JP3681931B2 - 電子レンジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネトロンによる高周波加熱を行う電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にオーブンレンジも含め、マグネトロンによる高周波加熱機能を備えた電子レンジでは、キャビティ内に食品がないときにマグネトロンを駆動するとマグネトロンからキャビティ内に発振されたマイクロ波のほとんどが反射されてマグネトロンに戻って来るので、マグネトロンが異常に加熱される。
【0003】
そこで従来の電子レンジでは、これを避けるために、ターンテーブルに重量センサを取付け、ターンテーブル上に食品が載置されているかどうかを判別し、食品の存在が判別されないときにはマグネトロンによる加熱ができないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の食品有無の判別機能を備えた電子レンジでは、食品の重量を検出する重量センサが食品の重さだけでなく、食品を収容している容器の重さも区別せずに検出してしまうので、空容器だけがターンテーブル上に置かれた場合にも食品有りと判断してマグネトロンの加熱を開始してしまう問題点があった。
【0005】
また重量センサはその容積が比較的に大きく、キャビティ容積を圧迫し、キャビティ有効容積/電子レンジの体積を示すオーブン容積率を大きくとれない問題点があった。
【0006】
近年、加熱されている食品温度を検出するのに赤外線センサが採用されるようになっているが、この赤外線センサによりキャビティ内に食品が実際に存在しているかどうかまで判別するようにしたものは知られていない。
【0007】
本発明はこのような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、食品温度を検出する赤外線検出手段を利用してキャビティ内に食品が実際におかれているかどうかを自動的に判別し、食品無しと判断した場合にはマグネトロンによる加熱を初期の段階で中止し、電力の無駄を防止し、空加熱による機器への悪影響も防止できる電子レンジを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、食品の複数の部位の温度を赤外線検出手段を用いて非接触で検出し、食品の調理完了を判断して加熱を停止する機能を有する電子レンジにおいて、マグネトロンに供給される入力電圧を検出するマグネトロン電圧検出手段を備え、調理開始操作入力があったときにも、前記マグネトロンを駆動して食品の加熱を開始した後所定時間が経過したときにも前記赤外線検出手段の検出する温度分布から食品の有無を認識できず、かつ前記マグネトロン電圧検出手段の検出する前記マグネトロンの入力電圧が所定値以下である場合に、加熱を中止するようにしたものである。
【0010】
キャビティ内に置かれる食品については、それが室温程度の温度であり、しかも量が多い場合、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかず、食品無しと誤判断され、またマグネトロンによる加熱開始後所定時間が経過した段階でも、食品の温度上昇がほとんど検出されず、やはり食品無しと誤判断されることがあり得る。
【0011】
一方、電子レンジでは、キャビティ内に食品が置かれている状態でマグネトロンを駆動した場合には、食品にマイクロ波が有効に吸収されるためにマグネトロンの入力電圧は上昇するが、キャビティ内に食品が置かれていない状態でマグネトロンを駆動した場合には入力電圧がそれほど上昇しない。
【0012】
したがって、マグネトロンによる加熱を開始した後には、マグネトロンの入力電圧を所定電圧と比較することによって食品を有効に加熱しているか、空加熱している状態かを判断できる。
【0013】
そこで請求項1の発明の電子レンジでは、調理開始操作入力があった段階でも、マグネトロンを駆動して食品の加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも温度分布からは食品無しと判断されたときには、さらにマグネトロン電圧検出手段の検出するマグネトロンの入力電圧を所定値と比較し、マグネトロンの入力電圧が所定値以下である場合に最終的に食品無しと判断してマグネトロンの加熱を中止する。
【0014】
これにより、キャビティ内に置かれた食品が室温程度の温度であり、しかも量が多く、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロンによる加熱開始後も所定時間が経過する前の段階でも、食品の温度上昇がほとんど検出されないためにやはり食品無しと誤判断された場合でも、マグネトロンの入力電圧が所定値より高い場合には食品有りと正しく判断して加熱を継続することができ、反対に入力電圧が所定値以下の場合には最終的に食品無しと正確に判断してマグネトロンの加熱を中止し、空加熱を防止することができる。
【0023】
請求項の発明は、請求項1に記載の電子レンジにおいて、当該電子レンジがターンテーブルを備え、前記赤外線検出手段に、複数の赤外線感知素子を1列に並べたラインセンサを用い、前記ターンテーブルの回転と協働して前記食品の各部の温度を検出するようにしたものである。
【0024】
