JP3684348B2 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3684348B2
JP3684348B2 JP2001362669A JP2001362669A JP3684348B2 JP 3684348 B2 JP3684348 B2 JP 3684348B2 JP 2001362669 A JP2001362669 A JP 2001362669A JP 2001362669 A JP2001362669 A JP 2001362669A JP 3684348 B2 JP3684348 B2 JP 3684348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terephthalate
hydroxyethyl
bis
ethylene glycol
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001362669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003160650A5 (ja
JP2003160650A (ja
Inventor
修司 稲田
菊智 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
I.S CORPORATION
Original Assignee
I.S CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by I.S CORPORATION filed Critical I.S CORPORATION
Priority to JP2001362669A priority Critical patent/JP3684348B2/ja
Publication of JP2003160650A publication Critical patent/JP2003160650A/ja
Publication of JP2003160650A5 publication Critical patent/JP2003160650A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3684348B2 publication Critical patent/JP3684348B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート単量体を出発物質とするポリエチレンテレフタレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを製造する方法としては、ジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸をエチレングリコールと反応させる方法が広く知られている。ジメチルテレフタレートを原料とする方法(エステル交換法)は、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールに触媒を加えてエステル交換反応を行い、次いで得られたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよび重合度が4程度以下のオリゴマーからなる反応生成物を重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するものである。一方、テレフタル酸を原料とする方法(直接重合法)は、テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応を行い、次いで得られたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む平均重合度が9〜10のオリゴマーを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するものである。
【0003】
これらの反応においては、エチレングリコールからジエチレングリコールが生成する副反応も同時に起こる。この副反応はテレフタル酸のカルボキシル基によって促進される。ジエチレングリコールがポリエチレンテレフタレート中に多く含まれると、ポリエチレンテレフタレートの耐加水分解性、耐熱性および耐光性などの物性が低下し、着色を起こすなどの問題も生じることから、ジエチレングリコール成分の含有量をできるだけ低くすることが必要となる。
【0004】
例えばテレフタル酸を用いる方法では、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの生成にテレフタル酸1モルに対して理論上2モルのエチレングリコールを必要とするが、このビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの縮合で発生するエチレングリコールをテレフタル酸とのエステル化反応に用いることにより、前記割合をできるだけ小さくし、例えば1.02〜1.1モル程度とし、ジエチレングリコールの生成を抑制するような方法がとられている。
【0005】
一方、特開2000−169623号公報に記載されているように、使用済みポリエチレンテレフタレートの回収処理により得られた粗製ポリエチレンテレフタレート(チップまたはフレーク)を原料として、高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得、これを重合触媒の存在下で重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造する方法も知られている。この方法によれば、使用済みポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合し、精製して高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとし、これを再度重縮合させてポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールにするので、副生成物が生じず、エチレングリコールの補給も原則として不要であるという利点がある。また、使用済みポリエチレンテレフタレート製品のリサイクルを閉リサイクルシステムで行うことが可能となる。