JP3679700B2 - 車両用ランプ制御装置 - Google Patents
車両用ランプ制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3679700B2 JP3679700B2 JP2000317616A JP2000317616A JP3679700B2 JP 3679700 B2 JP3679700 B2 JP 3679700B2 JP 2000317616 A JP2000317616 A JP 2000317616A JP 2000317616 A JP2000317616 A JP 2000317616A JP 3679700 B2 JP3679700 B2 JP 3679700B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power supply
- lamp
- cpu
- lamps
- time
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Circuit Arrangement For Electric Light Sources In General (AREA)
- Lighting Device Outwards From Vehicle And Optical Signal (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧化されたバッテリ(以下、「高電圧バッテリ」という)によりランプに給電する車両用ランプ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ユーザによる車両へのオプション的な電装品の設置、あるいは車両の高性能化に伴い、電力消耗が大きくなってきていることから、従来のバッテリ(乗用車では通常12V電圧を供給)では電力を供給する能力が不足ぎみとなってきている。また、このような電装品の増加により、電装品とバッテリとを接続するハーネスに電流がより多く流れるようになるため、その発熱への対応を余儀なくされている。
【0003】
そこで、こうした問題への対応として、車両のバッテリを高電圧化(例えば、36V電源など)した新しい規格への移行が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした高電圧バッテリが採用された場合、現行の12V仕様のランプを従来の手法で点灯させることはできない。そこで、各ランプへの給電時間をデューティ制御することで当該ランプに供給する電力量を制御する車両用ランプ制御装置が提案されている。
【0005】
こうした装置においては、そのときの制御態様に応じた好適なランプの点灯制御が望まれている。
特に、現行の12V仕様のランプを高電圧バッテリにより給電するため、その給電異常(過大な給電、あるいは給電不能等)に対する対応の向上が望まれている。
【0006】
本発明の第1の目的は、高電圧バッテリにより給電される車両用ランプ制御装置において、ランプへの給電異常に対する対応を向上することができる車両用ランプ制御装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、高電圧バッテリにより給電される車両用ランプ制御装置において、運転者が著しい暗さを感じる状態でのランプへの給電量を好適に制御することができる車両用ランプ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、高電圧バッテリからランプへの給電時間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制御する車両用ランプ制御装置において、CPUから出力される駆動信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御する第1デューティ制御手段と、前記CPU以外から出力される駆動信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御する第2デューティ制御手段と、前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電異常が検出されたときに、前記第2デューティ制御手段による前記ランプへの給電に切り替えるデューティ制御切替手段と
を備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ランプ制御装置において、始動時には、前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電を停止した状態で前記第2デューティ制御手段による該ランプへの給電を行い、該第2デューティ制御手段による該ランプへの給電が正常であることを確認した後に前記第1デューティ制御手段による該ランプへの給電に切り替える始動時デューティ制御切替手段を更に備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ランプ制御装置において、前記ランプへの給電時間のデューティ比を制限して該ランプへの過大な給電を制限する給電量制限手段を更に備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうち何れか1項に記載の車両用ランプ制御装置において、ワイパースイッチ及び光量増スイッチの少なくとも一方がオンされているときに、前記ランプへの給電量を基準量よりも増大補正する給電量補正手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両用ランプ制御装置において、前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を所定時間経過後において基準量に戻すことを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用ランプ制御装置において、前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を漸減して基準量に戻すことを要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、上記第1デューティ制御手段によるランプへの給電異常が検出されたときに、上記第2デューティ制御手段によるランプへの給電に切り替えるデューティ制御切替手段を備えている。従って、上記第1デューティ制御手段(CPU)の不具合発生時には、上記第2デューティ制御手段によるランプへの給電時間のデューティ制御に切り替えることで、不具合発生に対する装置の強靱性が向上される。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、始動時には、上記第1デューティ制御手段によるランプへの給電を停止した状態で上記第2デューティ制御手段によるランプへの給電を行い、同第2デューティ制御手段によるランプへの給電が正常であることが確認された後に第1デューティ制御手段によるランプへの給電に切り替えられる。このように、始動時において第2デューティ制御手段によるランプへの給電が正常であることを予め確認しておくことで、例えば同第2デューティ制御手段によるランプへの給電が異常であるときの迅速な対応を促し、第1及び第2デューティ制御手段に同時に不具合が発生する状態が回避される。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、上記ランプへの給電時間のデューティ比を制限して同ランプへの過大な給電を制限する給電量制限手段を備えている。従って、意図しないランプへの過大な給電が制限されることで、同ランプの損傷等は回避される。