JP3683225B2 - 滑走艇のウォータージェットポンプの取付構造 - Google Patents

滑走艇のウォータージェットポンプの取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、滑走艇の推進装置として使用されるウォータージェットポンプの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ウォータージェットポンプで推進する滑走艇、例えば小型滑走艇( PersonalWatercaft :「PWC」とも略称される)は、船底等に設けられた吸水口から水(海水を含む) を吸い込み、ウォータージェットポンプで加速して、後方に向けて配設されたウォータージェットポンプの噴出口から船体後方に噴出して、前進するよう構成されている。
そして、このウォータージェットポンプは、内周が円形断面を有する筒状体に形成されたケーシング内に、回転可能にインペラが配置されている。
該ウォータージェットポンプは、大別して、インペラのブレードの外径 (外縁)および該ブレードが取着される断面円形の基部と、該インペラを覆うポンプケーシングが、吸入側から加圧側にゆくに従って拡径した所謂「斜流型」のウォータージェットポンプと、インペラのブレードの外径 (外縁) および該ブレードが取着される断面円形の基部と、該インペラを覆うポンプケーシングが、吸入側から加圧側までストレート状になった所謂「軸流型」のウォータージェットポンプがある。
ところで、ウォータージェットポンプの場合、ポンプケーシングとインペラのブレードの外縁との隙間の大きさが、ポンプ性能に非常に大きな影響を与える。具体的には、隙間が大きすぎる場合には、ポンプ性能が低下し、また、隙間が小さすぎる場合には、ブレードの先端(外周端)とポンプケーシングの内壁が一時的に接触する可能性がある。このため、一般に、ポンプケーシングの内壁とインペラのブレードの外縁との隙間は、概ね 0.20〜0.30mm程度に設定されている。
【0003】
ところが、上記斜流型ウォータージェットポンプの場合には、ウォータージェットポンプのケーシング内におけるインペラの軸方向の位置が前後に変化すると、それに伴って上記ポンプケーシングとインペラのブレードの外縁との隙間が変わってしまうことになる。
このため、ケーシングとインペラのブレードの外縁との隙間が上述したような所定の値内に維持されるよう、以下のような、ポンプケーシングに対するインペラの軸方向の位置を調整しながら組立てをおこなう。
即ち、図8に図示するように、斜流型のウォータージェットポンプPでは、ポンプケーシング1Cが最も太径になった部分で、「フロントケーシング1Cf」と「リアケーシング1Cr」に二分割されており、このリアケーシング1Cr内にポンプ回転軸1Sがその前端部が前方に突出するような状態で回転自在にベアリング1Hを介して配設される。そして、このポンプ回転軸1Sの前端部に該ポンプ回転軸1Sと一体になって回転するインペラ1Zが配設される。この配設に際し、傾斜面となっているポンプケーシング1C(フロントケーシング1Cf)の内壁とインペラ1Zの外周縁との隙間が所定の範囲内になるよう、ポンプ回転軸1Sのベアリング支持側とインペラ1Zとの間に薄板状の隙間調整用のシム35を適当枚数介装し、次にポンプ回転軸1S前端部のおねじにインペラ1Z後端部のめねじ穴を螺合して取着する。
そして、上述のように、インペラ1Zの組付が終了すると、上記内部にポンプ回転軸1Sとインペラ1Zを組付けたリアケーシング1Crにフロントケーシング1Cfを取着し、図示しない取付ボルトで両者を固定する。
そして、このようにウォータージェットポンプの組立てが終了すると、外部(ポンプ吸込口側の外部)から上記フロントケーシング1Cfの内壁とインペラ1Zの外周縁との隙間に、隙間ゲージを挿入して、所定の隙間範囲内になっているか否か確認した上で、小型滑走艇に、エンジン側に連結されているプロペラ軸のスプライン軸を上記インペラの前端部に形成されているスプライン穴に挿着しながら、搭載される。
