JP3679263B2 - レーザ走査装置とそれを固定する受台 - Google Patents

レーザ走査装置とそれを固定する受台 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザプリンタ,デジタル複写機,ファクシミリ装置等に用いられるレーザ走査装置に関し、特に走査光学系の横倍率が小さいために結像素子と偏向手段との距離が比較的長くて結像素子が長尺化する場合に適したレーザ走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ,デジタル複写機,ファクシミリ装置等に用いられているレーザ走査装置の多くは、交換性及び保守の容易性を考慮してユニット化されている。
このようなレーザ走査装置の画像形成装置本体への取り付けは、例えば受台に形成されている取付座面にレーザ走査装置に設けられている固定部をネジ止めで固定するのが一般的である。
【0003】
このようなレーザ走査装置は、それ自身で必要な調整をすることにより、ユニットの状態で所定の性能が出るように製造されているが、それを画像形成装置本体に組み込んだ後も引き続き同じ性能が維持できるようにするためには、それらレーザ走査装置と画像形成装置本体の双方について部品精度を高めなければならなかった。
そのため、場合によっては製造が困難な部品精度になってしまったり、その部品精度が得られたとしても製造コストが非常に高くなってしまったりすることがあった。
【0004】
また、このようなレーザ走査装置では、特にそのレーザ走査装置の主走査方向と画像形成装置本体の作像部の副走査方向との位置関係を直角に保つことが重要である。そのため、レーザ走査装置を取り付けた状態で、そのレーザ走査装置が行なう走査の走査線の傾きを調整する作業を行なう場合が多い。
以下、その走査線の傾きを調整することができるようにした従来の機構について説明する。
【0005】
例えば、特開平5−119276号公報に記載されている装置では、光学箱にそれぞれ取りつけ孔を形成した3箇所の固定部のうち2箇所に座面高さ調整用のネジ(調整足)をそれぞれ設け、そのネジにより光学箱の座面高さを調整できるようにしている。
また、特開平8−11348号公報に記載されている装置では、光学箱(光学ユニット)と装置本体の間にくさび状の角度θに形成されたプレートを設け、そのプレートと光学箱及びそのプレートと装置本体とをそれぞれ平面で取り付けるようにし、それらをそれぞれの平面内で各基準ピンを中心にして回転可能に構成し、角度θを中心とした微小角度の調整ができるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−119276号公報に記載の装置は、光学箱を取りつけ板に固定するための固定部を3箇所にして、それを固定した際の歪を最小にすることによってユニット状に形成した光学箱内の各種光学部品の位置関係に狂いが生じないようにしているが、それによって逆に問題が生じることがあった。
【0007】
すなわち、光学箱内に配設する各種の光学部品が多いために重量が重くなる場合には、このように光学箱を3箇所で固定しただけではそれが撓んでしまったり、外部振動に対して十分な強度が得られない場合があるということがあった。
したがって、このような場合には剛性アップを図るために光学箱をアルミダイキャストにしたりする必要があるので、製品重量が増してしまうと共に、コスト面でも高価になってしまうという問題点があった。
【0008】
また、上記の装置では、光学箱の座面高さを調整する機構に調整ネジを用いているが、このような部分にネジの調整を繰り返し安定して容易に行なうことができるようにする調整用ネジを使用する場合には、そのネジは通常金属ネジを使用して、それを樹脂材にインサートモールドするようになる。しかしながら、このようにすると近年運動が活発化している樹脂のリサイクル化に際し、その金属ネジが障害になってしまということがあった。
そうかといって、その都度金属ネジを樹脂材から手作業で分離していたのでは非常に手間がかかってしまうので効率が悪くなってしまうということがあった。
