JP3679801B1 - 風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 作動状態を高い精度で検出することが出来、その検出データに基づいて作動状態を高精度にモニタリングすることが出来ると共に、作動状態を略リアルタイムで高精度にフィードバック制御することの出来る、新規な構造の風力発電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 回転部材16の状態を能動的に調節する状態調節手段32を、回転部材16に設けられた状態制御手段40によって作動制御せしめるようにすると共に、かかる作動制御に関連する情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で伝送する第一の無接触情報伝送手段66,68を採用して、回転部材16側から支持部材14側に伝送するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、風力により発電機を駆動せしめて発電する風力発電装置に係り、特に、その作動状態を制御するための新規な機構を備えた風力発電装置に関するものである。
近年、環境に対する配慮等から、クリーンな自然エネルギーを利用して発電する発電装置が注目されている。その一つとして、回転可能に支持せしめた回転軸にブレードを設けて、ブレードに作用する風力を回転力に変換して回転軸を回転させることにより、回転軸に接続した発電機を駆動せしめて発電する風力発電装置が知られている。
ところで、風力発電装置というのは、上述の如く、発電機を駆動せしめて発電するために、ブレードで風を受ける必要がある。
しかしながら、風の強さや向きというのは、一定ではなく、突風等のように、瞬間的に強い風が吹くこともある。風の強さや方向を、風力発電装置が設置されたポイントにおいて予測することは、現実には不可能である。強風を予測して風力発電装置を停止等していたのでは、目的とする風力発電の効率が悪いことは言うまでもない。
それ故、予期し得ない強風等により、例えばブレードが折損して脱落してしまう可能性も否定できず、風力発電装置が設置された付近に危険や被害がおよぶおそれがある。特に、風力発電装置の普及が期待されており、小型化による市街地への設置がすすめられる今後においては、山中に設置された風力発電装置に比して、風力発電装置の破損等に伴う危険回避の問題が極めて重要になってくることが予想される。従って、その対応が急務となってきているのである。
なお、このような問題に対処するために、例えば、特開2002−349415号公報(特許文献1)に開示された風力発電機の作動状態の遠隔監視装置を利用することも考えられる。この遠隔監視装置は、風速,風向,温度,振動,プロペラピッチ角制御用油圧,発電電力などの作動状態検出信号を、電話回線やインターネットを介して遠隔地の監視装置に送信して、モニタリングするシステムである。そこにおいて、運転状態に異常が発生した場合には、その異常を知らせる電子メールを自動送信するようになっている。そこで、例えば突風が発生した場合には、その事実を電子メールで発信することにより、風力発電機における危険状態の発生を報知することも、考えられる。
ところが、このようなシステムでは、重大な問題が2つある。
その問題の一つは、風力発電機における異常発生に対する速やかな対応が出来ないことである。即ち、電話回線やインターネットを使用した電子メール通知では、相当の時間遅れが避けられず、危険状態の発生から対処までに時間がかかり過ぎる。また、風力発電機の危険状態の発生を通知するだけであるから、その通知を認識し、適当な対処法を選択し、かかる対処法を実行するまでにも、相当の時間が必要となる。従って、このようなシステムでは、風力発電機における危険状態の回避は、実質的に不可能であると考えられる。
二つめの問題は、風力発電機における異常の検出精度の問題である。即ち、風力発電機において問題となり易いブレード等の危険部位は、その多くが回転軸上にある。そのために、当該部位の発生応力や圧力等を適当なセンサで検出したとしても、その検出信号を外部に取り出すことが難しい。例えば、スリップリングを採用して機械的な導通状態を実現することで、検出信号を、回転軸から固定部材側に取り出すことが考えられるが、スリップリングでは接触導通点の状態が一定でないことから信号に多くのノイズがのり易い。特に、センサによる検出信号は、極めて微弱であることから、かかるノイズによって検出精度が大幅に落ちてしまうことが避けられない。そのために、風力発電機における危険状態の検知に際して、危険状態か否かを判断するために十分な精度のデータを得ることさえ難しいのである。
特開2002−349415号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、作動状態を高い精度で検出することが出来、その検出データに基づいて作動状態を高精度にモニタリングすることが出来ると共に、作動状態を略リアルタイムで高精度にフィードバック制御することの出来る、新規な構造の風力発電装置を提供することにある。
また、本発明は、作動状態を高い精度で検出することが出来、その検出データに基づいて作動状態を高精度にモニタリングすることが出来ると共に、作動状態を略リアルタイムで高精度にフィードバック制御することが出来る、新規な構造の風力発電装置用の制御装置を提供することも目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いは、それらの記載から当業者の把握することが出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の第一の態様)
風力発電装置に関する本発明の第一の態様は、(a)所定の支持部材によって回転可能に支持されて、風力により回転せしめられる回転部材と、(b)該回転部材に設けられ、該回転部材の状態を検出して検出信号を出力する状態検出手段と、(c)該回転部材の状態を能動的に調節する状態調節手段と、(d)該回転部材に取り付けられて、前記状態検出手段からの検出信号に基づいて前記状態調節手段を作動制御する状態制御手段と、(e)該状態制御手段による前記状態調節手段の作動制御に関連する情報信号を外部に送信する情報送信手段と、(f)前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記情報送信手段からの前記情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該回転部材側から該支持部材側に伝送する第一の無接触情報伝送手段とを、備えている風力発電装置にある。
このような本態様に従う構造とされた風力発電装置においては、(a)の回転部材に対して、(d)の状態制御手段が取り付けられていることにより、状態制御手段において、回転部材で検出された検出信号をフィードバック信号として利用して、回転部材に搭載した状態調節手段により回転部材の状態をフィードバック制御することが出来る。
従って、回転部材で検出された検出信号を、スリップリング等を用いて外部に取り出す必要がなく、かかる検出信号を利用して高精度に且つ速やかに回転部材の状態を制御することが出来るのである。これにより、突風等で回転部材が危険な状態となった場合にも、危険状態を避けるように速やかに作動制御することが可能となり、優れた危険回避機構が実現可能となる。
また、本態様に従う構造とされた風力発電装置においては、(g)の第一の無接触情報伝送手段を採用したことにより、(e)の情報送信手段からの情報信号を、外部に高精度に取り出すことを可能と為し得た。
これにより、例えば(b)の状態検出手段によって回転部材上で検出された信号や(d)の状態制御手段によって回転部材上で与えられる制御信号などを、高い精度で外部に取り出すことが出来る。従って、回転部材の作動状態を、ノイズの少ない高精度な信号に基づいて、高い精度と信頼性のもとに、監視したり情報蓄積することも可能となるのである。
なお、本態様における「回転部材」は、発電機の駆動軸を回転駆動せしめる回転軸であって、風力によって回転駆動せしめられる、従来から公知の各種の構造のものが、何れも含まれる。また、風力を回転軸の回転運動に変換する機構としては、例えば回転軸の端部に突設されるプロペラや、回転軸の外周面に突設される螺旋羽根、更には回転軸の外方に離隔設置されるジャイロミル型など、各種の構造が、何れも採用可能である。
また、本態様における「回転部材の状態」とは、例えば、回転部材の回転に直接的に関係する回転速度や回転トルクの他、回転部材の回転に間接的に関連する発電機電力などの動的な状態だけでなく、例えば、回転部材の特定部位における応力や歪、温度、或いは発電機温度などの静的な状態までを含んで、回転部材の回転による影響を直接的又は間接的に受ける部分の状態および回転部材の回転に対して影響を直接的又は間接的に与える部分の状態を、広く含む。即ち、「回転部材の状態」は、風力によって影響される受動的な作動状態だけでなく、例えば外部から作用せしめられる回転制動力などのように能動的な作動状態を含む。
