JP3683242B2 - 通信方法及び通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信方法及び通信システムに係り、より詳しくは、スペクトル拡散方法を用いて符号分割多重通信を行う通信方法及び通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等による移動体通信には、スペクトル拡散(SS:Spread Spectrum)通信方式を用いた符号分割多重接続(CDMA:Code-Division Multiple-Access)方式が使用されている。かかるスペクトル拡散通信方式を用いた符号分割多重接続方式では、非同期CDMA(A−CDMA:Asynchronous-CDMA)方式や直交SS通信方式を用いた同期CDMA(S−CDMA:Synchronous-CDMA)方式が、従来から一般的に使用されている。
【0003】
かかる方式のうち、非同期CDMA方式では、ユーザの識別を行う拡散符号間に相互相関があるため、同時通信を行う各ユーザのスペクトル拡散信号間に他局間干渉が生じ、他ユーザの信号への混信や漏話が発生する。こうした混信や漏話は、希望局信号の同期や復調を妨げることとなるので、周波数利用効率が低下する原因となる。
【0004】
一方、直交SS通信方式を用いた同期CDMA方式では、各ユーザのスペクトル拡散信号は互いに直交する。このため、拡散符号間の相互相関をゼロとできることから、他局間干渉がなくなり、周波数利用効率を顕著に高めることが期待された。この直交SS通信方式を用いた同期CDMA方式では、完全な同期アクセスを想定しているが、同期アクセスのずれが存在すると特性が大きく劣化することになる。ところで、一般的な無線通信システムでは、タイムジッタ、電波伝搬遅延、多重波伝搬等における遅延時間差などが存在するため、完全な同期アクセスを実現させることは非常に困難である。そして、多重波伝搬における遅延時間差がかなり小さくなると、スペクトル拡散通信方式における最も重要な特長の一つであるマルチパスダイバーシチの利用ができなくなってしまう。
【0005】
このため、同期アクセスのずれに対してある程度の許容範囲を有する準同期CDMA(QS−CDMA:Quasi-Synchronous CDMA)が提案され、注目されている(「久野 他:2値シフトレジスタ系列を用いた準同期CDMA方式、電子情報通信学会 論文誌 A,vol.J97-A,no.1,pp105-114,1996年1月」等)。かかる準同期CDMA方式では、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても相互相関の小さい拡散符号が用いられる。こうした準同期CDMA方式用の拡散符号としては、GMW系列(Gordon-Mills-Welch系列;「B. Gordon et al. ,“Some new difference sets”, Canada. J. Math. , vol.14, pp614-625, 1984」参照)、特に同一原始多項式から生成されるGMW系列の符号が適していることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、準同期CDMA方式は、スペクトル拡散を用いたCDMA方式として基本的には優れた性質を有しているが、その実装にあたってはいくつかの解決すべき技術課題が存在する。こうした課題の1つが、多重度(通信チャンネル容量)の向上である。
【0007】
すなわち、多重度の向上のためには、互いに相互相関が小さな多くの拡散符号を用意する必要があるが、上述した同一原始多項式から生成されるGMW系列同士は、大部分の位相で相互相関が小さいが、その数は極めて少ない。このため、近年のCDMA方式で求められている多重度の向上が困難であった。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる通信方法及び通信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者が長年の研究の結果から得た知見によれば、同一原始多項式から生成される互いに相互相関の小さなGMW系列の数は少ないが、こうした一群のGMW系列から選択された2つの少なくとも一方を適当に巡回シフトさせて2つのGMW系列間に所定の位相差を付与した後に排他論理和をとって合成すると、やはり同期アクセスのタイミングがずれたとしても互いに相互相関の小さな新たな系列の群を生成することができる。なお、所定の位相差は、元となったGMW系列の1周期のチップ数に応じて決まるものであり、複数の位相差を設定することができる。こうして生成される新たな系列群に属する系列(以下、「GG系列」と呼ぶ)の数は、GMW系列の数よりも飛躍的に多い(「Biqi Long et al. ,“A generalized QS-CDMA system and the design of new spreading code”, IEEE Trans. VT, vol.47, no.4, Nov. 1998」参照)。
【0010】
また、本発明者が得た最新の知見によれば、同一原始多項式から生成された一群のGMW系列から任意の2つのGMW系列を選択して複数のGG系列群を生成しても、GG系列群間においては相互相関が小さくなるとは限らない。GG系列群間における相互相関を確実に小さくすることは、同一原始多項式から生成された一群のGMW系列から選択する2つのGMW系列の一方を固定したうえで他方を変化させるとともに、2つのGMW系列の対ごとに得られるGG系列群間に位相差を付与することで達成できる。こうして生成される系列の数は、1つのGG系列群に属するGG系列の数よりも、さらに飛躍的に多くなっている。また、本発明者が得た最新の知見によれば、1つのGG系列群に属する系列それぞれを同一シフト量だけ巡回シフトして得られるGG系列同士は互いに相互相関が小さいとともに、巡回シフト前のGG系列群に属する系列との間でも互いに相互相関が小さい。この方法によっても、1つのGG系列群に属するGG系列の数よりも多くの互いに相互相関が小さな系列を生成することができる。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
【0011】
