JP3674761B2 - 符号化装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は符号化装置及び方法に関し、特に映像信号を高能率符号化して画像データに変換処理する場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ電話システム、会議電話システムにおいて、動画映像でなる映像信号をフレーム内符号化データ及びフレーム間符号化データに高能率符号化することにより、伝送容量に比較的厳しい制限がある伝送路を通じて動画映像信号を伝送する映像信号伝送システムが提案されている(特開昭63-1183 号公報)。
【0003】
すなわち、例えば第10図(A)に示すように、時点t=t1 、t2 、t3 ……において動画を構成する各画像PC1、PC2、PC3……を伝送しようとする場合、映像信号には時間の経過に従って自己相関が大きい特徴がある点を利用して伝送処理すべき画像データを圧縮処理することにより伝送効率を高めるような処理をするもので、フレーム内符号化処理は画像PC1、PC2、PC3……を例えば画素データを所定の基準値と比較して差分を求めるような圧縮処理を実行し、かくして各画像PC1、PC2、PC3……について同一フレーム内における画素データ間の自己相関を利用して圧縮されたデータ量の画像データを伝送する。
【0004】
またフレーム間符号化処理は、第10図(B)に示すように、順次隣合う画像PC1及びPC2、PC2及びPC3……間の画素データの差分でなる画像データPC12、PC23……を求め、これを時点t=t1 における初期画像PC1についてフレーム内符号化処理された画像データと共に伝送する。
【0005】
かくして画像PC1、PC2、PC3……をそのすべての画像データを伝送する場合と比較して格段的にデータ量が少ないディジタルデータに高能率符号化して伝送路に送出することができる。
【0006】
かかる映像信号の符号化処理は、第11図に示す構成の画像データ発生装置1において実行される。
【0007】
画像データ発生装置1は入力映像信号VDを前処理回路2において処理することにより片フィールド落し処理及び片フィールドライン間引き処理等の処理をした後、輝度信号及びクロマ信号を16画素(水平方向に)×16画素(垂直方向に)分のデータでなる伝送単位ブロック(これをマクロブロックと呼ぶ)データS11に変換して画像データ符号化回路3に供給する。
【0008】
画像データ符号化回路3は予測符号化回路4において形成される予測現フレームデータS12を受けてマクロブロックデータS11との差分を求めることによってフレーム間符号化データを発生し(これをフレーム間符号化モードと呼ぶ)、又はマクロブロックデータS11と基準値データとの差分を求めることによりフレーム内符号化データを形成してこれを差分データS13として変換符号化回路5に供給する。
【0009】
変換符号化回路5はディスクリートコサイン変換回路で構成され、差分データS13を直交変換する(すなわちディスクリートコサイン変換する)ことによって高能率符号化してなる変換符号化データS14を量子化回路6に与えることにより量子化画像データS15を送出させる。
【0010】
かくして量子化回路6から得られる量子化画像データS15は可変長符号化回路を含んでなる再変換符号化回路7において再度高能率符号化処理された後、伝送画像データS16として伝送バッファメモリ8に供給される。
【0011】
これに加えて量子化画像データS15は予測符号化回路4において逆量子化、逆変換符号化処理されることより差分データに復号化された後予測前フレームデータを差分データによって修正演算することにより新たな予測前フレームデータを保存すると共に、マクロブロックデータS11に基づいて形成される動き検出データによって予測符号化回路4に保存されている予測前フレームデータを動き補償することにより予測現フレームデータを形成して画像データ符号化回路3に供給できるようになされ、これにより現在伝送しようとするフレーム(すなわち現フレーム)のマクロブロックデータS11と予測現フレームデータS12との差分を差分データS13として得るようになされている。
【0012】
第11図の構成において、第10図について上述した動画像を伝送する場合、先ず第10図(A)の時点t1 において画像PC1の画像データがマクロブロックデータS11として与えられたとき、画像データ符号化回路3はフレーム内符号化モードになってこれをフレーム内符号化処理された差分データS13として変換符号化回路5に供給し、これにより量子化回路6、再変換符号化回路7を介して伝送バッファメモリ8に伝送画像データS16を供給する。
【0013】
これと共に、量子化回路6の出力端に得られる量子化画像データS15が予測符号化回路4において予測符号化処理されることにより、伝送バッファメモリ8に送出された伝送画像データS16を表す予測前フレームデータが前フレームメモリに保持され、続いて時点t2 において画像PC2を表すマクロブロックデータS11が画像データ符号化回路3に供給されたとき、予測現フレームデータS12に動き補償されて画像データ符号化回路3に供給される。
【0014】
かくして時点t=t2 において画像データ符号化回路3はフレーム間符号化処理された差分データS13を変換符号化回路5に供給し、これにより当該フレーム間の画像の変化を表す差分データが伝送画像データS16として伝送バッファメモリ8に供給されると共に、その量子化画像データS15が予測符号化回路4に供給されることにより予測符号化回路4において予測前フレームデータが形成、保存される。
【0015】
以下同様の動作が繰り返されることにより、画像データ符号化回路3がフレーム間符号化処理を実行している間、前フレームと現フレームとの間の画像の変化を表す差分データだけが伝送バッファメモリ8に順次送出されることになる。
【0016】
伝送バッファメモリ8はこのようにして送出されて来る伝送画像データS16を溜めておき、伝送路9の伝送容量によって決まる所定のデータ伝送速度で、溜めた伝送画像データS16を順次伝送データDTRANS として引き出して伝送路9に伝送して行く。
【0017】
これと同時に伝送バッファメモリ8は残留しているデータ量を検出して当該残留データ量に応じて変化する残量データS17を量子化回路6にフィードバックして残量データS17に応じて量子化ステップサイズを制御することにより、伝送画像データS16として発生されるデータ量を調整することにより伝送バッファメモリ8内に適正な残量(オーバーフロー又はアンダーフローを生じさせないようなデータ量)のデータを維持できるようになされている。
【0018】
