JP3675997B2 - ガス検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス検出装置に関し、例えば内燃機関の排気管に配設されて内燃機関から排出される排気ガスに含まれる成分ガスの濃度検出に適用されるガス検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等の内燃機関では、排気エミッションを改善するため、例えば混合気の空気燃料比が理論空気燃料比になるように燃料の噴射量等をフィードバック制御した後、内燃機関から排出される排気ガス中の排気エミッションを三元触媒コンバータにより除去するようにした排気エミッション抑制技術が採用されている。近年、排気エミッションの規制が強化され、米国では既に自己診断規制(略称OBD−II)が開始し、三元触媒コンバータ等の排気エミッション抑制関連部品の故障を検知してドライバーに認識させることが義務付けられ、ドライバーも故障した排気エミッション抑制関連部品の修理が義務付けられるようになった。
【0003】
三元触媒コンバータの劣化診断技術としては、排気管の三元触媒コンバータの上流および下流にそれぞれ酸素濃度センサを設けたいわゆる2O2 センサシステムが知られている。しかしながら排気ガス規制の強化が上記OBD−IIのLEV(Low Emission Vehicle)からULEV(Ultra Low Emission Vehicle)へと進むと、2つの酸素濃度センサの信号差から間接的に浄化率を検知する2O2 センサシステムでは検出精度が不十分である。そこで窒素酸化物(NOx )等の排気エミッション成分を直接検出するガス検出装置の必要性が高まっている。
【0004】
上記排気エミッション等、検出対象である成分ガスを直接検出するガス検出装置としては、酸素イオン導電性の固体電解質材の両面に被測定ガスに曝露する電極と基準の酸素濃度の基準ガスに曝露する電極とを形成し電極間に発生する起電力等の変化を利用する固体電解質式ガス検出装置が種々、提案されている。これらはNOx を触媒等により分解して被測定ガスのNOx 濃度を酸素濃度として検出するもので、NOx を酸素に分解して検出するため、被測定ガス中の酸素に対する選択性がなく、被測定ガスの酸素濃度を一定に保つ必要がある。
【0005】
かかる固体電解質式ガス検出装置として、Society of Automotive Engineers(以下、SAEという)960334号記載の厚膜Zr O2 NOx センサがある。この厚膜ZrO2 NOx センサでは被測定ガスが導入される第1室に酸素センサが設けられ、これにより検出される酸素濃度が所定値となるように第1室内の酸素を排出する第1のポンプセルが設けられている。第1室と拡散抵抗路を介して連通する第2室には室内の酸素を排出する第2のポンプセルが設けられ、その室内側の電極はNOx に対して還元活性を有している。第1室内の酸度濃度は第1室に設けた酸素センサにより検出され、第1のポンプセルの駆動電圧にフィードバックされて一定に保たれるから、第2室へ拡散する被測定ガスの酸素濃度は一定である。第2室ではNOx の分解により新たに酸素が生成し、第2のポンプセルのポンプ電流がNOx 濃度に応じて増減する。ポンプ電流の増減を測定することでNOx 濃度を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記SAE960334号記載の厚膜Zr O2 NOx センサでは、第2室に拡散する被測定ガスの酸素濃度を一定にするため第1室と第2室とを分離する拡散抵抗路が設けられているから、構造が複雑な上に応答性や検出利得も十分ではない。単純に拡散抵抗路を取り除けば流出入する酸素により第2のポンプセルの電極近傍における酸素濃度が変動し、検出誤差が生じるという問題がある。
【0007】
