JP3674048B2 - 内燃機関の燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、内燃機関において燃料を加圧して燃料噴射弁へ送る燃料ポンプの駆動制御装置に係り、特に機関の始動時における燃料ポンプの駆動或いは遮断による耳障りな作動音を抑制するための駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公昭60−8340号公報には、内燃機関の始動時における燃料ポンプの制御の改良が提案されている。その記載によると、以前の内燃機関においては、機関の始動時に運転者が、まずイグニッションキーを回してキースイッチをONとし、イグニッション系統やコントロールユニットに通電すると共に、更にイグニッションキーを回してスタートスイッチをONとして、スタータ(始動モータ)によりクランク軸を回転させた時に、その回転を検出した回転センサの信号をコントロールユニットが受け取った時点で初めて燃料ポンプがONになり、それによって加圧された燃料が燃料噴射弁へ圧送されて噴射されるという順序で燃料噴射が開始されるように構成されていたため、燃料噴射弁において燃料の圧力が噴射に適した高さに達するまでに時間がかかり、その間に噴射される燃料の量を正確に制御することができなかったので、燃焼できない余分な燃料が点火プラグに付着して始動を困難にしたり、始動時に排気ガス中のHCやCO等の量が増えるというような問題があったとしている。
【0003】
その対策として、前記公報記載の従来技術では、機関の始動時に運転者がキースイッチをONにすると同時に燃料ポンプもONにして、直ちに燃料の加圧を開始することにしている。しかし、所定の時間内に回転センサがクランク軸の回転を検出しなかった場合(運転者の操作が緩慢で、スタートスイッチのON操作が遅れたような場合が考えられる。)には、燃料ポンプをOFFとして燃料の加圧を停止するようにしている。逆に、スタートスイッチが迅速にONとされたような場合に、回転センサにおいてクランク軸の回転が検出されていても、燃料ポンプから燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力を検出している燃圧センサの検出値が所定の高さに達していない時は、それが所定の高さに達するまで燃料噴射弁を閉弁状態に保持して、燃料が噴射されないように制御する。
【0004】
燃料ポンプが起動されてから燃料圧力が噴射に適する高さに達するまでの時間は通常200ms程度の非常に短い時間である。そして次にスタートスイッチがONとされてスタータによってクランク軸が回転を始めるまでの時間は、運転者にもよるが平均すると400ms程度であるから、前記従来技術における制御によれば、燃料ポンプはキースイッチの投入と同時に200msの短時間だけONになった後に一旦OFFとなり、その後にスタートスイッチの投入によってクランク軸の回転が検出されてから再び燃料ポンプがONになって、その後は継続的に作動するという、図5に例示するような作動パターンをとることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術によれば、前述の説明から分かるように、燃料ポンプの起動、停止、再起動や、それに対応している燃料ポンプの駆動制御用リレーの断続のような関連機器の作動回数が、それ以前のものに比べて2倍になるために、燃料ポンプやリレー等の耐久性が低下するという問題がある。また、燃料ポンプがキースイッチONと同時に起動したものの、所定の時間内にスタータがONとならないために一時停止するときのリレーの作動音が、自動車の乗員にとって耳障りになるという問題もある。
【0006】
これらの問題の対策として、キースイッチONと同時に作動を開始した燃料ポンプを、所定の時間内にスタートスイッチがONにならない場合でも、従来技術のように一旦OFFにしないで、そのまま継続して作動させるということが考えられる。その場合には、運転者がキースイッチをONにしてからスタートスイッチをON(スタータONとも言う)にするまでの時間に非常に大きなばらつきがあるので、それらを全てカバーするために、燃料ポンプを一時停止しないで継続して作動させる時間を、例えば2秒程度に長く設定する必要がある。
【0007】
