JP3684437B2 - 簡易屋根およびその組立方法 - Google Patents

簡易屋根およびその組立方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニー屋根、テラス、カーポート等の簡易屋根およびその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の簡易屋根として、例えば実公平2−48574号公報に記載のものが知られている。この簡易屋根では、垂木と母屋で囲まれた領域を一単位としてパネル状の屋根葺き材が設けられており、屋根葺き材は上側から各領域を覆うようにセットされ、垂木および母屋の上側にこれらに沿って配設した屋根葺き材押えにより、押さえられるようにして水密に葺かれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の簡易屋根では、屋根葺き材および屋根葺き材押えを簡易屋根の上側から施工するようになっているため、高い足場が必要になると共に、施工がし難く、組立に手間がかかる不具合があった。
【0004】
本発明は、施工における安定性を損なうことなく、屋根葺き材を下側から簡単に施工することができる簡易屋根およびその組立方法を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の簡易屋根は、前後一対の桁材と、一対の桁材間に掛け渡した複数本の垂木材と、一対の桁材および隣接する各垂木材間で囲まれた領域を覆う複数枚の屋根葺き材とを備えた簡易屋根において、各桁材および各垂木材には、屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部が形成され、複数本の垂木材のうち、少なくとも最外端に位置する一方の垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、一対の桁材に対し少なくとも一方の垂木材は、ブラケットを介して屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、一対の桁材を架設した後、これに最外端に位置する両垂木材を組み付けることで枠状の構造部分が組み上げられるが、この最外端の一方の垂木材を桁材に対し移動可能に構成した場合には、一方の垂木材を移動可能に仮固定としておき、他方の垂木材を本固定とする。そして、本固定の他方の垂木材から仮固定の一方の垂木材に向かって、屋根葺き材、垂木材の順で呑込み溝部に屋根葺き材を差し込むようにしてこれを組み込んでゆく。そして、最後の屋根葺き材を組み込む際には、仮固定の一方の垂木材(最外端)を外側に移動させ、屋根葺き材を組み込むべき領域を広げておいて、下側からこの領域に屋根葺き材を臨ませると共に、仮固定の一方の垂木材(最外端)を所定の位置まで内側に移動させ、屋根葺き材を支持し且つこの一方の垂木材を桁材に本固定する。
このように、最初に前後一対の桁材に両外端部の垂木材を取り付りるため、桁材を安定させた状態で、後の作業を行うことができる。また、本固定の他方の垂木材に対し、屋根葺き材、垂木材の順で左右方向にこれらを組み込んだゆくことで、これら屋根葺き材、垂木材を下方から施工することができると共に、最後の屋根葺き材も仮固定の一方の垂木材を移動させることで、下方から施工することができる。特に、最後の屋根葺き材を施工する場合でも、作業者は、最外端の垂木材(側枠に相当)の外側に身を乗り出す必要がない。また逆の手順で、屋根葺き材の交換も下側から行うことができる。
なお、最外端の両方の垂木材を桁材に対し移動可能に構成した場合には、中間位置する任意の1つの垂木材から最外端の両垂木材に向かって、屋根葺き材、垂木材の順で左右方向にこれらを組み込んだゆき、各最外端において、それぞれ垂木材を移動させて最後の屋根葺き材を組み込むようにする。
また、全ての垂木材を移動可能に構成した場合には、一対の桁材を架設した後、これに全ての垂木材を移動可能に仮固定で組み付け、次に垂木材の左右方向への移動を繰返しながら、1枚ずつ順に屋根葺き材を装着してゆき、最後に全の垂木材を所定の固定位置に位置決めしてから本固定する。
【0007】
この場合、移動可能な垂木材を含んで隣接する2つの垂木材の移動可能寸法の合計が、各呑込み溝部への各屋根葺き材の呑込み寸法の2倍以上であることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、隣接する2つの垂木材を互いに外側に移動させておけば、垂木材に干渉することなく屋根葺き材を、所定の装着位置に下側から臨ませることができる。
【0009】
これらの場合、一対の桁材に移動可能に取り付けられた垂木材の前後両端部は、垂木材および桁材のいずれか一方に形成した長孔を介して一対の桁材にねじ止めされ、長孔により垂木材の移動が許容されていることが、好ましい。
【0010】
