JP3675048B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に搭載された車両用交流発電機に関し、特に内蔵される整流装置の冷却効率を高めた車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用交流発電機は、車両走行中にバッテリの補充電を行うとともに、エンジンの点火、照明、その他の各種電装品の電力を賄うものであり、市場競争力を維持あるいは向上させるために、小型軽量化、高出力化およびコストダウンは重要な課題である。これらの課題の中で、小型軽量化およびコストダウンを達成する手段の一つとして、車両用交流発電機に内蔵される整流装置の放熱板の材質を銅からアルミニウムに変更する手法が知られている。ところが、アルミニウムは銅よりも電気抵抗が大きいとともに熱伝達係数が小さいため、放熱板を従来の形状を維持しながら銅からアルミニウムに変更すると温度上昇を伴うおそれがあり、何らかの方法で放熱板の温度を低減する必要がある。
【0003】
また、近年、車両の高級化等に伴って車両の電気負荷動向は年々増加の傾向にあり、車両用交流発電機の高出力化が要求されているが、出力電流の増大はそのまま整流装置の温度上昇につながるため、放熱板をアルミニウムで形成した場合のみならず、銅で形成した場合であっても放熱板の温度を低減する必要がある。
【0004】
整流装置の放熱板の温度を低減する従来技術として、特開平1−99460号公報に記載された整流装置がある。この整流装置は、放熱板の一部に整流素子のリード側に開口した切り起こし部を設けることにより、放熱板裏側に突出したリードを冷却風によって直接冷却するものである。また、他の従来技術として、ドイツ国特許第2942693号に記載された整流装置がある。この整流装置は、扇形の放熱板の外周部分を回転軸方向に折り曲げることによる表面積をかせぎ、その角部数カ所に切り欠きを設けることにより整流素子側に冷却風を導入したものである。また、他の従来技術として、米国特許第4701828号に記載された整流装置がある。この整流装置は、整流素子の外周に沿って放熱板の一部を切り起こすとともにこの切り起こした面を整流素子に押し当てており、放熱板を部分的に切り起こすことにより生じた貫通孔を通して冷却風を導入するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特開平1−99460号公報に記載された整流装置は、整流素子のリードを直接冷却するものであるが、リードそのものの表面積は小さいため冷却効率がそれほど上がらないおそれがある。また、整流素子の近傍に切り起こし部を設けているが、同公報第2図で示す車両用交流発電機のファンを回転させてブラケット内部を負圧にして整流装置の裏側に冷却風を導入する場合、冷却風のほとんどは回転軸方向に流れるため、リードに冷却風が充分にあたらずに冷却効率が上がらないおそれがある。
【0006】
また、上述したドイツ国特許第2942693号に記載された整流装置は、放熱板の外周角部に設けられた数カ所の切り欠きによって放熱板の裏側に冷却風を導入することができるが、同図1および図3からわかるように、複数の切り欠きは適当な間隔で配置されているだけであるため、最も温度が高くなる整流素子を効率よく冷却できないおそれがある。
【0007】
また、米国特許第4701828号に記載された整流装置は、放熱板を切り起こしてできた貫通孔を通して導入された冷却風によって、切り起こされた面を最初に冷却しているため、最も温度が高い整流素子を直接冷却する場合に比べると冷却効率が低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は整流素子を直接冷却することにより整流装置の冷却効率を向上させることができる車両用交流発電機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、整流装置の放熱板の整流素子を取り付ける位置に、整流素子の外周にほぼ接するように、冷却風の流れに対して開口した1あるいは複数の貫通孔のみを形成しており、車両用交流発電機の吸入窓から整流装置に向けて吸入した冷却風の一部が、放熱板の裏側に半田付け等により取り付けられた整流素子本体に直接あたるため、発熱源である整流素子を効率よく冷却することができる。