因に伝送バッファメモリ8のデータ残量が許容上限にまで増量して来たとき、残量データS17によって量子化回路6の量子化ステップSTPS(第12図)のステップサイズを大きくすることにより、量子化回路6において粗い量子化を実行させることにより伝送画像データS16のデータ量を低下させる。
【0019】
これとは逆に伝送バッファメモリ8のデータ残量が許容下限値まで減量して来たとき、残量データS17は量子化回路6の量子化ステップSTPSのステップサイズを小さい値になるように制御し、これにより量子化回路6において細かい量子化を実行させるようにすることにより伝送画像データS16のデータ発生量を増大させる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の画像データ発生装置1は、伝送データDTRANS のデータ伝送速度が伝送路9の伝送容量に基づいて制限されている伝送条件に整合させながら有意画像情報を伝送する手段として、発生した画像データを伝送バッファメモリ8に溜め込むようにすることにより常時伝送路9の伝送容量に相当するデータ量の画像データを常時伝送路9の伝送容量の分だけ引き出すことができるように構成されているが、実際上伝送しようとする画像データによって表される信号値が大きい場合にはこれをそのまま量子化すれば信号値が大きい分伝送バッファメモリ8に溜るデータ量が過大になるおそれがあり、実用上適正なデータ量に圧縮できるようにすることが望ましい。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易かつ適正な符号化画像データを発生できるようにしようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、画像データを符号化することによって符号化画像データを生成する符号化装置において、動き補償された画像データに対して、ディスクリートコサイン変換処理をすることによって、ディスクリートコサイン変換係数データを生成する手段と、指定された量子化ステップに関する情報によりディスクリートコサイン変換係数データに対して量子化処理をすることによって、量子化ディスクリートコサイン変換係数データを生成する手段とを有し、これにより画像データの画素データに対して順次ディスクリートコサイン変換処理及び量子化処理をして行く画素データ処理系と、画素データ処理系において画素データが順次ディスクリートコサイン変換処理及び量子化処理をされるタイミングに合せて、当該ディスクリートコサイン変換処理及び量子化処理の処理結果を表す処理情報データを順次転送して行くヘッダデータ処理系と、ヘッダデータ処理系から得られる処理情報データを、マクロブロック単位で、画素データ処理系から得られる画像データに付加することによって、符号化画像データを生成する手段とを設けるようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明をテレビ電話に適用した場合の実施の形態を詳述する。
【0024】
(G1)画像情報伝送システムの全体構成
第1図及び第2図において画像情報伝送システム21はエンコーダ21A及びデコーダ21Bによって構成され、エンコーダ21Aは、入力映像信号VDINを入力回路部22において前処理した後、アナログ/ディジタル変換回路23において16×16画素分の画素データでなる伝送単位ブロックデータ、すなわちマクロブロックMBの画素データでなる入力画像データS21を画素データ処理系SYM1に送り込むと共に、当該画素データ処理系SYM1の各処理段においてマクロブロックMBを単位として画素データが処理されるタイミングにおいて当該処理されるデータに対応する処理情報データがヘッダデータ処理系SYM2を介して順次伝送されて行くようになされ、かくして画素データ及びヘッダデータがそれぞれ画素データ処理系SYM1及びヘッダデータ処理系SYM2においてパイプライン方式によって処理されて行く。
【0025】
この実施例の場合、入力画像データS21として順次送出されて来るマクロブロックデータは、第3図に示すような手法でフレーム画像データFRMから抽出される。
【0026】
先ず1枚のフレーム画像データFRMは第3図(A)に示すように2個(水平方向に)×6個(垂直方向に)のブロックグループGOBに分割され、各ブロックグループGOBが第3図(B)に示すように11個(水平方向に)×3個(垂直方向に)のマクロブロックMBを含むようになされ、各マクロブロックMBは第3図(C)に示すように16×16画素分の輝度信号データY00〜Y11(それぞれ8×8画素分の輝度信号データでなる)及び輝度信号データY00〜Y11の全画素データに対応する色信号データでなる色信号データCb 及びCr を含んでなる。
【0027】
かくしてマクロブロックMBごとに送出される入力画像データS21は動き補償回路25に与えられ、動き補償回路25はヘッダデータ処理系SYM2に対して設けられている動き補償制御ユニット26から与えられる動き検出制御信号S22に応動して予測前フレームメモリ27の予測前フレームデータS23と入力画像データS21とを比較して動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)を検出して動き補償制御ユニット26に第1のヘッダデータHD1(第4図)のデータとして供給すると共に、動き補償回路本体25Aにおいて予測前フレームデータS23に対して動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)分の動き補償をすることにより予測現フレームデータS24を形成して現在処理しようとしている入力画像データS21でなる現フレームデータS25と共に画像データ符号化回路28に供給する。
【0028】
ここで動き補償制御ユニット26は、第4図に示すように、第1のヘッダデータHD1として現在処理しているマクロブロックごとに、フレーム画像データFRMの伝送順序を表す伝送フレーム番号データTR Counterと、そのブロックグループGOB(第3図(A))を表すブロックグループ番号データGOB address と、そのうちのマクロブロックMBを表すマクロブロック番号データMB addressとを付加することによって順次画素データ処理系SYM1の各処理段に伝送されて行くマクロブロックMBを表示するようになされていると共に、当該処理対象マクロブロックMBの処理ないし処理形式を表すフラグデータFLAGS と、当該マクロブロックMBの動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)と、その評価値を表す差分データΣ|A−B|と形成する。
【0029】
