JP3686031B2 - 中空部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向と直交する断面板厚が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法、また、長手方向と直交する断面形状が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、産業機器、輸送機器などでは、その構成部品として金属製の中空部材が使用され、たとえば、自動車では、そのボデーフレーム、ドアフレームなどのフレーム部材として広く使用されている。
【0003】
ところで、近年、環境対策、リサイクル、省資源化、軽量化などの要請から、前記中空部材は、アルミ材などの軽量材料を使用する外、長手方向における板厚や断面形状を自由にコントロールでき、駄肉を削減した最適な板厚配分とした管状部材や長手方向に最適な断面形状をもつ中空部材の開発が望まれている。
【0004】
たとえば、特開平5−76950号公報、特許第2874467号公報に開示されるように、等厚の管状素材の所定部位を加熱した後、その管状素材を長手方向に圧縮して加熱部を増肉させることにより、その長手方向に断面形状の異なる中空部材を得るようにした中空部材の製造方法は既に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる従来の方法では、管状素材をその長手方向から圧縮するので、
▲1▼管状素材に座屈、倒れなどが発生するおそれがある。
【0006】
▲2▼管状素材を、その全長にわたり一定の周長にするのが難しい。
【0007】
などの理由から高精度の製品が得られないという問題がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、長手方向における所望の板厚分布を有し、かつくびれ部分や膨出部分のない、一定周長の中空部材、または長手方向における断面形状が異なる中空部材を簡単に製造できるようにした、新規な中空部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本請求項1記載の発明は、長手方向と直交する断面板厚が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法であって、
管状素材を、その長手方向に温度差をつけて加熱する加熱工程と、前記工程で加熱された管状素材に内圧を加えて、その管状素材を軸方向に引張する引張工程とを含むことを特徴としており、かかる特徴によれば、長手方向における断面板厚を可変とした中空部材を製造することができ、特に、管状素材に内圧を加えて軸方向に引張することにより、部分的な「くびれ」が発生することがなく、全長にわたり周長の略等しい中空部材を、精度よく簡単に製造することができる。
【0010】
また、本請求項2記載の発明は、長手方向と直交する断面形状が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法であって、
管状素材を、その長手方向に温度差をつけて加熱する加熱工程と、前記工程で加熱された管状素材に内圧を加えて、その管状素材を軸方向に引張する引張工程と、前記工程で長手方向と直交する方向の断面板厚が、その長手方向に変化した伸長管状素材を金型のキャビティ内にセットし、該伸長管状素材に内圧を加えて拡管成形する拡管成形工程とを含むことを特徴としており、かかる特徴によれば、長手方向における断面形状が異なる中空部材を製造することができ、特に、管状素材は、内圧を加えて軸方向に引張することにより、部分的な「くびれ」が発生することがなく、全長にわたり周長の略等しい中空部材を、精度よく簡単に製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0012】
まず、図1〜5を参照して、本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明製造方法により製造された中空部材の斜視図、図2は、管状素材から中空部材を製造する製造工程を示す図、図3は、部分通電加熱、全体通電加熱、および内部加圧、引張成形工程の概略工程図、図4は、内部加圧、引張成形装置の断面図、図5は、拡管(バルジ)成形装置の断面図である。
【0013】
この第1実施例では、アルミ合金製の、長手方向に同じ断面板厚であり、かつ等径の管状素材Paから長手方向における断面板厚を可変に制御したのち、拡管(バルジ)成形により、略同じ断面板厚の、拡管成形部位を有する中空部材を製造する場合であり、この製造方法は、具体的には、
