JP3679208B2 - コンポジットビデオ信号の動き検出回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンポジットビデオ信号の動き検出回路に関し、特に3次元Y/C分離回路、巡回型ノイズ除去回路、その他時空処理回路に入力されるコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きを検出するコンポジットビデオ信号の動き検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の1例(従来例1)を示すブロック図である。同図において、61は2MHz以下の周波数帯域を通過させるローパスフィルタ、62は輝度信号(以下、Y信号と称する)の1フレーム分を遅延させる1フレーム遅延回路、63は減算器である。
【0003】
動作において、コンポジットビデオ信号をローパスフィルタ61に入力して副搬送波(以下、C信号と称する)を除去してY信号を得る。そのY信号を1フレーム遅延回路により1フレーム分遅延させる。次いで、ローパスフィルタ61の出力のY信号から1フレーム遅延回路62の出力を減算器63により減算して、動き信号を得る。
【0004】
図7は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の他の1例(従来例2)を示すブロック図である。同図において、71及び72はそれぞれ1フレーム遅延回路、73は減算器である。この場合の動作においては、コンポジットビデオ信号からそのコンポジットビデオ信号を2フレーム分遅延させたものを減算することにより動き信号が得られる。
【0005】
図8は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路のさらに他の1例(従来例3)を示すブロック図である。この例は、従来例1と従来例2を組み合わせたものである。即ち、ローパスフィルタ61と、1フレーム遅延回路62と、減算器63とからなる動き検出回路の出力と、1フレーム遅延回路71及び72と、減算器73とからなる動き検出回路の出力とのうち、大きい値を出力する最大値検出回路81を設け、その出力を動き信号とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9は図6に示した従来例1の動き検出回路における問題点を説明する波形図である。同図において、NTSCコンポジットビデオ信号のスペクトルが示されており、Yは輝度信号、Cは副搬送波信号である。輝度信号Yは0〜5MHz以上の帯域を有し、副搬送波信号Cは3.58MHzを中心に±1.5MHzの帯域を有する。略2MHz以下の成分のみを通過させるローパスフィルタ61により、大部分の副搬送波信号Cが除去されるが、これと同時に、略2MHz以上のY信号も除去される。したがって、図6の従来回路では水平周波数帯域が2MHz以上のY信号を含むコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きは検出することができないという問題点がある。
【0007】
また、略2MHz以下の成分を通過させるローパスフィルタ61はその特性に応じて、図に概略的に示すように、高ゲインでは2MHzより若干低い周波数以下の成分を通過させるが、低ゲインでは2MHzより若干高い周波数以下の成分も通過させる。このため、副搬送波信号Cの水平周波数帯域の高い部分(中心周波数の3.58MHzから離れた部分)は、2MHzのローパスフィルタ61では除去できず、ローパスフィルタ61を通過した輝度信号Yに混入してしまう。副搬送波信号Cは1フレーム毎に位相が反転するので、静止画の場合でもローパスフィルタ61の出力から1フレーム遅延した信号を減算すると、その混入した副搬送波Cがフレーム差として現れる。例えば、静止画の場合、ある時点でローパスフィルタ61を通過したC信号の値がcとすると、1フレーム後のC信号の値は−cとなる。したがって、フレーム間の差信号はc−(−c)=2cとなる。このように、従来例1におけるフレーム間の差信号は副搬送波信号Cの水平周波数の高い部分(中心周波数から離れた部分)では副搬送波信号Cの混入により不正な値を含んでので、やはりコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きは正確には検出することができないという問題がある。
【0008】