しかしながら、得られるポリエチレンテレフタレート中のジエチレングリコールの含有量が直接重合法により得られるポリエチレンテレフタレートの場合よりも多くなるために、前記物性の低下や着色(特にカラーb値の増加)が見られるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを用いて、諸物性に優れたポリエチレンテレフタレートを製造する方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、使用済みポリエチレンテレフタレートのケミカルリサイクル(すなわち、ポリエチレンテレフタレートを解重合し、精製処理すること)により得られる、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの含有量が97重量%以上であり、そして(1)Na,Mg,Ca,Fe,Co,Zn,Ti,Sn,Sb,GeおよびPよりなるカチオンおよび(2)ハロゲン,NO2,NO3,PO4およびSO4よりなるアニオンの合計含有量が15ppm以下であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを利用することにより、使用済みポリエチレンテレフタレートのリサイクルを考慮に入れた、ポリエチレンテレフタレートの製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応により生成したオリゴマーと、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換反応生成物またはテレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応生成物を含む混合物をプレポリマー化反応に付し、さらに重縮合反応に付してポリエチレンテレフタレートを生成せしめることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法によって達成される。
【0010】
前述したように、ポリエチレンテレフタレートの製造方法において、テレフタル酸から製造する方法およびジメチルテレフタレートから製造する方法は、いずれも中間生成物としてビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを生成し、これを重縮合するものである。したがって、本発明者は、このビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートに、例えば使用済みポリエチレンテレフタレートの解重合、精製処理によって得られる高純度の精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを混合させてもポリエチレンテレフタレートを生成することができると考え、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】
前記精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの使用では、ジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸にエチレングリコールおよび精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを加えて反応させ、ポリエチレンテレフタレートを得る方法と、ジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸をエチレングリコールと反応させて生成したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むオリゴマーに精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化生成物を加えて重合し、ポリエチレンテレフタレートを得る方法とがある。前者の方法では、従来のジメチルテレフタレートおよびエチレングリコールを供給したエステル交換反応器、または、テレフタル酸およびエチレングリコールを供給したエステル化反応器の中に精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを添加すればよいことから、一見合理的な方法であるように思われる。しかしながら、反応器内のエチレングリコールの量を厳密に制御し、ジエチレングリコールの含有量を一定に維持することによってポリエチレンテレフタレートの品質の安定化を図ることは、前者の方法では反応が複雑になるため困難である。また、テレフタル酸を用いた場合、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートやオリゴマーの水酸基とテレフタル酸のカルボキシル基の比をうまく制御することが必要となるため、商業生産規模で且つ連続したプロセスを経て得るポリエチレンテレフタレートの品質の安定化や、原料となるテレフタル酸、エチレングリコールおよびビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの比率の制御を考えると、この方法をとることは一層の困難さを伴う。
【0012】
以上より、本発明者は、精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを別途単独でオリゴマー化し、これをジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸をエチレングリコールと反応させて生成したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むオリゴマーと混合して重合する方法が有用であると考え、本発明を完成するに至ったものである。本発明によれば、既存の設備において、エステル交換反応器またはエステル化反応器以降の重縮合工程の処理能力に十分な余裕があれば、従来条件の下で生成したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含むオリゴマーに、精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応生成物を混合し、ポリエチレンテレフタレートを増産させることができる。一方、処理能力に余裕がない場合には、例えば、混合物の量が処理能力に見合った量となるように、エステル交換反応またはエステル化反応による生成物の量とオリゴマー化反応による生成物の量とのバランスをとればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体例を挙げつつ詳細に説明する。