【0004】
ところが、上記隙間ゲージでの検査の際に、所定の隙間範囲内になっていないときには、上記取付ボルトを緩めてフロントケーシングをリアケーシングから取り外し、さらにインペラをポンプ回転軸から取り外して、上記シムの枚数を増加あるいは減少させて、再び上記ウォータージェットポンプを組立てをおこない、再び隙間を確認する。
従って、場合によっては、上記隙間調整のために、ウォータージェットポンプの組立と分解を何度もおこなうことになる。また、隙間ゲージでの上記隙間の計測が、湾曲した隙間の計測となるため、市販され一般に使用されている舌片状の「隙間ゲージ」の幅方向の剛性に起因して正確に計測することができず、なおさら、上記分解・組立の回数が増えることにもなっている。
【0005】
上記斜流型ウォータージェットポンプの先行技術として、特公昭60-30599号(米国特許第4541808号)があり、軸流型ウォータージェットポンプの先行技術として、特公平3-11955号、特開平9-207885号がある。
【0006】
本発明は、前記斜流型ウォータージェットポンプにも適用可能で、滑走艇への搭載が容易な、ウォータージェットポンプの取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる滑走艇のウォータージェットポンプの取付構造は、滑走艇の推進装置として使用され、固定部材側に対して前後方向の位置調整を必要とするウォータージェットポンプの取付構造において、
ポンプケーシングの前端部を、前端方で細径になったテーパ状に形成するとともに、上記テーパ状になった前端部に、ケーシング周囲を周回するように、溝を形成し、
外周面を周回する凸状の収縮部を形成するとともに、後端で内周面を周回する内方に突出したリップを形成したシール部材を、該シール部材のリップが上記溝に入り込むように配置し、
固定部材側に、上記シール部材を前端部に配置したポンプケーシングの前端部を、該シール部材の少なくとも収縮部が圧潰され、且つ上記リップを上記溝内に圧潰するような、上記テーパ状になった前端部と対応するテーパ状になった凹部を形成して、
固定部材側に、ウォータージェットポンプを、該固定部材側とポンプケーシングとの間をシールして配置したことを特徴とする。
【0008】
しかして、このように構成されたウォータージェットポンプの取付構造によれば、ウォータージェットポンプの前端の位置が固定部材に対して前後方向に多少位置的にずれても、あるいは基準となる位置に配設されても、上記シール部材が変形してシール機能を奏する構成となる。従って、ウォータージェットポンプの取付位置が変化する、あるいは全長が変化するような、例えば、上述した斜流型ウォータージェットポンプの取付構造として、好ましい取付構造となる。
【0009】
また、上記ウォータージェットポンプの取付構造において、上記シール部材の前端がポンプケーシング前端面側に屈曲していると、固定部材に対するウォータージェットポンプの取付が容易となる。
【0010】
また、上記ウォータージェットポンプの取付構造において、前記シール部材が、軟質のゴムによって構成され、且つ全体形状が、前記ポンプケーシングの前端部の形状に合致した、且つ前端壁が周縁を残して開口した、テーパ皿状の形態を有していてもよい。
【0011】
前記斜流型ウォータージェットポンプは、滑走艇の推進装置として使用される斜流型ウォータージェットポンプにおいて、フロントケーシングとリアケーシングに前後に二分割したポンプケーシングの、該リアケーシングに対して前後方向の位置が一義的に定まって配置されたインペラを内部に収容する、上記フロントケーシングを、該フロントケーシングの内壁とインペラ外周縁との間が所定の隙間になるよう、シムを介して、リアケーシング側に取着した構成の斜流型ウォータージェットポンプであると、組立の際に、リアケーシングに対して相対的に所定位置になるようインペラを配置し、この状態でリアケーシングに対してフロントケーシングを、フロントケーシングの内壁にインペラの外周縁が当接する位置まで接合し、その状態でのリアケーシングとフロントケーシング間の隙間を計測し、その値に従って、所定厚さ分のシム(1枚1枚のシムによって形成される隙間を予め確認しておき、計測した値に対してその値を上回る最小限の枚数のシム)を、上記リアケーシングとフロントケーシング間に介装すれば、簡単に、フロントケーシングの内壁とインペラの外周縁との所定の隙間が得られる。