JP3680182B2 - 可動コイル型リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、可動コイルへの通電により可動コイルを直線移動させることが可能な可動コイル型リニアアクチュエータに係り、とくに磁気ヘッド等の被駆動体の位置制御等に使用可能な可動コイル型リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置としては、実開平3−40876号のソレノイド装置が知られている。このソレノイド装置は、図8に示すように、断面コ字状の円筒形状の磁性体よりなる外部ヨーク1内に、同極対向された2個の永久磁石2,4を内部ヨーク3を挟んで固定配置し、さらにサブヨーク5及びこれと一体の軸8を前記永久磁石4上に固着し、前記外部ヨーク1と内部ヨーク3との隙間に筒状非磁性体の移動部材7を配置しかつ前記軸8にて移動自在にガイドされるようにし、移動部材7の挿入先端にコイル9を固定したものである。
【0003】
この場合、コイル9に通電することで、前記軸8をガイド軸としてコイル9と一体の移動部材7が直線的に移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の如き従来装置は、永久磁石及び内部ヨークの他に、動作出力を取り出すための移動部材を移動自在にガイドする軸にある程度の長さが必要となり、アクチュエータの全長を短く設計することができない。また、アクチュエータの端部にて出力をジョイントするために、アクチュエータを含むユニットとしても全長を短く設計することができない。さらに、永久磁石及び内部ヨークの他に移動部材をガイドする軸が必要不可欠であるため、部品点数も多くなる嫌いがある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、構造を簡略化し、部品点数の低減、小型化、並びに原価低減を図った可動コイル型リニアアクチュエータを提供することを目的とする。
【0006】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施例において明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の可動コイル型リニアアクチュエータは、同極対向された少なくとも2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有する直線ガイド体と、
該直線ガイド体の外周面に対し直接摺動するボビンに駆動コイルを巻装してなる可動コイル体と、
該可動コイル体の外側を囲む軟磁性体の外部ヨークと、
前記直線ガイド体の両端面にそれぞれ固着されかつ前記外部ヨークの両端に固着された軟磁性体のサイドヨークと、を備え、
前記外部ヨークは前記直線ガイドの周囲を前記可動コイル体の移動空間を隔てて筒状に囲みかつ前記可動コイル体の外周側に延在する出力取出し部材の通過する部分に切り割りが設けられており、
前記可動コイル体が前記直線ガイド体の外周面を直接摺動することで直線移動するように案内されることを特徴としている。
【0008】
また、前記直線ガイド体は、前記永久磁石及び前記軟磁性体の外周面を非磁性材で覆ったものであってもよい。
【0009】
さらに、前記直線ガイド体が同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有し、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部が除去又は面積が減じられている構成、あるいは、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部のみが筒状に囲んでいる構成としてもよい。
【0011】
また、前記可動コイル体は速度検出用コイルをさらに備えるものであってもよい。
【0012】
【作用】
本発明の可動コイル型リニアアクチュエータにおいては、同極対向された少なくとも2個の永久磁石及びそれらの間の軟磁性体で、可動コイル体が摺動する直線ガイド体を構成でき、可動コイル体を直線移動自在に案内するガイド軸等を別に設ける必要がなく、構造を簡略化して部品点数の削減を図ることができる。また、前記永久磁石及び軟磁性体の他にガイド軸を設けることが不要であるため、全長を短縮して小型に構成でき、ひいては可動コイル型リニアアクチュエータを用いるユニットの長さを短縮して小型化を図ることもできる。
【0013】
また、前記直線ガイド体が、前記永久磁石及び前記軟磁性体の外周部を非磁性材で覆ったものである場合、非磁性材を適切に選択することで、非磁性材外周面を直接摺動する可動コイル体を円滑に移動させることができる。例えば、非磁性材として摩擦の少ない材質を選ぶことで可動コイル体の移動時の摩擦抵抗の低減を図ることができ、また耐摩耗性の材質を選ぶことで長寿命化を図ることができる。さらに、前記非磁性材を薄肉パイプとすることで、永久磁石及び軟磁性体を同軸上に組み立てることが容易となる。