図10は図7に示した従来例2の動き検出回路における問題点を説明する図である。図7の回路ではフィルタ処理をせずにコンポジットビデオ信号のまま減算をするので動き検出出来ない帯域は無い。また、副搬送波信号は2フレーム分遅延した信号と同一位相になるので静止画の場合に、コンポジットビデオ信号内の副搬送波信号からそれを2フレーム分遅延した信号を減算すると値が0になり、従来例1のような誤検出の問題は無い。
【0009】
しかしながら、2フレーム分遅延した信号を入力コンポジットビデオ信号から減算することにより、検出できる動きの周波数の範囲が、1フレーム分遅延した信号を減算した場合に検出できる動きの周波数の範囲に比べて約半分になってしまう(1フレーム周期は1/30秒であるのに対して2フレーム周期は1/15秒である為)。つまり、15Hz以上の速い動きは検出できない、という問題点がある。
【0010】
図8に示した従来例3は、従来例1と従来例2の問題点を解消するが、回路規模が大きく、高価格であるという問題点がある。
本発明の目的は、上記従来例における問題点に鑑み、安価で正確に動き検出が可能なコンポジットビデオ信号の動き検出回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明により提供されるコンポジットビデオ信号の動き検出回路は、従来例1の回路に加えて、コンポジットビデオ信号のうち副搬送波を通過させるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの出力からI信号とQ信号を復調する復調器と、そのI信号及びQ信号からそれぞれ水平周波数の高い部分を抽出し、抽出した部分のうち大きい値を前記副搬送波信号のエッジ量として出力するエッジ量検出手段と、エッジ量の大きさに応じた値を前記フレーム差信号から減算して動き量を得る第2の減算手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、同一参照番号は同一のものを表わす。
図1は本発明の1実施例によるコンポジットビデオ信号の動き検出回路のブロック図である。同図において、11は副搬送波信号Cを通過させる3.58MHz±1.5MHzのバンドパスフィルタ、12は副搬送波信号CからI信号とQ信号を復調する復調器、13及び14はそれぞれI信号及びQ信号から水平周波数の高い部分を抽出するエッジ抽出回路、15は抽出した部分のうち大きい値を副搬送波信号のエッジ量として出力するエッジ量検出手段、16は掛け算器、61は2MHz以下の周波数帯域を通過させるローパスフィルタ、62は輝度信号Yの1フレーム分を遅延させる1フレーム遅延回路、63は減算器、そして、17は前記エッジ量の大きさに応じた値を減算器63の出力に得られるフレーム差信号から減算して動き量を得る第2の減算器である。
【0013】
動作において、まず図6に示した従来例1と同様に輝度信号Yと副搬送波信号Cとを含むコンポジット信号を2MHzのローパスフィルタ(LPF)61に通し副搬送波信号C成分を除去して輝度信号Yを得る。その輝度信号Yとその輝度信号Yを1フレームだけ遅延した信号との減算を減算器63により行ってフレーム差信号(*1)を得る。
【0014】
前述したように、2MHzのローパスフィルタ61で副搬送波信号C成分を除去するとき副搬送波信号Cの水平周波数の高い部分が除去しきれずに輝度信号Yに混入してしまう。副搬送波信号Cは1フレーム毎に位相が反転するのでローパスフィルタ61の出力値cから1フレーム遅延した信号を減算すると、静止画の場合でも前述のように2cのフレーム差が現れる。
【0015】
このようにフレーム差信号(*1)は副搬送波信号Cの混入による不正な値を含んでいる。
本発明のこの実施例では、上記不正な値は副搬送波信号Cの水平周波数の高い成分がローパスフィルタ61の出力の混入していることに着目し、この高い周波数成分を除去して、フレーム差信号(*1)から不正な値を取り除くべく、回路11〜17を設けた。
【0016】
即ち、コンポジットビデオ信号を3.58MHz±1.5MHzのバンドパスフィルタ11に通して副搬送波信号Cを得、その副搬送波信号Cを復調器12によりI信号とQ信号に復調する。そして、エッジ抽出回路13及び14によりI信号及びQ信号のエッジをそれぞれ抽出する。そして、それらのエッジの内大きい方をエッジ量検出手段15により選択して、掛け算器16に入力する。掛け算器16は選択されたエッジに係数αを掛けて、その結果を第2の減算器17に入力する。第2の減算器17は第1の減算器63の出力であるフレーム差信号(*1)から掛け算器16の出力を差し引く。これにより、フレーム差信号に含まれる不正信号の大部分が除去された動き信号が得られる。
