JP3685295B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料及びそれを用いた電子・電気機器用筐体 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料及びそれを用いた電子・電気機器用筐体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料並びにパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の各種携帯用電子機器や、携帯電話などの携帯端末用として好適な筐体材料とその筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報化の時代にあって、マルチメディアネットワーク時代の到来を受け、携帯情報・通信機器である各種携帯用電子機器や、携帯端末は軽薄短小化が計られ、携帯性を高めるために軽量化が至上命題となってきている(日経メカニカル,1996,No.477,p70〜83)。このような状況の下で、1mm程度の肉厚でも内部部品を保護する剛性や耐衝撃性を実現でき、薄肉に加工できること、またリサイクル可能なことが筐体用材料として求められている。このような状況の下で、従来の技術としては下記のものが挙げられる。
【0003】
例えば、特公平5−58371号公報には、繊維長が10〜100mmである炭素繊維が面内でランダムに配向する炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材料(Carbon Fiber Reinforced Thermoset Composites;以下、CFRTSと表す)からなるシート状プリプレグを用いた成形品が示されている。この成形品は次のような欠点を有する。
【0004】
すなわち、上記成形品は熱硬化性樹脂を金型内で流動、硬化させるため、硬化時間が3分以上と長く、成形サイクルが長いため、製造コストが高くなる欠点を有する。また、熱硬化性樹脂をマトリックスとするために、成形品のリサイクル使用が困難であることも問題点として挙げられる。一部では、成形不良品や、端材を回収して、400〜600℃に加熱し、例えば、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂と炭素繊維を分離し、炭素繊維は再利用して、気化した熱硬化性樹脂は、ガスか液体で回収し、燃やして毒性を無くした後、大気に放出するなどの方策も採られている(日経メカニカル,1996,No.477,p70〜83)。しかしながら、上記のようなリサイクル方法は炭素繊維と熱硬化性樹脂の分離に多くのエネルギを必要とし、リサイクル効率が悪いという欠点を有する。
【0005】
そこで、まず製造コストを下げる方策としては、成形が容易な、例えば、ポリカーボネートやABSあるいはこれらのアロイなどの熱可塑性樹脂を炭素繊維で強化した射出成形用材料(Short Carbon Fiber Reinforced Thermoplastic Composites;以下、SCFRTPと表す)が挙げられる。この場合は、射出成形を行う際に、射出成型器のシリンダーやゲートを通過するときに炭素繊維が1mm以下の長さに切断されてしまったり、繊維の含有率を上げることができないなどの理由により、その成形品は高価な炭素繊維を用いている割には強化効率が悪く、また電磁シールド特性も低下するという欠点を有する。
【0006】
さらに、強度や剛性の低下を補うため、成形品に剛性を持たせるためのリブ立てが必要なため、薄肉化も難しく、近年の軽薄短小化の要求を満たすことが困難となってきている。そして、すでに成形品中の炭素繊維の長さが1mm以下であるため、リサイクルに用いる場合、メリットが少なく、焼却処分以外に処分方法がないのが現実である。
【0007】
上記のCFRTSやSCFRTPなどの欠点を克服するために、特開平8−244054号公報には、板面と平行な面内においてランダムな方向に配置された長さ3〜100mmの炭素繊維とポリフェニレンスルファイド(以下、PPSと略記する)を用いた炭素繊維強加熱可塑性樹脂成形用材料(Carbon Mat Reinfoeced Thermoplastic ;以下、CMTと表す)が提示されている。
【0008】
該成形用材料は余熱され,ある温度に保たれた金型に投入され、加圧、冷却、固化して成形される(スタンピング成形)ため、繊維の破断が起こり難いという特徴を有する。この材料と成形方法によって成形された成形品は、長い強化繊維が樹脂に混入しているため、強度、剛性が高く、電磁波シールド特性に優れ、なおかつ薄肉の成形品が得られるとしている。
【0009】
該成形用材料は強化繊維の解繊マットやチョップドストランドマットなどに、PPSのフィルムを重ね合わせ、これらを加熱、加圧して含浸を行ったり、炭素繊維束にPPSをコーティングしたPPS被覆炭素繊維を余熱した後に加圧ロールに通してテープ状に加工し、そのテープを切断して金型中に散布し、圧縮成形することによって製造できるとしている。しかしながら、解繊マットや、チョップドストランドマットに、粘度の高い熱可塑性樹脂であるPPSを含浸することは非常に困難であり、強化繊維と強化繊維の間への樹脂の含浸が不十分となることが多い。樹脂の含浸が不十分であると、空洞などの欠陥を生じ、成形品表面にピンホールや、あばたのような欠陥が生じ、筐体としての外観に耐えないばかりか、強度の低下を招くことがある。