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、ワイパースイッチ及び光量増スイッチの少なくとも一方がオンされているときには、ランプへの給電量は基準量よりも増大補正される。従って、例えば夜間の降雨時等、運転者が著しい暗さを感じる状態において、ランプの明るさが好適に確保される。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、上記増大補正された給電量は所定時間経過後において基準量に戻されるため、同増大補正された給電量がランプに長時間にわたって供給されてランプの寿命が短くなったりすることは回避される。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、上記増大補正された給電量は漸減されて基準量に戻されるため、同ランプは違和感なく基準の明るさに戻される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1〜図3は、本実施形態の電気的構成を示す回路図であり、特に図1及び図2は主としてその入力側及び出力側をそれぞれ示している。同図に示されるように、この車両用ランプ制御装置は、例えば36Vの高電圧バッテリ11及び12Vのバッテリ12に接続されており、ライトコントロールスイッチ13、ディマースイッチ14、DRL(Daytime Runnning Light)スイッチ15、フォグスイッチ16、光量増スイッチ17、イグニッションスイッチ18、ワイパースイッチ19、照度センサ20、これらスイッチ等に基づき点灯制御される右左各側のロービームランプ21,22、同ハイビームランプ23,24、同フォグランプ25,26、同ヘッドランプインジケータ27,28及び制御態様等に応じてこれらランプの制御を行うコントローラ30を備えている。
【0025】
上記ライトコントロールスイッチ13は、運転者等の操作によりヘッドライト(ロービームランプ21,22及びハイビームランプ23,24)を点灯又は消灯するためのスイッチである。また、上記ディマースイッチ14は、特にハイビームランプ23,24を点灯又は消灯するためのスイッチである。
【0026】
上記DRLスイッチ15は、運転者等の操作によりカナダの法規制に対応して昼間に前照灯(ロービームランプ21,22)を基準の80%程度の明るさで点灯させるためのスイッチである。
【0027】
上記光量増スイッチ17は、運転者等の操作により特に暗さの著しい状態において選択されているランプ21〜26を、例えば基準の120%程度の明るさで点灯させるためのスイッチである。
【0028】
上記照度センサ20は、例えば車両のインストルメントパネル(図示略)の上部に設置されており、周囲の明るさを検出する。
上記ランプ21〜26は、高電圧バッテリ11に接続されて給電されるが、現行の12V仕様のランプが採用されている。上記ヘッドランプインジケータ27,28は、例えばコンビネーションメータに組み込まれており、それぞれ後述するロービームランプ21,22への給電異常が検出されることで点灯制御される。
【0029】
上記コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit )31、入力インターフェース32、イグニッションスイッチ18のオン・オフ状態を検出するイグニッションスイッチ入力回路部33、基準電源34、ウォッチドッグタイマ35、リセット回路36、電圧検出回路部37、給電量制限手段を構成する出力部40a〜40f、スイッチングトランジスタT1〜T6、電流検出回路部41,42及びパルス発振器を構成するフェイルセーフ回路43等により構成されている。
【0030】
上記イグニッションスイッチ入力回路部33はCPU31に接続されており、同CPU31にはイグニッションスイッチ18のオン状態に対応してH(ハイ)レベルとなるイグニッションスイッチ信号IGが入力されている。このイグニッションスイッチ信号IGは、上記フェイルセーフ回路43にも入力されている。
【0031】
上記基準電源34は、例えば5Vの基準電圧Vccを生成してCPU31等に給電する。
上記ウォッチドッグタイマ35は、CPU31に接続されて同CPU31からのランパルス信号を監視する。このランパルス信号は、CPU31が正常に動作しているときに出力される信号であって、ウォッチドッグタイマ35は、このランパルス信号を監視することでCPU31の診断を行っている。そして、ウォッチドッグタイマ35は、この診断結果を上記リセット回路36に出力している。リセット回路36は、この診断において異常が検出されたときに、CPU31をリセットする。
【0032】
上記電圧検出回路部37は、一方端が上記高電圧バッテリ11に接続された第1抵抗Rf1と、同第1抵抗Rf1に直列接続され、一方端の接地された第2抵抗Rf2を有し、これら第1及び第2抵抗Rf1,Rf2の接続端はCPU31に接続されている。CPU31は、この電圧検出回路部37の上記第1及び第2抵抗Rf1,Rf2に基づく高電圧バッテリ11の分圧が入力されることで同高電圧バッテリ11の実際の電圧値を演算する。
【0033】
上記ライトコントロールスイッチ13、ディマースイッチ14、DRLスイッチ15、フォグスイッチ16、光量増スイッチ17及びワイパースイッチ19は、上記入力インターフェース32を介してCPU31に接続されており、同CPU31にはこれらスイッチの操作状態等が入力されている。特に、ライトコントロールスイッチ13からは、そのオン状態に対応してHレベルとなるヘッドスイッチ信号HEADがCPU31に入力されている。このヘッドスイッチ信号HEADは、上記フェイルセーフ回路43にも入力されている。
【0034】
図2に示されるように、上記各出力部40a〜40fはそれぞれNOR回路46及びMMV(単安定マルチバイブレータ)47を有している。そして、各NOR回路46の一方の入力端子はCPU31に直接接続されており、同他方の入力端子はMMV47を介してCPU31に接続されている。また、各NOR回路46の出力端子は対応するスイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに接続されている。
【0035】
本実施形態では、高電圧バッテリ11からランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、周期的に給電するようになっており、通常は同ランプ21〜26への給電時間をPWM制御(デューティ制御)することでその給電量、すなわちランプ21〜26の明るさを制御する。そして、CPU31は、ランプ21〜26への所要の給電時間に対応するL(ロー)レベルの時間幅を有する信号を所要のタイミングで各出力部40a〜40fに選択的に出力するようになっている。
【0036】
従って、ランプ21〜26への給電時、各NOR回路46の一方の入力端子には所要の給電時間のLレベルの幅を有する信号が入力される。一方、上記MMV47は、CPU31からの上記信号のHレベルからLレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。従って、ランプ21〜26への給電時、各NOR回路46の他方の入力端子には上記所定時間のLレベルの幅を有する信号が入力される。この時間(3[ms])は、CPU31によって制御(PWM制御)されるランプ21〜26への給電時間に比べて長く、且つ、同ランプ21〜26に対して過大に給電されることのない好適な値に設定されている。
【0037】