請求項の発明の電子レンジでは、赤外線検出手段にラインセンサを用いたことにより、少ない素子数にしてキャビティ内各部の温度検出ができ、当該電子レンジのコストを低減化にすることができる。
【0025】
請求項の発明は、請求項1に記載の電子レンジにおいて、前記赤外線検出手段に、複数の赤外線感知素子を面状に配置したエリアセンサを用いたものである。
【0026】
請求項の発明の電子レンジでは、赤外線検出手段にエリアセンサを用いたことにより、キャビティ内各部の温度測定が高速で行える。
【0027】
請求項の発明は、請求項1に記載の電子レンジにおいて、前記赤外線検出手段に、スイープ機構を有する1個の赤外線感知素子を用い、当該赤外線感知素子をスイープすることによって前記食品の各部の温度を検出するようにしたものであり、素子数がさらに削減できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1〜図7に基づき、本発明の第1の実施の形態の電子レンジについて説明する。図1及び図2は電子レンジ(あるいはオーブンレンジ)1の機械的な構造を示している。2は食品を入れるキャビティ、3はキャビティ2の扉、4は調理方法、調理温度、調理時間等の設定操作を行うための操作パネルで、数字表示窓5と操作ボタン6を備えている。7は食品を乗せて回転するターンテーブルである。そして8は赤外線センサであり、キャビティ2内のターンテーブル7上に載置された食品9の温度を検出できる位置に設置されている。
【0029】
図3及び図4に示すように赤外線センサ8は、それぞれ測定視野i1〜i8を持つリニアに並んだ8素子の温度感知素子を備えたラインセンサである。この赤外線センサ8には、例えばハイマン社のものを使用することができる。
【0030】
そして図2及び図4に示すように、赤外線センサ8の8素子の測定視野i1〜i8は、ターンテーブル7のほぼ中心から外側に半径方向に形成され、最外位置の視野i8はここではターンテーブル7の外側にもかかる設定にしてある。この赤外線センサ8の1回の温度測定ではターンテーブル7の1つの半径分の温度分布を得ることができるので、ターンテーブル7を回転させながら繰返し温度測定することにより、ターンテーブル7の1回転でターンテーブル7のほぼ全体の温度分布を得ることができる。そしてその温度分布には、ターンテーブル7だけの部分の温度(ここでは、「キャビティ温度」又は「背景温度」と称している。そして、通常、この温度は室温と等しいと見なすことができる)や食品9の各部分の温度が含まれていることになる。
【0031】
第1の実施の形態の電子レンジ1は図5に示した回路構成であり、赤外線センサ8と、調理のための操作ボタン6と表示器5の設けられている操作パネル4と、高周波加熱のためのマグネトロン61、オーブンとして高温加熱するためのヒータ62、そしてこれらのマグネトロン61、ヒータ62の加熱制御を行うための制御回路30から構成されている。この制御回路30はメモリを有する1チップマイコンであるが、その演算制御機能を分けて説明すると、次の通りである。
【0032】
制御回路30におけるA/D変換器31は赤外線センサ8の温度検出信号のA/D変換を行ってデジタル信号に変換して出力する。温度変換器32はA/D変換器31からの温度検出信号を温度値に変換して、赤外線センサ8の測定視野i1〜i8それぞれの検出温度を得、メモリ(図示せず)に保存する。
【0033】
温度設定装置33は、ユーザが操作パネル4により調理方法を選択したり、温度設定操作を行った場合にそれに応答して表示窓5に調理方法を表示し、あるいは設定温度を表示すると共に、その調理方法に応じてあらかじめ登録されている設定温度を読み出して出力する。設定温度記憶装置34は、温度設定装置33の出力する設定温度を記憶する。
【0034】
比較器35は温度変換器32の出力するキャビティ2内の食品の温度を設定温度記憶装置34に記憶されている設定温度と比較し、その差を求めて出力する。
【0035】
出力設定装置36は、ユーザが操作パネル4に対して調理方法を選択する操作を行ったときに、また出力レベルを選択する操作を行ったときに、それに見合う出力を設定する。タイマ装置37は、ユーザが操作パネル4の操作ボタン6により時間設定したとき、あるいは調理方法を選択したときに、それに応じた時間設定を行い、調理スタートからの時間経過をカウントする。
【0036】
出力制御回路38はタイマ装置37が出力オフ指令を与えるまで、出力設定装置36からの出力設定に対してそれに見合う出力をマグネトロン61が出力し、あるいはヒータ62が出力するように出力制御する。
【0037】
40は本実施の形態の特徴をなす食品有無判断装置であり、操作パネル4から加熱スタートボタン入力があったとき、また出力制御回路38とタイマ装置37の出力によりマグネトロン61の加熱制御が開始された後所定時間(ここでは、ターンテーブル7の2回転分の時間に相当する12秒に設定されている)が経過したときに、それぞれ温度変換器32の温度出力に基づいて食品有無の判断を行い、加熱スタート入力があったときにも、マグネトロン61を駆動して加熱を開始した後で所定時間経過したときにも食品の有無を認識できない場合、出力制御回路38にマグネトロン61の加熱制御を中止させる。
【0038】
