JP3675955B2 - 印刷用支持体およびその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、パルプを主成分とする紙を基質とし、その少なくとも一方の基質面が、不飽和カルボン酸およびその誘導体で表面処理された無機充填剤を必須成分として含むポリオレフィン樹脂組成物層を形成した印刷用支持体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、印刷画像形成性、鉛筆筆記性、耐湿性、印刷インク接着性等に優れる印刷用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、天然パルプ、合成樹脂パルプ等のパルプを主成分とする紙の基質に、合成樹脂被覆した印刷用支持体、特にポリオレフィン系樹脂被覆支持体はよく知られている。
例えば、特開昭56ー137960号公報では二酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機充填剤を含む樹脂組成物を用いた印刷用ポリプロピレン系樹脂積層フイルムが開示され、特開平2ー33399号公報にはポリプロピレンと無機充填剤を含む樹脂組成物を紙に被覆した印刷用積層紙を開示している。
しかし、ポリオレフィンで被覆された印刷支持体は、ポリオレフィンが本来極性が小さいために印刷インクの接着性が乏しく、このインクの接着性を向上させるために、一般には樹脂被覆紙の表面にコロナ処理等の表面処理を施したり、あるいはポリオレフィン樹脂は静電気を帯びやすく、そのために埃の付着による印刷不良や、自動印刷の際に支持体同士が互着しやすいという問題があるため一般には帯電防止剤が配合されているが、これらの支持体は長期保管中に印刷インクの接着力が低下するという問題がある。これは、コロナ表面処理された樹脂被覆紙の表面にポリオレフィンの低分子量体、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤がブリードしてきて、インクとの親和性を低下させることに起因するためである。特に帯電防止剤を配合した場合には、夏期の高温下での保管ではこの傾向が著しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期保管をしても印刷インクの接着力が低下せず、印刷画像形成性、鉛筆筆記性、耐湿性、印刷インク接着性等に優れる印刷用支持体およびその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、特定の不飽和カルボン酸またはその誘導体で処理した無機充填剤を配合した樹脂組成物を用いることにより上記問題を解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明の第1は、パルプを主成分とする紙を基質とし、その少なくとも一方の基質面に、(A)ポリオレフィン50〜99重量%と(B)不飽和カルボン酸およびその誘導体で表面処理された無機充填剤1〜50重量%を必須成分として含むポリオレフィン樹脂組成物層が形成されてなることを特徴とする印刷用支持体である。
本発明の第2は、パルプを主成分とする紙を基質とし、その少なくとも一方の基質面に、(A)メルトフローレートが0、1〜100g/ 10分のポリオレフィン50〜99重量%と(B)不飽和カルボン酸およびその誘導体で表面処理された無機充填剤1〜50重量%を必須成分として含むポリオレフィン樹脂組成物を溶融押出法で被覆してなることを特徴とする印刷用支持体の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳述する。
本発明のパルプを主成分とする紙からなる基質とは、天然パルプ、合成樹脂製パルプを主原料とするものであれば特に限定されなく、他の添加剤、増量剤等が配合されていてもよく、基質の厚みについても特に限定されないが、一般的にその坪量は20〜200g/m2の範囲のものが望ましい。
【0006】
本発明に用いる(A)成分であるポリオレフィンとは、高圧ラジカル重合法によるエチレン系(共)重合体、従来公知のチーグラー系触媒、フィリップス系触媒あるいはメタロセン系触媒等を用いて、高・中・低圧法等の公知の方法によるエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1等あるいはこれらのαーオレフィンの相互共重合体等が挙げられる。
【0007】
本発明で用いられる高圧ラジカル重合法によるエチレン(共)重合体とは、高圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cm3のエチレン単独重合体(低密度ポリエチレン)、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は一般的には500〜4000kg/cm2Gの高圧下で有機過酸化物等の遊離基発生剤の存在下で、オートクレーブタイプあるいはチューブラータイプの反応器で重合される。これらの重合体は、多くの長鎖分岐を有しており優れた押出成形性を保持することが知られている。
【0008】
上記低密度ポリエチレン(以下LDPEと称す)は、メルトフローレート(以下MFRと称す;JIS K6758)が0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲で選択される。この範囲内であれば組成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形等が容易である。また、該LDPEの密度は0.910〜0.94g/cm3、好ましくは0.912〜0.935g/cm3、さらに好ましくは0.912〜0.930g/cm3の範囲で選択される。
該重合体の分子量分布(Mw/Mn)は3.0〜12、好ましくは4.0〜8.0である。
【0009】
また、上記エチレン・ビニルエステル共重合体とは、前記高圧ラジカル重合法で製造され、エチレンを主成分とし、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さらにビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で選択される。
これら共重合体のMFRは、0.1〜100g/10分、好ましくは0.3〜50g/分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分の範囲で選択される。
【0010】
さらに上記エチレンとα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。
これら共重合体のMFRは、0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分の範囲で選択される。
【0011】