【0014】
さらに、前記直線ガイド体が同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有し、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部が除去又は面積が減じられている構成、あるいは、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部のみが筒状に囲んでいる構成とした場合、可動コイル体の直線移動方向に垂直な磁界成分を均一化し、推力のフラット性を向上させることができる。すなわち、可動コイル体のストロークの広い範囲にわたり推力を実質的に一定にでき、位置制御の精度の向上及び信頼性の向上を図ることができる。
【0015】
また、前記可動コイル体の外周側に出力取出し部材を設ける構成とした場合、前記出力取出し部材は前記直線ガイド体の軸方向の延長線上に突出することがないため、全長を短く、小型化できる。
【0016】
また、前記可動コイル体が速度検出用コイルを有する場合、該速度検出用コイルの誘起電圧を利用して当該可動コイル体の移動速度や移動周期を検出できる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明に係る可動コイル型リニアアクチュエータの実施例を図面に従って説明する。
【0018】
図1及び図2は本発明に係る可動コイル型リニアアクチュエータの第1実施例を示す。これらの図において、可動コイル型リニアアクチュエータは、2個の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体12で構成された直線ガイド体10と、該直線ガイド体10に対し直接摺動するボビン21に駆動コイル22を巻装してなる可動コイル体20と、該可動コイル体20の移動空間を残して前記直線ガイド体10の外側を囲む外部ヨーク30と、外部ヨーク30の両端に固着されかつ永久磁石11A,11Bの外側端面に当接、固着されたサイドヨーク31とを備えている。
【0019】
前記永久磁石11A,11Bは、例えば、小型で強力な磁力を発生可能な希土類永久磁石であり、鉄等の軟磁性体12を挟んで同極対向配置となっており、永久磁石11A,11B及び軟磁性体12共に同一外径の円柱乃至円板形状である。従って、永久磁石11A,11B及び軟磁性体12の外周面は同一で段差の無いように揃っており、円柱形状の直線ガイド体10を構成している。この場合、直線ガイド体10の軸方向(可動コイル体20が直線移動する長手方向)と永久磁石11A,11Bの磁化方向とが一致している。なお、永久磁石11A,11B及び軟磁性体12相互の固着一体化は、接着剤等で行うことができる。
【0020】
前記円柱形状の直線ガイド体10の外周面上を摺動自在な可動コイル体20が有するボビン21は、例えば、耐摩耗性に優れた絶縁樹脂製であり、直線ガイド体10の外周面を環状に囲みかつ両端に鍔21aを持つ断面がコ字状である。そして、ボビン21の内周部(内周面)が直線ガイド体10の外周面をガイドとして直接摺動可能に配置されている。この結果、可動コイル体20は前記直線ガイド体10により直線移動するように案内されることになる。なお、前記駆動コイル22は前記直線ガイド体10を周回する向きでボビン21に巻かれている。また、可動コイル体20の外周近傍、例えばボビン21の両方の鍔21aの外側に、可動コイル体20の動きを外部に出力するための出力取出し部材23が取り付けられている(固着乃至連結されている)。この出力取出し部材23は可動コイル20の外周側、すなわち側方に延在しており、これを介し可動コイル体20は磁気ヘッド等の被駆動系に連結される。
【0021】
前記外部ヨーク30は鉄板等の軟磁性体で円筒状に形成したもので、直線ガイド体10の周囲を可動コイル体20の移動空間を隔てて囲むものであり、外部ヨーク30の両端には同材質の円板状のサイドヨーク31が固着、一体化されている。サイドヨーク31の内面中央には永久磁石11A,11Bの同極対向している磁極の反対側磁極が当接し、接着剤等で固着されている。なお、被駆動系に連結された出力取出し部材23が通過する部分、すなわち可動コイル体20の可動範囲における出力取出し部材23の移動部分には切り割り32が形成されている。なお、外部ヨーク30及びサイドヨーク31は磁気回路のパーミアンス向上(磁気抵抗の低減)と、磁気漏洩を防止するために設けられている。
【0022】
以上の第1実施例の構成によって、2個の永久磁石11A,11Bが同極(N極)対向で軟磁性体12を挟んで配置されていることにより、軟磁性体12の外周面と外部ヨーク30の内周面との間の円筒状空間(可動コイル体20の移動空間)に半径方向の磁束が発生し、すなわち、直線ガイド体10の軸方向(可動コイル体20の移動方向)に垂直な磁界成分が生じる。従って、駆動コイル22に電流を流すことにより、フレミングの左手の法則に基づく推力を可動コイル体20に発生することができ、該可動コイル体20を直線ガイド体10に沿って直線移動させることができ、出力取出し部材23を介し被駆動系を直線駆動可能である。