【0010】
特に、放熱板に整流素子を取り付ける円錐台形状の凸部を設け、その側面の傾斜位置に貫通孔を形成した場合には、貫通孔と整流素子本体とが接近するため、冷却風の一部を整流素子本体に直接あてることが容易となる。
【0011】
また、上述した各種の整流装置において、放熱板と整流素子との間に金属プレートを介在させ、この金属プレートを貫通孔に臨ませるようにしてもよい。
例えば、放熱板の材質をアルミニウムとした場合には、この放熱板の表面に銅のプレートを取付け、さらにその表面に整流素子を半田付けする場合が考えられるが、この銅のプレートを貫通孔に臨ませるようにすれば、放熱板より熱源である整流素子に近い銅のプレートが冷却されるため、整流装置全体の温度低減が可能となる。なお、放熱板の材質を銅として上述した金属プレートを介在させた場合にも同様の効果がある。
さらに金属プレートが、貫通孔に対応する外径部分を外側に延長した形状を有しており、冷却風の通風路にこの延長部分を突き出した場合には、冷却効率をさらに高めることができる。
【0012】
また、単に貫通孔を形成するだけでなく、この貫通孔の外縁であって整流素子から離れた側を、貫通孔を通る冷却風の下流に向けて整流素子に近づくように傾斜させることにより、ほぼ放熱板と垂直方向に流れる冷却風の流れを部分的に整流素子本体に向けることができる。あるいは、貫通孔の外周であって整流素子から離れた側に凸形状の衝立部を形成して開口面積を拡大することにより、整流素子側に流れる冷却風の風量を増加させることができる。これらによって、放熱板に比べて高温となる整流素子本体を効率よく冷却することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用交流発電機(以後、「オルタネータ」と称する)は、整流装置であるレクチファイヤの形状を工夫することにより冷却性能を向上させたことに特徴がある。以下、本発明を適用した一の実施形態のオルタネータについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のオルタネータの全体構造を示す部分断面図であり、一例として冷却ファンを内蔵するオルタネータの構造が示されている。同図に示すオルタネータ1は、ロータ2、ステータ3、ブラシ装置4、レクチファイヤ5、ICレギュレータ6、ドライブフレーム7、リヤフレーム8、プーリ9等を含んで構成されている。
【0015】
ロータ2は、同期発電機であるオルタネータ1の回転子であって、絶縁処理された銅線を円筒状かつ同心状に巻き回したロータコイル21を、それぞれが6個の爪を有するポールコア22、23によって、回転軸であるシャフト24を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側(プーリ9側)のポールコア22の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸流式の冷却ファン25が溶接等によって取付け固定されている。同様に、リヤ側のポールコア23の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心式の冷却ファン26が溶接等によって取付け固定されている。また、シャフト24のリヤ側にはロータコイル21の両端に電気的に接続されたスリップリング27、28が形成されており、ブラシ装置4内のブラシ41、42をスリップリング27、28のそれぞれに押し当てた状態で組み付けることにより、レクチファイヤ5からロータコイル21に対して励磁電流が流れるようになっている。
【0016】
ステータ3は、オルタネータ1の固定子であって、ステータコア31に形成された複数個(例えば36個)のスロットに3相のステータコイル32が所定の間隔で巻き回されている。
【0017】
レクチファイヤ5は、3相のステータコイル32の出力電圧である3相交流を整流して直流出力を得るためのものであり、配線用電極を内部に含む端子台51と、所定の間隔で固定される正極側放熱板52および負極側放熱板53と、それぞれの放熱板に半田付けによって取り付けられた複数個の整流素子54、55とを含んで構成されている。レクチファイヤ5の詳細については後述する。