【0009】
一方、特開平8−11348号公報に記載されている装置の場合には、光学箱の取付が平面で行なわれるので、大型の光学箱を3箇所以上の固定部で固定するようにしても、その光学ユニットを構成する光学箱を歪ませることなく取り付けることができるが、プレートを光学箱よりも若干大きめに形成して、それを調整部材として必要な高い精度にまで仕上げる必要があるため、コスト的で高価になってしまったり、重量も重くなってしまうという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、光学部品が内蔵された光学箱が大型のものであっても、それを装置本体に取り付けた状態で本来の光学性能を損なうことなく走査線の傾きを調整することができると共に、外部振動に対して悪影響を受けないレーザ走査装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、レーザビームを発するレーザ発光手段と、回転多面鏡を用いたレーザビーム偏向手段と、レーザ発光手段が発したレーザビームをレーザビーム偏向手段上に結像する第1の光学手段と、レーザビーム偏向手段により偏向されたレーザビームを所定の像面に結像する第2の光学手段と、結像レンズとを光学箱内の所定の位置にそれぞれ保持固定してレーザビーム操作ユニットを構成し、その光学箱を受台に固定するようにしたレーザ走査装置を、次のように構成する。
【0012】
すなわち、レーザ走査装置を、上記光学箱は、主走査方向に横断的な開口をその光学箱の略中央に有し、レーザビーム偏向手段と結像レンズを上記開口を隔てて光学箱の左右に分けて配置すると共に、そのレーザビーム偏向手段と結像レンズを上記光学箱の側壁面と一体的になっている部分にそれぞれ取り付け、上記光学箱を受台に固定する固定部の上記レーザビーム偏向手段に対応する1個所にその固定部の上記受台の取付座面からの高さを調整可能にする固定部高さ調整手段を設け、その固定部高さ調整手段を設けた場所以外の他の固定部をそれぞれ上記受台に直接固定するようにし、上記固定部高さ調整手段の調整により上記光学箱自体が変形してレーザビームの傾きが調整されるように構成する。
【0013】
そして、その固定部高さ調整手段は、くさび状のスペーサ部材とし、そのスペーサ部材を光学箱あるいは受台の何れかに形成した案内面に沿って摺動可能にするとよい。
また、上記光学箱を、上下2層構造の部屋に分けて形成し、その略中央に形成した開口により上下の部屋が貫通し、上記部屋の一方に上記開口を跨ぐようにレーザ発光手段とレーザビーム偏向手段を配設すると共に第1の光学手段を配設し、上記固定部高さ調整手段をレーザビーム偏向手段に近接する側の固定部にその固定部の高さを調整可能に設けるとよい。
そして、上記光学箱とスペーサ部材は、上記受台と同じ材料で形成するとよい。
【0014】
さらに、上記固定部を光学箱の略4隅に設け、その光学箱には受台に形成された突条あるいは凹溝と係合する凹溝あるいは突条を所定の範囲に形成し、上記固定部高さ調整手段を設ける1個所の固定部を、上記固定部高さ調整手段を調整範囲内の最大高さ位置に調整して上記固定部が受台の取付座面から最も高くなる位置にしたときに光学箱側の凹溝あるいは突条が上記受台側の突条あるいは凹溝にラップし続ける位置の固定部にするとよい。
そして、上記各レーザ走査装置を固定する受台は、材料を熱可塑性の合成樹脂にするとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例であるレーザ走査装置の光学箱とそれを取り付ける受台及びそれらの間に介在させるスペーサを示す分解斜視図、図2は同じくその光学箱内に設けられている走査光学系を構成する各光学部品を示す斜視図、図3は同じくそのレーザ走査装置を受台に固定した状態を示す縦断面図である。
【0016】
このレーザ走査装置は、図2に示すように、半導体レーザと、その半導体レーザの発散光を平行光にするコリメートレンズを所定の調整を行なうことによりビーム整形するアパーチャとをホルタに固定したレーザユニット1を設けている。このレーザユニット1は、レーザビームを発するレーザ発光手段として機能するものである。