【0017】
掛け算器16に入力される係数αの値は、2MHzのローパスフィルタ61によう副搬送波信号Cの減衰量やIA復調実施例のゲインを考慮して適当な値に設定する。
掛け算器16と第2の減算器17からなる回路bはリード・オンリ・メモリ(ROM)又はランダム・アクセス・メモリ(RAM)を利用したルックアップテーブルを用いるか、又はフレーム差信号に副搬送波信号Cのエッジの大きさに応じた係数を掛けて減衰させる方法が考えられる。
【0018】
図2は本発明の上記実施例の効果を説明する図である。同図において、カラーバー映像(静止画)の動き検出における誤検出が従来例1と比較して示されている。即ち、従来例1の場合は、(1)に示す各色の間に動き検出信号が検出されるが、本発明の実施例においては、(2)に示すようにこの動き検出信号とほぼ同じ大きさの副搬送波信号Cのエッジ抽出信号を掛け算器16の出力に得て、これをフレーム差信号から差し引くので、(3)に示すように動き検出信号はゼロに近くなり、従来にくらべて誤検出が少なくなる。
【0019】
図3は本発明の動き量検出を3次元Y/C分離回路に応用した場合の回路図である。3次元Y/C分離回路は、周知のようにコンポジット信号から副搬送波信号Cを通過させる3ラインコムフィルタ31と、コンポジット信号を1フレームだけ遅延させる1フレーム遅延回路32と、コンポジット信号から1フレーム遅延信号を減算して副搬送波信号Cを得る減算器33と、これらの副搬送波信号Cに基づいて動き適応する副搬送波信号Cを得る動き適応混合回路34と、コンポジット信号から動き適応混合回路34の出力を差し引く減算器35とを備えている。この3次元Y/C分離回路においても、動きを検出する部分ではドット妨害が発生してしまうが、上記の本発明を適用することによりドット妨害の発生を少なくすることができる。
【0020】
即ち、3ラインコムフィルタ31の出力に得られる副搬送波信号Cを復調器12に入力し、減算器36においてコンポジット信号から3ラインコムフィルタ31の出力である副搬送波信号Cを差し引くことにより輝度信号Yを得る。これにより、図1におけるバンドパスフィルタ11とローパスフィルタ61からなる回路aは既存の3次元Y/C分離回路内の3ラインコムフィルタ31と減算器36で置き換えることができる。そして、図1と同様にして減算器17の出力に動き検出信号を得て、これを3次元Y/C分離回路内の動き適応混合回路34に入力し、動き適応混合回路34は動き検出信号に応じてその出力である副搬送波信号Cを調整することにより、ドット妨害の少ない副搬送波信号C及び輝度信号Yを得ることができる。
【0021】
図4は本発明の動き量検出を巡回型ノイズ除去回路に適用した場合の回路図である。巡回型ノイズ除去回路に動き検出を応用した場合も、動きを誤検出した部分はノイズ除去の効果が減少してしまうが、図1の回路により得られた動き検出信号を利用することにより、ノイズ除去効果の減少の割合が従来方法より少なくなる。
【0022】
即ち、ローパスフィルタ61の出力に得られた輝度信号Yからノイズを除去するための巡回型ノイズ除去回路は1フレーム遅延回路42の出力からローパスフィルタ61の出力の輝度信号Yを減算する減算器41を備えているが、これに図1の回路の出力である減算器17の出力を受け取り、係数1─βを出力する係数器43と、減算器41の出力に係数1─βを掛ける掛け算器44と、掛け算器45の出力と1フレーム遅延回路42の出力とを加算する加算器45とを追加する。これにより、ノイズ除去効果の減少の割合が従来方法より少なくなる。
【0023】
図5は本発明の動き検出を飛び越し走査→順次走査変換回路に適用した場合の回路図である。
この場合も、フィールド内順次走査変換回路51の出力とフレーム間順次走査変換回路52の出力とに対してそれぞれ動き適応係数β及びβ─1を掛けたものを加算器56により加算することにより、順次走査に変換された出力が得られるが、動き適応係数β及び1−βを減算器17の出力に基づいて計算する動き適応係数器53により得ることにより、より高画質な順次走査出力が得られる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、輝度信号と副搬送波信号を含むコンポジット信号から検出されるフレーム差信号に含まれる誤差信号を小さくすることができるので、3次元Y/C分離回路、巡回型ノイズ除去回路、その他時空間処理回路における動き検出における誤差を少なくすることができ、安価で正確な動き検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例によるコンポジットビデオ信号の動き検出回路のブロック図である。