(なお、上記「所定厚さ分のシム」は、複数枚のシムによって所定厚さにしてもよいし、また予め各種厚さのシムを用意しておいて、その厚さのシムを選択することも可能である。また、「所定厚さ」とは、上記計測した値に、インペラの外周縁とフロントケーシングの内壁との間に形成しようとする隙間寸法に相当する長手方向の寸法を加算した厚さを言う。)
この場合、従来のように、インペラをその都度外す必要がなく、しかも、リアケーシングとフロントケーシング間の隙間は、隙間ゲージの厚み方向に平行な隙間となるため、隙間ゲージによって極めて簡単に且つ正確に計測できるため、効率的に上記所定の隙間を有する組立てがおこなえる。
【0012】
また、前記斜流型ウォータージェットポンプは、滑走艇の推進装置として使用される斜流型ウォータージェットポンプにおいて、フロントケーシングとリアケーシングに前後に二分割したポンプケーシングの、該リアケーシングにポンプ回転軸を回転自在に配置するとともに、該ポンプ回転軸にインペラを一体に回転するよう取着し、上記フロントケーシングを、該フロントケーシングの内壁とインペラ外周縁との間が所定の隙間になるよう、調整用のシムを介して、上記リアケーシングに取着したような、構成であってもよく、このように構成された斜流型ウォータージェットポンプによれば、組立の際に、リアケーシングに回転自在に配設したポンプ回転軸にインペラを固定し、この状態でリアケーシングに対してフロントケーシングを、ポンプケーシング内壁にインペラの外周縁が当接する位置まで接合し、その状態でのリアケーシングとフロントケーシング間の隙間を計測し、その値に従って、所定厚さ分のシム(1枚1枚のシムによって形成される隙間を予め確認しておき、計測した値に対してその値を上回る最小限の枚数のシム)を、上記リアケーシングとフロントケーシング間に介装すれば、簡単に、フロントケーシングの内壁とインペラの外周縁との所定の隙間が得られる。(なお、上記「所定厚さ分のシム」は、複数枚のシムによって所定厚さにしてもよいし、また予め各種厚さのシムを用意しておいて、その厚さのシムを選択することも可能である。また、「所定厚さ」とは、上記計測した値に、インペラの外周縁とフロントケーシングの内壁との間に形成しようとする隙間寸法に相当する長手方向の寸法を加算した厚さを言う。)
この場合にも、従来のように、インペラをその都度外す必要がなく、しかも、リアケーシングとフロントケーシング間の隙間は、隙間ゲージの厚み方向に平行な隙間となるため、隙間ゲージによって極めて簡単に且つ正確に計測できるため、効率的に上記所定の隙間を有する組立てがおこなえる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1の実施例にかかるウォータージェットポンプの取付構造を、該ウォータージェットポンプとしての斜流型ウォータージェットポンプの構成とともに、小型滑走艇に採用した場合を例に挙げて、図面を参照しながらその構成をより詳細に説明する。
図1は本発明の実施例にかかるウォータージェットポンプの取付構造を採用した小型滑走艇の全体側面図、図2は同平面図、図3は図2に示すウォータージェットポンプの詳細な構成を示す拡大図、図4は図3に示すウォータージェットポンプの要部拡大図、図5は図4に示す斜流型ウォータージェットポンプの組立の一過程における状態を示す分解側断面図、図6は図5に示す次の過程を示す分解側断面図である。
【0014】