この対策によれば、キースイッチONからスタータONまでの時間が400ms程度である平均的な運転者の場合は、その400msの間だけ自動車の乗員に燃料ポンプの作動音が聞こえることになるが、400ms程度の短時間であればさほど耳障りにならないし、スタートスイッチがONになった後は、スタータによって機関がクランキングされて機関自体が作動するために、それよりも低レベルの燃料ポンプの作動音は気にならなくなる。しかし、キースイッチONからスタータONまでの時間が例えば2000msのように長い運転者の場合は、図6に示すように、スタータONまでの2000msもの間、他の作動音等がない状態で燃料ポンプが作動するため、燃料ポンプの作動音が乗員にとって耳障りになるという問題があった。
【0008】
本発明はこの問題に対処し、スタータがONになっていない状態における燃料ポンプの作動時間を最小限度に抑え、燃料ポンプの作動音や断続音が自動車の乗員に耳障りになって不快感を与えることを防止し、併せて燃料ポンプの断続回数を低減させて、燃料ポンプ及びその制御リレー等の関連機器の耐久性能を向上させることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運転者によってキースイッチONからスタートスイッチONまでの時間が大幅に異なるにしても、運転者各個人についてみればその時間が略一定であることに着目し、各個人の特性であるその時間をコントロールユニットによって学習することにより、個人差を補正して、スタータがONになっていない状態における燃料ポンプの作動時間を最小限度に抑えることによって、前記課題を解決しようとするものである。
【0010】
そのための解決手段として本発明は、内燃機関の所定回数の始動時においてキースイッチONからスタータONまでの時間を記憶する手段と、記憶されている所定回数のキースイッチONからスタータONまでの前記時間を学習する学習手段と、前記学習手段の学習値に基づいて始動時における燃料ポンプの起動の時点を決定し、その時点において前記燃料ポンプを起動させる手段とを含む内燃機関の燃料ポンプ制御装置を提供する。
他の解決手段として本発明は、内燃機関の所定回数の始動時においてキースイッチONからスタータONまでの時間を記憶する手段と、記憶されている所定回数のキースイッチONからスタータONまでの前記時間を学習する学習手段と、前記キースイッチONと実質的に同時に燃料ポンプを起動する手段と、前記燃料ポンプの作動時間が前記学習手段の学習値に基づいて決定される時間よりも長くなった時に前記燃料ポンプの作動を一時停止させる手段とを含む内燃機関の燃料ポンプ制御装置をも提供する。
【0011】
【作用】
本発明による内燃機関の燃料ポンプ制御装置は、まず、特定の内燃機関の始動時においてキースイッチONからスタータONまでの時間を、最新のものから過去に遡って所定回数だけ記憶する。次に、記憶しているキースイッチONからスタータONまでの所定回数の時間を学習する。そして、学習値に基づいて、始動時における燃料ポンプの許容作動時間を決定する。次の始動時には、既に決定されている許容作動時間の始めの時点において燃料ポンプが起動される。多くの場合、スタータはこの許容作動時間の範囲内にONとなるので、燃料ポンプは継続して作動されるが、稀な場合として、スタータのONになる時期が遅れて、燃料ポンプの許容作動時間の終わりの時点を越えたときは、燃料ポンプは一時停止され、スタータがONになったときに再起動される。
【0012】
燃料ポンプの許容作動時間が、燃料ポンプの作動音が耳障りにならない範囲で決定されており、スタータがONになる時期が遅れても、許容限度一杯まで燃料ポンプの作動を継続させ、妄りに一時停止させないので、燃料ポンプの作動の断続によるリレーの作動音等も減少し、燃料ポンプ及びリレー等の断続回数が減少して耐久性が向上する。しかしながら例外的に、スタータのONになる時期があまりに遅れるときは、許容作動時間の終わりの時点において燃料ポンプを一時停止させ、燃料ポンプの作動音が耳障りになるのを防止する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。まず図4は、外見的には前述の従来技術のそれと変わらないが、内燃機関1とそれに関連する諸機器の概略構成を示したものである。図4において、2は吸気管に取り付けられた燃料噴射弁、3はマイクロコンピュータ等を内蔵する電子式の制御装置であるコントロールユニットで、その構成及び作動が本発明の特徴となる。4は燃料を噴射のために加圧する燃料ポンプで、フローチャートやタイムチャート等の図面中ではF/Pと略記している。
【0014】
5は吸入空気量を計測する吸気量センサ、6は機関1のクランク軸の回転を検出する回転センサ、7は機関1の冷却水温センサを示す。8はキースイッチ本体で、その内部にはコントロールユニット3や図示しないイグニッション系統等の電源をON−OFFするイグニッションスイッチ(以下これをキースイッチと呼ぶことにする)8aと、クランク軸を始動時に駆動するためのスタータ(始動モータ)をON−OFFするスタートスイッチ8bとが設けられており、周知のように、運転者がイグニッションキー8cを回転操作すると先にキースイッチ8aがONとなり、更にイグニッションキー8cを回転操作するとスタートスイッチ8bがONとなって、スタータが回転するようになっている。