各NOR回路46の出力端子からは、その一方及び他方の入力端子にともにLレベルの信号が入力された状態のときに当該スイッチングトランジスタT1〜T6のゲートにHレベルの信号が出力される。換言すると、各NOR回路46の出力端子からは、その一方及び他方の入力端子に入力される各信号のうち、そのLレベルの時間幅の小さい方の信号、通常はCPU31によってPWM制御される信号が反転した状態で当該スイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに出力される。
【0038】
上記各スイッチングトランジスタT1〜T6のドレインは、それぞれランプ21〜26に接続されており、同ランプ21〜26は高電圧バッテリ11のプラス極に接続されている。また、右側のランプ21,23,25に対応する各スイッチングトランジスタT1,T3,T5のソースは、一括されて一方の電流検出回路部41に接続されており、同電流検出回路部41を介して接地されている。左側のランプ22,24,26に対応する各スイッチングトランジスタT2,T4,T6のソースは、一括されて他方の電流検出回路部42に接続されており、同電流検出回路部42を介して接地されている。従って、出力部40a〜40fを介してCPU31から所要のスイッチングトランジスタT1〜T6のゲートにHレベルの信号が出力されると、当該トランジスタT1〜T6はオン状態となって対応するランプ21〜26に電流が流れ、同ランプ21〜26に給電される。
【0039】
なお、スイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに出力されるHレベルの信号は、既述のようにNOR回路46の一方及び他方の入力端子に入力される各信号のうち、そのLレベルの時間幅の小さい方の信号が反転されて生成される。このため、図3に併せ示されるように、CPU31の不具合などで出力部40a〜40fに過大なLレベルの時間幅を有する信号が入力されても、スイッチングトランジスタT1〜T6のゲートに出力される信号のHレベルの時間幅は出力部(NOR回路46及びMMV47)によって規制されるため、当該トランジスタT1〜T6のオン時間(デューティ比)は制限されて上記ランプ21〜26への過大な給電は防止されている。
【0040】
上記電流検出回路部41,42は、それぞれコンパレータ51、MMV52及び抵抗Rを備えている。そして、右側のランプ21,23,25に対応する各スイッチングトランジスタT1,T3,T5のソースは電流検出回路部41の抵抗Rを介して接地されており、左側のランプ22,24,26に対応する各スイッチングトランジスタT2,T4,T6のソースは電流検出回路部42の抵抗Rを介して接地されている。
【0041】
また、これら抵抗Rの上記ソース側は、それぞれ対応するコンパレータ51の+入力端子に接続されている。そして、各コンパレータ51の−入力端子はCPU31に接続されて所定の判定基準電圧が入力されている。従って、各コンパレータ51の出力端子からは、抵抗Rの上記ソース側の電圧が判定基準電圧よりも大きいか否かを示す2値信号が出力される。
【0042】
ここで、右側のランプ21,23,25若しくは左側のランプ22,24,26を一括して流れる各電流が対応する電流検出回路部41,42の抵抗Rを流れると、そのソース側に電圧を発生する。これら電圧がそれぞれコンパレータ51及びMMV52を介してCPU31に入力されることで、同電圧、すなわち右側のランプ21,23,25若しくは左側のランプ22,24,26を一括して流れる各電流(ランプ電流)が2値化された電圧値としてそれぞれ検出される。
【0043】
なお、各MMV52は、コンパレータ51の出力端子からの信号のHレベルからLレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。従って、各コンパレータ51の出力端子からの上記2値信号は、このMMV52を介することで、一定のLレベルの時間幅を有するパルス信号としてCPU31に入力される。以上により、例えば各コンパレータ51の出力端子からの上記2値信号が短周期的に変動しても、MMV52によって一定のLレベルの時間幅を有するパルス信号に変換されるため、CPU31に影響を及ぼすことはない。
【0044】
次に、上記フェイルセーフ回路43について、図3を併せ参照して説明する。このフェイルセーフ回路43は、大きくはパルス信号生成部61、出力部62a,62b及びスイッチングトランジスタ63a,63bを備えている。
【0045】
上記パルス信号生成部61は、ロービームランプ21,22に対して個別に設けられたレベルシフト回路64、MMV65、パルス生成回路66及びAND回路67,68,69を備えている(図3においては、便宜的にロービームランプ21に対してのみ図示)。レベルシフト回路64は、各ロービームランプ21,22と対応するスイッチングトランジスタT1,T2のドレインとの間にそれぞれ接続されている。このレベルシフト回路64は、各ロービームランプ21,22の非通電時において、例えば36Vの電圧を5Vの基準電圧に変換し、Hレベルの信号としてMMV65に出力する。また、レベルシフト回路64は、各ロービームランプ21,22の通電時において電圧降下した電圧をLレベルの信号としてMMV65に出力する。
【0046】
上記MMV65は、レベルシフト回路64からの信号のHレベルからLレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、40〜100[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。この時間(40〜100[ms])は、ロービームランプ21,22に対する通常の給電周期に対して十分に長く設定されている。従って、ロービームランプ21,22に対して正常な通電が行われると、MMV65はその給電周期を通してLレベルの信号を生成する。
【0047】
上記AND回路67の一方の入力端子はMMV65に接続されており、同他方の入力端子は上記パルス生成回路66に接続されている。このパルス生成回路66は、各ロービームランプ21,22への給電周期と同等の周期にて所定時間(例えば、3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。従って、ロービームランプ21,22の非通電時には、MMV65からHレベルの信号がAND回路67の一方の入力端子に入力されるため、パルス生成回路66において生成された信号がそのままその出力端子から出力される。また、ロービームランプ21,22の通電時には、その給電周期を通してMMV65からLレベルの信号がAND回路67の一方の端子に入力されるため、常にLレベルの信号がその出力端子から出力される。
【0048】
一方、AND回路68の一方及び他方の入力端子には、それぞれCPU31へと入力される前記ライトコントロールスイッチ13及びイグニッションスイッチ18からの各信号(イグニッションスイッチ信号IG及びヘッドスイッチ信号HEAD)が分岐・入力されている(図1及び図2参照)。従って、このAND回路68の出力端子からは、上記ライトコントロールスイッチ13及びイグニッションスイッチ18がともにオンされているときにのみHレベルの信号が出力される。
【0049】
上記AND回路69の一方及び他方の入力端子には、それぞれ上記AND回路67,68の各出力端子が接続されており、その出力端子は前記出力部62a,62bに接続されている。従って、このAND回路69の出力端子からは、上記ライトコントロールスイッチ13及びイグニッションスイッチ18がともにオンされており、且つ、当該ロービームランプ21,22への非通電時においてのみ、パルス生成回路66において生成された信号がそのまま対応する出力部62a,62bに出力される。
【0050】