図1,図2において、Aは船体で、この船体Aは、ハルHとその上方を覆うデッキDから構成され、これらハルHとデッキDを全周で接続する接続ラインはガンネルラインGと呼ばれ、この実施例では、このガンネルラインGは、この小型滑走艇の喫水線Lより上方に位置している。
そして、上記デッキDの中央よりやや後部には、図2に図示するように、上面が船体Aの長手方向に沿った平面視において略長方形の開口部16が形成され、図1,図2に図示するように、この開口部1上方に騎乗用のシートSが配置されている。
また、エンジンEは上記シートS下方のハルHとデッキDに囲まれた横断面形状が「凸」状の空間(「機関スペース」という)20内に配置される。
このエンジンEは、多気筒(この実施例では3気筒)のエンジンEで、図1に図示するように、クランクシャフト10bが船体Aの長手方向に沿うような向きで搭載されており、図2に図示するように、このエンジン本体10の左方(小型滑走艇の左舷方)に気化器11とそれに接続された空気取入室(図示せず)を備え、また、図1,図2に図示するように、上方には集合式の排気管13Aが配置されている。また、この排気管13Aは、エンジン本体10の左斜め後方に配置された消音器14に接続されている。消音器14から、終端が船体Aの後端部外方に至る排気管13Bが、ウォータージェットポンプPを避けるように上方に屈曲して設けられている。また、図1に図示するように、エンジン本体10の後方に突出している上記クランクシャフト10bの出力端は、図1,図3に図示するように、プロペラ軸15を介して、ウォータージェットポンプPのインペラ1Zの前端部に一体的に回転可能に連結されている。また、このインペラ1Zの後端部は、ウォータージェットポンプPのポンプ回転軸1Sに一体的に回転可能に連結されている。そして、このインペラ1Zは、その外周方が、ポンプケーシング1Cで覆われ、小型滑走艇の底面に設けられた給水口17から取り入れた水を吸水通路を介して取り込みウォータージェットポンプPで加圧・加速して、通水断面積が後方にゆくに従って小さくなった噴射ノズル1Rを通って、後方の噴射口から吐出して、推進力を得るよう構成されている。また、図1,図2おいて、21は操舵用のハンドルで、このハンドル21を左右に操作することによって、上記噴射ノズル1R後方のステアリングノズル18を左右に揺動させて所望の方向に操舵できるよう構成されている。また、上記ステアリングノズル18の上後方には、水平に配置された揺動軸を中心に下方に揺動可能に、リバース用のデフレクター19(図1参照)が配置され、このボウル形状のデフレクター19をステアリングノズル18後方の下方位置へ揺動動作させることによって、ステアリングノズル18から後方に吐出される水を前方に転向させて、後進できるよう構成されている。
【0015】
また、図1,図2において、12は後部デッキで、この後部デッキ12には、開閉式のハッチカバー29が設けられ、ハッチカバー29の下方に小容量の収納ボックスが形成されている。また、図1において、22は上記エンジンEに燃料を供給する燃料タンク、23は前部ハッチカバーで、このハッチカバー23の下方には備品等を収納するボックス(図示せず)が設けられている。また、この前部ハッチカバー23の上方には、別のハッチカバー25が配置されて、二層式のハッチカバーが形成され、上記ハッチカバー25には、後端面に設けられた開口(図示せず)からその内部にライフジャケット等を収納することができるようになっている。
また、図2において、26は点火プラグ10dに適宜タイミングで高圧電気を供給する点火装置、27は混合用のオイルタンク、28はバッテリーである。
【0016】