同様に、一対の桁材に移動可能に取り付けられた垂木材の前後両端部は、長孔を形成したブラケットを介して一対の桁材にねじ止めされ、長孔により垂木材の移動が許容されていることが、好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、単純な構造で垂木材を移動可能とすることができると共に、これを桁材に簡単に固定することができる。
【0012】
これらの場合、各呑込み溝部には、屋根葺き材に上側から密着する先付けタイプの上シール部材と、下側から密着する後付けタイプの下シール部材とが対向して配設されていることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、屋根葺き材の縁部をシールする上シール部材を桁材および垂木材に予め取り付けておくことができると共に、屋根葺き材を装着した後、下シール部材を屋根葺き材の下側から無理なく装着することができる。
【0014】
これらの場合、各垂木材は、境界部分に呑込み溝部を形成した垂木本体と屋根葺き材押え部とで一体に形成されていることが、好ましい。
【0015】
この構成によれば、上記の組立に支障を生ずることなく、従来の垂木と屋根葺き材押えとが別部材のものに比して、垂木材を簡単かつ低コストで製作することができる。
【0016】
本発明の簡易屋根の組立方法は、側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、複数本の垂木材のうち最外端に位置する一方の垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、一対の桁材に対し一方の垂木材は、ブラケットを介して前記屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、一対の桁材を架設する桁材架設工程と、一対の桁材間に最外端の一方の垂木材を仮固定で、且つ他方の垂木材を本固定で組み込む側枠垂木材組込み工程と、他方の垂木材側から一方の垂木材側に向かって、屋根葺き材および垂木材の組み込みを繰返してゆき、最後の屋根葺き材を一方の垂木材を外側に移動させた状態で下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、最後の屋根葺き材を組み込んだ状態で、一方の垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これを一対の桁材に本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】
同様に、本発明の他の簡易屋根の組立方法は、側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、複数本の垂木材のうち最外端に位置する両垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、一対の桁材に対し最外端の各垂木材は、ブラケットを介して屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能にそれぞれ取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、一対の桁材を架設する桁材架設工程と、一対の桁材間に最外端の両垂木材を仮固定で組み込む側枠垂木材組込み工程と、中間に位置する任意の1つの垂木材から最外端の両垂木材に向かって、屋根葺き材および垂木材の組み込みを繰返してゆき、各最外端において、最後の各屋根葺き材を最外端の各垂木材を外側に移動させた状態で下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、最後の両屋根葺き材を組み込んだ状態で、最外端の両垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これらを一対の桁材にそれぞれ本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また同様に、本発明の他の簡易屋根の組立方法は、側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、各垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、一対の桁材に対し各垂木材は、ブラケットを介して屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、一対の桁材を架設する桁材架設工程と、一対の桁材間に全ての垂木材を仮固定する垂木材仮組み工程と、各垂木材を移動させながら隣接する全ての垂木材間に、屋根葺き材を下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、全ての屋根葺き材を組み込んだ状態で、各垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これを一対の桁材にそれぞれ本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする。
【0019】
