JP3680003B2 - 軽比重粒子送給装置、セメントミルク製造装置およびセメントミルク製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽比重粒子送給装置、セメントミルク製造装置、およびセメントミルク製造方法に関し、詳しくは、バイオマス、セメント粉体等の軽比重粒子を送給する軽比重粒子送給装置、並びにセメント粉体と水を供給して混練するセメントミルク製造装置、およびセメントミルク製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイオマスを粉砕して得られる繊維状の軽比重粒子を原料としてこれをガス化し、この結果得られる合成ガスを処理して、例えばメタノールまたは液状炭化水素を得るシステムが提案されており、このような微粉砕バイオマスをホッパに供給して下部のスクリューフィーダに落下させ、このスクリューフィーダからガス化炉に気流搬送するようにした供給装置が用いられている。また、セメント粉体等の軽比重粒子を搬送する装置も同様に、ホッパから下部のスクリューフィーダに落下させ、このスクリューフィーダで搬送するようにした軽比重粒子送給装置が用いられている。
【0003】
また、セメント粉体と水を混練してセメントミルクを製造する装置として、例えば、図5に示すようなセメントミルクプラントが知られている。
このセメントミルクプラント100は、サイロ102に貯蔵されたセメント粉体に給水ライン103から供給された水を混練してセメントミルクを製造するものであり、セメント粉体を一時的に貯蔵するチャージホッパ104と、このチャージホッパ104から供給されたセメント粉体と水とを混練するための一対のミキシングタンク105、105と、このミキシングタンク105において製造されたセメントミルクを一時的に貯蔵するチャージタンク106とで構成されている。
【0004】
このセメントミルクプラント100においては、サイロ102から供給されたセメント粉体が、先ず、チャージホッパ104に貯蔵される。チャージホッパ104とミキシングタンク105との間には計量フィーダ107とクッションタンク108とが介装されており、チャージホッパ104から排出されたセメント粉体は計量フィーダ107において計量されて定量に保たれ、クッションタンク108に供給される。そして、クッションタンク108に貯留された定量のセメント粉体は、さらに左右いずれかのミキシングタンク105に供給される。
【0005】
ミキシングタンク105においては、定量のセメント粉体と所定量の水とがミキサー110により混練され、これにより一定品質のセメントミルクが製造される。このセメントミルクはチャージタンク106に供給される。チャージタンク106においては、ミキシングタンク105からセメントミルクが常に供給される状態が保たれるため、チャージタンク106からセメントミルクを連続的に外部に供給することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の軽比重粒子送給装置は、軽比重粒子を所定量ずつ送る送出機構の構成が複雑であり、高度の技術を必要とし、更なるシンプル化が望まれている。
また、一般的に軽比重粒子を送る従来のスクリューフィーダが水平に設置されているため、水で洗浄する場合、軽比重粒子が詰まって流れにくく、洗浄作業が困難であるという問題がある。
また、図5に示すような従来のセメントミルク製造装置(セメントミルクプラント)は、ミキシングタンク105やチャージタンク106等のセメントミルクが滞留する部分が多いため、特に気液境界部等においてセメントが付着・硬化し、これにより清掃等のメンテナンスに長時間を要し、全体の稼働時間が低下するという問題がある。
【0007】
また、このセメントミルクプラントは、一対のミキシングタンク105、105やチャージタンク106、クッションタンク108等を有しているために、装置が大型となり、空間利用性に問題が生じる。特に、このセメントミルクプラントをスペースに限りのある船内等に設ける場合には、このような問題は一層顕著となる。