従来公知のチーグラー系触媒、フィリップス系触媒あるいはメタロセン系触媒等を用いて、高・中・低圧の条件下で、気相法、溶液法、スラリー法等の公知方法によるエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体とは、密度が0.94〜0.97g/cm3の高密度ポリエチレン(HDPE)、密度が0.91〜0.94g/cm3の線状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと称す)、密度が0.86〜0.91g/cm3の超低密度ポリエチレン(以下VLDPEと称す)、密度が0.86〜0.91g/cm3のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムを包含する。
【0012】
上記高密度ポリエチレン(HDPE)は、公知のチーグラー触媒等を用いてスラリー法、溶液法または気相法による公知のプロセスにより製造されるエチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体およびそれらの混合物であり、具体的なα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン等を挙げることができる。これらのα−オレフィンのうち特に好ましいのは炭素数3〜8のα−オレフィンである。
【0013】
本発明におけるHDPEは、密度が0.94〜0.97g/cm3、好ましくは0.95〜0.97g/cm3、MFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜30g/10分である。
【0014】
LLDPEとは、密度が0.91〜0.94g/cm3、好ましくは0.91〜0.93g/cm3の範囲のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、MFRが0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分の範囲で選択される。
分子量分布(Mw/Mn)は特に限定はないが、3.0〜13、好ましくは3.5〜8の範囲にあるのが一般的である。
上記LLDPEのα−オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12、さらに好ましくは炭素数6〜12の範囲のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
【0015】
また、上記VLDPEとは、密度が0.86〜0.91g/cm3、好ましくは0.88〜0.905g/cm3の範囲のエチレン−α−オレフィン共重合体であり、MFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲で選択される。該VLDPEは、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチレンであり、示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度(Tm)60℃以上、好ましくは、100℃以上、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチレン・α−オレフィン共重合体であり、LLDPEが示す高結晶部分とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であって、前者の特徴である耐衝撃性、耐熱性などと、後者の特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性などが、バランスよく共存している。
【0016】
また、上記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm3未満のエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられ、該エチレン・プロピレン系ゴムとしては、エチレンおよびプロピレンを主成分とするランダム共重合体(EPM)、および第3成分としてジエンモノマー(ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等)を加えたものを主成分とする、ランダム共重合体(EPDM)が挙げられる。
【0017】
前記ポリプロピレンとは、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のαーオレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体等を包含する。
【0018】
上記ポリエチレン、ポリプロピレンまたはその混合物等のポリオレフィンのMFRは、0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分の範囲である。MFRが0.05g/10分未満では、成形性が悪化し、MFRが100g/10分を超えるものは溶融張力が低く、成形加工性、機械的強度等が低下する虞を生じる。
【0019】
本発明の(B)成分は、不飽和カルボン酸またはその誘導体で表面処理された無機充填剤である。該不飽和カルボン酸またはその誘導体とは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸類;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリルアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸類をカリウム、ナトリウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム等の金属で中和した金属塩等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等の酸類が好ましい。
【0020】
上記無機充填剤とは、一般的に紙に配合される充填剤ならばよく、特に限定されない。具体的には、二酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ケイ素、けい藻土等が挙げられる。
これらの中でも二酸化チタンは、少量の配合で光の遮蔽性がよく、印刷画像の鮮明性が良好となるので好ましい。また、炭酸カルシウムは、表面硬度の向上と樹脂被覆表面の鋭利な凹凸の形成により、鉛筆での筆記性が向上するという利点を有しており、本発明の充填剤として最も好ましい。
【0021】
無機充填剤の表面処理方法は、特に限定されないが、最も簡便な方法としては、ヘンシェルミキサー等を用いて、ドライブレンドする方法が挙げられる。すなわち、粉末の充填剤に所定量の不飽和カルボン酸およびその誘導体をを添加して攪拌混合する方法で得ることができる。混合時の温度は特に限定はないが、40〜100℃が好適である。
表面処理の他の方法としては、水あるいは有機溶媒中に充填剤および不飽和カルボン酸およびその誘導体を分散あるいは溶解させて行う方法等もある。しかし、効果と経済性のバランスからドライブレンド法が好適に使用される。表面処理する際の表面処理剤と無機充填剤の配合割合は特に限定されるものではないが、効果と経済性の観点から表面処理剤を無機充填剤100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0022】
上記(A)ポリオレフィンと(B)表面処理された無機充填剤との配合割合は、(A)成分が99〜50重量%、(B)成分が1〜50重量%の範囲であり、好ましくは(A):(B)が95〜65:5〜35重量%の範囲で選択される。