本発明において用いられるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは如何なる方法で製造したものでもよいが、例えば、特開2001−48835号公報に開示されている方法に従って、使用済みのポリエチレンテレフタレートを公知の触媒の存在下で過剰のエチレングリコールと反応させて解重合することにより、粗製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートと粗製エチレングリコールの混合溶液を準備し、これを吸着・イオン交換処理して着色物と溶存イオンを除去した後、冷却してビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析させ、エチレングリコールと固液分離し、さらに得られた濃縮ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを分子蒸留することにより調製することができる。また、国際公開WO01/10812号、特開2000−53802号公報、特開2000−169623号公報等に記載されている方法で調製することが出来る。このようにして準備した精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの含有量が97重量%以上であり、そして(i)Na,Mg,Ca,Fe,Co,Zn,Ti,Sn,Sb,GeおよびPよりなるカチオンおよび(ii)ハロゲン,NO2,NO3,PO4およびSO4よりなるアニオンの合計含有量が15ppm以下とすることができる。これらカチオン及びアニオンは、主として使用済みのポリエチレンテレフタレートに含まれているものや、該ポリエチレンテレフタレートとともに解重合工程、精製工程等に混入した化合物に起因するものである。
【0014】
次に、このようにして得られた、精製されたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートをオリゴマー化反応器に入れ、重合触媒の存在下において、例えば260℃で60分間オリゴマー化反応を行う。この際、例えばオリゴマー化反応を常圧で行うと、反応生成物の組成は、1つの例では、単量体19.9重量%,2量体22.5重量%,3量体18.4重量%,4量体12.8重量%,5量体8.2重量%,6量体5.3重量%,7量体7.9重量%,8量体2.0重量%,9量体1.1重量%,10量体以上0.5重量%およびエチレンージエチレングリコールテレフタレート5.9重量%であった。一方、13.3kPaの減圧下で行うと、対応する例で、反応生成物の組成は、単量体6.8重量%,2量体9.9重量%,3量体11.8重量%,4量体12.1重量%,5量体10.7重量%,6量体9.3重量%,7量体7.9重量%,8量体6.5重量%,9量体6.3重量%,10量体2.1重量%,11量体以上15.1重量%およびエチレンージエチレングリコールテレフタレート1.5重量%であった。重合触媒はいずれの場合もSb23を用い、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート1モルに対して0.0345モル添加した。
【0015】
前述したように、反応系内にエチレングリコールが多量に存在するとジエチレングリコールが生成し、ポリエチレンテレフタレートの物性に悪影響を与えることから、エチレングリコールを反応系から除去することが必要である。ここで、エチレングリコールの沸点は常圧で約198℃と高いことから、これを反応系から除去するには常圧下で加熱するよりも減圧下で加熱する方が有効である。実際、上記2つの実験結果を比較すると、常圧で重合した場合エチレンージエチレングリコールテレフタレートは5.9重量%含まれるのに対して、減圧下では1.5重量%であり、減圧下での反応がジエチレングリコールの生成を抑制するのに効果的であることがわかる。また、減圧下で重合した方が比較的低分子量成分が少ないという結果から、エチレングリコールを除去することによりオリゴマー化が促進されていることがわかる。
【0016】
本発明者はさらに検討を重ねた結果、オリゴマー化の反応は、好ましくは220〜270℃の温度の下、圧力7〜70kPa、より好ましくは9〜50kPaで、30〜90分間行うことが有利であることを見出した。圧力が7kPaよりも小さいと反応器内の内容物の突沸が起こり、70kPaよりも大きいとオリゴマー化に長時間を要してジエチレングリコール増加の原因となる。安定した状態で反応を行い且つ反応後の低分子量成分を少なくするには、9〜50kPaで行うのが好ましい。10〜30kPaの圧力下で重縮合のオリゴマー化反応を行うことにより、重合度6〜10のオリゴマーが生成する。
【0017】
また、共重合ポリエチレンテレフタレートを製造する場合には、例えばビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応器に共重合成分を加えてビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとの共重合オリゴマーを生成し、これをジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸とエチレングリコールの反応生成物と混合して重縮合すればよい。共重合成分としては例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸のようなジカルボン酸やシクロヘキサンジメタノールのようなジオールを用いることができる。かかる共重合成分の共重合割合は全酸成分に対して10モル%以下が好ましい。また、オリゴマー化反応器への供給は、例えばビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートと共重合成分を、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの融点以上の温度で混合し、適当な溶媒または分散媒を用いて溶液または分散液とした状態で行うことができる。溶融ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは低粘度であり、取り扱いは容易である。例えば、共重合成分としてイソフタル酸を用いた場合、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとの重量比1:1の混合物の粘度は120℃で0.03Pa・s程度である。また、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは両末端が水酸基であることから他のジオール成分と相溶性がある。したがって、適当なジオールを共重合成分として混合すると混合液の融点が低下し、一層取り扱い性は良好になる。
【0018】