【0023】
図3は第1実施例の場合における可動コイル体20の軟磁性体12中間位置Pからの変位量X(mm)と推力(gf)との関係を曲線(イ)で示す。この曲線(イ)では変位量X=0で推力は24.20、変位量X=±4で推力は22.20であって推力は変位量X=0に対し8.3%低下しているが、変位量X=±3以内の範囲(駆動コイル22が永久磁石11A,11Bにかからない範囲)では実質的に平坦な推力特性となっている。
【0024】
この第1実施例によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0025】
(1) 同極対向された2個の永久磁石11A,11B間に軟磁性体12を設けた構造を有する直線ガイド体10が可動コイル体20を直線移動可能に案内するガイド軸として機能し、その直線ガイド体10の外周面上に対し可動コイル体20のボビン21を直接軸方向に摺動させることにより、ガイド軸や軸受部材を別途設ける必要がなく、全長の短縮、小型化を図ることができ、部品点数も少なくなり、構造の簡略化、原価低減を図ることができる。
【0026】
(2) 可動コイル体20の外周近傍に、磁気ヘッド等の被駆動系に連結される出力取出し部材23を設けており、可動コイル体20の可動範囲における出力取出し部材23の移動範囲について外部ヨーク30に切り割り32を設けて出力取出し部材23が外部ヨーク30の側方に(外周側に)突出した状態で移動可能とすることで、可動コイル型リニアアクチュエータを含むユニットの全長を短くすることが可能である。
【0027】
(3) 切り割り32の部分を除き、直線ガイド体10の周囲は外部ヨーク30及びサイドヨーク31で閉塞されており、漏洩磁束は少ない。
【0028】
図4は本発明の第2実施例を示す。この場合、直線ガイド体40は、同極対向された2個の永久磁石11A,11B間に軟磁性体12を設け、それらの外周面に非磁性材としての非磁性円筒パイプ13を被せ、それらを相互に固着一体化したものである。非磁性円筒パイプ13は段差の無い一様な外径であり、可動コイル体20のボビン21がその非磁性円筒パイプ13の外周面を軸方向に直接摺動するようにしている。非磁性円筒パイプ13としてはステンレス、真鍮、摩擦係数の小さな樹脂等の薄肉パイプが使用でき、とくに耐摩耗性に優れるステンレスが効果的である。
【0029】
また、円筒状軟磁性体である外部ヨーク50は、推力のフラット性向上のために中央部を除く部分に配置されている。これは、2個の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体12の外周側に発生する磁界の垂直成分(直線ガイド体40の軸方向に垂直な成分)が比較的小さい端部領域に磁束を集中させて、直線ガイド体40の両端寄り部分での磁界の垂直成分の低下を補償するためである。これにより、直線ガイド体40の全長のうちの大部分の領域で前記磁界の垂直成分が実質的に一様となり、推力のフラット性を一層向上させることができる。
【0030】
なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0031】
図3の曲線(ロ)は図4の第2実施例の場合における可動コイル体20の軟磁性体12中間位置Pからの変位量X(mm)と推力(gf)との関係を示す。この曲線(ロ)では変位量X=0で推力は23.64、変位量X=±4で推力は22.64であって推力は変位量X=0に対し4.2%低下しているが、これは第1実施例の8.3%低下よりも低下量が少なく推力のフラット性が第2実施例の外部ヨーク50の配置で改善されていることが判る。
【0032】
この第2実施例によれば、永久磁石11A,11B及び軟磁性体12の外周面を非磁性円筒パイプ13で覆った直線ガイド体40を用いているため、可動コイル体20のボビン21の摺動性を良好とし、また組立が容易となり、可動コイル体20の円滑な直線移動動作を実現している。また、直線ガイド体40の中央部に対応する部分には外部ヨーク50が存在せず、外部ヨーク50が直線ガイド体40の両端寄り位置に設けられているため、通常直線ガイド体40の軸方向に垂直な磁界成分が低下しがちな領域に磁束を集中でき、広範囲にわたり前記軸方向に垂直な磁界成分が一様なものとなり推力のフラット性をいっそう良好にすることが可能である。なお、その他の作用効果は前述した第1実施例と同様である。
【0033】
さらに、図4の第2実施例では、直線ガイド体40の中央部に対応する部分には外部ヨーク50が存在しないとしたが、図1の第1実施例の全長にわたる外部ヨークの中央部に部分的に抜き穴をあけて、直線ガイド体40の中央部に対応(対面)するヨーク部分の面積を減じるようにしても差し支えない。
【0034】