▲1▼管状素材Paの部分通電加熱工程
▲2▼管状素材Paの全体通電加熱工程
▲3▼管状素材Paに内圧を加えて軸方向に引張する内部加圧、引張成形工程
▲4▼引張成形後の伸長管状素材Pbの拡管(バルジ)成形工程
とよりなり、以下に、これらの工程について順に説明する。
【0014】
〔▲1▼管状素材Paの部分通電加熱工程〕(図3▲1▼参照)
長手方向に同じ断面板厚で、同じ断面形状の、アルミ合金製の管状素材Paは、加熱手段、たとえば通電加熱手段HEによりその長手方向に部分的に加熱される。すなわち、管状素材Paの両端部には、通電加熱手段HEの+極部30と−極部31とが導電接続され、また管状素材Paの中間部の外周面には、電流迂回手段BPが配設される。この電流迂回手段BPは、管状素材Paの長手方向の中間部分に、その長手方向に間隔をあけてアルミ合金よりも電気抵抗の小さい2つの低抵抗電導体(たとえば銅体)32,33を、そこをとり巻くように電導接続し、それらの低抵抗電導体32,33を導線34により相互に接続して構成される。
【0015】
前記管状素材Paには、その左右両開口端を封緘する封緘部材36,37が設けられ、また、その軸方向の両側には、後の内部加圧、引張成形工程において、管状素材Paに内圧を加えるための内部加圧手段PRと、それを軸方向に引張する引張手段PLがそれぞれ設けられる。前記内部加圧手段PRは、管状素材Pa内に加圧エアを圧送するための内部加圧源50と、その内部加圧源50と管状素材Pa内とを連通する加圧回路51とを備え、加圧エアは、加圧回路51より、一方の封緘部材35を通して管状素材Pa内に圧送される。また、前記引張手段PLは、管状素材Paの他端に設けられる封緘部材36に連結される引張アクチュエータ、すなわち引張シリンダ37より構成されており、この引張シリンダ37の作動によれば、管状素材Paはその長手方向に引張される。
【0016】
前記通電加熱手段HEを通電稼働すれば、電流は管状素材Paより、電流迂回手段BPを経て再び管状素材Paへと流れる。すなわち電流は、2つの低抵抗電導体32,33が、アルミ合金製の管状素材Paよりも電気抵抗値が小さいことにより図3▲1▼の矢印aに示すように、2つの低抵抗電導体32,33間に対応する管状素材Paの中空部位Nを迂回して該管状素材Paを流れる。したがって、管状素材Paは、その長手方向の両側部位S,Sが加熱されて、その中間部位Nに比べ相対的に発熱量が大きくなる。
【0017】
なお、この部分通電加熱工程では、前記内部加圧手段PRおよび引張手段PLは作動しない。
【0018】
〔▲2▼管状素材の全体通電加熱工程〕(図3▲2▼参照)
前工程にて、管状素材Paの部分加熱により、その両側部位S,Sが、その中間部位Nよりも高温に加熱されたところで、通電加熱手段HEの作動を継続しながら、電流迂回手段BPの、2つの低抵抗電導体32,33を管状素材Paから分離させる。これにより、通電加熱手段HEの+極部30と−極部31とは、管状素材Paを全長を通して通電状態となり、電流は図3▲2▼の矢印bに示すように、管状素材Paを流れ、該管状素材Paをその全長に亘って通電加熱する。したがって、前記2つの工程により、管状素材Paは、その左右両側部位S,Sが高温、たとえばその管状素材Paの再結晶温度(500°C)以上に加熱され、一方、管状素材Paの中間部位Nは、それらよりも低温に加熱される。
【0019】
なお、この全体通電加熱工程でも、前記内部加圧手段PRおよび管状素材Paの引張手段PLは作動しない。
【0020】
〔▲3▼管状素材Paの内部加圧、引張成形工程〕(図3▲3▼、図4参照)
前記工程で、管状素材Paは、その左右両側部位S,Sと、それらの中間部位Nが所定の温度差をもって加熱された状態となり、ここで前記内部加圧手段PRの作動により、加圧エアを管状素材Pa内に圧送して該管状素材Pa内に所定の内圧を加えつつ、引張手段PLの作動により、該管状素材Paに、その軸方向に所定の張力を与える。これにより、管状素材Paは、その内部に所定の内圧を加えられながら軸方向に伸長する。このとき、高温に加熱された左右両端部位S,Sは、変形抵抗が小さいので速く伸びて伸び量が大きくなるのに対し、それよりも低温に加熱された中間部位Nは、それよりも変形抵抗が大きいので遅く伸びてその伸び量が小さい。また、この引張工程中、管状素材Pa内には、内部加圧手段PRから加圧エアが供給されて所定の内圧が加えられているため、前記軸方向の引張にも拘らず、その軸方向に「くびれ」を発生することがなく、周長がその全長にわたり略一定に保持される。