そこで本発明では簡単な構成で、高い応答性と高い検出利得とが得られ、しかも検出精度のよいガス検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、被測定ガスが拡散抵抗を有する被測定ガス導入路を介して導入される中空部内の酸素濃度を制御すべく以下の構成を具備せしめる。酸素イオン導電性の固体電解質材の相対向する両面に一対の電極を形成した酸素センサ部と酸素ポンプ部とを設ける。酸素センサ部は一方の電極が中空部内に面し、他方の電極が中空部外の基準ガスに曝露するように形成する。酸素ポンプ部は、一方の電極が中空部外の被測定ガスに曝露し、他方の電極が中空部内に面するように形成して固体電解質材にポンプ電流を流すようにする。酸素センサ部により検出される酸素濃度に基づいて酸素ポンプ部のポンプ電流をフィードバック制御する酸素ポンプ制御手段とを設ける。中空部内における被測定ガス中の検出対象である窒素酸化物を分解して酸素を生成せしめNOx 濃度を酸素濃度として検出すべく、酸素イオン導電性の固体電解質材の相対向する両面に一対の電極を形成した成分ガス検出部を設ける。その一対の電極は中空部内側の電極をNOx に対して還元活性を有する電極とする。他方の電極は基準酸素濃度の基準ガスに曝露するように形成する。成分ガス検出部の電極間の出力信号を検出する信号検出手段を設ける。加えて酸素センサ部の中空部内側の電極を、被測定ガス導入路の中空部内側の開口位置の近傍に形成し、成分ガス検出部の中空部内側の電極を、酸素センサ部の中空部内側の電極よりもガス導入路の開口から離れた位置に、酸素ポンプ部の中空部内側の電極と畳重するように形成する。
【0009】
成分ガス検出部は、その中空部内側の電極表面においてNOx が還元反応により分解して酸素が生成し、信号検出手段によりこの酸素生成量に応じた検出信号が得られる。
【0010】
酸素センサ部の中空部内側の電極が被測定ガス導入路の開口の近傍位置にあるから、中空部内に導入される被測定ガス中の酸素濃度の変化に即応して酸素ポンプ部が作動する。成分ガス検出部の電極は被測定ガス導入路の開口位置から酸素センサ部の中空部内側の電極よりも離れた位置に、酸素ポンプ部の電極と畳重するように形成されているから、成分ガス検出部の中空部内側の電極の近傍における被測定ガス中の酸素は、中空部内に導入される被測定ガスの酸素濃度の変化に即応して酸素ポンプ部により供給または排出される。しかして成分ガス検出部の中空部内側の電極近傍の被測定ガスは、これを拡散抵抗路等で分離することなく酸素濃度が一定に保たれ、NOx 濃度の検出精度がよい。しかも成分ガス検出部の中空部内側の電極近傍の被測定ガスを分離しないから構造が簡単で応答性もよい。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、上記酸素ポンプ部および酸素センサ部の上記中空部に面した電極を、検出対象であるNOx に対して不活性な金属で構成することにより、上記電極表面で上記中空部内の被測定ガス中のNOx が還元反応により分解することが防止され、NOx の検出誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0012】
請求項3記載の発明では、ガス検出体を被測定ガス側と大気とを隔てる隔離壁に貫通し、先端部が上記被測定ガス側に突出するように設けるとともに、ガス検出体の内部には、先端部にガス検出体の外部と被測定ガス導入路を介して連通する中空部と、基準ガスが導入される基準ガス導入路とを設ける。基準ガス導入路は一端側が中空部の付近まで延び、ガス検出体の基部側の他端側から基準ガスが導入されるように構成する。上記酸素ポンプ部は、その固体電解質材を中空部とガス検出体の外部とを隔てる隔壁の一部に形成し、固体電解質材の中空部内側と中空部外側との両面に対向して第1の一対の電極を形成する。上記酸素センサ部はその固体電解質材を中空部と基準ガス導入路とを隔てる隔壁の一部に形成し、固体電解質材の中空部内側と基準ガス導入路側とに第2の一対の電極を形成する。その中空部内側の電極は、酸素ポンプ部の中空部内側の電極よりも小面積とするとともに該電極の中央部と対向する位置に形成する。上記成分ガス検出部はその固体電解質材を中空部と基準ガス導入路とを隔てる隔壁の一部に形成し、固体電解質材の中空部内側と基準ガス導入路側とに第3の一対の電極を形成する。その中空部内側の電極は中央部に肉抜き部を形成して酸素センサ部の中空部内側の電極を囲むように、かつ酸素ポンプ部の中空部内側の電極と畳重するように形成する。
【0013】
かかる構成とすることによりガス検出装置の主要部を一体にコンパクトに構成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1(A)は内燃機関から排出される排気ガスのNOx濃度の検出に適用した本発明のガス検出装置を示すもので、検出場所に設置されるセンサ部Sと、回路部Cとから構成してある。センサ部Sは内燃機関の隔離壁たる排気管壁Wを貫通して筒状のハウジング91が螺着してあり、ハウジング91内に内挿される絶縁部材921,922,923がハウジング91の上端開口を塞ぐ蓋部材93によりハウジング91に固定されている。そして絶縁部材921,922,923に設けた貫通穴92aに、細長い平板状のガス検出体1が挿通保持され、先端部1aはハウジング91より排気管壁Wの内側に突出し、基部1bは蓋部材93より突出している。