フラグデータFLAGS は第5図に示すように、最大限1ワード(16ビット)分のフラグをもち得るようになされ、第0ビットには、当該処理対象マクロブロックMBについて動き補償モードで処理すべきか否かを表す動き補償制御フラグMC on/off がセットされる。
【0030】
またフラグデータFLAGS の第1ビットには、当該処理対象マクロブロックMBをフレーム間符号化モードで処理すべきであるか又はフレーム内符号化モードで処理すべきであるかを表すフレーム間/フレーム内フラグInter/Intra がセットされる。
【0031】
またフラグデータFLAGS の第2ビットには、動き補償回路25のループフィルタ25Bを使用するか否かを表すフィルタフラグFilter on/off が設定される。
【0032】
またフラグデータFLAGS の第3ビットには、当該処理対象マクロブロックに含まれるブロックデータY00〜Cr (第3図(C))を伝送すべきであるか否かを表す送信フラグCoded/Not-coded を設定できるようになされている。
【0033】
またフラグデータFLAGS の第4ビットには、当該処理対象マクロブロックMBを駒落しするか否かを表す駒落しフラグDrop frame flag を設定し得るようになされている。
【0034】
またフラグデータFLAGS の第5ビットには、当該処理対象マクロブロックMBを強制リフレッシュするか否かを表す強制リフレッシュフラグRefresh on/offを設定できるようになされている。
【0035】
またフラグデータFLAGS の第6ビットには、マクロブロックパワー評価フラグMBP appreciateを設定できるようになされている。
【0036】
また差分データΣ|A−B|は、現フレームデータS25の現在処理しようとするマクロブロックデータAと、予測前フレームデータS23の検出用動きベクトルによって補償されたマクロブロックデータBとの差分のうちの最小値を表し、これにより検出された動きベクトルの評価をなし得るようになされている。
【0037】
画像データ符号化回路28はフレーム内符号化モードのとき動き補償回路25から与えられる現フレームデータS25をそのまま差分データS26として変換符号化回路29に供給し、これに対してフレーム間符号化モードのとき現フレームデータS25の画素データと予測現フレームデータS24の画素データとの差分でなる差分データS26を変換符号化回路29に供給する。
【0038】
ヘッダデータ処理系SYM2には画像データ符号化回路28に対応するようにフレーム間/フレーム内符号化制御ユニット30が設けられ、動き補償制御ユニット26から供給されるヘッダデータHD1及び画像データ符号化回路28から供給される演算データS31に基づいて、画像データ符号化回路28の符号化モードを指定するためのフレーム間/フレーム内フラグInter/Intra (第5図)及び動き補償回路25のループフィルタ25Bの動作を制御するためのフィルタフラグFilter on/off (第5図)とを得るのに必要なデータを演算して第2のヘッダデータHD2としてフィルタ制御ユニット31に送出する。
【0039】
第2のヘッダデータHD2は、第4図に示すように、ヘッダデータHD1を構成する伝送フレーム番号データTR Counter〜差分データΣ|A−B|をそのまま引き継ぐと共に、フィルタ制御ユニット31においてフレーム間/フレーム内符号化モード切換信号S33及びフィルタオン/オフ信号S34を形成するために必要なパワーデータΣ (A)2 (L)及びΣ(A)2(H)、Σ(A−B)2(L)及びΣ(A−B)2(H)、Σ(A−FB)2(L)及びΣ(A−FB)2(H)、Σ(A)をフレーム間/フレーム内符号化制御ユニット30において付加されるようになされている。
【0040】
ここで、パワーデータΣ(A)2(L)及びΣ(A)2(H)は現フレームデータS25のマクロブロック画素データAの2乗和の下位ビット及び上位ビットを表し、パワーデータΣ(A−B)2(L)及びΣ(A−B)2(H)は現フレームデータS25のマクロブロック画素データAとループフィルタ25Bを介さずに形成された予測現フレームデータS24のマクロブロック画素データBとの差分A−Bの2乗和の下位ビット及び上位ビットを表し、パワーデータΣ(A−FB)2(L)及びΣ(A−FB)2(H)は現フレームデータS25のマクロブロック画素データAとループフィルタ25Bを介して形成された予測現フレームデータS24のマクロブロック画素データFBとの差分A−FBの2乗和の下位ビット及び上位ビットを表し、パワーデータΣ(A)は現フレームデータS25のマクロブロック画素データAの和を表し、それぞれ処理するデータの大きさを評価するためにデータ量をパワー値として表現したもの(2乗和は符号に無関係な値として求めた)である。
【0041】
フィルタ制御ユニット31は、フレーム間/フレーム内符号化制御ユニット30から渡された第2のヘッダデータHD2と、伝送バッファメモリ32から供給される残量データS32とに基づいて、画像データ符号化回路28に対してフレーム間/フレーム内符号化モード切換信号S33を送出すると共に、ループフィルタ25Bに対してフィルタオン/オフ信号S34を送出し、さらに当該フィルタオン/オフ信号S34の内容を表すフィルタフラグFilter on/off を第2のヘッダデータHD2に付加して第3のヘッダデータHD3としてスレショルド制御ユニット35に渡す。
【0042】
ここでフィルタ制御ユニット31は第1に、フレーム間符号化処理をした場合の伝送データ量の方がフレーム内符号化処理をした場合の伝送データ量より大きくなったとき画像データ符号化回路28をフレーム内符号化モードに制御する。
【0043】
またフィルタ制御ユニット31は第2に、フレーム間符号化モードで処理をしている状態においてループフィルタ25Bにおける処理を受けた予測現フレームデータS24より当該処理を受けない予測現フレームデータS24の方が差分値が小さい場合には、フィルタオン/オフ信号S34によってフィルタリング動作をさせないようにループフィルタ25Bを制御する。
【0044】
またフィルタ制御ユニット31は第3に、強制リフレッシュモードになったとき、フレーム間/フレーム内符号化モード切換信号S33によって画像データ符号化回路28をフレーム内符号化モードに切り換える。
【0045】
さらにフィルタ制御ユニット31は第4に、伝送バッファメモリ32から供給される残量データS32に基づいて伝送バッファメモリ32がオーバーフローするおそれがある状態になったとき、これを検出して駒落し処理をすべきことを命令するフラグを含んでなる第3のヘッダデータHD3をスレショルド制御ユニット35に送出する。
【0046】
かくして画像データ符号化回路28は現フレームデータS25と予測現フレームデータS24との差分が最も小さくなるようなモードで符号化してなる差分データS26を変換符号化回路29に供給する。