図3に示されるように、上記出力部62a,62bは、それぞれNOR回路71及びMMV72を有している。そして、NOR回路71の一方の入力端子は上記AND回路69の出力端子に直接接続されており、同他方の入力端子はMMV72を介して同AND回路69の出力端子に接続されている。MMV72は、上記AND回路69の出力端子からの信号のHレベルからLレベルへの立ち下がりに同期して所定時間(例えば、3[ms])のLレベルの時間幅を有するパルス信号を生成する。
【0051】
上記NOR回路71の出力端子は対応するスイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに接続されている。そして、各スイッチングトランジスタ63a,63bのドレインは、各ロービームランプ21,22と対応するスイッチングトランジスタT1,T2のドレインとの間に接続されており、そのソースは接地されている。
【0052】
従って、上記ライトコントロールスイッチ13及びイグニッションスイッチ18がともにオンされており、且つ、当該ロービームランプ21,22への非通電時においては、上記NOR回路71の一方及び他方の入力端子に入力される各信号のうちそのLレベルの時間の幅が小さい方の信号が反転した状態で当該スイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに出力される。従って、例えば通常の給電経路に異常(例えば、CPU31の異常、スイッチングトランジスタT1,T2の損傷など)が発生した場合には、通常はパルス生成回路66において生成された信号が反転した状態で当該スイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに出力される。これにより、このスイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに出力される信号がHレベルになるときに同スイッチングトランジスタ63a,63bはオンされ、対応するロービームランプ21,22が給電されて点灯する。このように、各ロービームランプ21,22に対して補完的な給電経路を設けたのは、その通常の給電経路に異常(例えば、CPU31の異常、スイッチングトランジスタT1,T2の損傷など)が発生した場合においても、同ロービームランプ21,22の意図しない消灯を回避するためである。
【0053】
なお、スイッチングトランジスタ63a,63bのゲートに出力されるHレベルの信号は、NOR回路71の一方及び他方の入力端子に入力される各信号のうち、そのLレベルの時間幅の小さい方の信号が反転されて生成されるようになっている。このため、図3に示されるように、パルス信号生成部61の不具合などによりAND回路69から過剰なLレベルの時間幅を有する信号が出力されても、スイッチングトランジスタ63a,63bへの出力信号のHレベルの時間幅は出力部(NOR回路71及びMMV72)によって規制されるため、当該トランジスタ63a,63bのオン時間(デューティ比)は制限され、上記ロービームランプ21,22への過大な給電は防止される。
【0054】
ちなみに、上記NOR回路71の出力端子は、CPU31にも接続されており、その出力信号がCPU31により監視されている。これは、少なくともCPU31が正常である場合においてフェイルセーフ回路43のみによるロービームランプ21,22への給電が正常であることを確認するためである。
【0055】
上記ヘッドランプインジケータ27,28の一方端はそれぞれスイッチ73,74を介して高電圧バッテリ11に接続されており、同他方端は接地されている。これらヘッドランプインジケータ27,28は、後述するロービームランプ21,22への給電異常が検出されると、CPU31からの駆動信号によって当該スイッチ73,74がオンされて点灯する。
【0056】
次に、コントローラ30が実行する処理の内容とともに、本実施形態に係る車両用ランプ制御装置の動作について、図4〜図8を参照して説明する。
図4のフローチャートで示すルーチンにおいてCPU31は、まずステップ101において必要な初期設定を行った後、所定時間ごとの定時割り込みによりステップ102以降の処理を繰り返す。
【0057】
ステップ102においてCPU31は、イニシャルフラグがオンか否かを判断する。このイニシャルフラグは、後述のイニシャルチェックのサブルーチンが完了することでオンされるものである。ここで、イニシャルフラグがオフと判断されるとCPU31は、ステップ200に移行し、図6に示されるイニシャルチェックのサブルーチンを実行する。また、イニシャルフラグがオンと判断されると、CPU31はステップ103に移行する。
【0058】
図6に示されるように、ステップ200のサブルーチンにおいてCPU31は、まず、ステップ201においてイグニッションスイッチ18がオンか否かを判断する。そして、イグニッションスイッチ18がオフであると判断されるとCPU31は、イニシャルチェックのサブルーチンを終了してステップ103に移行する。一方、イグニッションスイッチ18がオンであると判断されるとCPU31は、ステップ202に移行する。
【0059】
ステップ202においてCPU31は、ライトコントロールスイッチ13がオンか否かを判断する。そして、ライトコントロールスイッチ13がオフであると判断されるとCPU31は、イニシャルチェックのサブルーチンを終了してステップ103に移行する。一方、ライトコントロールスイッチ13がオンであると判断されるとCPU31は、ステップ203に移行する。
【0060】
ステップ203においてCPU31は、ロービームランプ21,22(出力部40a,40b)に対する駆動信号の出力を停止する。このとき、前記フェイルセーフ回路43のパルス信号生成部61(AND回路67の一方の入力端子)に常にHレベルの信号が入力されるため、各出力部62a,62b(NOR回路71)から前記パルス生成回路66において生成されたパルス信号が反転した状態で当該スイッチングトランジスタ63a,63bにそれぞれ出力されるのは既述のとおりである。
【0061】
次いで、CPU31はステップ204に移行して、上記フェイルセーフ回路43のパルスチェックを行う。既述のように、各出力部62a,62b(NOR回路71)からの信号はCPU31にも出力されており、これら信号をチェックすることで各ロービームランプ21,22に対するフェイルセーフ回路43の給電状態をチェックする。
【0062】
次いで、CPU31は、ステップ205に移行して、上記チェックされたパルスが正常か否かを判断する。具体的には、各出力部62a,62bから出力された信号(パルス信号)のHレベルの時間幅、或いは周期等をそれぞれ規定値と比較して正常か否かを判断する。
【0063】
ここで、上記チェックされたパルスが正常であると判断されるとCPU31は、ステップ206に移行してCPU出力に切り替える。具体的には、図6に併せ示されるように、CPU31は、切替開始時において同期をとるための短パルス(例えば、通常の20分の1程度のHレベルの時間幅を有する信号がスイッチングトランジスタT1,T2に出力されるパルス信号)を出力する。この短パルスは、ロービームランプ21,22への給電において同ランプ21,22に損傷を与えることのないものである。そして、この短パルスのタイミングを起点として、CPU31によるランプ21〜26への所要のタイミング及び給電時間でのPWM制御に移行する。
【0064】
一方、ステップ205において、チェックされたパルスが異常であると判断されるとCPU31は、ステップ207に移行してこの診断結果をダイアグに記憶するとともに、当該ヘッドランプインジケータ27,28を点灯する。具体的には、CPU31は、異常が検出されたロービームランプ21,22に対応する前記スイッチ73,74に駆動信号を出力して当該ヘッドランプインジケータ27,28を点灯する。
【0065】