更にまた、本態様における「状態検出手段」は、検出対象とする回転部材の状態に応じて適当な公知のセンサ等によって構成される。例えば、ブレードの風力による歪の程度や振動の程度等を対象とする場合には、歪センサや加速度センサ等によって構成されるし、回転部材の回転速度を対象として検出する場合には、回転速度計などが採用可能である。
また、本態様における「状態調節手段」は、例えばプロペラのピッチ角を変更設定するサーボモータや油圧回路など、回転部材の構造自体を変化調節するものであっても良いし、例えば回転軸に対するブレーキなど、回転部材の作動状態を外部から変更調節するものであっても良い。
(本発明の第二の態様)
風力発電装置に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る風力発電装置において、(g)前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記状態制御手段への供給電力を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該回転部材側に伝送する第一の無接触電力伝送手段を備えていることを、特徴とする。
このような本態様においては、第一の無接触電力伝送手段を採用したことにより、状態制御手段への電力の供給を、スリップリング等を用いて行う場合に比して、極めてコンパクトな構造で行うことが可能となる。また、スリップリング等を用いる場合に比して、長期間に亘って極めて安定した給電が実現されることから、目的とする制御を高い信頼性と安定性のもとに実行することが可能となる。更にまた、状態制御手段には、安定した給電が為されることから、例えばMPUを用いた高度な情報処理装置を搭載することも出来る。それ故、かかる状態制御手段においては、風力発電装置の種類や設置場所、或いは採用する状態検出手段や状態調節手段の種類等に応じて、異なる各種条件に対応した作動制御を、大きな自由度のもとでプログラムして実行させることも可能となる。
(本発明の第三の態様)
風力発電装置に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る風力発電装置において、前記情報信号が、前記状態検出手段による検出信号を含むことを、特徴とする。
このような本態様においては、例えば、ブレード等の回転部材に装着した状態検出手段としての歪センサや加速度センサ、温度センサ、圧力センサなどによる検出信号を、外部でモニタリングしたり、データ蓄積することが出来る。そこにおいて、これらの信号が、スリップリングを介することなく非接触で回転部材から取り出されることから、S/N比の高い高精度な信号取得が可能となる。
さらに、本態様においては、回転部材に対して、状態検出手段による検出信号を増幅する信号増幅手段を設けて、増幅された検出信号を、第一の無接触情報伝送手段を通じて外部に取り出すことも可能である。これにより、伝送経路上でのるノイズによる悪影響を一層有利に抑えることが出来る。
(本発明の第四の態様)
風力発電装置に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る風力発電装置であって、前記情報信号が、前記状態制御手段による前記状態調節手段の作動制御用の出力信号を含むことを、特徴とする。
このような本態様においては、例えば、ブレードのピッチ角や回転部材に対する制動手段の作動,発電機の稼働などの、制御対象となる状態調節手段を作動制御するための制御信号を、外部でモニタリングしたり、データ蓄積して、風力発電装置の状態や、状態制御手段の作動状態などを監視したり、解析等することが出来る。勿論、これらの信号は、スリップリングを介することなく非接触で回転部材から取り出されることから、S/N比の高い高精度な信号取得が可能となることや、回転部材に供給される電力を利用する信号増幅手段を設け、増幅された出力信号を外部に取り出すことによって、伝送経路上でのるノイズを一層有利に抑え得ることは、上述の第三の態様に係る検出信号の外部への取り出しと同様である。
(本発明の第五の態様)
風力発電装置に関する本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る風力発電装置において、(h)前記状態調節手段を外部から作動制御するための外部制御信号を受信する制御信号受信手段と、(i)前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、外部から送信されてきた該外部制御信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該回転部材側に伝送する第一の無接触信号伝送手段とを、設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、回転部材の外部から制御用信号を発して、回転部材の作動状態を制御することが可能となる。これにより、例えば、大型台風接近等で明らかに危険状態となる状況や、他の通報等で何等かの異常が認識された場合などにおいて、回転部材に取り付けた状態制御手段によっては実現され得ない特殊な制御を容易に実行することが出来る。
しかも、外部から送信されてきた外部制御信号は、スリップリングを介することなく非接触で回転部材側に伝送されることから、伝送経路上でのるノイズを抑えることが出来、高精度な制御が実現可能となる。
(本発明の第六の態様)
風力発電装置に関する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る風力発電装置において、(j)設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、(k)前記ベース部材と前記支持部材の部材間に配設されて、前記情報送信手段からの前記情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該ベース部材側に伝送する第二の無接触情報伝送手段とを、設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、風向に応じて回転部材の向きを変更可能とするためにベース部材に対して支持部材を回動可能に取り付ける部位でも、無接触の伝送手段で信号が伝送されることとなる。それ故、回転部材に比べれば回転作動の頻度が低い支持部材であっても、スリップリングを採用する場合に比して、信号を十分に安定して伝送することが出来るのであり、作動の安定化と制御の高精度化が、一層高度に実現可能となる。
(本発明の第七の態様)
風力発電装置に関する本発明の第七の態様は、前記第二の態様に係る風力発電装置において、(l)設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、(m)該ベース部材と該支持部材の部材間に配設されて、前記状態制御手段への供給電力を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該ベース部材側から該支持部材側に伝送する第二の無接触電力伝送手段とを、設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、風向に応じて回転部材の向きを変更可能とするためにベース部材に対して支持部材に回動可能に取り付ける部位でも、無接触の伝送手段で電力が伝送されることとなる。それ故、支持部材を回動可能に支持するベース部材を備えた風力発電装置であっても、長期間に亘って安定した電力の供給を極めてコンパクトな構造で実現することが可能となる。
(本発明の第八の態様)
風力発電装置に関する本発明の第八の態様は、前記第五の態様に係る風力発電装置において、(n)設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、(o)該ベース部材と該支持部材の部材間に配設されて、外部から送信されてきた前記外部制御信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該ベース部材側から該支持部材側に伝送する第二の無接触信号伝送手段とを、設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、前記第五の態様に記載されているように回転部材の作動状態を外部から制御するに際して、その外部制御信号が、ベース部材と支持部材の回動部位においても無接触伝送されることから、外部制御信号による回転部材の作動状態の制御の更なる高精度化が図られ得る。
(本発明の第九の態様)
風力発電装置に関する本発明の第九の態様は、前記第一乃至第八の何れかの態様に係る風力発電装置において、前記第一の無接触情報伝送手段を通じて前記回転部材から伝送された前記情報信号と、前記第一の無接触信号伝送手段を通じて前記回転部材に伝送される前記外部制御信号との、少なくとも一方の信号をコンピューターネットワークに対して送信及び/又は受信するネットワークインターフェースを設けることにより、装置の遠隔監視及び/又は遠隔制御を実施することが出来るようにしたことを、特徴とする。