これらの構成によれば、屋根葺き材を施工する前に、少なくとも両外端部の垂木材を一対の桁材に取り付けておくことができるため、桁材を安定させた状態で屋根葺き材或いは他の垂木材を施工することができる。また、架設した一対の桁材に対し、垂木材、屋根葺き材を左右方向に組み付けてゆくことができ、簡易屋根の組立作業を全て下側から行うことができる。また、任意の1つの屋根葺き材の交換も下側から行うことができる。
【0020】
これらの場合、呑込み溝部には、屋根葺き材に上側から密着する先付けタイプの上シール部材とこれに対向して下側から密着する後付けタイプの下シール部材とが装着されるようになっており、屋根葺き材を組み込む前に上シール部材が、組み込んだ後に下シール部材がそれぞれ装着されることが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、屋根葺き材の縁部をシールする上シール部材を桁材および垂木材に予め取り付けておくことができると共に、屋根葺き材を装着した後、下シール部材を屋根葺き材の下側から無理なく装着することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基いて、本発明の一実施形態に係る簡易屋根およびその組立方法をバルコニー屋根に適用した場合について説明する。図1に示すように、このバルコニー屋根1は、バルコニーBに設けた片流れ屋根であり、後部を建物の外壁Wに支持され、前部をバルコニーBの左右一対の支柱P,Pに支持されている。バルコニー屋根1は、外壁Wに固定された最後部の垂木掛け(桁材)2と、垂木掛け2に平行に架設した最前部の前枠(桁材)3と、垂木掛け2および前枠3間に掛け渡した複数本の垂木(垂木材)4とで主構造部が構成されており、前枠3の左右両端部には、支柱P,Pの上端が固定されている。この場合、前枠3は雨樋を兼ねており、図中の符号5は、バルコニー屋根1の降雨を前枠3を介して地表に導く縦樋である。
【0023】
一方、隣接する各垂木4,4間には、各2本の母屋6,6がそれぞれ掛け渡されている。また、前枠3および垂木掛け2と、隣接する各垂木4,4とで区画された前後方向に長い領域には、アクリル板などの樹脂で構成された屋根葺き材7が、それぞれ取り付けられている。なお、複数本の垂木4のうち、左端および右端(最外端)に配設した垂木4a,4aには、片側(内側)にのみ屋根葺き材7が装着され、その他中間に配設した複数本の垂木4bには、両側に屋根葺き材7が装着されるようになっている。すなわち、左端および右端の両垂木4a,4aは、それぞれバルコニー屋根1の側枠を兼ねている。
【0024】
図2に示すように、前枠3は、中空に形成された前枠本体11と、前枠本体11から前方に円弧状に延設した雨樋部12とで構成されている。前枠本体11の後部の中間位置には、垂木4の前端部を下側から支持する支持突片13が延設されている。各垂木4は、この支持突片13に支持された状態で、前枠3の後上半部に前ブラケット14を介してねじ止めされている。そして、前ブラケットの前枠3側の取付片には、左右方向に延びるねじ用の長孔14aが形成されている(図4参照)。
【0025】
また、前枠本体11の上部には、屋根葺き材7の前縁部が挿入される呑込み溝15が形成され、またこの呑込み溝15を構成する上片部16の先端には、屋根葺き材7を上側からシールする軒側上シール部材17が取り付けられている。さらに、この軒側上シール部材17に対応して、屋根葺き材7を下側からシールする軒側下シール部材18が配設されている。軒側下シール部材18は、ホルダ19を介して、後付け形式で取り付けられるようになっている。
【0026】
一方、垂木掛け2は、前側に突出する上片21、中間片22および下片23を有する形材で構成されており、上片21と中間片22との間には呑込み溝24が配設されている。また、中間片22と下片23との間には、垂木掛け2を外壁Wに固定するコーチねじ25が配設されると共に、各垂木4の後端部を垂木掛け2に固定する後ブラケット26が配設されている。この場合も、後ブラケット26の垂木掛け2側の取付片には、左右方向に延びるねじ用の長孔26aが形成されている(図4参照)。また、屋根葺き材7の上側には、上片21との間に先付けタイプの棟側上シール部材27が介設され、下側には中間片22との間に後付けタイプの棟側下シール部材28が介設されている。
【0027】
図3に示すように、各垂木4(4b)は、上部の屋根葺き材押え部31と下部の垂木本体32とで一体に成形されており、この屋根葺き材押え部31と垂木本体32との間に左右対称形状の一対の呑込み溝33,33を有している(ただし左右端部の垂木4aは呑込み溝33が片側に1個)。呑込み溝33には、屋根葺き材7を挟んで上側に上シール部材34が、下側に下シール部材35がそれぞれ介在している。上シール部材34は、屋根葺き材7と屋根葺き材押え部31の間に先付け形式で装着されており、下シール部材35は、屋根葺き材7と垂木本体32との間に後付け形式で装着されている。
【0028】