さらにこのセメントミルクプラントは、上述のような各種装置やこれらの間においてセメント粉体やセメントミルクを輸送するための加圧・輸送ポンプ等、多くの装置の組み合わせにより形成されるため、運転制御を複雑なものとなり、操作性に問題がある。
【0008】
本出願人は、上記のような問題を解決した新規な硬化剤製造装置を既に提案している(特願2000−36744号参照)。この装置は、セメント粉体を貯蔵するためのチャージホッパと、このチャージホッパから排出されたセメント粉体を計量しつつ搬送する計量フィーダと、計量フィーダに接続されてセメントミルクを連続的に製造するセメントミルク製造機とからなる。また、このセメントミルク製造機は、セメントを連続供給するための連続供給機と、この連続供給機に接続された硬化剤製造用スクリューコンベアとにより概略構成されたものである。本発明は、かかる先行発明をさらに改良したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、簡単な構成で軽比重粒子を所定量ずつ正確に送る軽比重粒子送給装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、洗浄作業を容易にした軽比重粒子送給装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置を小型化し、メンテナンスを容易にしたセメントミルク製造装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、セメントミルクのセメントミルクの定量供給を可能にすると共に、簡単な運転制御により良質のセメントミルクの製造を可能にしたセメントミルク製造方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本第1発明は、軽比重粒子を連続的に定量送給する軽比重粒子送給装置において、
円筒形に形成され、前記軽比重粒子を受けて撹拌する撹拌室と、
該撹拌室内の下方に前記円筒形軸心を中心として回転可能に配設され、所定量の前記軽比重粒子を外周方向に排出可能な定量排出手段と、
前記撹拌室底面の外周側に開設した排出口とを備え、
前記撹拌室内の軽比重粒子を定量供給することを第1の要旨とする。
【0011】
かかる発明によると、軽比重粒子を受けて撹拌する撹拌室を円筒形に形成するとともに、前記撹拌室底面の外周側に排出孔を開設し、前記撹拌室内の下方に前記円筒形軸心を中心として回転可能に定量排出手段を設け、該定量排出手段が前記軸心を中心に回転することで、所定量の軽比重粒子を外周方向に排出し、前記排出孔から軽比重粒子を定量供給することができる。
【0012】
よって、本発明は、軽比重粒子を受けて撹拌する撹拌室を円筒形に形成しているので、円筒形軸心を中心として回転可能に定量排出手段を設けることができ、簡単な構成で正確に軽比重粒子を所定量ずつ定量供給することができる。
【0013】
尚、前記定量排出手段は回転軸心から回転する外周端上に集積される軽比重粒子を所定量ずつ取り込んで外周側に搬出可能なものであれば、どのような形状であってもよいが、例えば図4(a)(b)に示す定量排出用羽根19、19′のように、回転軸心から外方に向かって360゜を均等に分割した所定角度で複数延設している排出用羽根が望ましい。
【0014】
尚、該排出用手段は回転軸心から外方に向かって均等に分割した所定角度で複数延設したものであれば、放射状に延設していても、回転方向に凹部を有して湾曲していてもよく、また、回転方向に対して凸部を有して湾曲していてもよい。
【0015】
本発明の第2の要旨は、前記撹拌室の上方に前記撹拌室へ軽比重粒子を供給する軽比重粒子供給室を設けるとともに、
前記円筒形の撹拌室の荷重を検出する計量手段とを備え、
前記軽比重粒子撹拌室内の軽比重粒子を計量しつつ前記撹拌室へ軽比重粒子を供給する構成を取る。
【0016】
かかる技術手段によると、軽比重粒子撹拌室内の軽比重粒子を計量しつつ前記撹拌室へ軽比重粒子を適量に供給することができる。
【0017】
また、前記軽比重粒子を受け入れる受入口を有して搬送方向に配設されたスクリューフィーダを備え、前記受入口と前記排出口とは所定距離離間して互いに別部材で非接触対面配置されることが望ましい。
【0018】