このような本態様においては、電話回線やインターネット回線等を利用した有線又は無線のコンピューターネットワークを利用して、外部のコンピュータとの間で信号を送信及び/又は受信することができる。それ故、例えば発電装置から離れた場所に設置された監視や制御用の設備を、効率的に利用して、発電装置のモニタリングや制御を行うことが可能となる。特に、発電装置の作動制御は、特に緊急性が要求される危険回避作動などに関するものは、発電装置の回転部材に取り付けた作動制御手段によってリアルタイムなフィードバック制御で対応され得ることから、例えば、発電装置が遠隔地にある場合や、多数の発電装置をまとめて管理等する場合でも、本態様に従えば、安価なシステム構成で風力発電装置の遠隔監視と遠隔制御の何れか一方或いはそれらの両方を高精度に行うことが可能となるのである。
(本発明の第十の態様)
風力発電装置に関する本発明の第十の態様は、前記第一乃至第九の何れかの態様に係る風力発電装置において、外部からの電力供給が停止した状態下でも、前記状態制御手段に対して所定時間に亘って電力を提供し得る蓄電手段を設けたことを、特徴とする。
このような本態様においては、平常時において一般の家庭用や商用の電力を利用して回転部材への給電を行うような場合でも、例えば台風等の影響で給電が停止すると必要な場合に、目的とする回転部材の制御ができなくなるおそれがあることを回避できる。具体的には、平常時に使用される電力と直列に或いは並列に安定化電源やバッテリー等の蓄電手段を備えておいて、外部からの給電が停止した場合にも給電が、数時間や数日間など適当な時間に亘って、目的とする回転部材の制御を継続し得る構成が、好適に採用される。
(本発明の第十一の態様)
風力発電装置に関する本発明の第十一の態様は、前記第一乃至第十の何れかの態様に係る風力発電装置であって、前記回転部材において、前記状態検出手段の信号入力用の接続端子が複数備え付けられており、それら接続端子に該状態検出手段を接続することによって、該状態検出手段の検出信号が前記状態制御手段及び/又は前記情報送信手段に伝送されるようになっていることを、特徴とする。
このような本態様においては、例えば風力発電装置を設置する場所毎に異なる環境等の条件に応じて、或いは風力発電装置の使用者毎に異なる制御態様の要求に応じて、適当な種類の検出手段を、必要な数だけ、容易に増減設定することが可能となる。それ故、異なる場所や異なる条件下で稼働せしめられる風力発電装置に対して、共通の制御用ユニットを提供することも容易となる。また、設置した後からの、将来的な制御態様の変更や追加等にも容易に対応可能となる。
(本発明の第十二の態様)
風力発電装置に関する本発明の第十二の態様は、前記第一乃至第十一の何れかの態様に係る風力発電装置であって、前記回転部材において、前記状態制御手段からの出力用端子が設けられていることを、特徴とする。
このような本態様においては、例えば、状態検出手段の温度補正をするための補正装置や回転部材への野鳥や昆虫等の衝突に対処するための適当な補助装置等の各種装置を回転部材に設ける場合において、それら各種装置の作動制御を状態制御手段によって実現することが可能となる。
(本発明の第十三の態様)
風力発電装置に関する本発明の第十三の態様は、前記第二乃至第十二の何れかの態様に係る風力発電装置において、前記第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルを、前記第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルよりも小径として、該第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルと同一中心軸上に位置せしめると共に、該第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの対向面を、該第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの対向面に対して前記回転部材の回転軸方向で所定距離を隔てて位置せしめたことを、特徴とする。
このような本態様においては、第一の無接触情報伝送手段によって伝送される情報信号に対して、第一の無接触電力伝送手段によって電力が伝送されることに起因してのるノイズを抑えることが可能となり、それによって、情報信号を一層高い精度で外部に取り出すことが可能となる。
(本発明の第十四の態様)
風力発電装置に関する本発明の第十四の態様は、前記第十三の態様に係る風力発電装置において、前記第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの少なくとも一方の周りに電磁遮蔽部材を配設したことを、特徴とする。
このような本態様においては、第一の無接触電力伝送手段によって電力が伝送される際に、第一の無接触情報伝送手段によって伝送される情報信号に対して一層ノイズがのり難いようにすることが可能となり、それによって、情報信号をより一層高い精度で外部に取り出すことが可能となる。
(本発明の第十五の態様)
また、本発明は、所定の支持部材によって回転可能に支持されて、風力により回転せしめられる回転部材と、該回転部材の状態を能動的に調節する状態調節手段とを、備えた風力発電装置に装着されることにより、該風力発電装置の作動状態を制御する制御装置であって、(p)前記回転部材に取り付けられて、該回転部材の状態を検出して検出信号を出力する状態検出手段と、(q)該回転部材に取り付けられて、前記状態検出手段からの検出信号に基づいて前記状態調節手段を作動制御する状態制御手段と、(r)該状態制御手段による前記状態調節手段の作動制御に関連する情報信号を外部に送信する情報送信手段と、(s)前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記情報送信手段からの前記情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該回転部材側から該支持部材側に伝送する第一の無接触情報伝送手段とを、含んで構成されている風力発電装置用の制御装置を、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた風力発電装置用の制御装置にあっては、既存の風力発電装置に採用することによって、既存の風力発電装置であっても、回転部材で検出された検出信号を、スリップリング等を用いて外部に取り出すことが必要となくなり、かかる検出信号を利用して高精度に且つ速やかに回転部材の状態を制御することが出来る。
その結果、突風等で回転部材が危険な状態となった場合にも、危険状態を避けるように速やかに作動制御することが可能となり、優れた危険回避機構が実現可能となる。
また、本態様においては、第一の無接触情報伝送手段が採用されていることから、情報送信手段からの情報信号を、外部に高精度に取り出すことが可能となる。これにより、例えば、状態検出手段によって回転部材上で検出された信号や状態制御手段によって回転部材上で与えられる制御信号などを、高い精度で外部に取り出すことが可能となる。従って、回転部材の作動状態を、ノイズの少ない高精度な信号に基づいて、高い精度と信頼性のもとに、監視したり情報蓄積することも可能となるのである。
(本発明の第十六の態様)
また、上述の風力発電装置用の制御装置に関する本発明の第十三の態様においては、前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記状態制御手段への供給電力を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該回転部材側に伝送する第一の無接触電力伝送手段を備えていることが望ましい。
これにより、状態制御手段への電力の供給を、スリップリング等を用いて行う場合に比して、極めてコンパクトな構造で行うことが可能となる。また、スリップリング等を用いる場合に比して、長期間に亘って極めて安定した給電が実現されることから、目的とする制御を高い信頼性と安定性のもとに実行することが可能となる。更にまた、状態制御手段には、安定した給電が為されることから、例えばMPUを用いた高度な情報処理装置を搭載することも出来る。それ故、かかる状態制御手段においては、風力発電装置の種類や設置場所、或いは採用する状態検出手段や状態調節手段の種類等に応じて、異なる各種条件に対応した作動制御を、大きな自由度のもとでプログラムして実行させることも可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた風力発電装置においては、風力発電装置に対して無接触の電力および信号の伝送手段を適用したことによって、回転部材に対して直接的に状態制御手段を装備せしめ得たのであり、それによって、回転部材のフィードバック制御をリアルタイムで高精度に実施することが可能となった。しかも、回転部材の状態や、状態制御手段による制御の状態を、離れた外部において高精度に監視等することも出来るのである。