次に、上記構成の第1の実施の形態の電子レンジの動作を、図6のフローチャートを用いて説明する。ユーザが操作パネル4に対して何らかの操作をし、スタートボタンを押すことにより本処理が開始し、制御回路30は操作パネル4の操作ボタンの状態を読み込む。一般ユーザによる操作であれば、ごはん、牛乳、お酒等の調理対象物を指定して温めボタンを押したり、解凍対象物を指定して解凍ボタンを押したり、さらにオーブン使用の場合には温度設定ボタンを押したり、調理方法の指定ボタンを押し、最後にスタートボタンを押す。
【0039】
このスタートボタンが押されると、図6の処理を開始し、赤外線センサ8は温度分布を測定する(ステップS00)。そして、食品有無判断装置40は赤外線センサ8の測定した温度分布に基づき、食品9がターンテーブル7上に載せられているかどうか判断する(ステップS05)。
【0040】
この最初の食品有無判断では、解凍目的で冷凍食品がターンテーブル7上に載せられている場合には確実に食品有りを判断することができる。通常、背景温度であるターンテーブル7の温度は室温程度であるが、冷凍食品であれば0℃以下であり、温度差が大きい。したがって、赤外線センサ8の測定した温度分布の中に他の部分と大きく異なって低い温度を示す領域があれば、食品有りと判断することができる。そして、食品有りと判断すれば、出力制御回路38に加熱開始指令を出力し、出力制御回路38はマグネトロン61に対して、指定された調理方法に対応した加熱制御を開始することになる(ステップS10,S35)。
【0041】
一方、ご飯やおかず類の温め調理が目的で電子レンジ1が使用される場合、ターンテーブル7上に載れられる食品9はほぼ室温であり、キャビティ内温度、またターンテーブル7自体の温度とほぼ等しい。このため、最初に測定された温度分布からは食品部分とターンテーブル部分との温度差がほとんどなく、食品有無判断装置40は食品無しと誤判断してしまう可能性が高い。そしてこの場合には、出力制御回路38には加熱スタート指令を渡し、初期加熱を開始させる(ステップS05,S15)。
【0042】
食品有無判断装置40は、初期加熱の開始の後、所定時間(ここでは、12秒間)加熱を継続させたのち、赤外線センサ8の測定する温度分布から再度、食品有無を判断する(ステップS20,S25)。
【0043】
図7に示したように、室温T0程度の温度状態の食品であれば、あまりに大量ではない限り、加熱によって曲線Aに示すような温度上昇を示す。一方、キャビティ2内のターンテーブル7部分の温度上昇は曲線Bに示すように上昇が鈍いものである。したがってターンテーブル7が2,3回回転するのに必要な時間長さt1だけ加熱した段階でも、食品9は温度T1まで大きく上昇し、ターンテーブル7部分の温度との温度差は大きくなる。このため、加熱開始後、所定時間経過した時点での温度分布に基づく食品有無の判断により、背景温度よりも高い温度値を示す領域が見られれば食品有りと判断することができ、これにより、指定された調理方法に対応した加熱を継続することになる(ステップS25,S35)。そして、ステップS25における2回目の判断でも、温度上昇を示している部分がない場合には、食品無しと判断して出力制御回路38に加熱中止指令を渡し、出力制御回路38によるマグネトロン61の加熱制御を停止させる(ステップS25,S30)。
【0044】
これにより、第1の実施の形態では、食品温度を検出する赤外線センサ8を利用してキャビティ2内に食品9が実際に置かれているかどうかを自動的に判別し、食品無しと判断した場合にはマグネトロン61による加熱を初期の段階で中止し、電力の無駄を防止し、空加熱による機器への悪影響も防止することができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態においても、赤外線センサ8の1つの視野、ここでは視野i8についてはターンテーブル7の外側の温度を測定する設定にすれば、広い面積の食品(例えば、冷凍ピザパイ)をターンテーブル7上に載せて加熱する場合でも、その視野i8に対する測定温度から背景温度又はキャビティ温度を決定することができ、他の視野i1〜i7が低い温度を示し、この視野i8だけがそれよりも高い温度を示していれば、食品有りと判断することができるようになり、加熱開始スタート操作入力時の食品有無判断がより正確にできる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態の電子レンジについて、図8〜図10に基づいて説明する。第2の実施の形態は、調理スタート操作入力があった段階でも、マグネトロンを駆動して食品の加熱を開始した後、所定時間経過した段階でも、赤外線センサの測定したキャビティ内の温度分布からは食品無しと判断されたときには、さらにマグネトロンの入力電圧を所定値と比較し、マグネトロンの入力電圧が所定値以下である場合に、最終的に食品無しと判断してマグネトロンの加熱を中止することを特徴とする。なお、電子レンジ1の構造、また用いる赤外線センサ8は図1〜図4に示した第1の実施の形態と同様である。
【0047】
一般に、キャビティ1内に置かれる食品9については、それが室温程度の温度であり、かつ短時間の高周波加熱では温度上昇をほとんど示さないほどに大量である場合、加熱スタート入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかず、食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱開始後、所定時間が経過した段階でも、食品9の部分に温度上昇がほとんど検出されず、やはり食品無しと誤判断されることがあり得る。また、冷凍食品であってもターンテーブル7の全体を覆うほどに面積が広く、一方、赤外線センサ8はターンテーブル7の外側の温度測定を行う測定視野が設定されていない場合にも同様である。