詳細は後述するが、この実施形態では、上記前後両ブラケット14,26の長孔14a,26aを利用して隣接する垂木4,4間を広げておき、この広げた領域に対して屋根葺き材7を下側から臨ませ、さらに呑込み溝33に屋根葺き材7の縁部が挿入されるように、垂木4を、上記の領域を狭める方向に移動させるようにしている。このため、隣接する垂木4,4の移動寸法の合計が、同図の2A寸法(呑込み寸法の2倍)以上になるように、長孔14a,26aの長さが設定されている。また、屋根葺き材7の熱による伸びを考慮して、呑込み溝33にY寸法のゆとりを設けている。さらに、このY寸法のゆとりを設けることにより、屋根葺き材7が片側に寄ったときに抜け落ちる可能性がある。そこで、Y寸法よりA寸法が長く設定されている。
【0029】
ここで、図5ないし図10を参照して、バルコニー屋根1の組立方法について順を追って説明する。先ず、垂木掛け2を外壁Wに固定すると共に、左右の支柱P,Pの上端に前枠3を固定する。前枠3は各支柱Pに対し、その長手方向に移動調整可能に構成されており(図2参照)、前枠3は外壁Wに固定した垂木掛け2との間の位置合わせ(移動調整)を行った後、本固定される(図5)。
【0030】
次に、予め小口端に前ブラケット14および後ブラケット26をねじ止め固定した左端および右端の垂木4a,4aを、それぞれ垂木掛け2および前枠3に取り付ける。その際、前ブラケット14および後ブラケット26は、それぞれ長孔14a,26aを介して、垂木掛け2および前枠3に対し、左右方向に移動可能な状態に仮固定(仮締め)しておく(図6)。また、棟側上シール部材27および軒側上シール部材17は、予め垂木掛け2および前枠3にそれぞれ取り付けておく。同様に上シール部材34も各垂木4aに取り付けておく(図示省略)。
【0031】
同様に、予め小口端に前ブラケット14および後ブラケット26をねじ止め固定した中間の複数本の垂木4bを、それぞれ垂木掛け2および前枠3に取り付ける。その際、前ブラケット14および後ブラケット26は、それぞれ長孔14a,26aを介して、垂木掛け2および前枠3に対し、左右方向に移動可能な状態に仮固定(仮締め)しておく(図7)。ここで、屋根葺き材7を1枚ずつ装着してゆくが、この作業を例えば左端のものから行う場合には、上記の長孔14a,26aを介して左端の垂木4aを左側に寄せておき(移動)、他の全ての垂木4a,4bを右側に寄せておく(移動)。また、いうまでもないが、上シール部材34は各垂木4bに取り付けておく(図示省略)。
【0032】
ここで先ず、左端の屋根葺き材7から装着してゆくが、この状態では、既に左端の垂木4aとこれに隣接する(左端から2つ目)垂木4bとの間は、屋根葺き材7の幅より広く開いている。そこで、左端の屋根葺き材7を前後方向に撓ませ、その前縁部と後縁部とを、それぞれ垂木掛け2の呑込み溝24および前枠3の呑込み溝15に下側からやり返しで係合させ、続いて屋根葺き材7を左方にずらして、左端の垂木4aの呑込み溝33に深く係合させる。さらに、屋根葺き材7を支持しておいて、隣接する(左端から2つ目)垂木4bを左方に最大限移動させ、その呑込み溝33に屋根葺き材7を深く係合させる(図8)。
【0033】
同様の手順で、左端から2つ目の垂木4bと3つ目の垂木4bとの間(このとき垂木4b間は広く開いている)に、次の屋根葺き材7を下側から装着し且つ3つ目の垂木4bを左方に最大限移動させる。これを繰り返して、最後の屋根葺き材7を右端から2つ目の垂木4bと右端の垂木4aとの間に装着する(図9)。ここで、各垂木4を、装着した屋根葺き材7が呑込み溝33から外れない程度に移動させながら、所定の固定位置に移動させ、位置決めの後本固定する。続いて、各屋根葺き材7を呑込み溝33内で位置決めすると共に、棟側下シール部材28、軒側下シール部材18および下シール部材35を装着して、屋根葺き材7を水密に固定する。そして最後に、各垂木4間に母屋6を下側から装着する(図10)。
【0034】
なお、上記の説明では、構成部材を左から右に向かって組んでゆくようにしているが、右から左に向かって組んでゆくようにしてもよく、また中央から左右に、或いは左右から中央に向かって組んでゆくようにしてもよい。また、構成部材を左から右に向かって組んでゆく場合には、右端の垂木4aのみ移動可能としてもよい。この場合には、左端の垂木4aから本固定とし、右端の垂木4aを仮固定とした後、左端から屋根葺き材7、垂木4bの順で右端に向かって組んでゆき、最後に右端の垂木4aを本固定する。同様に、構成部材を右から左に向かって組んでゆく場合には、左端の垂木4aのみ移動可能としてもよい。また、左右両端の垂木4a,4aのみを移動可能としてもよい。この場合には、中間のいずれかの垂木4bから左右両側に向かって、屋根葺き材7、垂木4bの順で組んでゆくようにし、最後に仮固定しておいた左右両端の垂木4a,4aを本固定する。
【0035】
また、前ブラケット14および後ブラケット26に代えて、各垂木4を直接、垂木掛け2および前枠3に固定する場合には、図11に示すように、垂木掛け2および前枠3に形成する固定ねじ用のばか孔20,30を長孔とする。もちろん、各垂木4側のばか孔を長孔としてもよい。なんとなれば、長孔に代えて、垂木掛け2および前枠3に左右方向に延びるあり溝を形成し、これに裏板を装着して、垂木4を移動可能に構成してもよい。