ところで、本実施例で図3に拡大して図示する上記ウォータージェットポンプPは、斜流型ウォータージェットポンプで、以下のように構成されている。即ち、図3に拡大して図示するように、ポンプケーシング1Cは、最も太径になった部分で前後に二分割されたフロントケーシング1Cfとリアケーシング1Crとから構成され、これらの接合部には、図4にさらに拡大して図示するように、薄板状の (この実施例の場合には1枚の板厚が0.5mm) のシム5が所定の枚数、例えば最大4枚程度介装可能になっている。また、実施例では、シム5の位置決めが可能なように、接合部に、位置決め用のノックピン(図示せず)を一方のケーシングから突設させ、このノックピンに合致した図示しない位置決め穴(あるいは切り込み)をシム5側に設けて、上記フロントあるいはリアのケーシングに対して位置決めして配設されるよう構成されている。また、このシム5は、防錆性能を具備させるために、材質的にはステンレス鋼が使用されている。
そして、図3あるいは図4に図示するように、この上記リアケーシング1Crには、一体に、前方のベアリングハウジングBh1 を有する樽状の隔壁1qが形成され、該樽状の隔壁1qの内方には空間1jが形成されるとともに、外方には静翼(整流翼)1tが形成されている。この静翼1tは、ピッチ角を備えてウォータージェットポンプP内を流れるインペラ1により形成された回転流を整流するとともに、上記隔壁1qをリアケーシング1Crの円筒状の外殻と一体になるよう接続している。なお、上記隔壁1qの後端方には、内方に形成されている後方のベアリングハウジングBh2 を覆うように、整流コーン1wが配設されている。
そして、上記ベアリングハウジングBh1 ,Bh2 には、それぞれボールベアリング1Hが配設され、このボールベアリング1Hを介して、ポンプ回転軸1Sが回転自在に配設され、このポンプ回転軸1Sの前端(フロントケーシング1Cf側端)には、インペラ1Zが該ポンプ回転軸1Sと一体的に回転するよう螺着されている。このウォータージェットポンプの場合、このインペラ1Zの取着に際して、ポンプ回転軸1Sとの間に軸方向の位置を調整するシムは用いる必要はない。従って、リアケーシング1Crに対して、インペラ1Zの長手方向の位置は、最大1mm程度の、製作公差の累積による寸法誤差が生じる可能性がある。
そこで、この斜流型のウォータージェットポンプPでは、組立てに際し以下のように組み立てることによって、ポンプケーシング1Cの内壁とインペラ1Zの外周縁との隙間が調整される。
即ち、上述のように、リアケーシング1Crにポンプ回転軸1Sとインペラ1Zを固定した状態で、該インペラ1Zが上方に位置するように組立台上に載置して、リアケーシング1Crに対して、上方からフロントケーシング1Cfを、該フロントケーシング1Cfの内壁にインペラ1Zの外周縁が当接する位置まで、静かに被せる。その当接した状態で、リアケーシング1Crとフロントケーシング1Cfとの間の隙間を市販の隙間ゲージを使用して計測する。この計測は、市販の舌状の隙間ゲージを真っ直ぐ挿入するだけで簡単に且つ正確に計測できる。そして、その計測値に対して、所望の枚数の上記シム5を、該リアケーシング1Crとフロントケーシング1Cfとの間に介装して、ポンプケーシング1C(フロントケーシング1Cf)の内壁とインペラ1Zの外周縁との間に所定寸法範囲内の隙間を形成する。具体的には、この実施例では、フロントケーシング1Cfのインペラ1Z配置部分の傾斜角から、板厚が0.5mmのシム5を1枚挿入すると、0.1mmの上記隙間が形成されることを予め設計データ(あるいは実施データ)として得て(記憶して)おき、例えば、上記隙間ゲージの計測値が、0.7mmであるとすると、リアケーシング1Crとフロントケーシング1Cfとの間に、4枚のシム5を介装する。このように複数枚のシム5を組み合わせて使用するのに代えて、各種厚さの異なるシムを予め容易しておいて、該当する厚さのシムを選択するようにしてもよい。
この結果、ポンプケーシング1Cの内壁とインペラ1Zの外周縁との間に、0.26mmの隙間が形成されることになる。従って、上記隙間ゲージの計測値が、0.4mmであるとすると、リアケーシング1Crとフロントケーシング1Cfとの間に、3枚のシム5を介装すると、上記ポンプケーシング1Cの内壁とインペラ1Zの外周縁との隙間は、0.22mmとなる。
【0017】