図5は本発明の第3実施例を示す。この場合、直線ガイド体60は、同極対向された2個の円柱状の永久磁石11A,11B間に長い寸法の円柱状の軟磁性体62を設け、それらの外周面に非磁性材としての非磁性円筒パイプ63を被せ、それらを相互に固着一体化したものである。非磁性円筒パイプ63は段差の無い一様な外径であり、可動コイル体20のボビン21がその非磁性円筒パイプ63の外周面を軸方向に直接摺動するようにしている。非磁性円筒パイプ63の材質は、前述の第2実施例の場合の非磁性円筒パイプ13と同様である。
【0035】
また、円筒状軟磁性体の外部ヨーク70は、推力のフラット性向上のために直線ガイド体60の中央部に対応する部分のみを円環状に囲むように配置されている。これは、軟磁性体62が長いため、磁界の垂直成分(直線ガイド体60の軸方向に垂直な成分)が軟磁性体62の中間部で低下するので、そこに磁束を集中させて、直線ガイド体60の中央部での磁界の垂直成分の低下を補償するためである。これにより、長い寸法を持つ軟磁性体62を用いた直線ガイド体60であっても、その全長のうちの大部分の領域で前記磁界の垂直成分が実質的に一様となり、可動コイル体20のストロークを大きくするとともに、推力のフラット性を良好に維持することができる。但し、外部ヨーク70は両側のサイドヨーク31に連結するために細幅の延長部分70aを有している。出力取出し部材23を通過させるための切り割り72は例えば延長部分70aに沿って形成すればよい。
【0036】
なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0037】
この第3実施例によれば、直線ガイド体60の全長を長くして可動コイル体20のストロークを増大させることができ、しかも推力のフラット性を良好に維持することができる。また、前述した図4の第2実施例と同様に、非磁性円筒パイプ63で覆った直線ガイド体60を用いているため、可動コイル体20のボビン21の摺動性を良好とし、可動コイル体20の円滑な直線移動動作を実現可能である。
【0038】
図6は本発明の第4実施例を示す。この場合、2個の同極対向の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体12で構成された直線ガイド体10の外周面を直接摺動して直線移動する可動コイル体90は、直線ガイド体10に対し直接摺動するボビン91に、駆動コイル92及び速度検出用コイル93をそれぞれ巻装したものである。すなわち、可動コイル体90が有するボビン91は、例えば、耐摩耗性に優れた絶縁樹脂製であり、直線ガイド体10の外周面を環状に囲みかつ両端に鍔91aを持つ断面がコ字状である。そして、ボビン91の内周部が直線ガイド体10の外周面をガイドとして直接摺動可能に配置されている。前記駆動コイル92はボビン91の下層に巻かれ、その上に速度検出用コイル93が巻かれている。なお、外部ヨーク及びサイドヨークの図示は省略したが、第1乃至第3実施例で用いた外部ヨーク及びサイドヨークの構造を利用可能である。
【0039】
この第4実施例によれば、可動コイル体90が駆動コイル92及び速度検出用コイル93を有する2層コイル構造となっており、可動コイル体90が直線ガイド体10上を移動することで速度検出用コイル93に誘起電圧が発生し、可動コイル体90の移動速度や移動周期を検出することができる。
【0040】
図7は本発明の第5実施例を示す。この場合、直線ガイド体100は、同極対向(N極同士の対向)の永久磁石11A,11B間に軟磁性体12Aを配置し、同極対向(S極同士の対向)の永久磁石11B,11C間に軟磁性体12Bを配置して外径が一様な直線棒状に構成したものである。また、直線ガイド体100の外周面を直接摺動して直線移動する可動コイル体110は、直線ガイド体100に対し直接摺動する2連ボビン111に、駆動コイル112A,112Bをそれぞれ巻装したものである。すなわち、可動コイル体110が有する2連ボビン111は、例えば、耐摩耗性に優れた絶縁樹脂製であり、直線ガイド体100の外周面を環状に囲みかつ両端及び中間に鍔111aを持つ断面がE字状である。そして、2連ボビン111の内周部が直線ガイド体100の外周面をガイドとして直接摺動可能に配置されている。なお、外部ヨーク30及びサイドヨーク31は第1実施例で用いた外部ヨーク及びサイドヨークの構造を利用可能である。
【0041】
この第5実施例によれば、駆動コイル112A,112Bに相互に逆向きの電流を通電することで、各コイルの推力が加算されるようにすることができ、推力の増大を図ることができる。その他の作用効果は、前述の第1実施例等と同様である。
【0042】
なお、第5実施例の外部ヨーク30、サイドヨーク31の代わりに第2乃至第3実施例で用いた外部ヨーク及びサイドヨークの構造を採用してもよい。
【0043】
なお、図4の第2実施例に示したように、同極対向された永久磁石間に軟磁性体を設け、それらの外周面に非磁性材としての非磁性円筒パイプを被せ、それらを相互に固着一体化して直線ガイド体とする構成は、第1、第4、第5実施例の直線ガイド体に適用することもできる。また、非磁性円筒パイプを被せる代わりに、前記永久磁石及び軟磁性体の外周面を非磁性材(例えば、摩擦係数が少なく、耐摩耗性に優れた樹脂等)でコーティングする構造としてもよい。
