JP3686796B2 - シート用ロック機構の格納リンク機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート用ロック機構の格納リンク機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
シート用ロック機構の一形式として、車両用シートを構成するシートクッションの後端部に配設されて、シートクッションの後端部を車室フロアに対して解除可能にロックし、シートクッションの車室フロアに対するロックを解除することにより、シートクッションの前端部を基点として車両用シートを格納可能とする形式のシート用ロック機構がある。
【0003】
当該形式のロック機構はシートクッションの下方に突出していて、車両用シートの格納時にはシートクッションから突出した状態で外部に露呈することから、この露呈状態を回避するため、車両用シートの格納時にロック機構も同時に格納すべく、ロック機構を回転可能に配設するとともに、車両用シートの格納時に同ロック機構をシートクッションの下面側へ回動させて格納状態とする格納リンク機構を配設する手段が採られている。
【0004】
格納リンク機構は、シートクッションの前端部側に一端を回動可能に連結した第1のリンクと、第1のリンクに一端を回動可能に連結されるとともにロック機構側に他端を連結して第1のリンクの回動時にロック機構を回動させてシートクッションの下面側に格納する第2のリンクにて構成されているもので、車両用シートの格納時には、ロック解除されて車室フロア側のストライカから離脱した状態のロック機構を、シートクッションの格納動作に対応して漸次シートクッションの下面側に回動させて格納し、格納状態の車両用シートの復帰時には、格納状態のロック機構を、シートクッションの復帰動作に対応して漸次シートクッションの下面側から突出させて、ロック機構の車室フロア側のストライカに対するロックを可能な状態とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、当該格納リンク機構においては、格納状態にある車両用シートを復帰させる際には、格納状態にあるロック機構をシートクッションの下面側から漸次回動させて突出させるが、この状態にあるロック機構に大きな衝撃力が作用した場合にはリンクが変形するおそれがあり、リンクが変形すると、ロック機構と車室フロア側のストライカとの位置関係が変動してロック機構のロック機能が損なわれ、かつ、格納リンク機構のロック機構に対する格納機能、復帰機能が損なわれることになる。従って、本発明の目的は、これらの問題に対処することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート用ロック機構の格納リンク機構に関するもので、車両用シートを構成するシートクッションの後端部に回動可能に配設されて、同シートクッションの後端部を車室フロアに解除可能にロックし、同シートクッションの車室フロアに対するロックを解除することにより、前記シートクッションの前端部を基点として車両用シートを格納可能とするシート用ロック機構を格納するための格納リンク機構を適用対象とするのもである。
【0007】
しかして、本発明に係る格納リンク機構は、前記シートクッションの前端部側に一端を回動可能に連結した第1のリンクと、同第1のリンクに一端を回動可能に連結されるとともに前記ロック機構側に他端を連結されて前記第1のリンクの回動時に前記ロック機構を回動させて前記シートクッションの下面側に格納する第2のリンクを備えた格納リンク機構であって、前記シートクッションの前端部側と前記第1のリンク間に設けられて同第1リンクの前記シートクッションの前端部に対する所定量の回動を許容する係合手段と、前記シートクッションの前端部側と前記第1のリンク間に張設されて前記係合手段にて許容される前記第1のリンクの所定量の回動を所定の力で規制するバネ手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る格納リンク機構においては、前記係合手段を、前記シートクッションの前端部側に設けられた所定幅の係合凹所と、前記第1のリンクに設けられて前記係合凹所内に位置する同係合凹所より小さい幅寸法の係合突起部とにより構成することができる。
【0009】
また、本発明に係る格納リンク機構は、前記シートクッションの前端部に同シートクッションの前端部を支持する脚部が支持ブラケットを介して前後方向へ回動可能に連結する車両用シートに装備することができるもので、この場合には、前記第1のリンクの一端を前記支持ブラケットに回動可能に連結して、前記係合手段を構成する係合凹所を前記支持ブラケットに設けるようにすることができる。
【0010】
【発明の作用・効果】