【0048】
一方、図10に示すように、電子レンジ1では、キャビティ2内に食品9が置かれている状態でマグネトロン61を駆動した場合には、その食品9の量に応じてマグネトロン61の入力電圧は上昇する特性を示す。そこで、マグネトロン61の入力電圧にスレシュホールド電圧Vthを設定し(これは、電子レンジ1の仕様によって異なり、実験的に決定される)、マグネトロン61の入力電圧とこの所定電圧Vthとを比較すれば、大量の食品を加熱しているかどうか判断することができる。
【0049】
第2の実施の形態では、この原理に基づき、マグネトロン61により加熱開始した後、所定時間が経過したときに測定した温度分布からは食品無しと判断された場合でも、さらにマグネトロン61の入力電圧を所定電圧Vthと比較することによって大量の食品を加熱しているのではないかどうかを判断し、大量の食品を加熱しているのではないと判断した時に食品無しであると最終判断してマグネトロンによる加熱制御を中止し、そうでなければ加熱を継続する。
【0050】
第2の実施の形態の電子レンジ1の制御回路30−1は、図8に示す構成である。この制御回路30−1における特徴は、マグネトロン61に対してその入力電圧を検出する端子電圧検出器63を設置し、かつ、食品有無判断装置40−1がこの端子電圧検出器63の電圧検出信号を上述した所定電圧Vthと比較し、最終的な食品無しの判断を行うようにした点である。その他の構成要素は、図5に示した第1の実施の形態のものと共通である。
【0051】
次に、第2の実施の形態の電子レンジ1の動作を、図9のフローチャートを用いて説明する。第1の実施の形態と同様にスタートボタンが押されると図9の処理を開始し、赤外線センサ8は温度分布を測定する(ステップS00)。そして、食品有無判断装置40−1は赤外線センサ8の測定した温度分布に基づき、最初の食品有無判断を行う(ステップS05)。
【0052】
最初の食品有無判断で食品有りと判断すれば、出力制御回路38に加熱開始指令を出力し、出力制御回路38はマグネトロン61に対して、指定された調理方法に対応した加熱制御を開始する(ステップS10,S35)。一方、大量のご飯やおかず類の温め調理が目的で電子レンジ1が使用される場合、食品有無判断装置40−1は食品無しと誤判断してしまう可能性が高い。その場合には、出力制御回路38に加熱スタート指令を渡し、初期加熱を開始させる(ステップS05,S15)。
【0053】
食品有無判断装置40−1は、初期加熱の開始の後、所定時間(ここでも、第1の実施の形態と同様に12秒間)加熱を継続させた後、赤外線センサ8の測定する温度分布から再度、食品有無を判断する(ステップS20,S25)。この2回目の食品有無判断で、背景温度よりも高い温度値を示す領域が見られれば食品有りと判断し、指定された調理方法に対応した加熱を継続する(ステップS25,S35)。
【0054】
しかしながら、大量の食品9を加熱しているような場合、上述したように温度分布からは食品無しと誤判断してしまうが、食品有無判断装置40−1は、2回目の食品無し判断をした場合には、さらにマグネトロン端子電圧検出器63からマグネトロン61の入力電圧検出信号を受け取って、所定電圧Vthと比較する(ステップS25,S26)。
【0055】
そして、マグネトロン61の入力電圧が所定電圧Vthよりも低ければ最終的に食品無しと判断して出力制御回路38に加熱制御停止指令を渡し、マグネトロン61の加熱を停止させる(ステップS26,S30)。一方、マグネトロン61の入力電圧が所定電圧Vth以上であれば、この場合には大量の食品を加熱しているものと見なして食品有りと判断し、マグネトロン61による加熱調理を継続させる(ステップS26,S35)。
【0056】
なお、冷凍食品を解凍する場合、その面積がターンテーブル7を完全に覆うほどに広く、一方、赤外線センサ8はターンテーブル7の外側の温度測定を行う測定視野が設定されていない場合、加熱スタート直後にも、また加熱開始後の所定時間が経過した時点でも、赤外線センサ8による温度分布データからは温度差が出ないために食品無しと誤判断することがあり得るが、この場合にも初期加熱の後のマグネトロンの入力電圧の高低により食品有無を正確に判断できることになる。
【0057】
これにより、第2の実施の形態では、食品温度を検出する赤外線センサ8を利用してキャビティ2内に食品9が実際に置かれているかどうかを自動的に判別し、食品無しと判断した場合にはマグネトロン61による加熱を初期の段階で中止し、電力の無駄を防止し、空加熱による機器への悪影響も防止することができる。
【0058】
しかも、キャビティ2内に置かれた食品9が室温程度の温度であり、しかも量が多く、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱開始後、所定時間が経過した段階でも食品の温度上昇がほとんど検出されないためにやはり食品無しと誤判断された場合でも、マグネトロン61の入力電圧が所定値Vth以上であるときには食品有りと正しく判断して加熱を継続することができ、反対に入力電圧が所定値Vthよりも低いときには最終的に食品無しと正確に判断してマグネトロンの加熱を中止し、空加熱を防止することができる。