すなわち、本発明の通信方法は、スペクトル拡散方法を用いて、符号分割多重接続方式で通信を行う通信方法であって、所定の原始多項式に応じて予め求められた第1の番号パラメータの値、前記第1の番号パラメータの値とは異なる第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値の複数の組の中から、現時点において使用されていない組を指定するパラメータ値指定工程と;前記指定された組における第1の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第1のGMW系列を生成する第1GMW系列生成工程と;前記指定された組における第2の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第2のGMW系列を生成する第2GMW系列生成工程と;前記指定された組における第1のシフト量パラメータの値に応じて前記第1のGMW系列と前記第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、前記位相差が付与された2つのGMW系列における各位置の値同士の排他論理和を演算して特定系列を生成する特定系列生成工程と;前記指定された組における第2のシフト量パラメータの値に応じて前記特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号を生成する拡散符号生成工程と;前記準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する送信工程と;を含む通信方法である。
【0012】
この通信方法では、まず、パラメータ値指定工程において、2つの異なるGMW系列を指定する第1の番号パラメータの値及び第2の番号パラメータの値、並びに、上述した新たな系列である特定系列(上述のGG系列)の生成に使用される第1のシフト量パラメータの値及び生成された特定系列の巡回シフトに使用される第2のシフト量パラメータの値が指定される。かかるパラメータの指定に際しては、上述した本発明者の知見に基づき、所定の原始多項式に応じて必要数だけ事前に求めておいた上記の4つのパラメータ値の組の中から、その時点で使用されていない組を指定する。
【0013】
次に、第1GMW系列生成工程において、指定された第1の番号パラメータの値に応じ、所定の原始多項式を用いて、第1のGMW系列が生成される。また、第2GMW系列生成工程において、指定された第2の番号パラメータの値に応じ、第1のGMW系列の生成に使用される所定の原始多項式を用いて、第2のGMW系列が生成される。
【0014】
次いで、特定系列生成工程において、指定された第1のシフト量パラメータの値に応じて第1のGMW系列と第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、位相差が付与された2つのGMW系列における各位置の値同士の排他論理和を演算して、特定系列が生成される。引き続き、拡散符号生成工程において、指定された第2のシフト量パラメータの値に応じて特定系列生成工程で生成された特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号が生成される。そして、送信工程において、拡散符号生成工程において生成された準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する。
【0015】
この結果、多くのユーザが同時通信する場合であっても、ユーザごとに他のユーザに割り振られる拡散符号とは相互相関が小さく、かつ、同期アクセスのタイミングずれに対する許容性が高い拡散符号を割り当てることができる。したがって、本発明の通信方法によれば、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【0016】
本発明の通信方法では、前記拡散符号生成工程において、指定された第2のシフト量パラメータに応じて、特定系列を巡回シフトして得られる符号をそのまま準同期拡散符号として採用することもできるが、特定系列を巡回シフトして得られる符号に0を1つ付加して、前記第1の番号パラメータの値、前記第2の番号パラメータの値、前記第1のシフト量パラメータの値及び前記第2のシフト量パラメータの値の少なくとも1つが前記指定された組と異なる場合に生成される準同期拡散符号と直交化させてもよい。かかる場合には、特定系列を巡回シフトして得られる符号をそのまま準同期拡散符号として採用した場合よりも、同期アクセスのタイミングにずれがほぼないときにおける準同期拡散符号間における相互相関をさらに低減させることができる。
【0017】
また、本発明の通信方法では、前記送信工程で送信された信号を受信し、前記準同期拡散符号に基づいて、前記受信した信号の逆拡散を行う逆拡散工程を更に含むこととすることができる。
【0018】
また、本発明の通信方法では、前記第1の番号パラメータの値及び前記第2の番号パラメータの値の少なくとも一方を固定値とすることができる。
【0019】
本発明の通信システムは、スペクトル拡散方法を用いて、それぞれが送信部と受信部とを有する装置間において符号分割多重接続方式で通信を行う通信システムであって、前記送信部それぞれは、所定の原始多項式に応じて予め求められた第1の番号パラメータの値、前記第1の番号パラメータの値とは異なる第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値の複数の組の中から、現時点において使用されていない組を指定するパラメータ値指定手段と;前記指定された組における第1の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第1のGMW系列を生成する第1GMW系列生成手段と;前記指定された組における第2の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第2のGMW系列を生成する第2GMW系列生成手段と;前記指定された組における第1のシフト量パラメータの値に応じて前記第1のGMW系列と前記第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、前記位相差が付与された2つのGMW系列を合成して特定系列を生成する特定系列生成手段と;前記指定された組における第2のシフト量パラメータの値に応じて前記特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号を生成する拡散符号生成手段と;前記準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する送信手段と;を備える通信システムである。
【0020】
この通信システムでは、まず、パラメータ値指定手段が、第1の番号パラメータの値、第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値を指定する。かかるパラメータの指定に際しては、所定の原始多項式に応じて必要数だけ事前に求めておいた上記の4つのパラメータ値の組の中から、その時点で使用されていない組を指定する。次に、第1GMW系列生成手段が、指定された第1の番号パラメータの値に応じ、所定の原始多項式を用いて、第1のGMW系列を生成するとともに、第2GMW系列生成手段が、指定された第2の番号パラメータの値に応じ、第1のGMW系列の生成に使用される所定の原始多項式を用いて、第2のGMW系列を生成する。