このように、本構成の斜流型ウォータージェットポンプの場合には、上述のように、インペラ1Zをポンプ回転軸1Sから、組立・分解を行う毎に脱着して、つまり試行錯誤して、ポンプケーシング1Cの内壁とインペラ1Zの外周縁との隙間を調整することなく、何度も組立と分解をしなくとも1度で簡単に且つ短時間で隙間調整することができる。
そして、このように隙間調整が完了すると、図7に図示するように、ケーシング周囲に配設される取付ボルト30によって、フロントケーシング1Cfをリアケーシング1Crに固定する。
しかし、本構成を有する斜流型ウォータージェットポンプの場合には、上記シム5の枚数分(あるいは1枚の対応厚さのシムの場合にはその厚さ分)だけ、ウォータージェットポンプPの全長が、微妙に変化することになる。
【0018】
ところで、このようにウォータージェットポンプPの全長が変化しても、本発明にかかる取付構造を採用すれば、船体側の取着部材に簡単にシール構造を維持して取着することができる。
即ち、図3あるいは図4に図示するように、上記ウォータージェットポンプPの前端部(吸込口側の部分)1xが、前端側で僅かに細径になったテーパ状に形成され、このテーパ状になった前端部1xに、ポンプケーシング1Cの周囲を周回する溝2が形成されている。この実施例の場合には、上記溝2は、図4に拡大して図示するように、溝断面が矩形状に形成されている。
そして、この前端部1xには、図3あるいは図4に図示するようなシール部材4が配設されている。このシール部材4は、軟質のゴムからなり、全体形状が、上記ポンプケーシング1Cの前端部1xの形状に合致した、且つ前端壁4fが周縁を残して開口した、テーパ皿状の形態(図3参照)を有する。そして、このシール部材4の外周面には該外周面を周回するよう凸状(この実施例では断面半円状)の収縮部4aが前後の離間した二箇所に形成されるとともに、後端の内周面には該内周面を周回する内方に突出した上記溝2より幅狭で高さ(深さ)方向の寸法の大きな断面略矩形状のリップ4bが形成されている。また、このシール部材4の前端4cはフロントケーシング1Cfの前端面側に屈曲し上記前端壁4fを形成している。
【0019】
また、上記ポンプケーシング1Cの前端部1xが取着されるべき船体側に固定されている固定部材(この実施例では「ポンプブラケット」)3には、このポンプケーシング1Cの前端部1xのテーパ状に合致した凹部3Aが、ポンプ受座として形成されている。この凹部3Aは、全体的に断面が略L字状のリング形状をなし、凹部3Aの内周面3aは、上記ポンプケーシング1Cの前端部1xと同じテーパ角からなるテーパ面で構成されている。また、この固定部材3も、上記シール部材4の開口と同じ径の(正確にはそれよりやや大径)の開口3Bを有し、この開口3Bは、ウォータージェットポンプPの通水部分として機能する。
【0020】
そして、このように構成された本取付構造によると、まず、図5に図示するように、取付ようとするポンプケーシング1Cの固定部材3側の前端部1xに、屈曲している前端壁4fがポンプケーシング1Cの前面に沿い、且つ上記シール部材4のリップ4bが前端部1xの溝2内嵌まり込むような状態で取着する。
そして、次に、図6に図示するように、シール部材4を前端に取着したポンプケーシング1Cの前端部1xを、固定部材3の凹部3Aに、後方(図6の矢印Xの方向参照)から力を加えて挿着し、図7に図示するように、固定部材3側に螺着された取付ボルト31とナット32によって、スペーサ33を介して、ポンプケーシング1Cを固定部材3側に固定する。その挿着によって、図4に図示するように、シール部材4のリップ4bは溝2内で圧潰されて溝2を閉塞し、また凹部3Aの内周面3aによって、シール部材4の凸状の収縮部4aが圧潰されることによって、固定部材3とポンプケーシング1Cとの間がシールされる。また、挿入程度によっては、シール部材4の前端壁4fが、固定部材3のとポンプケーシング1Cとの間で圧潰され、この部分でもシールされる。