【0017】
また、このレーザ走査装置は、回転多面鏡である多角形のミラー3aを備えたレーザビーム偏向手段であるポリゴンスキャナ3と、レーザユニット1が発したレーザビームの平行光をポリゴンスキャナ3の偏向面上に平行且つ直線状に結像するための第1の光学手段であるシリンドリカルレンズ2も設けている。
【0018】
さらに、そのポリゴンスキャナ3により偏向されたレーザビームを所定の像面に結像すると共に等速走査させる第2の光学手段であるfθミラー4も設けている。そして、そのfθミラー4により反射されたレーザビームは、同期検知板5に入射する。
その同期検知板5は、レーザビームを受光して同期検知信号としてパルス状の信号を生成するためのセンサと、信号処理回路とを備えている。
【0019】
また、ポリゴンスキャナ3と長尺のfθミラー4との間に折り返しミラー6を設け、その折り返しミラー6によりレーザビームを長尺の結像レンズ7,防塵ガラス8を介して感光体ドラム9の表面に導くようにしている。
結像レンズ7は、ポリゴンスキャナ3のミラー面の倒れを補正するものである。また、防塵ガラス8は、図3に示すように光学箱10に形成している光路開口10eの部分を塞ぐ防塵用のガラスである。
そして、上述した各光学部品(光学素子)を光学箱10内の所定の位置にそれぞれ保持固定することによってレーザビーム走査ユニットを構成している。
【0020】
このように、fθミラー4,結像レンズ7,防塵ガラス8等のように長尺の光学部品を多用した走査光学系では、ユニット全体の大きさを小さくするため、反射ビームの光路が水平光軸と僅かな角度差をなして積層させる光レイアウトの構成となり、上記光学部品の配置は3次元的になる。
すなわち、図3に示すように、fθミラー4と結像レンズ7と防塵ガラス8が部分的に積層状態になるため、光学箱10は上下2層構造の部屋に分かれて、その略中央に形成した開口11により上下の部屋が貫通する構成になる。
【0021】
そして、このレーザ走査装置では、その上側の部屋に開口11を跨ぐようにレーザユニット1(図1)とポリゴンスキャナ3を配設すると共にシリンドリカルレンズ2(図2)等を配設している。したがって、光学箱10は主走査方向に横断的な大きい開口11を有することにより、ねじれ剛性の弱い形状になりやすい。
【0022】
そこで、この光学箱10は、ねじれ剛性を少しでも高めるために、ガラス繊維強化のポリカーボネート(PC)や、ポリフェニレンオキサイド(PPHOX・商標名ノリル)などの熱可塑性合成樹脂で形成する。
そして、この光学箱10の部分を、タッピングネジ13によるネジ止めにより受台である本体構造体12に固定することにより、レーザ走査装置を本体構造体12に固定するようにしている。
なお、本体構造体12には、図1に示すような範囲に突条のリブ16をコの字状に配置して所定の高さで形成し、そのリブ16に対応させて光学箱10に図3に示すような凹溝17を所定の範囲で形成している。
【0023】
以下、このレーザ走査装置の本体構造体12への固定について説明する。
光学箱10は、その断面形状を図3に示したように、中にポリゴンスキャナ3、fθミラー4、折り返しミラー6、結像レンズ7及び防塵ガラス8等の各光学部品をそれぞれ所定の位置に保持固定する大きさに形成されている。なお、それら各光学部品の固定方法は、この発明には直接関係しないため、その詳しい説明は省略する。
【0024】
その光学箱10は、上面側が全て開口された形状をしており、その開口部分が全てカバー15で覆われている。そして、図1に示すように4隅付近には、それぞれ側部に突設するフランジ状の固定部10a〜10d(5個所以上形成するようにしてもよい)を形成し、その部分をそれぞれ本体構造体12に固定する構成になっている。