【0059】
次に、本発明の第3の実施の形態の電子レンジについて、図11及び図12に基づいて説明する。第3の実施の形態は、調理スタート入力があった段階でも、またマグネトロンを駆動して食品の加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも食品の有無を認識できない場合には、さらにマグネトロンの温度が所定値以上であるときに限って加熱を中止することを特徴とする。なお、電子レンジ1の構造、赤外線センサ8の構成は図1〜図4に示した第1の実施の形態と同様である。
【0060】
第2の実施の形態でも説明したように、キャビティ1内に置かれる食品9が大量である場合、加熱スタート入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも、食品9の部分に温度上昇がほとんど検出されずにやはり食品無しと誤判断されることがあり得る。また、冷凍食品であってもターンテーブル7の全体を覆うほどに面積が広く、一方、赤外線センサ8はターンテーブル7の外側の温度測定を行う測定視野が設定されていない場合にも同様である。
【0061】
一方、マグネトロン61は、マイクロ波を吸収する食品9が存在しない状態で加熱を開始すると、キャビティ2内で反射して戻ってくるマイクロ波によって自身を加熱してしまう。そこで、赤外線センサ8によって測定した温度分布に基づく判断では食品無しとされた場合でも、さらに初期加熱の後のマグネトロン61自身の温度上昇の有無を見れば、食品9がキャビティ2内に存在しているかどうかを最終的に判断することができる。
【0062】
第3の実施の形態の電子レンジでは、この原理に基づき、調理スタート操作入力があった段階でも、マグネトロン61を駆動して食品の加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも食品無しと判断した場合には、さらにマグネトロンの温度が所定値以上であるときに限って加熱を中止するようにしているのである。
【0063】
第3の実施の形態の電子レンジ1の制御回路30−2は、図11に示す構成である。この制御回路30−2における特徴は、マグネトロン61に対してその温度を検出するマグネトロン温度検出用サーミスタ64を設け、かつ、食品有無判断装置40−2がこのサーミスタ64の温度検出信号を上述した所定温度と比較し、最終的な食品無しの判断を行うようにした点である。その他の構成要素は、図5に示した第1の実施の形態のものと共通である。
【0064】
次に、第3の実施の形態の電子レンジ1の動作を、図12のフローチャートを用いて説明する。第1の実施の形態と同様にスタートボタンが押されると、図12の処理を開始し、赤外線センサ8は温度分布を測定する(ステップS00)。そして、食品有無判断装置40−2は赤外線センサ8の測定した温度分布に基づき、最初の食品有無判断を行う(ステップS05)。
【0065】
最初の食品有無判断で、食品有りと判断すれば、出力制御回路38に加熱開始指令を出力し、出力制御回路38はマグネトロン61に対して、指定された調理方法に対応した加熱制御を開始する(ステップS10,S35)。一方、大量のご飯やおかず類の温め調理が目的で電子レンジ1が使用される場合、食品有無判断装置40−2は食品無しと誤判断してしまう可能性が高い。その場合にも、出力制御回路38には加熱スタート指令を渡し、初期加熱を開始させる(ステップS05,S15)。
【0066】
食品有無判断装置40−2は、初期加熱の開始の後、所定時間(ここでは、マグネトロン61の温度上昇が期待できる時間を見越し、第1の実施の形態よりも長い36秒間に設定している。ただし、この所定時間は実験的に決定する)の間、赤外線センサ8の温度分布データからキャビティ2内のいずれかの部分に温度上昇が見られないどうか繰返し確かめながら、継続して加熱する(ステップS20−1,S20−2)。
【0067】
この初期加熱期間の間に、キャビティ2内のいずれかの部分に温度上昇が認められた場合、食品有りとみなせるので食品有無判断は終了し、本来の加熱調理に移行する(ステップS20−2,S35)。
【0068】
一方、初期加熱の期間中にキャビティ2内のいずれの場所にも温度上昇が見られない場合、この期間終了後に、赤外線センサ8の測定した温度分布データから食品有無を判断する(ステップS20−1,S25)。
【0069】
この2回目の食品有無判断で、背景温度よりも高い温度値を示す部分が見られれば食品有りと判断し、指定された調理方法に対応した加熱を継続する(ステップS25,S35)。
【0070】
しかしながら、大量の食品9を加熱しているような場合、上述したように温度分布からは食品無しと誤判断してしまうが、食品有無判断装置40−2は、2回目の食品無し判断をした場合には、さらにマグネトロン温度検出用サーミスタ64からマグネトロン61の温度信号を受け取って、所定温度Tthと比較する(ステップS25,S27)。
【0071】
そして、マグネトロン61の温度が所定温度Tth以上になっていれば最終的に食品無しと判断し、出力制御回路38に加熱制御停止指令を渡し、マグネトロン61の加熱を停止させる(ステップS27,S30)。一方、マグネトロン61の温度が所定値Tthになっていなければ、この場合には大量の食品を加熱しているものと見なして食品有りと判断し、マグネトロン61による加熱調理を継続させるのである(ステップS27,S35)。