ポリオレフィンの配合量が50重量%以下であると溶融押出成形性が低下し、99重量%を超える場合には印刷インクの接着性が改良されない。
【0023】
本発明の組成物の配合は従来の樹脂組成物配合法として一般に用いられる公知の方法により配合することができる。
その一例としては(A)成分、(B)成分、およびその他の添加可能なポリオレフィン樹脂等をフィルム成形時に単にドライブレンドすることにより行える。また他の例としては(A)成分、(B)成分、他のポリオレフィン樹脂、および所望により各種添加剤をタンブラー、リボンブレンダーまたはヘンシェルミキサー等の混合機を使用してドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機等の連続式溶融混練機をにより溶融混合し、押し出してペレットを調製することによって該樹脂組成物を得ることができる。
【0024】
本発明の印刷支持体における紙の基質に樹脂被覆層を設ける方法は、押出ラミネーション法、ドライラミネーション法等、特に限定されるものではないが、効果と経済性の点から押出成形による押出ラミネーション法が最も好ましい。これら樹脂被覆層を形成させる際に、必要に応じて基質面にコロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、プラズマ処理、オゾン処理、アンカーコート処理などの表面処理を施してもよい。
該樹脂組成物が印刷面にあるならば、基質と該樹脂組成物との間に他のプラスチックフィルムの層が積層されていてもよい。
【0025】
さらに本発明においては、必要に応じてワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を配合することができる。滑剤については従来の滑剤の他に特にVITON等の滑剤が表面の平滑性をよくする上で非常に有効である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
市販の炭酸カルシウム2kgとアクリル酸1.0gとをヘンシェルミキサーを用いて、80℃、30分混合して表面処理された炭酸カルシウムを得た。次いでこの炭酸カルシウム1kgとポリプロピレン樹脂(日本ポリオレフィン(株)製、J−アロマーLR510)3kg((A)+(B)全体に対する(B)の割合は25重量%)、帯電防止剤(花王(株)製、TS−6)90g(樹脂100gにつき1gの割合)とをヘンシェルミキサーで混合し、30mmφの同方向2軸押出機を用いて200℃にて溶融混練を行った。得られた樹脂組成物を50mmφの押出ラミネーター機を用いて樹脂温度280℃、エアギャップ120mm、引取速度150m/分で上質紙(70g/m2)上に20μmの厚みでラミネートした。ラミネート成形時には溶融膜も安定しており、成膜安定性に優れており、発煙も少なく作業環境も良かった。
【0027】
このラミネート紙に32W/分・m2のコロナ処理を施した。この被覆紙の樹脂面に印刷機(明製作所製、RIテスターRI−3,インクは東洋インキ(株)製、TSP400)を用いて印刷を行った。画像の鮮明度は良好でまたインクの接着性をセロテープの粘着剤面をインク面に擦り付け、それを剥がす方法で調べたが、インクの剥離は無かった。また樹脂面に鉛筆で文字をかいた際に通常の紙と同等の筆記性が認められた。
次いで、この樹脂被覆紙を60℃×24時間の熱処理を行って、長期保管の促進テストとした。熱処理された被覆紙の樹脂面に上記と同様の印刷を行った。画像の鮮明度は良好であり、インクはセロテープ剥離試験でも剥離しなかった。
【0028】
(実施例2)
実施例1において用いた表面処理された炭酸カルシウムの配合割合を5重量%とした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0029】
(実施例3)
実施例1において用いた表面処理された炭酸カルシウムの配合割合を40重量%とした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0030】
(実施例4)
実施例1において用いたアクリル酸1gをメタクリル酸5gとした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0031】
(実施例5)
実施例1において用いたアクリル酸1gを無水マレイン酸2gとした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0032】
(実施例6)
実施例1において用いたポリプロピレンを低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製 L133,密度0.923g/cm3,MFR3.0dg/分)とした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0033】
(実施例7)
無機フィラーを二酸化チタンとした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前後のインク接着性は良好であった。
【0034】
(比較例1)
表面処理をしない炭酸カルシウムを用いた以外は実施例1と全く同様の方法でコロナ処理された樹脂被覆紙を得た。コロナ処理後のインクの接着性をセロテープ剥離法で調べた。結果は良好であった。次いで熱処理後印刷してインク接着性を調べるとセロテープにより容易に剥がれた。
【0035】
(比較例2)
実施例1において用いた表面処理された炭酸カルシウムの配合量を樹脂LR510 3kgに対して15g((A)+(B)全体に対する(B)の配合割合が0.5重量%)とした以外は実施例1と全く同様の方法で試験片を得た。熱処理前のインク接着性は良好であったが、熱処理後はインクは容易に剥がれた。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、印刷インクの接着性に優れたポリオレフィン樹脂被覆紙が得られ、長期保管をしても印刷インクの接着力が低下せず、印刷画像形成性、鉛筆筆記性、耐湿性、印刷インク接着性等に優れる印刷用支持体およびその製造方法が提供される。
Claims (3)
- パルプを主成分とする紙を基質とし、その少なくとも一方の基質面に、(A)ポリオレフィン50〜99重量%と、(B)不飽和カルボン酸およびその誘導体で表面処理された無機充填剤1〜50重量%を必須成分として含むポリオレフィン樹脂組成物層が形成されてなることを特徴とする印刷用支持体。
- 前記(B)不飽和カルボン酸およびその誘導体が、アクリル酸であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用支持体。
- パルプを主成分とする紙を基質とし、その少なくとも一方の基質面に、(A)メルトフローレートが0、1〜100g/10分のポリオレフィン50〜99重量%と(B)不飽和カルボン酸およびその誘導体で表面処理された無機充填剤1〜50重量%を必須成分として含むポリオレフィン樹脂組成物を溶融押出法で被覆してなることを特徴とする印刷用支持体の製造方法。
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