【0021】
次いで、特定系列生成手段が、指定された第1のシフト量パラメータの値に応じて第1のGMW系列と第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、位相差が付与された2つのGMW系列における各位置の値同士の排他論理和を演算して、特定系列を生成する。引き続き、拡散符号生成手段が、指定された第2のシフト量パラメータの値に応じて特定系列生成手段によって生成された特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号を生成する。そして、送信手段が、拡散符号生成手段によって生成された準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する。
【0022】
すなわち、本発明の通信システムでは、本発明の通信方法を使用して通信を行うことができる。したがって、本発明の通信システムによれば、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【0023】
本発明の通信システムでは、受信部それぞれが、通信相手の前記送信部が送信した信号を受信し、前記準同期拡散符号に基づいて、前記受信した信号の逆拡散を行う逆拡散手段を備える構成とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態を、図1〜図5を参照しつつ説明する。なお、図の説明にあたっては、同一あるいは同等の要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1には、本発明の第1実施形態に係る通信システム100の概略的な構成がブロック図にて示されている。図1に示されるように、この通信システム100は、通信網90と、通信網90と接続された複数の基地局10と、該複数の基地局10のいずれかと無線通信を行う複数の移動局20とを備えている。この通信システムでは、一つの移動局20と他の移動局20との間で、当該一つの移動局20と無線通信を行う基地局20、通信網90及び当該他の移動局20と無線通信を行う基地局20を介して、通信が行われる。なお、通信網90に公衆電話回線やインターネット網を接続することとして、移動局20と公衆電話回線やインターネット網に接続された端末装置との間で通信を行うことも可能とすることができる。
【0026】
基地局10それぞれは、(a)アンテナ11と、(b)該アンテナ11に接続された送受信切換器(デュプレクサ)12とを備えている。また、基地局10それぞれは、(c)アンテナ11及び送受信切換器12を介して移動局20へ向けて送信する信号を処理する送信処理部13Sと、(d)移動局20から送信され、アンテナ11及び送受信切換器12を介して受信した信号を処理する受信処理部13Rとを備えている。さらに、基地局10それぞれは、(e)通信網90との間で信号の授受を行うとともに、基地局10全体を統括制御する制御部14を備えている。
【0027】
前記送信処理部13Sは、図2に示されるように、(i)制御部14から供給された送信ビット情報BSBを情報変調し、変調信号BMSを出力する変調部31と、(ii)制御部14から供給された第1の番号パラメータBFN、第2の番号パラメータBSN、第1のシフト量パラメータBFS、第2のシフト量パラメータBSS及び送信同期タイミング信号BSYに基づいて拡散符号SCを生成する符号生成部35と、(iii)拡散符号生成部35から供給された拡散符号SCを用いて、変調部31から供給された変調信号BMSをスペクトル拡散して送信信号BSGを生成し、送受信切換器12へ向けて出力する拡散部32とを備えている。なお、図示を省略しているが、送信処理部13Sは、キャリア変調部、周波数処理部等を更に備えている。
【0028】
前記符号生成部35は、(i)制御部14から供給された第1の番号パラメータBFN及び送信同期タイミングBSYに基づいて、第1のGMW系列FGSを生成する第1GMW系列生成部411と、(ii)制御部14から供給された第2の番号パラメータBSN及び送信同期タイミングBSYに基づいて、第2のGMW系列SGSを生成する第2GMW系列生成部412とを備えている。なお、第1GMW系列生成部411及び第1GMW系列生成部412においてGMW系列の生成には共通の原始多項式が使用される。また、この原始多項式を用いたときに生成可能な複数のGMW系列のうち、いずれのGMW系列を生成すべきかが第1の番号パラメータBFN及び第2の番号パラメータBSNによって特定されるようになっている。
【0029】
また、符号生成部35は、(iii)制御部14から供給された第1のシフト量パラメータBFSに応じたチップ数だけ、第2GMW系列生成回路412から供給された第2のGMW系列SGSをシフトし、シフトされた第2のGMW系列SSGを出力する第1巡回シフト部43と、(iv)第1GMW系列生成部411から供給された第1のGMW系列FGSと、第1巡回シフト部43から供給されたシフトされた第2のGMW系列SSGとにおいて、互いに対応するチップ同士の排他論理和を演算することにより合成し、新たな系列(GG系列)GGSを生成する合成演算部44と、(v)制御部14から供給された第2のシフト量パラメータBSSに応じたチップ数だけ、合成演算部44から供給された新たな系列GGSを巡回シフトする第2巡回シフト部45とを備えている。
【0030】
前記受信処理部13Rは、図3に示されるように、(i)制御部14から供給された送信同期タイミングBSYを参照しつつ、送受信切換器12から供給された受信信号BRSから受信同期タイミングBRYを生成する受信同期タイミング検出部53と、(ii)受信同期タイミング検出部53から供給された受信同期タイミングBRY、並びに制御部14から供給された第1の番号パラメータBFN、第2の番号パラメータBSN、第1のシフト量パラメータBFS及び第2のシフト量パラメータBSSに基づいて、上述した拡散符号SCと同一の逆拡散符号SCを生成する符号生成部35とを備える。また、受信処理部13Rは、(iii)符号生成部35から供給された逆拡散符号SCを用いて、送受信切換器12から供給された受信信号BRSを逆拡散し、逆拡散信号BMRを生成する逆拡散部51と、(iv逆拡散部51から供給された逆拡散信号BMRを情報復調して受信ビット情報BRBを生成して、制御部14へ向けて出力する復調部52とを備えている。なお、図示を省略しているが、受信処理部13Rは、キャリア復調部、周波数処理部等を更に備えている。
【0031】
