JP3681822B2 - Al−Zn−Mg系合金押出材とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼鈍材(0材)で加工性に優れ、溶体化時効硬化処理材(T6材)で靱性と耐応力腐食割れ性に優れたAl−Zn−Mg系合金押出材とその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは自動車用の成形部材例えばバンパー、二輪用のメインフレーム、スイングアーム等、切削及び鍛造等による電気、機械部品に使用されるAl−Zn−Mg系合金押出材(押出形材、押出棒材)とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年押出形材は、産業界のニーズから複雑な断面形状で中空を有し、曲げ、スウェ−ジング、拡管、バルジ加工等の成形加工(塑性加工)を施すのが主流となっている。
押出棒についても切削、冷間鍛造加工等の2次加工を行って所定の形状とした後、熱処理即ち溶体化処理後時効硬化処理(このように処理した材料を以下T6材という)を施す。
よって、Al合金素材に要求される特性は、押出材が種々の加工性に優れることであり、このため押出後焼鈍処理をして軟化した材料(以下0材という)とする必要がある。しかし、熱処理型合金であるAl−Zn−Mg系の従来合金では、軟化させた押出材に塑性加工を施した後にT6処理を行うと、その断面の全面もしくは大部分に再結晶を生じ、押出材表層部にオレンジピール等の欠陥を生じると共に、応力腐食割れを生じるため、塑性加工後のT6処理は行わないのが一般的であり、成形加工後にT6処理して強度と靱性に優れ、かつ応力腐食割れ性に優れた材料を得ることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記の問題を解決することであり、具体的にはAl−Zn−Mg系合金押出材の0材での各種の塑性加工(曲げ、スウェ−ジング、バルジ、据込加工等)性を改善し、又このような加工材のT6処理材の強度と靱性、金属組織及び耐応力腐食割れ性を改善したAl−Zn−Mg系合金押出材とその製造方法を見出すことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の状況に鑑み鋭意検討の結果、合金成分と押出後の0材焼鈍処理条件の検討により加工性を改善し、さらに加工後のT6処理条件の検討によりT6処理後の押出材の強度と靱性、組織、耐応力腐食割れ性を改善したものである。
即ち、前記課題を解決するための請求項1の発明は、Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金押出材の成形加工材であって、T6処理されており、材料の伸び/引張強さの比が0.030以上で、かつ断面組織がすべて繊維状組織か又は再結晶組織が表層部深さ300μm以下とした靱性と耐応力腐食割れ性に優れることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材である。
【0005】
請求項2の発明は、Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊を、420〜520℃の温度で2〜24時間の均質化熱処理をした後、430〜520℃の温度で押出加工を行い、次にこれを360〜420℃の温度で焼鈍処理を行い、これを30℃/hr以下の冷却速度で室温まで冷却して成形加工性に優れた材料とすることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法である。
【0006】
請求項3の発明は、Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊を、420〜520℃の温度で2〜24時間の均質化熱処理をした後、430〜520℃の温度で押出加工を行い、次にこれを360〜420℃の温度で焼鈍処理を行い、これを30℃/hr以下の冷却速度で室温まで冷却した後、これに成形加工を施こし、続いてこれを400〜500℃の温度で溶体化処理を行い、これを50℃/hr以上の冷却速度で室温まで冷却した後、90〜110℃の温度で2〜12時間の一段目の時効処理、さらに120〜180℃の温度で5〜24時間二段目の時効処理を施して、材料の伸び/引張強さの比が0.030以上で、かつ断面組織がすべて繊維状組織か又は再結晶組織が表層部深さ300μm以下として靱性と耐応力腐食割れ性に優れた材料とすることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、請求項1の発明は、Al−Zn−Mg系合金押出材であるが、詳細は前記のごとく所定のAl−Zn−Mg系合金押出材に成形加工を施し、これにT6処理を施した状態の材料である。
まず、本発明に係わるAl−Zn−Mg系合金押出材の合金組成の限定理由について説明する。