本発明に係る格納リンク機構においては、通常は、バネ手段の作用により、係合手段にて許容される第1のリンクの所定量の回動が所定の力で規制されていて、従来の格納リンク機構と同様に機能して、ロック機構を、車両用シートの格納動作に応答してシートクッション側へ格納し、かつ、車両用シートの格納状態からの復帰動作に応答してシートクッションの下面側から突出して復帰させる。
【0011】
この場合、ロック機構に大きな衝撃力が作用すると、この衝撃力は第2のリンクを介して第1のリンクに伝達され、バネ手段のバネ力に打ち勝って第1のリンクを回動させる。これにより、この衝撃力は第1のリンクに受承されるとともにバネ手段の作用にて減衰されて、第1のリンクおよび第2のリンクの変形が防止される。このため、ロック機構と車室フロア側のストライカとの位置関係が変動するようなことはなくて、ロック機構のロック機能が損なわれるようなことがないとともに、格納リンク機構のロック機構に対する格納機能、復帰機能が損なわれるようなこともない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1および図2は、本発明に係るロック機構の格納リンク機構が装備の対象とする車両用のリヤシートを示している。当該リヤシートは、並列3座席型のダブルフォールドダウンシートであって、左右の各側方座席であるサイドシート10aと、中央座席であるセンターシート10bとにより構成されている。各サイドシート10aは、シートクッション11の下面の前端部側に回動可能に組付けた脚部12のリンク部を介して車室フロアの凹部f1に前後方向へ回動可能に支持されているとともに、シートクッション11の下面の後端側に設けたロック機構20aを介し車室フロアのデッキf2に離脱可能にロックされている。
【0013】
これら各サイドシート10aは、ロック機構20aによる車室フロアのデッキf2に対するロックを解除することにより、図2に示すように、シートバック13をシートクッション11上に折り畳んだ状態で、車室フロアのデッキf2と略同一レベルになるように前方へ折り畳んで、凹部f1内に格納される構成となっている。センターシート10bは、そのシートクッション11を図示しない連結機構を介して図示右側のサイドシート10aのシートクッション11の一側に離脱可能に連結されていて、図示しないサイドレッグを介して車室フロアのデッキf2上に支承されているもので、車室フロアのトンネル部f3に対向している。このため、センターシート10bは、サイドシート10aを凹部f1内に格納する際には、サイドシート10aから離脱され、かつ、デッキf2上から取外される構成となっている。
【0014】
しかして、各サイドシート10aには、図3に示すように、本発明の一例に係る格納リンク機構20bが配設される。格納リンク機構20bは、第1リンク21、第2リンク22、およびスプリング23を備えている。第1リンク21は略三角形を呈するもので本発明の第1のリンクに該当し、第2リンク22はロッド状を呈するもので本発明の第2のリンクに該当し、スプリング23は本発明のバネ手段に該当する。
【0015】
第1リンク21は、その一隅部にて、シートクッション11を構成するクッションフレーム11aの前端部に設けたブラケット11bに回動可能に連結され、その他の一隅部に第2リンク22の先端部が回動可能に連結され、かつ、その残りの隅部にスプリング23の一端が掛止されている。第2リンク22の後端部は、クッションフレーム11aの後端部に設けたブラケット11cに回動可能に支持したロック機構20aのベース24に回動可能に連結されている。
【0016】
第2リンク22の後端部のベース24に対する連結点は、ロック機構20aのブラケット11cに対する連結点の後方かつ下方に位置しており、ロック機構20aをシートクッション11の下面側へ突出した際、この連結点をクッションフレーム11aの後端部に設けたストッパ11dに当接させることにより、ロック機構20aとクッションフレーム11aの前端部の回動中心と車室フロアのストライカ28の間隔を一定に保っている。
【0017】
また、スプリング23の他端は、クッションフレーム11aの前端部に設けたブラケット11bに回動可能に連結した支持ブラケット25に掛止されている。支持ブラケット25は、脚部12を構成する脚部本体12aの上端部に固着されているもので、脚部12をシートクッション11のブラケット11bに連結させている。支持ブラケット25は、同ブラケット11bに回動可能に連結されており、支持ブラケット25と第1リンク21とは、ブラケット11bに対して同軸的に連結されていて、連結点が互いに一致している。
【0018】