それ故、例えば突風等に対しても速やかに対処して回転部材の作動状態を調節すると共に、その作動状態を把握することが出来るのであり、回転部材の破損等を有利に回避することも可能となる。
また、本発明に従う構造とされた風力発電装置用の制御装置においては、既存の風力発電装置に採用することにより、既存の風力発電装置であっても、回転部材のフィードバック制御をリアルタイムで高精度に実施することが可能となる。加えて、回転部材の状態や、状態制御手段による制御の状態を、離れた外部において高精度に監視等することも可能となる。従って、例えば突風等に対しても速やかに対処して回転部材の作動状態を調節すると共に、その作動状態を把握することが出来るのであり、回転部材の破損等を有利に回避することも可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1および図2には、本発明の第一の実施形態としての風力発電装置10が示されている。この風力発電装置10は、設置基盤としての地盤や構築物等に対して設けられた支持基台に対して固定的に設置されて鉛直上方に突出するタワー12を備えている。このベース部材としてのタワー12の上方突端には、鉛直方向に延びる回動軸回りに回動可能に、支持部材としてのナセル14が取り付けられている。更に、ナセル14によって、回転軸部材16が、略水平方向に延びる回転中心線回りで回転可能に支持されている。
より詳細には、ナセル14は、全体として中空のボックス構造を有しており、その内部に差し込まれるようにして、回転軸部材16が、中心軸を略水平方向に向けて組み付けられている。ナセル14は、タワー12によって、略鉛直方向に延びる中心軸回りで回動可能に支持されており、図示しない風向板等の作用により、風向きに応じてナセル14の回動方向が調節されるようになっている。本実施形態では、回転軸部材16において、ナセル14から突出せしめられた軸方向一方の端部(図2中の左端部)が、常時、風上に向かうようになっている。
回転軸部材16において、風上に向けられるほうの軸方向一端部には、ハブ26が固設されている。そして、このハブ26に対して、プロペラ形の3枚のブレード28,28,28が取り付けられている。
また、回転軸部材16において、風下に向けられるほうの軸方向他端部には、その外周面上に駆動歯車18が形成されている。そして、ブレード28が風を受けて回転軸部材16が回転作動することにより、その回転が、駆動歯車18から複数の調速歯車19,21や駆動ピニオン24を介して、発電装置20の駆動軸22に伝達されるようになっている。その結果、風力が回転駆動力に変換されて、駆動軸22が回転駆動されることにより、発電装置20が稼働するようになっている。
ここにおいて、各ブレード28には、状態検出手段としての歪ゲージ等のセンサ30(図3参照)が取り付けられている。センサ30は、ブレード28において参照したい部位に取り付けられており、例えば、ブレード28において歪が最も大きくなる部分や、ブレード28において損傷の危険が大きい部分に取り付けられる。具体的には、例えば、ブレード28の基端部のハブ26に対する連結箇所付近や、ブレード28の基端部における回転方向後端部,ブレード28の突出方向中間部分の外側面(風上側の面),ブレード28の突出方向中間部分の内側面等に対して、センサ30が取り付けられる。
また、ハブ26において、ブレード28との連結箇所付近には、状態調節手段としてのピッチ角調節機構32(図3参照)が装備されている。このピッチ角調節機構32は、ブレード28のピッチ角を調節するものであり、従来から公知の機構であることから、その詳細な説明は省略するが、例えば、特開2003−222070号公報等に記載されているように、ブレード28のハブ26に対する取付部位にサーボモータと減速歯車機構を組み込んでブレード28のピッチ角を調節するもの等によって有利に構成される。
更にまた、ハブ26には、回転軸部材16が延び出す方と反対側となる前面側に半球状の中空のコーン34が取り付けられている。このコーン34により、ハブ26の前側には、外部空間に対して略密閉構造とされて雨水の侵入が防止された収容スペースが画成されている。そして、この収容スペースに、基板ケース36が収容されて、ハブ26に対して固定的に取り付けられている。
基板ケース36には、制御基板38(図3参照)が組み込まれている。この制御基板38には、図3に示されているように、MPU40が実装されており、かかるMPU40の信号入力端子や信号出力端子に対して、センサ30からの検出信号の伝送線とピッチ角調節機構32の作動制御信号の伝送線が電気的に接続されている。
そこにおいて、MPU40の信号入力端子や信号出力端子は、例えば、ソケット等として制御基板38に設けられるようになっており、かかるMPU40の信号入力端子や信号出力端子に対して、センサ30からの検出信号の伝送線に接続された端子とピッチ角調節機構32の作動制御信号の伝送線に接続された端子が繋げられるようになっている。これにより、MPU40の信号入力端子や信号出力端子に対して、センサ30からの検出信号の伝送線とピッチ角調節機構32の作動制御信号の伝送線が電気的に接続されるようになっている。
なお、センサ30やピッチ角調節機構32が複数ある場合には、MPU40の信号入力端子や信号出力端子を制御基板38に複数設けておいても良い。この場合、複数の信号入力端子が制御基板38に設けられていることによって、状態検出手段の信号入力用の接続端子が回転部材において複数設けられていることとなる。また、MPU40からの信号出力端子が制御基板38に設けられていることによって、状態制御手段からの出力用端子が設けられていることとなる。なお、信号出力端子には、ピッチ角調節機構32の他、例えば、センサ30の温度補正をするためのヒータや、ブレード28への野鳥や昆虫等の衝突を防止するための適当な補助装置等を接続しても良い。
そして、センサ30からの検出信号がMPU40に入力されると、MPU40がセンサ30からの検出信号に基づいてピッチ角調節機構32の作動を制御するようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、MPU40によって状態制御手段が構成されている。
なお、MPU40は、記憶装置としてのROMやRAMを備えており、予め記憶されたプログラムに従い、入力信号を用いた演算処理を実行することにより、入力信号に応じた出力信号を出力するようになっている。これにより、例えば、センサ30によるブレード28の応力検出値が、予め設定された閾値を超えた場合に、ピッチ角調節機構32を作動させてブレード28のピッチ角を所定の応力回避角度に変更するような作動が実現される。なお、プログラムが記憶された記憶装置は、ROMやRAMに限定されるものではなく、例えば、ハードディスクや光磁気ディスク,CD−ROM等を採用することも可能である。また、ネットワークを利用して外部からプログラムの書き換えを行うようにしても良い。
さらに、MPU40,センサ30,ピッチ角調節機構32に供給される電力は、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54を含んで構成された第一の無接触電力伝送手段と、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50を含んで構成された第二の無接触電力伝送手段により、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で伝送されるようになっている。高周波電磁誘導を利用して無接触で電力を伝送するための機構は、例えば、特開平6−36940号公報や特開平8−222459号公報等に記載されている、従来から公知の機構によって構成される。以下、MPU40,センサ30,ピッチ角調節機構32に供給される電力の伝送経路について説明する。
先ず、外部電源42からの交流電圧は、整流安定化回路44によって直流電圧に変換された後、インバータ46によって高周波電圧に変換されるようになっている。外部電源42は、例えば、家庭用単相2線式100V等の一般的な電源によって構成される。そこにおいて、図3では、外部電源42しか設けられていないが、外部電源42に加えて、蓄電手段としてのバッテリを常時フル充電状態で設けておいても良く、それによって、外部電源42からの電力供給が停止した状態であっても、MPU40,センサ30,ピッチ角調節機構32への電力の供給を所定時間に亘って継続することが可能となる。また、インバータ46は、例えば、VVVFインバータ等の従来から公知のインバータによって構成される。そこにおいて、インバータ46によって変換された高周波電圧の周波数(出力周波数)は、電線の長さ等、使用する環境によって異なってくるものであるが、本実施形態では、1kHz〜50MHzとされている。