【0015】
ガス検出体の排気管W内に突出する先端部はハウジング91の下端に固定される有底筒状の排気カバー95内に収容されている。排気カバー95は、ステンレススチール製で、内部側のカバー951と外部側のカバー952の二重構造となっており、これらカバー951,952の周壁には、被測定ガスたる排気ガスを排気カバー95内に取り込むためのガス流通孔953,954がそれぞれ形成してある。
【0016】
蓋部材93の上端には、筒状の大気カバー94が固定される。大気カバー94は、ハウジング91に取りつけられるメインカバー941とその後端部を被うサブカバー942からなり、その周壁の対向位置に大気導入口943,944をそれぞれ有し、これら大気導入口943,944より基準の酸素濃度の基準ガスたる大気を大気カバー94内に取り込むようになしてある。取り込まれた大気はガス検出体1の基部1bに導かれ、基部1b内に導入される。また大気導入口943,944の形成位置において、メインカバー941とサブカバー942の間に防水のために溌水性のフィルタ945が配設してあり、センサ部S内部には大気のみが導入され、水分が侵入することが防止される。
【0017】
また大気カバー94は上端が開口しており、ガス検出体1の後端部に接続するリード線96がこの上端開口より外部に延びている。
【0018】
図1(B)はガス検出体1の拡大断面図、図2はその分解図であり、ガス検出体1は、排気管W内に突出する先端部1a(図の左側)に中空部3、酸素センサ部たるセンサセル51、酸素ポンプ部たるポンプセル52、成分ガス検出部たる検出セル6等より構成され、これらを構成する部材が積層構造を有している。
【0019】
この積層構造は、図2において上側から平板状の酸素イオン導電性の固体電解質材11、アルミナからなる平板状のスペーサ12、平板状の酸素イオン導電性の固体電解質材13となっている。中間のスペーサ12は先端部側に四角形の肉抜き部12aが形成してあり、固体電解質材11,13で閉鎖された空間が中空部3を形成している。
【0020】
また図の下側は上記固体電解質材13の下側に、アルミナからなる平板状のスペーサ14、平板状の加熱ヒータ部15となっている。中間のスペーサ14には細長い肉抜き部14aが形成してあり、その一端側は、上記スペーサ12の肉抜き部12aと同じ形状で肉抜き部12aと対向しており、他端側はスリット状をなしてスペーサ14の基端に達している。固体電解質材13と加熱ヒータ部15とで閉鎖された肉抜き部14aの空間が、大気導入孔943,944(図1(A))より大気をガス検出体1内へ導入する基準ガス導入路たるダクト4となっている。
【0021】
固体電解質材11の下面の中空部3の内表面をなす位置にスクリーン印刷等によりスペーサ12の肉抜き部12aと略同一形状でPt −Au 製の第1の一対の電極の一方である電極522が形成されるとともに、固体電解質材11の上面には電極522と対向してPt 製の第1の一対の電極の他方の電極521が形成されている。固体電解質材11、電極521,522でポンプセル52を構成している。
【0022】
また固体電解質材11、電極521,522を貫通する被測定ガス導入路たるピンホール2が電極521,522の中心位置に形成してあり、ガス検出体1外部から中空部3に被測定ガスとして排気ガスを導入するようになっている。ピンホール2の拡散抵抗のため中空部3内から酸素が選択的に供給または排出されると、中空部3内と中空部3外とで被測定ガスの酸素濃度差ができる。
【0023】
固体電解質材13の上面には中空部3の内表面をなす位置にスクリーン印刷等によりPt −Au 製の第2の一対の電極の一方の電極511、Pt −Rh 製の第3の一対の電極の一方の電極61が形成してある。電極511は、ポンプセル52の電極522よりも小面積のもので、ピンホール2の開口と対向する位置に形成される。電極61は略コ字状で、電極511を囲むように配置され、ピンホール2の開口2aからの被測定ガスが電極61の各部に均等に到るようになっている。電極61はポンプセル52の電極522と畳重するように、その直下に形成される。
