200μmの範囲のもので吸水高分子は吸水膨潤倍率が100〜600倍のものを用いる。吸水高分子の粒径が15μm以下では、配合量が少ない場合、吸水高分子の粒子が気泡の膜や骨格中に取込まれ、吸水膨潤圧が出てこない。また、配合量が多い場合、吸水膨潤が進む際に気泡の膜や骨格中から脱落した吸水高分子は、容易に溶出し易くなる。一方、吸水高分子の粒径が200μm以上では、配合量が多い場合、吸水膨潤が進む際に気泡の膜や骨格中から容易に脱落し溶出し易くなる。また、吸水高分子の吸水膨潤倍率は100倍以下のものでは膨潤圧が小さく、600倍以上のものでは吸水膨潤が進む際に気泡の膜や骨格中から脱落し、溶出し易くなる。
【0008】
本発明に用いられる親水性の充填材とは、マトリックス100重量部に対して充填材5〜40重量部配合した混合物のプレスシ−ト成形物の接触角が90度以上のものを言う。
例えば無機充填材で、セッコウ、クレ−、カオリン、シリカ、ケイソウ土、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ヴェントナイト、シラスバル−ン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフュ−ム等がある。有機充填剤としてはパルプ、繊維状チップ、カンテン等が挙げられる。
これらの親水性充填材の中で特にクレ−やヴェントナイト、シリカが好ましい。
本発明に用いられる親水性充填材の配合部数は5〜40重量部が好ましい。配合部数が5重量部以下では発泡体への水の浸透性が悪く、従って膨潤速度が遅く膨潤率も小さいものになってしまう。一方配合部数が40重量部以上になると、低密度発泡体を得にくくなり、また吸水高分子の溶出がし易く、従って耐水性が乏しくなる。
【0009】
また、本発明のシ−リング材を構成する発泡体とは、熱分解型発泡剤の熱分解より出てくるガスによって発泡した物を言う。本発明に用いられる熱分解型発泡剤は、ジエチルアゾカルボキシレ−ト、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’−ジスルホンヒドラジドフェニルスルホン酸、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等がある。
本発明に用いられる化学架橋とは、当該技術分野で公知の方法がいずれも使用でき、代表的な例として、過酸化物架橋と硫黄架橋が挙げられる。いずれにおいても架橋発泡後の発泡体の気泡構成材料の引張り弾性率は100Kgf/cm2〜1500Kgf/cm2に調整する。
すなわち、架橋発泡シ−リング材の弾性率が100〜1500Kgf/cm2である。弾性率が1500Kgf/cm2以上の高すぎるものは、いくら吸水性高分子や親水性充填材の配合量を増やしても、また気泡径を小さくしても気泡を構成する架橋マトリックスの応力の方が吸水高分子の気泡内膨潤圧力よりも勝り膨張圧力は出て来ない。一方、弾性率が100Kgf/cm2以下の架橋発泡体の場合、膨張初期に膨張圧力が出ることがあっても、更に膨張が進むことで気泡膜は破壊され、膨潤気泡径は吸水高分子の膨潤粒径よりも大きくなり吸水高分子が溶出し易くなる。
【0010】
また、電離性放射線架橋については、前に述べたように当該技術分野の公知の方法で行うことができるが、特に工業化されている電子線架橋では表面部分は架橋されるが内部まで架橋しないのであまり好ましくない。
その他必要に応じて各種充填材、安定剤、架橋助剤、架橋促進剤、軟化剤、可塑剤など通常用いられるものはすべて使用することができる。
以上の様な必須材料と必要に応じて使用する材料はいずれも均一に混練して各種の形状に成形される。この様な混練および成形方法も当該技術分野で公知の方法がいずれも使用でき、代表的な例として、混練方法ではロ−ル、バンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−等があり、成形方法ではカレンダ−ロ−ル、単軸押出成形機、プレス成形機、混練成形方法では2軸混練押出成形機、発泡成形方法では熱風循環加熱、ソルト浴加熱、オイル浴加熱、赤外線加熱、高周波加熱等の手段がある。
なお、これらの混練および成形方法はそれぞれ組合せ複数併用して用いることもできる。この様な方法によりシ−ト状、異形状あるいはその他の形状の止水材料とすることができる。
【0011】
【作用】
吸水高分子を配合した水膨潤発泡体については、吸水し膨張することは良く知られているが、膨張圧力の出る発泡倍率の高い発泡体は知られていなかった。そもそも樹脂またはゴムからなるマトリックスに吸水高分子を配合してなる発泡体の場合、吸水高分子は発泡体気泡の骨格ないしは気泡膜中に取込まれ、吸水し膨張はするが膨張圧は発現せず、従って止水性を出すには、密度が0.3g/cm3以上の高密度発泡体のみ可能であり、それより低密度発泡体では不可能であった。
【0012】