図1に戻り、前記移動局20それぞれは、(a)アンテナ21と、(b)該アンテナ21に接続された送受信切換器(デュプレクサ)22とを備えている。また、移動局20それぞれは、(c)アンテナ21及び送受信切換器22を介して基地局10へ向けて送信する信号を処理する送信処理部23Sと、(d)基地局10から送信され、アンテナ21及び送受信切換器22を介して受信した信号を処理する受信処理部23Rとを備えている。また、移動局20それぞれは、(e)移動局20全体を統括制御する制御部24を備えている。さらに、移動局20それぞれは、(f)ユーザが相手先電話番号等や、発呼指令等の動作支持を制御部24へ入力するためのキーパッド等や音声を入力するためのマイクロフォンを含む入力部25と、(g)受信メッセージや動作状態を表示するための液晶ディスプレイ等や、音声出力のためのスピーカを含むの表示出力部26を備えている。なお、移動局20それぞれにおいては、基地局10から受信した受信信号から受信同期タイミングを検出するとともに、その受信同期タイミングに同期して基地局10へ向けて出力する送信信号を生成するようになっている。
【0032】
前記送信処理部23Sは、図4に示されるように、(i)制御部24から供給された送信ビット情報MSBを情報変調し、変調信号MMSを出力する変調部31と、(ii)制御部24から供給された第1の番号パラメータMFN、第2の番号パラメータMSN、第1のシフト量パラメータMFS、第2のシフト量パラメータMSS、及び、受信処理部23R(より詳しくは、後述する受信同期タイミング検出部53(図5参照))から供給された受信同期タイミング信号MRYに基づいて拡散符号SCを生成する符号生成部35と、(iii)拡散符号生成部35から供給された拡散符号SCを用いて、変調部31から供給された変調信号MMSをスペクトル拡散して送信信号MSGを生成し、送受信切換器22へ向けて出力する拡散部32とを備えている。すなわち、この送信処理部23Sは、上述した基地局10の送信処理部13Sとほぼ同様に構成されている。
【0033】
前記受信処理部23Rは、図5に示されるように、(i)送受信切換器22から供給された受信信号MRSから受信同期タイミングMRYを生成する受信同期タイミング検出部53と、(ii)受信同期タイミング検出部53から供給された受信同期タイミングMRY、並びに制御部24から供給された第1の番号パラメータMFN、第2の番号パラメータMSN、第1のシフト量パラメータMFS及び第2のシフト量パラメータMSSに基づいて逆拡散符号SCを生成する符号生成部35とを備える。また、受信処理部23Rは、(iii)符号生成部35から供給された逆拡散符号SCを用いて、送受信切換器22から供給された受信信号MRSを逆拡散し、逆拡散信号MMRを生成する逆拡散部51と、(iv)逆拡散部51から供給された逆拡散信号MMRを情報復調して受信ビット情報MRBを生成して、制御部24へ向けて出力する復調部52とを備えている。すなわち、この受信処理部23Rは、上述した基地局10の受信処理部13Rとほぼ同様に構成されている。
【0034】
以上のように構成された本実施形態の通信システム100では、以下のようにして、基地局10と移動局20との間でスペクトル拡散方法を用いた符号分割多重接続方式による通信が行われる。なお、前提として、基地局10と、この基地局10と無線接続される移動局20それぞれとの間の通信に使用される拡散符号は、基地局10により割り当てられているものとする。そして、これらの割り当てられた拡散符号に関する情報は、別の共通コントロールチャンネルを介して、基地局10から移動局20それぞれに通知されているものとする。
【0035】
また、制御部14においては、拡散符号(逆拡散符号)の生成に適切な第1の番号パラメータBFN、第2の番号パラメータBSN、第1のシフト量パラメータBFS、及び第2のシフト量パラメータBSSの値からなる4つのパラメータ値の適切な組が、必要な多重度に応じた数だけ求められているものとする。本実施形態では、こうした4つのパラメータ値の組を決定する際して、第1の番号パラメータBFNの値を固定とするとともに、第1の番号パラメータBFN及び第2の番号パラメータBSNの値の対ごとに、それぞれ第1のシフト量パラメータBFSを符号長に応じて定まる適切なシフト量だけ変化させるようにしている。ここで、この適切なシフト量は複数種類あるので、第1の番号パラメータBFN及び第2の番号パラメータBSNの値の対ごとに、適切なシフト量の種類数のパラメータ組を求めることができる。また、本実施形態では、4つのパラメータ値の組を決定する際して、第1の番号パラメータBFN及び第2の番号パラメータBSNの値の対ごとに、第2のシフト量パラメータBSSの値を異ならせるように定めるようにしている。この結果、生成される全ての符号間において相互相関が小さくなることが維持されるようになっている。
【0036】
ここで、基地局10と、この基地局10と無線接続される移動局20それぞれとの間の通信に使用される拡散符号は、原始多項式の種類、第1の番号パラメータの値、第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値で決定される。これらのうち、原始多項式の種類は予め定められており、基地局10及び移動局20それぞれに予め格納されている。そして、基地局10は、新たに移動局20と無線接続するたびに新たな拡散符号を割り当てる。かかる割り当ては、第1の番号パラメータの値、第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値という4つパラメータ値の組として新たな組を選択して割り当てることにより行われる。
【0037】
まず、基地局10から移動局20送信される下り通信の動作を説明する。かかる下り通信では、上述した図2に示されるように、基地局10の制御部14が、送信処理部13Sに対して第1の番号パラメータBFN、第1の番号パラメータの値とは異なる値を有する第2の番号パラメータBSN、第1のシフト量パラメータBFS、第2のシフト量パラメータBSS及び送信同期タイミング信号BSYが符号生成部35に供給する。
【0038】
符号生成部35においては、第1GMW系列生成部411が、制御部14から供給された第1の番号パラメータBFN及び送信同期タイミングBSYに基づいて、第1のGMW系列FGSを繰り返し生成する。これと並行して、第2GMW系列生成部412が、制御部14から供給された第2の番号パラメータBSN及び送信同期タイミングBSYに基づいて、第2のGMW系列SGSを繰り返し生成する。こうしたGMW系列の生成は、上述した予め定められている原始多項式を用いて、周知のアルゴリズム(Gordon-Mills-Welch系列;「B. Gordon et al. ,“Some new difference sets”, Canada. J. Math. , vol.14, pp614-625, 1984」参照)により生成される。