【0024】
固体電解質材13の下面には上記電極511,61のそれぞれに対向してPt 製の第2、第3の一対の電極の他方の電極512,62が形成してある。これらは固体電解質材13、電極511,512がセンサセル51を構成し、固体電解質材13、電極61,62が検出セル6を構成している。
【0025】
また加熱ヒータ部15はアルミナよりなる平板状の基板18の表面にPt 線17を形成し、これをアルミナよりなる平板状の被覆層16で被覆したもので、上記各セルを加熱し、検出感度を高めるようになっている。
【0026】
ガス検出体1の基部には、上記各電極511,512,521,522,61,62およびPt 線17の両端と導通する端子51a,51b,52a,52b,6a,6b,17a,17bが形成され、上記リード線96(図1(A))に通じている。
【0027】
またガス検出体1の表面には、ポンプセル52の電極521を被覆してアルミナ等からなる多孔質ペーストを塗布、焼き付けしてなるセラミック保護層18が形成してあり、ピンホール2が排気ガスに含まれるスス等の粒径の大きなパティキュレートで目詰まりすることを防止している。
【0028】
なお上記各固体電解質材11,13は、イットリア添加ジルコニアで、ドクターブレード法等のシート形成法により形成されたシートであり、その厚さは通常、50〜300μmの範囲とするのがよい。ただし電気抵抗とシート強度との兼ね合いを考慮すると、100〜200μmの範囲とすることが望ましい。また電極の厚さは通常、1〜20μmの範囲とするが、耐熱性とガス拡散性とを考慮すると5〜10μm程度とすることが望ましい。
【0029】
図3は上記ガス検出装置のブロック図で、ここでは上記回路部C(図1(A))について説明する。酸素ポンプ制御手段7はセンサセル51の一対の電極511,512間の電圧を入力とする起電力検出回路71と、これより出力される起電力信号を入力とする後段の酸素ポンプ制御回路72からなる。酸素ポンプ制御回路72の前段の比較回路721は起電力検出回路71から出力される起電力信号を起電力信号の基準信号値と比較し、その差を酸素ポンプ制御回路72のポンプ駆動部722に出力する。ポンプ駆動部722はポンプセル52の電極521,522間に電圧を印加するとともに、上記起電力信号と上記基準信号値の差を必要な修正量としてポンプセル52の一対の電極521,522間に印加する電圧を増減するようになっている。
【0030】
信号検出手段8は、検出セル6の一対の電極61,62間に電圧を印加する検出セル駆動回路81と、電極61,62を出入する電流を測定して検出セル6の固体電解質材13に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出回路82とから構成してある。
【0031】
上記ガス検出装置の作動を図1〜図3により説明する。排気管W内を流れる排気ガスがカバーユニット95の各ガス流通孔953,954からカバーユニット95内に導入される。導入された排気ガスはガス検出体1のセラミック保護層18からピンホール2を通って中空部3に導かれる。一方、センサ部Sの大気導入孔944,945からセンサ部S内のダクト4に大気が導入され、これにセンサセル51、検出セル6Aの電極512,62が曝露する。
【0032】
ポンプセル52はガス検出体1外側の電極521側が正の電圧となっている場合には、中空部3内の酸素が電極522で電子を受け取って固体電解質材11内を移動し、電極521で電子を放出してセラミック保護層18から排気ガス中へ排出される。そしてピンホール2はガス検出体1の外側から中空部3へ向かう酸素の拡散を規制するから中空部3の酸素濃度が低下する。一方、センサセル51では中空部3とダクト4の酸素分圧比に応じて電極511,512間に起電力が発生する。この起電力を起電力検出回路71が検出し、検出された起電力信号と基準信号値とを比較回路721が比較し、その差分に基づいてポンプ駆動回路722が、検出された起電力が上記基準信号値に対応する基準の起電力を維持するように、すなわち検出された起電力が基準の起電力を外れると、ポンプセル52に印加する電圧を変更することでポンプセル52が中空部3へ供給する、または中空部3から排出する酸素量が調整される。
【0033】