なお、図中9は燃料タンク、10は噴射される燃料圧力を一定に保つための燃圧調整弁を示している。
【0015】
燃料は、燃料タンク9から燃料ポンプ4によって加圧されて燃圧調整弁10へ送られ、燃料圧力を一定にされて燃料噴射弁2へ供給される。燃料噴射弁2は、コントロールユニット3からの燃料噴射信号を受けて作動する電磁式あるいは電歪式等のアクチュエータによって開閉され、この例では開弁時に燃料を機関1の吸気管内へ噴射する。コントロールユニット3は、吸気量センサ5からの吸気量信号、回転センサ6からの回転信号、その他、冷却水温センサ7からの水温信号等に応じた燃料噴射量を計算し、クランク軸の一定回転毎に燃料噴射弁2へ燃料噴射信号を送って開弁させる。この燃料噴射信号は、回転センサ6がクランク軸の回転停止を検出するまで繰り返して発生する。
【0016】
また、コントロールユニット3は、回転センサ6がクランク軸の回転を検出し続けている間、及びスタータがONになっている(スタートスイッチ8bがONになっている)間は、燃料ポンプ4を連続的に作動させるようになっている。
次に、コントロールユニット3によって実行される燃料ポンプ4の駆動制御を図1のフローチャートによって説明する。コントロールユニット3の内部は、そのような制御が可能なように構成されることになる。
【0017】
機関1全体の制御の手順を示すフローチャートは図示していないが、図1のフローチャートに示す制御手順は、機関1全体の制御のためのメインルーチンプログラムの一部をなすもので、機関1が運転状態にある間は、例えばクランク軸の1回転毎のような所定の短時間おきに、コントロールユニット3に内蔵されたマイクロコンピュータによって繰り返して実行される。
【0018】
やはり図示していないが、図1に示す手順の実行に先立って、機関1の始動時には、運転者がイグニッションキー8cを回転操作して、キースイッチ8aをONとすることにより、まずコントロールユニット3の内部を初期化する処理が行われる。それによって、フラグX及びフラグYも0となる。本発明の制御例におけるフラグXは、燃料ポンプ4が機関1の始動時に起動された後に一時停止している状態を表示するものであり、フラグYはスタータがONであって燃料ポンプ4が作動している状態を表示するものである。
【0019】
所定の短時間おきに図1の制御プログラムがスタートすると、ステップ101でフラグYが0か否かを判定する。フラグY=0でなければ(フラグY=1であれば)、現在スタータがONであって機関1の始動が行われており、燃料ポンプ4も作動している状態であるから、以後のステップを通らないで直ちにこのルーチンを抜ける。
【0020】
ステップ101においてフラグY=0ということは、スタータが未だONになっておらず、燃料ポンプ4も作動していない状態であるから、ステップ102に進んで、その間に運転者がスタータをONにしたか否かを判定する。ONであればステップ103に進んで燃料ポンプ4を駆動するリレーをONとして作動を開始させる。既に燃料ポンプ4が作動しているときは、その回転を継続させることになる。次にステップ104では、運転者によってキースイッチ8aがONとされてからスタータがONとされるまでの時間Ti (ms)を算出し、それをコントロールユニット3内のバックアップRAMに記憶する。
【0021】
更に、ステップ105では、ステップ104のようにして記憶している機関1の、例えば過去4回の始動時におけるキースイッチONからスタータONまでの時間Ti (ms)(それらを、それぞれ新しいものから順に、Ti,i-1,i-2,i-3 と呼ぶことにする。)の平均値を、学習値GT(ms)としてコントロールユニット3内のバックアップRAMに記憶する。つまり、この制御例では、
学習値GT(ms)=(Ti +Ti-1 +Ti-2 +Ti-3 )/4
である。この場合サンプリングの数は4であるが、4つの数値Ti,i-1,i-2,i-3 が機関1の始動の度に更新されることは言うまでもない。なお、本実施例では4回の平均値を学習したが、これに限らず、多数回の統計処理における平均的値を学習値としてもよい。
学習値GT(ms)を記憶した後は、ステップ106に進んで、スタータがONであってしかも燃料ポンプ4が作動している状態を表示するフラグYをセットして(フラグY=1とする)、このルーチンを抜ける。
【0022】