かかる技術手段によると、前記スクリューフィーダの受入口と前記撹拌室の排出口とは所定距離離間して互いに別部材で非接触対面配置されているので、前記スクリューフィーダの受入口側の重量を換算演算する必要はなく、構成が簡単となる。
【0019】
また、前記スクリューフィーダは搬送方向に下り傾斜で配設することが望ましい。かかる技術手段によると、スクリューフィーダが下り傾斜であるため、軽比重粒子の搬送をスムーズに行うことができる。
【0020】
そして、前記スクリューフィーダの上流側には、洗浄水が注入される洗浄水注入口と設けることが望ましい。かかる技術手段によると、スクリューフィーダが下り傾斜であるため、軽比重粒子の搬送がスムーズに行うことができると共に、洗浄の際に洗浄水注入口から注入した洗浄水が流れやすくなり、確実に洗浄できる。
【0021】
また、本第2発明は、セメントミルクと水とを混練してセメントミルクを製造するためのセメントミルク製造装置において、
セメント粉体を貯蔵するチャージホッパと、
該チャージホッパから排出されたセメント粉体を計量しつつ定量供給する計量装置と、
該計量装置に連結され、搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダと、
該スクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に設けられて添加水が注入される第1水添加口および第2水添加口と、
前記第1水添加口と第2水添加口との間に位置するエア抜き孔と、
前記スクリューフィーダの排出口に接続されたセメントミルク供給ポンプとを備えたことを特徴とする。
【0022】
かかる発明によると、チャージホッパから排出されたセメント粉体を計量しつつ定量供給する計量装置に連結され、搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダに供給され、下流側に搬送されるが、スクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に添加水が注入される第1水添加口および第2水添加口が設けられているので、上流側の第1水添加口のみでは、セメント粉の搬送量に対して添加水の量を十分供給することは高度な技術を要することとなる。
【0023】
すなわち、セメント粉が多すぎるとセメントがボール状となって、下流側に溜まりセメントミルクの製造ができなくなり、セメント粉が少なすぎると薄いセメントミルクができる。よって、下流側にも第2水添加口を設け、セメントミルク製造中は上流側から下流側に水を充満させる。下り傾斜のスクリューフィーダでセメント粉体が搬送方向に加圧されつつ水が充満されたスクリューフィーダ内を通過するので、その状態でセメント粉の供給を適宜量行えば、良好なセメントミルクが製造される。そして、セメントは練られつつ排出口に確実に搬送されると共に、スクリューフィーダ内でセメントミルクを連続的に製造することが可能となり、ミキシングタンクやチャージタンクが不要であるため、装置が簡単で小型化することができる。
【0024】
また、本発明には前記第1水添加口と第2水添加口との間に位置するエア抜き孔を設けている。よって、セメント供給に先立ってこのエア抜き孔によって第1水添加口と第2水添加口の両方から空気を追い込みエアを抜くことができ、エア溜まりによる製品不良をなくすることができる。
【0025】
また、前記計量装置は、底部に排出口が形成された筒状の本体部と、該本体部内で回転する攪拌羽根および排出用羽根と、前記本体部の荷重を検出する計量手段とを備えて構成することも本発明の有効な手段である。
【0026】
かかる技術手段によれば、計量装置内の軽比重粒子の重量がロードセルで検出でき、この検出信号でチャージホッパの排出量を制御することにより、前記計量装置の本体部に常に一定量の軽比重粒子の供給ができるとともに、前記スクリューフィーダへ所定量のセメント粉を供給することができる。
【0027】
また、本第3発明は、セメントミルクと水とを混練してセメントミルクを製造するためのセメントミルク製造方法において、
搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に設けられた第1および第2水添加口から該スクリューフィーダ内に水を注入して前記スクリューフィーダ内に充満させる添加水充満工程と、