【0047】
第3のヘッダデータHD3は、第4図に示すように、ヘッダデータHD2から伝送フレーム番号データTR Counter〜動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)を引き継ぐと共に、フィルタ制御ユニット31においてブロックデータY00〜Cr に対応する6ビット分のフィルタフラグFilter on/off を付加される。
【0048】
変換符号化回路29はディスクリートコサイン変換回路でなり、 ディスクリートコサイン変換後のディスクリートコサイン変換係数値を6個のブロックY00、Y01、Y10、Y11、Cb 、Cr ごとにジグザグスキャンしてなる変換符号化データS35として伝送ブロック設定回路34に送出する。
【0049】
伝送ブロック設定回路34は変換符号化データS35として送出されて来る6個のブロックデータY00〜Cr (第3図(C))について、それぞれ先頭の係数データからn個までの2乗和を演算して当該演算結果をパワー検出データS36としてスレショルド制御ユニット35に渡す。
【0050】
このときスレショルド制御ユニット35は各ブロックデータY00〜Cr ごとにパワー検出データS36を所定のスレショルドと比較し、パワー検出データS36が当該スレショルドより小さいとき当該ブロックデータの伝送を許容せず、これに対して大きいとき許容することを表す6ビット分の送信可否フラグデータCBPNを形成してこれをフィルタ制御ユニット31から渡された第3のヘッダデータHD3に付加して第4のヘッダデータHD4として量子化制御ユニット36に渡すと共に、伝送ブロック設定回路34から対応するブロックデータY00〜Cr を量子化回路37に送信ブロックパターン化データS37として送出させる。
【0051】
ここで第4のヘッダデータHD4は第4図に示すように、ヘッダデータHD3の伝送フレーム番号データTR Counter〜フィルタフラグFilter on/off をそのまま引き継ぐと共に、スレショルド制御ユニット35においてブロックY00〜Cr に対応して発生する6ビット分の送信可否フラグCBPNが付加される。
【0052】
量子化制御ユニット36はスレショルド制御ユニット35から渡された第4のヘッダデータHD4と、伝送バッファメモリ32から送出される残量データS32とに基づいて第6図に示す量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0を実行することにより量子化ステップサイズ制御信号S38を量子化回路37に与え、これにより量子化回路37をマクロブロックMBに含まれるデータに適応した量子化ステップサイズで量子化処理させ、その結果量子化回路37の出力端に得られる量子化画像データS39を可変長符号化回路38に供給させる。
【0053】
これと共に量子化制御ユニット36は、第4図に示すように、 第5のヘッダデータHD5として、ヘッダデータHD4に基づいてブロックデータY00〜Cr (第3図(C))にそれぞれ対応するフラグデータFLAGS 及び動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)に分離してこれを直列に配列させたデータを形成して可変長符号化回路38及び逆量子化回路40に渡す。
【0054】
ここで、ヘッダデータHD5は、第4図に示すように、ヘッダデータHD4のうち伝送フレーム番号データTR Counter〜マクロブロック番号データMB addressをそのまま引き継ぐと共に、量子化制御ユニット36において量子化サイズデータQNT と、ブロックデータY00〜Cr に対するフラグデータFLAGS 、動きベクトルデータMVD(x)及びMVD(y)を付加する。
【0055】
可変長符号化回路38はヘッダデータHD5及び量子化画像データS39を可変長符号化処理して伝送画像データS40を形成し、これを伝送バッファメモリ32に供給する。
【0056】
可変長符号化回路38はブロックデータY00〜Cr を可変長符号化する際に、対応するフラグデータFLAGS に基づいて「駒落し」、又は「送信不可」が指定されているとき、当該ブロックデータを伝送画像データS40として送出させずに捨てるような処理をする。
【0057】
伝送バッファメモリ32は伝送画像データS40を溜め込んで行くと共に、これを所定の伝送速度で読み出してマルチプレクサ41において音声データ発生装置42から送出される伝送音声データS41と合成して伝送路43に送出する。
【0058】
逆量子化回路40は量子化回路37から送出される量子化画像データS39をヘッダデータHD5に基づいて逆量子化した後、当該逆量子化データS42を逆変換符号化回路43に供給することにより逆変換符号化データS43に変換させた後デコーダ回路44に供給させ、かくして伝送画像データS40として送出された画像情報を表す符号化差分データS44を予測前フレームメモリ27に供給させる。
【0059】
このとき予測前フレームメモリ27は、符号化差分データS44を用いてそれまで保存していた予測前フレームデータを修正演算して新たな予測前フレームデータとして保存する。
【0060】
かくして第1図の構成のエンコーダ21Aによれば、ヘッダデータ処理系SYM2から供給されるヘッダ情報に基づいて画素データ処理系SYM1において画素データがマクロブロック単位でパイプライン処理されて行くのに対して、これと同期するようにヘッダデータ処理系SYM2においてヘッダデータを受け渡して行くようにすることにより、ヘッダデータ処理系SYM2の各処理段において必要に応じてヘッダデータを付加又は削除することにより画素データを必要に応じて適応処理できる。
【0061】
デコーダ21Bは第2図に示すように、伝送路43を介してエンコーダ21Aから伝送されて来る伝送データをデマルチプレクサ51を介して伝送バッファメモリ52に受けると共に、伝送音声データS51を音声データ受信装置53に受ける。
【0062】
伝送バッファメモリ52に受けた画像データは可変長逆変換回路54において受信画像データS52及びヘッダデータHD11に分離され、逆量子化回路55において逆量子化データS53に逆量子化された後逆変換符号化回路56においてデイスクリート逆変換処理されて逆変換符号化データS54に逆変換される。
【0063】
この逆変換符号化データS54は逆量子化回路55において形成されたヘッダデータHD12と共にデコーダ回路57に与えられ、符号化差分データS55としてフレームメモリ58に蓄積される。
【0064】