【0039】
引き続き、第1巡回シフト部43が、第2GMW系列生成部412から出力された第2のGMW系列SGSを受信して、制御部14から供給された第1のシフト量パラメータBFSに応じたチップ数だけシフトして、シフトされた第2のGMW系列SSGを生成する。この結果、第1GMW系列生成部411から出力される第1のGMW系列FGSと、第1巡回シフト部43から出力されるシフトされた第2のGMW系列SSGとの間には、第1のシフト量パラメータBFSに応じた位相差が付与される。
【0040】
次に、こうして位相差が付与された第1のGMW系列FGSとシフトされた第2のGMW系列SSGとのチップごとの排他論理和が合成演算部44により演算され、新たな系列(GG系列)GGSが生成される。そして、第2巡回シフト部45が、制御部14から供給された第2のシフト量パラメータBSSに応じたチップ数だけ、合成演算部44から供給された新たな系列GGSを巡回シフトして、拡散符号SCを生成する。
【0041】
以上のようにして符号生成部35によって生成された拡散符号SCは、拡散部32へ向けて出力される。
【0042】
こうした符号生成部35による拡散符号SCの生成と並行して、制御部14は、通信網90を介して他の基地局等から受信した送信ビット情報BSBを変調部31へ向けて順次出力する。変調部31では、送信ビット情報BSBを情報変調して変調信号BMSを生成する。
【0043】
この変調信号BMSは、拡散部32において、符号生成部35で生成された拡散符号SCを用いて拡散され、送信信号BSGが生成される。なお、拡散部32に供給される変調信号BMSと拡散符号SCとが同期するように、制御部14によりタイミング調整がなされるようになっている。
【0044】
生成された送信信号BSGは、送受信切換器12及びアンテナ11を順次介した後、移動局20へ向けて無線信号として送信される。
【0045】
こうして基地局10から送信された無線信号は、移動局20のアンテナ21で受信され、送受信切換器22を介して、上述した図5に示されるように、受信信号MRSとして、移動局20内の受信処理部23Rに供給される。なお、こうした下り通信においては、完全な同期を取ることができるので、アクセスタイミングのずれは、自他局のマルチパス遅延に起因するものしかありえない。このとき、最大のタイミングのずれ(Δtdmax)は多重波伝搬におけるマルチパスの最大遅延時間差(Tmd)となる。
【0046】
移動局20では、送受信切換器22から出力された受信信号MRSが、受信同期タイミング検出部53及び逆拡散部51に入力する。この受信信号MRSが入力する受信同期タイミング検出部53では、受信した受信信号MRSから受信同期タイミングMRYを生成し、受信処理部23R内の符号生成部35に供給するとともに、送信処理部23Sに供給する。
【0047】
符号生成部35には、こうした受信同期タイミングMRYの供給と並行して、制御部24から供給された第1の番号パラメータMFN、第2の番号パラメータMSN、第1のシフト量パラメータMFS及び第2のシフト量パラメータMSSが供給される。これら4つのパラメータの値としては、上述した基地局10の送信処理部13Sの符号生成部35で使用された4つのパラメータの値と同一の値が供給される。こうして、受信同期タイミングMRY及び4つのパラメータの値を受信した符号生成部35は、上述した基地局10における送信処理部13Sの符号生成部35の場合と同様にして、上述の拡散符号SCと同一の符号を逆拡散符号SCとして生成する。こうして生成された逆拡散符号SCは、逆拡散部51へ向けて出力される。
【0048】
逆拡散部51では、符号生成部35から受信した逆拡散符号SCを用いて、送受信切換器22から受信した受信信号MRSを逆拡散し、逆拡散信号MMRを生成する。そして、逆拡散部51は、生成された逆拡散信号MMRを復調部52へ向けて出力する。
【0049】
引き続き、復調部52において、逆拡散信号MMRが情報復調され、受信ビット情報MRBを生成する。そして、復調部52は、生成された受信ビット情報MRBを制御部24へ向けて出力する。
【0050】
以後、制御部24は、受信ビット情報MRBを解析し、処理して、必要に応じて表示部26を介して画面出力したり、音声出力したりする。
【0051】
次に、移動局20から基地局10へ送信される上り通信の動作を説明する。かかる上り通信では、上述した図4に示されるように、受信処理部23Rから受信同期タイミングMRYが送信同期タイミングとして供給されている移動局20における送信処理部23Sの符号生成部35に対して、制御部24が、送信処理部23Sに対して第1の番号パラメータMFN、第1の番号パラメータの値とは異なる値を有する第2の番号パラメータMSN、第1のシフト量パラメータMFS、第2のシフト量パラメータMSSを供給する。これら4つのパラメータの値としては、上述した基地局10の送信処理部13Sの符号生成部35で使用された4つのパラメータの値と同一の値が供給される。こうして、受信同期タイミングMRY及び4つのパラメータの値を受信した送信処理部23Sの符号生成部35は、上述した基地局10における送信処理部13Sの符号生成部35の場合と同様にして、上述の拡散符号SCと同一の符号を拡散符号SCとして生成する。こうして生成された拡散符号SCは、送信処理部23Sの拡散部32へ向けて出力される。
【0052】
こうした符号生成部35による拡散符号SCの生成と並行して、制御部24は、入力部25から入力された音声情報やデジタルデータ情報に応じた送信ビット情報MSBを送信処理部23Sの変調部31へ向けて順次出力する。以後、上述した基地局10の送信処理部13Sの場合と同様にして、送信ビット情報MSBが処理されて、送信信号MSGが生成され、送受信切換器22及びアンテナ21を順次介した後、基地局10へ向けて無線信号として送信される。
【0053】
こうして移動局20から送信された無線信号は、基地局10のアンテナ11で受信され、送受信切換器12を介して、上述した図3に示されるように、受信信号BRSとして、基地局10内の受信処理部13Rに供給される。なお、こうした上り通信においては、基地局10が受信した移動局20それぞれからの信号が電波伝搬遅延に起因するタイミングのずれが生じる。同時に、同期系回路の実装誤差によってタイムジッタが発生する。これらの複数の要素を考慮すると、上り通信のタイミングずれの最大値Δtumaxは、次の(1)式のようになる。
Δtumax = Tmd + Tpd + Tje …(1)
ここで、Tmdはマルチパスの最大遅延時間差、Tpdは電波伝搬遅延の最大値(往復分)、Tjeはタイミング同期の誤差の最大値である。かかるタイミングずれの最大値Δtumaxは事前に評価されているものとし、値Δtumaxが許容範囲となるように、準同期拡散符号である拡散符号SCが選択されている。