セメント粉体を計量しつつ水が充満された前記スクリューフィーダにセメント粉体を定量供給するセメント粉体供給工程と、
前記スクリューフィーダのスクリューを回転して水とセメント粉体を練り合わせてセメントミルクを製造するセメント混練工程と、
製造されたセメントミルクを排出口からセメントミルク供給ポンプに排出するセメントミルク排出工程とを含むことを特徴とする。
【0028】
かかる発明によれば、下り傾斜のスクリューフィーダでセメント粉体が搬送方向に加圧されつつ水が充満されたスクリューフィーダ内を通過するので、セメントは練られつつ排出口に確実に搬送されると共に、スクリューフィーダ内でセメントミルクを連続的に製造することが可能となり、ミキシングタンクやチャージタンクでの製造工程が不要であるため、運転制御が簡単になり、効率よくセメントミルクを製造することができる。
【0029】
また、前記セメントミルク供給ポンプを駆動した後、前記第1および第2水添加口から前記スクリューフィーダ内に水を注入し、前記第1水添加口と第2水添加口との間に形成されたエア抜き孔からエアを抜く工程を含むように構成することも本発明の有効な手段である。
【0030】
かかる技術手段によれば、第1および第2の2箇所の水添加口から水を供給することにより、エア抜き孔から確実にエアが抜け、エア溜まりによる製品不良をなくすることができる。
【0031】
また、前記スクリューフィーダ下流側の前記第2水添加口の圧力が、前記第1水添加口の圧力より大となると前記第2水添加口への水供給を停止するように制御することも本発明の有効な手段である。
【0032】
かかる技術手段によると、前記第2水添加口の圧力が前記第1水添加口の圧力より大となると上流側からの水が流れにくくなる。すなわち、スクリューフィーダの外周側からセメントミルク水が戻され、下流側から供給された水がセメントミルク供給ポンプ側に供給され、清浄なセメントミルクを供給することができなくなるので、下流側への水供給を停止する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の一実施の形態であるセメントミルク製造装置の全体のシステム構成図、図2は要部の詳細を示す縦断側面図、図3は計量装置の縦断側面図、図4は図3のVI−VI線断面図である。
【0034】
図1に示すように、本実施の形態のセメントミルク製造装置は、セメント粉体が貯蔵されるチャージホッパ1と、セメント粉体を計量・攪拌して排出する計量装置2と、セメント粉体と水とを混合して連続的に供給するスクリューフィーダ3と、このスクリューフィーダ3に水を供給する添加水ポンプ4と、スクリューフィーダ3で製造されたセメントミルクを供給するセメントミルク供給ポンプ5と、このセメントミルク供給ポンプ5からのセメントミルクと土壌とを混練する混練機6と、洗浄水を供給する洗浄用ポンプ7と、スクリューフィーダ洗浄用ヘッダ8と、混練機洗浄用ヘッダ9と、添加水を供給する添加水ヘッダ11とで概略構成されている。
【0035】
図3に示すように、チャージホッパ1の下方に設置された計量装置2は、円筒状の本体部10の下部にテーパ状の拡大部10aが形成され、この拡大部10aの底面には排出口12が形成されている。この本体部10の外周に設けられたフランジ13が、支持フレーム14上に設けられたロードセル15上に載置されている。
【0036】
本体部10の下方に設けられたモータ16の軸17が本体部10内に挿入され、この軸17の上部には攪拌羽根18が取付けられ、その下方には図4(a)に示すような定量排出用羽根19が取付けられている。また、図4(b)に示すように一枚板を羽根部分19′を残してプレス成形してもよい。
【0037】
前記排出口12の下部は、スクリューフィーダ3に連結された搬送筒20上に若干の隙間21を存して配置されている。すなわち、搬送筒20の受入口21aと排出口12とは所定距離離間して互いに別部材で非接触対面配置されている。これにより、本体部10はフリーの状態でロードセル15に載置されている。本体部10内にはチャージホッパ1からセメント粉体22が供給され、モータ16で回転する攪拌羽根18で攪拌されると共に、下部の定量排出用羽根19がセメント粉体22を排出口12に押し出し、排出口12から搬送筒20に定量排出するようになっている。ロードセル15で本体部10全体の重量を計測でき、これにより、内部のセメント粉体22の重量を常時計測するようになっている。