ステップ102における判定結果が、スタータはONでない(No)となるときは、キースイッチ8aがONであっても運転者の操作の遅れによってスタートスイッチ8bが未だにONになっていない状態や、機関1の始動が既に完了している状態である。その場合にはステップ107に進み、フラグXが0か否かを判定する。ステップ107においてフラグXが0でない(フラグX=1である)ということは、燃料ポンプ4が機関1の始動時に起動された後に一時停止している状態を表示するものであるから、以後のステップを通らないで直ちにこのルーチンを抜ける。
【0023】
ステップ107においてフラグX=0であるときは、運転者の操作の遅れによって未だにスタータがONになっておらず、従って燃料ポンプ4も作動していない状態であるから、ステップ108に進んで、ステップ105においてバックアップRAMに記憶されている前述の、キースイッチONからスタータONまでの時間Tiの学習値GT(ms)を読み込む。そしてステップ109においてキースイッチ8aがONとされた時点からGT−300(ms)の時間が経過したか否かを判定する。未だGT−300(ms)が経過していないときは、燃料ポンプ4を起動する時期に達しておらず、再び判定、制御を繰り返して行う必要があるので、今回のルーチンを抜ける。
【0024】
この制御例においてGT−300(ms)という時間は、キースイッチ8aのONと同時ではないがスタータがONになる前から燃料ポンプ4を作動させるために、バックアップRAMに記憶されている学習値GT(ms)に基づいてコントロールユニット3が算出した数値である。即ち、この制御例では、図2に示すように、スタータがONとされる時点よりも300ms前から燃料ポンプ4を起動することにしているので、それらの数値に基づいて、キースイッチ8aをONとした時から燃料ポンプ4の起動までの経過時間GT−300(ms)が算出されている。
【0025】
スタータONよりも300ms前から燃料ポンプ4を起動することにした理由は、燃料ポンプ4の作動時間をできるだけ短縮して、燃料ポンプ4の作動音が気にならないようにするという目的のためであるが、300ms前という数値は、前述のように燃料ポンプ4は通常起動後約200ms経過すると、その吐出圧力が正常な燃料噴射を行い得る値に達するので、それに製品の特性のばらつきを考慮して、更に100msを上乗せした数値と一致しており、この面から見ても妥当な数値である。なお、この数値は実施例のシステムに予め与えてある定数であり、その始まりと終わりの時点が始動の度に決定されることになる。また、上記のように100msを上乗せする代わりに、学習時において平均値よりも小さめの値を学習値としてもよい。
【0026】
ステップ109における判定結果がGT−300(ms)を経過したということであれば、その時点でステップ110に進んで燃料ポンプ4を起動する。このように燃料ポンプ4の起動の時点を学習値GT(ms)に応じてできるだけ遅らせて、作動音の発生時間を短縮すると共に、その燃料ポンプ4の起動の時点を、学習値GT(ms)から見てスタータがONになると予測される時点よりも、必要な時間300msだけ早めた時点に選ぶことにより、燃料圧力の上昇の遅れがなく、正常な燃料噴射が機関1の始動時から行われることになる。また、一旦起動した燃料ポンプ4を一時停止させるという必要性も減少する。
【0027】
しかし、運転者の操作が遅れて、スタータがONにならない状態であまりに長く燃料ポンプ4が作動する場合には、やはり前述のような弊害を生じるので、ステップ111において燃料ポンプ4が起動されてから所定の時間、即ちこの制御例では400msを経過したか否かを判定する。経過していなければこのルーチンを抜けるが、もし経過していればステップ112へ進んで燃料ポンプ4を一時停止させ、ステップ113において、その状態を表示するフラグXを1とする。この処理をタイムチャートとして示したものが図3である。
【0028】
なお、燃料ポンプ4の許容作動時間の長さである400msは一例を示したものであるが、その根拠を説明すると、キースイッチONからスタータONまでの時間Ti(ms)は、同じ運転者であっても実際には学習値GT(ms)に対しても多少のばらつきがあるので、それをカバーするために前述の所定値300msに対して更に100msの余裕を加えたものである。これによって燃料ポンプ4が一時停止しないで連続作動し得る確率を高めることができる。なお、この時間を長くすると前記確率は更に高くなるが、その反面で燃料ポンプ4の作動時間が長くなるので、もしスタータが直ぐにONにならない場合には、作動音が自動車の乗員の耳障りになる結果となる。従って中庸の値として400msという数値が選定されている。