センサセル51の中空部3内側の電極511がピンホール2の開口2a位置の近傍にあるから、ポンプセル52は、中空部3内に導入される被測定ガス中の酸素濃度変化に即応して作動する。検出セル6の電極61はピンホール2の開口2a位置から離れており、かつポンプセル52の電極522と畳重する位置としてあるから、リーン側ではポンプセル52のポンピング作動により、ピンホール2から中空部3に流入する被測定ガス中の酸素の影響を受けることなく、検出セル6の電極61近傍における被測定ガス中の酸素が速やかに排出される。検出セル6の電極61近傍における被測定ガスの酸素濃度は、ピンホール2の開口2aに対向する位置に形成されたセンサセル51の電極51表面における被測定ガスの酸素濃度よりも低い。しかして検出セル6の電極61の近傍における被測定ガスの酸素濃度は常に略0となる。
【0034】
かかる状態において、検出セル6の電極61,62間には、検出セル駆動回路81から電極62側が正となるように一定の電圧が印加される。
【0035】
電極61はPt −Rh 製であるからNOxに対して還元活性を示し、その表面において被測定ガス中のNOxが還元反応により分解して酸素が生成される。検出セル6の電極61の表面における被測定ガスの酸素濃度は略0であるから、電極61の表面に存在する酸素は被測定ガス中のNOxが分解した酸素であり、被測定ガスのNOx濃度に対応している。
【0036】
検出セル6の電極61,62間には検出セル駆動回路81により電圧が印加されているから、電極61表面において生成した酸素は電極61、固体電解質材13を通って電極62からダクト4へ排出される。このとき固体電解質材13を移動する酸素イオンをキャリアとする電流がイオン電流検出回路82により検出される。このイオン電流は、検出セル6の電極61表面において分解した酸素量すなわち被測定ガスのNOx 濃度に対応する。しかしてイオン電流検出回路82は、被測定ガスのNOx 濃度に対してオフセット電流のない線形な電流を出力する。
【0037】
またリッチ状態ではピンホール2の開口2aから流入する被測定ガスの酸素濃度に基づいてポンプセル52による中空部3への酸素供給量が決定される。検出セル6の中空部3側の電極61はポンプセル52の電極522と畳重する位置としてあるから検出セル6の電極61近傍の酸素濃度は速やかに一定値に収束する。
【0038】
図4は本発明のガス検出装置における、被測定ガスのNOx (ここではNO)濃度に対する、イオン電流検出回路82が検出したイオン電流の測定結果の一例である。拡散抵抗路を設ける必要がないので上記SAE960334号記載の厚膜ZrO2 NOx センサに比して約20倍の検出利得で、しかもオフセット電流のない線形な出力信号が得られた。
【0039】
またポンプセル52の中空部3内側の電極522およびセンサセル51の中空部3内側の電極511をNOx に不活性なPt −Au 製で構成したから、ポンプセル52の電極522表面およびセンサセル51の電極511表面におけるNOx の還元反応が防止され、中空部3内に導入される被測定ガスのNOx の濃度が変化することがない。
【0040】
なお検出セルの中空部側の電極は、検出対象であるNOx に対して還元活性を有する金属(Pt −Rh )で構成したが、電極の本体となる電気伝導性の薄膜の表面に、1種以上の貴金属元素を含み金属酸化物を有する触媒層を形成することで、電極がNOx に対して還元活性を有するようにしてもよい。
【0041】
酸素ポンプ制御手段は、センサセルで検出される酸素量に基づいてポンプセルの作動をフィードバック制御するものであれば実施形態記載のものに限定されるものではない。また酸素の供給量、排出量の制御はポンプセルの印加電圧の大きさの制御ではなく、デューティ制御で行ってもよい。
【0042】
センサセルと検出セルとは、固体電解質材を共用しているが、それぞれ別の固体電解質材で構成してもよい。この場合、センサセルの固体電解質材と検出セルの固体電解質材とを絶縁材で分離することによりセンサセルと検出セル間の信号の干渉が防止され、検出精度をさらに高めることができる。また上記実施形態では中空部や検出セル等の各セルを一体に構成したが必ずしもこれに限定されるものではなく、それぞれが別体の構成としてもよい。
【0043】
センサセルの電極と検出セルの電極とを、検出セルの電極がセンサセルの電極を囲むように配置したが、両者をポンプセルの電極の略半分の大きさの長方形としてポンプセルの電極の直下に並設してもよい。この場合、ピンホールはセンサセルの電極に対向する位置に寄せるか、もしくはガス検出体の先端から中空部のセンサセル側の側壁へ貫通するように形成してセンサセルの中空部内側の電極がピンホールの開口近傍となるようにする。