【図2】図1の実施例の効果を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施例により2次元Y/C分離回路に本発明を応用した例を示すブロック図 である。
【図4】本発明のさらに他の実施例により巡回型ノイズ除去回路に本発明を適用した例を示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例により飛び越し走査→順次走査変換回路の本発明を適用した例を示すブロック図である。
【図6】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の1例(従来例1)を示すブロック図である。
【図7】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の他の1例(従来例2)を示すブロック図である。
【図8】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路のさらに他の1例(従来例3)を示すブロック図である。
【図9】従来例1の動き検出回路における問題点を説明する波形図である。
【図10】従来例2の動き検出回路における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
11…バンドパスフィルタ
12…復調器
13…エッジ実施例抽出回路
14…エッジ実施例抽出回路
15…エッジ量検出手段
16…掛け算器
17…第2の減算器
61…ローパスフィルタ
62…1フレーム遅延回路
63…第1の減算器
【発明の属する技術分野】
本発明はコンポジットビデオ信号の動き検出回路に関し、特に3次元Y/C分離回路、巡回型ノイズ除去回路、その他時空処理回路に入力されるコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きを検出するコンポジットビデオ信号の動き検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の1例(従来例1)を示すブロック図である。同図において、61は2MHz以下の周波数帯域を通過させるローパスフィルタ、62は輝度信号(以下、Y信号と称する)の1フレーム分を遅延させる1フレーム遅延回路、63は減算器である。
【0003】
動作において、コンポジットビデオ信号をローパスフィルタ61に入力して副搬送波(以下、C信号と称する)を除去してY信号を得る。そのY信号を1フレーム遅延回路により1フレーム分遅延させる。次いで、ローパスフィルタ61の出力のY信号から1フレーム遅延回路62の出力を減算器63により減算して、動き信号を得る。
【0004】
図7は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の他の1例(従来例2)を示すブロック図である。同図において、71及び72はそれぞれ1フレーム遅延回路、73は減算器である。この場合の動作においては、コンポジットビデオ信号からそのコンポジットビデオ信号を2フレーム分遅延させたものを減算することにより動き信号が得られる。
【0005】
図8は従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路のさらに他の1例(従来例3)を示すブロック図である。この例は、従来例1と従来例2を組み合わせたものである。即ち、ローパスフィルタ61と、1フレーム遅延回路62と、減算器63とからなる動き検出回路の出力と、1フレーム遅延回路71及び72と、減算器73とからなる動き検出回路の出力とのうち、大きい値を出力する最大値検出回路81を設け、その出力を動き信号とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9は図6に示した従来例1の動き検出回路における問題点を説明する波形図である。同図において、NTSCコンポジットビデオ信号のスペクトルが示されており、Yは輝度信号、Cは副搬送波信号である。輝度信号Yは0〜5MHz以上の帯域を有し、副搬送波信号Cは3.58MHzを中心に±1.5MHzの帯域を有する。略2MHz以下の成分のみを通過させるローパスフィルタ61により、大部分の副搬送波信号Cが除去されるが、これと同時に、略2MHz以上のY信号も除去される。したがって、図6の従来回路では水平周波数帯域が2MHz以上のY信号を含むコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きは検出することができないという問題点がある。