インバータ46によって変換された高周波電圧は、第二の一次側電力伝送部48から第二の二次側電力伝送部50へと高周波電磁誘導により無接触な状態で伝送されるようになっている。そこにおいて、第二の一次側電力伝送部48と第二の二次側電力伝送部50は、何れも、コアと、コアに巻回された巻線によって構成されており、第二の一次側電力伝送部48はタワー12側に配されている一方、第二の二次側電力伝送部50はナセル14側において第二の一次側電力伝送部48に対向するように配されている。なお、本実施形態では、第二の一次側電力伝送部48は、タワー12の内周面に配されており、第二の二次側電力伝送部50は、ナセル14に対して固定的に支持されてタワー12に挿通されている取付ロッド15における一方の端部の外周面に配されている。
第二の二次側電力伝送部50に伝送されてきた高周波電圧は、第一の一次側電力伝送部52から第一の二次側電力伝送部54へと高周波電磁誘導により無接触な状態で伝送されるようになっている。これら第一の一次側および二次側電力伝送部52,54も、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50と同様に、コアと、コアに巻回された巻線によって構成されており、第一の二次側電力伝送部54が回転軸部材16における風下側の軸方向端部に配されている一方、第一の一次側電力伝送部52がナセル14内において第一の二次側電力伝送部54と対向するように配されている。そこにおいて、本実施形態では、管体構造とされた回転軸部材16の中心孔58に取付ロッド15の他方の端部が挿通されており、このような配置関係となっている回転軸部材16と取付ロッド15において、回転軸部材16の内周面に第一の二次側電力伝送部54が配されている一方、取付ロッド15の外周面に第一の一次側電力伝送部52が配されている。
そして、第一の二次側電力伝送部54に伝送されてきた高周波電圧は、制御基板38に形成された整流安定化回路56によって直流電圧に変換された後、MPU40,センサ30,ピッチ角調節機構32に供給されるようになっている。
なお、図面上では明示されていないが、本実施形態では、回転軸部材16の中心孔58内において、第一の二次側電力伝送部54と制御基板38に形成された整流安定化回路56を接続する電線が配されている。
また、制御基板38には、通信用回路(スレーブ)60が実装されており、かかる通信用回路(スレーブ)60は、MPU40に接続されている。通信用回路(スレーブ)60に供給される電力は、MPU40に供給される電力と同様に、整流安定化回路56によって供給されている。
そして、本実施形態では、かかる通信用回路(スレーブ)60によって、MPU40から送信されてきた情報信号が、通信用回路(マスター)74に送信されるようになっており、このように通信用回路(マスター)74に送信されてきた情報信号は、通信用回路(マスター)74によって、ネットワークインターフェースとしてのインターフェイス76を介して外部に設けられた監視装置62に送信されるようになっている。なお、MPU40から通信用回路(スレーブ)60に送信される情報信号、即ち、通信用回路(スレーブ)60が送信する情報信号は、例えば、センサ30からの検出信号やMPU40がピッチ角調節機構32を作動制御する際の制御信号等によって構成される。そこにおいて、MPU40に入力されるセンサ30からの検出信号は、アナログ信号であるが、MPU40に入力された後は、デジタル信号として扱われるようになっており、それによって、ノイズがのり難くされている。また、通信用回路(スレーブ)60が送信する情報信号は、信号増幅手段としての増幅器によって増幅してから送信されることが望ましく、それによって、伝送経路上において情報信号にノイズをのり難くすることが可能となる。この場合、増幅器は、整流安定化回路56によって電力が供給されるようになっている。また、増幅器は、センサ30とMPU40の間等に設けられる。
そこにおいて、通信用回路(スレーブ)60によって送信される情報信号は、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で伝送されるようになっている。高周波電磁誘導を利用して無接触で情報信号を伝送する機構は、高周波電磁誘導を利用して無接触で電力を伝送する機構と同様な構造とされており、例えば、特開平6−36940号公報や特開平8−222459号公報等に記載されている、従来から公知の機構によって構成される。以下、通信用回路(スレーブ)60が送信する情報信号の伝送経路について説明する。
先ず、MPU40から送信されてきた情報信号は、通信用回路(スレーブ)60によって高周波電圧に重畳された後、フィルタ等によって構成されたコンディショナー64を通ってから、第一の一次側情報伝送部66から第一の二次側情報伝送部68へと高周波電磁誘導により無接触な状態で伝送されるようになっている。なお、情報信号が重畳される高周波電圧は、通信用回路(スレーブ)60によって生成されるようになっており、その周波数は、1kHz〜50MHzとされている。
そこにおいて、第一の一次側情報伝送部66および第一の二次側情報伝送部68は、何れも、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50と同様に、コアと、コアに巻回された巻線によって構成されており、第一の一次側情報伝送部66が回転軸部材16における風下側の軸方向端部において第一の二次側電力伝送部54と同心軸上に配されている一方、第一の二次側情報伝送部68が、ナセル14内において、第一の一次側電力伝送部52と同心軸上であって、且つ、第一の一次側情報伝送部66に対向するように配されている。因みに、本実施形態では、第一の一次側情報伝送部66は、回転軸部材16の内周面に配されていると共に、第一の二次側情報伝送部68は、取付ロッド15の外周面に配されている。また、このことから明らかなように、本実施形態では、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68を含んで第一の無接触情報伝送手段が構成されている。
なお、コンディショナー64の配設位置は、第一の一次側情報伝送部66と通信用回路(スレーブ)60の間であれば、特に限定されず、例えば、第一の一次側情報伝送部66の近くであっても良いし、通信用回路(スレーブ)60が設けられた制御基板38上であっても良い。因みに、本実施形態では、コンディショナー64は、回転軸部材16の中心孔58内で第一の一次側情報伝送部66の付近に配されており、コンディショナー64と第一の一次側情報伝送部66を接続する信号線およびコンディショナー64と通信用回路(スレーブ)60を接続する信号線も、回転軸部材16の中心孔58内に配されている。
第一の二次側情報伝送部68に伝送されてきた高周波電圧は、第二の一次側情報伝送部70から第二の二次側情報伝送部72へと高周波電磁誘導により無接触な状態で伝送されるようになっている。これら第二の一次側および二次側情報伝送部70,72も、第一の一次側および二次側電力伝送部48,50と同様に、コアと、コアに巻回された巻線によって構成されており、第二の二次側情報伝送部72がタワー側において第二の一次側電力伝送部48と同心軸上に配されている一方、第二の一次側情報伝送部70がナセル14内において第二の二次側電力伝送部50と同心軸上で第二の二次側情報伝送部72に対向するように配されている。因みに、本実施形態では、第二の二次側情報伝送部72は、タワー12の内周面に配されており、第二の一次側情報伝送部70は、取付ロッド15の外周面に配されている。また、このことから明らかなように、本実施形態では、第二の一次側および二次側情報伝送部70,72を含んで第二の無接触情報伝送手段が構成されている。
そして、第二の二次側情報伝送部72に伝送されてきた高周波電圧に重畳されている情報信号は、通信用回路(マスター)74によって、取り出されるようになっている。このようにして通信用回路(マスター)74によって取り出された情報信号は、通信用回路(マスター)74によって、監視装置62に向けて送信される。その際、情報信号は、インターフェイス76によって通信プロトコルが変換された後、インターネット等で構成されたコンピュータネットワーク77を介して監視装置62に送信される。これにより、監視装置62において、通信用回路(スレーブ)60から送信されてきた情報信号に基づいて、風力発電装置10を監視することが出来るようになっている。
そこにおいて、本実施形態では、通信用回路(マスター)74から通信用回路(スレーブ)60に向けて一定の周期で要求信号が伝送されるようになっており、通信用回路(スレーブ)60は、かかる要求信号を受信した場合のみ、MPU40から送信されてきた情報信号を通信用回路(マスター)74に向けて送信するようになっている。なお、緊急時には、要求信号を受信したか否かに拘わらず、通信用回路(スレーブ)60から通信用回路(マスター)74に情報信号が送信されるようになっている。
また、通信用回路(スレーブ)60と通信用回路(マスター)74の間での高周波電圧を利用した通信は、非同期通信であっても良いし、同期通信であっても良い。
