JP3676603B2 - ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

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JP3676603B2
JP3676603B2 JP02594299A JP2594299A JP3676603B2 JP 3676603 B2 JP3676603 B2 JP 3676603B2 JP 02594299 A JP02594299 A JP 02594299A JP 2594299 A JP2594299 A JP 2594299A JP 3676603 B2 JP3676603 B2 JP 3676603B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融成形加工性の改善された熱可塑性樹脂組成物に関する。溶融成形加工が可能な芳香族ポリイミド樹脂組成物、溶融成形加工が容易な芳香族ポリエーテルイミド樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れた芳香族ポリイミド、耐熱性に優れた芳香族ポリエーテルイミドと液晶性芳香族ポリイミドを混合してなる溶融成形加工性の改善された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、耐熱性の優れた熱可塑性樹脂が種々開発されている。その中で、ポリイミドは、その高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性などをあわせ持つために、電気・電子機器、宇宙航空用機器、輸送機器等の分野で使用されており、今後も耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待されている。従来、優れた特性を示すポリイミドが種々開発されている。
【0003】
例えば、式(A)
【化23】
Figure 0003676603
で表されるポリイミドが既にProgerらによって見出されている(USP 4,065,345)。このポリイミドは、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐溶剤性、耐熱性に優れ、しかも溶融流動性を示すポリイミドとして知られていた。しかし、このポリイミドも通常の押出成形、射出成形可能なポリイミド以外のエンジニアリングプラスチックに比べると溶融粘度が高く、押出成形、射出成形等は困難であった。
【0004】
また、本発明者らも先に、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐溶剤性に優れ、かつ耐熱性を有するポリイミドとして
一般式(B)
【化24】
Figure 0003676603
(式中、Xは直結、炭素数1〜10の二価炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基からなる群から選ばれた基を表し、またRは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドを見出した(特開昭61−143478、62−677717、62−86021、62−235381、63−128025)。
【0005】
上記のポリイミドは、ポリイミドに特有の多くの良好な物性を有する新規な耐熱性樹脂である。
例えば、この式で表されるポリイミドに含まれる式(C)
【化25】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドはガラス転移温度 (以下、Tgと略す)が260℃、結晶化温度(以下、Tcと略す)が310〜340℃、結晶融解温度 (以下、Tmと略す)が367〜385℃であり、溶融成形可能な耐薬品性に優れた結晶性のポリイミドである。しかし、Tmが367〜385℃と高いため、成形時の温度は400℃近くの高温にする必要があった。
【0006】
このようにポリイミドは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等に代表される通常のエンジニアリングプラスチックに比較すると耐熱性やその他の特性においてはるかに優れているものの、成形加工性はそれらの樹脂に未だ及ばない。
【0007】
その他の公知のポリイミドも耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転移温度を有しないために成形材料として用いる場合に焼結成形などの手法を用いて加工しなければならないとか、また、加工性は優れているがガラス転移温度が低くしかもハロゲン化炭化水素系の溶媒に可溶で、耐熱性、耐溶剤性の面からは満足がゆかないとか性能に一長一短があった。
さらに、従来から芳香族ポリスルホン、芳香族エーテルイミド、芳香族ポリアミドイミドおよび芳香族ポリエーテルケトン等は、その高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性等を併せて持つために、電気・電子機器、宇宙航空機用機器、輸送機器等の分野で使用されており、今後も耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待されている。
【0008】
一方、液晶性高分子は、その性質上からサーモトロピック液晶とライオトロピック液晶に分類することができる。従来から知られている液晶性高分子は、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアゾメチン(以上、サーモトロピック液晶)、ポリアミド、ポリベンゾチアゾール(以上、ライオトロピック液晶)等があるが、従来、液晶性を示すポリイミドは全く知られていない。
従って、液晶性ポリイミドと、その他ポリイミドや芳香族ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂とから得られる樹脂組成物は全く知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく成形加工性が改善された樹脂組成物を提供することである。
具体的には、第1の目的は、芳香族ポリイミドが本来有する優れた耐熱性を損なうことなく、その成形加工性を、流動性の良好な液晶性芳香族ポリイミドを従来の芳香族ポリイミドに添加することにより改善した芳香族ポリイミド系熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0010】
第2の目的は、芳香族ポリエーテルイミドが本来有する優れた耐熱性を損なうことなく、その成形加工性を、流動性の良好な液晶性芳香族ポリイミドを従来の芳香族ポリエーテルイミドに添加することにより改善した芳香族ポリエーテルイミド系熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの目的を達成するため鋭意研究を行った結果、液晶性芳香族ポリイミドを、芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリエーテルイミドと混合してなる熱可塑性脂組成物が、それぞれの樹脂が本来有する性能を損なうことなく、成形加工性が改善されたものであることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明者らは、式(4)
【化26】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリイミドを開発した。(特開平03−460024)。
その後、この芳香族ポリイミドは、約270〜300℃の温度域において液晶性を示すことを見出した。すなわち、この芳香族ポリイミドの液晶性は偏光顕微鏡観察により確認することができた。上記芳香族ポリイミドを偏光顕微鏡(OLYMPUS社、BHS−751P型)を備えたホットステージ上で加熱(10℃/min)を行うと、約270〜300℃の温度域において偏光が観察される。
【0013】
また、上記芳香族ポリイミドをDSC(Differential Scanning Calorimetry)測定(島津社、DT−40シリーズ、DSC−41M)を行った場合 (10℃/ min)、約275℃と約295℃に2つの吸熱ピークが観察され、この2つの吸熱ピーク間の温度域において液晶性を示すことが確認できる。また、この芳香族ポリイミドは、2つの吸熱ピーク間で液晶性を示すだけでなく、溶融状態においては溶融粘度が非常に低く、成形加工性に優れた芳香族ポリイミドである。
【0014】
本発明者等は、この液晶性を示す芳香族ポリイミドを、加工性の改善が要望されている芳香族ポリイミドおよび芳香族ポリエーテルイミドの熱可塑性樹脂と混合して用いたところ、それらの樹脂の成形加工性が改善されることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本願発明は液晶性芳香族ポリイミドを、他の芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリエーテルイミドの熱可塑性樹脂に含有させてなる溶融成形加工可能な熱可塑性樹脂組成物である。
【0015】
本発明には、つぎの発明が含まれる。
1.芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリエーテルイミドの熱可塑性樹脂を少なくとも一種の熱可塑性樹脂99.9〜50重量部と式(1)
【化27】
Figure 0003676603
(式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはシアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数2〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される少なくとも一種の繰り返し構造単位を有する液晶性芳香族ポリイミド0.1〜50重量部を含有しなる成形加工性良好な熱可塑性樹脂組成物。
【0016】
2.上記1の熱可塑性樹脂組成物において、液晶性芳香族ポリイミドが式(4)
【化28】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する液晶性芳香族ポリイミドである熱可塑性樹脂組成物。
【0017】
3.前記1の熱可塑性樹脂組成物において、液晶性芳香族ポリイミドが式(4)
【化29】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位である基本骨格1〜99モル%と式(1)
【化30】
Figure 0003676603
(式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、および芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位(ただし、式(4)と同一の繰り返し構造単位を除く)である基本骨格1〜99モル%とを含んでなる液晶性芳香族ポリイミド共重合体である熱可塑性樹脂組成物。
【0018】
4.上記1の熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ポリイミドが式(5)
【化31】
Figure 0003676603
(式中、Xは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基およびスルホニル基からなる群から選ばれた2価の基を表し、またRは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、および芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミドである熱可塑性樹脂組成物。
【0019】
5.上記4の熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ポリイミドが式(6)
【化32】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミドである熱可塑性樹脂組成物。
【0020】
6.上記1の熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ポリイミドが式(7)
【化33】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミドである
【0021】
7.上記1の熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ポリイミドが式(6)
【化34】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格99〜1モル%および式(8)
【化35】
Figure 0003676603
式中、Rは
【化36】
Figure 0003676603