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換反応またはテレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応については、公知の方法により行うことができる。例えば、エステル交換反応はジメチルテレフタレートに対するエチレングリコールの量を2.01〜3.0モル倍とし、最終温度190〜250℃、常圧で行うことができる。また、エステル化反応はテレフタル酸に対するエチレングリコールの量を1.02〜1.1モル倍とし、最終温度260〜265℃、圧力100〜150kPaで行うことができる。この際、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応器から留出したエチレングリコールを凝縮させ、前記エステル交換反応またはエステル化反応の原料の一部として使用してもよい。
【0019】
前記エステル交換反応またはエステル化反応の生成物を前記オリゴマー化反応生成物と混合し、該混合物をプレポリマー化反応器に供給して重合度25〜30のプレポリマーを生成する。次に、最終重合器に供給して重縮合反応を行い、目的物であるポリエチレンテレフタレートを得る。前記エステル交換反応またはエステル化反応の生成物と前記オリゴマー化反応生成物の混合割合は任意であるが、重量比で、1:9〜9:1、さらには2:8〜8:2であることが好ましい。前記プレポリマー化の反応は温度270〜290℃、圧力0.5〜30kPaで行うことが好ましい。また、前記重縮合反応は、最終温度280〜300℃(好ましくは280〜290℃)、最終圧力5〜100Paで行うことが好ましい。
【0020】
ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応器には、他に重合触媒、安定剤または他の添加剤を添加することができる。重合触媒としては、例えば、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物や二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物が挙げられる。また、安定剤としては、例えばリン酸、亜リン酸、これらのジ(またはトリ)メチルエステル、ジ(またはトリ)フェニルエステルなどのリン化合物が挙げられる。これらは、例えば、エチレングリコールに溶かし溶液の状態で添加してもよいし、エチレングリコールに分散させ分散液の状態で添加してもよい。また、原料であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを分散媒として用いてもよい。重合触媒の使用量は、例えばゲルマ二ウム元素として80〜200ppm、さらには100〜150ppmであることが好ましく、またアンチモン元素として150〜300ppm、さらには170〜250ppmであることが好ましい。また、リン化合物の使用量はリン元素として20〜50ppm、さらに25〜40ppmであることが好ましい。
【0021】
さらに、酸化チタンなどの艶消剤、染料および顔料などの着色剤またはシリカ、アルミナ、硫酸バリウムおよびセラミックなどの他の機能性付与剤を前記オリゴマー化反応器に添加してもよい。添加は、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウムまたはセラミックをビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートと該ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの融点以上の温度で混練し、粗大粒子を除去した混練物とした状態で行うことができる。また、これらの添加剤は、前記オリゴマー化反応器以外に、ジメチルテレフタレートのエステル交換反応器やテレフタル酸のエステル化反応器、プレポリマー化反応器へ移送するための配管およびプレポリマー化反応器のいずれにおいても添加可能である。添加剤の性質に応じて適当な添加場所を選択すればよい。添加剤の量は従来から知られている量であり、例えば、酸化チタンは0.05〜5.0重量%の範囲から、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、及びセラミックはそれぞれ0.1〜5.0重量%の範囲から目的に応じて選択するとよい。
【0022】
【実施例】
本発明をさらに具体的な態様について説明するために、以下に具体例を挙げる。本発明がこれのみに限定されるものでないことはいうまでもない。また、例中の特性は下記の方法で測定した。
(1)オリゴマーの重合度及び量
1)オリゴマー成分の分
2)LC/MSによる同定
HPLCのピークを同定するために、LC/MS測定を行った。
日本電子製SX−102A型を用い、上記と同じ条件で測定同定した。
(2)ポリマーの固有粘度
試料250mgをフェノール/テトラクロロエタン(1/1)の混合液25mlに溶解し、30℃で測定した。
(3)カルボキシル基の濃度
試料0.3gを30mlのベンジルアルコールに加熱溶解したのち冷却し、20mlのクロロフォルムを加え、0.01N−KOHにより滴定して測定した。
(4)ジエチレングリコールの量
試料1gと30mlのメタノール及び酢酸亜鉛2mgを100mlのカリウス管中200℃でメタノリシスした液を用いてクロマトグラフで測定した。
(5)エステル化率
試料の酸価を測定し、カルボキシル基の残存量を求めて、エステル化率を算出した。
(6)ポリマーの色調(カラー)
試料ポリマーを135℃で1時間乾燥結晶化したのち、日本電色工業製 色差計ZE−2000にて、ハンター値L、a、bを測定した。
【0023】
実施例1
エチレングリコールとテレフタル酸とのモル比1.06のスラリーを、流量300kg/時で連続してエステル化反応器に仕込み、圧力150kPa、温度262℃、滞留時間3.6時間でエステル化反応を行った。次に、生成物をプレポリマー化反応器に供給するため、配管を通じて流速258kg/時で連続して抜き出した。この際、抜き出し液を分析したところ、カルボキシル基872.3μeq/g,エチレングリコール0.16重量%,ジエチレングリコール0.67重量%,エステル化率91.3%であった。
【0024】