なお、本実施形態では、MPU40がセンサ30からの検出信号に基づいてピッチ角調節機構32を作動制御すると共に、通信用回路(スレーブ)60から通信用回路(マスター)74を介して監視装置62に情報信号が送信されるようになっていたが、例えば、MPU40から通信用回路(スレーブ)60に送信されてきたセンサ30からの検出信号を通信用回路(スレーブ)60が通信用回路(マスター)74を介して監視装置62に送信し、監視装置62が 受信した情報信号に基づいて、MPU40にピッチ角調節機構32の作動を制御させるための制御信号(外部制御信号)を、通信用回路(マスター)74を介して通信用回路(スレーブ)60に送信するようにして、MPU40が監視装置62から送信されてきた制御信号(外部制御信号)に基づいてピッチ角調節機構32を作動制御するようにしても良い。
このようにしてピッチ角調節機構32を作動制御する場合には、例えば、大型台風の接近等によって明らかに危険な運転状態となる前にピッチ角調節機構32を作動制御することが可能となり、それによって、MPU40がセンサ30からの検出信号に基づいてピッチ角調節機構32を作動制御する場合とは異なる制御を容易に実現することが可能となる。
なお、この場合には、通信用回路(マスター)74によって情報信号が高周波電圧に重畳されるようになっており、通信用回路(スレーブ)60によって高周波電圧に重畳された情報信号が取り出されるようになっている。そこにおいて、情報信号が重畳される高周波電圧は、通信用回路(マスター)74によって生成されるようになっており、その周波数は、1kHz〜50MHzとされている。そして、この場合には、MPU40によって制御信号受信手段が構成されることとなる。また、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68を含んで第一の無接触信号伝送手段が構成されると共に、第二の一次側および二次側情報伝送部70,72を含んで第二の無接触信号伝送手段が構成されることとなる。
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、回転軸部材16とハブ26とブレード28によって、回転部材が構成されている。また、本実施形態では、ピッチ角調節機構32によって、回転部材の状態を能動的に調節して回転部材が危険な状態となることを回避する危険回避手段が構成されている。更にまた、本実施形態では、第一の一次側及び二次側電力伝送部52,54と、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68によって、第一段の無接触伝送手段が構成されており、第二の一次側及び二次側電力伝送部48,50と、第二の一次側及び二次側情報伝送部70,72によって、第二段の無接触伝送手段が構成されている。また、本実施形態では、状態制御手段としてのMPU40から、制御に関連する情報信号として、例えばセンサ30の検出信号や、ピッチ角調節機構32の制御信号や状態信号、或いはMPU40の作動履歴などの信号を外部に送信するようになっている。即ち、本実施形態では、制御に関連する適当な信号を外部に送信するMPU40の機能によって、情報送信手段が構成されている。なお、この情報送信手段によってMPU40から発信された情報信号は、前述の如く、通信用回路(スレーブ)60と通信用回路(マスター)74を利用した第一の一次側及び二次側情報伝送部66,68と第二の一次側及び二次側情報伝送部70,72による信号伝送を経て、インターフェイス76を利用したコンピュータネットワーク77を通じて、監視装置62に向けて伝送されるようになっている。
このような本実施形態に従う構造とされた風力発電装置10においては、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54と、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50を採用したことによって、MPU40が実装された制御基板38を回転軸部材16と一体的に回転せしめることが可能となった。
そして、このような構成を採用することにより、センサ30からの検出信号に基づいてMPU40がピッチ角調節機構32を作動制御することが可能となったのであり、それによって、ピッチ角調節機構32によるピッチ角の制御を、外部からピッチ角調節機構32を作動制御する場合に比して、速やかに、且つ、高い信頼性で行うことが可能となる。
また、本実施形態の風力発電装置10においては、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68と、第二の一次側および二次側情報伝送部70,72を採用したことによって、通信用回路(スレーブ)60から送信される情報信号に対して、ノイズがのることを有利に抑えることが可能となり、それによって、ノイズの少ない高精度な信号に基づいて、高い精度と信頼性のもとに、風力発電装置10を監視することが可能となる。
続いて、本発明の第二の実施形態について、図4に基づいて、説明する。前記第一の実施形態は、風力発電装置についての実施形態であったが、第二の実施形態は、風力発電装置用の制御装置についての実施形態である。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態の風力発電装置用の制御装置80は、状態検出手段としてのセンサ30,状態制御手段としてのMPU40,第一の一次側および二次側情報伝送部66,68を含んで構成されており、回転軸部材16とハブ26とブレード28によって構成された回転部材と、ピッチ角調節機構32によって構成された状態調節手段を備えた既存の風力発電装置に対して装着されるようになっている。なお、制御装置80を構成する各部材は、風力発電装置に対して、第一の実施形態と同じ位置に配されるようになっている。
そこにおいて、既存の風力発電装置としては、回転部材と状態調節手段を備えていることが必要となるが、回転部材は、必ず、回転軸部材16とハブ26とブレード28によって構成されている必要はない。また、状態調節手段は、必ず、ピッチ角調節機構32によって構成されている必要はなく、例えば、制動装置等で構成されていても良い。更にまた、既存の風力発電装置に必要となる、ピッチ角調節機構32や制動装置等で構成される状態調節手段は、風力発電装置に対して後から装着されたものであっても良い。
このような風力発電装置用の制御装置80においては、MPU40が、外部電源42から電力を供給されて、センサ30からの検出信号を受信し、受信した検出信号に基づいてピッチ角調節機構32を作動制御し、センサ30からの検出信号やピッチ角調節機構32を作動制御する際の制御信号等によって構成された情報信号を外部に送信するようになっている。なお、MPU40への電力の供給やMPU40による情報信号の外部への送信等は、第一の実施形態と同様な方法が採用されることから、それらの説明は省略する。
すなわち、本実施形態では、情報信号を外部に送信するMPU40の機能によって情報送信手段が構成されている。また、本実施形態では、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68を含んで第一の無接触情報伝送手段が構成されており、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54を含んで第一の無接触電力伝送手段が構成されている。
そして、このような本実施形態の風力発電装置用の制御装置80を装着した風力発電装置は、第一の実施形態と同様な効果を得ることが可能となる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、必要なチャンネル数がMPU40の内部で処理できるチャンネル数を越えた場合には、拡張ボードを設けることも可能である。
また、前記第一の実施形態では、ピッチ角調節機構32によって危険回避手段が構成されていたが、例えば、回転軸部材16の回転速度を遅くしたり、或いは、回転軸部材16の回転を止めたりするための油圧式等の機械ブレーキ等によって危険回避手段を構成しても良い。更にまた、ブレード28のハブ26に対する取付部位において、ブレード28をハブ26との接続箇所又はその付近で略後方、即ち、風下側に折り曲げるために組み込まれたサーボモータと減速歯車機構によって、危険回避手段を構成するようにしても良い。なお、これらの場合において、危険回避手段は、状態調節手段をも構成することとなる。
さらに、前記第一および第二の実施形態では、回転軸部材16が管体構造とされていたが、本発明は、回転軸部材が中実構造であっても、適用可能である。
更にまた、一次側および二次側の電力伝送部や情報伝送部の配設位置は、前記第一および第二の実施形態のものに限定されず、例えば、図5および図6に示されている配設位置を採用することも可能となる。即ち、図5および図6には、本発明の第三の実施形態としての風力発電装置に採用される、一次側および二次側電力伝送部と、一次側および二次側情報伝送部の配設位置が示されている。なお、図5および図6には、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54と、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68の配設位置(相対的な位置関係)が示されているが、このような配設位置(一次側および二次側電力伝送部と、一次側および二次側情報伝送部の相対的な位置関係)は、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50と、第二の一次側および二次側情報伝送部70,72の配設位置(相対的な位置関係)に対しても、勿論適用可能である。