【0044】
ポンプセルからの酸素は排気ガス中に排出されるように構成したが必ずしもこれに限定されるものではなく、大気中に排出するようにしてもよい。この場合、酸素をセンサ部から排出する排出孔は大気カバーの大気導入孔から離して設け、大気導入孔から導入される大気の酸素濃度に影響しないようにするのがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のガス検出装置の全体断面図であり、(B)は本発明のガス検出装置の要部拡大断面図である。
【図2】本発明のガス検出装置の要部の分解図である。
【図3】本発明のガス検出装置のブロック図である。
【図4】本発明のガス検出装置の作動を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 ガス検出体
11,13 固体電解質材
1a 先端部
1b 基部
2 ピンホール(被測定ガス導入路)
3 中空部
4 ダクト(基準ガス導入路)
51 センサセル(酸素センサ部)
511,512 センサセルの電極
52 ポンプセル(酸素ポンプ部)
521,522 ポンプセルの電極
6 検出セル(成分ガス検出部)
61,62 検出セルの電極
7 酸素ポンプ制御手段
8 信号検出手段
W 排気管壁(隔離壁)

Claims (3)

  1. 被測定ガスが拡散抵抗を有する被測定ガス導入路を介して導入される中空部と、酸素イオン導電性の固体電解質材の相対向する両面に一対の電極を一方の電極が中空部内に面し、他方の電極が中空部外の基準の酸素濃度の基準ガスに曝露するように形成し、一方の電極の表面の酸素濃度を検出する酸素センサ部と、酸素イオン導電性の固体電解質材の相対向する両面に一対の電極を、一方の電極が中空部外の被測定ガスに曝露するように、他方の電極が中空部内に面して形成し、この一対の電極から上記固体電解質材にポンプ電流を流し、中空部内と外の間で酸素を移動せしめる酸素ポンプ部と、酸素センサ部で検出される酸素濃度に基づいて酸素ポンプ部のポンプ電流をフィードバック制御する酸素ポンプ制御手段と、酸素イオン導電性の固体電解質材の相対向する両面に一対の電極を、一方の電極が上記中空部に面し、他方の電極が基準ガスに曝露するように形成した成分ガス検出部と、成分ガス検出部の電極間の出力信号を検出する信号検出手段とを具備し、かつ酸素センサ部の中空部内側の電極を、被測定ガス導入路の中空部内側の開口位置の近傍に形成し、成分ガス検出部の中空部内側の電極を、酸素センサ部の中空部内側の電極よりもガス導入路の開口から離れた位置に酸素ポンプ部の中空部内側の電極と畳重するように形成し、かつ成分ガス検出部の中空部内側の電極を窒素酸化物に還元活性を有する電極としたことを特徴とするガス検出装置。
  2. 請求項1に記載のガス検出装置において、上記酸素ポンプ部および酸素センサ部の上記中空部内側の電極を、窒素酸化物に対して不活性な金属で構成したガス検出装置。
  3. 請求項1または2いずれか記載のガス検出装置において、被測定ガス側と大気とを隔てる隔離壁に貫通し、先端部が上記被測定ガス側に突出するガス検出体を備え、ガス検出体の内部には、先端部にガス検出体の外部と上記被測定ガス導入路を介して連通する上記中空部を設けるとともに、一端側が中空部の付近まで延び、他端側から基準ガスが導入される基準ガス導入路を設け、上記酸素ポンプ部は、これを中空部内と上記ガス検出体の外部とを隔てる隔壁の一部をなす固体電解質材と、その中空部内側と中空部外側との両面に対向して形成した第1の一対の電極とで構成し、上記酸素センサ部は、これを中空部内と基準ガス導入路とを隔てる隔壁の一部をなす固体電解質材と、その中空部内側と基準ガス導入路側との両面に形成した第2の一対の電極とで構成し、その中空部内側の電極を、酸素ポンプ部の中空部内側の電極よりも小面積とするとともに該電極の中央部と対向する位置に形成し、上記成分ガス検出部は、これを中空部と基準ガス導入路とを隔てる隔壁の一部をなす固体電解質材と、その中空部内側と基準ガス導入路側との両面に形成した第3の一対の電極とで構成し、その中空部内側の電極は中央部に肉抜き部を形成して酸素センサ部の中空部内側の電極を囲むようにかつ酸素ポンプ部の中空部内側の電極と畳重する位置に形成したガス検出装置。
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