【0021】
その結果、図2(C)、図4に示すように、軸方向に伸ばされた伸長管状素材Pbの断面板厚は、その中空部位Nが厚く、すなわち1.25tであり、その左右両側部位S,Sの断面板厚は、中空部位Nよりも薄く、すなわちtであり、断面板厚が可変制御され、しかも、「くびれ」のない、全長に亘り周長の略等しい伸長管状素材Pbが得られる。
【0022】
〔▲4▼引張成形後の伸長管状素材Pbの拡管成形(バルジ成形)工程〕(図5参照)
前工程で軸方向に伸長され、かつ周長の略等しい伸長管状素材Pbは、適宜の搬送手段により拡管成形(バルジ成形)装置へ搬送される。
【0023】
図4に示すように、拡管成形(バルジ成形)装置の金型Mは、基台1上に固設される固定金型、すなわち下金型2と、それらの固定金型に対する可動金型、すなわち上金型3とよりなり、該金型M上には昇降シリンダ4が連結され、該昇降シリンダ4の伸縮作動により、上金型3が昇降作動される。
【0024】
前記金型Mは、前記工程にて軸方向に伸長され、未だ加熱状態(約500°C)に保持されている、伸長管状素材Pbの再結晶温度以上での熱間拡管成形(熱間バルジ成形)をするための拡管成形型であり、この金型Mは図示しない加熱手段により、約500°Cに加熱されている。
【0025】
前記下金型2の上面には、伸長管状素材Pbの下側半部を成形するための下型成形面2mが形成され、また上金型3の下面には、伸長管状素材Pbの上側半部を成形するための上型成形面3mが形成され、金型Mを型締めしたとき、それらの成形面2m、3mによりキャビティ5が形成される。金型Mの左右両側には、伸長管状素材Pbの両端部を固定するためのホールド手段Hが設けられる。このホールド手段Hは、金型Mの左右に左右ホルダ6,7を備えており、これらのホルダ6,7は、金型Mに対して進退移動が可能であり、基台1上に設けたガイド8,9上をアクチュエータ10,11の作動により移動制御される。そして左右ホルダ6,7の前進により、伸長管状素材Pbの両端部は、左右ホルダ6,7の支持孔6a,7aに嵌合、固定される。
【0026】
また、金型Mの左右両側には、そこにセットされた伸長管状素材Pbを軸方向から押圧するための押圧手段PUが設けられる。この押圧手段PUは、左右押圧シリンダ12,13を有しており、これらの押圧シリンダ12,13のロッド部12r,13rの先部に固定される押圧部材16,17は、前記左右ホルダ6,7の支持孔6a,6b内に進退自在に嵌入されており、左右押圧シリンダ12,13の伸長作動によれば、押圧部材16,17の先端が、伸長管状素材Pbの両端にそれぞれ係合し、引き続く押圧部材16,17の前進作動により、伸長管状素材Pbをその両端から軸方向に押圧することができる。
【0027】
左右の押圧部材16,17と支持孔6a,7a間、およびこれらの支持孔6a,7aと伸長管状素材Pbの両端部外周面間には、それぞれシール手段SとしてのOリング19,20が設けられ、これらのOリング19,20は、押圧部材16,17が伸長管状素材Pbに係合したとき、該伸長管状素材Pbと、ホルダ6,7および押圧部材16,17間を流体密にシールすることができる。
【0028】
金型M1の左右両側には、伸長管状素材Pb内を加圧するための圧縮エア供給手段Aが設けられる。この圧縮エア供給手段Aは、圧縮エア供給源22から圧縮エア回路23および押圧部材16,17に穿設したエア導入路24を経て、伸長管状素材Pbの密閉の中空部に圧縮エアを圧送するように構成されている。
【0029】
前工程にて伸長成形され、未だ加熱状態(約500°C)にある伸長管状素材Pbは、同じく約500°Cに加熱された金型M内に投入してそこにセットしてから、型締めシリンダ、すなわち昇降シリンダ4の作動により、該金型Mの型締めを行う。伸長管状素材Pbの両端部を左右ホルダ6,7の前進により固定したのち、押圧シリンダ12,13を伸長作動すれば、そのロッド部12a,13aが管状素材Paを軸方向に押し込み、軸押しを行いながら、圧縮エア源22から圧縮エア供給路23、エア導入路24を経て管状素材Pa内に、加圧エアを圧送して、該伸長管状素材Pbに内圧を加えれば、伸長管状素材Pbは、キャビティ5の上、下成形面3m、2mになじむように熱間拡管成形(熱間バルジ成形)される。
【0030】
拡管成形後の、伸長管状素材Pbは、左右ホルダ6,7の後退後の、金型Mの型開きにより、そこから取り出されて、図2(c)に示す、拡管成形管(バルジ成形管)Pcが得られる。しかして、この拡管成形管Pcは、その中空部位Nの径大部と、そこから左右に続く、左右両側部S,Sの先細りの左右截頭円錐部と、それらから続く未拡管成形(未バルジ成形部)の左右端部E,Eとを有する形状に成形されるが、前記左右端部E,Eは、それらを切断して、最終の成形品すなわち中空部材Pを得る(図1参照)。