そして、その1個所の固定部10dの本体構造体12の取付座面12dからの高さを調整可能にする固定部高さ調整手段であるスペーサ14を設け、そのスペーサ14を介して固定部10dを本体構造体12の取付座面12dに固定し、残る他の固定部10a〜10cをそれぞれ本体構造体12の取付座面12a〜12cにタッピングネジ13により直接固定するようにしている。
【0025】
そのスペーサ14は、本体構造体12に、その上面12eに対して傾斜させて形成した案内面となる取付座面12dに沿って摺動可能なくさび状に形成されている。
そのスペーサ14には、長手方向に沿って長孔14aが形成されていて、その長孔14a内に固定部10dのネジ孔に挿入したタッピングネジ13を通し、そのタッピングネジ13を本体構造体12の取付座面12dに形成しているネジ孔18に螺着することにより光学箱10の固定部10dを本体構造体12の取付座面12dにスペーサ14を介して固定するようにしている。
【0026】
なお、この実施の形態では、光学箱10を本体構造体12に固定する箇所を固定部10a〜10dの4箇所にし、そのうち3個の固定部10a〜10cをそれぞれ本体構造体12にタッピングネジ13により直接固定(高さの調整ができない固定)するようにしたが、その直接固定する取付座面の数を4個以上にしてレーザ走査装置の耐震動性を向上させるようにしてもよい。
但し、その場合でも、本体構造体12側の取付座面の1つは、上述したようなスペーサ14を介して光学箱10を本体構造体12に固定する構成にする必要がある。
【0027】
このように、本体構造体12側の取付座面の数を増やす場合には、その増やす取付座面の位置は、スペーサ14の効果を損なわない位置にする必要がある。そして、その取付座面を増やす位置は、それぞれ光学箱の形状が異なるので、実験的に求めるのがよい。
特に、たまたま共振が起こる場合で、その際にごく僅かに固有振動数をずらすだけで、必ずしも静的な剛性を大きく変えるようなことをしなくても、取付座面の数を増やすだけで、目に見えて事態が改善される場合がある。
【0028】
本体構造体12とスペーサ14は、光学箱10と同様な材料の例えば合成樹脂で形成するとよい。そうすれば、本体構造体12とスペーサ14と光学箱10とは、それぞれ熱膨張係数が同じになる。したがって、このレーザ走査装置が配設される装置の機内温度が上昇しても、その温度変化に伴う熱変形によるひずみが出にくい。
【0029】
また、レーザ走査装置を固定する本体構造体12は、熱可塑性の合成樹脂で作るようにするとよい。
そうすれば、その本体構造体12にネジを固定するためのナットをインサートモールドしたりせずに、図1に示したタッピングネジ13を直接本体構造体12の取付座面12a〜12dにそれぞれネジ込み固定することができるので、その本体構造体12をリサイクルする際にインサートモールドされたナット類をいちいち取り外す必要がないため、効率的なリサイクルができる。
【0030】
図1に示したレーザ走査装置は、スペーサ14を本体構造体12の傾斜した案内面となる取付座面12d上にセットした状態でy方向に沿って移動させると、光学箱10が固定部10dの部分を中心にしてスペーサ14の移動量に応じてz方向(上下方向)に移動する。
その際、スペーサ14のy方向への移動量と、光学箱10の固定部10dのz方向への移動量との関係は、スペーサ14のくさび角度θによって定まり、そのくさび角度θを変えることにより、光学箱10の高さ方向の位置を変える調整感度を自由に選択することができる。
【0031】
例えば、θ=5.7 度とすれば、調整感度は1/10になるので、所望の調整量が例えば±0.5mm程度であるときには、y方向への移動量は±5mmとなる。そして、このようなくさび形状のスペーサ14を樹脂の成形により製作することに、精度上の問題はなんら生じない。
【0032】
ところで、調整機能を果たすスペーサ14を図1のy方向に移動させると、それに伴って光学箱10の固定部10dの部分がz方向(上下方向)に変位する。したがって、その光学箱10内に収められている各光学部品の位置がずれることによって走査線が傾く。
そして、その走査線の傾き度合いは、固定部10a〜10dのどこの部分にスペーサ14を設けるかによって異なる。