なお、ロック機構20aはそれ自体公知のもので、左右のベース24内にて回動可能に支持されたポール26とラチェット27、ポール26とラチェット27間に張設された図示しないスプリングを備え、車室フロアのデッキf2に設けたストライカ28にラチェット27のフック部を掛止することにより、シートクッション11の後端部をデッキf2にロックすべく機能する。このロック状態は、図示しないレリーズレバーを回動操作してポール26を図示反時計方向へ回動させることにより解除される。ポール26が同方向へ回動動作すると、図示しないスプリングの作用でラチェット27が同方向へ回動して、ラチェット27のフック部がストライカ28から離間する。
【0019】
また、シートクッション11の前端部を支持する脚部12は、図4および図5に示すように、脚部本体12aとリンク部12bとからなり、脚部本体12aはその下端部にてリンク部12bの上端部に回動可能に連結されており、また、リンク部12bはその下端部にて車室フロアの凹部f1に回動可能に支持されている。かかる構成の脚部12においては、脚部本体12aの下端部の後方の部位にフック部12cを備えていて、脚部12が起立状態にある場合には、フック部12cは車室フロアの凹部f1とデッキf2を区画する起立壁部f4に設けた係合部f5に係合して、脚部12を起立状態に保持する。
【0020】
脚部12においては、シートが前方へ押動された場合には、脚部本体12aがリンク部12bとの連結部を中心に図示反時計方向へ回動してフック部12cを係合部f5から離脱させ、さらに同方向へ回動するとともにリンク部12bを凹部f1との取付部を中心に図示反時計方向へ回動する。この脚部12の脚部本体12aとリンク部12bの連結部を中心とする屈折動作により、シートクッション11を前方へ移動させつつ下方へ移動させて、車室フロアの凹部f1内に格納させる。
【0021】
かかる構成の格納リンク機構20bにおいては、第1リンク21と支持ブラケット25間に係合手段20cを備えている。係合手段20cは、図4に拡大して示したように、第1リンク21側に設けた係合突起部21aと、支持ブラケット25側に設けた係合凹所25aとにより構成されているもので、係合突起部21aは係合凹所25aに挿入されていて、スプリング23の作用にて係合凹所25a内で中立位置に保持されている。スプリング23は、係合突起部21aが係合凹所25a内にて中立位置に保持されるように第1リンク21に作用し、第1リンク21の支持ブラケット25に対する回動を所定の力で規制している。
【0022】
このように構成した格納リンク機構20bを装備したサイドシート10aにおいては、図1に示す起立状態から図2に示すように格納状態に移行させるには、シートバック13をシートクッション11上に倒伏し、ロック機構20aによるシートクッション11の車室フロアのデッキf2に対するロックを解除して、シートクッション11およびシートバック13を一体に前方へ押動する。これにより、脚部12は脚部本体12aとリンク部12bとの連結部を中心に屈折し、この屈折動作によりシートクッション11を前方へ移動させつつ下方へ移動させて車室フロアの凹部f1内に格納する。
【0023】
この間、格納リンク機構20bにおいては、シートクッション11の前方かつ下方への移動により支持ブラケット25が図示反時計方向へ回動し、係合手段20cを構成する係合突起部21aを係合凹所25aの後端側の壁部に当接して、第1リンク21を同方向へ回動させる。これにより、第1リンク21は第2リンク22を図示左方へ引張って、ロック機構20aをブラケット11cに対する連結部を中心に図示時計方向へ回動させて、ロック機構20aをシートクッション11の下面側へ格納する。なお、格納状態にあるサイドシート10aを起立状態に復帰させる場合は、サイドシート10aおよび格納リンク機構20bは格納する場合とは逆に動作して、サイドシート10aを車室フロアのデッキf2上に移動させるとともに、ロック機構20aをシートクッション11の下面側から突出させて、ロック機構20aによりシートクッション11の後端部を車室フロアのデッキf2上にロックする。
【0024】
ところで、サイドシート10aの車室フロアのデッキf2上への移動時に、シートクッション11の下面側から漸次突出するロック機構20aが車室フロアのデッキf2上に置き忘れてある荷物等に当接した場合には、ロック機構20aは第2リンク22を突き上げる方向への大きな衝撃力を受ける。この場合、衝撃力は第2リンク22を介して第1リンク21に伝達され、スプリング23のバネ力に打ち勝って第1リンク21を支持ブラケット25に対して図示反時計方向へ回動させる。これにより、この衝撃力は第1リンク21に受承されるとともにスプリング23の作用にて減衰されて、第1リンク21および第2リンク22の変形が防止される。このため、ロック機構20aと車室フロアのデッキf2側のストライカ28との位置関係が変動することはなくて、ロック機構20aのロック機能が損なわれるようなことはなく、かつ、格納リンク機構20bのロック機構20aに対する格納機能、復帰機能が損なわれるようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る格納リンク機構を装備したサイドシートの起立状態を示す概略的な斜視図である。