Znは、機械的性質を向上させる効果がある。その添加量が4.00wt%未満では効果がなく、一方6.50wt%を越えて添加すると耐応力腐食割れ性(以下耐SCC性ともいう)、成形性及び押出加工性が劣化し、生産性も低下する。従って本発明ではZnの添加量を4.00〜6.50wt%と限定した。
Mgは、機械的性質を向上させる元素であるが、その添加量が0.50wt%未満ではその効果が少なく、一方1.50wt%を越えて添加すると耐応力腐食割れ性、成形性及び押出加工性が劣化し、生産性も低下する。従って本発明ではMgの添加量を0.50〜1.50wt%と限定した。
【0008】
Cuは、機械的性質を向上させるとともに、耐応力腐食割れ性を向上させる効果がある。その添加量が0.10wt%未満ではその効果がなく、一方0.50wt%を越えて添加すると耐食性に害を及ぼす。従って本発明ではCu添加量を0.10〜0.50wt%と限定した。
Zrは、合金中の再結晶粒の粗大化を抑制し、結晶粒を繊維状組織として組織の安定化を図ると共に曲げ加工、スウェ−ジング加工等の成形性を改善する効果がある。その添加量が0.10wt%未満ではその効果が少なく、一方0.50wt%を越えて添加すると粗大なAl−Zr系金属間化合物が生成して靱性等を劣化させる。従って本発明ではZrの添加量を0.10〜0.50wt%と限定した。
【0009】
MnおよびCrは、その共存状態でアルミニウム素地中に微細に分散した繊維状組織の再結晶化を防止して組織を安定化し、曲げ加工、スウェ−ジング加工等の成形加工後の押出材の表面にオレンジピール状の肌荒れが発生することを防ぐ効果がある。その添加量がそれぞれ0.05wt%未満ではその効果が少なく、逆にそれぞれ0.20wt%を越えて添加するとその効果が飽和する一方で粗大な金属間化合物を生成したり、焼き入れ感受性が増大したりするほかに、強度及び押出加工性にも悪影響を及ぼす。従って本発明ではMnおよびCrの添加量をそれぞれ0.05〜0.20wt%と限定した。
また、Ti、Ni、B等の不純物についてはそれぞれが0.05wt%以下、であれば本発明の効果に悪影響を及ぼさないので含有しても差し支えない。
【0010】
次に、本材料は、焼鈍した材料について曲げ、スウェ−ジング等の成形加工を施し、更にT6処理を施した材料であるが、材料の伸び/引張強さの比が0.030以上と限定したのは、本材料は自動車用の成形部材例えばバンパー、二輪用のメインフレーム、スイングアーム等の構造部材を目的とするものであり、製品の性質上材料にねばり強さ、即ち靱性が必要であるからである。本発明においては、材料の伸び/引張強さの比をこの靱性特性の目安とした。
また、本発明において、材料の断面組織がすべて繊維状組織か又は再結晶組織が表層部深さ300μm以下と限定したのは、前記の靱性特性と耐応力腐食割れ性を改善するためである。
なお、再結晶組織が表層部の深さ300μ以下の場合は、後の表面加工(バフによる加工、ショットによる加工等)により除去できるので、最終製品では問題ない。
【0011】
請求項2の発明は、成形加工性に優れたAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法に関するものである。
前述のごとく、押出材は曲げ、スウェ−ジング等の成形加工が施されるが、本発明においては、特に熱間押出材の焼鈍後の冷却において、その冷却速度を非常に遅くすることにより、成形加工性を改善したものである。
また、請求項3の発明は、前記の成形加工後に、T6処理を施すもので、請求項1の発明に係わるAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法に関するものである。
【0012】
ところで、Al−Zn−Mg系合金押出材は一般に、均質化熱処理した鋳塊を熱間押出加工でプレス焼入れ又は別途溶体化処理をし、その後、人工時効処理する方法と熱間押出加工後に焼鈍処理をし、塑性加工を行った後、T6処理を施す方法で製造される。
本発明の製造方法は、本発明に係わるAl合金を用いて、後者の製造の各段階での温度条件や処理時間条件を限定することにより、目的を達成するものである。
【0013】
以下、請求項2及び3の製造方法の発明における各段階の製造条件について、詳細に説明する。
まず、本発明に係わるAl合金鋳塊に均質化熱処理を施す。
均質化熱処理はZr、Mn、Cr等の化合物を微細均一に分散させるために比較的高温で行う。ただし520℃を越える温度や24時間を越えて処理すると、押出後の断面表層の再結晶を促進し、又は析出物が粗大化して押出性、焼入感受性等の特性が悪化する。一方、420℃未満や2時間未満の処理では均質化が不充分である。従って本発明において、均質化熱処理は420〜520℃×2〜24時間の条件で行う。
【0014】
次に鋳塊を押出温度まで再加熱して熱間押出加工を行う。