ステップ206若しくは207の処理を行ったCPU31は、ステップ208に移行してイニシャルフラグをオンし、イニシャルチェックのサブルーチンを終了してステップ103に移行する。
【0066】
ステップ103においてCPU31は、イグニッションスイッチ18がオンか否かを判断する。ここで、イグニッションスイッチ18がオンであると判断されると、CPU31はステップ104に移行し、ライトコントロールスイッチ13がオンか否かを判断する。そして、ライトコントロールスイッチ13がオフであると判断されると、CPU31はステップ105に移行する。
【0067】
ステップ105においてCPU31は、DRLスイッチ15がオンか否かを判断する。ここで、DRLスイッチ15がオフであると判断されるとCPU31は、そのままステップ102に戻る。また、DRLスイッチ15がオンであると判断されるとCPU31は、ステップ106に移行してヘッドフラグをオンするとともに、PWM補正係数を値「0.8」に設定し、更に後述するステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンを実行した後、ステップ102の処理に戻る。なお、ヘッドフラグはロービームランプ21,22を点灯させるときにオンに設定されるものである。また、PWM補正係数は、ランプへの給電時間の基準値に乗ずることで実際の給電時間、すなわちランプへの給電量を増減補正するものである。
【0068】
一方、ステップ104においてライトコントロールスイッチ13がオンであると判断されると、CPU31は図5のステップ121に移行する。そして、前記電圧検出回路部37において検出された高電圧バッテリ11の電圧を読み込み、ステップ122に移行する。そして、ステップ122においてCPU31は、上記高電圧バッテリ11の電圧に基づきPWM補正係数の算出に供せられる電圧補正係数を演算する。図7に示されるように、この電圧補正係数は高電圧バッテリ11の電圧が小さくなるほど大きくなるように設定されている。これは、高電圧バッテリ11の電圧低下に伴うランプへの給電量の低下を補うため、その分、同ランプへの給電時間を長く(PWM補正係数を大きく)設定するためである。
【0069】
その後、ステップ123に移行してCPU31は、ヘッドフラグをオンして更にステップ124に移行する。
ステップ124においてCPU31は、前記光量増スイッチ17がオンか否かを判断する。ここで、光量増スイッチ17がオフであると判断されるとCPU31は、更にステップ125に移行してワイパースイッチ19がオンか否かを判断する。そして、ワイパースイッチ19がオフであると判断されるとCPU31は、更にステップ127に移行する。一方、ステップ124において光量増スイッチ17がオンであると判断され、若しくはステップ125においてワイパースイッチ19がオンであると判断されるとCPU31は、ステップ126において光量増フラグをオンした後に、ステップ127に移行する。
【0070】
ステップ127においてCPU31は、ディマースイッチ14がオンか否かを判断する。ここで、ディマースイッチ14がオンであると判断されると、CPU31はステップ128に移行し、ハイフラグをオンにしてステップ129に移行する。一方、ディマースイッチ14がオフであると判断されると、CPU31はそのままステップ129に移行する。なお、ハイフラグはハイビームランプ23,24を点灯させるときにオンに設定されるものである。
【0071】
ステップ129においてCPU31は、フォグスイッチ16がオンか否かを判断する。ここで、フォグスイッチ16がオンであると判断されると、CPU31はステップ130に移行し、フォグフラグをオンにしてステップ131に移行する。一方、フォグスイッチ16がオフであると判断されると、CPU31はそのままステップ131に移行する。なお、フォグフラグはフォグランプ25,26を点灯させるときにオンに設定されるものである。
【0072】
ステップ131においてCPU31は、光量増フラグがオンか否かを判断する。ここで、光量増フラグがオフであると判断されると、CPU31はステップ133に移行し、PWM補正係数を値「1.0」に設定する。
【0073】
一方、光量増フラグがオンであると判断されると、CPU31はステップ132に移行し、光量増フラグがオンに移行してから所定の設定時間を経過しているか否かを判断する。そして、光量増フラグがオンに移行してから所定の設定時間を経過していないと判断されると、CPU31はステップ134に移行し、PWM補正係数を値「1.2」に設定する。このような補正は、光量増スイッチ17若しくはワイパースイッチ19がオンされている間、例えば夜間の降雨時等、運転者が著しい暗さを感じる状態において、所定の設定時間を経過していないことを条件にPWM補正係数を所定値(値「0.2」)だけ増大し、ランプの明るさをその分確保するためである。
【0074】
ステップ132において光量増フラグがオンに移行してから所定の設定時間を経過していると判断されると、CPU31はステップ135に移行し、PWM補正係数の漸減を行う。具体的には、演算の都度に(時間の経過とともに)このPWM補正係数を値「1.0」を下限として漸減する。このようなPWM補正係数の補正は、増大補正されたPWM補正係数に基づきランプへの過剰な給電が長時間にわたることで同ランプの寿命が短くなったりすることを回避するためである。また、PWM補正係数を漸減するのは、上記設定時間の経過後において同PWM補正係数に基づくランプへの給電量を徐々に減らし、違和感なくランプを基準の明るさに戻すためである。
【0075】
ステップ133〜135のいずれかの処理によりPWM補正係数の設定等を行うと、CPU31はステップ136に移行し、上記設定等されたPWM補正係数にステップ122において演算された電圧補正係数を乗じてこのときのPWM補正係数の値を更新し、更にステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンを実行した後、ステップ102の処理に戻る。
【0076】
一方、ステップ103においてイグニッションスイッチ18がオフであると判断されると、CPU31はステップ107に移行し、ライトコントロールスイッチ13がオンか否かを判断する。そして、ライトコントロールスイッチ13がオンであると判断されると、CPU31はステップ108に移行し、更にディマースイッチ14がオンか否かを判断する。そして、ディマースイッチ14がオフであると判断されると、ステップ109に移行してヘッドフラグをオンするとともに、PWM補正係数を値「1.0」に設定し、更にステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンを実行した後、ステップ102の処理に戻る。また、ステップ108においてディマースイッチ14がオンであると判断されるとCPU31は、ステップ110に移行してヘッドフラグ及びハイフラグをオンするとともに、PWM補正係数を値「1.0」に設定し、更にステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンを実行した後、ステップ102の処理に戻る。
【0077】
また、ステップ107においてライトコントロールスイッチ13がオフであると判断されると、CPU31はそのままステップ102の処理に戻る。
次に、ステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンについて、図8を参照して説明する。ステップ300のランプ点灯処理のサブルーチンに移行したCPU31は、まずステップ301において基準PWM値にPWM補正係数を乗じて出力PWMを演算する。この基準PWM値は、高電圧バッテリ11から選択されたランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、周期的に給電するときの同ランプ21〜26への給電時間の基準値である。この基準値に上述のように演算されたPWM補正係数を乗ずることで、ランプ21〜26への給電時間である出力PWMが算出される。