【0038】
図1および図2に示すように、スクリューフィーダ3は、円筒状のケーシング25内に上スクリュー26と下スクリュー27が内挿され、各々のスクリュー26、27は各々モータ28、29に連結されている。このスクリューフィーダ3は、前記計量装置2側が高く、排出口30側が低くなる、すなわち、搬送方向への下り傾斜で設置されている。
【0039】
このスクリューフィーダ3の計量装置2に近い上流付近には洗浄水注入口31が複数形成され、この洗浄水注入口31に洗浄用配管32が接続されている。この洗浄用配管32には、水タンク33の水が洗浄用ポンプ7から洗浄用ヘッダ8を経て供給されるようになっている。
【0040】
また、スクリューフィーダ3の上流寄りの部分に第1水添加口35が設けられ、下流寄りの部分に第2水添加口36が設けられている。この第1水添加口35および第2水添加口36の各々に添加水配管37および38が接続されている。これらの添加水配管37、38には、水タンク33の水が添加水ポンプ4から添加水ヘッダ11を経て供給されるようになっている。添加水配管37、38には流量制御弁41、開閉弁42が各々設けられている。
【0041】
スクリューフィーダ3の排出口30とセメントミルク供給ポンプ5との間には開閉弁44を介して搬送管45が連結されている。また、スクリューフィーダ3のケーシング25は、前記第1水添加口35と第2水添加口36との間に位置するエア抜き孔46が形成され、このエア抜き孔46にセメントミルク供給ポンプ5に連通するエア抜き配管47が接続されている。このエア抜き配管47には開閉弁51と透明な覗き窓48が設けられ、この覗き窓48からエア抜き配管47内を通過する水を目視できるようになっている。
【0042】
上記構成に基づいて次にその動作を説明する。
最初に、スクリューフィーダ3への水供給およびエア抜きを行う。開閉弁44を閉じ、開閉弁51を開き、添加水ポンプ4を駆動することによって水は前記第1水添加口35と第2水添加口36からケーシング25内に供給されるので、空気は両側から水によって押されエア抜き孔46側に逃げる。
【0043】
ここで、セメントミルク供給ポンプ5を駆動することにより、スクリューフィーダ3のケーシング25内のエアが抜けていき、空気の後から水がエア抜き孔46からエア抜き配管47に流れ込む。すなわち、開閉弁44を閉じた状態であるために、ポンプ4から添加水配管37、38を介してスクリューフィーダ3に水を供給すると、水は第1水添加口35および第2水添加口36からケーシング25内に送り込まれてケーシング25内で衝突しながらケーシング25内に充満する。
【0044】
水がケーシング25内に満ちていく過程でケーシング25内のエアがエア抜き孔46からエア抜き配管48を通って抜けていく。全てのエアが抜けると、続いて水がエア抜き孔46からエア抜き配管47を通って抜けていき、これが覗き窓48から目視できる。この状態でエアが完全に抜けきったことが確認できる。このときに開閉弁51を閉じるとケーシング25内にはエアーが抜けて水が充満することとなる。そして、開閉弁44が開成されると、ケーシング25内の水はセメントミルク供給ポンプ5によって吸入される。
【0045】
一方、チャージホッパ1では、そのロータリーバルブ1aのモータを回転させてチャージホッパ1に収納されたセメント粉体を連続的に計量装置2の本体部10内に排出する。計量装置2のモータ16の回転により攪拌羽根18が回転してセメント粉体を攪拌し、定量排出用羽根19の回転でセメント粉体は一定量ずつ排出口12から排出され、搬送筒20からスクリューフィーダ3に供給される。
【0046】
計量装置2では、ロードセル15で本体部10内にあるセメント粉体の重量を常時検出しており、この検出出力でチャージホッパ1のロータリーバルブ1aのモータを制御することにより、本体部10内のセメント量を一定に保ち、これにより、排出口12から定量供給するようになっている。