【0018】
ICレギュレータ6は、ロータコイル21に流す励磁電流を制御するものであり、負荷が軽くて出力電圧が高くなる場合には、ロータコイル21に対する電圧の印加を断続することにより、オルタネータ1の出力電圧を一定に保っている。プーリ9は、エンジン(図示せず)の回転をオルタネータ1内のロータ2に伝えるためのものであり、シャフト24の一方端(スリップリング27等と反対側)にナット91によって締め付け固定されている。また、ブラシ装置4、レクチファイヤ5およびICレギュレータ6を覆うようにリヤカバー92が取り付けられている。
【0019】
上述した構造を有するオルタネータ1は、ベルト等を介してプーリ9にエンジンからの回転が伝えられるとロータ2が所定方向に回転する。ロータコイル21に外部から励磁電圧を印加することによりポールコア22、23のそれぞれの爪部が励磁され、ステータコイル32に3相交流電圧を発生させることができ、レクチファイヤ5の出力端子からは所定の出力電流が取り出される。以後、オルタネータ1自身の出力電圧がICレギュレータ6を介してロータコイル21に印加されるため、外部から印加する励磁電圧が不要となる。
【0020】
また、上述したロータ2の回転に伴って、ポールコア22の端面に取り付けられた冷却ファン25が回転するため、ドライブフレーム7のプーリ9近傍の吸入窓を介して冷却風がオルタネータ1内部に吸入され、この冷却風の軸方向成分によってロータコイル21が冷却されるとともに、径方向成分によってステータコイル32のプーリ側半分が冷却される。同様に、ポールコア23の端面に取り付けられた冷却ファン26も回転するため、リヤカバー92の吸入窓を介して吸入された冷却風が、レクチファイヤ5あるいはICレギュレータ6を冷却した後、冷却ファン26近傍まで導かれ、この冷却風が径方向に排出されて、ステータコイル32のリヤ側半分が冷却される。
【0021】
図2は、上述したレクチファイヤ5の詳細形状を示す平面図である。また、図3はレクチファイヤ5を含むオルタネータ1の部分的拡大断面図であり、図1に示したリヤカバー92とレクチファイヤ5近傍の断面構造が示されている。これらの図に示すように、レクチファイヤ5は、回転軸方向に所定の間隔を有するとともに互いに径方向に部分的に重なった円弧形状を有する正極側放熱板52と負極側放熱板53を有している。正極側放熱板52の外径は、負極側放熱板53の外径よりも大きく設定されており、リヤカバー92の吸入窓を通して導入された空気の一部が負極側放熱板53を通った後に正極側放熱板52に導かれるとともに、負極側放熱板53を介さずに直接正極側放熱板52に導かれるようになっている。また、正極側放熱板52の一部にはオルタネータ1の出力を外部に取り出す出力端子69が圧入等によって取付け固定されている。
【0022】
正極側放熱板52は、凹部に整流素子54が半田付けされた4個のエンボス部56を有している。同様に、負極側放熱板53は、裏側の凹部に整流素子55が半田付けされる4個のエンボス部57を有している。例えば、これら各放熱板52、53は、所定の板厚を有するアルミニウム板をプレスすることにより、所定の外形形状に形成されるとともに、その一部を押し出すことにより各エンボス部56、57が形成される。なお、放熱板52、53のそれぞれに形成したエンボス部56、57の数を4個としたが、ステータコイル32で発生した3相交流を整流する場合にはそれぞれ3個の整流素子54、55があれば充分であるため、エンボス部56、57の数をそれぞれ3個に設定してもよい。
【0023】
図4は、エンボス部57のいずれか一つを抜き出してその詳細形状を示す図である。同図(A)はエンボス部57の平面図であり、同図(B)はそのIV−IV線断面図である。なお、エンボス部56も同様の詳細形状を有しており、代表してエンボス部57について説明するものとする。
【0024】
エンボス部57は、円錐台形状の凸部として形成されており、その側面である傾斜位置に、通風口となる4個の貫通孔59が形成されている。各貫通孔59は、例えばエンボス部57を押し出す際に、プレス装置によって打ち抜くことにより形成される。あるいは切削によって貫通孔59を形成してもよい。