かくしてフレームメモリ58には符号化差分データS55に基づいて伝送されて来た画像データが復号化され、当該復号化画像データS56がディジタル/アナログ変換回路59においてアナログ信号に変換された後出力回路部60を介して出力映像信号VDOUT として送出される。
【0065】
(G2)量子化ステップサイズ決定処理
量子化制御ユニット36は第6図に示す量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0をマクロブロックMBごとに実行することによって現在処理しようとしているマクロブロックMBがもつ画像データの形式(これをマクロブロックタイプと呼ぶ)に適応するような量子化ステップサイズQNT を選定して量子化ステップサイズ制御信号S38として量子化回路37に供給することにより、マクロブロックタイプによっては生ずるおそれがある画質の乱れを生じさせないように量子化回路37を制御する。
【0066】
この実施例の場合量子化回路37は第7図に示すように、量子化ステップサイズQNT として上限値QNT =31から下限値QNT =1までの段階を可変できるようになされ、量子化制御ユニット36は伝送バッファメモリ32のデータ残量Bufferが量子化ステップサイズQNT の可変制御範囲に相当する値、すなわち量子化サイズ可制御範囲QCR の範囲に入るような適正の値になるように量子化ステップサイズQNT の値をマクロブロックタイプMacro Block Typeに応じて適応制御する。
【0067】
(G2-1)データ残量が過大の場合の処理
すなわち量子化制御ユニット36は第6図の量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0に入ると、ステップSP1において伝送バッファメモリ32の残量データBufferがマージンMargine と量子化サイズ可制御範囲QCR との和より大きいか否かの判断をする。
【0068】
ここで肯定結果が得られると、このことは伝送バッファメモリ32のデータ残量Bufferが上限値を超えていることを意味し、このとき量子可制御ユニット36はステップSP2に移って量子化ステップサイズQNT を最大値、すなわちQNT =31に設定するような量子化ステップサイズ制御信号S38を量子化回路37に供給した後、ステップSP3に移って現在設定した量子化ステップサイズQNT を前フレーム量子化ステップサイズPQNTとして保存する。
【0069】
かくして量子化制御ユニット36は当該量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0をステップSP4において終了し、これにより量子化回路37において最も粗い量子化ステップサイズで変換符号化データS35の量子化を実行する。
【0070】
この結果量子化回路37から発生される量子化画像データS39のデータ量は最も小さい値に制御されることにより、伝送バッファメモリ32のデータ残量Bufferは低下して行く。
【0071】
この動作はステップSP1において肯定結果が得られる間繰り返し実行され、その結果やがて伝送バッファメモリ32の残量データがマージンMargine 及び量子化サイズ可制御範囲QCR の和QCR +Margine より小さい値になる。
【0072】
(G2-2)フレーム内符号化モードにおける処理
このような状態になると、量子化制御ユニット36はステップSP1において否定結果が得られることによりステップSP5に移り、マクロブロックタイプMacro Block Typeがフレーム内符号化ブロックであり、かつ強制リフレッシュブロックではないブロックnot refresh block であるか否かの判断をする。
【0073】
ここでマクロブロックタイプMacro Block Typeは、第8図に示すように、スレショルド制御ユニット35から量子化制御ユニット36に渡されるヘッダデータHD4に含まれるフラグデータFLAGS の第2ビット、第1ビット、第0ビットによって表されており、これらのビットが「010」のときマクロブロックタイプはフレーム内符号化型Intra であり、「000」のときフレーム間符号化型Inter であり、「001」のときフィルタ不使用動き補償型MC-not filtered であり、「101」のときフィルタ使用動き補償型MC-filtered になる。
【0074】
そこでステップSP5において肯定結果が得られたとき、このことはフラグデータFLAGS の第2、第1、第0ビットが「000」であり、かつ第4ビットの強制リフレッシュフラグrefresh が論理「0」の状態にあることを表している。
【0075】
ところでこのような状態は、マクロブロックタイプがフィルタ内符号化を必要とする程前フレームに対する現フレームの変化が激しいことを意味しており、しかも現在は強制リフレッシュモードが指定されていないような条件下にあることを意味している。
【0076】
このような条件下にあるとき量子化回路37において細かい量子化ステップサイズで量子化をすれば量子化回路37から発生される量子化画像データS39のデータ量が極く大きい値になり、結局バッファメモリ32にオーバーフローが生ずるおそれが近づいていると言って良い。
【0077】
このとき量子化制御ユニット36はステップSP6に移って量子化ステップサイズQNT を上限値QNT =31に設定し、これにより量子化回路37から発生する量子化データS39のデータ量を抑制するような処理を実行し、その結果伝送バッファメモリ32がオーバーフローする状態の発生を未然に回避させる。
【0078】
これに対してステップSP5において否定結果が得られたとき、このことは処理対象マクロブロックのタイプがフレーム内符号化型Intra ではないこと、又はフレーム内符号化型Intra であっても強制リフレッシュの結果生じたものであることを表しており、このとき量子化制御ユニット36はステップSP6の処理をせずにこれをジャンプする。
【0079】
(G2-3)強制リフレッシュモードにおける処理
次に量子化制御ユニット36はステップSP7において処理対象マクロブロックのタイプが強制リフレッシュ型refresh block であるか否かの判断をする。
【0080】
ここで肯定結果が得られると、このことは強制リフレッシュをすべきことが指定されたことを表しており、このとき量子化制御ユニット36はステップSP8に移って量子化ステップサイズQNT として前フレームの量子化処理の際に用いられた前フレーム量子化ステップサイズPQNTを設定し、これにより強制リフレッシュ処理を実行すべきことが指定されたときには前フレームと同じ量子化ステップサイズで量子化を実行するようにする。
【0081】
このようにすれば、強制リフレッシュ処理を実行する際に、当該強制リフレッシュ処理をした際にこれが実用上目障りにならないように画質を変化させないようにすることができる。