【0031】
ところで、前記▲1▼〜▲3▼の部分加熱、全体加熱および内部加圧、引張工程を経た伸長管状素材Pbは、図2(b)に示すように、左右両側端部位S,Sの断面板厚がtであり、またその中間部位Nの断面板厚がそれよりも厚い1.25tであって、しかもその外周面は、全長にわたり「くびれ」がなく、一定の周長に成形される。
【0032】
また、この伸長管状素材Pbは、前記▲4▼の拡管成形(バルジ成形)により、図2(c)に示すように、その中間部位Nが、左右両側端部位S,Sよりも径方向に伸びて径大に拡管成形されることにより、拡管成形後の拡管成形管Pcは、その全長に亘り略同じ板厚tとすることができ、その結果、左右端部E,Eを切断した拡管成形後の最終成形品、すなわち中空部材Pは、拡管成形により断面形状を変更したにも拘らず、その全長にわたり略等しい断面板厚tとする拡管成形管Pcを得ることができる。そして、この第1実施例によれば、従来の拡管成形(バルジ成形)方法の欠点であるバルジ成形部の断面薄肉化が解消される。
【0033】
つぎに、図6を参照して本発明の第2実施例について説明する。
【0034】
図6は、管状素材から中空部材を製造する製造工程を示す図であり、図6(a)に示すように加工前に管状素材Paは、長手方向の板厚が、全長にわたり一定の1.5tである。
【0035】
図6(b)に示すように、前記管状素材Paは、前記第1実施例と同じ、部分通電加熱工程および全体通電加熱工程により、長手方向の部分加熱温度をコントロールし、また前記内部加圧および引張成形工程により内圧および引張力をコントロールすることにより、全長にわたり「くびれ」がなく、一定周長であり、かつ中間部位Nの板厚が1.5tで、その左右両側部位S,Sの板厚がtである伸長管状素材Pbを得ることができる。
【0036】
図6(c)に示すように、前記伸長管状素材Pbは、前記第1実施例と同じ▲4▼拡管成形(バルジ成形)を経ることにより、その中間部位Nが径大に拡管成形され、その断面板厚1.25tであり、その左右両側部位S,Sの板厚tよりも厚い拡管成形管Pcを得ることができる。
【0037】
そして、拡管成形後の拡管成形管Pcは、前記第1実施例と同じく、その両端部E,Eを切断することにより、最終成形品であり中空部材P(図1参照)を得る。
【0038】
つぎに、図7を参照して本発明の第3実施例について説明する。
【0039】
図7は、管状素材の、内部加圧、引張成形装置の断面図である。
【0040】
この第3実施例は、前記第1実施例における▲1▼管状素材Paの部分加熱工程、▲2▼管状素材Paの全体通電加熱工程および▲4▼伸長管状素材Pbの拡管(バルジ)成形工程において前記第1実施例と同じであるが、▲3▼管状素材Paの内部加圧、引張成形工程の具体的な構成が前記第1実施例と相違している。すなわち、この第3実施例によれば、図7に示すように、加熱された管状素材Paに内圧をかけての軸方向への引張工程を金型M1内で行い、管状素材Paの引張成形時に、その外周面に部分的な「くびれ」の発生をより確実に防止でき、しかもその周長をその全長にわたり一定とすることができ、以下に、その具体的な構成について図7を参照して説明するに、前記加熱工程を経て長手方向に温度差をもって加熱(左右両側部位S,Sが再結晶温度(500°C以上)、中央部位Nがそれよりも低温)された管状素材Paは、内部加圧および引張用の金型M1にセットされる。この金型M1は、基台53上に固定される下金型55と、それに対して昇降可能な上金型54とよりなり、上金型54は昇降シリンダ56に連結されて昇降可能である。前記金型M1は、部分加熱状態にある管状素材Paを、その加熱状態を保持すべく適温に保温されている。管状素材Paの一方の開口端(図6左端部)には、そこを封緘する封緘部材57が設けられ、また、管状素材Paの他方の開口端(図6右端部)には、そこを封緘する他の封緘部材58が設けられ、この他の封緘部材58には、引張手段PLの引張シリンダ37が連結されている。また、前記金型M1の一方の端部には、管状素材Pa内を所定圧に加圧するための内部加圧手段PRが配設されており、この内部加圧手段PRは、内部加圧源50からの加圧エアを加圧回路51を経て管状素材Pa内に圧送するように構成される。
【0041】