【0025】
また、エンボス部57の裏側凹部の平坦面には金属プレートである銅プレート61を挟んで整流素子55が取り付けられている。一般に、アルミニウム板である放熱板53に、材質が銅である整流素子55のケース55aを半田付けすることは容易ではないため、本実施形態では、放熱板53表面に銅プレート61を超音波溶着等により取り付け、さらにその表面に整流素子55のケース55aを半田付けしている。このように、エンボス部57の裏側凹部平坦面に銅プレート61を挟んで整流素子55を半田付けすることにより、整流素子55と放熱板53とが電気的に良好に接触するとともに、整流素子55で発生した熱が銅プレート61を介して放熱板53に効率よく伝わるようになる。
【0026】
また、上述したように4つの貫通孔59のそれぞれは、エンボス部57の傾斜面の一部を貫通するように形成されているため、リヤカバー92の吸入窓を介して導入された冷却風Wは、図3および図4(B)に示すように、一部が貫通孔59を通して放熱板53の裏側に流れ、一部が放熱板53の表面に沿って流れる。したがって、放熱板53の表面に沿って流れる冷却風Wによって放熱板53自身が冷却されるとともに、裏側に流れる冷却風Wによって整流素子55が直接冷却される。
【0027】
整流素子55のケース55aとリード55bは、一般には電気抵抗が小さな銅で形成されており、熱伝導率も大きいため、これらを直接冷却することができれば、熱源の一つである整流素子55を効率よく冷却することができる。特に、図4(B)に示すようにエンボス部57の裏側凹部平坦面の外径寸法と、整流素子55のケース55aの外径寸法とをほぼ同じ大きさに設定した場合には、ケース55aと貫通孔59とが非常に接近した位置関係となるため、貫通孔59を介して導入された冷却風Wによって高温となるケース55aを効率よく冷却することができる。
【0028】
また、腐食防止を目的としてレクチファイヤ5に塗装を施す場合があるが、本実施形態のレクチファイヤ5は、各エンボス部56、57に複数の貫通孔58、59が設けられているため、レクチファイヤ5の各放熱板52、53の裏側(整流素子54、55が取り付けられている側)に塗装が回りやすくなり、塗装むらの発生を防止することができる。特に、従来のレクチファイヤに粉体塗装を行おうとすると、粉体塗装は液体塗装に比べて流動性が低いため、図4に示すようにエンボス部57裏側に銅プレート61を挟んで整流素子55を半田付けした場合には、銅プレート61の外周近傍の隙間部分まで充分に塗装用粉体を浸透させることは容易ではないが、本実施形態のように銅プレート61の外周近傍に貫通孔59を形成すれば、この部分に粉体が回り込みやすくなるため、塗装むらの発生を抑えることができる。
【0029】
また、図3に示したレクチファイヤ5の断面構造からわかるように、レクチファイヤ5は複雑な形状を有しており、従来は各放熱板52、53の裏側、特に整流素子54、55の回りに泥水や雨水等が滞留しやすかったが、本実施形態では整流素子54、55に近い位置に貫通孔58、59が形成されているためこのような各種液類の滞留を防止する効果もある。
【0030】
図5は、上述した実施形態の変形例を示す図である。同図(A)はエンボス部57のいずれか一つを抜き出した平面図であり、同図(B)はそのV−V線断面図である。図4に示したエンボス部57近傍の構造と比べると、銅プレート61の形状を部分的に変更した銅プレート62に置き換えた点が異なっている。すなわち、図4に示した銅プレート61は、整流素子55のケース55aとほぼ同じ外径を有する円形形状を有しており、整流素子55の半田付けを容易にする目的で使用される。これに対し、図5に示した銅プレート62は、貫通孔59に対応する外径部分を外側に延長した形状を有しており、整流素子55の半田付けを容易にするとともに、冷却風Wの通風路にこの延長部分を突き出すことにより、冷却効率をさらに高めることができる。さらに具体的には、この銅プレート62は、エンボス部57の裏側凹部平坦面より僅かに小さく、整流素子55のケース55aの底面より若干大きい円形の接合用部分62aと、この接合用部分から四方に延び出して貫通孔59に直接臨まされる4本の腕部62bとを有している。しかもこれら腕部62bは、貫通孔59を通して直接目視できるように貫通孔59の軸線方向上に位置している。