【0036】
以上のような構成および組立方法を執るため、垂木4や母屋6は元より、屋根葺き材7や各下シール部材18,28,35を下側から組み込んでゆくことができる。すなわち、特別な足場など必要とすることなく、バルコニーBを足場として、バルコニー屋根1を無理無く組み立てることができる。また、組立工程の初期に、垂木掛け2および前枠3に左右両端の垂木4a,4aを取り付けて、これら構成部材を枠組み状態にしているため(図6参照)、垂木掛け2および前枠3が安定し、後の組立工程を安定した状態で行うことができる。したがって、バルコニー屋根1の組立作業を安全に、かつ1人で効率よく行うことができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、屋根面が平らないわゆる平型の片流れ屋根について説明したが、本発明はアール型の片流れ屋根にも適用できることは、いうまでもない。また、垂木の垂木掛けおよび前枠への取付構造は、垂木が移動可能で且つ下側から締結することができる限り、任意である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の簡易屋根およびその組立方法によれば、少なくとも最外端に位置する一方の垂木材を、一対の桁材に対し左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けるようにしているので、最初に、一対の桁材と両外端部の垂木材とを枠状に組んでおくことができ、桁材を安定させた状態で施工を進めて行くことができる。また、全ての屋根葺き材を下側から無理なく施工することができる。このため、低コストで、施工性を向上させることができることができると共に、施工の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るバルコニー屋根を備えたバルコニーの外観図である。
【図2】バルコニー屋根の垂木の取付構造を示す側面図である。
【図3】バルコニー屋根の屋根葺き材の取付構造を示す正面図である。
【図4】垂木の両小口端にブラケットを固定した状態を示す斜視図である。
【図5】バルコニー屋根の組立手順(垂木掛けおよび前枠の組付け)を示す斜視図である。
【図6】バルコニー屋根の組立手順(左右両端の垂木の組付け)を示す斜視図である。
【図7】バルコニー屋根の組立手順(中間の垂木の組付け)を示す斜視図である。
【図8】バルコニー屋根の組立手順(最初の屋根葺き材の組付け)を示す斜視図である。
【図9】バルコニー屋根の組立手順(最後の屋根葺き材の組付け)を示す斜視図である。
【図10】バルコニー屋根の組立手順(垂木の本固定と母屋の組み付け)を示す斜視図である。
【図11】垂木を垂木掛けおよび前枠に直接取り付ける場合(他の実施形態)を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 バルコニー屋根、2 垂木掛け、3 前枠、4(4a,4b) 垂木、7屋根葺き材、14 前ブラケット、14a 長孔、15 呑込み溝、17 軒側上シール部材、18 軒側下シール部材、24 呑込み溝、26 後ブラケット、26a 長孔、27 棟側上シール部材、28 棟側下シール部材、31 屋根葺き材押え部、32 垂木本体、33 呑込み溝、34 上シール部材、35 下シール部材

Claims (10)

  1. 前後一対の桁材と、当該一対の桁材間に掛け渡した複数本の垂木材と、前記一対の桁材および隣接する前記各垂木材間で囲まれた領域を覆う複数枚の屋根葺き材とを備えた簡易屋根において、
    前記各桁材および前記各垂木材には、前記屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部が形成され、
    前記複数本の垂木材のうち、少なくとも最外端に位置する一方の垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、
    前記一対の桁材に対し前記少なくとも一方の垂木材は、前記ブラケットを介して前記屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられていることを特徴とする簡易屋根。
  2. 移動可能な前記垂木材を含んで隣接する2つの前記垂木材の離間方向への移動可能寸法の合計が、前記各呑込み溝部への前記各屋根葺き材の呑込み寸法の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の簡易屋根。
  3. 前記一対の桁材に移動可能に取り付けられた前記垂木材の前後両端部は、当該垂木材および当該桁材のいずれか一方に形成した長孔を介して前記一対の桁材にねじ止めされ、
    前記長孔により前記垂木材の移動が許容されていることを特徴とする請求項1または2に記載の簡易屋根。
  4. 前記一対の桁材に移動可能に取り付けられた前記垂木材の前後両端部は、長孔を形成した前記ブラケットを介して前記一対の桁材にねじ止めされ、