【0072】
なお、冷凍食品を解凍する場合、その面積がターンテーブル7を完全に覆うほどに広く、一方、赤外線センサ8はターンテーブル7の外側の温度測定を行う測定視野が設定されていない場合、加熱スタート直後にも、また加熱開始後の所定時間が経過した時点でも、赤外線センサ8による温度分布データからは温度差が出ないために食品無しと誤判断することがあり得るが、この場合にも初期加熱の後のマグネトロンの温度上昇の高低により食品有無を正確に判断できることになる。
【0073】
これにより、第3の実施の形態では、食品温度を検出する赤外線センサ8を利用してキャビティ2内に食品9が実際に置かれているかどうかを自動的に判別し、食品無しと判断した場合にはマグネトロン61による加熱を初期の段階で中止し、電力の無駄を防止し、空加熱による機器への悪影響も防止することができる。
【0074】
しかも、キャビティ2内に置かれた食品9が室温程度の温度であり、しかも量が多く、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも食品の温度上昇がほとんど検出されないためにやはり食品無しと誤判断された場合でも、マグネトロン61自身の温度が所定値Tthになっていないときには食品有りと正しく判断して加熱を継続することができ、反対にマグネトロン温度が所定値Tth以上であるときには最終的に食品無しと正確に判断してマグネトロンの加熱を中止し、空加熱を防止することができる。
【0075】
次に、本発明の第4の実施の形態の電子レンジ1について、図13及び図14に基づいて説明する。第4の実施の形態は、赤外線センサ8とは別に、キャビティ2内の温度を検出するオーブンサーミスタ65を備え、調理スタート操作入力があった時にも、またマグネトロン61を駆動して加熱を開始した後所定時間が経過した時にも食品有りを認識できず、しかもオーブンサーミスタ65の検出するキャビティ2内の温度が所定値以上であるときに限って食品無しと最終的に判断して加熱を中止することを特徴とする。なお、電子レンジ1の構造、赤外線センサ8の構成は図1〜図4に示した第1の実施の形態と同様である。
【0076】
第2、第3の実施の形態で説明したように、キャビティ1内に置かれる食品9が大量である場合、加熱スタート入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも、食品9の部分に温度上昇がほとんど検出されずにやはり食品無しと誤判断されることがあり得る。また、冷凍食品であってもターンテーブル7の全体を覆うほどに面積が広く、一方、赤外線センサ8はターンテーブル7の外側の温度測定を行う測定視野が設定されていない場合も同様である。
【0077】
一方、マグネトロン61がマイクロ波を吸収する食品が存在しない状態で加熱を開始すると、キャビティ2の内壁にマイクロ波が吸収されてキャビティ2内の温度、つまり背景温度が徐々に上昇する。そこで、キャビティ2内の温度上昇を見れば、食品がキャビティ内に存在しているかどうかを判断することができる。
【0078】
第4の実施の形態の電子レンジでは、このような原理に基づき、調理スタート操作入力があった段階でも、またマグネトロン61を駆動して加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも食品無しと判断された場合、さらにオーブンサーミスタ65の検出するキャビティ2内の温度が所定値以上であるときに限って食品無しと最終的に判断して加熱を中止するようにしているのである。
【0079】
第4の実施の形態の電子レンジ1の制御回路30−3は、図13に示す構成である。この制御回路30−3において特徴は、キャビティ2内にキャビティ温度検出用のオーブンサーミスタ65を設け(なお、電子レンジ1がオーブンレンジである場合に通常、オーブンサーミスタは初めから設置されているので、それを流用することができる)、かつ、食品有無判断装置40−3がこのサーミスタ65の温度検出信号を所定温度と比較し、最終的な食品無しの判断を行うようにした点である。その他の構成要素は、図5に示した第1の実施の形態のものと共通である。
【0080】
次に、第4の実施の形態の電子レンジ1の動作を、図14のフローチャートを用いて説明する。第1の実施の形態と同様にスタートボタンが押されると、図14の処理を開始し、赤外線センサ8は温度分布を測定する(ステップS00)。そして、食品有無判断装置40−3は赤外線センサ8の測定した温度分布に基づき、最初の食品有無判断を行う(ステップS05)。
【0081】
最初の食品有無判断で食品有りと判断すれば、出力制御回路38に加熱開始指令を出力し、出力制御回路38はマグネトロン61に対して、指定された調理方法に対応した加熱制御を開始する(ステップS10,S35)。一方、大量のご飯やおかず類の温め調理が目的で電子レンジ1が使用される場合、食品有無判断装置40−3は食品無しと誤判断してしまう可能性が高い。その場合には、出力制御回路38には加熱スタート指令を渡し、初期加熱を開始させる(ステップS05,S15)。
【0082】