【0029】
先の説明でも触れたが、図2及び図3は、図1に示した制御を行った場合において、キースイッチ8aとスタートスイッチ8bのONの時期に対する燃料ポンプ4の作動の時間的経過をタイムチャートとして示したものである。図2はキースイッチONからスタータONまでの時間が学習値と略一致する通常の場合である。スタータがONと予測される時点の300ms前から燃料ポンプ4を作動させて、狙い通り300ms経過後に実際にスタートスイッチ8bがONとなり、燃料ポンプ4をそのまま継続して作動させている例である。
【0030】
これに対して、図3は、キースイッチONからスタータONまでの時間が学習値よりも長くなった場合で、実際には稀にしか起こり得ない。キースイッチ8aがONとされた時点からGT−300(ms)後に燃料ポンプ4が起動されたものの、スタートスイッチ8bがONとされる時期が見込みよりも遅れたため、燃料ポンプ4を400msだけ作動した後に一時停止させている。これによって、燃料ポンプ4の作動時間があまりに長くなって作動音が乗員の耳障りになるのを防止している。
【0031】
次に、図1〜図3に示した制御例と同様に、燃料ポンプ4の作動時間を短くして作動音が耳障りにならないようにすると共に、燃料ポンプ4等の耐久性能を向上させる他の制御例を図7〜図9に示す。図7は、図1と同様に機関1の制御を行うメインルーチンの一部をなすものであって、図示していないが、図7に示す手順の実行に先立って、機関1の始動時には運転者がイグニッションキー8cを回転操作してキースイッチ8aをONとすることにより、まずコントロールユニット3の内部を初期化する処理が行われる。それによって、フラグX及びフラグYも0となる。フラグX及びフラグYの意味は前述の制御例と同じである。
【0032】
ステップ701は図1のステップ101と同じであり、フラグYが0でなければ(フラグY=1であれば)、既にスタータがONになっていて機関1の始動が行われており、燃料ポンプ4も作動している状態であるから、以後のステップを踏まないで直ちにこのルーチンを抜ける。ステップ701においてフラグY=0であれば、スタータが未だONになっておらず、燃料ポンプ4も作動していない状態であるから、ステップ702に進んで今度はフラグXが0であるか否かを判定する。フラグX=0であるときは、運転者の操作の遅れによって未だにスタータがONになっていない状態であるが、ステップ703に進んで燃料ポンプ4を起動する。従って、燃料ポンプ4は実質的にキースイッチ8aの投入と同時に作動を開始する(図8参照)。次に、ステップ704でスタータがONになっているか否かを判定するが、先のステップ702においてフラグXが0でなかったとき(フラグX=1のとき)、即ち燃料ポンプ4が機関1の始動時に起動された後に一時停止している状態では、ステップ704へ直接移行する。
【0033】
ステップ704では、スタータがONになっているか否かを判定する。スタータがONであればステップ705に進んで燃料ポンプ4の作動を継続させる。ステップ702における判定の際にフラグX=1であって、ステップ703を通らなかった場合には、燃料ポンプ4は一時停止の状態にあるから、ステップ705において燃料ポンプ4を再起動することになる。
【0034】
ステップ706〜ステップ708の処理は、先に説明した図1の制御例におけるステップ104〜ステップ106の処理と同じであり、キースイッチONからスタータONまでの時間Ti(ms)の算出、記憶、学習値GT(ms)の算出とバックアップRAMへの記憶、スタータがONで燃料ポンプ4が作動し始めたことを表示するフラグY=1のセットを順次行なった後に、この制御ルーチンを終了する。
【0035】
運転者のキー操作が緩慢であって、ステップ704の判定において未だスタータがONでないときは、ステップ709に進んで燃料ポンプ4の起動時点から燃料ポンプ4の許容作動時間である学習値GT(ms)プラス100msを経過したか否かを判定する。燃料ポンプ4の許容作動時間を例えば300msである学習値GTに100msを加えた時間としているのは、図1の制御例におけるステップ111で400msを閾値にしているのと同じ理由によるものであって、学習値GT(ms)に対する実際に見られる個々の時間のばらつきを考慮したものである。
【0036】