押出温度については、押出加工が困難な押出比の大きい薄肉の中空形材も加工できるように430〜520℃の高温で行う。従来の合金をこのような高温で押出加工すると、再結晶が進行し、粗大な再結晶粒が生成するため耐応力腐食割れ性が著しく低下し、また粗大な金属間化合物が生成するため、押出加工性、成形性、耐食性等が悪化する。しかしながら本発明に係わる組成の合金においては、Zr添加で再結晶粒のない繊維状組織とすること、MnとCrを微細に分散させることにより再結晶の進行を抑制し、さらにCu添加で耐SCC性を大幅に向上させることにより、高温での押出加工を可能としている。
なお、押出温度が430℃未満では中空形材の押出が困難であり、520℃を越えると押出後の断面表層の再結晶を促進し、又は析出物が粗大化して押出性、焼入感受性等の特性が悪化する。従って押出温度は430〜520℃とする。
【0015】
次に押出材に焼鈍処理を行う。
焼鈍処理は、固溶中の溶質元素を粗大に析出させると共に粗大な金属間化合物の生成による機械的性質及び硬度の低下により、焼鈍処理後の曲げ、スウェ−ジング、バルジ、据込み加工等の塑性加工が可能となる。ただし420℃を越える温度で焼鈍処理すると、再結晶を誘発すると共に焼入感受性が鈍感なために強度アップを促す。一方、360℃未満では焼鈍処理が不充分となる。
なお、焼鈍処理後の室温までの冷却は、冷却速度を30℃/hr以下に抑える必要がある。なぜなら、冷却速度が30℃/hrを越えると焼入感受性が鈍感なために充分な0材硬度を得るのが難しい。よって焼鈍処理条件は、360〜420℃の温度で焼鈍し、30℃/hr以下の冷却速度で冷却する必要がある。
【0016】
次に焼鈍処理後は、曲げ、スウェ−ジング、バルジ、据込み加工等の塑性加工を行う。塑性加工後は、通常の熱処理型合金のようにT6処理(溶体化処理と人工時効処理)を行い、機械的性質をアップする必要がある。
溶体化処理は、溶質元素をアルミニウム素地に充分に固溶させた過飽和固溶体を形成する必要がある。ただし、溶体化処理温度が500℃を越えると共晶溶融(バーニング)を生じて、金属組織に欠陥を生じると共に機械的性質が低下する。一方、400℃未満では溶体化が不充分である。なお、溶体化処理後の冷却速度は50℃/hr以上で行う必要がある。なぜなら、50℃/hr未満で冷却すると強度を付与するための充分な過飽和固溶体が得られず、さらに、押出材の全断面が再結晶するか又は表層部に粗大な再結晶を生じる。よって溶体化処理条件は400〜500℃の温度で行い、溶体化処理の冷却は50℃/hr以上の冷却速度で行う必要がある。
【0017】
次に、これらの材料は人工時効硬化処理を行う。
この人工時効処理は、溶体化処理で得られた過飽和固溶体を低温で加熱処理することにより析出物を微細に析出させるものである。
具体的には二段時効とし、一段目の時効でMgZn2 の微細析出物を均一に分散させ、二段目の高温時効で粗大なGPゾーンあるいは中間相へと成長させる。一段目の人工時効は、析出物の粗大化を防ぎつつ、微細な析出物を十分に均一に分散析出させるために、90〜110℃で2〜12時間の条件で行う。
二段目の時効処理は、一段目より高温で行うが、180℃を越える温度で処理を行うとMgZn2 が粗大に析出し、成形性、耐食性が劣化する。一方、120℃未満の温度で処理を行うとGPゾーンあるいは中間相への成長が不充分となり、強度が不足する。さらに生産性を考慮して、本発明においては二段目の時効処理は120〜180℃で5〜24時間の条件で行う。
【0018】
以上説明したように、本発明の製造方法によるAl−Zn−Mg系合金押出材は、焼鈍処理後に塑性加工(曲げ、スウェ−ジング、バルジ、据込み加工等)を行い、続いてT6処理を施しても、材料の断面組織がすべて繊維状組織か又は
再結晶組織を表層部の深さ300μ以下とすることができる。
なお、再結晶組織が表層部の深さ300μ以下の場合は、後の表面加工(バフによる加工、ショットによる加工等)により除去できるので、最終製品では問題ない。
また、このような材料は、強度、靱性に優れ、耐応力腐食割れ性にも優れている。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例(本発明例)を、比較例、従来例と比較しながら、更に詳細に説明する。
表1に示す組成の本発明例(No.1〜4)、比較例(No.5〜7)、従来例(No.8〜10)の合金をDC鋳造によりφ219mmの押出用鋳塊に鋳造し、均質化熱処理をそれぞれ表1に示す条件で行った。その後、表1に示す押出温度までそれぞれ再加熱し、中空形材(断面:巾60mm×高さ60mm×肉厚3.0mm)及びφ20mmの押出棒に押出加工した。押出後、表1に示す焼鈍処理条件で焼鈍し、その後表1に示す冷却速度で室温まで冷却して焼鈍材(0材)を作製した。焼鈍処理後の0材形材のみ、角管スウェ−ジングにより断面が巾40mm×高さ40mm×肉厚2.5mmの角管に塑性加工した後、表1に示す溶体化処理条件(処理後の冷却速度を考慮)で、溶体化処理を行った。溶体化処理後は、表1に示す2段の人工時効処理を施して供試材を作製した。
【0020】
【表1】
【0021】