【0007】
また、略2MHz以下の成分を通過させるローパスフィルタ61はその特性に応じて、図に概略的に示すように、高ゲインでは2MHzより若干低い周波数以下の成分を通過させるが、低ゲインでは2MHzより若干高い周波数以下の成分も通過させる。このため、副搬送波信号Cの水平周波数帯域の高い部分(中心周波数の3.58MHzから離れた部分)は、2MHzのローパスフィルタ61では除去できず、ローパスフィルタ61を通過した輝度信号Yに混入してしまう。副搬送波信号Cは1フレーム毎に位相が反転するので、静止画の場合でもローパスフィルタ61の出力から1フレーム遅延した信号を減算すると、その混入した副搬送波Cがフレーム差として現れる。例えば、静止画の場合、ある時点でローパスフィルタ61を通過したC信号の値がcとすると、1フレーム後のC信号の値は−cとなる。したがって、フレーム間の差信号はc−(−c)=2cとなる。このように、従来例1におけるフレーム間の差信号は副搬送波信号Cの水平周波数の高い部分(中心周波数から離れた部分)では副搬送波信号Cの混入により不正な値を含んでので、やはりコンポジットビデオ信号のフレーム間の動きは正確には検出することができないという問題がある。
【0008】
図10は図7に示した従来例2の動き検出回路における問題点を説明する図である。図7の回路ではフィルタ処理をせずにコンポジットビデオ信号のまま減算をするので動き検出出来ない帯域は無い。また、副搬送波信号は2フレーム分遅延した信号と同一位相になるので静止画の場合に、コンポジットビデオ信号内の副搬送波信号からそれを2フレーム分遅延した信号を減算すると値が0になり、従来例1のような誤検出の問題は無い。
【0009】
しかしながら、2フレーム分遅延した信号を入力コンポジットビデオ信号から減算することにより、検出できる動きの周波数の範囲が、1フレーム分遅延した信号を減算した場合に検出できる動きの周波数の範囲に比べて約半分になってしまう(1フレーム周期は1/30秒であるのに対して2フレーム周期は1/15秒である為)。つまり、15Hz以上の速い動きは検出できない、という問題点がある。
【0010】
図8に示した従来例3は、従来例1と従来例2の問題点を解消するが、回路規模が大きく、高価格であるという問題点がある。
本発明の目的は、上記従来例における問題点に鑑み、安価で正確に動き検出が可能なコンポジットビデオ信号の動き検出回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明により提供されるコンポジットビデオ信号の動き検出回路は、従来例1の回路に加えて、コンポジットビデオ信号のうち副搬送波を通過させるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの出力からI信号とQ信号を復調する復調器と、そのI信号及びQ信号からそれぞれ水平周波数の高い部分を抽出し、抽出した部分のうち大きい値を前記副搬送波信号のエッジ量として出力するエッジ量検出手段と、エッジ量の大きさに応じた値を前記フレーム差信号から減算して動き量を得る第2の減算手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、同一参照番号は同一のものを表わす。
図1は本発明の1実施例によるコンポジットビデオ信号の動き検出回路のブロック図である。同図において、11は副搬送波信号Cを通過させる3.58MHz±1.5MHzのバンドパスフィルタ、12は副搬送波信号CからI信号とQ信号を復調する復調器、13及び14はそれぞれI信号及びQ信号から水平周波数の高い部分を抽出するエッジ抽出回路、15は抽出した部分のうち大きい値を副搬送波信号のエッジ量として出力するエッジ量検出手段、16は掛け算器、61は2MHz以下の周波数帯域を通過させるローパスフィルタ、62は輝度信号Yの1フレーム分を遅延させる1フレーム遅延回路、63は減算器、そして、17は前記エッジ量の大きさに応じた値を減算器63の出力に得られるフレーム差信号から減算して動き量を得る第2の減算器である。
【0013】