ステップ709の判定において、燃料ポンプ4の作動時間が未だ学習値GTプラス100msの許容作動時間を越えていないときは、そのままこのルーチンを抜ける。燃料ポンプ4を作動させたままで、更にスタータがONになるのを待つ状態である。しかし、ステップ709において燃料ポンプ4の作動時間が学習値GTプラス100msの許容作動時間を越えたと判定されたときは、それ以上燃料ポンプ4のみの作動を継続すると作動音が乗員の耳障りになる限界まで来ていると判断されるので、図1の制御例におけるステップ112及びステップ113と同様に、ステップ710及びステップ711を通って、燃料ポンプ4を一時停止させ(図9参照)、その状態にあることを表示するフラグXを1とする処理を行なって、このルーチンを終了し、短時間後に再び始めから判定及び処理を繰り返すことになる。
【0037】
図8及び図9は、図7に示した制御を行った場合において、キースイッチ8aとスタートスイッチ8bのONの時期に対する燃料ポンプ4の作動の時間的経過をタイムチャートとして示したものである。図8はキースイッチONからスタータONまでの時間が学習値GT(ms)と略一致する通常の場合である。図7の制御例の場合は、燃料ポンプ4は実質的に運転者がキースイッチ8aをONにすると同時に起動されるが、その後、学習値GT(ms)の通りに(例えば300ms程度の時間が経過した後に)スタートスイッチ8bがONとなり、燃料ポンプ4をそのまま継続して作動させている例である。
【0038】
これに対して、図9は、キースイッチONからスタータONまでの実際の時間が、燃料ポンプ4の許容作動時間である学習値GT(ms)+余裕の100msよりも長くなった場合で、このようなことは稀にしか起こり得ない。キースイッチ8aがONと実質的に同時に燃料ポンプ4が起動されたが、スタートスイッチ8bがONとされる時期が見込みよりも遅れたため、燃料ポンプ4を許容作動時間だけ作動した後に一時停止させている。これによって、燃料ポンプ4の作動時間があまりに長くなって作動音が乗員の耳障りになるのを防止している。但し先に述べたように、スタータがONとなれば燃料ポンプ4は再起動され、それ以後は継続的に駆動される。
【0039】
【発明の効果】
本発明の内燃機関の燃料ポンプ制御装置によれば、内燃機関の始動時のスタータがONになっていない状態における燃料ポンプの作動音や、従来技術による燃料ポンプやその制御リレーの断続音が耳障りになって不快感を与えることを防止し、併せてそれらの断続回数を低減させて、燃料ポンプ及びその制御リレー等の関連機器の耐久性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の制御例を示すフローチャートである。
【図2】第1の制御例における通常の場合の経過を示すタイムチャートである。
【図3】第1の制御例における特異な場合の経過を示すタイムチャートである。
【図4】外見的に従来例と同様な本発明の燃料ポンプ制御装置の全体構成図である。
【図5】従来例における作動パターンを例示するタイムチャートである。
【図6】考えられる他の作動パターンを例示するタイムチャートである。
【図7】本発明による第2の制御例を示すフローチャートである。
【図8】第2の制御例における通常の場合の経過を示すタイムチャートである。
【図9】第2の制御例における特異な場合の経過を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…燃料噴射弁
3…コントロールユニット
4…燃料ポンプ
5…吸気量センサ
6…回転センサ
7…冷却水温センサ
8…キースイッチ本体
8a…キースイッチ(イグニッションスイッチ)
8b…スタートスイッチ
8c…イグニッションキー
9…燃料タンク
10…燃圧調整弁

Claims (3)

  1. 内燃機関の所定回数の始動時においてキースイッチONからスタータONまでの時間を記憶する手段と、記憶されている所定回数のキースイッチONからスタータONまでの前記時間を学習する学習手段と、前記学習手段の学習値に基づいて始動時における燃料ポンプの起動の時点を決定し、その時点において前記燃料ポンプを起動させる手段とを含む内燃機関の燃料ポンプ制御装置。
  2. 運転者の操作が遅れてスタータがONにならない状態で長く燃料ポンプが作動する場合に前記燃料ポンプの作動を一時停止させる手段を備えている請求項1に記載された内燃機関の燃料ポンプ制御装置。
  3. 内燃機関の所定回数の始動時においてキースイッチONからスタータONまでの時間を記憶する手段と、記憶されている所定回数のキースイッチONからスタータONまでの前記時間を学習する学習手段と、前記キースイッチONと実質的に同時に燃料ポンプを起動する手段と、前記燃料ポンプの作動時間が前記学習手段の学習値に基づいて決定される時間よりも長くなった時に前記燃料ポンプの作動を一時停止させる手段とを含む内燃機関の燃料ポンプ制御装置。
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