【0033】
図4は、その固定部10a〜10dに順番にスペーサ14を順次取り付けていって(それぞれ1箇所にのみ配設)、そのときスペーサ14を図1のy方向に移動させて各固定部10a〜10dの高さを変えたときの走査線の傾きの変化を測定した実験データを示している。
この実験では、スペーサ14の高さ0mm(スペーサ14により各固定部10a〜10dを持ち上げていない状態)のときにおける走査線の傾きを0としている。また、走査線の傾きの符号は、y+方向でz+方向に傾いた走査線を(+)プラスの傾きとした。
【0034】
実験の結果は、図4から明らかなように、スペーサ14を固定部10a〜10dのいずれの場所に設けた場合も、その各固定部の位置を高くすると走査線の傾きは変化するが、その固定部の高さの変化量に対する走査線の傾きの変化量はそれぞれで異なる。
しかしながら、そのスペーサ14による固定部の高さの変化量と走査線の傾きの変化量との相関は非常によく、線形変化といえる。このことは、この程度の変形は、この光学箱10にとって微小変形であることを示している。
【0035】
この光学箱固定部の高さの変化量と走査線の傾きとの関係は、光学箱10の中に収められているfθミラー4,結像レンズ7,防塵ガラス8等の各光学部品のそれぞれの配置や、光学箱10自体の剛性等により変わるものである。
すなわち、図2から明らかなように、このレーザ走査装置のようにfθミラー4,結像レンズ7,防塵ガラス8等の光学部品がそれぞれ長尺な形状をしていて、光学箱10が比較的大きくて、その中央に開口11があることによって箱自体のねじれ剛性が弱い場合には、スペーサ14による局所的な変形は、そのスペーサ14の作用位置から遠く離れた処までは至らない。
【0036】
したがって、そのスペーサ14による光学箱10の変形は、単純ねじれ変形となり、その光学箱10の長手側の辺の近辺に位置する光学部品が互いに傾く変形となる。そのため、この場合の走査線の傾きや収差の劣化は光学部品(光学素子)の光軸回りの回転偏芯としてモデル化され、幾何光学的な予測を立てることが容易である。
【0037】
この実施の形態によるレーザ走査装置は、図4に示した実験結果から、本体構造体12の取付座面12dの部分にスペーサ14を設けることに決定した。このように、取付座面12dにスペーサ14を設けると、そのスペーサ14の位置を調整することにより光学箱10の固定部10dの高さ方向の位置が変わるので、それによってポリゴンスキャナ3が光軸回りに回転するため、結像レンズ7上を所定の光線より傾斜して走査するようになる結果、像面で走査線が傾くことになる。
【0038】
ところで、図3に示したように、ポリゴンスキャナ3と結像レンズ7は、開口11を隔てて光学箱10の左右に分かれて配設されており、それら光学箱10のポリゴンスキャナ3と結像レンズ7を取り付けている各部は側壁面と一体的になっていて比較的剛性を有しているため、スペーサ14による固定部10dの変形は、ポリゴンスキャナ3と結像レンズ7のそれぞれの取付面には影響しにくいと考えられる。
【0039】
そこで、スペーサ14を設ける取付座面により走査線の傾き度合いがどれくらい異なるかをみてみると、図4に示したように、例えば取付座面12cにスペーサ14を設けた場合(×印の線図)には、それを取付座面12d(△印の線図)に設けた場合よりも調整感度(スペーサ14の調整量に対する走査線の傾き度合い)がにぶくなる。
したがって、図4から明らかなように、スペーサ14は取付座面12dに設けると最も良好な調整感度が得られるので好ましい。
なお、図4で○印の線図は、スペーサ14を取付座面12aに設けた場合のものであり、□印の線図はスペーサ14を取付座面12bに設けた場合のものである。
【0040】
このように調整感度は、光学箱10の大きさや形状、及びその中に収納される各種光学部品の形状及び配設位置によっても異なるものであるため、それらの条件によっては取付座面12dの位置にスペーサ14を設けることが最も好ましいとはいえない場合もある。
【0041】