動作において、まず図6に示した従来例1と同様に輝度信号Yと副搬送波信号Cとを含むコンポジット信号を2MHzのローパスフィルタ(LPF)61に通し副搬送波信号C成分を除去して輝度信号Yを得る。その輝度信号Yとその輝度信号Yを1フレームだけ遅延した信号との減算を減算器63により行ってフレーム差信号(*1)を得る。
【0014】
前述したように、2MHzのローパスフィルタ61で副搬送波信号C成分を除去するとき副搬送波信号Cの水平周波数の高い部分が除去しきれずに輝度信号Yに混入してしまう。副搬送波信号Cは1フレーム毎に位相が反転するのでローパスフィルタ61の出力値cから1フレーム遅延した信号を減算すると、静止画の場合でも前述のように2cのフレーム差が現れる。
【0015】
このようにフレーム差信号(*1)は副搬送波信号Cの混入による不正な値を含んでいる。
本発明のこの実施例では、上記不正な値は副搬送波信号Cの水平周波数の高い成分がローパスフィルタ61の出力の混入していることに着目し、この高い周波数成分を除去して、フレーム差信号(*1)から不正な値を取り除くべく、回路11〜17を設けた。
【0016】
即ち、コンポジットビデオ信号を3.58MHz±1.5MHzのバンドパスフィルタ11に通して副搬送波信号Cを得、その副搬送波信号Cを復調器12によりI信号とQ信号に復調する。そして、エッジ抽出回路13及び14によりI信号及びQ信号のエッジをそれぞれ抽出する。そして、それらのエッジの内大きい方をエッジ量検出手段15により選択して、掛け算器16に入力する。掛け算器16は選択されたエッジに係数αを掛けて、その結果を第2の減算器17に入力する。第2の減算器17は第1の減算器63の出力であるフレーム差信号(*1)から掛け算器16の出力を差し引く。これにより、フレーム差信号に含まれる不正信号の大部分が除去された動き信号が得られる。
【0017】
掛け算器16に入力される係数αの値は、2MHzのローパスフィルタ61によう副搬送波信号Cの減衰量やIA復調実施例のゲインを考慮して適当な値に設定する。
掛け算器16と第2の減算器17からなる回路bはリード・オンリ・メモリ(ROM)又はランダム・アクセス・メモリ(RAM)を利用したルックアップテーブルを用いるか、又はフレーム差信号に副搬送波信号Cのエッジの大きさに応じた係数を掛けて減衰させる方法が考えられる。
【0018】
図2は本発明の上記実施例の効果を説明する図である。同図において、カラーバー映像(静止画)の動き検出における誤検出が従来例1と比較して示されている。即ち、従来例1の場合は、(1)に示す各色の間に動き検出信号が検出されるが、本発明の実施例においては、(2)に示すようにこの動き検出信号とほぼ同じ大きさの副搬送波信号Cのエッジ抽出信号を掛け算器16の出力に得て、これをフレーム差信号から差し引くので、(3)に示すように動き検出信号はゼロに近くなり、従来にくらべて誤検出が少なくなる。
【0019】
図3は本発明の動き量検出を3次元Y/C分離回路に応用した場合の回路図である。3次元Y/C分離回路は、周知のようにコンポジット信号から副搬送波信号Cを通過させる3ラインコムフィルタ31と、コンポジット信号を1フレームだけ遅延させる1フレーム遅延回路32と、コンポジット信号から1フレーム遅延信号を減算して副搬送波信号Cを得る減算器33と、これらの副搬送波信号Cに基づいて動き適応する副搬送波信号Cを得る動き適応混合回路34と、コンポジット信号から動き適応混合回路34の出力を差し引く減算器35とを備えている。この3次元Y/C分離回路においても、動きを検出する部分ではドット妨害が発生してしまうが、上記の本発明を適用することによりドット妨害の発生を少なくすることができる。
【0020】
即ち、3ラインコムフィルタ31の出力に得られる副搬送波信号Cを復調器12に入力し、減算器36においてコンポジット信号から3ラインコムフィルタ31の出力である副搬送波信号Cを差し引くことにより輝度信号Yを得る。これにより、図1におけるバンドパスフィルタ11とローパスフィルタ61からなる回路aは既存の3次元Y/C分離回路内の3ラインコムフィルタ31と減算器36で置き換えることができる。そして、図1と同様にして減算器17の出力に動き検出信号を得て、これを3次元Y/C分離回路内の動き適応混合回路34に入力し、動き適応混合回路34は動き検出信号に応じてその出力である副搬送波信号Cを調整することにより、ドット妨害の少ない副搬送波信号C及び輝度信号Yを得ることができる。
【0021】