【0054】
基地局10では、送受信切換器12から出力された受信信号BRSが、受信処理部13Rの受信同期タイミング検出部53及び逆拡散部51に入力する。この受信信号BRSが入力する受信同期タイミング検出部53では、受信した受信信号BRSから受信同期タイミングBRYを生成する。
【0055】
符号生成部35には、こうした受信同期タイミングBRYの供給と並行して、制御部14から供給された第1の番号パラメータBFN、第2の番号パラメータBSN、第1のシフト量パラメータBFS及び第2のシフト量パラメータBSSが供給される。これら4つのパラメータの値としては、上述した基地局10の送信処理部13Sの符号生成部35で使用された4つのパラメータの値と同一の値が供給される。こうして、受信同期タイミングBRY及び4つのパラメータの値を受信した符号生成部35は、上述した基地局10における送信処理部13Sの符号生成部35の場合と同様にして、上述の拡散符号SCと同一の符号を逆拡散符号SCとして生成する。こうして生成された逆拡散符号SCは、逆拡散部51へ向けて出力される。
【0056】
そして、移動局20の受信処理部23Rの場合と同様にして、受信信号BRSが処理されて、受信ビット情報BRBが生成される。そして、受信ビット情報BRBが、制御部24へ向けて出力される。
【0057】
以後、制御部14は、受信ビット情報BRBを解析し、処理して、必要に応じて通信網90を介して他の基地局10へ向けて送信する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、同一の原始多項式から生成される複数のGMW系列に基づいて、多数の互いに相互相関が小さな拡散符号を生成可能として、これらの拡散符号の群の中から、基地局が無線接続する移動局ごとに固有の拡散符号を割り当てて、スペクトル拡散方法による符号多重接続を行う。したがって、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【0059】
なお、上記の第1実施形態では、採用する拡散符号(及び逆拡散符号)を所定の原始多項式を用いて生成されるGMW系列と同一のチップ数とし、特に符号間における直交化を行わなかったが、上記の実施形態における拡散符号(及び逆拡散符号)の最後に1つ「0」を付加することにより、生成される符号間の直交化を図ることができる。かかる場合には、上記の実施形態における拡散符号(及び逆拡散符号)を採用した場合よりも、同期アクセスのタイミングにずれがほぼないときにおける準同期拡散符号間における相互相関をさらに低減させることができる。なお、こうした変形を行うにあたっては、第2巡回シフト部44において「0」の付加を行うこととすればよい。
【0060】
また、上記の第1実施形態では、第2の番号パラメータBSN(MSN)を可変としたが、固定値としてもよい。かかる場合には、第1のシフト量パラメータBFS(MFS)を可変として、新たな系列(GG系列)の群を生成することができるようにするとともに、同期アクセスのタイミングずれの許容範囲内において、第2のシフト量パラメータBSS(MSS)を変化させることにより、その群に属する系列を巡回シフトさせることとすれば、互いに相互相関が小さな多く種類の拡散符号を生成することが可能となる。なお、この場合には、第2のシフト量パラメータBSS(MSS)に応じて巡回シフトされた符号同士の位相がなるべく大きくなるように第2のシフト量パラメータBSS(MSS)を順次設定することが好ましい。
【0061】
また、上記の第1実施形態における符号生成部35の構成に代えて、図6に示される構成の符号生成部35’を採用することもできる。すなわち、符号生成部35’を、符号生成部35と同様に、(i)制御部14(24)から供給された第1の番号パラメータBFN(MFN)及び送信同期タイミングBSY(受信処理部23Rから供給された受信同期タイミングMRY)に基づいて、第1のGMW系列FGSを生成する第1GMW系列生成部411と、(ii)制御部14(24)から供給された第2の番号パラメータBSN及び送信同期タイミングBSY(受信処理部23Rから供給された受信同期タイミングMRY)に基づいて、第2のGMW系列SGSを生成する第2GMW系列生成部412と、(iii)制御部14(24)から供給された第1のシフト量パラメータBFS’(MFS’)に応じたチップ数だけ、第1GMW系列生成回路411から供給された第1のGMW系列FGSをシフトし、シフトされた第1のGMW系列SFGを出力する第1巡回シフト部431と、(iv)制御部14(24)から供給された第2のシフト量パラメータBSS’(MSS’)に応じたチップ数だけ、第2GMW系列生成回路412から供給された第2のGMW系列SGSをシフトし、シフトされた第2のGMW系列SSGを出力する第2巡回シフト部432と、(iv)第1巡回シフト部431から供給されたシフトされた第1のGMW系列SFGと、第2巡回シフト部432から供給されたシフトされた第2のGMW系列SSGとにおいて、互いに対応するチップ同士の排他論理和を演算することにより合成し、拡散符号(逆拡散符号)SCを生成する合成演算部44とを備える構成とすることができる。
【0062】
この符号生成部35’に対して与える2つのシフト量パラメータBFS’(MFS’),BSS’(MSS’)を、上記の実施形態における2つのシフト量パラメータBFS(MFS),BSS(MSS)と次の(2)式及び(3)式の関係を有するようにすれば、符号生成部35’は上記の実施形態における符号生成部35と同様に動作して、拡散符号(逆拡散符号)SCを生成することができる。
BFS(MFS)=BSS’(MSS’)−BFS’(MFS’) …(2)
BSS(MSS)=BFS’(MFS’) …(3)
【0063】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態について、図7及び図8について説明する。本実施形態は、準同期マルチキャリアスペクトルCDMA(MC−DS−CDMA:Multi-Carrier Direct Spread CDMA)方式を採用するとともに、マルチパス信号を受信してレイク(RAKE)合成するレイク受信機能を有しており、上述した第1実施形態と比べて、送信処理部13S(23S)及び受信処理部13R(23R)の構成が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。なお、図の説明にあたっては、第1実施形態の場合と同一あるいは同等の要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