【0047】
スクリューフィーダ3のモータ28、29をオンさせてスクリュー26、27を回転させることにより、スクリューフィーダ3に送り込まれたセメント粉体は、スクリュー26、27で水と混合し練られながら排出口30に搬送され、開閉弁44を介して練られたセメントミルクがセメントミルク供給ポンプ5で吸引されて混練機6に送られる。
【0048】
この場合、セメントミルク供給ポンプ5の吸引の圧力調整器を添加水ポンプ4の圧力より高く設定しておくと、セメントミルクの排出口がスムーズに行われる。添加水は流量計52により通路開口が制御される流量制御弁41、及び圧力計53により開閉が制御される圧力制御弁42で混練に最適の流量に制御されながら添加水配管37、38から連続的に供給される。
【0049】
スクリューフィーダ25の第2水添加口36の圧力は圧力計53により検出されるが、この圧力が予め決められている第1水添加口35の圧力より大きくなると、上流側からの水が流れにくくなる。すなわち、スクリューフィーダの外周側からセメントミルク水が戻され、下流側から供給された水がセメントミルク供給ポンプ側に供給され、清浄なセメントミルクを供給することができなくなるので、電磁弁42を閉鎖して下流側への水供給を停止する。
【0050】
そして、混練機6では、セメントミルクと、土壌搬送路50から搬送されてきた土壌と混練される。
【0051】
セメントミルク製造工程が終了し、洗浄する際は洗浄用ポンプ7からスクリューフィーダ洗浄用ヘッダ8を介してスクリューフィーダ3に洗浄水を供給し、開閉弁44を開いて排出口30から排水する。また、混練機6には混練機洗浄用ヘッダ9から洗浄水を供給して排出口49から排水する。
【0052】
上記実施の形態では、セメントミルク製造装置について説明したが、チャージホッパ1、計量装置2およびスクリューフィーダ3は、セメント粉体のほかバイオマスその他の軽比重粒子の送給装置として使用することが可能である。この場合スクリューフィーダ3が下り傾斜であるため、軽比重粒子の搬送をスムースに行うことができると共に、洗浄の際に洗浄水が流れやすく、確実に洗浄できる。なお、上記実施の形態では、分離された2個のスクリュー26、27を用いた構成を示しているが、1個のスクリューだけでもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明の軽比重粒子送給装置によれば、軽比重粒子を受けて撹拌する撹拌室を円筒形に形成するとともに、前記撹拌室底面の外周側に排出孔を開設し、前記撹拌室内の下方に前記円筒形軸心を中心として回転可能に定量排出手段を設け、該定量排出手段が前記軸心を中心に回転することで、所定量の軽比重粒子を外周方向に排出しているので、円筒形軸心を中心として回転可能に定量排出手段を設けることができ、簡単な構成で正確に軽比重粒子を所定量ずつ定量供給することができる。
【0054】
また、本発明のセメントミルク製造装置及び方法によれば、セメント粉を送るスクリューフィーダを搬送方向に下り傾斜で設けたので、下り傾斜のスクリューフィーダでセメント粉体が搬送方向に加圧されつつ水が充満されたスクリューフィーダ内を通過し、セメントはスクリューフィーダ内で練られつつ排出口に確実に搬送されると共に、スクリューフィーダ内でセメントミルクを連続的に製造することが可能となり、ミキシングタンクやチャージタンクが不要であるため、装置が簡単で小型化することができる。
【0055】
また、搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に設けられて添加水が注入される第1水添加口および第2添加水口との間に位置するエア抜き孔を設けたので、この第1および第2の2箇所の水添加口から水を供給することにより、エア抜き孔から確実にエアが抜け、エア溜まりによる製品不良をなくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態であるセメントミルク製造装置のシステム構成図である。
【図2】 図1の要部の詳細を示す縦断側面図である。