金型M1内にセットされた管状素材Paは、内部加圧手段PRからの加圧エアの供給により、その内圧が所定圧に保持された状態で、引張手段PLの引張シリンダ37の作動により、管状素材Paにはその軸方向に所定の張力が与えられる。これにより管状素材Paは伸長するが、その際、前記第1実施例と同じく高温に加熱された左右両側部位S,Sは、速く延びて伸び量が大きくなる一方、低温に加熱された中間部位Nは伸び量が小さくなり、軸方向に断面板厚の違う伸長管状素材Pbを成形することができる。
【0042】
しかして、この第3実施例によれば、管状素材Paの引張成形時に、管状素材Paには、所定の内圧が加えられる上に、金型M1によりその外形が一定に規制されるので、その管状素材Paに「くびれ」が形成されることなく、全長にわたり一定周長の伸長管状素材Pbを精度よく成形することができる。
【0043】
そして、引張成形後の伸長管状素材Pbは、前記第1実施例の拡管(バルジ)成形工程を経て長手方向と直交する断面形状を可変とした拡管成形品を得ることができる。
【0044】
以上の実施例より明らかなように、本発明にかかる中空部材の製造方法によれば、長手方向における断面板厚を可変とした、あるいは長手方向における断面形状が異なる中空部材を製造することができ、特に、管状素材は、内圧を加えて軸方向に引張することにより、部分的な「くびれ」が発生することがなく、全長にわたり周長の略等しい伸長管状部材を、精度よく簡単に製造することができる。
【0045】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0046】
たとえば、前記実施例では、本発明の成形方法をアルミ合金製の中空部材に実施した場合について説明したが、これを他の金属製中空部材の製造にも実施できることは勿論であり、この場合に管状部材の材質などに応じて、管状素材および金型の加熱温度がコントロールされる。また、この実施例では、管状素材に内圧を加える流体にエアを用いているが、他の流体を用いてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本請求項1記載の発明によれば、長手方向における断面板厚を可変とた中空部材を製造することができ、特に、管状素材は、内圧を加えて軸方向に引張することにより、部分的な「くびれ」が発生することがなく、全長にわたり周長の略等しい中空部材を、精度よく簡単に製造することができる。
【0048】
また、本請求項2記載の発明によれば、長手方向における断面形状が異なる中空部材を製造することができ、特に、管状素材に内圧を加えて軸方向に引張することにより、部分的な「くびれ」が発生することがなく、全長にわたり周長の略等しい中空部材を、精度よく簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法により製造された中空部材の斜視図(第1実施例)
【図2】管状素材から中空部材を製造する製造工程を示す図(第1実施例)
【図3】部分通電加熱、全体通電加熱、および内部加圧、引張成形工程の概略工程図、(第1実施例)
【図4】内部加圧、引張成形装置の断面図(第1実施例)
【図5】拡管(バルジ)成形装置の断面図(第1実施例)
【図6】管状素材から中空部材を製造する製造工程を示す図(第2実施例)
【図7】内部加圧、引張成形装置の断面図(第3実施例)
【符号の説明】
Pa・・・・・・・・・管状素材
Pb・・・・・・・・・伸長管状素材
M・・・・・・・・・・金型
5・・・・・・・・・・キャビテイ

Claims (2)

  1. 長手方向と直交する断面板厚が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法であって、
    管状素材(Pa)を、その長手方向に温度差をつけて加熱する加熱工程と、
    前記工程で加熱された管状素材(Pa)に内圧を加えて、その管状素材(Pa)を軸方向に引張する引張工程と、
    を含むことを特徴とする、中空部材の製造方法。
  2. 長手方向と直交する断面形状が、その長手方向で異なる中空部材の製造方法であって、
    管状素材(Pa)を、その長手方向に温度差をつけて加熱する加熱工程と、
    前記工程で加熱された管状素材(Pa)に内圧を加えて、その管状素材(Pa)を軸方向に引張する引張工程と、
    前記工程で長手方向と直交する方向の断面板厚が、その長手方向に変化した伸長管状素材(Pb)を金型(M)のキャビティ(5)内にセットし、該伸長管状素材(Pb)に内圧を加えて拡管成形する拡管成形工程と、
    を含むことを特徴とする、中空部材の製造方法。
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