本実施形態の送信処理部13S(23S)は、図7に示されるように、(i)ビットシリアル形式の送信ビット情報BSB(MSB)をパラレル情報BSP1〜BSPM(MSP1〜MSPM)に変換するシリアルパラレル変換器61と、(ii)拡散符号SCを生成する符号生成部35と、(iii)パラレル情報BSP1〜BSPM(MSP1〜MSPM)の各ビット情報BSPj(MSPj)(j=1〜M)をサブキャリア信号BPCj(MPCj)に変換する送信サブキャリア信号変換部65jと、(iv)サブキャリア信号BPCj(MPCj)を合成して、マルチスペクトル拡散信号である送信信号BSG(MSG)を生成する信号合成部63とを備えている。
【0065】
前記送信サブキャリア信号変換部65jそれぞれは、(i)シリアルパラレル変換器61から供給されたビット情報BSPj(MSPj)を変調し、変調信号BMPj(MMPj)を出力する変調部31と、(ii)拡散符号生成部35から供給された拡散符号SCを用いて、変調部31から供給された変調信号BMPj(MMPj)をスペクトル拡散してスペクトル拡散信号BPSj(MPSj)を生成する拡散部32と、(iii)拡散部32から供給されたスペクトル拡散信号BPSj(MPSj)を周波数fjでサブキャリア変調するサブキャリア変調部66とを備えている。
【0066】
また、本実施形態の受信処理部13R(23R)は、図8に示されるように、(i)送受信切換器12(22)から供給された受信信号BRS(MRS)から受信同期タイミングBRY(MRY)を生成する受信同期タイミング検出部53と、(ii)逆拡散のための符号SC1〜SCNを生成する符号生成部351〜35Nを有する逆拡散符号生成部79とを備える。なお、符号SC1〜SCNは、上述した拡散用の符号SCと同一の符号であるが、互いに位相が異なっている。また、本実施形態の受信処理部13R(23R)は、(iii)サブキャリアごとに受信信号BRS(MRS)を処理して、サブキャリアごとの受信情報BRP1〜BRPM(MSP1〜MRPM)を出力する受信サブキャリア信号変換部751〜75Mと(iv)受信サブキャリア信号変換部75j(j=1〜M)から出力されたサブキャリアごとの受信情報BRP1〜BRPM(MSP1〜MRPM)からビットシリアル形式の受信ビット情報BRB(MRB)を生成するパラレルシリアル変換器73とを備えている。
【0067】
前記受信サブキャリア信号変換部75jそれぞれは、(i)周波数fjでサブキャリア復調し、サブキャリア復調信号BPRj(MPRj)を出力するサブキャリア復調部76と、(ii)サブキャリア復調部76から供給されたサブキャリア復調信号BPRj(MPRj)を符号SC1〜SCLそれぞれで逆拡散する逆拡散部511〜51Lを備えている。また、受信サブキャリア信号変換部75jそれぞれは、(iii)逆拡散部511〜51Lそれぞれから供給された信号をレイク合成して、レイク合成信号BRRj(MRRj)を出力するレイク合成部77と、(iv)レイク合成部77から供給されたレイク合成信号BRRj(MRRj)を復調して、受信情報BRPjを生成する復調部78とを備えている。
【0068】
以上のように構成された本実施形態の通信システム100では、送信処理部13S(23S)において、送信ビット情報BSB(MSB)がシリアルパラレル変換器61により複数個(M個)のシンボル系列のビット情報BSPj(MSPj)とされる。引き続き、各シンボル系列のビット情報BSPj(MSPj)、変調部31において情報変調され、拡散部32において符号SCにより拡散されてスペクトル拡散信号BPSj(MPSj)とされる。そして、スペクトル拡散信号BPSj(MPSj)それぞれがサブキャリア変調部66でサブキャリア変調された後、信号合成部63で合成されて、マルチスペクトル拡散信号である送信信号BSG(MSG)が生成される。この後、送信信号BSG(MSG)が送受信切換器12(22)及びアンテナ11(21)を介して、通信相手局に送信される。
【0069】
こうして送信された送信信号BSG(MSG)は、通信相手局のアンテナ11(21)で受信され、送受信切換器12(22)を介した後に、受信サブキャリア信号変換部75jそれぞれのサブキャリア復調部76でサブキャリア復調される。引き続き、サブキャリア復調信号BPRj(MPRj)が、逆拡散符号生成部79で生成された符号SC1〜SCLそれぞれで逆拡散された、レイク合成部においてレイク合成される。そして、レイク合成信号BRRj(MRRj)が、復調部78において復調された後に、パラレルシリアル変換器73によって、ビットシリアル形式の受信ビット情報BRB(MRB)が生成される。
【0070】
こうして通信を行う本実施形態では、拡散符号SCのチップ間隔(Tc:Chip Duration)は、次の(4)式のようになる。
Tc=(Tb/N)×M …(4)
ここで、Tbは入力情報ビットの間隔、Nは拡散符号のチップ数、Mはサブキャリアの数である。なお、Mが1になる場合、シングルキャリアルシステムとなる。
【0071】
そして、チップ間隔単位としてタイミングのずれは、次の(5)式となる。
L1=<Δtumax/Tc> …(5)
ここで、Δtumaxは(1)式で定義されるとおりであり、<X>は、Xより大きい整数を示す。
【0072】
また、マルチパス可能な最大パス数は、次の(6)式となる。
L2=<Tmd/Tc> …(6)
【0073】
以上説明したように、本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、同一の原始多項式から生成される複数のGMW系列に基づいて、多数の互いに相互相関が小さな拡散符号を生成可能として、これらの拡散符号の群の中から、基地局が無線接続する移動局ごとに固有の拡散符号を割り当てて、スペクトル拡散方法による符号多重接続を行う。したがって、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【0074】
さらに、タイミングのずれL1は準同期拡散符号SCの許容範囲内に抑えなければならず、マルチパス数L2は“1”以上となければならないが、本実施形態のように準同期マルチキャリアスペクトルCDMA(MC−DS−CDMA:Multi-Carrier Direct Spread CDMA)方式を採用すると、近年の移動通信システムにおける情報転送レートの高速化の進展による情報ビット間隔Tbは短時間化が発生しても、システム設計が容易となる。
【0075】
すなわち、情報ビット間隔Tbが短くなると、シングルキャリアシステムの場合には、タイミングのずれL1が大きくなってしまうが、本実施形態のようにマルチキャリアの場合には、サブキャリア数Mを調整することにより、タイミングのずれL1を適切な範囲とすることができる。このように設計した準同期MC−DS−CDMAシステムには、準同期拡散符号の相互相関特性により低干渉であり、拡散符号数が多いことによりシステム容量が高く、かつ、マルチパスダイバーシチにアンチフェーディング(Anti-Fading)特性があるという特徴がある。