一方、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート165kgおよび2重量%の三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液5kgを、前記エステル化反応器とは別に設けた250リットルのオリゴマー化反応器に仕込み、圧力13kPa、温度265℃でエチレングリコールを留去しながら、バッチ方式でオリゴマー化を60分間行った。窒素を導入して反応器内の圧力を常圧に戻した後、生成物をプレポリマー化反応器に供給される前の前記エステル化反応生成物と混合するために、1時間かけて前記エステル化反応器の抜き出し配管中に供給した。この際、オリゴマー化生成物を分析したところ、カルボキシル基82.8μeq/g,エチレングリコール0.16重量%,ジエチレングリコール0.79重量%であった。
【0025】
前記エステル化反応生成物と前記オリゴマー化反応生成物を、配管内に設けた10エレメントのスタティックミキサーで混合した後、第1のプレポリマー化反応器に供給した。次いで、第2のプレポリマー化反応器を経て最終重合器に供給し、生成したポリエチレンテレフタレートをペレット化した。
・第1プレポリマー化反応の条件:圧力6.6kPa、温度273℃、滞留時間0.5時間。
・第2プレポリマー化反応の条件:圧力1.5kPa、温度278℃、滞留時間0.7時間。
・最終重合の反応条件:圧力53Pa、温度285℃。
第2のプレポリマー化反応器の抜き出し液を分析したところ、固有粘度0.239dl/g,カルボキシル基82.8μeq/g,ジエチレングリコール0.811重量%,エステル化反応率99.20%であった。また、得られたポリエチレンテレフタレートは、固有粘度0.642dl/g,カルボキシル基22.6μeq/g,ジエチレングリコール0.865重量%,融点260.9℃,色度はハンター法でL(明るさ)=90.2,a(赤色度)=−2.1,b(黄色度)=−4.7であった。
【0026】
ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化生成物を添加しないで生成したポリエチレンテレフタレートを分析したところ、固有粘度0.644dl/g,カルボキシル基21.8μeq/g,ジエチレングリコール0.858重量%,融点260.8℃,色度はハンター法でL(明るさ)=90.2,a(赤色度)=−2.2,b(黄色度)=−4.7であり、上記分析結果との差は認められなかった。
【0027】
なお、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化によって留出したエチレングリコールを分析したところ、水0.49重量%,ジエチレングリコール0.23重量%,オリゴマー0.17重量%であり、前記テレフタル酸のスラリーに十分使用可能な値を示した。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法によれば、従来のジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換反応生成物またはテレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応生成物に、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマーを混合して重縮合させることにより、諸物性に優れたポリエチレンテレフタレートを製造することができる。また、例えば、使用済みのポリエチレンテレフタレートのケミカルリサイクルにより得られるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを利用することによって、使用済みのポリエチレンテレフタレートのリサイクルを進めることができる。

Claims (5)

  1. ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応により生成したオリゴマーと、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換反応生成物またはテレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反応生成物を含む混合物をプレポリマー化反応に付し、さらに重縮合反応に付してポリエチレンテレフタレートを生成せしめることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 前記ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートが97重量%以上のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含有し、そして(1)Na,Mg,Ca,Fe,Co,Zn,Ti,Sn,Sb,GeおよびPよりなるカチオンおよび(2)ハロゲン,NO2,NO3,PO4およびSO4よりなるアニオンの合計含有量が15ppm以下である請求項1に記載の方法。
  3. ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化のための反応器に、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとともに、重合触媒、安定剤および共重合成分よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートまたはエチレングリコールに混合して添加する請求項1または2に記載の方法。
  4. ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化のための反応器に、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとともに、酸化チタン、染料、顔料、シリカ、アルミナ、硫酸バリウムおよびセラミックよりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートに混合して添加する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのオリゴマー化反応によって留出するエチレングリコールを、上記プレポリマー化反応に使用されるエステル交換反応生成物またはエステル化反応生成物の製造のために使用する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