【0044】
前述の各実施例では、永久磁石及びその間に挟持された軟磁性体が円板乃至円柱状で、直線ガイド体全体も円柱状である場合を例示したが、永久磁石及びその間に挟持された軟磁性体が角板乃至角柱状で、直線ガイド体全体が角柱状であってもよい。
【0045】
以上本発明の実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の可動コイル型リニアアクチュエータによれば、同極対向された少なくとも2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有する直線ガイド体と、該直線ガイド体の外周面に対し直接摺動するボビンに駆動コイルを巻装してなる可動コイル体とを備えているので、前記可動コイル体は前記直線ガイド体の外周面を直接摺動することで直線移動するように案内されることになる。従って、別途可動コイル体をガイドするガイド軸や軸受部品は不要であり、部品点数を削減して、構造の簡略化、小型化を図ることができ、原価低減にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動コイル型リニアアクチュエータの第1実施例を示す正断面図である。
【図2】同側断面図である。
【図3】可動コイル体の変位量と推力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施例を示す正断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す正断面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す正断面図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す正断面図である。
【図8】従来例の正断面図である。
【符号の説明】
10,40,60,100 直線ガイド体
11A,11B,11C 永久磁石
12,12A,12B,62 軟磁性体
13,63 非磁性円筒パイプ
20,90,110 可動コイル体
21,91,111 ボビン
22,92,112A,112B 駆動コイル
23 出力取出し部材
30,50,70 外部ヨーク
31 サイドヨーク
32,72 切り割り
93 速度検出用コイル
Claims (5)
- 同極対向された少なくとも2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有する直線ガイド体と、
該直線ガイド体の外周面に対し直接摺動するボビンに駆動コイルを巻装してなる可動コイル体と、
該可動コイル体の外側を囲む軟磁性体の外部ヨークと、
前記直線ガイド体の両端面にそれぞれ固着されかつ前記外部ヨークの両端に固着された軟磁性体のサイドヨークと、を備え、
前記外部ヨークは前記直線ガイドの周囲を前記可動コイル体の移動空間を隔てて筒状に囲みかつ前記可動コイル体の外周側に延在する出力取出し部材の通過する部分に切り割りが設けられており、
前記可動コイル体が前記直線ガイド体の外周面を直接摺動することで直線移動するように案内されることを特徴とする可動コイル型リニアアクチュエータ。 - 前記直線ガイド体が同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有し、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部が除去又は面積が減じられている請求項1記載の可動コイル型リニアアクチュエータ。
- 前記直線ガイド体が同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体を設けた構造を有し、前記直線ガイド体の中央部に対応する前記外部ヨークの中央部のみが筒状に囲んでいる請求項1記載の可動コイル型リニアアクチュエータ。
- 前記直線ガイド体は、前記永久磁石及び前記軟磁性体の外周面を非磁性材で覆ったものである請求項1,2又は3記載の可動コイル型リニアアクチュエータ。
- 前記可動コイル体は速度検出用コイルをさらに備えている請求項1,2,3又は4記載の可動コイル型リニアアクチュエータ。
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JP03945295A JP3680182B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 可動コイル型リニアアクチュエータ |
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JPH08214528A JPH08214528A (ja) | 1996-08-20 |
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