【0010】
さらに、上記のような製造方法では、成形品の表面に強化繊維が浮くことによって、ファイバーパターンが残ることがあり、成形品の外観を損ねるという欠点を有する。このような表面性を損ねる欠点を隠すために、成形品表面にウレタン塗装などを行う必要があり、コスト高となるばかりか、リサイクルを行うときに塗料をはがす必要があり、リサイクルコストの上昇を招くことになる。
【0011】
また近年では、構造材として用いることが出来る最も軽量な金属であるマグネシウムを射出成形(チクソモールディング)した筐体も見受けられる。このような筐体は、軽量で、剛性が高く、電磁波シールド性、リサイクル性が良好なばかりか、薄肉化も可能であり、生産性も高いという優れた特徴を有する。
【0012】
しかしながら、マグネシウムを用いた筐体は金属であるため、振動減衰率が低く、制振性に欠けるという欠点を有する。パーソナルコンピュータは、回転駆動するハードディスクなどを内蔵するため、筐体が制振性に乏しいとこのような駆動部品の振動が不快な振動となって、直接入力する人の手に伝わるなどの不具合を生じる。
【0013】
また、樹脂部品と異なり、弾性率が高すぎるために、部品の結合にスナップオンなどの手法を用いることができず、ねじ止めを多用する必要がある。ねじ止めの多用は組立工数の増加を招くばかりか、耐用年数をすぎた機器を廃棄する際に分解を難しくし、結果としてリサイクルコストの上昇を招くという欠点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の筐体の上述した問題点を解決し、薄肉で、強度や剛性が高く、電磁波シールド性に優れ、しかも外観に優れた意匠性を有する筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料及びそれを用いた筐体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、発明者らは、鋭意研究の結果、織布の形態をなす強化繊維が用いられ、かつ一定レベル以上の物理的特性を有する成形用材料が有用であることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下のような構成からなる。
(1) 織布の形態をなす強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸されてなる繊維強化熱可塑性樹脂材料からなる筐体用繊維強化熱可塑性樹脂材料であって、該繊維強化熱可塑性樹脂材料が、曲げ弾性率15GPa以上、曲げ強度30MPa以上、衝撃吸収エネルギー15J/mm以上であり、熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維束を製織した布帛を加熱、溶融、含浸、冷却および固化することによって得られたものであることを特徴とする筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(2) 強化繊維の体積含有率が30〜60%である前記(1)記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(3) 経糸および緯糸の打ち込み本数がいずれも0.5〜10本/inchである前記(1)または(2)に記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(4) 強化繊維の扁平度が5以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(5) 強化繊維のクリンプ率が0.2以下である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(6) 三次元変角光度計を用いて測定した輝度分布が180°の周期を持って変化する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(7) 輝度計を用いて測定した経糸もしくは緯糸の繊維軸方向の輝度が0.1inch若しくは2inchの周期を有するパルス状の波形となることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
(8) 前記(1)〜(7)記載の筐体用材料を一部若しくは全体に用いられたことを特徴とする電子・電気機器用筐体。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料(以下、FRTPと表す)は、強化繊維の体積含有率(以下、Vfと表す)が30〜60%であることが好ましい。強化繊維のVfが30%未満であると、強度、剛性が不足したり、衝撃力を受けた際にこれに抗する強化繊維が少ないため、耐衝撃性に劣るという結果を招く。強化繊維のVfが60%を越えると樹脂の含浸が不良となりやすくなり、含浸不足による強度低下を招くおそれがある。なお、強化形態が織布であり、連続繊維を用いていることから、強化繊維の強度,剛性を十分に利用することが出来る。