【0031】
特に、熱源である整流素子55に近い銅プレート62の方が放熱板53よりも高温になるため、冷却風Wとの温度差が大きくなり、放熱量も大きくなる。また、図5(B)に示すように、銅プレート62の外径部分を延長するだけで貫通孔59に突き出すことができるため、銅プレート62の冷却効率を高めることができ、しかも銅プレート61を銅プレート62に置き換える場合にはその打ち抜き型の形状を変えるだけでよく、製造コストの上昇を最小限に抑えることができる。
【0032】
図6は、エンボス部の傾斜面に設けられた貫通孔の変形例を示す図であり、上述した例では打ち抜いていた放熱板53の一部を冷却風Wを導入する案内板として用いた場合が示されている。同図(A)はエンボス部57のいずれか一つを抜き出した平面図であり、同図(B)はそのVI−VI線断面図である。同図(B)に示すように、整流素子55から離れた側の貫通孔59の縁をこの貫通孔59を通る冷却風Wの流れの下流に向けて整流素子55に近づくように傾斜させることにより、この傾斜部分を冷却風Wの案内板65として用いており、貫通孔59を通る冷却風Wの流れを積極的に整流素子55のケース55aおよびリード55bに向けることができる。特に、図4に示した構造では貫通孔59を形成するために打ち抜きや切削等により放熱板53の一部を取り除いたが、図6に示した構造ではこの放熱板53の一部を取り除かずに、貫通孔59の外周側の一辺に沿って折り曲げて放熱板53の裏側(整流素子55を取り付ける側)に傾斜させることにより案内板65を形成しており、材料の有効利用とともに整流素子55の効率的な冷却を実現することができる。
【0033】
図7は、図6に示したエンボス部周辺の形状をさらに変形した図であり、同図(A)にはエンボス部57のいずれか一つの平面形状が、同図(B)にはそのVII−VII線断面が示されている。放熱板53の一部を折り曲げて冷却風Wを導入する案内板65として機能させる点は図6に示したエンボス部57の構造と同じであるが、さらに整流素子55から離れた側の貫通孔59の外周にプレスによる押出し成形を行って、円弧形状の外周に沿った凸形状の衝立部63を形成している。例えば、衝立部63は、プレスによる押出し成形によってさらに外周側の放熱板53の一部を押圧変形し、肉厚変化を生じさせることにより凸形状に形成される。この衝立部63によって放熱板53の表面に流れる冷却風Wの一部が貫通孔59内に取り込まれ、冷却風Wを整流素子55側に導入するための開口面積を実質的に拡大することができる。
【0034】
図8は、冷却風Wを導入する開口面積を拡大する他の変形例を示す図であり、同図(A)にはエンボス部57のいずれか一つの平面形状が、同図(B)にはそのVIII−VIII線断面が示されている。図6に示した構造では単に整流素子55から離れた側の貫通孔59の縁を傾斜させることにより案内板65を形成したが、図8に示した構造ではプレスによる切り曲げ加工を行って、整流素子55から離れた側の貫通孔59の縁であって、エンボス部57の傾斜面と放熱板53とが交差する位置に形成された連結部67より外側を切り起こすことにより、外周部分の径が大きな案内板66を形成している。また、連結部67より内側である案内板66の整流素子55側は、図6に示した案内板65と同様に、貫通孔59を通る冷却風Wの流れの下流に向けて整流素子55に近づくように傾斜している。したがって、貫通孔59を通る冷却風Wの流れを積極的に整流素子55のケース55aおよびリード55bに向けることができ、しかもその外周の径を大きくすることで冷却風Wを整流素子55側に導入するための開口面積を実質的に拡大することができる。
【0035】
図7あるいは図8に示した構造によって冷却風Wを導入するための開口面積を拡大することにより、エンボス部57の裏側、すなわち整流素子55のケース55aおよびリード55bに導かれる冷却風Wの風量が増すため、放熱板53よりも高温となる整流素子55を効率よく冷却することができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述したレクチファイヤ5は、材質がアルミニウムの放熱板52、53を用いたが、材質が銅の放熱板を用いるようにしてもよい。但し、この場合には図4等に示した銅プレート61は不要であり、エンボス部裏側の平坦部に整流素子を直接半田付けすることができる。また、一例として各エンボス部57のそれぞれに4個の貫通孔59を形成する場合を説明したが、この貫通孔59の個数や形状は、整流素子の温度や放熱板の材質等を考慮に入れて適宜変更すればよい。