より詳細には、本実施形態では、回転軸部材16における風下側の端部に対して、全体として厚肉円板形状の取付板82が固定されており、かかる取付板82に対して取付ロッド15の他方の端部が対向位置せしめられている。
そこにおいて、本実施形態では、取付板82における取付ロッド15側の端面に対して取付ロッド15側に突出するボス部84が、回転軸部材16や取付板82と同一中心軸上で突設されている一方、取付ロッド15における取付板82側の端面に対して取付板82側に開口する凹所86が、取付ロッド15の中心軸上に形成されている。そして、取付板82に対して取付ロッド15の他方の端部が対向位置せしめられた状態で、取付板82に設けられたボス84が取付ロッド15に形成された凹所86に対して同一中心軸上で軸方向に差し込まれて略収容状態で位置せしめられている。
そして、取付板82における取付ロッド15側の端部の外周部分に対して第一の二次側電力伝送部54を構成する、第一の無接触電力伝送手段の二次側コイルとしての電力用二次側コイル55が固定的に設けられている一方、取付ロッド15における他方の端部の外周部分に対して第一の一次側電力伝送部52を構成する、第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルとしての電力用一次側コイル53が固定的に設けられている。
また、取付部82に設けられたボス84の突出端に対して第一の一次側情報伝送部66を構成する、第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルとしての情報用一次側コイル67が固定的に設けられている一方、取付ロッド15における他方の端部に形成された凹所の底部分に対して第一の二次側情報伝送部68を構成する、第一の無接触情報伝送手段の二次側コイルとしての情報用二次側コイル69が固定的に設けられている。なお、これら情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69は、先の説明や図面からも明らかなように、電力用一次側コイル53や電力用二次側コイル55よりも小径で小型とされている。
そして、上述の如く、取付板82と取付ロッド15が対向位置せしめられることにより、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69の軸方向対向面が、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55の軸方向対向面に対して、回転軸部材16の軸方向でずれるようになっている。即ち、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69の対向面間の隙間と、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55の対向面間の隙間とが、互いにコイル軸方向に所定距離を隔てて位置せしめられている。
また、本実施形態では、情報用一次側コイル67と電力用二次側コイル55が組み込まれた取付板82と、情報用二次側コイル69と電力用一次側コイル53が組み込まれた取付ロッド15が、何れも、例えば、アルミニウムや銅等の非磁性の金属によって形成されている。そして、この非磁性の金属からなる取付板82や取付ロッド15において、各軸方向端面に開口形成された円形状凹所や円環形状凹所内に嵌め込まれるようにして、情報用一次側コイル67,情報用二次側コイル69,電力用一次側コイル53,電力用二次側コイル55が、装着されている。これによって、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69は、何れも、外周面と、互いに対向する軸方向端面と反対側の軸方向端面とを、何れも全体に亘って、非磁性の金属材によって覆われている。また、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55は、何れも、互いに対向する軸方向一方の端面を除く、軸方向他方の端面と内外周面を、それらの全体に亘って、非磁性の金属材によって覆われている。その結果、情報用一次側コイル67,情報用二次側コイル69,電力用一次側コイル53,電力用二次側コイル55のそれぞれの周りを高度に電磁遮蔽せしめた遮蔽構造が実現されており、特に、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69は、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55に対しても、高度に電磁遮蔽されている。即ち、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69、および電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55は、そのような電磁遮蔽構造の中で、互いに軸方向で小さな隙間をもって実質的に直接に対向位置せしめられているのであり、それによって、高度で且つ効率的な信号や電力の伝送が実現されるようになっているのである。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、情報用一次側コイル67,情報用二次側コイル69,電力用一次側コイル53,電力用二次側コイル55が組み付けられた取付板82と取付ロッド15によって、電磁遮蔽部材が構成されている。
このような本実施形態の風力発電装置においては、第一の実施形態と同様な効果を得ることが出来る。
また、本実施形態では、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69の軸方向対向面が、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55の軸方向対向面に対して、回転軸部材16の軸方向でずれていることから、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54間での高周波電磁誘導を利用した電力の伝送により第一の一次側および二次側情報伝送部66,68間で高周波電磁誘導を利用して伝送される情報信号にノイズがのり難いようにすることが可能となる。
特に、本実施形態では、情報用一次側コイル67と情報用二次側コイル69が、相互の対向面間を除いた周りを電磁遮蔽部材としての取付板82と取付ロッド15で覆われた構造となっていることから、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68間で高周波電磁誘導を利用して伝送される情報に一層ノイズがのり難い。加えて、本実施形態では、電力用一次側コイル53と電力用二次側コイル55も、互いに対向面を除いた周りを電磁遮蔽されていることから、電力伝送に起因して情報伝送系やその他の制御系に対して、電磁誘導等による悪影響が及ぶことを抑えることが出来るのである。なお、このような電磁遮蔽は、本実施形態の如く取付板82と取付ロッド15を非磁性の金属材で形成することによる他、各種の構造で実現可能である。例えば、情報伝送系へのノイズ混入を低減するためには、情報用一次側コイル67が巻回されたボス部84の突出先端部分の外周面を覆うようにテープ状の非磁性金属箔を巻き付けるだけでも有効である。即ち、情報用一次側コイル67および情報用二次側コイル69と、電力用一次側コイル53および電力用二次側コイル55との間に配される各種構造の電磁遮蔽部材が有効に用いられ得る。
なお、一次側および二次側の電力伝送部や情報伝送部の配設位置としては、この他にも、例えば、図7や図8に示されているようなものが考えられる。図7では、回転軸部材16の外周面に対して軸方向で離隔せしめられた位置に第一の二次側電力伝送部54と第一の一次側情報伝送部66が設けられており、それら第一の二次側電力伝送部54と第一の一次側情報伝送部66の径方向外方に、第一の一次側電力伝送部52と第一の二次側情報伝送部68が位置せしめられている。なお、これら第一の一次側電力伝送部52と第一の二次側情報伝送部68は、ナセル14や取付ロッド15によって支持される。この場合、各伝送部を構成するコイルは、回転軸部材16の軸方向に延びる直線を中心線としてコアに巻き付けられていても良いし、回転軸部材16の周方向に延びる直線を中心線としてコアに巻き付けられていても良い。また、第一の二次側電力伝送部54と整流安定化回路56を接続する電線および第一の一次側情報伝送部66と通信用回路(スレーブ)60を接続する電線は、回転軸部材16の外側に配されるようになっている。なお、第一の一次側電力伝送部52は、第一の二次側電力伝送部54の径方向外方において全周に亘って位置せしめられている必要はなく、第一の二次側情報伝送部68も、第一の一次側情報伝送部66の径方向外方において全周に亘って位置せしめられている必要はない。