【0076】
なお、本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様の符号発生部35の変形を行うことができる。
【0077】
また、第1実施形態においても、第2実施形態と同様に、マルチパス信号を受信してレイク(RAKE)合成するレイク受信機能を有する構成とすることができる。
【0078】
また、上記の各実施形態については、本発明の範囲内において、当業者により可能な範囲で様々な変形が可能であることは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の通信方法によれば、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【0080】
また、本発明の通信システムによれば、本発明の通信方法を使用して通信を行うことができるので、同期アクセスのタイミングずれがある程度あっても多重度を確保しつつ、スペクトル拡散方法を用いてCDMA方式により通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示す図である。
【図2】図1の基地局における送信処理部の構成を示す図である。
【図3】図1の基地局における受信処理部の構成を示す図である。
【図4】図1の移動局における送信処理部の構成を示す図である。
【図5】図1の移動局における受信処理部の構成を示す図である。
【図6】符号生成部の変形例を説明するための図である。
【図7】第2実施形態における送信処理部の構成を示す図である。
【図8】第2実施形態における受信処理部の構成を示す図である。
【符号の説明】
14…制御部(パラメータ値指定手段)、24…制御部(パラメータ値指定手段)、32…拡散部、411…第1GMW系列生成部(第1GMW系列生成手段)、412…第2GMW系列生成部(第2GMW系列生成手段)、43…第1巡回シフト部(特定系列生成手段の一部)、44…合成演算部(特定系列生成手段の一部)、45…第2巡回シフト部(拡散符号生成手段)、51…逆拡散部(逆拡散手段)。
Claims (6)
- スペクトル拡散方法を用いて、符号分割多重接続方式で通信を行う通信方法であって、
所定の原始多項式に応じて予め求められた第1の番号パラメータの値、前記第1の番号パラメータの値とは異なる第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値の複数の組の中から、現時点において使用されていない組を指定するパラメータ値指定工程と;
前記指定された組における第1の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第1のGMW系列を生成する第1GMW系列生成工程と;
前記指定された組における第2の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第2のGMW系列を生成する第2GMW系列生成工程と;
前記指定された組における第1のシフト量パラメータの値に応じて前記第1のGMW系列と前記第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、前記位相差が付与された2つのGMW系列における各位置の値同士の排他論理和を演算して特定系列を生成する特定系列生成工程と;
前記指定された組における第2のシフト量パラメータの値に応じて前記特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号を生成する拡散符号生成工程と;
前記準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する送信工程と;を含む通信方法。 - 前記拡散符号生成工程は、前記特定系列を巡回シフトして得られる符号それぞれに0を1つ付加し、前記第1の番号パラメータの値、前記第2の番号パラメータの値、前記第1のシフト量パラメータの値及び前記第2のシフト量パラメータの値の少なくとも1つが前記指定された組と異なる組の場合に生成される準同期拡散符号と直交化させる直交化工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の通信方法。
- 前記送信工程で送信された信号を受信し、前記準同期拡散符号に基づいて、前記受信した信号の逆拡散を行う逆拡散工程と;を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信方法。
- 前記第1の番号パラメータの値及び前記第2の番号パラメータの値の少なくとも一方は固定値である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信方法。
- スペクトル拡散方法を用いて、それぞれが送信部と受信部とを有する装置間において符号分割多重接続方式で通信を行う通信システムであって、
前記送信部それぞれは、
所定の原始多項式に応じて予め求められた第1の番号パラメータの値、前記第1の番号パラメータの値とは異なる第2の番号パラメータの値、第1のシフト量パラメータの値及び第2のシフト量パラメータの値の複数の組の中から、現時点において使用されていない組を指定するパラメータ値指定手段と;
前記指定された組における第1の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第1のGMW系列を生成する第1GMW系列生成手段と;
前記指定された組における第2の番号パラメータの値に応じ、前記所定の原始多項式を用いて第2のGMW系列を生成する第2GMW系列生成手段と;
前記指定された組における第1のシフト量パラメータの値に応じて前記第1のGMW系列と前記第2のGMW系列との間に位相差を付与した後に、前記位相差が付与された2つのGMW系列を合成して特定系列を生成する特定系列生成手段と;
前記指定された組における第2のシフト量パラメータの値に応じて前記特定系列を巡回シフトして得られる符号に基づいて、スペクトル拡散用の準同期拡散符号を生成する拡散符号生成手段と;
前記準同期拡散符号を使用してスペクトル拡散した信号を送信する送信手段と;を備える通信システム。 - 前記受信部それぞれは、
通信相手の前記送信部が送信した信号を受信し、前記準同期拡散符号に基づいて、前記受信した信号の逆拡散を行う逆拡散手段を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
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