これらの供試材について、0材については機械的性質、スウェ−ジング加工性、据込加工性を評価し、T6材については機械的性質、金属組織、耐応力腐食割れ試験(塩水噴霧試験及びクロム酸促進試験)を評価した。
0材及びT6材の機械的性質は、JIS5号引張試験片を押出長手方向から採取し、引張試験を行い、引張強さ、耐力、伸びにより評価した。
更にT6材については、伸び/引張強さの比を求めた。この値の高いものは材料にねばり強さがあり、靱性の有無の目安とした。
スウェ−ジング加工は、前述の通りに中空形材(断面が巾60mm×高さ60mm×肉厚3.0mmの角管)から断面が巾40mm×高さ40mm×肉厚2.5mmの角管に塑性加工を施し、加工後の表面状態を目視観察して評価した。
据込加工は、0材押出棒を使用し、φ20mm×高さ50mmのブランクについて、冷間で据込加工して、割れ限界までの高さ方向の減少率を示した。
T6後の金属組織は、前記の角管のスウェ−ジング加工後にT6処理を施した材料について、表層部の断面ミクロ組織を観察した。
耐応力腐食割れ試験は、塩水噴霧試験及びクロム酸促進試験の2種類の試験で評価した。 塩水噴霧試験は、3.5%NaCl溶液中に3点曲げ(耐力の95%)で応力を負荷して1か月放置後に割れの有無を観察した。
クロム酸促進試験は、クロム酸沸騰溶液中に3点曲げ(耐力の95%)で応力を負荷して12hr保持後に割れの有無を観察した。
これらの各特性の試験結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
表2から明らかなように、本発明例No.1〜4は、比較例No.5〜7や従来例No.8〜10に比べ、0材については、伸びが高いことに伴いスウェ−ジング加工や据込加工等の加工性が優れている。また、本発明例No.1〜4は、T6材についても、伸び/引張強さの比が高く材料の靱性に優れ、金属組織、耐応力腐食割れ性も著しく改善されているのが明瞭である。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したごとく、従来のAl−Zn−Mg系合金押出材は、塑性加工を施した後にT6処理を行うとその断面の全面もしくは大部分に再結晶を生じ、押出材表層部にオレンジピール等の欠陥を生じると共に、応力腐食割れを生じるため、塑性加工後のT6処理は行わないのが一般的で、T6処理した高強度材を得ることができなかったが、本発明により塑性加工後のT6処理が可能となった。
即ち本発明は、Al−Zn−Mg系合金押出材の0材での各種の塑性加工(曲げ、スウェ−ジング、バルジ、据込加工等)性に優れ、又このような加工材のT6処理材は高強度で靱性に優れ、金属組織及び耐応力腐食割れ性についても問題ないAl−Zn−Mg系合金材が得られるもので工業上顕著な効果を奏するものである。
Claims (3)
- Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金押出材の成形加工材であって、T6処理されており、材料の伸び/引張強さの比が0.030以上で、かつ断面組織がすべて繊維状組織か又は再結晶組織が表層部深さ300μm以下とした靱性と耐応力腐食割れ性に優れることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材。
- Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊を、420〜520℃の温度で2〜24時間の均質化熱処理をした後、430〜520℃の温度で押出加工を行い、次にこれを360〜420℃の温度で焼鈍処理を行い、これを30℃/hr以下の冷却速度で室温まで冷却して成形加工性に優れた材料とすることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法。
- Zn4.00〜6.50wt%、Mg0.50〜1.50wt%、Cu0.10〜0.50wt%、Zr0.10〜0.50wt%、Mn0.05〜0.20wt%、Cr0.05〜0.20wt%を含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊を、420〜520℃の温度で2〜24時間の均質化熱処理をした後、430〜520℃の温度で押出加工を行い、次にこれを360〜420℃の温度で焼鈍処理を行い、これを30℃/hr以下の冷却速度で室温まで冷却した後、これに成形加工を施こし、続いてこれを400〜500℃の温度で溶体化処理を行い、これを50℃/hr以上の冷却速度で室温まで冷却した後、90〜110℃の温度で2〜12時間の一段目の時効処理、さらに120〜180℃の温度で5〜24時間二段目の時効処理を施して、材料の伸び/引張強さの比が0.030以上で、かつ断面組織がすべて繊維状組織か又は再結晶組織が表層部深さ300μm以下として靱性と耐応力腐食割れ性に優れた材料とすることを特徴とするAl−Zn−Mg系合金押出材の製造方法。
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