【0017】
補強繊維として用いる織布の経糸及び緯糸の打ち込み本数は、各0.5〜10本/inchにある織布を用いることが好ましい。0.5本/inch未満では事実上、強化繊維束の幅が広いため、製織が困難である。一方、10本/inchより大きなものは、強化繊維の直進性が劣り、織布の厚みが厚くなり、筐体に最適な薄肉の厚みを得ることが困難となる。
【0018】
FRTPにおける扁平度及びクリンプ率は、FRTPから切り出した小片において、一片の長さが25.4mm以上あり、しかも経緯糸のいずれかの繊維軸に対して垂直な断面を研磨し、これを50倍以上に拡大して観察した結果に基づいて求めることが出来る。該断面観察写真の例を図1に示す。
【0019】
本発明における扁平度とは、上述の断面観察写真を模式的に表した図2に示すような、織物を構成する繊維束の繊維軸に垂直な断面における縦横比(長尺(a)/短尺(b))で定義される値である。本発明における扁平度は5以上であることが好ましい。強化繊維束が5未満の場合は、繊維束間に熱可塑性樹脂のたまり(樹脂リッチ部)ができやすくなり、これが欠陥となって強度の低下を生じることがある。
【0020】
同様に、本発明におけるクリンプ率とは、図2の模式図に示すような経糸もしくは緯糸が、緯糸もしくは経糸を越える際の厚み(d)/ピッチ(c)の比で定義された値である。本発明におけるクリンプ率は0.2以下であることが好ましい。強化繊維束のクリンプ率が0.2より大きいと、強化繊維束のうねりが大きくなり直進性が低下するため、成形品中で強化繊維の遊びが生じ、ひいては剛性低下を引き起こす。また同様の理由で、衝撃力が加わった場合、繊維の強力の寄与率が低下し、衝撃吸収エネルギーが低下することがある。
【0021】
また特徴ある外観を発現するために、例えば三次元変角光度計(村上色彩研究所製GP−200)で測定した輝度が周期的に変化することが好ましく、例えば、パーソナル画像処理システム(株式会社ピアス製、PIAS LA−500)などを用い、FRTPの表面をCCDで撮影し、画像処理した画像における繊維軸方向の輝度が繊維束間の距離と関係つけられる周期でパルス状に変化することが好ましい。
【0022】
さらに三次元変角高度計を用いて二次元反射光分布測定により測定した輝度が、図3に示すような180°の周期で変わることにより、図4(a)及び(b)のようにみる方向により様々な様相を見せるような特徴のある表面性を有することが出来る。このような様相は、強化繊維の繊維軸方向と円周方向に存在する光学異方性により発現するものと想像される。
【0023】
また、経糸もしくは緯糸の繊維軸方向の輝度が図5に示すように一定の周期を持って変化することにより、図6のような特徴のある外観を発現することが出来る。このような外観は、強化繊維束を構成する強化繊維一本一本(モノフィラメント)の直進性に優れ、繊維同士の平行度が高いことで得られるものと考えられ、これらに優れるほどパルスの立ち上がりが鋭くなり、上下限のピーク差が大きくなるためと考えられる。
【0024】
本発明のFRTPを得るためには、少なくとも1枚以上の強化繊維織物に熱可塑性樹脂を含浸するか、熱可塑性樹脂と強化繊維の混繊糸を製織した布帛を加熱、溶融、含浸、冷却、固化する、または熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維束を製織した布帛を用いることにより得ることができる。
【0025】
本発明のFRTPにおいて、強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維,炭化珪素繊維,アルミナ繊維、金属ワイヤーなどの無機繊維や、金属繊維、アラミド繊維、高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維などの有機繊維などを用いることができる。なかでも、筐体として用いる場合は、電磁波シールド性の関係から、炭素繊維や、金属繊維を用いることが望ましい。さらに軽量化の観点、並びに上述の光学異方性を有する観点から、炭素繊維を用いることがより好ましい。
【0026】
該強化繊維に組み合わせる樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられる。リサイクルの面から、熱可塑性樹脂が好ましく、さらにコストの面から、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂が好ましい。難燃性が特に重要な場合には、ポリフェニレンスルファイドなどの難燃性樹脂,耐衝撃性が重要な場合にはポリカーボネートや、ポリメチルメタクリレートなどを用いることが好ましい。そして、必要に応じて、これらの樹脂に耐候性の向上や、耐紫外線劣化防止、難燃性の向上を目的として、添加剤などが付与されていても何ら問題はない。
【0027】
また、上記の素材を用いて、上述のFRTPを得る手段としては、例えば、少なくとも1枚以上の強化繊維織物とシート上の熱可塑性樹脂を金型内で加熱・加圧・溶融、含浸し、冷却・固化して板状のFRTPを得ることができる。この場合は、樹脂の融点よりも高い温度を保持したまま金型を常温まで冷却し固化することによって得ることができる。