しかしながら、このレーザ走査装置は、前述したように本体構造体12の図1に示したような範囲に突条のリブ16をコの字状に所定の高さで形成し、そのリブ16に対応させて光学箱10側に図3に示したような凹溝17を所定の範囲で形成しているので、取付座面12dの位置にスペーサ14を設けるのが好ましい。
【0042】
すなわち、このレーザ走査装置では、光学箱10内の防塵は凹溝17と本体構造体12側のリブ16とのラップによって行なっているため、取付座面12cの位置にスペーサ14を設けてその取付座面12cの部分を上下動させてしまうと、防塵ガラス8の回りの隙間が変化してしまう。
したがって、そのままでは塵や埃等がその隙間部分から光学箱10内に侵入してしまうので、それを防ぐためにはレイアウト上において工夫が必要となったり、防塵ガラス8を保持する部分に弾性部材やシール部材を設けたりしなければならなくなるので、面倒な構成になると共にコストアップにもなる。
【0043】
これに対し、取付座面12dの位置にスペーサ14を設けるようにすれば、スペーサ14を固定部10dが取付座面12dから最も高くなる最大調整位置に調整したときでもリブ16が凹溝17にラップし続ける寸法関係にしておけば、防塵ガラス8を保持する部分に弾性部材やシール部材を設けたりしなくても、防塵性が得られる。
【0044】
なお、スペーサ14を摺動させる案内面は、光学箱10側に設けるようにしてもよい。
また、リブ16を光学箱10側に設けると共に凹溝17を本体構造体12側に設けるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、次に記載する効果を奏する。
請求項1のレーザ走査装置によれば、固定部高さ調整手段により光学箱を変形させることにより、本来の光学性能を損なうことなしに走査線の傾きを簡単に所望の傾きに調整することができる。したがって、高価な部品を使用したり、製品の重量が増したりせずに走査線の傾きを調整することができる。また、外部振動に対しても悪影響を受けない。
【0046】
請求項2のレーザ走査装置によれば、固定部高さ調整手段はくさび形状のスペーサ部材であるため、比較的ラフな寸法精度であっても微妙な調整を行なうことができる。
【0047】
請求項3のレーザ走査装置によれば、反射ビームの光路が水平光軸と僅かな角度差をなして積層させる光レイアウトにより装置全体を小型にすることができる。また、略中央に形成した開口により、固定部高さ調整手段による局所的な光学箱の変形が、その固定部高さ調整手段の作用位置から遠く離れた処までは影響しないようになる。したがって、走査線の傾きを調整しやすくすることができる。
そして、光学箱のレーザビーム偏向手段に近接する側の固定部が固定部高さ調整手段により高さが調整される構成であるため、その調整によりレーザ発光手段側の高さに変化が生じないようになる。
【0048】
請求項4のレーザ走査装置によれば、光学箱とスペーサ部材は本体構造体と同じ材料で形成されているので、それらは全て同じ熱膨張係数であるため、このレーザ走査装置が配設される装置の機内温度が上昇しても、その温度変化に伴う熱変形によるひずみが出にくい。
【0049】
請求項5のレーザ走査装置によれば、光学箱内の防塵は突条と凹溝とのラップにより行なうので、その突条と凹溝とのラップ量が固定部高さ調整手段の調整により変化しても、光学箱の防塵性を保つことができる。したがって、特別に防塵用のシール等を行なう必要がないので、構成を簡単にすることができると共に安価に製作することができる。
【0050】
請求項6のレーザ走査装置を固定する受台によれば、それが熱可塑性の合成樹脂で形成されているので、その受台にナットをインサートモールドしたりせずに、タッピングネジを直接その受台にネジ込み固定することができるため、その受台をリサイクルする際にインサートモールドされたナット類をいちいち取り外す必要がない。したがって、効率的なリサイクルができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例であるレーザ走査装置の光学箱とそれを取り付ける受台及びそれらの間に介在させるスペーサを示す分解斜視図である。