【0078】
出力PWMを算出したCPU31は、ステップ302に移行し、各種オンフラグに基づき所要のランプにPWMを出力する。すなわち、CPU31は、上記演算された給電時間(出力PWM)だけ当該ランプのスイッチングトランジスタT1〜T6がオンされるように駆動信号を出力する。これにより、所要のランプに所要の給電が行われる。そして、PWMを出力したCPU31は、ランプ点灯処理のサブルーチンを終了してその後、ステップ102の処理に戻る。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、高電圧バッテリ11からロービームランプ21,22への給電量を、CPU31と、フェイルセーフ回路43(パルス生成回路66)との2重系によってPWM制御(デューティ制御)した。そして、CPU31によるロービームランプ21,22への給電異常が検出されたときに、フェイルセーフ回路43による同ランプ21,22への給電制御に切り替えるようにした。従って、例えばCPU31の不具合発生時においても上記ランプ21,22への給電を補完的に行うことができ、不具合発生に対する装置の強靱性を向上することができる。
【0080】
(2)本実施形態では、CPU31による右左各側のロービームランプ21,22への給電異常を個別に検出するようにした。そして、いずれかのロービームランプ21,22への給電異常が検出されたとき、当該ランプ21,22のみへの給電をフェイルセーフ回路43による給電に切り替えるようにした。従って、CPU31によるロービームランプ21,22への給電異常が検出されたときの対応をより厳密に行うことができる。
【0081】
(3)本実施形態では、イニシャルチェックにおいて、CPU31によるロービームランプ21,22への給電を停止した状態でフェイルセーフ回路43(パルス生成回路66)による同ランプ21,22への給電を行い、同フェイルセーフ回路43によるランプ21,22への給電が正常であることが確認された後にCPU31によるランプ21,22への給電に切り替えるようにした。このように、イニシャルチェックにおいてフェイルセーフ回路43によるロービームランプ21,22への給電が正常であることを予め確認しておくことで、例えば同フェイルセーフ回路43によるランプ21,22への給電が異常であるときの迅速な対応を促し、CPU31及びフェイルセーフ回路43に同時に不具合が発生する状態を回避することができる。
【0082】
(4)本実施形態では、イニシャルチェックにおいて、フェイルセーフ回路43(パルス生成回路66)によるロービームランプ21,22への給電が異常であることが確認されたとき、当該ランプ21,22に対応するスイッチ73,74を駆動してヘッドランプインジケータ27,28を点灯するようにした。従って、フェイルセーフ回路43によるロービームランプ21,22への給電異常が好適に運転者に報知され、整備所等への退避などの迅速な対応を行うことができる。
【0083】
(5)本実施形態では、イニシャルチェックにおいて、フェイルセーフ回路43によるランプ21,22への給電が正常であることが確認された後にCPU31によるランプ21,22への給電に切り替える際、同期をとるための短パルスを出力するようにした。そして、この短パルスのタイミングを起点として、CPU31による選択されたランプ21〜26への所要のタイミング及び給電時間でのPWM制御に移行するようにした。従って、この給電系の移行時において、ロービームランプ21,22への過大な給電が行われて同ランプ21,22が損傷することを回避することができる。
【0084】
(6)本実施形態では、ランプ21〜26に給電するための各出力部40a〜40f(NOR回路46及びMMV47)、62a,62b(NOR回路71及びMMV72)によってその給電時間(デューティ比)を制限し、同ランプへの過大な給電を制限するようにした。従って、意図しないランプ21〜26への過大な給電を制限して同ランプ21〜26の損傷等を回避することができる。
【0085】
(7)本実施形態では、電流検出回路部41,42のコンパレータ51の出力端子からの2値信号を、MMV52を介することで一定のLレベルの時間幅を有するパルス信号としてCPU31に入力した。従って、例えば各コンパレータ51の出力端子からの2値信号が短周期的に変動しても、MMV52によって一定のLレベルの時間幅を有するパルス信号に変換されるため、CPU31に影響を及ぼすことはない。
【0086】
(8)本実施形態では、光量増スイッチ17及びワイパースイッチ19の少なくとも一方がオンされているときには、ランプ21〜26への給電量を基準量よりも所定量だけ増大補正した。従って、例えば夜間の降雨時等、運転者が著しい暗さを感じる状態において、ランプ21〜26の明るさを好適に確保することができる。
【0087】
(9)本実施形態では、増大補正されたランプ21〜26への給電量は所定時間経過後において基準量に戻されるため、同増大補正された給電量がランプ21〜26に長時間にわたって供給されて同ランプの寿命が短くなったりすることを回避することができる。
【0088】
(10)本実施形態では、増大補正されたランプ21〜26への給電量は所定時間経過後において漸減されて基準量に戻されるため、同ランプを違和感なく基準の明るさに戻すことができる。
【0089】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、フェイルセーフ回路43のレベルシフト回路64と、各ロービームランプ21,22と対応するスイッチングトランジスタT1,T2のドレインとの間とを接続してそのレベル(H又はL)を監視することで、CPU31による同ランプ21,22への給電異常を検出した。これに対して、図9に示されるように、フェイルセーフ回路43のMMV65と、各スイッチングトランジスタT1,T2のドレインと対応する出力部40a,40bとの間とをNOT回路81を介して接続し、同出力部40a,40bからの信号(駆動信号)を監視することで、CPU31による同ランプ21,22への給電異常を検出してもよい。
【0090】
また、前記ウォッチドッグタイマ35において監視されるランパルス信号によって、CPU31による同ランプ21,22への給電異常を検出してもよい。
・前記実施形態においては、CPU31による右左各側のロービームランプ21,22への給電異常をそれぞれ個別に検出したが、両ロービームランプ21,22への給電異常を一括して検出してもよい。この場合、CPU31によるロービームランプ21,22への給電から、フェイルセーフ回路43による同ランプ21,22への給電の切り替えを、左右のロービームランプ21,22に対して同時に行う。
【0091】
・前記実施形態においては、フェイルセーフ回路43を各ロービームランプ21,22に個別に設けたが、例えばパルス生成回路66が両ロービームランプ21,22に共用となるような回路構成を採用してもよい。
【0092】
・前記実施形態においては、高電圧バッテリ11からランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、周期的に給電し、基本的には同ランプ21〜26への給電時間(オン時間)をPWM制御(デューティ制御)することでその給電量、すなわちランプ21〜26の明るさを制御した。これに対して、高電圧バッテリ11からランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、一定のオン時間(パルス時間幅)で給電してその給電周期、すなわちオフ時間を制御するデューティ制御によりその給電量、すなわちランプ21〜26の明るさを制御してもよい。