【0037】
また、図4に示す放熱板53をアルミニウムや銅の板材をプレス加工して形成する場合には、貫通孔59に相当する板材を打ち抜いて取り除くことになるため、この打ち抜く部分から残りの傾斜面に向けて肉厚変化を生じさせることにより、残りの傾斜面の厚みを増すようにして、整流素子55から放熱板53に対して熱が伝わりやすくしてもよい。特に、材質をアルミニウムとした場合には、展性および延性が良好なため、容易に肉厚変化を生じさせることができ、上述した加工がしやすいという利点もある。
【0038】
また、上述した厚みが増した残りの傾斜面を部分的に押し出すことにより冷却フィンを形成するようにしてもよい。図9は、傾斜面に冷却フィン64を形成したエンボス部57近傍の構造を示す図であり、同図(A)は平面図を、同図(B)はそのIX−IX線断面図をそれぞれ示している。これらの図に示すように、貫通孔59を形成する際に隣接する傾斜面に移動した肉厚を利用して、エンボス部57の凸部平坦面の端部から放熱板53に向けて冷却フィン64を形成することにより、放熱板53の表面積が増すため、さらに冷却効率を高めることができる。特に、図9(A)に示すように、エンボス部57の凸部平坦面の中心からほぼ放射状に冷却フィン64を形成した場合には、この凸部平坦面から放熱板53の表面に流れる冷却風や貫通孔を通って整流素子55に流れる冷却風が遮られることがないため、冷却風の風量が低下することもない。
【0039】
また、上述した実施形態の説明では、アルミニウムの板材を用いて放熱板53等を形成することを前提にして半田付けを容易にするために、放熱板53のエンボス部57の凹部平坦面に銅プレート61を取付け、さらにその表面に整流素子55を半田付けするようにしたが、放熱板53に直接半田付けあるいはその他の方法により整流素子55を直接取り付けた場合や、放熱板53を銅で形成した場合には、この銅プレート61を取り除いてもよい。あるいは、放熱版53を銅で形成し、銅プレート62を追加するようにしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態の説明では、放熱板52、53のそれぞれに4個のエンボス部56、57を形成し、その凹部に整流素子54、55を半田付け等によって取り付けるようにしたが、エンボス部56、57のない放熱板を有するレクチファイヤ、すなわち凹凸のない放熱板に直接あるいは銅プレートを介在させて整流素子を取り付けたレクチファイヤに適用することもできる。この場合には、エンボス部の傾斜面に通風口となる貫通孔を形成する代わりに、整流素子のケース外周にほぼ接するように1あるいは複数の貫通孔を形成する。このように、整流素子と非常に近い位置に貫通孔を形成することにより、この貫通孔を通ってレクチファイヤの裏側に流れる冷却風が整流素子のケースに沿って流れることになるため、高温となる整流素子を直接冷却することができる。また、図5に示した形状の銅プレート62を用いた場合には銅プレート62の一部がこの貫通孔に露出するためこの銅プレート62を効率よく冷却できる。図6〜図8に示したように放熱板の一部を折り曲げたり、衝立を形成したりした場合には、貫通孔を通る冷却風の向きを変えてさらに直接的に整流素子にあてることができ、あるいは開口面積を拡大して風量の増加を図ることができる。
【0041】
また、上述した実施形態では、図1に示すように冷却ファンがフレーム内に内蔵された内扇式のオルタネータ1を例示して説明したが、プーリ端面に冷却ファンを取り付けた外扇式のオルタネータについても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオルタネータの部分断面図である。
【図2】整流装置であるレクチファイヤの詳細形状を示す平面図である。
【図3】レクチファイヤ近傍のオルタネータの部分的な拡大断面図である。
