JP3678534B2 - エアフィルタ用パック及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
近年、エアフィルタは清浄空間を作るために不可欠な立場にある中、薄型、軽量なものへと転換している。薄型、軽量化したフィルタとして代表的なものにミニプリーツ形フィルタがあり、本発明はこのような濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材間を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエアフィルタ用パックとしては、前記互いに当接するリボン同士を融着させるタイプと互いに当接するリボン同士を融着させないで分離しておくタイプとが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記リボンを互いに融着させるタイプの場合は、フィルタパックの強度が大きい反面、ノズルから吐出されたホットメルト樹脂が融着時につぶれてしまい濾材の山部の間隔を一定に制御するのが難しいという問題があった。また、融着しないタイプの場合は、濾材の山部の間隔を一定に制御できる反面、強度が弱いという問題があった。
そこで、本発明は前記従来の問題点を解消し、濾材の山部の間隔制御も容易で且つ強度の大きなエアフィルタ用パックとその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアフィルタ用パックは前記目的を達成するべく、濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材間を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを同一面上に交互に配置するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2記載のエアフィルタ用パックは、前記互いに融着させるリボンを前記互いに融着させないリボンよりも太幅にしたことを特徴とする。
また、本発明のエアフィルタ用パックの製造方法は、濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、前記濾材に互いに融着するホットメルト樹脂と互いに融着しないホットメルト樹脂とをそれぞれ別々のノズルを用いて塗着してから濾材を折り畳むようにしたことを特徴とする。
また、請求項4記載のエアフィルタ用パックの製造方法は、濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、オープンタイムの異なるホットメルト樹脂を用い、オープンタイムの短いホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを形成すると共に、オープンタイムの長いホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを形成するようにしたことを特徴とする。
また、請求項5記載のエアフィルタ用パックの製造方法は、濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、濾材にホットメルト樹脂を塗着する順序に時間差を設け、先に塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを設けると共に、後から塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを設けるようにしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記濾材としては、ガラス繊維濾紙等の無機質濾材や、ポリプロピレン等の有機繊維不織布、PTFE膜等が使用される。
また、前記濾材は、一般には長さ2500cm、幅60cm程度の長尺形状の濾材を蛇腹状に折り畳んでプリーツ状に形成して用いられるが、その大きさ、形状等は用途に応じて任意である。
【0006】
また、前記濾材に設けるリボンは、幅1mm程度で、互いに25mm程度の間隔を置いて互いに平行に設けられる。
前記互いに融着させるリボンを前記互いに融着させないリボンよりも太幅とすることより、互いに融着するリボンの接着面積を大きくすることができ、融着強度の大きなリボンとなる。
【0007】
前記リボンを形成するホットメルト樹脂としては、EVA系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系等のホットメルト樹脂が用いられる。
前記ホットメルト樹脂は濾材にノズルから吐出されて塗着された際には溶融状態で接着性を有するが、冷却固化後には接着性を有しなくなる。
【0008】
当接するリボンを互いに融着させたリボンと、当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するように設けるには、互いに融着するホットメルト樹脂と互いに融着しないホットメルト樹脂とをそれぞれ別々のノズルを用いて濾材に塗着してから濾材を折り畳むようにすればよい。
例えば、オープンタイム(溶解したホットメルト樹脂がノズルから吐出して接着力を有している時間)の異なるホットメルト樹脂を用い、これらホットメルト樹脂を濾材を折り畳む際に互いに融着する状態と互いに融着しない状態とすることにより、オープンタイムの短いホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを形成すると共に、オープンタイムの長いホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを形成することができる。
また、オープンタイムの同じホットメルト樹脂を用い、これらホットメルト樹脂のノズルから濾材へ塗着する順序に差を設け、濾材を折り畳む際に互いに融着する状態と互いに融着しない状態とすることにより、先に塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを設けると共に、後から塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを設けるようにすることができる。
【0009】
【実施例】
図1は本発明エアフィルタ用パックの一実施例を示すもので、縦610mm×横610mmの枠体1内に収容されてエアフィルタを構成した状態を示すものである。