JP2001362669A 2001-11-28 2001-11-28 ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Expired - Lifetime JP3684348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001362669A JP3684348B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 ポリエチレンテレフタレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001362669A JP3684348B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 ポリエチレンテレフタレートの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003160650A JP2003160650A (ja) 2003-06-03
JP2003160650A5 JP2003160650A5 (ja) 2005-06-09
JP3684348B2 true JP3684348B2 (ja) 2005-08-17

Family

ID=19173130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001362669A Expired - Lifetime JP3684348B2 (ja) 2001-11-28 2001-11-28 ポリエチレンテレフタレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3684348B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4848631B2 (ja) * 2003-11-27 2011-12-28 三菱瓦斯化学株式会社 ポリエステル樹脂の製造方法
WO2021245576A1 (en) * 2020-06-05 2021-12-09 Koch Technology Solutions, Llc A method for manufacturing an oligomeric polyethylene terephthalate (pet) substrate
KR20240106326A (ko) * 2022-12-29 2024-07-08 코오롱인더스트리 주식회사 재생 화합물을 사용한 폴리에스테르계 수지 및 이의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003160650A (ja) 2003-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3116933B1 (en) Process for enhancing the molecular weight of a polyester
EP0882083B1 (en) Process for preparing copolyesters of terephthalic acid, ethylene glycol, and 1,4-cyclohexanedimethanol exhibiting a neutral hue, high clarity and increased brightness
EP3116934B2 (en) Polyester and method for preparing such a polyester
JP2002512279A (ja) イソソルビドをコモノマーとして含有させたポリエステルおよびそれの製造方法
CA2418231C (en) Process for producing polytrimethylene terephthalate
EP3350246B1 (en) Process for the preparation of a polyester
CA2355309C (en) Method of polymerizing deionized bis-.beta.-hydroxyethyl terephthalate
EP1060207A1 (en) Polymerization catalysts for polyesters
US7235622B2 (en) Polyethylene terephthalate for molding and production the same
AU5531400A (en) Method for the continuous production of polybutylene terephthalate from terephthal acid and butane diole
EP3347401B1 (en) Process for enhancing the molecular weight of a polyester by solid state polymerization
US6812321B1 (en) Method for the continuous production of polybutyleneterephthalate from terephthalic acid and butanediol
JP3684348B2 (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
US8629234B2 (en) Process for synthesizing a new catalyst complex for the production of polyethylene terephthlate
KR20150102024A (ko) 폴리에틸렌 테레프탈레이트의 제조 방법
EP4361195A1 (en) Polyester resin using recycled bis(2-hydroxyethyl)terephthalate and article including same
KR0122004B1 (ko) 폴리에스테르의 제조방법
KR20230081450A (ko) 화학적 재활용 pet의 제조 방법
JP2003147062A (ja) ポリエチレンテレフタレートの製造方法
JP2001048835A (ja) 粗ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレートの精製方法および精製ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート
MXPA00010288A (en) Polyesters including isosorbide as a comonomer and methods for making same

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3684348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term