その為本発明の水膨潤性の低密度発泡体では、吸水高分子および親水性充填材を特定量範囲で配合し、かつ気泡径を特定範囲内に小さくした。すなわち樹脂およびゴム、またはゴムからなるマトリックス100重量部に対し、吸水高分子が5〜40重量部、親水性充填材が5〜40重量部の混合物とし、平均気泡径が500μm以下の発泡体である。この事により、気泡骨格は細かく、かつ気泡膜は薄くなり、更に合せて親水性充填材により気泡骨格および気泡膜の強度が弱くなる。吸水し膨潤開始すると気泡骨格および気泡膜中に取込まれていた吸水高分子の一部またはその多くが膨張力により気泡骨格および気泡膜より気泡中に脱落する。この吸水高分子が更に吸水し気泡内で膨張をする。その時、気泡中で特に架橋マトリックス樹脂の集合している気泡骨格部は気泡内に閉じ込められた吸水高分子の膨張により3次元方向に延伸される。その為発泡体は乾燥時に比べ全体が膨張すると同時に、発泡体の硬さが大幅に増加する。この膨張圧力と気泡空間の目止め効果により止水性が発現するのである。
【0013】
更に水膨潤発泡体の体積膨張率が膨潤圧力と深く係わっている事が究明された。つまり、体積膨張率は、水膨潤発泡体を構成する架橋マトリックス基材の弾性率と関係があり、これを特定範囲に限定する必要がある。すなわち、架橋発泡シ−リング材の弾性率が100〜1500Kgf/cm2である。弾性率が1500Kgf/cm2以上の高すぎるものは、いくら吸水性高分子や親水性充填材の配合量を増やしても、また気泡径を小さくしても気泡を構成する架橋マトリックスの応力の方が吸水高分子の気泡内膨潤圧力よりも勝り膨張圧力は出て来ない。
【0014】
一方、弾性率が100Kgf/cm2以下の架橋発泡体の場合、膨張初期に膨張圧力が出ることがあっても、更に膨張が進むことで気泡膜は破壊をされ、膨潤気泡径は吸水高分子の膨潤粒径よりも大きくなる。その結果、吸水高分子が気泡内から脱離、溶出してしまい膨潤圧力が低下し、従って止水性も出て来なくなる。またここで用いる吸水高分子は分子内あるいは分子間架橋された粒径10μm〜200μmで吸水膨潤倍率が100〜600倍のものに限る。
以上の様に膨潤圧力の高い良好な低密度の発泡シ−リング材を得る為には、マトリックスとなる樹脂またはゴムに限定した範囲の吸水高分子と親水性充填材を特定量配合し、得られる発泡体を構成する架橋マトリックス基材の引張り弾性率と気泡径を特定することにより得られる。
【0015】
また、本発泡体は架橋発泡体である必要がある。特に好ましい架橋の方法としては過酸化物架橋又は硫黄架橋による方法である。過酸化物架橋又は硫黄架橋による方法は、厚物製品のすべての部分で架橋が均一に起こり耐久性の高い発泡シ−リング材が得られる。一方、電離性放射線による方法で特に工業化されている電子線架橋では表面部分は架橋されるが内部まで架橋しないのであまり好ましくない。
また、発泡体の独立気泡率については、膨潤スピ−ドの早い物を必要とする場合は独立気泡率の低い事が有利である。しかし、独立気泡率が10%以上になると気泡内からの吸水高分子の脱離、溶出が起こりずらくなるので耐久性が向上し好ましい。
【0016】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて具体的に説明する。各実施例及び比較例の配合処方、密度、70%圧縮時の防水性能および溶出率等、諸物性を表1〜表5に示す。
なお、諸物性値の試験方法は以下に示す通りである。
(1)引張り弾性率:
架橋発泡シ−リング材を基材の軟化温度付近で50Kgf/cm2荷重で熱プレスし、最終的に厚み0.3〜0.6mmのフィルムになるように調整したものを、引張り試験サンプルとした。引張り試験の測定は、試験速度が200mm/minで、応力−歪曲線を求め、初期の立ち上がりの弾性領域から弾性率を求めた。
(2)平均気泡径:
50倍顕微鏡にて、3.3mm角あたりの気泡数が、n個のとき下記式で表す。
【0017】
【数1】
【0018】
(3)70%圧縮硬さ:
発泡シ−ト状物から縦横(水平方向)が30mm角の試験片を切り出した試験片を試験速度50mm/minで圧縮した時の応力−歪曲線を求め、その曲線から70%圧縮時の応力を圧縮硬さとした。同様に切出した試験片を水に5日間浸漬させた時の70%圧縮硬さも測定し、これを5日間浸漬後の70%圧縮硬さとした。
(4)70%圧縮防水性能:
発泡シ−ト状物から、内径が90mm、外径が100mmのド−ナッツ状試験片を打抜き、この試験片を2枚のアクリル板で70%圧縮率で挟み、アクリル板の一方に開けられた導水孔から水圧をかけ防水試験を行った。水圧の昇圧速度は0.1Kgf/cm2/5minで行い漏水する直前の水圧値を防水性能とした。また、70%圧縮の状態で水に5日間浸漬させた後の試料についても同様の試験方法で測定し、これを5日間膨潤後の防水性能とした。
(5)溶出率:
シ−ト状物から試験片を取り出し、70℃温水に3日間浸漬させた後、50℃1週間乾燥させ、試料中に配合した吸水高分子の溶出率を測定した。
【0019】
【数2】
【0020】
(6)独立気泡率(独泡率)
発泡シ−ト状物から縦横(水平方向)が30mm角の試験片を切り出し、厚みもこれらを積み重ねて約30mmになる様に調整したものを試験片とし、Ramington Pariser法(ASTM D1940−62T)に準じて測定した。
【0021】
実施例1
表1の実施例1に示した配合処方で粒径が50μmのポリアクリル酸塩の吸水高分子とクレ−の無機充填材の混合物からなるペレットを2軸混練押出成形機で、発泡剤および過酸化物架橋材を表1に示した配合比で混練し、4mm厚、200mm幅でシ−ト状に押出した。これを220℃の熱風循環炉で加熱発泡したところ、密度が0.083(g/cm3)の長尺シ−ト物が得られた。これについての諸々の試験結果を表1に示した。
実施例2
表1の実施例2に示した配合処方で粒径が70μmのイソブチレン無水マレイン酸塩の吸水高分子とヴェントナイトの無機充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを160℃の熱風循環炉で加熱発泡させたところ、密度が0.065(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表1に示した。実施例3
表1の実施例3に示した配合処方で粒径が100μmのイソブチレン無水マレイン酸塩の吸水高分子とクレ−の無機充填材をニ−ダ−およびロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを220℃の熱風循環炉で加熱処理し、発泡させたところ、密度が0.054(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
実施例4
表2の実施例4に示した配合処方で粒径が50μmのポリアクリル酸塩の吸水高分子とクレ−の無機充填材の混合物からなるペレットを2軸混練押出成形機で、発泡剤および過酸化物架橋材を表2に示した配合比で混練し、4mm厚、200mm幅でシ−ト状に押出した。これを220℃の熱風循環炉で加熱発泡したところ、密度がそれぞれ0.114(g/cm3)、0.29(g/cm3)の長尺シ−ト物が得られた。これについての諸々の試験結果を表2に示した。
実施例5
表2の実施例5に示した配合処方で粒径が100μmのイソブチレン無水マレイン酸塩の吸水高分子とクレ−の無機充填材をニ−ダ−およびロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状に押出した。これを220℃の熱風循環炉で加熱処理し、発泡させたところ、それぞれ密度が0.117(g/cm3)、0.31(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】
比較例1
表3の比較例1に示した配合処方でウレタン樹脂の吸水性高分子とシリカの充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを160℃の熱風循環炉で加熱処理することで、密度が0.45(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表3に示した。ここではマトリックス弾性率が小さい為に、吸水高分子の溶出が大きく、従って長期の膨潤圧力が安定して得られず、止水性も低下していく。
比較例2
表3の比較例2に示した配合処方で粒径50μmのポリアクリル酸塩の吸水高分子とクレ−の充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを160℃の熱風循環炉で加熱処理することで、密度が0.06(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表3に示した。ここではマトリックス弾性率が大きすぎて、吸水膨潤が進まない為、膨潤圧が得られず、発泡体は応力緩和するのみで、従って止水性が低くなる。
【0026】
比較例3
表3の比較例3に示した配合処方で粒径50μmのイソブチレン−無水マレイン酸塩の吸水性高分子とクレ−の充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを220℃の熱風循環炉で加熱発泡することで、密度が0.20(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表3に示した。ここでは発泡体の平均気泡径が大きすぎる為、発泡体の吸水膨張に伴う吸水高分子の気泡中からの脱離と同時に吸水高分子粒子の溶出が大きく、従って膨潤圧力が減少し、止水性が低下していく。
【0027】
【表3】
【0028】
比較例4
表4の比較例4に示した配合処方で粒径50μmのポリアクリル酸塩の吸水性高分子とシリカの充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して3.4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを160℃の熱風循環炉で加熱発泡することで、密度が0.68(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表4に示した。ここでは親水性充填材の配合量が多すぎる為に、吸水高分子の溶出が大きく、従って長期の膨潤圧力が安定して得られず、止水性も低下していく。
比較例5
表4の比較例5に示した配合処方で粒径50μmのポリアクリル酸塩の吸水性高分子とクレ−の充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4.2mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを160℃の熱風循環炉で加熱処理することで、密度が0.76(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表4に示した。ここでは、吸水性高分子の配合量が多すぎる為に、吸水高分子の溶出が大きく、従って長期の膨潤圧力が安定して得られず、止水性も低下していく。
【0029】
比較例6
表4の比較例6に示した配合処方で粒径50μmのイソブチレン−無水マレイン酸塩の吸水性高分子とクレ−の充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを220℃の熱風循環炉で加熱発泡することで、密度が0.045(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表4に示した。ここでは、吸水性高分子の配合量が少なすぎる為、吸水膨潤が進まず膨潤圧が出て来ないので発泡体は応力緩和するのみで、従って止水性が低くなる。
【0030】
【表4】
【0031】
比較例7
表4の比較例7に示した配合処方で粒径30μmのイソブチレン−無水マレイン酸塩の吸水性高分子とクレ−の充填材をニ−ダ−及びロ−ルで混練し、これをプレスシ−ト成形して4mm厚、200mm角のシ−ト状にした。これを220℃の熱風循環炉で加熱発泡することで、密度が0.051(g/cm3)のシ−ト状物が得られた。これについての諸々の試験結果を表5に示した。ここでは、親水性充填材の配合量が少なすぎ、吸水膨潤が進まず膨潤圧が出て来ないので、発泡体は応力緩和するのみで、従って止水性が低くなる。
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】
本発明の水膨潤性架橋発泡シ−リング材は、低密度発泡であっても、優れた膨潤圧力を発現し良好な止水性を発揮する。また低密度であることから各種構造物に貼り付け施工しても軽量な為、接着剥がれが起きにくく、防水施工がし易く、コンクリ−ト表面の凹凸に対しても低密度柔軟発泡体のため、追従し易く止水性が発揮し易い。また、吸水高分子が溶出しにくい発泡体のため、長期の止水が獲得できる。また、厚みが厚い発泡体であっても、均一な止水性と耐久性が獲得できる。
従って、本発明の水膨潤性架橋発泡シ−リング材は、トンネルや上下水道工事のセグメント間の防水用シ−ル、地下構造物の止水板、建築物外壁のパネルの間隙のシ−ルなどの土木及び建築工事の発泡止水材や各種構造物の止水材として広範囲な用途に用いられる。
Claims (3)
- 樹脂またはゴム、もしくは樹脂およびゴムからなるマトリックス100重量部に対し、粒子状吸水高分子が5〜40重量部、親水性充填材が5〜40重量部、架橋剤、発泡剤を含んだ混合物を発泡、架橋させて得た水膨潤性架橋発泡シ−リング材であって、当該架橋発泡シ−リング材の平均気泡径が500μm以下でかつ当該架橋発泡シ−リング材の弾性率が100〜1500Kgf/cm2、独立気泡率が10%以上である事を特徴とする低密度水膨潤性架橋発泡シ−リング材。
- 粒子状吸水高分子が分子内あるいは分子間架橋されていて、その粒子径が15μm〜200μm、吸水膨潤倍率が100〜600倍のものである請求項1記載の低密度水膨潤性架橋発泡シ−リング材。
- 発泡シ−リング材の密度が0.125g/cm3以下である請求項1または2記載の低密度水膨潤性架橋発泡シ−リング材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30113294A JP3687008B2 (ja) | 1994-12-05 | 1994-12-05 | 水膨潤性架橋発泡シ−リング材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP30113294A JP3687008B2 (ja) | 1994-12-05 | 1994-12-05 | 水膨潤性架橋発泡シ−リング材 |
Publications (2)
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