【図4】レクチファイヤに形成されたエンボス部の詳細構造を示す図である。
【図5】レクチファイヤに形成されたエンボス部の変形例を示す図である。
【図6】レクチファイヤに形成されたエンボス部の他の変形例を示す図である。
【図7】レクチファイヤに形成されたエンボス部の他の変形例を示す図である。
【図8】レクチファイヤに形成されたエンボス部の他の変形例を示す図である。
【図9】レクチファイヤに形成されたエンボス部の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 オルタネータ
2 ロータ
3 ステータ
4 ブラシ装置
5 レクチファイヤ
51 端子台
52、53 放熱板
54、55 整流素子
56、57 エンボス部
58、59 貫通孔
61、62 銅プレート

Claims (5)

  1. 吸入窓を通して導入される冷却風の流れに対してほぼ垂直に取り付けられた放熱板と、前記放熱板の一方の面であって前記吸入窓と反対側に取り付けられた整流素子とを含む整流装置が内蔵された車両用交流発電機において、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置であって、前記整流素子の外周にほぼ接するように、前記冷却風の流れに対して開口した1あるいは複数の貫通孔のみを設けており、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置に前記吸入窓側に突出するように円錐台形状の凸部を形成し、この凸部側面の傾斜位置に前記貫通孔を設けることを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 吸入窓を通して導入される冷却風の流れに対してほぼ垂直に取り付けられた放熱板と、前記放熱板の一方の面であって前記吸入窓と反対側に取り付けられた整流素子とを含む整流装置が内蔵された車両用交流発電機において、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置であって、前記整流素子の外周にほぼ接するように、1あるいは複数の貫通孔を設けており、
    前記放熱板と前記整流素子との間に金属プレートを介在させ、この金属プレートを前記貫通孔に臨ませて配置しており、
    前記金属プレートは、前記貫通孔に対応する外径部分を外側に延長した形状を有し、この延長部が貫通孔の軸線方向上に位置していることを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 請求項2において、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置に前記吸入窓側に突出するように円錐台形状の凸部を形成し、この凸部側面の傾斜位置に前記貫通孔を設けることを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 吸入窓を通して導入される冷却風の流れに対してほぼ垂直に取り付けられた放熱板と、前記放熱板の一方の面であって前記吸入窓と反対側に取り付けられた整流素子とを含む整流装置が内蔵された車両用交流発電機において、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置であって、前記整流素子の外周にほぼ接するように、1あるいは複数の貫通孔を設けており、
    前記放熱板の整流素子を取り付ける位置に前記吸入窓側に突出するように円錐台形状の凸部を形成し、この凸部側面の傾斜位置に前記貫通孔を設けており、
    前記整流素子から離れた側の前記貫通孔の縁を前記冷却風の流れの下流に向けて前記整流素子に近づくように傾斜させることにより、前記貫通孔を通過する前記冷却風の流れを前記整流素子に向けることを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 請求項4において、
    前記整流素子から離れた側の前記貫通孔の外周に凸形状の衝立部を形成することにより、前記整流素子側に流れる冷却風の開口面積を広くすることを特徴とする車両用交流発電機。
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