図4は本発明の動き量検出を巡回型ノイズ除去回路に適用した場合の回路図である。巡回型ノイズ除去回路に動き検出を応用した場合も、動きを誤検出した部分はノイズ除去の効果が減少してしまうが、図1の回路により得られた動き検出信号を利用することにより、ノイズ除去効果の減少の割合が従来方法より少なくなる。
【0022】
即ち、ローパスフィルタ61の出力に得られた輝度信号Yからノイズを除去するための巡回型ノイズ除去回路は1フレーム遅延回路42の出力からローパスフィルタ61の出力の輝度信号Yを減算する減算器41を備えているが、これに図1の回路の出力である減算器17の出力を受け取り、係数1─βを出力する係数器43と、減算器41の出力に係数1─βを掛ける掛け算器44と、掛け算器45の出力と1フレーム遅延回路42の出力とを加算する加算器45とを追加する。これにより、ノイズ除去効果の減少の割合が従来方法より少なくなる。
【0023】
図5は本発明の動き検出を飛び越し走査→順次走査変換回路に適用した場合の回路図である。
この場合も、フィールド内順次走査変換回路51の出力とフレーム間順次走査変換回路52の出力とに対してそれぞれ動き適応係数β及びβ─1を掛けたものを加算器56により加算することにより、順次走査に変換された出力が得られるが、動き適応係数β及び1−βを減算器17の出力に基づいて計算する動き適応係数器53により得ることにより、より高画質な順次走査出力が得られる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、輝度信号と副搬送波信号を含むコンポジット信号から検出されるフレーム差信号に含まれる誤差信号を小さくすることができるので、3次元Y/C分離回路、巡回型ノイズ除去回路、その他時空間処理回路における動き検出における誤差を少なくすることができ、安価で正確な動き検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例によるコンポジットビデオ信号の動き検出回路のブロック図である。
【図2】図1の実施例の効果を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施例により2次元Y/C分離回路に本発明を応用した例を示すブロック図 である。
【図4】本発明のさらに他の実施例により巡回型ノイズ除去回路に本発明を適用した例を示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例により飛び越し走査→順次走査変換回路の本発明を適用した例を示すブロック図である。
【図6】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の1例(従来例1)を示すブロック図である。
【図7】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路の他の1例(従来例2)を示すブロック図である。
【図8】従来のコンポジットビデオ信号の動き検出回路のさらに他の1例(従来例3)を示すブロック図である。
【図9】従来例1の動き検出回路における問題点を説明する波形図である。
【図10】従来例2の動き検出回路における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
11…バンドパスフィルタ
12…復調器
13…エッジ実施例抽出回路
14…エッジ実施例抽出回路
15…エッジ量検出手段
16…掛け算器
17…第2の減算器
61…ローパスフィルタ
62…1フレーム遅延回路
63…第1の減算器
Claims (1)
- 輝度信号と副搬送波信号とを含むコンポジットビデオ信号のうち、主として前記輝度信号を通過させるローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタの出力から該出力を1フレーム分遅延させたものを減算してフレーム差信号を得る第1の減算手段と、
前記コンポジットビデオ信号のうち前記副搬送波を通過させるバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力からI信号とQ信号を復調する復調器と、
前記I信号及び前記Q信号からそれぞれ水平周波数の高い部分を抽出し、抽出した部分のうち大きい値を前記副搬送波信号のエッジ量として出力するエッジ量検出手段と、
前記エッジ量の大きさに応じた値を前記フレーム差信号から減算して動き量を得る第2の減算手段とを備える、コンポジットビデオ信号の動き検出回路。
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