枠体1内に収容されたエアフィルタ用パック10は、5.8cm置きに蛇腹状に折り畳まれた長さ2500cm、幅60cmのガラス繊維濾紙からなる濾材11の表裏両面にホットメルト樹脂12がその長手方向に互いに間隔を置いて複数条平行に塗着され、互いに融着させたリボン13と互いに融着しないリボン14とが交互に配置されるように形成され、これらリボン13,14によって蛇腹状に折り畳まれた前記濾材11間を3mm間隔に保持するようにしてある。
尚、本実施例の場合、互いに融着させたリボン13の幅を1.2mmとし、互いに融着しないリボン14の幅を1mmとすることにより、前者のリボンの融着強度を大きなものとした。
得られたエアフィルタ用パックの濾材10の山部の間隔は正確に3mmに制御されており、また、濾材10の強度も全てのリボンを互いに融着させた場合と遜色のないものであった。
【0010】
前記エアフィルタ用パック10の製造は、オープンタイム30秒と、50秒のポリオレフィン系ホットメルト樹脂12,12を濾材10の表裏両面に互いに交互に配置されたノズルから同時に吐出させ、オープンタイム30秒のポリオレフィン系ホットメルト樹脂が冷却固化して接着性を失い、オープンタイム50秒のポリオレフィン系ホットメルト樹脂がいまだ冷却固化せずに接着性を有している状態で前記濾材10を蛇腹状に折り畳むことにより行われる。
【0011】
また、他の製造例として、オープンタイムが30秒の同じホットメルト樹脂12を用いる場合、これらホットメルト樹脂12のノズルから濾材10へ塗着する順序を濾材10の折り畳み前20秒と50秒というように差を設け、先に塗着したホットメルト樹脂が冷却固化して接着性を失い、後で塗着したホットメルト樹脂がいまだ冷却固化せずに接着性を有している状態で前記濾材10を蛇腹状に折り畳むことにより行われる。
【0012】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、当接するリボンを互いに融着させたリボンと、当接するリボンを互いに融着させないリボンとを濾材の同一面上に交互に配置するようにしたことにより、濾材の山部の間隔制御も容易で且つ強度の大きなエアフィルタ用パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明エアフィルタ用パックの一実施例の正面図
【符号の説明】
1 枠体
10 エアフィルタ用パック
11 濾材(ガラス繊維濾紙)
12 ホットメルト樹脂
13 互いに融着させたリボン
14 互いに融着させないリボン
Claims (5)
- 濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材間を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを同一面上に交互に配置するようにしたことを特徴とするエアフィルタ用パック。
- 前記互いに融着させるリボンを前記互いに融着させないリボンよりも太幅にしたことを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ用パック。
- 濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、前記濾材に互いに融着するホットメルト樹脂と互いに融着しないホットメルト樹脂とをそれぞれ別々のノズルを用いて塗着してから濾材を折り畳むようにしたことを特徴とするエアフィルタ用パックの製造方法。
- 濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、オープンタイムの異なるホットメルト樹脂を用い、オープンタイムの短いホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを形成すると共に、オープンタイムの長いホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを形成するようにしたことを特徴とするエアフィルタ用パックの製造方法。
- 濾材の表裏両面にその長手方向に沿ってホットメルト樹脂を複数条平行に塗着して形成されたリボンを設け、蛇腹状に折り畳まれた前記濾材を前記リボンを当接させることにより濾材を所定間隔に保持するようにしたエアフィルタ用パックであって、前記当接するリボンを互いに融着させたリボンと、前記当接するリボンを互いに融着させないリボンとを交互に配置するようにしたエアフィルタ用パックの製造方法において、濾材にホットメルト樹脂を塗着する順序に時間差を設け、先に塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着しないリボンを設けると共に、後から塗着するホットメルト樹脂によって互いに融着するリボンを設けるようにしたことを特徴とするエアフィルタ用パックの製造方法。
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JP09835597A JP3678534B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | エアフィルタ用パック及びその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH10272328A JPH10272328A (ja) | 1998-10-13 |
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JP (1) | JP3678534B2 (ja) |
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JP4599143B2 (ja) * | 2004-11-29 | 2010-12-15 | 日本エアー・フィルター株式会社 | ろ材交換型エアーフィルタ |
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1997
- 1997-03-31 JP JP09835597A patent/JP3678534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10272328A (ja) | 1998-10-13 |
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