【図3】 計量装置の縦断側面図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 従来のセメントミルク製造装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
1 チャージホッパ
2 計量装置
3 スクリューフィーダ
5 セメントミルク供給ポンプ
10 本体部(撹拌室)
12 排出口
15 ロードセル
18 攪拌羽根
19 定量排出用羽根(定量排出手段)
30 排出口
31 洗浄水注入口
35 第1水添加口
36 第2水添加口
46 エア抜き孔
Claims (9)
- 軽比重粒子を連続的に定量送給する軽比重粒子送給装置において、
円筒形に形成され、前記軽比重粒子を受けて撹拌する撹拌室と、
該撹拌室内の下方に前記円筒形軸心を中心として回転可能に配設され、所定量の前記軽比重粒子を外周方向に排出可能な定量排出手段と、
前記撹拌室底面の外周側に開設した排出口とを備え、
更に前記撹拌室の上方に前記撹拌室へ軽比重粒子を供給する軽比重粒子供給室を設けるとともに、
前記円筒形の撹拌室の荷重を検出する計量手段とを備え、
前記軽比重粒子撹拌室内の軽比重粒子を計量しつつ前記撹拌室へ軽比重粒子を供給することを特徴とする軽比重粒子送給装置。 - 前記軽比重粒子を受け入れる受入口を有して搬送方向に配設されたスクリューフィーダを備え、前記受入口と前記排出口とは所定距離離間して互いに別部材で非接触対面配置されることを特徴とする請求項1記載の軽比重粒子送給装置。
- 前記スクリューフィーダは搬送方向に下り傾斜で配設されたことを特徴とする請求項2記載の軽比重粒子送給装置。
- 前記スクリューフィーダの上流側には、洗浄水が注入される洗浄水注入口とを備えたことを特徴とする請求項3記載の軽比重粒子送給装置。
- セメントミルクと水とを混練してセメントミルクを製造するためのセメントミルク製造装置において、
セメント粉体を貯蔵するチャージホッパと、
該チャージホッパから排出されたセメント粉体を計量しつつ定量供給する計量装置と、
該計量装置に連結され、搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダと、
該スクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に設けられて添加水が注入される第1水添加口および第2水添加口と、
前記第1水添加口と第2水添加口との間に位置するエア抜き孔と、
前記スクリューフィーダの排出口に接続されたセメントミルク供給ポンプとを備えたことを特徴とするセメントミルク製造装置。 - 前記計量装置は、底部に排出口が形成された筒状の本体部と、該本体部内で回転する攪拌羽根および排出用羽根と、前記本体部の荷重を検出する計量手段とを備えていることを特徴とする請求項5記載のセメントミルク製造装置。
- セメントミルクと水とを混練してセメントミルクを製造するためのセメントミルク製造方法において、
搬送方向に下り傾斜で配設されたスクリューフィーダの上流側と下流側の2箇所に設けられた第1および第2水添加口から該スクリューフィーダ内に水を注入して前記スクリューフィーダ内に充満させる添加水充満工程と、
セメント粉体を計量しつつ水が充満された前記スクリューフィーダにセメント粉体を定量供給するセメント粉体供給工程と、
前記スクリューフィーダのスクリューを回転して水とセメント粉体を練り合わせてセメントミルクを製造するセメント混練工程と、
製造されたセメントミルクを排出口からセメントミルク供給ポンプに排出するセメントミルク排出工程とを含むことを特徴とするセメントミルク製造方法。 - 前記セメントミルク供給ポンプを駆動した後、前記第1および第2水添加口から前記スクリューフィーダ内に水を注入し、前記第1水添加口と第2水添加口との間に形成されたエア抜き孔からエアを抜く工程を含むことを特徴とする請求項7記載のセメントミルク製造方法。
- 前記スクリューフィーダ下流側の前記第2水添加口の圧力が、前記第1水添加口の圧力より大となると前記第2水添加口への水供給を停止するように制御することを特徴とする請求項7記載のセメントミルク製造方法。
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