食品有無判断装置40−3は初期加熱の開始の後、所定時間(ここでは、マグネトロン61によりキャビティ2内の温度上昇が期待できる時間を見越し、第1の実施の形態よりも長い72秒間に設定している。ただし、この所定時間は実験的に決定する)の間、赤外線センサ8の温度分布データからキャビティ2内のいずれかの部分に他の部分と比べて大きく温度上昇する部分が見られないどうか繰返し確かめながら、継続して加熱する(ステップS21−1,S21−2)。
【0083】
この初期加熱期間の間に、キャビティ2内のいずれかの部分に大きな温度上昇が認められた場合、食品有りとみなせるので食品有無判断は終了し、本来の加熱調理に移行する(ステップS21−2,S35)。
【0084】
一方、初期加熱の期間中にキャビティ2内のいずれの場所にも他の部分と比べて大きく温度上昇する部分が見られない場合、この期間終了後に、赤外線センサ8の測定した温度分布データから食品有無を判断する(ステップS21−1,S25)。
【0085】
この2回目の食品有無判断で、背景温度よりも高い温度値を示す部分が見られれば食品有りと判断し、指定された調理方法に対応した加熱を継続する(ステップS25,S35)。
【0086】
しかしながら、大量の食品9を加熱しているような場合、上述したように温度分布からは食品無しと誤判断してしまうが、食品有無判断装置40−3は、2回目の食品無し判断をした場合には、さらにオーブンサーミスタ65からキャビティ2内の温度信号を受け取って、所定温度Tcrと比較する(ステップS25,S28)。
【0087】
そして、キャビティ2の温度が所定温度Tcr以上になっていれば最終的に食品無しと判断し、出力制御回路38に加熱制御停止指令を渡し、マグネトロン61の加熱を停止させる(ステップS28,S30)。一方、キャビティ2の温度が所定値Tcrになっていなければ、この場合には大量の食品を加熱しているものと見なして食品有りと判断し、マグネトロン61による加熱調理を継続させるのである(ステップS28,S35)。
【0088】
なお、冷凍食品を解凍する場合、その面積がターンテーブル7を完全に覆うほどに広いものであれば、加熱スタート直後にも、また加熱開始後の所定時間が経過した時点でも、赤外線センサ8による温度分布データからは温度差が出ないために食品無しと誤判断することがあり得るが、この場合にも初期加熱の後のキャビティ2の温度上昇の高低により食品有無を正確に判断できることになる。
【0089】
これにより、第4の実施の形態では、食品温度を検出する赤外線センサ8を利用してキャビティ2内に食品9が実際に置かれているかどうかを自動的に判別し、食品無しと判断した場合にはマグネトロン61による加熱を初期の段階で中止し、電力の無駄を防止し、空加熱による機器への悪影響も防止することができる。
【0090】
しかも、キャビティ2内に置かれた食品9が室温程度の温度であり、しかも量が多く、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロン61による加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも食品の温度上昇がほとんど検出されないためにやはり食品無しと誤判断された場合でも、キャビティ2内の温度が所定値Tcrになっていないときには食品有りと正しく判断して加熱を継続することができ、反対にキャビティ温度が所定値Tcr以上であるときには最終的に食品無しと正確に判断してマグネトロンの加熱を中止し、空加熱を防止することができる。
【0091】
なお、上記の各実施の形態では、赤外線センサ8として、赤外線ラインセンサを使用し、ターンテーブル2の回転と協働させることによってターンテーブル2の全体の温度分布を測定するようにしたが、赤外線センサの種類はこれに限定されるものではない。例えば、図15及び図16に示したように、赤外線センサ80として、ターンテーブル2のほぼ全体をカバーできる視野、あるいはキャビティ2の底面のほぼ全体をカバーできる視野10を有する赤外線エリアセンサを採用することができる。このような赤外線センサ80を採用することにより、ラインセンサの場合のようにターンテーブルの回転を待たずに、1度の測定で必要なエリア全体の温度分布が測定でき、温度測定に必要な時間が短縮できる利点がある。加えて、ターンテーブル7を備えていない電子レンジに対しても、上記の第1〜第4の実施の形態を適用することができる。
【0092】
なおまた、赤外線ラインセンサ8に代えて、図17に示す構成のスイープ機構を備えたスポットセンサ仕様の赤外線センサ81を採用することもできる。そして赤外線センサ81の駆動機構は、赤外線センサ8を繰返しスイープ動作させるためのセンサ駆動装置71、ターンテーブル7の回転位置を検出するターンテーブル位置検出装置72、そしてターンテーブル7が所定角度だけ回転する度にセンサ駆動装置71に対してスイープ動作指令を与えるターンテーブル同期回路73によって構成される。
【0093】
これにより、赤外線センサ81が1度に測定できる視野はs1,s2,…のうちの1つだけであるが、この赤外線センサ81をD方向にスイープさせ、1つのスイープラインE上の視野s1〜s8について順次測定し、続いて、ターンテーブル2が所定角度だけ回転したときに、同様に赤外線センサ81をスイープさせる動作を繰返す制御を行うことにより、ラインセンサ仕様の赤外線センサ8と同様に、ターンテーブル7の1回転のうちにほぼ全体の温度分布が測定できる。