    前記長孔により前記垂木材の移動が許容されていることを特徴とする請求項1または2に記載の簡易屋根。
  5. 当該各呑込み溝部には、前記屋根葺き材に上側から密着する先付けタイプの上シール部材と、下側から密着する後付けタイプの下シール部材とが対向して配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の簡易屋根。
  6. 前記各垂木材は、境界部分に前記呑込み溝部を形成した垂木本体と屋根葺き材押え部とで一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の簡易屋根。
  7. 側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、前記複数本の垂木材のうち最外端に位置する一方の垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、前記一対の桁材に対し前記一方の垂木材は、前記ブラケットを介して前記屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、
    前記一対の桁材を架設する桁材架設工程と、
    前記一対の桁材間に最外端の前記一方の垂木材を仮固定で、且つ前記他方の垂木材を本固定で組み込む側枠垂木材組込み工程と、
    前記他方の垂木材側から前記一方の垂木材側に向かって、前記屋根葺き材および前記垂木材の組み込みを繰返してゆき、最後の前記屋根葺き材を前記一方の垂木材を外側に移動させた状態で下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、
    最後の前記屋根葺き材を組み込んだ状態で、前記一方の垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これを前記一対の桁材に本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする簡易屋根の組立方法。
  8. 側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、前記複数本の垂木材のうち最外端に位置する両垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、前記一対の桁材に対し前記最外端の各垂木材は、前記ブラケットを介して前記屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能にそれぞれ取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、
    前記一対の桁材を架設する桁材架設工程と、
    前記一対の桁材間に最外端の前記両垂木材を仮固定で組み込む側枠垂木材組込み工程と、
    中間に位置する任意の1つの前記垂木材から最外端の前記両垂木材に向かって、前記屋根葺き材および前記垂木材の組み込みを繰返してゆき、各最外端において、最後の各屋根葺き材を最外端の前記各垂木材を外側に移動させた状態で下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、
    最後の前記両屋根葺き材を組み込んだ状態で、最外端の前記両垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これらを前記一対の桁材にそれぞれ本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする簡易屋根の組立方法。
  9. 側部に屋根葺き材の縁部が装着される呑込み溝部を形成した前後一対の桁材および複数本の垂木材を備えると共に、前記各垂木材の前後両端部には、それぞれブラケットが設けられ、前記一対の桁材に対し前記各垂木材は、前記ブラケットを介して前記屋根葺き材を組み込むべき領域を広げるべく左右方向に移動可能に且つ下方から締結操作可能に取り付けられる簡易屋根の組立方法であって、
    前記一対の桁材を架設する桁材架設工程と、
    前記一対の桁材間に全ての垂木材を仮固定する垂木材仮組み工程と、
    前記各垂木材を移動させながら隣接する全ての前記垂木材間に、前記屋根葺き材を下側から組み込む屋根葺き材組込み工程と、
    全ての前記屋根葺き材を組み込んだ状態で、前記各垂木材を所定の固定位置に移動させた後、これを前記一対の桁材にそれぞれ本固定する本固定工程とを備えたことを特徴とする簡易屋根の組立方法。
  10. 前記呑込み溝部には、前記屋根葺き材に上側から密着する先付けタイプの上シール部材とこれに対向して下側から密着する後付けタイプの下シール部材とが装着されるようになっており、
    前記屋根葺き材を組み込む前に前記上シール部材が、組み込んだ後に前記下シール部材がそれぞれ装着されることを特徴とする請求項7、8または9に記載の簡易屋根の組立方法。
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