【0028】
さらに、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維をあらかじめ混繊した混繊糸を製織した布帛を、熱可塑性樹脂繊維の融点よりも高い温度に加熱された金型で2.5〜5.0MPaの圧力をかけた状態のままで、加熱・加圧・溶融、含浸、冷却、固化することにより得ることができる。さらに望ましくは、解じょ撚りが生じないように解じょした後に、開繊した強化繊維を、圧力下で熱可塑性樹脂が充満したダイ内に通し、引き取った熱可塑性樹脂が含浸したテープ状の強化繊維束を作成し、これを製織した布帛を熱可塑性樹脂の融点よりも高い温度に加熱された金型内で、0.2〜2.5MPaの低い圧力を保持した状態で、加熱・加圧・溶融、含浸し、冷却・固化したものを用いることにより得ることができる。このようにして得られたFRTPは、特に強化繊維の直進性に優れ、モノフィラメントの平行度に優れたものを得ることができる。
【0029】
なお、FRTPを得る手段として、金型を用いる方式の他に、例えばダブルベルトプレスや、プレス併用の間欠式ダブルベルトプレスなどを用いたとしても何ら問題はない。さらに滑り止めを目的として、表面に細かな凹凸や、シボ加工などが施されていることがより好ましい。
【0030】
本発明のFRTPは、曲げ弾性率15GPa以上、曲げ強度30MPa以上、衝撃吸収エネルギー15J/mm以上であることを特徴としている。本発明のFRTPは剛性があり、耐衝撃性に優れた筐体を得ることが出来る。曲げ弾性率が15GPa未満、曲げ強度が300MPa未満、もしくは衝撃吸収エネルギーが15J/mm未満であると、剛性が低いために多くのリブを必要とし、薄肉化が困難であったり、筐体に圧迫荷重がかかったときに変形が大きく、筐体に組み込まれた液晶表示板を変形させ、これを破壊するおそれがある。そして、また机の角などにぶつけた場合、壊れやすく、内部を保護することができない。
【0031】
上記のような特徴を有する本発明のFRTPは、電子・電気機器用筐体として用いることが特に有用である。ここで、電子・電気機器とは、例えば、ディスクトップコンピュータや、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、サブノートパソコンを始め、ワードプロセッサ、パーソナルデジタルアシスタント,携帯電話、携帯用コンピュータ周辺機器(ハードディスク、リムーバブルディスク、プリンター、液晶モニター)、液晶テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオ、携帯用カセットテープレコーダー、携帯用ミニディスクプレーヤー、携帯用コンパクトディスクプレーヤーなどが挙げられ、広く電子機器類全般を指すものである。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、実施例により特に制限されるものではない。なお、実施例において、曲げ弾性率、曲げ強度はJIS K 7055、衝撃吸収エネルギーは、ASTM D3029により、輝度分布は例えば、「最近の光沢度測定方法」(沢路 雅夫,染色工業,Vol.18,No.11,p46〜55)などに従い測定を行った。
【0033】
[実施例1]
炭素繊維ロービングを開繊し、220℃のポリプロピレンが充満されたダイ内に通し、幅10mm、厚み0.1mm、繊維体積含有率50%のテープ状の成形材料を得た。この成形材料を製織し、この織物を3層積層し、220℃、10kgf/cm2 の加熱・加圧下で5分間加熱、冷却して繊維強化熱可塑性樹脂平板(打ち込み本数2.25本/inch、偏平度87.5、クリンプ率0.0085)を得た。この平板の断面観察の結果を図7に、物性ならびに評価結果を表1に示す。またこの材料を用いたコンピュータの筐体の例を図8に示す。
【0034】
[実施例2]
炭素繊維とポリアミド6の混繊糸織物を3層積層し、250℃、20kgf/cm2 の加熱・加圧下で10分間加熱し、冷却して繊維強化熱可塑性樹脂平板(打ち込み本数10本/inch、偏平度は5.4、クリンプ率は0.0595)を得た。物性ならびに評価結果を同じく表1に示す。
【0035】
[実施例3]
ガラス繊維ロービングを220℃のポリプロピレンが充満されたダイ内に通し、幅10mm、厚み0.1mm、繊維体積含有率50%のテープ状の成形材料を得た。この成形材料を製織した織物を2層積層し、220℃、10kgf/cm2 の加熱・加圧下で5分間加熱した後、冷却し繊維強化熱可塑性樹脂複合材料平板(打ち込み本数2.25本/inch、扁平度75、クリンプ率0.0104)を得た。物性ならびに評価結果を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
打ち込み本数40本/inchのガラス繊維織物(13層)とポリアミド6フィルムを交互にスタッキングしたものを250℃、15kgf/cm2 の加熱・加圧下で10分間加熱し、冷却して繊維強化熱可塑性樹脂複合材料平板を得た。この平板の扁平度は6.39、クリンプ率は0.24であった。この平板の物性並びに評価結果を表1に示す。