【図2】同サイドシートの格納状態を示す概略的な斜視図である。
【図3】同格納リンク機構を示す側面図である。
【図4】同格納リンク機構の前部を示す部分側面図である。
【図5】同サイドシートを構成する脚部の下方部を示す部分側面図である。
【符号の説明】
10a…サイドシート、10b…センタシート、11…シートクッション、11a…クッションフレーム、11b,11c…ブラケット、12…脚部、12a…脚部本体、12b…リンク部、12c…フック部、13…シートバック、20a…ロック機構、20b…格納リンク機構、20c…係合手段、21…第1リンク、21a…係合突起部、22…第2リンク、23…スプリング、24…ベース、25…支持ブラケット、25a…係合凹所、26…ポール、27…ラチェット、28…ストライカ、f1…車室フロアの凹部、f2…車室フロアのデッキ、f3…車室フロアのトンネル部、f4…車室フロアの起立壁部、f5…車室フロアの係合部。
Claims (3)
- 車両用シートを構成するシートクッションの後端部に回動可能に配設されて、同シートクッションの後端部を車室フロアに解除可能にロックし、同シートクッションの車室フロアに対するロックを解除することにより、前記シートクッションの前端部を基点として車両用シートを格納可能とするシート用ロック機構を格納する格納リンク機構であり、前記シートクッションの前端部側に一端を回動可能に連結した第1のリンクと、同第1のリンクに一端を回動可能に連結されるとともに前記ロック機構側に他端を連結されて前記第1のリンクの回動時に前記ロック機構を回動させて前記シートクッション側に格納する第2のリンクを備えた格納リンク機構において、前記シートクッションの前端部側と前記第1のリンク間に設けられて同第1のリンクの前記シートクッションの前端部側に対する所定量の回動を許容する係合手段と、前記シートクッションの前端部側と前記第1のリンク間に張設されて前記係合手段にて許容される前記第1のリンクの所定量の回動を所定の力で規制するバネ手段を備えていることを特徴とするシート用ロック機構の格納リンク機構。
- 請求項1に記載の格納リンク機構において、前記係合手段は、前記シートクッションの前端部側に設けられた所定幅の係合凹所と、前記第1のリンクに設けられて前記係合凹所内に位置する同係合凹所より小さい幅寸法の係合突起部とにより構成されていることを特徴とするシート用ロック機構の格納リンク機構。
- 請求項1または2に記載の格納リンク機構は、前記シートクッションの前端部に同シートクッションの前端部を支持する脚部が支持ブラケットを介して前後方向へ回動可能に連結する車両用シートに装備されるもので、前記第1のリンクの一端が前記支持ブラケットに回動可能に連結されていて、前記係合手段を構成する係合凹所が前記支持ブラケットに設けられていることを特徴とするシート用ロック機構の格納リンク機構。
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JP22668399A JP3686796B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | シート用ロック機構の格納リンク機構 |
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JP22668399A JP3686796B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | シート用ロック機構の格納リンク機構 |
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Family Applications (1)
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JP22668399A Expired - Lifetime JP3686796B2 (ja) | 1999-08-10 | 1999-08-10 | シート用ロック機構の格納リンク機構 |
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-
1999
- 1999-08-10 JP JP22668399A patent/JP3686796B2/ja not_active Expired - Lifetime
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