【0082】
因に強制リフレッシュは所定の周期でしかも画像の内容とは無関係に実行されるので、画像の内容には変化がないにもかかわらず前フレームと比較して量子化ステップサイズの値が変化すると当該変化が目障りになる場合が多い。
【0083】
これに対して強制リフレッシュが指定されたとき量子化ステップサイズの値を変更しないようにすれば、当該リフレッシュの際に目障りな画像の変化を生じさせないようにできる。
【0084】
なお量子化ステップサイズの値として同じ値を選定することに代えて少し小さい値を選定するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0085】
因に画像の変化がない状態において強制リフレッシュが指定されたとき、量子化ステップサイズを大きくすれば、このことは復元画像の画質を劣化させることになるのに対して、量子化ステップサイズを少し小さくすれば、復元画像の画質を少し改善できることにより実用上人の目には画像の変化として感じさせないようにし得る。
【0086】
これに対してステップSP7において否定結果が得られると、このことは現在強制リフレッシュの指定がされていないことを表しており、このとき量子化制御ユニット36はステップSP8おける処理をせずにこれをジャンプする。
【0087】
(G2-4)差分データのパワーが大きい場合の処理
次に量子化制御ユニット36はステップSP9においてマクロブロックタイプがフレーム間符号化型Inter でありかつマクロブロックパワーMBP が所定のスレショルド値Threshold より大きいか否かの判断をする。
【0088】
ここで、マクロブロックパワーMBP は、
【0089】
【数1】
Figure 0003674761
【0090】
によって定義され、かくしてステップSP9において肯定結果が得られると、このことは当該マクロブロックMBの画像データ、すなわち差分データのマクロブロックパワーMBP が大きいために、ある程度粗い量子化ステップサイズで量子化して伝送しても復元画像の画質が極端に劣化するような影響は生じない状態にあることを意味する。
【0091】
そこで量子化制御ユニット36はこのような条件を満足するマクロブロックが変換符号化回路29においてディスクリートコサイン変換されたときには、これをステップSP9において確認してステップSP10に移って量子化ステップサイズQNT を最も粗い値、すなわち上限値31に設定する。
【0092】
これに対してマクロブロックパワーMBP がそれ程大きくないマクロブロックの変換符号化データS35が送出された場合には、量子化制御ユニット36はステップSP10の処理をしないようにこれをジャンプする。
【0093】
ところで、(1)式によって表されるマクロブロックパワーMBP は、変換符号化回路29におけるディスクリートコサイン変換処理の結果得られるディスクリートコサイン変換係数Coeff(i)に基づいて各マクロブロックの重みを演算しようとするもので、当該ディスクリートコサイン変換係数の重みはディスクリートコサイン変換することによって得られた伝送信号の強さを表しており、従ってマクロブロックパワーMBP が大きいことは信号伝送手段としての伝送信号の強さが大きいから、これを若干圧縮して伝送しても受信側において外来雑音に影響されることなく伝送情報を正しく再現できることを表している。
【0094】
そこでこのような場合量子化制御ユニット36は量子化ステップサイズQNT を大きい値に変更することにより量子化回路37において発生される量子化データS39のデータ量を圧縮することにより伝送路43への負担を軽減するようにする。
【0095】
因に変換符号化回路29を構成するディスクリートコサイン変換回路は次式、
【0096】
【数2】
Figure 0003674761
【0097】
によってディスクリートコサイン変換を実行すると共に、逆変換符号化回路56を形成するディスクリートコサイン逆変換回路は次式、
【0098】
【数3】
Figure 0003674761
【0099】
によってディスクリートコサイン逆変換を実行する。ここでx、yはマクロブロックにおける画素の座標(左上隅の座標(0、0)とする)、u、vはディスクリートコサイン変換時の係数の座標を表す。
【0100】
またu、v=0のとき、
【0101】
【数4】
Figure 0003674761
【0102】
になり、その他の場合には、
【0103】
【数5】
Figure 0003674761
【0104】
のようになる。
【0105】
(2)式及び(3)式の変換は実際上、Xをマクロブロック内の画像データ行列、Cをディスクリートコサイン変換時の変換行列とした場合、変換符号化回路29においては先ず、画像データ行列Xを水平変換することにより変換画像データ行列XC-1を得た後、次に再度垂直変換処理をすることにより変換画像データ行列C(X)C-1を得る。
【0106】
かくして得られる変換画像データ行列C(X)C-1は、第9図に示すように、係数Coeff(1)、Coeff(2)、Coeff(3)……Coeff(64)が8×8行列でなる変換係数行列として表すことができ、当該変換係数行列の各係数Coeff(i)(i=1〜64)を時間の経過に従って変換行列の中からi=1、2、3……64の順序でスキャンをしながら読み出して行く。
【0107】
かくして1マクロブロック分の画像データは変換行列を構成する変換係数Coeff(i)(i=1〜64)に変換され、これが時間直列的に配列された伝送データとして量子化回路37に供給されることになる。
【0108】
かくして量子化回路37に供給される変換係数データ列Coeff(1)、Coeff(2)……Coeff(64)は、伝送しようとする情報を表していると共に、伝送しようとする信号の強さをも表しており、従って(1)式によって表されているように、変換係数データ列Coeff(i)(i=1、2……64)に含まれるi=1〜nまでの変換係数データの2乗は、伝送しようとする信号の強さを水平方向及び垂直方向の影響が等しくなるように累積加算した値となり、結局(1)式はこれをマクロブロックパワーMBP として定義していることになる。
【0109】
実際上画像データをディスクリートコサイン変換することにより第9図に示すような変換係数行列を得た場合、左上隅部の変換係数Coeff(i)、すなわち低次の変換係数にパワーが集中し、これに対して右下隅部の変換係数、すなわち高次の変換係数には有意情報が生じない傾向があり、かくしてディスクリートコサイン変換によって伝送データの圧縮を実現できる。
【0110】