また、図8では、回転軸部材16においてナセル14から突出せしめられた部分に対して挿通状態で組み付けられる円板78を設けて、かかる円板78に対して、内周側に第一の一次側情報伝送部66を設けると共に、外周側に第一の二次側電力伝送部54を設ける一方、それら第一の一次側情報伝送部66と第一の二次側電力伝送部54に対して、回転軸部材16の軸方向で対向位置せしめられるようにして、第一の二次側情報伝送部68と第一の一次側電力伝送部52を設けるようになっている。この場合、第一の一次側電力伝送部52は、第一の二次側電力伝送部54の全周に亘って対向位置せしめられている必要はなく、第一の二次側情報伝送部68も、第一の一次側情報伝送部66の全周に亘って対向位置せしめられている必要はない。また、第一の二次側情報伝送部68と第一の一次側電力伝送部52は、ナセル14の外側に固定されるようになっている。
なお、図7および図8においても、第一の一次側および二次側電力伝送部52,54と、第一の一次側および二次側情報伝送部66,68の符号を付して、一次側および二次側電力伝送部と、一次側および二次側情報伝送部の配設位置(相対的な位置関係)について説明しているが、図5および図6の場合、即ち、第三の実施形態の場合と同様に、このような配設位置(一次側および二次側電力伝送部と、一次側および二次側情報伝送部の相対的な位置関係)は、第二の一次側および二次側電力伝送部48,50と、第二の一次側および二次側情報伝送部70,72の配設位置(相対的な位置関係)に対しても、勿論適用可能である。
加えて、前記第一乃至第三の実施形態では、回転軸部材16が風の吹く方向に対して略平行に配置された風力発電装置に対して本発明を適用したものの一具体例が示されていたが、本発明は、回転軸部材が風の吹く方向に対して略垂直に配置された風力発電装置に対しても、勿論、適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての風力発電装置を示す正面図である。 図1に示された風力発電装置において情報信号および電力を伝送する機構を説明するための概略図である。 図1に示された風力発電装置における情報信号の伝送経路および電力の伝送経路を説明するためのブロック図である。 本発明の第二の実施形態としての風力発電装置用の制御装置を説明するためのブロック図である。 本発明の第三の実施形態としての風力発電装置に採用される無接触伝送手段の配設位置を説明するための概略説明図である。 図5に示された無接触伝送手段の配設位置の要部を示す断面図である。 本発明において採用可能な無接触伝送手段の別の配設位置を説明するための概略図である。 本発明において採用可能な無接触伝送手段の更に別の配設位置を説明するための概略図である。
符号の説明
10 風力発電装置
16 回転軸部材
26 風車支持部
28 ブレード
30 センサ
32 ピッチ角調節機構
40 MPU
48 第二の一次側電力伝送部
50 第二の二次側電力伝送部
52 第一の一次側電力伝送部
54 第一の二次側電力伝送部
66 第一の一次側情報伝送部
68 第一の二次側情報伝送部
70 第二の一次側情報伝送部
72 第二の二次側情報伝送部

Claims (12)

  1. 所定の支持部材によって回転可能に支持されて、風力により回転せしめられる回転部材と、
    該回転部材に設けられ、該回転部材の状態を検出して検出信号を出力する状態検出手段と、
    該回転部材の状態を能動的に調節する状態調節手段と、
    該回転部材に取り付けられて、前記状態検出手段からの検出信号に基づいて前記状態調節手段を作動制御する状態制御手段と、
    該状態制御手段による前記状態調節手段の作動制御に関連する情報信号を外部に送信する情報送信手段と、
    前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記情報送信手段からの前記情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該回転部材側から該支持部材側に伝送する第一の無接触情報伝送手段と
    前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、前記状態制御手段への供給電力を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該回転部材側に伝送する第一の無接触電力伝送手段と、
    前記状態調節手段を外部から作動制御するための外部制御信号を受信する制御信号受信手段と、
    前記支持部材と前記回転部材の部材間に配設されて、外部から送信されてきた該外部制御信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該回転部材側に伝送する第一の無接触信号伝送手段と
    を、備えていることを特徴とする風力発電装置。
  2. 前記情報信号が、前記状態検出手段による検出信号を含む請求項に記載の風力発電装置。
  3. 前記情報信号が、前記状態制御手段による前記状態調節手段の作動制御用の出力信号を含む請求項1又は2に記載の風力発電装置。
  4. 設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、
    前記ベース部材と前記支持部材の部材間に配設されて、前記情報送信手段からの前記情報信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該支持部材側から該ベース部材側に伝送する第二の無接触情報伝送手段と
    を、設けた請求項1乃至の何れかに記載の風力発電装置。
  5. 設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、
    該ベース部材と該支持部材の部材間に配設されて、前記状態制御手段への供給電力を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該ベース部材側から該支持部材側に伝送する第二の無接触電力伝送手段と
    を、設けた請求項に記載の風力発電装置。
  6. 設置基盤に対して固定的に設けられて、前記回転部材の回転中心軸に対して略直交する回動軸回りで前記支持部材を回動可能に支持するベース部材と、
    該ベース部材と該支持部材の部材間に配設されて、外部から送信されてきた前記外部制御信号を、高周波電磁誘導を利用して無接触な状態で該ベース部材側から該支持部材側に伝送する第二の無接触信号伝送手段と
    を、設けた請求項に記載の風力発電装置。
  7. 前記第一の無接触情報伝送手段を通じて前記回転部材から伝送された前記情報信号と、前記第一の無接触信号伝送手段を通じて前記回転部材に伝送される前記外部制御信号との、少なくとも一方の信号をコンピューターネットワークに対して送信及び/又は受信するネットワークインターフェースを設けることにより、装置の遠隔監視及び/又は遠隔制御を実施することが出来るようにした請求項1乃至の何れかに記載の風力発電装置。
  8. 外部からの電力供給が停止した状態下でも、前記状態制御手段に対して所定時間に亘って電力を提供し得る蓄電手段を設けた請求項1乃至の何れかに記載の風力発電装置。
  9. 前記回転部材において、前記状態検出手段の信号入力用の接続端子が複数備え付けられており、それら接続端子に該状態検出手段を接続することによって、該状態検出手段の検出信号が前記状態制御手段及び/又は前記情報送信手段に伝送されるようになっている請求項1乃至の何れかに記載の風力発電装置。
  10. 前記回転部材において、前記状態制御手段からの出力用端子が設けられている請求項1乃至9の何れかに記載の風力発電装置。
  11. 前記第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルを、前記第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルよりも小径として、該第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルと同一中心軸上に位置せしめると共に、該第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの対向面を、該第一の無接触電力伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの対向面に対して前記回転部材の回転軸方向で所定距離を隔てて位置せしめた請求項1乃至10の何れかに記載の風力発電装置。
  12. 前記第一の無接触情報伝送手段の一次側コイルおよび二次側コイルの少なくとも一方の周りに電磁遮蔽部材を配設した請求項11に記載の風力発電装置。
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