【図2】同じくその光学箱内に設けられている走査光学系を構成する各光学部品を示す斜視図である。
【図3】同じくそのレーザ走査装置を受台に固定した状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の光学箱に4箇所設けた各固定部に順番にスペーサを取り付けたときの各固定部の高さ変化と走査線の傾き量の変化との関係を示した線図である。
【符号の説明】
1:レーザユニット(レーザ発光手段)
2:シリンドリカルレンズ(第1の光学手段)
3:ポリゴンスキャナ(レーザビーム偏向手段)
4:fθミラー(第2の光学手段)
9:感光体ドラム 10:光学箱
10a〜10d:固定部 11:開口
12:本体構造体(受台)
12a〜12d:取付座面
14:スペーサ(固定部高さ調整手段)
16:リブ(突条) 17:凹溝

Claims (6)

  1. レーザビームを発するレーザ発光手段と、回転多面鏡を用いたレーザビーム偏向手段と、前記レーザ発光手段が発したレーザビームを前記レーザビーム偏向手段上に結像する第1の光学手段と、前記レーザビーム偏向手段により偏向されたレーザビームを所定の像面に結像する第2の光学手段と、結像レンズとを光学箱内の所定の位置にそれぞれ保持固定してレーザビーム操作ユニットを構成し、前記光学箱を受台に固定するようにしたレーザ走査装置において、
    前記光学箱は、主走査方向に横断的な開口を該光学箱の略中央に有し、前記レーザビーム偏向手段と前記結像レンズを前記開口を隔てて前記光学箱の左右に分けて配置すると共に、そのレーザビーム偏向手段と結像レンズを前記光学箱の側壁面と一体的になっている部分にそれぞれ取り付け、前記光学箱を前記受台に固定する固定部の前記レーザビーム偏向手段に対応する1個所に該固定部の前記受台の取付座面からの高さを調整可能にする固定部高さ調整手段を設け、該固定部高さ調整手段を設けた場所以外の他の前記固定部をそれぞれ前記受台に直接固定するようにし、前記固定部高さ調整手段の調整により前記光学箱自体が変形して前記レーザビームの傾きが調整されるようにしたことを特徴とするレーザ走査装置。
  2. 前記固定部高さ調整手段は、くさび状のスペーサ部材であり、該スペーサ部材が前記光学箱あるいは前記受台の何れかに形成した案内面に沿って摺動可能であることを特徴とする請求項1記載のレーザ走査装置。
  3. 前記光学箱は、上下2層構造の部屋に分かれて形成されていて、その略中央に形成した開口により上下の部屋が貫通し、前記部屋の一方に前記開口を跨ぐように前記レーザ発光手段とレーザビーム偏向手段を配設すると共に第1の光学手段を配設し、前記固定部高さ調整手段を前記レーザビーム偏向手段に近接する側の固定部に該固定部の高さを調整可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ走査装置。
  4. 前記光学箱と前記スペーサ部材は、前記受台と同じ材料で形成されていることを特徴とする請求項2記載のレーザ走査装置。
  5. 前記固定部は前記光学箱の略4隅に設けられていて、該光学箱には前記受台に形成された突条あるいは凹溝と係合する凹溝あるいは突条を所定の範囲に形成し、前記固定部高さ調整手段を設ける1個所の固定部を、前記固定部高さ調整手段を調整範囲内の最大高さ位置に調整して前記固定部が前記受台の取付座面から最も高くなる位置にしたときに前記光学箱側の凹溝あるいは突条が前記受台側の突条あるいは凹溝にラップし続ける位置の固定部にしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレーザ走査装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレーザ走査装置を固定する受台であって、材料が熱可塑性の合成樹脂で形成されていることを特徴とする受台。
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