そして、ここで、このシール部材4が軟質のゴムから構成されているため、上記固定部材3とポンプケーシング1C(ウォータージェットポンプP)との間の挿着程度(長手方向の挿入程度)が2〜3mm程度変化しても、シール部材4の弾性と上記構成によって、シール性が保持されることになる。つまり、上述の介装するシム5の枚数によってウォータージェットポンプPの全長が1〜2mm程度変化したとしても、固定部材3側にウォータージェットポンプPをシール性を保持して取着することができる。
【0021】
ところで、上記実施例では、小型滑走艇の斜流型ウォータージェットポンプについて説明したが、それよりも大きな滑走艇の斜流型ウォータージェットポンプにも適用できることは言うまでもない。
【0022】
また、上記実施例では、リアケーシング側にポンプ回転軸を配設している場合の構成について説明したが、フロントケーシング側にポンプ回転軸を配設した場合にも同様に実施できることは言うまでもない。
【0023】
さらに、本発明は、斜流型ウォータージェットポンプ以外の軸流型のウォータージェットポンプにも適用できることはを言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】
本発明によると、斜流型ウォータージェットポンプに適用可能で、滑走艇への搭載の際の軸方向の位置決めが容易な取付構造を提供することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかる斜流型ウォータージェットポンプとその取付構造を採用した小型滑走艇の全体側面図である。
【図2】 図1に示す小型滑走艇の平面図である。
【図3】 図2に示す斜流型ウォータージェットポンプの詳細な構成を示す拡大図である。
【図4】 図3に示すウォータージェットポンプの要部拡大図である。
【図5】 図4に示す斜流型ウォータージェットポンプの組立の一過程における状態を示す拡大図である。
【図6】 図5に示す次の過程を示す分解側断面図である。
【図7】 ポンプケーシングを固定部材に取着した状態を示す平面図である。
【図8】 従来のウォータージェットポンプの斜流型ウォータージェットポンプの構造を示す拡大側断面図である。
【符号の説明】
P……ウォータージェットポンプ
1C……ポンプケーシング
1Cf……フロントケーシング
1Cr……リアケーシング
1S……ポンプ回転軸
1Z……インペラ
3……固定部材
4……シール部材
5……シム

Claims (3)

  1. 滑走艇の推進装置として使用され、固定部材側に対して前後方向の位置調整を必要とするウォータージェットポンプの取付構造において、
    ポンプケーシングの前端部を、前端方で細径になったテーパ状に形成するとともに、上記テーパ状になった前端部に、ケーシング周囲を周回するように、溝を形成し、
    外周面を周回する凸状の収縮部を形成するとともに、後端で内周面を周回する内方に突出したリップを形成したシール部材を、該シール部材のリップが上記溝に入り込むように配置し、
    固定部材側に、上記シール部材を前端部に配置したポンプケーシングの前端部を、該シール部材の少なくとも収縮部が圧潰され、且つ上記リップを上記溝内に圧潰するような、上記テーパ状になった前端部と対応するテーパ状になった凹部を形成して、
    固定部材側に、ウォータージェットポンプを、該固定部材側とポンプケーシングとの間をシールして配置したことを特徴とするウォータージェットポンプの取付構造。
  2. 前記シール部材の前端がポンプケーシング前端面側に屈曲していることを特徴とする請求項1記載のウォータージェットポンプの取付構造。
  3. 前記シール部材が、軟質のゴムによって構成されるとともに、前端壁が周縁を残して開口した、テーパ皿状の形態を有することを特徴とする請求項1又は2記載のウォータージェットポンプの取付構造。
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