【0037】
[比較例2]
市販のスタンパブルシート(ガラス繊維/ポリプロピレン、Vf19%)を220℃、5kgf/cm2 の加熱・加圧下で1分間加熱し、冷却して繊維強化熱可塑性樹脂複合材料平板を得た。結果を表1に示す。
【0038】
[比較例3]
市販の炭素繊維添加ポリアミド6の射出成形用材料を射出成形し、繊維強化熱可塑性樹脂複合材料平板を得た。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003685295
【0040】
【発明の効果】
上述したように、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料は、射出成形品と比較して強度、剛性に優れ、良好な耐衝撃性を有する。また、スタンパブルシートや、シートモールディングコンパウンドで発生する外観上見苦しいフローパターン(流動の痕跡)や、ファイバーパターン(繊維の右記)、あばたのような表面欠陥を押さえることができ、折り目の通った良好な外観を得ることができる。さらに、このような良好な外観が得られることにより、塗装の必要性が無く、リサイクルにおいても連続した強化繊維を用いた熱可塑性樹脂複合材料であるため、そのままペレタイズを行い、射出成形用材料として再利用することが可能であり、リサイクルコスト並びにエネルギーを押さえることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂材料の一例における断面観察者浸を示す図である。
【図2】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料の一例における断面観察写真に関する模式図である。
【図3】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂材料の一例に関する180の周期で変動する輝度分布を示す図である。
【図4】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の一例に関する光の入射角により外観が変わることを示す図である。
【図5】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の一例に関する繊維軸方向における輝度分布を示す図である。
【図6】 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料の一例に関する表面観察者浸を示す図である。
【図7】 本発明の実施例1で得られた繊維強化熱可塑性樹脂平板の断面観察写真を示す図である。
【図8】 本発明の実施例1で得られた熱可塑性樹脂平板を用いたコンピュータ用筐体の観察写真を示す図である。

Claims (8)

  1. 織布の形態をなす強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸されてなる繊維強化熱可塑性樹脂材料からなる筐体用繊維強化熱可塑性樹脂材料であって、該繊維強化熱可塑性樹脂材料が、曲げ弾性率15GPa以上、曲げ強度30MPa以上、衝撃吸収エネルギー15J/mm以上であり、熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維束を製織した布帛を加熱、溶融、含浸、冷却および固化することによって得られたものであることを特徴とする筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  2. 強化繊維の体積含有率が30〜60%である請求項1記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  3. 経糸および緯糸の打ち込み本数がいずれも0.5〜10本/inchである請求項1または2に記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  4. 強化繊維の扁平度が5以上である請求項1〜3のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  5. 強化繊維のクリンプ率が0.2以下である請求項1〜4のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  6. 三次元変角光度計を用いて測定した輝度分布が180°の周期を持って変化する請求項1〜5のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  7. 輝度計を用いて測定した経糸もしくは緯糸の繊維軸方向の輝度が0.1inch若しくは2inchの周期を有するパルス状の波形となることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料。
  8. 請求項1〜7記載の筐体用材料を一部若しくは全体に用いられたことを特徴とする電子・電気機器用筐体。
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