従って第6図のステップSP9においてマクロブロックタイプMacro Block Typeがフレーム間符号化型Inter であることを確認したとき、(1)式に基づいて得られるマクロブロックパワーMBP が所定のスレショルド値Threshold より大きいことを確認できれば、このことは当該マクロブロックMBにおける差分データの値が十分に大きく、従って粗い量子化をしても良いことを確認し得たことになる。そこでかかる判断に従ってステップSP10において量子化ステップサイズQNT を上限値に選定すれば、当該差分データを比較的少ないデータ量によって伝送できることになる。
【0111】
(G2-5)フレーム間符号化モードにおける処理
量子化制御ユニット36は第6図のステップSP11において、マクロブロックタイプMacro Block Typeがフレーム間符号化型Inter でありかつマクロブロックパワーMBP が所定のスレショルド値Threshold より小さいことを確認したときステップSP12に移って量子化ステップサイズQNT を前フレームにおいて使用された前フレーム量子化ステップサイズPQNTの 1/2の値に設定し、その後ステップSP13において当該設定した量子化ステップサイズQNT の値が下限値1より小さいか否かを判断し、小さいときステップSP14において量子化ステップサイズQNT を下限値1に再設定し直すと共に、1より小さくない時には再設定することなくそのままの値を量子化ステップサイズQNT として設定するような処理をする。
【0112】
ここでマクロブロックパワーMBP は(1)式について上述したように当該マクロブロックの画像データの差分データ信号の強さを表しているので、ステップSP11において肯定結果が得られたときには当該差分が小さいこと、従って画像の内容が前フレームの画像と比較して変化が小さいことを表している。
【0113】
このような画像データが得られた場合には、現在伝送しようとする画像は、前フレームの画像を大幅に変更することなく部分的に手直しする程度の変化しか生じていない状態にあることを表している。
【0114】
そこで量子化制御ユニット36がステップSP12において前フレームの量子化処理結果に基づいてその量子化ステップサイズPQNTを 1/2に細かくして現フレームの量子化ステップサイズQNT として設定するようにすれば、前フレームと比較して動きが少なくなった現フレームに対して当該変化が少なくなった分量子化ステップサイズを細かくできることにより、一段と最適な量子化ステップサイズに設定できることになる。
【0115】
このような量子化ステップサイズの縮小化処理はその後動きが少ない画像が続く限り量子化制御ユニット36がステップSP11及びSP12において繰り返し実行するので、結局動きが少ない画像を伝送し続ける場合にはこれに適応するような値に量子化ステップサイズを収束させることができることになる。
【0116】
かくするにつき、ステップSP13及びSP14において量子化ステップサイズQNT を下限値1より小さくさせないようにしたことにより、結局量子化制御ユニット36は動きが少ない画像を伝送する場合には量子化ステップサイズQNT を下限値に収束させた状態で安定に量子化処理をできることになる。
【0117】
これに対してステップSP11において否定結果が得られたとき、量子化制御ユニット36は現在伝送しようとする画像の変化が大きいと判断してステップSP12、SP13、SP14の処理をせずにこれをジャンプする。
【0118】
(G2-6)量子化制御ユニット36の動作
第6図において、第1に、伝送バッファメモリ32の残量データBufferが上限値(QCF +Margin)を超えると、量子化制御ユニット36はこれをステップSP1において検出してステップSP2において量子化回路37の量子化ステップサイズQNT を上限値31に設定し、これにより伝送バッファメモリ32のデータ残量データBufferを低減させることにより上限値以下の状態に維持させるように制御する。
【0119】
この状態において第2に、マクロブロックタイプMacro Block Typeがフレーム内符号化型でかつ強制リフレッシュブロックではないブロックデータが量子化回路37に与えられたとき量子化制御ユニット36はこれをステップSP5において確認してステップSP6において量子化回路37の量子化ステップサイズQNT を上限値31に設定することにより伝送バッファメモリ32がオーバーフローしないように制御する。
【0120】
このような動作モードのとき量子化制御ユニット36はステップSP7、SP9、SP11においてそれぞれ否定結果が得られることにより、ステップSP6において設定した量子化ステップサイズをステップSP3において前フレーム量子化ステップサイズPQNTとして設定した後当該処理手順を終了する。
【0121】
第3に、量子化回路37に強制リフレッシュブロック型のマクロブロックタイプをもつデータが与えられたとき、量子化制御ユニット36は量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0においてステップSP1−SP5−SP7のループによってこれを判断し、ステップSP8において量子化回路37の量子化ステップサイズQNT として前フレーム量子化ステップサイズPQNTを設定し、これにより強制リフレッシュモードに入ったときに伝送する画像の画質を前フレームの画像から変化させないようにすることにより、強制リフレッシュ時に目障りな画質の変化を生じさせないようにする。
【0122】
このとき量子化制御ユニット36はステップSP9、SP11においてそれぞれ否定結果が得られることによりステップSP8において設定した量子化ステップサイズQNT をステップSP3において前フレーム量子化ステップサイズPQNTとして設定して当該処理を終了する。
【0123】
第4に、量子化回路37にマクロブロックパワーMBP が大きなマクロブロックの画像データが供給されたとき、量子化制御ユニット36は量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0においてステップSP1−SP5−SP7−SP9のループによってこれを確認し、ステップSP10において量子化回路37の量子化ステップサイズQNT を上限値31に設定し、これにより、量子化回路37において発生するデータ量を小さい値に抑制し、その結果一段と効率良く画像データの伝送をさせるようにできる。
【0124】
このとき量子化制御ユニット36はかかる処理が終了した後、ステップSP11において否定結果が得られることによりステップSP3においてステップSP10で設定された量子化ステップサイズQNT を前フレーム量子化ステップサイズPQNTとして設定し直した後、当該処理ルーチンを終了する。
【0125】
第5に、量子化回路37にフレーム間符号化型でマクロブロックパワーMBP が小さいマクロブロックデータが供給されたとき量子化制御ユニット36はこれを量子化ステップサイズ決定処理ルーチンRT0のステップSP1−SP5−SP7−SP9−SP11のループによって確認し、ステップSP12において前フレーム量子化ステップサイズPQNTの 1/2の値を量子化ステップサイズQNT として設定することにより、量子化ステップサイズを下限値1に収束させて行く。
【0126】
かくしてマクロブロックパワーMBP に適用して最適な量子化ステップサイズを設定することができる。
【0127】
(G3)他の実施例
(1) 第6図のステップSP6及びSP10において量子化ステップサイズQNT を上限値31に設定した場合について述べたが、設定する量子化ステップサイズQNT としては上限値に限らず、その他の値を選定しても良く、要は、粗い量子化を実行し得る大きさの粗量子化値を選定するようにすれば良い。
【0128】
(2) 第6図のステップSP9及びSP11においてマクロブロックパワーMBP の大きさを判断するにつき、同じスレショルド値Threshold を選定するようにした場合について述べたが、これに代え、異なる値を選定するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(3) 第6図のステップSP12において量子化ステップサイズQNT を前フレーム量子化ステップサイズPQNTから求めるにつき、その 1/2の値を設定するようにした場合について述べたが、その比率は 1/2に限らず必要に応じて他の値に変更しても良く、要は前フレーム量子化ステップサイズに対して所定の比率で縮小した大きさの量子化ステップサイズに選定すれば良い。
【0130】
(4) 第6図のステップSP13及びSP14において量子化ステップサイズQNT を下限値1に収束させるようにした場合について述べたが、収束させる値は下限値に限らず必要に応じてその他の値を選定するようにしても良い。
【0131】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、画素データ処理系の複数の符号化処理のタイミングに合わせて、ヘッダデータ処理系においてディスクリートコサイン変換処理及び量子化変換処理の処理結果を表す処理情報データを転送して行くと共に、画像データの伝送の直前に、当該処理情報データを画素データ処理系から得られる画像データに付加するようにしたことにより、簡易かつ適正に伝送用の符号化画像データを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による映像信号符号化方法を適用した画像情報伝送システムを構成するエンコーダを示すブロック図である。
【図2】本発明による映像信号符号化方法を適用した画像情報伝送システムを構成するデコーダを示すブロック図である。
【図3】フレーム画像データの構成を示す略線図である。
【図4】図1のヘッダデータ処理系を示すブロック図である。
【図5】図4のフラグデータの構成を示す略線図である。
【図6】図1の量子化制御ユニット36の量子化ステップサイズ決定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図1の伝送バッファメモリ32の残量データの変化を示す曲線図である。
【図8】マクロブロックタイプの類型を示す図表である。
【図9】変換係数行列を示す図表である。
【図10】フレーム内/フレーム間符号化処理の説明に供する略線図である。
【図11】従来の画像データ発生装置を示すブロック図である。
【図12】その量子化ステップを示す曲線図である。
【符号の説明】
21……画像情報伝送システム、21A……エンコーダ、21B……デコーダ、25……動き補償回路、26……動き補償制御ユニット、27……予測前フレームメモリ、28……画像データ符号化回路、29……変換符号化回路、30……フレーム間/フレーム内符号化制御ユニット、31……フィルタ制御ユニット、32……伝送バッファメモリ、34……伝送ブロック設定回路、35……スレショルド制御ユニット、36……量子化制御ユニット、37……量子化回路、38……可変長符号化回路。

Claims (2)

  1. 画像データを符号化することによって符号化画像データを生成する符号化装置において、
    動き補償された上記画像データに対して、ディスクリートコサイン変換処理をすることによって、ディスクリートコサイン変換係数データを生成する手段と、指定された量子化ステップに関する情報により上記ディスクリートコサイン変換係数データに対して量子化処理をすることによって、量子化ディスクリートコサイン変換係数データを生成する手段とを有し、これにより上記画像データの画素データに対して順次上記ディスクリートコサイン変換処理及び上記量子化処理をして行く画素データ処理系と、
    上記画素データ処理系において上記画素データが順次上記ディスクリートコサイン変換処理及び上記量子化処理をされるタイミングに合わせて、当該ディスクリートコサイン変換処理及び量子化処理の処理結果を表す処理情報データを順次転送して行くヘッダデータ処理系と、
    上記ヘッダデータ処理系から得られる上記処理情報データを、マクロブロック単位で、上記画素データ処理系から得られる画像データに付加することによって、上記符号化画像データを生成する手段と
    を具えることを特徴とする符号化装置。
  2. 画像データを符号化することによって符号化画像データを生成する符号化方法において、
    画素データ処理系において、動き補償された上記画像データに対して、ディスクリートコサイン変換処理をすることによって、ディスクリートコサイン変換係数データを生成し、指定された量子化ステップに関する情報により上記ディスクリートコサイン変換係数データに対して量子化処理をすることによって、量子化ディスクリートコサイン変換係数データを生成し、これにより上記画像データの画素データに対して順次上記ディスクリートコサイン変換処理及び上記量子化処理をして行き、
    上記画素データ処理系において上記画素データが順次上記ディスクリートコサイン変換処理及び上記量子化処理をされるタイミングに合わせて、ヘッダデータ処理系において、当該ディスクリートコサイン変換処理及び量子化処理の処理結果を表す処理情報データを順次転送して行き、
    上記ヘッダデータ処理系から得られる上記処理情報データを、マクロブロック単位で、上記画素データ処理系から得られる画像データに付加することによって、上記符号化画像データを生成する
    ことを特徴とする符号化方法。
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