【0093】
図10は、例えば57Hzの周期にて高電圧バッテリ11からランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、給電する場合の同高電圧バッテリ11の電圧値とデューティ比及び給電時間(Ton時間)との関係を示すグラフである。各ランプ21〜26に互いに異なるタイミングで順次、給電するためには、そのデューティ比の上限は16.6(100/6)%(オン時間では、約3(=1/57/6×1000)ms)になる。そして、このデューティ比を上限として高電圧バッテリ11の電圧値に対する給電時間の補正を行う場合、34Vまでの電圧値の範囲で補正可能であることが出願人らによって確認されている。
【0094】
一方、図11は、例えば1.56msの一定のオン時間(パルス時間幅)で給電してその給電周期、すなわちオフ時間を制御するデューティ制御の場合の同高電圧バッテリ11の電圧値と周波数、デューティ比及びオン及びオフの合計時間Tallとの関係を示すグラフである。この場合においても、そのデューティ比の上限は同様に16.6(100/6)%である。このデューティ比を上限として高電圧バッテリ11の電圧値に対する上記合計時間Tall(オフ時間)の補正を行う場合、その最小値は約9.3(=1.56×6)msとなる。そして、この最小値を下限として高電圧バッテリ11の電圧値に対する給電周期の補正を行う場合にも、この電圧値に対する補正可能範囲は同等の34Vとなっている。このようにオン時間(パルス時間幅)を固定してその給電周期、すなわちオフ時間を制御するデューティ制御の場合、例えばスイッチングトランジスタT1〜T6への駆動信号をMMVを介して出力することで常に確実なオン時間にすることができる。さらに、CPU31によるスイッチングトランジスタT1〜T6の駆動時間が一定であるために、同CPU31の診断をより確実に行うことができる。
【0095】
なお、この場合のランプ21〜26への過大な給電を制限するための給電時間のデューティ比の制限は、オフ時間が短くなりすぎないよな回路構成にて行う。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、高電圧バッテリにより給電される車両用ランプ制御装置において、ランプへの給電異常に対する対応を向上することができる。
請求項4〜6のいずれかに記載の発明によれば、高電圧バッテリにより給電される車両用ランプ制御装置において、運転者が著しい暗さを感じる状態でのランプへの給電量を好適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の電気的構成を示す回路図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示す回路図。
【図3】同実施形態の電気的構成を示す回路図。
【図4】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図7】バッテリ電圧と電圧補正係数との関係を示すマップ。
【図8】同実施形態の動作態様を示すフローチャート。
【図9】同実施形態の別例の電気的構成を示す回路図。
【図10】バッテリ電圧とデューティ比等との関係を示すグラフ。
【図11】バッテリ電圧とデューティ比等との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11 高電圧バッテリ
17 光量増スイッチ
19 ワイパースイッチ
21〜26 ランプ
30 コントローラ
31 CPU
35 電圧検出回路部
36 電流検出回路部
40a〜40f 給電量制限手段を構成する出力部
43 パルス発振器を構成するフェイルセーフ回路
47 MMV
66 パルス生成回路
Claims (6)
- 高電圧バッテリからランプへの給電時間をデューティ制御することで該ランプへの給電量を制御する車両用ランプ制御装置において、
CPUから出力される駆動信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御する第1デューティ制御手段と、
前記CPU以外から出力される駆動信号に応じて前記ランプへの給電時間をデューティ制御する第2デューティ制御手段と、
前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電異常が検出されたときに、前記第2デューティ制御手段による前記ランプへの給電に切り替えるデューティ制御切替手段と
を備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。 - 請求項1に記載の車両用ランプ制御装置において、
始動時には、前記第1デューティ制御手段による前記ランプへの給電を停止した状態で前記第2デューティ制御手段による該ランプへの給電を行い、該第2デューティ制御手段による該ランプへの給電が正常であることを確認した後に前記第1デューティ制御手段による該ランプへの給電に切り替える始動時デューティ制御切替手段を更に備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用ランプ制御装置において、
前記ランプへの給電時間のデューティ比を制限して該ランプへの過大な給電を制限する給電量制限手段を更に備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。 - 請求項1〜3のうち何れか1項に記載の車両用ランプ制御装置において、
ワイパースイッチ及び光量増スイッチの少なくとも一方がオンされているときに、前記ランプへの給電量を基準量よりも増大補正する給電量補正手段を更に備えたことを特徴とする車両用ランプ制御装置。 - 請求項4に記載の車両用ランプ制御装置において、
前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を所定時間経過後において基準量に戻すことを特徴とする車両用ランプ制御装置。 - 請求項5に記載の車両用ランプ制御装置において、
前記給電量補正手段は、前記増大補正された給電量を漸減して基準量に戻すことを特徴とする車両用ランプ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317616A JP3679700B2 (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 車両用ランプ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317616A JP3679700B2 (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 車両用ランプ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002120644A JP2002120644A (ja) | 2002-04-23 |
JP3679700B2 true JP3679700B2 (ja) | 2005-08-03 |
Family
ID=18796374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000317616A Expired - Fee Related JP3679700B2 (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 車両用ランプ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3679700B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102107608A (zh) * | 2009-12-24 | 2011-06-29 | 本田技研工业株式会社 | 电动车辆用电力供给装置 |