で、nは0、1、2、3の整数、Qは直結、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−を表し、芳香環同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結合基が同種または異種の組み合わせでもよい、またR”は
【0022】
【化37】
Figure 0003676603
(ここで、Mは
【化38】
Figure 0003676603
からなる群から選ばれた少なくとも一種の2価の基である)からなる群から選ばれた少なくとも一種の4価の基を表す)で表される繰返し構造単位(ただし、式
【0023】
(6)と同一の構造単位を除く)である基本骨格1〜99モル%を含有する芳香族ポリイミド共重合体である熱可塑性樹脂組成物、とくに、式 (8) の繰返し構造単位である基本骨格が、つぎの
【化39】
Figure 0003676603
(式中、Rは前記の通りである)で表される繰返し構造単位(ただし、式(6)と同一の構造単位を除く)である熱可塑性樹脂組成物。
【0024】
8.上記1の熱可塑性樹脂組成物において、芳香族ポリエーテルイミドが、式(22)
【化40】
Figure 0003676603
(式中、Xは
【化41】
Figure 0003676603
を表し、Yは、
【化42】
Figure 0003676603
を表す)で表される少なくとも一種の繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリエーテルイミドである熱可塑性樹脂組成物。
【0025】
9. また、これらの上記1〜7の熱可塑性組成物に使用する芳香族ポリイミドおよび/または液晶性芳香族ポリイミドが、そのポリマー分子末端を式(2)
【化43】
Figure 0003676603
(式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または、一般式(3)
V−NH (3)
(式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミン、好ましくは無水フタル酸および/ またはアニリンで封止されて得られる芳香族ポリイミドまたは液晶性芳香族ポリイミドである熱可塑性樹脂組成物。
本発明によれば、それぞれの樹脂が本来有する優れた特性に加え、著しく成形加工性が良好であり、熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物が提供される。
【0026】
本発明で使用される液晶性芳香族ポリイミドは、サーモトロピック液晶とライオトロピック液晶等の液晶性を示す芳香族ポリイミドである。
例えば、式(1)、
【化44】
Figure 0003676603
(式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはシアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数2〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される液晶性を示す全芳香族ポリイミド、
【0027】
好ましくは、式(4)
【化45】
Figure 0003676603
で表される液晶性芳香族ポリイミド、
【0028】
または、式(4)
【化46】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格を1〜99モル%と式(1)
【化47】
Figure 0003676603
(式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはシアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位(但し、式(4)と同一の構造単位を除く)を有する基本骨格1〜99モル%とを含んでなる液晶性芳香族ポリイミド共重合体等が挙げられる。
【0029】
または、これらの液晶性芳香族ポリイミドや液晶性芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が式(2)
【化48】
Figure 0003676603
(式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または式(3)
V−NH (3)
(式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミドまたは液晶性芳香族ポリイミド共重合体が挙げられる。
【0030】
このような液晶性芳香族ポリイミドは、下記式(10)で表される少なくとも一種の芳香族ジアミンと下記式(12)で表される少なくとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化して得られる。
【0031】
この方法で使用する芳香族ジアミンは、式(10)
【化49】
Figure 0003676603
(式中、R〜R、Rは式(1)の場合と同じである)で表される芳香族ジア、具体的には、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチル−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−3−メチル−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メチル−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−3−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−または1,4−ビス〔4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用する。
【0032】
中でも式(11)
【化50】
Figure 0003676603
の1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼンが好ましい。2種以上を混合して使用する場合は、式(11)のジアミンとその他のジアミンを使用することによって前記の液晶性芳香族ポリイミド共重合体を得ることができる。
これらの芳香族ジアミンは、それぞれ対応するニトロ化合物を塩基の存在下、非プロトン性極性溶媒中で、通常の還元反応を行うことにより製造することができる。
【0033】
また、使用する芳香族テトラカルボン酸二無水物は式(12)
【化51】
Figure 0003676603
(式中、Rは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、および芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表されるものであり、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、
【0034】
2,2−ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕ケトン二無水物、ビス〔4−(3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕ケトン二無水物、ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕スルホン二無水物、ビス〔4−(3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕スルホン二無水物、4,4−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕スルフィド二無水物、2,2−ビス〔4−(3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕スルフィド二無水物、2,2−ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔4−((1,2−ジカルボキシ)−α,α−ジメチル)ベンジル〕ベンゼン二無水物、1,3−ビス〔3−((1,2−ジカルボキシ)−α,α−ジメチル)ベンジル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔4−((1,2−ジカルボキシ)−α,α−ジメチル)ベンジル〕ベンゼン二無水物、または1,4−ビス〔3−((1,2−ジカルボキシ)−α,α−ジメチル)ベンジル〕ベンゼン二無水物等であり、これら芳香族テトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上を混合して用いられる。中でもピロメリット酸二無水物が好ましい。
【0035】
本発明で使用する液晶性芳香族ポリイミドは、式(10)で表される芳香族ジアミンをジアミン成分として使用することを特徴として得られるが、得られる液晶性芳香族ポリイミドの液晶性の性質、及び物理的性能を損なわない範囲内で、他のジアミンをさらに一種以上混合して重合させても何等差し支えない。
併用できるジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、o−アミノベンジルアミン、3−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミントルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
【0036】
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α、α−ジメチルベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α、α−ジメチルベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α、α−ジメチルベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α、α−ジメチルベンゾイル)ベンゼン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどが挙げられる、また、これらは単独または2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
また、本発明で使用する液晶性芳香族ポリイミドは、上記のように芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物をモノマー成分として得られる式(1)の繰り返し構造単位を有するもの、式 (4) の繰り返し構造単位を有するもの、および式 (1) と式 (4) の繰り返し構造単位ともに有する共重合体であり、それらの、そのポリマー分子末端が未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有するポリイミドも含まれる。
【0038】
このポリマー分子末端に未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する液晶性芳香族ポリイミドは、式(10)
【化52】
Figure 0003676603
(式中、R〜RおよびRは前記の通りである)で表される芳香族ジアミン、例えば、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼンと、式(12)
【化53】
Figure 0003676603
(式中、Rは前記の通りである)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【0039】
例えば、ピロメリット酸二無水物とを式(2)
【化54】
Figure 0003676603
(式中、Rは前記の通りである)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または、一般式(3)
V−NH (3)
(式中、Vは前記の通りである)で表される芳香族モノアミンの存在下に反応させ得られる。
使用される式(2)で表される芳香族ジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていても差し支えないし、単独、もしくは二種以上混合して用いても何ら差し支えない。これらのジカルボン酸無水物の中で無水フタル酸は、得られるポリイミド及び、液晶性ポリイミドの性能面および実用面から最も好ましい。
ジカルボン酸無水物の使用量は、前記式(10)のジアミン1モル当り、0.001〜1.0モル比である。
0.001モル未満では、高温成形時に粘度の上昇が見られ成形加工性の低下の原因となる。また、1.0モルを超えると機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01〜0.5モルの割合である。
【0040】
また、一般式(3)で表される芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネジン、m−フェネジン、p−フェネジン、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−アフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。これらの芳香族モノアミンは、アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていても差し支えないし、単独もしくは二種以上混合して用いても何等差し支えない。
【0041】
芳香族モノアミンの量は前記式(12)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物1モル当り、0.001〜1.0モル比である。0.001モル未満では、高温成形時に粘度の上昇が見られ成形加工性低下の原因となる。また、1.0モルを超えると機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01〜0.5モルの割合である。
【0042】
本発明で使用する液晶性芳香族ポリイミドの製造方法は、公知のいずれの方法によっても製造される。例えば、次の方法が例示される。
1)有機溶剤中で芳香族ポリアミド酸を合成し、溶剤を減圧等による除去を行うか、得られた芳香族ポリアミド酸溶液から貧溶媒を用いる等の方法により芳香族ポリアミド酸を単離した後、これを加熱してイミド化を行い液晶性芳香族ポリイミドを得る方法、
2)1)と同様にして芳香族ポリアミド酸溶液を得、更に無水酢酸に代表される脱水剤を加え、また必要に応じて触媒を加えて化学的にイミド化を行った後、公知の方法により芳香族ポリイミドを単離し、必要に応じて洗浄、乾燥を行う方法、
3)1)と同様にして芳香族ポリアミド酸溶液を得た後、減圧もしくは加熱により溶剤を除去すると同時に熱的にイミド化を行う方法、
4)有機溶剤中に原料を装入後、加熱を行い芳香族ポリアミド酸の合成とイミド化反応を同時に行い、必要に応じて触媒や共沸剤、脱水剤等を共存させる方法などがあげられる。
【0043】
これらの方法による液晶性芳香族ポリイミドの製造に際して、有機溶媒中で反応を行うのが特に好ましく、用いられる有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル)エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール酸、p−クロロフェノール、キシレノール類、アニソール等が挙げられる。また、これらの有機溶剤は単独でも、または2種以上混合して用いても差し支えない。
【0044】
また、ポリマー分子末端を封止するためジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンの存在下に液晶性芳香族ポリイミドを製造するに際し、有機溶剤中に芳香族ジアミン類、芳香族テトラカルボン酸二無水物およびジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンを添加、反応させる方法としては、
(イ)芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミン類を反応させた後にジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンを添加して反応を続ける方法、
(ロ)芳香族ジアミン類に芳香族ジカルボン酸無水物を加えて反応させた後、芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加して反応をつづける、または芳香族テトラカルボン酸二無水物に芳香族モノアミンを反応させた後、芳香族ジアミン類を添加して反応を続ける方法、
(ハ)芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン類およびジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンを同時に添加して反応させる方法、
など、いずれの添加・反応方法をとっても差し支えない。
【0045】
これらの方法において、重合・イミド化反応温度は 300℃以下である。
重合・イミド化反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。
重合・イミド化反応時間は、芳香族ジアミンの種類、芳香族テトラカルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類および反応時間により異なり、通常4〜24時間で十分である。
以上の方法により芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン類を、無水フタル酸やアニリンのようなジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンの共存下に反応させて、またポリマー分子の末端が
【化55】
Figure 0003676603
のような無置換の、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環で封止された液晶性芳香族ポリイミドを製造できる。
【0046】
次に、本発明で使用する熱可塑性樹脂について述べる。
まず、本発明で使用する芳香族ポリイミドは、式(5)
【化56】
Figure 0003676603
(式中、Xは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基からなる群から選ばれた基を表し、またRは炭素数2〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミドであり、
【0047】
この式(5)で表されるものの中で特に、式(5)においてXが直結である式 (6)
【化57】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリイミド、または式(5)においてXがSOである式(13)
【化58】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリイミドが多用される。
【0048】
また、式(7)
【化59】
Figure 0003676603
で表される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリイミドも多用される。
【0049】
さらに、本発明者らが式(B)の芳香族ポリイミドの成形性を改善したものとして開発した次の芳香族ポリイミド共重合体に対しても有効である。
この式(B)で表される芳香族ポリイミドは、Tgが260℃、Tcが310〜340℃、Tmが367〜385℃であり、溶融成形可能な耐薬品性に優れた結晶性のポリイミドであるが、Tmが367〜385℃と高いため、成形時の温度は400℃近くの高温にする必要があった。
高耐熱性エンジニアプラスチックにおいて、Tgが同じレベルにある結晶化度の高い結晶性樹脂と結晶化度の低い非晶性樹脂を比較すると、一般に結晶性のものは耐薬品性および弾性率等の機械的特性の点において、また非晶性のものは成形加工性の点において優れていることが知られており、結晶性樹脂と非晶性樹脂にはそれぞれ一長一短がある。
従って、式(B)で表される繰り返し構造単位を有する結晶性ポリイミドの本質的に優れた耐熱性をそのまま維持し、成形加工性が改善されることが更に望ましい。
【0050】
本発明者らはこの様なポリイミドの改良について検討し、結晶性を有する前記の式(B)で表される繰り返し構造単位である基本骨格 1〜99モル%と式 (8)
【化60】
Figure 0003676603
式中、R は
【化61】
Figure 0003676603
で、nは0、1、2、3の整数、Qは直結、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−を表し、芳香環同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結合基が同種または異種の組み合わせでもよい、
【0051】
またR”は
【化62】
Figure 0003676603
(ここで、Mは
【化63】
Figure 0003676603
からなる群から選ばれた少なくとも一種の2価の基である)からなる群から選ばれた少なくとも一種の4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位(但し、式(B)と同一の構造単位を除く)である基本骨格1〜99モル%とを含有する芳香族ポリイミド共重合体、
【0052】
中でも式 (8)で表される繰り返し構造単位が、次式
【化64】
Figure 0003676603
(式中、Rは前記の通りである)で表される繰返し構造単位(但し、式(B)と同一の構造単位を除く)である芳香族ポリイミド共重合体が、その組成比によって、例えば、成形加工時に非晶状態で成形加工性が改良され、成形加工後の使用時においては結晶状態を形成して耐熱性の優れたポリイミドが得られ、また成形加工時から成形加工後も非晶状態で成形加工性が改良されて、且つ非晶状態であっても耐熱性が得られる等、成形加工性が良好でしかも優れた耐薬品性を有し、高弾性率の高耐熱性エンジニアリングプラスチックが得られること見出して、それを提供した。本発明の溶融成形性の改善された樹脂組成物に使用する芳香族ポリイミドとして、この芳香族ポリイミド共重合体も好ましく使用できる。
【0053】
また、これらの芳香族ポリイミドおよび芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が式(2)
【化65】
Figure 0003676603
(式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または式(3)
V−NH (3)
(式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミド共重合体が挙げられる。
【0054】
このような芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミド共重合体は、少なくとも一種の芳香族ジアミンと少なくとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化して得られる。
すなわち、式(5)、(6)又は(7)で表される芳香族ポリイミドは、例えば、式(14)
【化66】
Figure 0003676603
(式中、Xは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基およびスルホニル基からなる群から選ばれた基を表す)で表される少なくとも一種の芳香族ジアミン、
【0055】
または式(15)
【化67】
Figure 0003676603
で表される芳香族ジアミンと少なくとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる。
【0056】
ここで使用できる芳香族ジアミンとしては、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィドまたはビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどが挙げられる、また、これらは単独または2種以上を混合して用いられる。これらの中でも、式 (14)に於いて、Xが直結またはスルホン基である、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルまたはビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンが好ましく使用される。さらには式(15)の3,3−ジアミノベンゾフェノンが挙げられる。
【0057】
一方、用いられる芳香族テトラカルボン酸二無水物は、式(12)
【化68】
Figure 0003676603
(式中、Rは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を示す)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物である。
すなわち、芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、液晶性芳香族ポリイミドを製造するのに使用できる芳香族テトラカルボン酸二無水物、具体例として既に列記したものが挙げられる。これらテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以上を混合して用いられる。好ましくは、ピロメリット酸二無水物が挙げられる。
【0058】
また、式(6) で表される繰り返し構造単位である基本骨格と式(8)で表される繰り返し構造単位である基本骨格とから構成される芳香族ポリイミド共重合体は、式(16)
【化69】
Figure 0003676603
で表される4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルと式(21)
N−R−NH (21)
(式中、Rは
【化70】
Figure 0003676603
で、nは0、1、2、3の整数、Qは直結、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−CH−,−C(CH−または−C(CF−を表し、芳香環同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結合基が同種または異種の組み合わせでもよい)で表される少なくとも一種の芳香族ジアミンの共存下、
【0059】
式(17)
【化71】
Figure 0003676603
(式中、R”は
【化72】
Figure 0003676603
(ここで、Mは
【化73】
Figure 0003676603
からなる群から選ばれた2価の基である)からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される少なくとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる。
【0060】
ここで使用される芳香族ジアミンとしては、式(18)
【化74】
Figure 0003676603
で表されるジアミンである、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、
【0061】
式 (19)
【化75】
Figure 0003676603
(式中、Qは前記の通りである)で表されるジアミンである、ベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンであり、
【0062】
式(20)
【化76】
Figure 0003676603
(式中、Qは前記の通りである)で表されるジアミンである、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、
【0063】
式(21)
【化77】
Figure 0003676603
(式中、Qは前記の通りである)で表されるジアミンである、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いられる。
【0064】
また、一方のモノマーとして使用するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2, 2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2, 2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1, 3−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、1, 4−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンゼン二無水物、4, 4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4, 4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ベンソフェノン二無水物、ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕スルホン二無水物、2,2−ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。
【0065】
これらの式(5)、式(6)、式(13)または式 (7)で表される芳香族ポリイミドあるいは式 (6)で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格99〜1モル%と式 (8)で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格1〜99モル%を含有する芳香族ポリイミド共重合体は、それぞれの重合体に対応する上記原料モノマーを原料として製造されるが、それぞれの芳香族ポリイミドを製造するのに必須の原料である芳香族ジアミンや芳香族テトラカルボン酸二無水物の外、得られる芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミド共重合体の良好な物性を損なわない範囲で他の芳香族ジアミンまたは芳香族テトラカルボン酸二無水物を混合使用しても差し支えない。
【0066】
混合して用いることのできる芳香族ジアミンとしては、液晶性芳香族ポリイミドの製造において併用してもよい芳香族ジアミンとして例示されたものが挙げられる。これらの中から目的に応じて選択し併用してもよい。
また混合して使用できる芳香族テトラカルボン酸二無水物は、前記式 (12)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物として例示されたものの中から、適宜選択して併用する事ができる。
これらの少なくとも一種の芳香族ジアミン成分と少なくとも1種の芳香族テトラカルボン酸二無水物をモノマー成分として得られる芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミド共重合体は、そのポリマー分子末端が未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する芳香族ポリイミド共重合体も含まれる。
【0067】
このポリマー分子末端に未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する芳香族ポリイミドは、前記の式(14)、式(15)、式 (16)、式 (18)、式(19)、式 (20)、式(21)等の芳香族ジアミンと前記の式(12)、式(17)等のテトラカルボン酸二無水物を式(2)
【化78】
Figure 0003676603
(式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物および/または式(3)
V−NH (3)
(式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンの存在下に反応させ得られる。
この方法で使用される芳香族モノアミンまたは芳香族ジカルボン酸無水物は、液晶性芳香族ポリイミドまたはポリイミド共重合体の製造に使用されるものとして前記したものが挙げられる。
【0068】
以上の芳香族ポリイミド、芳香族ポリイミド共重合体またはそれらのポリマー分子の末端が未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する芳香族ポリイミド共重合体の製造方法は公知のいずれの方法によっても製造される。例えば、具体的には前記の液晶性芳香族ポリイミドの製造方法と同様の方法が適用できる。
これらの方法により芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族ジアミン類を、無水フタル酸やアニリンのようなジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンの共存下に反応させて、またポリマー分子の末端がアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基、例えば、末端に
【化79】
Figure 0003676603
等の基で置換された芳香族環を有するポリイミドを製造できる。
【0069】
本発明の溶融成形加工可能な樹脂組成物が、液晶性芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミドを含有してなる場合、このようなポリマー分子の末端が封止された液晶性芳香族ポリイミドまたは芳香族ポリイミドは、何ずれもまたは何れか一方が封止されたものであってもよい。とくに、上記の無水フタル酸またはアニリンに由来する基でポリマー末端が封止された液晶性芳香族ポリイミドおよび/または芳香族ポリイミドが好ましい。
【0070】
次いで本発明に用いられる芳香族ポリエーテルイミドは、式(22)
【化80】
Figure 0003676603
(式中、Xは
【化81】
Figure 0003676603
を表し、Yは、
【化82】
Figure 0003676603
を表す) で表される繰り返し構造単位の少なくとも一種を基本骨格として有する芳香族ポリエーテルイミドであり、具体例として次のようなものが挙げられる。
【化83】
Figure 0003676603
【化84】
Figure 0003676603
【化85】
Figure 0003676603
【化86】
Figure 0003676603
【化87】
Figure 0003676603
【化88】
Figure 0003676603
などの繰り返し単位を有する芳香族ポリエーテルイミドであり、これらの芳香族ポリエーテルイミドは、米国ジー・イー社から「Ultem-1000、Ultem-4000、Ultem-6000等」の商標で市販されている。
である。
【0071】
本発明の溶融成形加工が可能な熱可塑性樹脂組成物は、前記の式 (1) で表される繰り返し構造単位を有する液晶性芳香族ポリイミド、式 (4) で表される繰り返し構造単位を有する液晶性芳香族ポリイミド、式 (1) で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格1〜99モル%と式 (4) で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格99〜1モル%とを含有してなる液晶性ポリイミド共重合体、およびこれらのポリマー分子の末端が未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する液晶性芳香族ポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも一種の液晶性芳香族ポリイミド、とこれと別種の芳香族ポリイミドおよび芳香族ポリエーテルイミドからなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂とを含有してなるものである。
【0072】
この熱可塑性樹脂組成物は、液晶性芳香族ポリイミド 0.1〜50重量%と熱可塑性樹脂99.9〜50重量%の範囲に調節される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、300℃以上の高温域において著しく低い溶融粘度を示す。本発明の液晶性芳香族ポリイミドの良好な溶融流動化の効果は少量でも認められ、その組成割合の下限は 0.1重量%であるが、好ましくは 0.5重量%である。
また、液晶性芳香族ポリイミドの耐薬品性、難燃性、機械的強度は、耐熱性樹脂の中でも非常に優れた部類に属するが、機械的性質の異方性が強いなどの欠点がある。そのため、該組成物中の液晶性芳香族ポリイミドの量を多くすると、ポリイミド本来の特性が維持できなくなり好ましくない。液晶性芳香族ポリイミドの組成割合には上限があり、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0073】
本発明による熱可塑性樹脂組成物を調製するにあたっては、熱可塑性樹脂と液晶性芳香族ポリイミドを含有させて、通常公知の方法により製造できるが、例えば、次に示す方法は好ましいものである。
熱可塑性樹脂、液晶性芳香族ポリイミドを乳鉢、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、ボールミル、リボンブレンダー等を利用して予備混練する。
熱可塑性樹脂をあらかじめ有機溶媒に溶解または懸濁させ、この溶液または懸濁液に液晶性芳香族ポリイミドを添加し、均一に分散または溶解させた後、溶媒を除去する。
熱可塑性樹脂が芳香族ポリイミドである場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の有機溶媒溶液中に、液晶性芳香族ポリイミドを懸濁または溶解させた後 100〜400 ℃に加熱処理するか、または通常用いられるイミド化剤を用いて化学イミド化した後、公知の方法により溶媒を除去する。
同じく、熱可塑性樹脂が芳香族ポリイミドである場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の有機溶媒溶液と液晶性芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の有機溶媒溶液を混合した後、 100〜400℃に加熱処理するか、または通常用いられるイミド化剤を用いて化学的イミド化した後、公知の方法により溶媒を除去する。
【0074】
このようにして得られた液晶性芳香族ポリイミドと熱可塑性樹脂との混合物は、そのまま各種成形方法、すなわち射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、押出成形などに用いられるが、溶融ブレンドしてから用いるのはさらに好ましい方法である。
ことに、前記組成物を混合調製するにあたり、粉末同志、ペレット同志、あるいは粉末とペレットを混合するのも簡易で有効な方法である。
溶融ブレンドには、通常のゴムまたはプラスチック類を溶融ブレンドするのに用いられる装置、例えば、熱ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、押出機などを利用することができる。溶融温度は、配合系が溶融可能な温度以上で、かつ配合系が熱分解し始める温度以下に設定されるが、その温度は通常 250〜420 ℃、好ましくは300〜400 ℃である。
【0075】
本発明の溶融成形加工の可能な樹脂組成物の成形方法としては、均一な溶融ブレンド体を形成し、かつ生産性の高い成形方法である射出成形または押出成形が好適であるが、その他の圧縮成形、トランスファー成形、焼結成形などを利用しても差し支えない。
本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変成ポリフェニレンオキシド、他のポリイミドおよび熱硬化性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能である。
また、本発明のポリイミド樹脂組成物に対して固体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを一種以上添加することができる。
【0076】
また、補強材、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズ等を一種以上添加することができる。
さらに、本発明の樹脂組成物に対して本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤などの通常の添加剤を一種以上添加することができる。
【0077】
【実施例】
以下、本発明を合成例、実施例および比較例により詳細に説明する。
なお、例中で各種物性の測定は次の方法によった。
対数粘度:ポリイミド粉末0.50gをp−クロロフェノールとフェノール
の混合溶媒(90:10重量比)100ml に加熱溶解した後35℃に冷却して測定した値である。
ガラス転移温度(Tg);DSC(島津DT−40シリーズ、DSC−41Mにより測定。
5%重量減少温度:空気中でDTA−Tg(島津DT−40シリーズ、DSC−40M)により測定。
【0078】
合成例−1
攪拌機、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備えた容器に、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン5.29kg(10.0モル)、ピロメリット酸二無水物 2.094kg(9.6 モル)、γ−ピコリン 138g(1.5モル)およびm−クレゾール23.00kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。この間、約340gの水の留出が確認された。更に、140〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し81.2kgのメチルエチルケトンに排出した後、濾別した。
このポリイミド粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、 200℃で6時間乾燥して6.85kg(収率97.3%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、DSC測定により274℃と294℃に2本の吸熱ピークが観測された。また、空気中での5%重量減少温度は、525℃であった。
【0079】
合成例−2〜6
各種ジアミンと、各種テトラカルボン酸二無水物とを組合せ、合成例−1と同様に反応を行って各種ポリイミド粉を得た。
表1にポリイミド合成条件と生成ポリイミド粉末の対数粘度、ガラス転移温度および5%重量減少温度を示す。
【0080】
【表1】
Figure 0003676603
Figure 0003676603
【0081】
合成例−7
反応を行う際に、無水フタル酸118.49g(0.80モル)を加えた以外は合成例−1と同様な方法で反応を行いポリイミド粉6.93kg(収率 97.0%)を得た。
このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、DSC測定により274℃と295℃に2本の吸熱ピークが観察された。また、空気中での5%重量減少温度は536℃であった。
【0082】
合成例−8
反応を行う際に、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物158.54g(0.80モル)を加えた以外は合成例−1と同様な方法で反応を行いポリイミド粉7.02kg(収率 97.0%)を得た。
このポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g、DSC測定により275℃と297℃に2本の吸熱ピークが観察された。また、空気中での5%重量減少温度は538℃であった。
【0083】
合成例−9
反応を行う際に、無水フタル酸148.11g(1.00モル)を加えた以外は合成例−2と同様な方法で反応を行いポリイミド粉を得た。
表2にポリイミド合成条件と生成ポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度および5%重量減少温度を示す。
【0084】
合成例−10
反応を行う際に、無水フタル酸118.49g(0.80モル)を加えた以外は合成例−3と同様な方法で反応を行いポリイミド粉を得た。
表2にポリイミド合成条件と生成ポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度および5%重量減少温度を示す。
【0085】
合成例−11
反応を行う際に、無水フタル酸88.87g(0.60モル)を加えた以外は合成例−4と同様な方法で反応を行いポリイミド粉を得た。
表2にポリイミド合成条件と生成ポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度および5%重量減少温度を示す。
【0086】
合成例−12
反応を行う際に、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物198.18g(1.00モル)を加えた以外は合成例−2と同様な方法で反応を行いポリイミド粉を得た。
表2にポリイミド合成条件と生成ポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度および5%重量減少温度を示す。
【0087】
【表2】
Figure 0003676603
Figure 0003676603
【0088】
合成例−13
攪拌機、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備えた容器に、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.50kg(9.5モル)、ピロメリット酸二無水物2.18kg(10.0モル)、γ−ピコリン140g(1.5モル)、アニリン93.0g(1.0モル)およびm−クレゾール23.0kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。この間、約360gの水の留出が確認された。更に、140〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し81.2kgのメチルエチルケトンに排出した後、濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間乾燥して5.25kg(収率97.0%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.46dl/g、ガラス転移温度は247℃、空気中での5%重量減少温度は、555℃であった。
【0089】
合成例−14
合成例−13において、アニリン93.0g(1.0モル)のかわりに、p−トルイジン107.15g(1.0モル)を用い、合成例−13と同様に行ってポリイミド粉52.6kg(収率97.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.47dl/g、ガラス転移温度は245℃、空気中での5%重量減少温度は552℃であった。
【0090】
合成例−15
合成例−13において、,4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.50kg(9.5モル)のかわりに、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン5.07kg(9.6モル)を用い、合成例−13と同様に行ってポリイミド粉6.76kg(収率97.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.47dl/g、DSC測定により274℃と295℃に2本の吸熱ピークが観察された。また空気中での5%重量減少温度は532℃であった。
【0091】
合成例−16
合成例−15において、アニリン74.4g(0.8モル)のかわりに、p−トルイジン85.72g(0.8モル)を用い、合成例−15と同様に行ってポリイミド粉6.77kg(収率97.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.48dl/g、DSC測定により274℃と297℃に2本の吸熱ピークが観察された。また空気中での5%重量減少温度は535℃であった。
【0092】
合成例−17
合成例−13において、,4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.50kg(9.5モル)のかわりに、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン3.98kg(9.7モル)を用い、合成例−13と同様に行ってポリイミド粉5.70kg(収率97.3%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.54dl/g、ガラス転移温度は217℃、空気中での5%重量減少温度は534℃であった。
【0093】
合成例−18
攪拌機、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備えた容器に、3,3’−ジアミンベンゾフェノン2.123kg(10.0モル)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3.093kg(9.6モル)、γ−ピコリン138g(1.5モル)およびm−クレゾール20.9kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。この間約340gの水の留出が確認された。更に140℃〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し、81.2kgのメチルエチルケトンに排出した後濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケトンで洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間乾燥して4.74kg(収率97.3%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/gであった。このポリイミド粉のガラス転移温度は240℃であり、空気中での5%重量減少温度は532℃であった。
【0094】
合成例−19
反応を行う際に、無水フタル酸118.49g(0.80モル)を加えた以外は合成例−18と同様な方法で反応を行いポリイミド粉4.88kg(収率98.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.48dl/g、ガラス転移温度は245℃、空気中での5%重量減少温度は550℃であった。
【0095】
合成例−20
反応を行う際に、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物158.54g(0.80モル)を加えた以外は合成例−18と同様な方法で反応を行いポリイミド粉4.86kg(収率97.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は247℃、空気中での5%重量減少温度は538℃であった。
【0096】
合成例−21
攪拌器、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備えた容器に、3,3’−ジアミンベンゾフェノン2.038kg(9.6モル)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3.222kg(10.0モル)、γ−ピコリン138g(1.5モル)、アニリン74.50g(0.8モル)およびm−クレゾール20.9kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。この間約340gの水の留出が確認された。更に140℃〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し、81.2kgのメチルエチルケトンに排出した後濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間乾燥して4.74kg(収率97.3%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.48dl/gであった。このポリイミド粉のガラス転移温度は240℃であり、空気中での5%重量減少温度は548℃であった。
【0097】
合成例−22
合成例−21において、アニリン74.50g(0.80モル)のかわりに、p−トルイジン85.72g(0.8モル)を用い、合成例−21と同様に行ってポリイミド粉4.85kg(収率97.5%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は244℃であり、空気中での5%重量減少温度は545℃であった。
【0098】
合成例−23
かきまぜき、還流冷却機、水分離機および窒素導入管を備えた容器に、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.316kg(9.00モル)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル0.200kg(1.00モル)、ピロメリット酸二無水物2.072kg(9.50モル)、γ−ピコリン140g(1.5モル)およびm−クレゾール22.4kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。
この間、約340gの水の留出が確認された。更に、140〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し56.1kgのメチルエチルケトンに排出した後、濾別した。
このポリイミド粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間乾燥して5.09kg(収率97.0%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g、ガラス転移温度は258℃であり、Tc、Tmは観測されなかった。また、空気中での5%重量減少温度は、542℃であった。
【0099】
合成例−24
合成例23において4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.316kg(9.00モル)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル0.200kg(1.00モル)、ピロメリット酸二無水物2.072kg(9.50モル)のかわりに4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル2.579kg(7.00モル)、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン1.297kg(3.00モル)、ピロメリット酸二無水物2.094kg(9.60モル)を用いた以外は合成例−23と同様に反応を行ってポリイミド粉5.51(収率98.0%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.51dl/g、ガラス転移温度は253℃であり、Tc、Tmは観測されなかった。また、空気中での5%重量減少温度は539℃であった。
【0100】
合成例−25
合成例−23において、反応を行う際に、無水フタル酸148.11g(1.00モル)を加えた以外は合成例−23と同様な方法で反応を行いポリイミド粉5.26g(収率97.8%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g、ガラス転移温度は254℃であり、Tc、Tmは観測されなかった。また、空気中での5%重量減少温度は546℃であった。
【0101】
合成例−26
合成例−23において、反応を行う際に1.8 −ナフタレンジカルボン酸無水物195.68g(1.00モル)を加えた以外は合成例−23と同様な方法で反応を行いポリイミド粉5.31g(収率98.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は250℃であり、Tc、Tmは観測されなかった。また、空気中での5%重量減少温度は543℃であった。
【0102】
合成例−27
かきまぜき、還流冷却機、水分離機および窒素導入管を備えた容器に、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.150kg(8.55モル)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル0.190kg(0.95モル)、ピロメリット酸二無水物 2.18kg(10.0モル)、γ−ピコリン140g(1.5 モル)およびアニリン93.12g(1.0モル)およびm−クレゾール23.0kgを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら145℃まで加熱昇温した。この間、約360gの水の留出が確認された。更に、140〜150℃で4時間反応を行った。その後、室温まで冷却し、81.2kgのメチルエチルケトンに排出した後、濾別した。このポリイミド粉をメチルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間乾燥して5.16kg(収率98.2%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度は256℃、空気中での5%重量減少温度は、549℃であった。
【0103】
合成例−28
合成例27において、アニリン93.12g(1.0モル)のかわりに、p−トルイジン107.15g(1.0モル)を用い、合成例27と同様に行ってポリイミド粉5.16kg(収率98.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g、ガラス転移温度255℃、空気中での5%重量減少温度は547℃であった。
【0104】
合成例−29
合成例27において4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル3.150kg(8.55モル)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル0.190kg(0.95モル)、アニリン93.12g(1.0モル)のかわりに4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル2.476kg(6.72モル)、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン1.246kg(2.88モル)、アニリン74.50g(0.80モル)を用いた以外は合成例27と同様に反応を行ってポリイミド粉5.49g(収率97.8%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g、ガラス転移温度は251℃、空気中での5%重量減少温度は544℃であった。
【0105】
合成例−30
合成例−29において、アニリン74.50g(0.80モル)のかわりに、p−トルイジン85.72g(0.80モル)を用いた以外は合成例−29と同様に反応を行ってポリイミド粉5.52kg(収率98.0%)を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.50dl/g、ガラス転移温度は252℃、空気中での5%重量減少温度は540℃であった。
【0106】
実施例−1〜8
合成例−2,3で得られたポリイミド粉と合成例−1で得られた液晶性ポリイミド粉を、表3に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm2 )で溶融粘度を測定した。測定した結果を表3に示す。
【0107】
比較例−1〜8
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−1〜8と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表3に示す。
【0108】
【表3】
Figure 0003676603
【0109】
実施例−9〜16
合成例−4,5で得られたポリイミド粉と合成例−1で得られた液晶性ポリイミド粉を、表4に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表4に示す。
【0110】
比較例−9〜16
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−9〜16と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表4に示す。
【0111】
【表4】
Figure 0003676603
【0112】
実施例−17〜20
合成例−6で得られたポリイミド粉と合成例−1で得られた液晶性ポリイミド粉を、表5に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表5に示す。
【0113】
比較例−17〜20
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−17〜20と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表5に示す。
【0114】
【表5】
Figure 0003676603
【0115】
実施例21〜28
合成例−9,10で得られたポリイミド粉と合成例−7で得られた液晶性ポリイミド粉を、表6に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表6に示す。
【0116】
比較例−21〜28
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−21〜28と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表6に示す。
【0117】
【表6】
Figure 0003676603
【0118】
実施例29〜32
合成例−11で得られたポリイミド粉と合成例−7で得られた液晶性ポリイミド粉を、表7に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表7に示す。
【0119】
比較例−29〜32
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−29〜32と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表7に示す。
【0120】
【表7】
Figure 0003676603
【0121】
実施例−33〜36
合成例−12で得られたポリイミド粉と合成例−8で得られた液晶性ポリイミド粉を、表8に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表8に示す。
【0122】
比較例−33〜36
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−33〜36と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表8に示す。
【0123】
【表8】
Figure 0003676603
【0124】
実施例−37〜44
合成例−13,17で得られたポリイミド粉と合成例−15で得られた液晶性ポリイミド粉を、表9に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表9に示す。
【0125】
比較例−37〜44
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−37〜44と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表9に示す。
【0126】
【表9】
Figure 0003676603
【0127】
実施例−45〜48
合成例−14で得られたポリイミド粉と合成例−16で得られた液晶性ポリイミド粉を、表10に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表10に示す。
【0128】
比較例−45〜48
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−45〜48と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表10に示す。
【0129】
【表10】
Figure 0003676603
【0130】
実施例−49〜56
合成例−9,10,11,12で得られたポリイミド粉と合成例−7,8で得られた液晶性ポリイミド粉を、表11に示すように各種の組成でドライブレンドした後、押出機(口径40mm、圧縮比=3.0/1.0のスクリュー付)で溶融混練しながら押し出し、均一な配合ペレットを得た。
次に、上記で得たペレットを通常の射出成形機にかけて成形し成形物の最低射出圧力を測定した。その結果を表11に実施例−49〜56として示す。
【0131】
比較例−49〜56
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−49〜56と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表11に示す。
【0132】
【表11】
Figure 0003676603
【0133】
実施例−57〜60
合成例−18で得られたポリイミド粉と合成例−1で得られた液晶性ポリイミド粉を、表12に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表12に示す。
【0134】
比較例−57〜60
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−57〜60と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表12に示す。
【0135】
【表12】
Figure 0003676603
【0136】
実施例−61〜64
合成例−19で得られたポリイミド粉と合成例−7で得られた液晶性ポリイミド粉を、表13に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表13に示す。
【0137】
比較例−61〜64
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−61〜64と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表13に示す。
【0138】
【表13】
Figure 0003676603
【0139】
実施例−65〜68
合成例−20で得られたポリイミド粉と合成例−8で得られた液晶性ポリイミド粉を、表14に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表14に示す。
【0140】
比較例−55〜68
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−65〜68と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表14に示す。
【0141】
【表14】
Figure 0003676603
【0142】
実施例−69〜72
合成例−21で得られたポリイミド粉と合成例−15で得られた液晶性ポリイミド粉を、表15に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表15に示す。
【0143】
比較例−69〜72
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−69〜72と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表15に示す。
【0144】
【表15】
Figure 0003676603
【0145】
実施例−73〜76
合成例−22で得られたポリイミド粉と合成例−16で得られた液晶性ポリイミド粉を、表16に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表16に示す。
【0146】
比較例−73〜76
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−73〜76と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表16に示す。
【0147】
【表16】
Figure 0003676603
【0148】
実施例−77〜80
合成例−19,21で得られたポリイミド粉と合成例−7,15で得られた液晶性ポリイミド粉を、表17および18に示すように各種の組成でドライブレンドした後、押出機(口径40mm、圧縮比=3.0/1.0のスクリュー付)で溶融混練しながら押出し、均一な配合ペレットを得た。次に、上記で得たペレットを通常の射出成形機にかけて成形し成形物の最低射出圧力を測定した。その結果を表17および表18に実施例−77〜80として示す。
【0149】
比較例−77〜80
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−77〜80と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表17および表18に示す。
【0150】
【表17】
Figure 0003676603
【0151】
【表18】
Figure 0003676603
【0152】
実施例−81〜88
合成例−23,24で得られたポリイミド粉と合成例−1で得られた液晶性ポリイミド粉を、表19、20に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表19、20中に示す。また、フローテスターにより得られたストランドの転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も同表19、20に示す。
本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリイミド共重合体と変わらないTgを有していた。
【0153】
比較例−81〜88
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−81〜88と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表19、20に示す。
【0154】
【表19】
Figure 0003676603
【0155】
【表20】
Figure 0003676603
【0156】
実施例−89〜96
合成例−25,29で得られたポリイミド粉と合成例−7で得られた液晶性ポリイミド粉を、表21、22に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表21、22中に示す。また、フローテスターにより得られたストランドの転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も同表21、22に示す。
本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリイミド共重合体と変わらないTgを有していた。
【0157】
比較例−89〜96
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−89〜96と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表21、22に示す。
【0158】
【表21】
Figure 0003676603
【0159】
【表22】
Figure 0003676603
【0160】
実施例−97〜100
合成例−26で得られたポリイミド粉と合成例−8で得られた液晶性ポリイミド粉を、表23に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表23中に示す。また、フローテスターにより得られたストランドの転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も同表23に示す。
本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリイミド共重合体と変わらないTgを有していた。
【0161】
比較例−97〜100
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−97〜100と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表23に示す。
【0162】
【表23】
Figure 0003676603
【0163】
実施例101〜108
合成例−27、30で得られたポリイミド粉と合成例−15で得られた液晶性ポリイミド粉を、表24、25に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表24、25に示す。また、フローテスターにより得られたストランドの転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も同表24、25に示す。
本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリイミド共重合体と変わらないTgを有していた。
【0164】
比較例−101〜108
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−101〜108と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表24、25に示す。
【0165】
【表24】
Figure 0003676603
【0166】
【表25】
Figure 0003676603
【0167】
実施例109〜112
合成例−28で得られたポリイミド粉と合成例−16で得られた液晶性ポリイミド粉を、表26に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表26に示す。また、フローテスターにより得られたストランドの転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も同表26に示す。本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリイミド共重合体と変わらないTgを有していた。
【0168】
比較例−109〜112
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−109〜112と同様の操作で溶融粘度測定した結果を表26に示す。
【0169】
【表26】
Figure 0003676603
【0170】
実施例−113〜120
合成例−25、27、29、30で得られたポリイミド粉と合成例−7、15で得られた液晶性ポリイミド粉を、表27、28に示すように各種の組成でドライブレンドした後、押出機(口径40mm、圧縮比=3.0/1.0のスクリュー付)で溶融混練しながら押し出し、均一な配合ペレットを得た。
次に、上記で得たペレットを通常の射出成形機にかけて成形し成形物の最低射出圧力を測定した。その結果を表27、28に実施例−113〜120として示す。本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリイミド共重合体のみよりも最低射出圧力が低く、成形加工性が良好であることがわかる。
【0171】
比較例−113〜120
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−113〜120と同様の操作を行い最低射出圧力を測定した表27、28に示す。液晶性芳香族ポリイミドを全く含まないものは最低射出圧力が高く、芳香族ポリイミド共重合体50重量部に対して液晶性芳香族ポリイミドが50重量部を越えると溶融粘度が低くなりすぎて最低射出圧力を測定できなかった。すなわち、溶融粘度が高すぎて射出成形が困難となる。
【0172】
【表27】
Figure 0003676603
【0173】
【表28】
Figure 0003676603
【0174】
実施例−121、122
実施例113と115の、芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドの混合比を90対10でブレンドして得られたペレットを通常の射出成形機にかけて、成形温度360〜400℃、金型温度150℃で射出成形し、成形物の機械的物質を測定した。結果を表−29に実施例121、122として示す。
表中引張強度、引張弾性率、引張伸度はASTM D−638に拠る。
本実施例の割合で芳香族ポリイミド共重合体と液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、比較例121、122の芳香族ポリイミド共重合体のみのものと比べて機械物性は同等であり、本願の範囲内で液晶性芳香族ポリイミドを混合しても機械物性の低下はみられない。
【0175】
比較例 121、122
比較例 113と115で得られたペレットを、実施例−121、122と同様の操作で成形物とし、成形物の機械的性質を測定した。結果を表−29に併せて比較例−121、122として示す。
【0176】
【表29】
Figure 0003676603
【0177】
実施例−123〜142
芳香族ポリエーテルイミド(米国ジー・イー社製商標名Ultem1000)と合成例1、7、8、15、16で得られた液晶芳香族ポリイミドを表30〜34に示すように各種の組成でドライブレンドした後、高化式フローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径0.1cm、長さ1cm、圧力100kg/cm)で溶融粘度を測定した。測定した結果を表30〜34に示す。また、フローテスターにより得られたストランドのガラス転移温度(Tg)をDSCにより測定した結果も表30〜34に示す。
本実施例の割合で芳香族ポリエーテルイミドと液晶性芳香族ポリイミドを混合したものは、芳香族ポリエーテルイミドのみよりも溶融粘度が低く、なおかつ芳香族ポリエーテルイミドと代わらないTgを有していた。また、フローテスターにより得られるストランドは芳香族ポリエーテルイミドのみと同様に強靱であった。
【0178】
比較例−123〜142
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−123〜142と同様の操作で溶融粘度を測定した結果を表30〜34に示す。液晶性芳香族ポリイミドを全く含まないものは溶融粘度が高く、芳香族ポリエーテルイミド50重量部に対して混合する液晶性芳香族ポリイミドを50重量部より多くすると、溶融粘度は低くなるがフローテスターで得られるテトランドは脆かった。
【0179】
【表30】
Figure 0003676603
【0180】
【表31】
Figure 0003676603
【0181】
【表32】
Figure 0003676603
【0182】
【表33】
Figure 0003676603
【0183】
【表34】
Figure 0003676603
【0184】
実施例−143〜146
芳香族ポリエーテルイミド(米国ジー・イー社製商標名Ultem1000)と合成例7、15で得られたポリイミド粉を、表35に示すように各種の組成でドライブレンドした後、押出機(口径40mm、圧縮比=3.0/1.0のスクリュー付)で溶融混練しながら押し出し、均一な配合ペレットを得た。
次に、上記で得たペレットを通常の射出成形機にかけて成形し成形物の最低射出圧力を測定した。その結果を表35に実施例−143〜146として示す。
本実施例の割合で芳香族ポリエーテルイミドと液晶性芳香族ボリイミドを混合したものは、芳香族ポリエーテルイミドのみよりも最低射出圧力が低く、成形加工性が良好なことがわかる。
【0185】
比較例−143〜146
本発明の範囲外の組成物を用いて実施例−143〜146と同様の操作を行い最低射出圧力を測定しり表35に示す。液晶性芳香族ポリイミドを全く含まないものは最低射出圧力が高く、芳香族ポリエーテルイミド50重量部に対して液晶性芳香族ポリイミドが50重量部を超えると溶融粘度が低くなりすぎて、最低射出圧力を測定できなかった。すなわち、溶融粘度は低すぎて射出成形が困難となる。
【0186】
【表35】
Figure 0003676603
【0187】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂が本来有する優れた特性に加え、著しく成形加工性が良好で熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物が提供される。

Claims (11)

  1. 芳香族ポリイミドおよび芳香族ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂99.9〜50重量部と次の(1)、(2)および(3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の液晶性芳香族ポリイミド0.1〜50重量部を含有しなる成形加工性良好な熱可塑性樹脂組成物。
    (1)式(1)
    Figure 0003676603
    (式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはシアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数2〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する液晶性芳香族ポリイミド、
    (2)上記式(1)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド、
    (3)上記式(1)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド。
  2. 液晶性芳香族ポリイミドが、次の(4)、(5)および(6)からなる群から選ばれる少なくとも一種の液晶性芳香族ポリイミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (4)式(4)
    Figure 0003676603
    で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する液晶性芳香族ポリイミド、
    (5)上記式(4)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド、
    (6)上記式 (4)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド。
  3. 液晶性芳香族ポリイミドが、次の(7)、(8)および(9)からなる群から選ばれる少なくとも一種の液晶性芳香族ポリイミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (7)式(4)
    Figure 0003676603
    で表される繰り返し構造単位を有する基本骨格1〜99モル%と式(1)
    Figure 0003676603
    (式中、R〜Rは、水素、弗素、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはシアノ基であり、互いに同一でも異なっていてもよい、またRは炭素数2〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位 (ただし、式(4)と同一の繰り返し構造単位を除く)を有する基本骨格99〜1モル%とを含んでなる液晶性芳香族ポリイミド共重合体、
    (8)上記の液晶性芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド共重合体、
    (9)上記の液晶性芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる液晶性芳香族ポリイミド共重合体。
  4. 芳香族ポリイミドが、次の(10)、(11)および(12)からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ポリイミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (10)式(5)
    Figure 0003676603
    (式中、Xは直結、イソプロピリデン基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ基およびスルホニル基からなる群から選ばれた基を表し、またRは炭素数6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミド、
    (11)上記式(5)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる芳香族ポリイミド、
    (12)上記式(5)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる芳香族ポリイミド。
  5. 芳香族ポリイミドの繰り返し構造単位が、式(6)
    Figure 0003676603
    で表される繰り返し構造単位である請求項記載の熱可塑性脂組成物。
  6. 芳香族ポリイミドが、次の(13)、(14)および(15)からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ポリイミドである請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (13)式 (7)
    Figure 0003676603
    で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリイミド、
    (14)上記式(7)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる芳香族ポリイミド、
    (15)上記式(7)で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、そのポリマー分子の末端が式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる芳香族ポリイミド。
  7. 芳香族ポリイミドが、次の(16)、(17)および(18)からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ポリイミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (16)式 (6)
    Figure 0003676603
    で表される繰り返し構造単位である基本骨格99〜1モル%と式(8)
    Figure 0003676603
    式中、Rは
    Figure 0003676603
    で、nは0、1、2、3の整数、Qは直結、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(CH−または−C(CF−を表し、芳香環同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結合基が同種または異種の組み合わせでもよい、またR”は
    Figure 0003676603
    (ここで、Mは
    Figure 0003676603
    からなる群から選ばれた少なくとも一種の2価の基である)からなる群から選ばれた少なくとも一種の4価の基を表す)で表される繰り返し構造単位(但し、式(6)と同じ構造単位を除く)である基本骨格1〜99モル%を含有する芳香族ポリイミド共重合体、
    (17)上記芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が式(2)
    Figure 0003676603
    (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカルボン酸無水物で封止されて得られる芳香族ポリイミド共重合体、
    (18)上記芳香族ポリイミド共重合体のポリマー分子の末端が、式(3)
    V−NH (3)
    (式中、Vは炭素数6〜15であり、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノアミンで封止されて得られる芳香族ポリイミド共重合体。
  8. 前記式(8)で表される繰り返し構造単位が、式(9)
    Figure 0003676603
    (式中、Rは前記の通りである)で表される繰り返し構造単位(但し、式(6)と同じ構造単位を除く)である請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 芳香族ポリエーテルイミドが、式(22
    Figure 0003676603
    (式中、Xは、
    Figure 0003676603
    を表し、Yは、
    Figure 0003676603
    を表す)で表される少なくとも一種の繰り返し構造単位を基本骨格として有する芳香族ポリエーテルイミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 芳香族ジカルボン酸無水物が、無水フタル酸である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 芳香族モノアミンが、アニリンである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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