【0094】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、キャビティ内に置かれた食品が室温程度の温度であり、しかも量が多く、加熱開始操作入力があった段階の温度検出では背景温度と食品温度との区別がつかずに食品無しと誤判断され、またマグネトロンによる加熱を開始した後所定時間が経過した段階でも、食品の温度上昇がほとんど検出されないためにやはり食品無しと誤判断された場合でも、マグネトロンの入力電圧が所定値より高いときには食品有りと正しく判断して加熱を継続することができ、反対に入力電圧が所定値以下のときには最終的に食品無しと正確に判断してマグネトロンの加熱を中止し、空加熱を防止することができる。
【0097】
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加えて、電子レンジがターンテーブルを備え、赤外線検出手段に複数の赤外線感知素子を1列に並べたラインセンサを用い、ターンテーブルの回転と協働して食品の各部の温度を検出するようにしたので、少ない素子数にしてキャビティ内の温度検出ができ、当該電子レンジのコストを低減化することができる。
【0098】
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加えて、赤外線検出手段に複数の赤外線感知素子を面状に配置したエリアセンサを用いたので、キャビティ内の温度測定が高速で行え、またターンテーブルのない電子レンジに対してキャビティ内の食品有無を正確に判断できる。
【0099】
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加えて、赤外線検出手段にスイープ機構を有する1個の赤外線感知素子を用い、当該赤外線感知素子をスイープすることによって食品の各部の温度を検出するようにしたので、赤外線感知素子数が少ない赤外線検出手段を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電子レンジの構造を示す斜視図。
【図2】上記の第1の実施の形態の電子レンジのキャビティと赤外線センサの関係を示す説明図。
【図3】上記の第1の実施の形態で使用する赤外線センサを示す平面図及び正面図。
【図4】上記の第1の実施の形態における赤外線センサの視野とターンテーブルとの関係を示す平面図。
【図5】上記の第1の実施の形態の電子レンジの回路構成を示すブロック図。
【図6】上記の第1の実施の形態の電子レンジの加熱制御のフローチャート。
【図7】マグネトロンの加熱による食品の温度上昇特性を示すグラフ。
【図8】本発明の第2の実施の形態の電子レンジの回路構成を示すブロック図。
【図9】上記の第2の実施の形態の電子レンジの加熱制御のフローチャート。
【図10】マグネトロンの入力電圧と食品量との関係を示すグラフ。
【図11】本発明の第3の実施の形態の電子レンジの回路構成を示すブロック図。
【図12】上記の第3の実施の形態の電子レンジの加熱制御のフローチャート。
【図13】本発明の第4の実施の形態の電子レンジの回路構成を示すブロック図。
【図14】上記の第4の実施の形態の電子レンジの加熱制御のフローチャート。
【図15】エリアセンサ仕様の赤外線センサを採用した電子レンジの内部構造を示す斜視図。
【図16】上記のエリアセンサ仕様の赤外線センサの視野とターンテーブルとの関係を示す平面図。
【図17】スイープ機構を備えた赤外線センサを採用した電子レンジの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 電子レンジ、2 キャビティ、3 扉、4 操作パネル、7 ターンテーブル、8 赤外線センサ、9 食品、30,30−1,30−2,30−3 制御回路、38 出力制御回路、40,40−1,40−2,40−3 食品有無判断装置、61 マグネトロン、62 ヒータ、63 端子電圧検出器、64 マグネトロン温度検出用サーミスタ、65 オーブンサーミスタ。

Claims (4)

  1. 食品の複数の部位の温度を赤外線検出手段を用いて非接触で検出し、食品の調理完了を判断して加熱を停止する機能を有する電子レンジにおいて、
    マグネトロンに供給される入力電圧を検出するマグネトロン電圧検出手段を備え、
    調理開始操作入力があったときにも、前記マグネトロンを駆動して食品の加熱を開始した後所定時間が経過したときにも、前記赤外線検出手段の検出する温度分布から食品の有無を認識できず、かつ前記マグネトロン電圧検出手段の検出する前記マグネトロンの入力電圧が所定値以下である場合に、加熱を中止することを特徴とする電子レンジ。
  2. 請求項1に記載の電子レンジにおいて、当該電子レンジがターンテーブルを備え、前記赤外線検出手段は、複数の赤外線感知素子を1列に並べたラインセンサであり、前記ターンテーブルの回転と協働して前記食品の各部の温度を検出することを特徴とする電子レンジ。
  3. 請求項1に記載の電子レンジにおいて、前記赤外線検出手段は、複数の赤外線感知素子を面状に配置したエリアセンサであることを特徴とする電子レンジ。
  4. 請求項1に記載の電子レンジにおいて、前記赤外線検出手段は、スイープ機構を有する1個の赤外線感知素子であり、当該赤外線感知素子をスイープすることによって前記食品の各部の温度を検出することを特徴とする電子レンジ。
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