WO2017203596A1 (ja) | 2016-05-24 | 2017-11-30 | 三菱電機株式会社 | 電子制御装置及びその動作制御方法 |
CN109873466A (zh) * | 2017-12-05 | 2019-06-11 | 深圳市海洋王照明工程有限公司 | 一种微型灯具控制电路及微型防爆手电筒 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2895535B1 (fr) * | 2005-12-22 | 2008-02-15 | Renault Sas | Dispositif electronique de commutation de charge electrique commande par microcontroleur |
JP4611960B2 (ja) * | 2006-11-10 | 2011-01-12 | オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 | 点灯制御装置及び点灯制御方法 |
JP5161040B2 (ja) * | 2008-11-11 | 2013-03-13 | スタンレー電気株式会社 | 車両用灯具の点灯制御装置 |
JP2010116080A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Autonetworks Technologies Ltd | 車両用電源装置 |
JP5417831B2 (ja) * | 2008-12-12 | 2014-02-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 電源制御装置 |
JP5407397B2 (ja) * | 2009-02-10 | 2014-02-05 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 制御システム |
JP5637955B2 (ja) * | 2011-08-02 | 2014-12-10 | 本田技研工業株式会社 | 車両用前照灯制御装置 |
-
2000
- 2000-10-18 JP JP2000317616A patent/JP3679700B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102107608A (zh) * | 2009-12-24 | 2011-06-29 | 本田技研工业株式会社 | 电动车辆用电力供给装置 |
CN102107608B (zh) * | 2009-12-24 | 2015-06-17 | 本田技研工业株式会社 | 电动车辆用电力供给装置 |
WO2017203596A1 (ja) | 2016-05-24 | 2017-11-30 | 三菱電機株式会社 | 電子制御装置及びその動作制御方法 |
US10970147B2 (en) | 2016-05-24 | 2021-04-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Electronic control device and operation control method therefor |
CN109873466A (zh) * | 2017-12-05 | 2019-06-11 | 深圳市海洋王照明工程有限公司 | 一种微型灯具控制电路及微型防爆手电筒 |
CN109873466B (zh) * | 2017-12-05 | 2020-10-27 | 深圳市海洋王照明工程有限公司 | 一种微型灯具控制电路及微型防爆手电筒 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002120644A (ja) | 2002-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11390167B2 (en) | Power supply system | |
US8269641B2 (en) | Vehicle power management system | |
US8330374B2 (en) | Vehicle-mounted load controller, vehicle-mounted headlight device, and vehicle-mounted taillight device | |
JP6131510B2 (ja) | 点灯装置及びそれを用いた前照灯装置、並びに車両 | |
JP3679700B2 (ja) | 車両用ランプ制御装置 | |
JP2002087151A (ja) | 車両用ランプ制御装置 | |
JP2002025790A (ja) | 放電灯点灯回路 | |
US7659670B2 (en) | Headlamp control circuit | |
CN110300477B (zh) | 车辆用光源控制装置以及计算机可读存储介质 | |
MXPA01003151A (es) | Sistema de faros delanteros de vehiculo. | |
JP4767680B2 (ja) | 車両用負荷駆動制御装置 | |
US6803749B2 (en) | Power supply system and process including sub-switching element control | |
KR100473653B1 (ko) | 램프 자동제어회로 | |
KR101730894B1 (ko) | 차량용 램프 및 그 제어 방법 | |
JP3952724B2 (ja) | 車両用負荷駆動システム,信号出力装置および負荷駆動装置 | |
US5170097A (en) | Intermittent windshield wiper and headlight control | |
JP4715769B2 (ja) | 前照灯点灯装置、配光可変型前照灯システム及び車載用前照灯灯具 | |
US6922026B2 (en) | Light fixture control system | |
JP2020001572A (ja) | 灯具制御装置 | |
KR100552771B1 (ko) | 차량의 오토 라이트 시스템 | |
JP2002144958A (ja) | 車両用ランプの点灯制御装置 | |
JP2014099400A (ja) | ヘッドランプ用の電気接続装置 | |
CN113791552B (zh) | 实现灯具间通讯的***及点灯方法 | |
JP4678355B2 (ja) | ヘッドランプ制御回路 | |
KR0125298Y1 (ko) | 자동차의 주간등 장치 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041012 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050111 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050314 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050513 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090520 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |